JPH106006A - アーク溶接監視方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】アーク溶接をモニタで監視する時、リアルタイ
ムで、ビード形状、開先形状、溶接ねらい位置など溶接
周辺部の立体的情報の把握を容易にする。 【解決手段】溶接予定位置を照射するスリット光投光器
３と、その断面プロフィールを測定する断面形状測定用
カメラ４と、溶接アーク９及び溶着金属のプールを観察
するアークカメラ２と、前記プロフィールとアーク画像
とを合成する画像合成装置とを備えたアーク溶接監視装
置を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、アーク溶接の際に
用いるアーク溶接監視方法及び装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】アーク溶接の際、アーク溶接した部分に
欠陥が生じないように溶接条件を調整するため、アーク
及びアークによる溶融金属のプールの映像等をモニタし
つつ、溶接を行うことが好ましい。そこで、アーク溶接
の溶接経路の前方にカメラを設置して、アーク溶接の条
件を調整する遠隔自動溶接技術が提案されている（特開
平２−２５５２７２号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】特開平２−２５５２７
２号公報に提案される従来のアークモニタにおいては、
光学的減光フィルタを用いているため、過度の光量によ
り溶接状態観察の障害となるアークスポット部のみなら
ず、ビード、開先等の溶接オペレーションに必須の溶接
周辺部の視覚情報をも減少させてしまい、溶接周辺部の
状況認識が困難であった。特に、ビード形状、開先量、
溶接ねらい位置といった溶接周辺部の立体的情報の把握
は困難である。

【０００４】特開平５−２９３６４８号公報において
は、溶接トーチの後方にもアーク観察用カメラを備える
ことにより形成ビードの確認は可能になったが、依然と
して溶接周辺部の立体的形状を明確に認識するには至っ
ておらず、溶接オペレーションに支障が残る。本発明
は、上記事情に鑑み、アーク溶接を的確かつ容易にリア
ルタイムでオペレーションできるアーク溶接方法及び装
置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、溶接すべき位
置の断面形状を予め測定して記憶しておき、この断面形
状測定位置における溶接アーク、アークによる溶融金属
のプール及び溶接周辺部位の映像をリアルタイムで撮影
し、前記記憶された断面形状と前記映像とを合成し、溶
接部断面形状、アーク及びプールを同時に観察し、監視
することを特徴とするアーク溶接監視方法を提供するも
のである。

【０００６】上記本発明方法を好適に実施することがで
きる本発明の装置は、被溶接材の溶接予定位置を照射す
るスリット光投光器と、このスリット光が照射された位
置の被溶接材の断面プロフィールを測定する断面形状測
定装置と、この断面形状測定位置における溶接アーク及
び溶着金属のプールを観察するアークモニタと、前記測
定されたプロフィールと観察されたアーク画像とを合成
する画像合成装置とからなることを特徴とするアーク溶
接監視装置である。

【０００７】この装置では前記断面形状測定装置により
測定した溶接部断面形状をメモリに記憶し、アークカメ
ラでアークを撮影の際、アークモニタ画像にこの溶接部
断面形状を合成し、溶接のアーク及びプールと開先断面
形状を同時に観察することができる。本発明のアーク溶
接用監視モニタは、溶接経路に沿った前方側から、アー
ク溶接のアーク及び溶融金属プールを撮影したアーク画
像と、断面形状測定装置により予め取得したその溶接部
断面形状を溶接監視モニタ画像上に合成することによ
り、アーク状態と共に溶接部周辺の立体形状情報を容易
に把握することができ、溶接部の状況に応じた溶接オペ
レーションがリアルタイムで適正かつ容易に可能とな
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。図１は、本発明に係るアーク監視用モニタに用
いられる装置の配置を示す図である。複数の鋼板８、８
ａを、その端部同士を水平に直接接触するかもしくは近
接させて組み付け、溶接部７を形成する。走行レール６
は、溶接部７に平行に鋼板８上に固定されており、溶接
ヘッド５は、走行レール６上を走行しながら溶接を行
う。溶接は溶接トーチ１より、アーク９を発生して行
い、その状況をアークカメラ２で撮影する。溶接部前方
に設置されたスリット光投光器３と断面形状測定用カメ
ラ４でスリット光による被溶接材の断面プロフィールで
ある光断面画像１０を撮影する。アーク９とスリット光
の距離は、スリット光の視覚情報がアーク９に打ち消さ
れない程度の距離として、４０ｍｍ以上離している。

【０００９】図２は、本発明に係るアーク溶接用監視モ
ニタの概念図である。アーク９をアークカメラ２で撮影
し、カメラコントローラ１１を経由し、画像合成装置１
３に送る。一方、溶接部７の断面プロフィールを測定す
る測定用カメラ４により取得された光断面画像１０は、
カメラコントローラ１１を経由し、画像処理装置１９で
スリット光照射部のみが抽出され、いったんメモリ１２
に溶接部断面形状情報として記憶される。溶接部断面形
状情報は、アークカメラ２により撮影されたアーク９の
画像と、画像合成装置１３により合成される。合成は、
タイミングコントローラ２０により、アーク画像取得部
位と溶接部断面形状情報取得部位とが一致するように調
整されて行われる。

【００１０】合成画像は、表示装置１４に映し出され、
オペレータは合成画像を見ながら溶接オペレーションを
行う。図３はこの画像合成を説明する図であって、図３
（ａ）は溶接部断面形状を示す光断面画像１０、図３
（ｂ）はアーク９を示す画像、図３（ｃ）は図３
（ａ）、（ｂ）の合成画像である。図３（ｃ）に示す合
成画像では開先部の光断面画像１０と、アーク９を示す
画像とが鮮明に表示され、この表示を観察しながら行う
オペレーションが容易となる。具体的なオペレーション
操作としては、図２に示すように、 （ａ）アーク映像１７及び溶融プール映像１８を観察し
ながら、アークの安定化調整を行う。

【００１１】（ｂ）溶接部断面表示映像１５とトーチ映
像１６の位置関係をもとに、トーチのねらい位置の調整
を行う。 （ｃ）積層溶接における、溶接部断面表示映像１５をも
とにした、ビード形状を整形する。 （ｄ）溶接部断面表示映像１５をもとに溶接残り量を判
断し、溶着量調整等を行う。

【００１２】上記溶接オペレーションがリアルタイムで
適正かつ容易に行えるようになったため、溶接欠陥の発
生を防止し高品位の溶接品質を実現する。

【００１３】

【発明の効果】本発明のアーク溶接用監視モニタは、溶
接経路に沿った前方側から、アーク溶接のアーク及び溶
融金属プールを撮影するアークカメラに加え、溶接部開
先の断面形状測定装置が設置されており、断面形状測定
装置により取得した溶接部断面形状をアークモニタ画像
に合成することにより、溶接部周辺の立体形状情報を容
易に把握することができ、溶接部の状況に応じた溶接オ
ペレーションがリアルタイムで適切かつ容易に可能とな
る。その結果、溶接欠陥の発生を防止し、高品位の溶接
品質を実現することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るアーク溶接監視モニタの装置配置
を示す斜視図である。

【図２】本発明に係るアーク溶接監視モニタの概略図で
ある。

【図３】画像合成の説明図である。

【符号の説明】

１ 溶接トーチ ２ アークカメラ ３ スリット光投光器 ４ 断面形状測定用カメラ ５ 溶接ヘッド ６ 走行レール ７ 溶接部 ８ 鋼板 ９ アーク １０ 光断面画像 １１ カメラコントローラ １２ メモリ １３ 画像合成装置 １４ 表示装置 １５ 溶接部断面表示映像 １６ トーチ映像 １７ アーク映像 １８ 溶融プール映像 １９ 画像処理装置 ２０ タイミングコントローラ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 溶接すべき位置の断面形状を予め測定し
   て記憶しておき、該断面形状測定位置でのアーク、アー
   クによる溶融金属のプール及び溶接周辺部位の映像をリ
   アルタイムで撮影し、前記記憶された断面形状と前記映
   像とを合成し、溶接部断面形状、アーク及びプールを同
   時に観察し、監視することを特徴とするアーク溶接監視
   方法。
2. 【請求項２】 被溶接材の溶接予定位置を照射するスリ
   ット光投光器と、該照射された位置の被溶接材の断面プ
   ロフィールを測定する断面形状測定装置と、該測定位置
   における溶接アーク及び溶着金属のプールを観察するア
   ークモニタと、前記測定されたプロフィールと観察され
   たアーク画像とを合成する画像合成装置とからなること
   を特徴とするアーク溶接監視装置。