JPH1059938A - N−フェニルイミド系化合物又はその塩、それらの製造方法及びそれらを含有する医薬組成物 - Google Patents

N−フェニルイミド系化合物又はその塩、それらの製造方法及びそれらを含有する医薬組成物

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JPH1059938A
JPH1059938A JP9171122A JP17112297A JPH1059938A JP H1059938 A JPH1059938 A JP H1059938A JP 9171122 A JP9171122 A JP 9171122A JP 17112297 A JP17112297 A JP 17112297A JP H1059938 A JPH1059938 A JP H1059938A
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JP
Japan
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group
compound
phenylimide
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salt
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JP9171122A
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English (en)
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Yuichi Hashimoto
祐一 橋本
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Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はN−フェニルイミド系化合物又はそ
の塩、それらの製造方法又はそれらの医薬組成物を提供
することにある。 【解決手段】 一般式(I)又は(II): 【化1】 (式中、R1 又はR2 は水素原子又は低級アルキル基で
あり、Xは酸素原子又は硫黄原子であり、Z1 又はZ2
はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメ
チル、ヒドロキシ基又はアミノ基であり、lは0又は1
〜4の整数であり、mは0又は1であり、nは0又は1
〜6の整数である)で表わされるN−フェニルイミド系
化合物又はその塩、それらの製造方法及びそれらを含有
する医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定のN−フェニ
ルイミド系化合物又はその塩、それらの製造方法或はそ
れらを有効成分として含む医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭50−121432号公報には、
農園芸用殺菌剤の有効成分としてのフタルイミド誘導体
が開示され、また、特開昭62−22760号公報に
は、農園芸用殺菌剤の有効成分としてのイソインドリン
誘導体が開示されているが、これらはそれぞれ本発明の
N−フェニルイミド系化合物とは化学構造が異なる。ま
た本発明のN−フェニルイミド系化合物は、医薬分野に
おいてケミカル・ファーマシューティカル・ビュレティ
ン(Chemical&Pharmaceutical
Bulletin)、43巻1号、177〜179
頁、1995年に開示されたN−アルキルフタルイミ
ド、更にバイオロジカル・ファーマシューティカル、ビ
ュレティン(Biological Pharmace
utical Bulletin)、18巻9号、12
28〜1233頁、1995年に開示されたベンジルフ
タルイミド及びフエネチルフタルイミドともその化学構
造が区別される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題とその手段】本発明者
は、一定のN−フェニルイミド系化合物又はその塩に関
して優れた医薬組成物を見出すべく、様々な疾患を引き
起こす要因の一つと考えられている腫瘍壊死因子(TN
Fーα)の産生調節及びアミノペプチダーゼNの活性阻
害に注目し、種々検討をした結果本発明を完成した。
【0004】すなわち本発明は一般式(I)又は(I
I):
【0005】
【化8】
【0006】(式中、R1 又はR2 は水素原子又は低級
アルキル基であり、Xは酸素原子又は硫黄原子であり、
1 又はZ2 はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ト
リフルオロメチル基、ヒドロキシ基又はアミノ基であ
り、lは0又は1〜4の整数であり、mは0又は1であ
り、nは0又は1〜6の整数である)で表わされるN−
フェニルイミド系化合物又はその塩、それらの製造方法
又はそれらを有効成分として含有する医薬組成物望まし
くはTNF産生調節剤又はアミノペプチダーゼN阻害剤
に関する。前記一般式(I)又は(II)で表わされるN
−フェニルイミド系化合物又はそれらの塩において、R
1 又はR2 の低級アルキル基としては、C1 〜C6 の直
鎖又は枝分れアルキル基、例えばメチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、tert−
ブチルなどが挙げられるが、イソプロピルが望ましく、
また、Z1 又はZ2 のハロゲン原子としては弗素、塩
素、臭素、沃素が挙げられるが、弗素が望ましい。更に
l又はnが2以上の整数をとる場合、Z1 又はZ2 とし
ての置換基は同種又は異種いずれであってもよいが、Z
1 又はZ2 としてニトロ基又はアミノ基を2ケ以上とる
場合、爆発性、発癌性などを有するためその取扱いに注
意する必要がある。
【0007】前記一般式(I)又は(II)のN−フェニ
ルイミド系化合物又はその塩として好ましいものを例示
する。 (1)R1 及びR2 が共にイソプロピル基である。 (2)Z1 又はZ2 が弗素又はニトロ基である。 (3)l及びnは0又は1である。 (4)mは1である。
【0008】本発明の前記一般式(I)又は(II)のN
−フェニルイミド系化合物又はその塩は種々の方法によ
って製造することができる。例えば本発明のN−フェニ
ルイミド系又はその塩は下記の反応により製造すること
ができる。
【0009】
【化9】
【0010】(式中R1 ,R2 ,Z1 ,Z2 ,l,m及
びnは前述のとおり) 前記一般式(I)又は(II)で表わされるN−フェニル
イミド系化合物においてXが酸素原子のものは前段の反
応により製造され、Xが硫黄原子のものは後段の反応に
よって製造される。この後段の反応においては、一般式
(I″)又は(II″)以外にも下記一般式で表される化
合物を製造することができるが、これらの化合物はそれ
ぞれ任意の反応条件によって選択的に製造したり、混合
物として製造したりすることが可能である。混合物とし
て製造した場合は、カラム分離等の精製手段によってそ
れぞれを分離することができる。
【0011】
【化10】
【0012】前記一般式(I)又は(II)で表わされる
N−フェニルイミド系化合物において、Z1 又はZ2
アミノ基又はヒドロキシ基である化合物は、塩を形成す
ることが可能であり、その塩としては薬理的に許容され
るものであればあらゆるものが含まれるが、例えば塩酸
塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、メタン
スルホン酸塩のような有機酸塩;ナトリウム塩、カリウ
ム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシ
ウム塩のようなアルカリ土類金属塩;トリエタノールア
ミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の
ような有機アミン塩などが挙げられる。一般式(III)又
は(V)で表わされる化合物と一般式(VII)で表される
アニリン系化合物との反応は、通常酸性物質の存在下で
行われる。酸性物質としては酢酸、トルエンスルホン酸
のような有機酸;硫酸、塩酸のような無機酸などが挙げ
られる。一般式(III)、(IV)、(V)又は(VI)で表
わされる化合物と一般式(VII)で表わされるアニリン系
化合物との反応は不活性溶媒下で行なってもよいが、溶
媒を使用せずに熔融下に行なってもよい。不活性溶媒と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ンのような芳香族炭化水素類;ジオキサンのようなエー
テル類;ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶
媒などから1種又は2種以上が適宜選択される。また一
般式(I′)又は(II′)で表わされるイミド系化合物
と五硫化リン又はその二量体との反応は通常不活性溶媒
下で行ない、その不活性溶媒としては前述の芳香族炭化
水素などが挙げられる。
【0013】
【実施例】次に本発明のN−フェニルイミド系化合物の
実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。まず、合成例を記載する。
【0014】合成例1N−フェニル−ホモフタルイミド(化合物No.A−
1)の合成 無水ホモフタル酸0.871g(5.37mmol)と
アニリン0.4g(4.30mmol)を混ぜ合わせ、
200℃で1時間融解した。反応物を酢酸エチルに溶か
し、NaHCO3 水溶液、水次いで飽和食塩水で洗い、
無水MgSO4で乾燥し、ひだ折り濾過し、濃縮し、乾
固した後残渣をCH2 Cl2 とヘキサンとの混合物を用
いて再結晶して、目的物として微黄色粉状晶0.565
g(収率68%)を得た。このものは下記の物性及び分
析値を示した。 mp.186.7〜187.9℃1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 8.25(1H,d
d,J=7.63,0.92),7.65(1H,dt,J=7.63,1.42),7.43-7.54(4
H,m),7.35(1H,d,J=7.32),7.20-7.22(2H,m),4.24(2H,s)
【0015】合成例2N−(2,6−ジメチルフェニル)−ホモフタルイミド
(化合物No.A−2)の合成 無水ホモフタル酸0.67g(4.13mmol)と
2,6−ジメチルアニリン0.4g(3.30mmo
l)を混ぜ合わせ、200℃で1時間融解した。反応物
を酢酸エチルに溶かし、NaHCO3 水溶液、水次いで
飽和食塩水で洗い、無水MgSO4 で乾燥し、ひだ折り
濾過し、濃縮し、乾固した後残渣をCH2 Cl2 とヘキ
サンとの混合物を用いて再結晶して、目的物として微黄
色粒状晶0.565g(収率68%)を得た。このもの
は下記の物性及び分析値を示した。 mp.129.0〜130.4℃ 1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 8.27(1H,d,
J=7.54),7.67(1H,dt,J=7.54,1.32),7.49(1H,t,J=7.54),
7.38(1H,d,J=7.54),7.25(1H,t,J=7.33),7.18(2H,d,J=7.
33),4.25(2H,s),2.10(6H,s)
【0016】合成例3N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−ホモフタル
イミド(化合物No.A−3)の合成 無水ホモフタル酸0.512g(3.16mmol)と
2,6−ジイソプロピルアニリン0.42g(2.37
mmol)を混ぜ合わせ、200℃で1時間融解した。
反応物を酢酸エチルに溶かし、NaHCO3 水溶液、水
次いで飽和食塩水で洗い、無水MgSO4 で乾燥し、ひ
だ折り濾過し、濃縮し、乾固した後残渣をCH2 Cl2
とヘキサンとの混合物を用いて再結晶して、目的物とし
て微紫色平板状晶0.351g(収率36%)を得た。
このものは下記の物性及び分析値を示した。 mp.184.2〜185.9℃ 1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 8.27(1H,d,
J=7.66),7.67(1H,dt,J=7.66,1.32),7.50(1H,t,J=7.66),
7.44(1H,t,J=7.83),7.39(1H,d,J=7.66),7.28(2H,d,J=7.
83),4.25(2H,s),2.64(2H,7 分裂,J=6.87),1.15(6H,d,J=
6.87),1.14(6H,d,J=6.87)
【0017】合成例4N−フェニル−2,3−ナフタリミド(化合物No.B
−1)の合成 無水2,3−ナフタレンジカルボン酸0.91g(4.
59mmol)とアニリン5mlを混ぜ合わせ、190
℃で1時間還流した。反応物をCHCl3 に溶かし、1
N−HCl(当量以上)、NaHCO3 水溶液次いで
水、最後に飽和食塩水で洗い、無水MgSO4 で乾燥
し、ひだ折り濾過し、濃縮し、乾固した後残渣をCHC
3 より再結晶して目的物として白色針状晶0.36g
(収率29%)を得た。このものは下記の物性及び分析
値を示した。 mp.274.2〜274.8℃1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 8.47(2H,
s),8.08-8.13(2H,m),7.72-7.76(2H,m),7.49-7.56(4H,
m),7.41-7.45(1H,m)
【0018】合成例5N−(2,6−ジメチルフェニル)2,3−ナフタリミ
ド(化合物No.B−2)の合成 無水2,3−ナフタレンジカルボン酸1.0g(5.0
5mmol)と2,6−ジメチルアニリン5mlを混ぜ
合わせ、190℃で1時間攪拌した。反応物をCHCl
3 に溶かし、1N−HCl(当量以上)、NaHCO3
水溶液次いで水、最後に飽和食塩水で洗い、無水MgS
4 で乾燥し、ひだ折り濾過し、濃縮し、乾固した後残
渣をCH3 OHとヘキサンとの混合物を用いて再結晶し
て目的物として白色粉状晶1.11g(収率73%)を
得た。このものは下記の物性及び分析値を示した。 mp.180.1〜180.7℃ 1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 8.48(2H,
s),8.08-8.13(2H,m),7.72-7.76(2H,m),7.29(1H,t,J=7.5
3),7.21(2H,d,J=7.53),2.20(6H,s)
【0019】合成例6N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)2,3−ナフ
タリミド(化合物No.B−3)の合成 無水2,3−ナフタレンジカルボン酸1.0g(5.0
5mmol)と2,6−ジイソプロピルアニリン5ml
を混ぜ合わせ、190℃で1時間攪拌した。反応物をC
HCl3 に溶かし、1N−HCl(当量以上)、NaH
CO3 水溶液次いで水、最後に飽和食塩水で洗い、無水
MgSO4 で乾燥し、ひだ折り濾過し、濃縮し、乾固し
た後残渣をCHCl3 とC25 OHとの混合物を用い
て再結晶して目的物として透明粒状晶0.611g(収
率34%)を得た。このものは下記の物性及び分析値を
示した。 mp.251.0〜252.3℃ 1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 8.49(2H,
s),8.13-8.09(2H,m),7.76-7.72(2H,m),7.48(1H,t,J=7.7
3),7.32(2H,d,J=7.73),2.77(2H,7 分裂,J=6.84),1.18(1
2H,d,J=6.84)
【0020】次に本発明のN−フェニルイミド系化合物
の具体例を表1又は表2に例示する。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】次に本発明の試験例を記載する。
【0024】試験例1(TNF−αの産生又は分泌亢
進) ヒト白血病細胞HL−60は12−O−テトラデカノイ
ルフォルボール−13−アセテート(TPA)により刺
激され腫瘍壊死因子(TNF−α)を産生するが、これ
らのTNF−α産生に及ぼす本発明化合物の影響をみ
た。即ち、ヒト白血病細胞(HL−60)をRPMI1
640培地(5%牛胎児血清を含む)を用い、炭酸ガス
インキュベータ内(5%CO2 、加湿下、37℃)で培
養した。次にこの細胞を、RPMI1640培地(10
%牛胎児血清を含む)で前培養し、対数増殖期にあるH
L−60細胞(5×105 細胞/ml)に対し最終濃度
3nMとなるようにTPAを加え、更に本発明化合物を
所望の濃度となるように加えて細胞懸濁液とし、炭酸ガ
スインキュベータ内(5%CO2 、加湿下、37℃)で
培養した。この培養では24穴のマルチプレート(コー
ニング社製)を使用し、上述の細胞懸濁液を1穴あたり
0.5ml分注して細胞を培養した。培養16時間後、
遠心(1000rpm×10min.)して細胞を除
き、上清中のTNF−α濃度を、ヒトTNF−α EL
ISAシステム(Amersham社製)を用い、Am
ersham社の方法に従って測定し、TNF−α産生
量を求めた。
【0025】測定結果としてTNF−α産生量(%)を
下記するが、その数値は最終濃度3nMのTPAのみで
処理した場合のTNF−α産生量を100%としたとき
の値である。 化合物No. 処理濃度(μM) TNF産生量(%) A−3 10 258 B−3 10 134
【0026】試験例2(アミノペプチダーゼNの阻害) アミノペプチダーゼNの活性は酵素基質としてL−アラ
ニン−7−アミド−4−メチルクマリントリフルオロ酢
酸塩を用い、反応後生成した色素の蛍光強度を測ること
で測定できる(ヨーロピアン ジャーナル イムノロジ
ー、22巻、923〜930頁、1992年)。即ち、
急性リンパ芽球性白血病細胞(MOLT−4)、5×1
4 個に対して、酵素基質としてL−アラニン−7−ア
ミド−4−メチルクマリントリフルオロ酢酸塩(シグマ
社製、No.A4302)を最終濃度0.2mMとなる
ように加え、本発明化合物を所望の濃度となるように調
製した希釈液(酵素基質反応用緩衝液)とともに37℃
で1時間反応した。対照区として、本件化合物を含まな
い緩衝液のみを添加した。酵素基質反応用緩衝液として
100mMヘペス緩衝液pH7.6(120mM塩化ナ
トリウム、5mM塩化カリウム、1.2mM硫酸マグネ
シウム、0.5%牛血清アルブミン含有)を用いた。反
応後、励起波長380nm、蛍光放射波長440nmの
測定条件で、MTP−32コロナマイクロプレートリー
ダー(コロナ電気社製)にて蛍光強度を測定した。測定
結果を下記するが、表中の値は、対照区の蛍光強度を基
準にして、本発明化合物の酵素阻害活性をIC50(μg
/ml)で表した。本発明化合物はアミノペプチダーゼ
Nを阻害した。
【0027】 アミノペプチダーゼN阻害活性IC50化合物No. (μg/ml) A−2 14.1 A−3 <1.0
【0028】TNF−αは、腫瘍細胞に対する細胞毒
性、免疫系細胞の一つであるT細胞の活性化、腫瘍傷害
性マクロファージの活性化、好中球の活性化、線維芽細
胞によるインターフェロン−β2 の産生誘導、免疫系の
刺激などの好ましい効果をもつ一方、その過剰産生は癌
転移及び血管新生の促進、エンドトキシンショックの誘
導、組織炎症の誘導、脂肪球のリポ蛋白質リパーゼの阻
害、ヒト免疫不全ウイルスの複製誘導などの好まざる効
果を有するなど多面的な作用性を示し、広く炎症、免疫
反応を通し、生体反応制御に係わっているサイトカイン
であることが知られている。本発明化合物を含有する医
薬組成物は、生体内におけるTNF−α量の調節を可能
にする生物応答調節剤であり、癌などの疾病の治療に有
効な免疫賦活剤として用いること、移植片の拒絶、移植
片対宿主症候群や免疫系の疾患などに対して治療効果を
有する免疫抑制剤として用いることが可能であり、ま
た、TNF−αが関与するその他の疾患に対しても治療
効果を有する。前述の免疫系の疾患としては、リウマチ
熱、リウマチ様関節炎等の自己免疫疾患、癩性結節紅
斑、ベーチェット病、狼瘡紅斑症、アフタ性潰瘍などが
挙げられ、TNF−αが関与するその他の疾患として、
癌や感染症における悪液質、敗血症ショック、成人呼吸
窮迫症候群、変形性関節症、多発性硬化症、炎症性腸疾
患、多臓器不全、マラリア、髄膜炎、肝炎、糖尿病、後
天性免疫不全症候群などが挙げられる。さらに癌治療な
どにおいてTNF−α量が著しく増加する場合、本発明
化合物を含有する医薬組成物を併用することで、誘導さ
れた過剰なTNF−αによる副作用などを抑えることが
可能である。
【0029】アミノペプチダーゼNは、アラニン、ロイ
シン、フェニルアラニン、チロシン、アルギニン、メチ
オニン、リジン、トリプトファン、グリシン、セリン、
ヒスチジンなどをアミノ末端に持つペプチドを基質とし
て加水分解する酵素であり、腎臓や小腸の上皮細胞、単
球や顆粒球、癌化細胞、その他胎盤、肝臓、膵臓などの
細胞膜表面に多く分布し、アミノ酸の消化吸収、ペプチ
ドホルモン、増殖因子、オータコイド等の生理活性物質
の生合成や分解、細胞外マトリックスの分解など様々な
生理機能について論じられている(血液・腫瘍科、第2
9巻、288〜296頁、1994年)。また本酵素の
免疫機能への関与も示唆されている(ジャパニーズ ジ
ャーナル オブ キャンサー アンド ケモテラピー;
Japanese Journal of Cance
r and Chemotherapy、9巻、101
9〜1024頁、1982年)。また、このアミノペプ
チダーゼNの阻害は、癌細胞の転移を抑制することが報
告されている(キャンサーリサーチ;Cancer R
esearch、46巻、4505〜4510頁、19
86年)。本発明化合物を含有する医薬組成物は、アミ
ノペプチダーゼN阻害剤として用いることが可能であ
り、癌、癌転移、炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギ
ー性疾患などの予防薬または治療薬として有用である。
【0030】特に以下のような態様が望ましい。 (1)前記一般式(I)又は(II)で表されるN−フェ
ニルイミド系化合物を有効成分として含有する生物応答
調節剤。 (2)前記一般式(I)又は(II)で表されるN−フェ
ニルイミド系化合物を有効成分として含有する免疫賦活
剤。 (3)前記一般式(I)又は(II)で表されるN−フェ
ニルイミド系化合物を有効成分として含有する免疫抑制
剤。 (4)前記一般式(I)又は(II)で表されるN−フェ
ニルイミド系化合物を有効成分として含有する腫瘍壊死
因子産生亢進剤。 (5)前記一般式(I)又は(II)で表されるN−フェ
ニルイミド系化合物を有効成分として含有する腫瘍壊死
因子産生抑制剤。
【0031】(6)前記一般式(I)又は(II)で表さ
れるN−フェニルイミド系化合物を有効成分として含有
する抗癌剤。 (7)前記一般式(I)又は(II)で表されるN−フェ
ニルイミド系化合物を有効成分として含有する抗炎症
剤。 (8)前記一般式(I)又は(II)で表されるN−フェ
ニルイミド系化合物を有効成分として含有する抗糖尿病
剤。 (9)前記一般式(I)又は(II)で表されるN−フェ
ニルイミド系化合物を有効成分として含有する血管新生
阻害剤。 (10)前記一般式(I)又は(II)で表されるN−フ
ェニルイミド系化合物を有効成分として含有するアミノ
ペプチダーゼN阻害剤。 (11)前記一般式(I)又は(II)で表されるN−フ
ェニルイミド系化合物を有効成分として含有する抗リウ
マチ剤。
【0032】本発明の前記N−フェニルイミド系化合物
又はその塩を前述の医薬組成物として使用する際は、通
常単独或いは薬理的に許容される各種製剤補助剤と混合
して、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、注射剤、液
剤、点眼剤、軟膏剤、吸入剤、坐剤等の経口的、非経口
的、局所的又は直腸的な使用に適した製剤調製物の形態
で投与される。
【0033】経口的使用に適した製剤としては、例えば
錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、トローチのような
固形組成物や、液剤、シロップ剤、懸濁剤のような液状
組成物等が挙げられる。前記固形組成物を製剤調製する
際は、製剤補助剤として、カルボキシメチルセルロー
ス、アラビアゴム、トラガント末、炭酸カルシウム、ゼ
ラチン、ポリビニルピロリドン、水、エタノール、ブド
ウ糖液、デンプン液のような結合剤;澱粉、乳糖、白
糖、ブドウ糖、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、カル
ボキシメチルセルロース、ケイ酸のような賦形剤;アル
ギン酸、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースナトリウムのような崩壊剤;ス
テアリン酸マグネシウム、軽質無水珪酸、尿素のような
潤滑剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類、アルキル硫酸塩類のような界面活性剤;ゼラチンの
ようなカプセル基剤;その他甘味剤、風味剤、崩壊抑制
剤、吸収促進剤、安定化剤、保存剤、粘稠剤などを使用
することができる。また、前記液状組成物を製剤調製す
る際は、製剤補助剤として、ソルビトール、ゼラチン、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、植物
油の他、乳化剤、甘味剤、風味剤、吸収促進剤、安定化
剤、保存剤などを使用することができる。これらの製剤
は、通常本発明化合物を0.1〜95重量%程度含有す
るように調製される。
【0034】非経口的使用に適した製剤としては、例え
ば注射剤等が挙げられる。注射剤を調製する際は、蒸留
水、生理食塩水のような担体を使用して溶液、懸濁液、
エマルジョンのごとき注射しうる形に調製する。この場
合、防腐剤としてのベンジルアルコール、抗酸化剤とし
てのアスコルビン酸など薬理的に許容される緩衝液又は
浸透圧調節のための試薬を含有してもよい。この注射剤
は、通常本発明化合物を0.1〜10重量%程度含有す
るように調製される。局所的又は直腸的使用に適した製
剤としては、例えば吸入剤、軟膏剤、坐剤等が挙げられ
る。吸入剤としては、本発明化合物自体又は医学上許容
される不活性担体とともにエアゾル又はネブライザー用
の溶液に溶解させるか或は、吸入用微粉末として呼吸器
官へ投与できる。軟膏剤は、通常使用される基剤等を添
加し、慣用の方法により調製されるが、通常本発明化合
物を0.1〜30重量%程度含有するように調製され
る。坐剤は、当該分野において周知の担体、例えばポリ
エチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリ
グリセライド等を使用して慣用の方法により調製される
が、通常本発明化合物を0.1〜95重量%程度含有す
るように調製される。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば前記N−フェニルイミド
系化合物又はその塩が生体内においてTNF−α量の調
節及び/又はアミノペプチダーゼNの活性阻害を可能に
するので、前述の種々の疾患を治療又は予防する上で有
効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/40 AED A61K 31/40 AED 31/47 ABC 31/47 ABC ABD ABD ABG ABG C07D 209/62 C07D 209/62 209/64 209/64 217/24 217/24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)又は(II): 【化1】 (式中、R1 又はR2 は水素原子又は低級アルキル基で
    あり、Xは酸素原子又は硫黄原子であり、Z1 又はZ2
    はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメ
    チル基、ヒドロキシ基又はアミノ基であり、lは0又は
    1〜4の整数であり、mは0又は1であり、nは0又は
    1〜6の整数である)で表わされるN−フェニルイミド
    系化合物又はその塩。
  2. 【請求項2】 R1 及びR2 が共にイソプロピル基であ
    り、Xが酸素原子であり、l又はnが0であり、mが1
    である請求項1のN−フェニルイミド系化合物又はその
    塩。
  3. 【請求項3】 一般式(I)又は(II): 【化2】 (式中、R1 又はR2 は水素原子又は低級アルキル基で
    あり、Xは酸素原子又は硫黄原子であり、Z1 又はZ2
    はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメ
    チル基、ヒドロキシ基又はアミノ基であり、lは0又は
    1〜4の整数であり、mは0又は1であり、nは0又は
    1〜6の整数である)で表わされるN−フェニルイミド
    系化合物又はその塩を有効成分として含有することを特
    徴とする医薬組成物。
  4. 【請求項4】 前記医薬組成物がTNF産生調節剤であ
    る請求項3の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 前記医薬組成物がアミノペプチダーゼN
    阻害剤である請求項3の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 一般式(I)又は(II): 【化3】 (式中、R1 又はR2 は水素原子又は低級アルキル基で
    あり、Xは酸素原子又は硫黄原子であり、Z1 又はZ2
    はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメ
    チル基、ヒドロキシ基又はアミノ基であり、lは0又は
    1〜4の整数であり、mは0又は1であり、nは0又は
    1〜6の整数である)で表わされるN−フェニルイミド
    系化合物又はその塩の製造方法であって、一般式(II
    I)、(IV)、(V)又は(VI): 【化4】 (式中Z1 ,Z2 ,l,m及びnは前述のとおり)で表
    わされる化合物と一般式(VII): 【化5】 (式中R1 及びR2 は前述のとおり)で表わされるアニ
    リン系化合物とを反応させて一般式(I′)又は(I
    I′): 【化6】 (式中R1 ,R2 ,Z1 ,Z2 ,l,m及びnは前述の
    とおり)で表わされるイミド系化合物を製造し、更に必
    要によりこのイミド系化合物と五硫化リン又はその二量
    体とを反応させて一般式(I″)又は(II″): 【化7】 (式中R1 ,R2 ,Z1 ,Z2 ,l,m及びnは前述の
    とおり)で表わされる化合物を製造することを特徴とす
    るN−フェニルイミド系化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1331469C (zh) * 2004-04-05 2007-08-15 王弢 一种苯酞类二聚体的用途

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