JPH1059908A - α−位に3級炭化水素基を有するアミノ酢酸又はそのニトリルの製法 - Google Patents
α−位に3級炭化水素基を有するアミノ酢酸又はそのニトリルの製法Info
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- JPH1059908A JPH1059908A JP9150629A JP15062997A JPH1059908A JP H1059908 A JPH1059908 A JP H1059908A JP 9150629 A JP9150629 A JP 9150629A JP 15062997 A JP15062997 A JP 15062997A JP H1059908 A JPH1059908 A JP H1059908A
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C227/00—Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
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- C07C253/00—Preparation of carboxylic acid nitriles
- C07C253/30—Preparation of carboxylic acid nitriles by reactions not involving the formation of cyano groups
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 α−位に3級炭化水素基を有するアミノ酢酸
又はそのニトリルの製法 【解決手段】 α−位で、3級炭化水素基により置換さ
れたマロン酸モノアミド又はそのエステル又はニトリル
を、ホフマン分解する。
又はそのニトリルの製法 【解決手段】 α−位で、3級炭化水素基により置換さ
れたマロン酸モノアミド又はそのエステル又はニトリル
を、ホフマン分解する。
Description
【0001】
【0002】
【発明の属する技術分野】置換されたアミノ酢酸の最も
単純な化合物は、t−ロイシン、即ち、非タンパクアミ
ノ酸として、特異的作用を有する生物学的に活性なタン
パクの合成のために非常に重要なα−t−ブチルアミノ
酢酸である。これは、更に、不斉合成用の助剤として使
用される(U.Schoellkopf, Pure and Applied Chem., 55
[1983], 1799)。この目的に必要なエナンチオマー純粋
なt−ロイシンは、特異的デアシラーゼを用いてのN−
アシル−t−ロイシンの動的(kinetische)ラセミ化合物
分離により取得することができる(ヨーロッパ特許(E
P)第0494716号明細書)。更に、t−ロイシン
は、容易に、例えば、殺虫剤の立体選択合成用のキラル
助剤として使用されるロイシノールに変換することがで
きる(M.L.McKennon etal., J.Org.Chem. 58[1993], 356
8)。α−位に3級炭化水素基を有するその他のアミノ酢
酸(即ち、t−ロイシンの高級同族体)が、相当する方
法で使用可能であるという。
単純な化合物は、t−ロイシン、即ち、非タンパクアミ
ノ酸として、特異的作用を有する生物学的に活性なタン
パクの合成のために非常に重要なα−t−ブチルアミノ
酢酸である。これは、更に、不斉合成用の助剤として使
用される(U.Schoellkopf, Pure and Applied Chem., 55
[1983], 1799)。この目的に必要なエナンチオマー純粋
なt−ロイシンは、特異的デアシラーゼを用いてのN−
アシル−t−ロイシンの動的(kinetische)ラセミ化合物
分離により取得することができる(ヨーロッパ特許(E
P)第0494716号明細書)。更に、t−ロイシン
は、容易に、例えば、殺虫剤の立体選択合成用のキラル
助剤として使用されるロイシノールに変換することがで
きる(M.L.McKennon etal., J.Org.Chem. 58[1993], 356
8)。α−位に3級炭化水素基を有するその他のアミノ酢
酸(即ち、t−ロイシンの高級同族体)が、相当する方
法で使用可能であるという。
【0003】t−ロイシンは、ストレッカー−合成によ
りピバリンアルデヒドから(K.Ogura, Bull. Chem. Soc.
Jpn, 65[1992],2359)、又は2−ブロム−3,3−ジメ
チル酪酸のアンモニア分解により(Abderhalden, Z.Phy
s.Chem.228[1934], 193)製造することができる。相応し
て、その他のα−位に3級炭化水素基を有するアミノ酢
酸を、相応するその他のアルデヒドから、ストレッカー
−合成により、又は相応するブロムカルボン酸からアン
モニア分解により製造することができる。L−形のt−
ロイシンのもう1つの公知の製法は、3,3−ジメチル
−2−オキソ酪酸(ヨーロッパ特許(EP)第0248
357号明細書)の酵素触媒によるアミノ交換反応であ
る。
りピバリンアルデヒドから(K.Ogura, Bull. Chem. Soc.
Jpn, 65[1992],2359)、又は2−ブロム−3,3−ジメ
チル酪酸のアンモニア分解により(Abderhalden, Z.Phy
s.Chem.228[1934], 193)製造することができる。相応し
て、その他のα−位に3級炭化水素基を有するアミノ酢
酸を、相応するその他のアルデヒドから、ストレッカー
−合成により、又は相応するブロムカルボン酸からアン
モニア分解により製造することができる。L−形のt−
ロイシンのもう1つの公知の製法は、3,3−ジメチル
−2−オキソ酪酸(ヨーロッパ特許(EP)第0248
357号明細書)の酵素触媒によるアミノ交換反応であ
る。
【0004】ピバリンアルデヒドも、2−ブロム−3,
3−ジメチル酪酸及び3,3−ジメチル−2−オキソ酪
酸も、比較的高価な出発物質である。これは、α−位に
t−ブチル基以外の3級炭化水素基を有するアミノ酢酸
を、ピバリンアルデヒドから出発する方法と同様に、そ
れから製造することができるアルデヒドにもあてはま
る。更に、ストレッカー合成には、安全技術的に要求の
多い青酸が必要である。加えて、酵素触媒によるアミノ
交換反応では、空時収率が不充分である。
3−ジメチル酪酸及び3,3−ジメチル−2−オキソ酪
酸も、比較的高価な出発物質である。これは、α−位に
t−ブチル基以外の3級炭化水素基を有するアミノ酢酸
を、ピバリンアルデヒドから出発する方法と同様に、そ
れから製造することができるアルデヒドにもあてはま
る。更に、ストレッカー合成には、安全技術的に要求の
多い青酸が必要である。加えて、酵素触媒によるアミノ
交換反応では、空時収率が不充分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、廉価な出発物
質から出発し、良好な収率及び空時収率で生じ、かつ安
全技術的に要求の多い物質を必要としない、α−位に3
級炭化水素基を有するアミノ酢酸又はそのニトリルの製
法を提供する課題があった。
質から出発し、良好な収率及び空時収率で生じ、かつ安
全技術的に要求の多い物質を必要としない、α−位に3
級炭化水素基を有するアミノ酢酸又はそのニトリルの製
法を提供する課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、この課題
を、α−位で3級炭化水素基により置換されたマロン酸
モノアミド又はそのエステル又はニトリルを、ホフマン
分解することにより解決して、α−位に3級炭化水素基
を有するアミノ酢酸又はそのニトリルを有利に製造す
る。
を、α−位で3級炭化水素基により置換されたマロン酸
モノアミド又はそのエステル又はニトリルを、ホフマン
分解することにより解決して、α−位に3級炭化水素基
を有するアミノ酢酸又はそのニトリルを有利に製造す
る。
【0007】この反応は、t−ロイシンに関して、水酸
化ナトリウム溶液及び次亜塩素酸ナトリウムを使用した
場合、次の反応式で図示することができる:
化ナトリウム溶液及び次亜塩素酸ナトリウムを使用した
場合、次の反応式で図示することができる:
【0008】
【化3】
【0009】理論量の90%を明らかに上回る本方法の
優れた収率は、意外である。つまり、置換されたマロン
酸は、アルカリ媒体中では、脱カルボキシル化により、
相応する置換された酢酸に移行する傾向がある(F.Pata
i, The Chemistry of Carboxylic Acids and Esters, p
589, Interscience, New York, 1969)。
優れた収率は、意外である。つまり、置換されたマロン
酸は、アルカリ媒体中では、脱カルボキシル化により、
相応する置換された酢酸に移行する傾向がある(F.Pata
i, The Chemistry of Carboxylic Acids and Esters, p
589, Interscience, New York, 1969)。
【0010】本発明の方法の出発物質は、一般に、式
I:
I:
【0011】
【化4】
【0012】[式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異
なる炭化水素基を表し、これらの基のいずれか2つが、
それらが置換している4級炭素原子と一緒に、炭化水素
環を形成してよく、かつR4は、カルボキシル基、カル
ボンエステル基又はニトリル基を表す]に相応する。ホ
フマン分解の条件下に、カルボンエステル基はけん化さ
れてカルボキシル基になる。ニトリル基が保持され続け
るか、又はカルボキシル基にけん化されるかは、反応条
件に依存している。温度が高いほど、塩基が著しいほ
ど、その量が多いほど、かつ反応時間が長いほど、カル
ボキシル基へのけん化が、より促進される。記載の出発
物質Iでは、ニトリル基又はカルボキシル基を有する反
応生成物が得られる条件は、予備実験で難なく測定する
ことができる。
なる炭化水素基を表し、これらの基のいずれか2つが、
それらが置換している4級炭素原子と一緒に、炭化水素
環を形成してよく、かつR4は、カルボキシル基、カル
ボンエステル基又はニトリル基を表す]に相応する。ホ
フマン分解の条件下に、カルボンエステル基はけん化さ
れてカルボキシル基になる。ニトリル基が保持され続け
るか、又はカルボキシル基にけん化されるかは、反応条
件に依存している。温度が高いほど、塩基が著しいほ
ど、その量が多いほど、かつ反応時間が長いほど、カル
ボキシル基へのけん化が、より促進される。記載の出発
物質Iでは、ニトリル基又はカルボキシル基を有する反
応生成物が得られる条件は、予備実験で難なく測定する
ことができる。
【0013】有利な出発物質Iでは、R1、R2及びR3
は、10個までの炭素原子を有する同じか又は異なるア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基
又はアラルキル基を表し、更に、これらの基のいずれか
2つが、それらが置換する4級炭素原子と一緒に、5〜
12、殊に5〜6個の炭素原子を有する炭化水素環を形
成してよい。R4は、有利な出発物質Iでは、カルボキ
シル基、ニトリル基又はカルボンエステル基−COOR
5であり、ここでR5は、1〜4、殊に1又は2個の炭素
原子を有するアルキル基又はベンジル基を表す。式中の
R4が、カルボキシル基を表す出発物質Iが、特に有利
である。
は、10個までの炭素原子を有する同じか又は異なるア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基
又はアラルキル基を表し、更に、これらの基のいずれか
2つが、それらが置換する4級炭素原子と一緒に、5〜
12、殊に5〜6個の炭素原子を有する炭化水素環を形
成してよい。R4は、有利な出発物質Iでは、カルボキ
シル基、ニトリル基又はカルボンエステル基−COOR
5であり、ここでR5は、1〜4、殊に1又は2個の炭素
原子を有するアルキル基又はベンジル基を表す。式中の
R4が、カルボキシル基を表す出発物質Iが、特に有利
である。
【0014】出発物質Iに相応して、反応生成物は、一
般に式:
般に式:
【0015】
【化5】
【0016】[式中、R1、R2及びR3は、有利な意味を
含む記載の意味を有し、かつR6は、カルボキシル基又
はニトリル基を表す]を有する。
含む記載の意味を有し、かつR6は、カルボキシル基又
はニトリル基を表す]を有する。
【0017】出発物質Iは、公知の方法で、シアン酢酸
又はそのエステルから、例えば、先ず、相応する求電子
剤との反応により、3級炭化水素基を導入し、次いで、
ニトリル基をけん化してカルボンアミド基にすることに
より、製造することができる。本発明の方法により、同
時係属中の特許出願.....(O.Z.5053)に
より得られるエナンチオマー富化されたか、又はエナン
チオマー純粋な、α−位に3級炭化水素基を有するマロ
ン酸モノエステルから、エステルクロリドの中間段階を
経て製造することができるエナンチオマー富化された
か、又はエナンチオマー純粋な出発物質Iも反応させ
て、α−位に3級炭化水素基を有する相応するアミノ酢
酸にすることができる。エナンチオマー富化されたか、
又はエナンチオマー純粋なt−ロイシンは、従って、N
−アシル−t−ロイシンの前記の、比較的迂遠な動的ラ
セミ体分離によるよりも、有利に製造することができ
る。
又はそのエステルから、例えば、先ず、相応する求電子
剤との反応により、3級炭化水素基を導入し、次いで、
ニトリル基をけん化してカルボンアミド基にすることに
より、製造することができる。本発明の方法により、同
時係属中の特許出願.....(O.Z.5053)に
より得られるエナンチオマー富化されたか、又はエナン
チオマー純粋な、α−位に3級炭化水素基を有するマロ
ン酸モノエステルから、エステルクロリドの中間段階を
経て製造することができるエナンチオマー富化された
か、又はエナンチオマー純粋な出発物質Iも反応させ
て、α−位に3級炭化水素基を有する相応するアミノ酢
酸にすることができる。エナンチオマー富化されたか、
又はエナンチオマー純粋なt−ロイシンは、従って、N
−アシル−t−ロイシンの前記の、比較的迂遠な動的ラ
セミ体分離によるよりも、有利に製造することができ
る。
【0018】好適な出発物質Iのうち、例えば、α−t
−ブチルマロン酸モノアミド、α−t−ブチルマロン酸
モノニトリルモノアミド(又はα−t−ブチルシアンア
セトアミド)、α−t−ブチルマロン酸モノメチルエス
テルモノアミド、α−t−ペンチルマロン酸モノニトリ
ルモノアミド、α−(1−メチル−1−フェニルエチル)
−マロン酸モノアミド、α−(1−メチル−1−フェニ
ルエチル)マロン酸モノエチルエステルモノアミド、α
−(1−メチルシクロヘキシル)−マロン酸モノアミド及
びα−(1−メチルシクロヘキシル)−マロン酸モノニト
リルモノアミドを挙げることができる。
−ブチルマロン酸モノアミド、α−t−ブチルマロン酸
モノニトリルモノアミド(又はα−t−ブチルシアンア
セトアミド)、α−t−ブチルマロン酸モノメチルエス
テルモノアミド、α−t−ペンチルマロン酸モノニトリ
ルモノアミド、α−(1−メチル−1−フェニルエチル)
−マロン酸モノアミド、α−(1−メチル−1−フェニ
ルエチル)マロン酸モノエチルエステルモノアミド、α
−(1−メチルシクロヘキシル)−マロン酸モノアミド及
びα−(1−メチルシクロヘキシル)−マロン酸モノニト
リルモノアミドを挙げることができる。
【0019】ホフマン分解には、塩基及び次亜ハロゲン
酸の塩、有利に、それぞれその水溶液の形のアルカリ金
属水酸化物及びアルカリ金属次亜塩素酸塩が必要であ
る。最も有利には、水酸化ナトリウム溶液及び次亜塩素
酸ナトリウム溶液が好適であり、更に、漂白液が挙げら
れる。両方の物質は、大量に製造され、かつ廉価な化学
物質である。塩基を、出発物質I1モル当たり、1.5
〜4、殊に2〜4当量の量で、使用するのが有利であ
る。これらが、けん化されるニトリル基を有する場合に
は、塩基の量を、前記の範囲のより高い方で選択する
か、又は更に多い過剰で処理する。次亜ハロゲン酸の塩
を、出発物質I1モル当たり、1.0〜1.2当量の量
で使用するのが有利である。
酸の塩、有利に、それぞれその水溶液の形のアルカリ金
属水酸化物及びアルカリ金属次亜塩素酸塩が必要であ
る。最も有利には、水酸化ナトリウム溶液及び次亜塩素
酸ナトリウム溶液が好適であり、更に、漂白液が挙げら
れる。両方の物質は、大量に製造され、かつ廉価な化学
物質である。塩基を、出発物質I1モル当たり、1.5
〜4、殊に2〜4当量の量で、使用するのが有利であ
る。これらが、けん化されるニトリル基を有する場合に
は、塩基の量を、前記の範囲のより高い方で選択する
か、又は更に多い過剰で処理する。次亜ハロゲン酸の塩
を、出発物質I1モル当たり、1.0〜1.2当量の量
で使用するのが有利である。
【0020】本発明の方法は、連続的に又は断続的に実
施することができる。塩基性物質として水酸化ナトリウ
ムを、かつ次亜ハロゲン酸の塩として次亜塩素酸ナトリ
ウムを用いる断続的実施形では、先ず、出発物質Iを、
約5〜40重量%の水酸化ナトリウム溶液中に添加す
る。この混合物を撹拌し、かつこれに徐々に、約5〜1
5重量%の次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加する。その
際、温度を、0℃〜20℃に保持するのが有利である。
反応を完全にするために、反応混合物を、数時間、例え
ば、1〜6時間、後反応させることができ、その際、こ
れを、より高い温度、例えば、180℃まで加熱する。
一般に、反応混合物を、60〜80℃で、1〜2時間加
熱した後は、反応は完全である。冷却の後に、有利には
鉱酸、例えば、塩酸又は硫酸を用いて、反応混合物を約
6〜約8のpH−値に中和すると、それにより、反応生
成物として、所望の置換されたアミノ酢酸又はそのニト
リル及び鉱酸塩を含有する水溶液が得られる。この溶液
から、鉱酸塩を、公知のイオン交換法及び/又は薄膜法
により、反応生成物から分離除去し、かつ塩不含溶液
を、濃縮乾固させる。或いは、置換されたアミノ酢酸又
はそのニトリル並びに鉱酸塩を有する中和された反応混
合物を、先行する塩分離除去をせずに、蒸発乾固させ、
かつ蒸発残留物を、置換されたアミノ酢酸又はそのニト
リルに関して適当な選択溶剤、例えば、沸騰メタノール
を用いて、抽出することができる。その際、鉱酸塩の大
部分が、溶けずに残留する。抽出物から選択溶剤を蒸発
させる場合には、残留物として、鉱酸塩及び選択溶剤に
より、なお10〜20重量%の鉱酸塩を含有し、かつイ
オン交換法及び/又は薄膜法により更に生成し得る置換
されたアミノ酢酸又はそのニトリルが得られる。
施することができる。塩基性物質として水酸化ナトリウ
ムを、かつ次亜ハロゲン酸の塩として次亜塩素酸ナトリ
ウムを用いる断続的実施形では、先ず、出発物質Iを、
約5〜40重量%の水酸化ナトリウム溶液中に添加す
る。この混合物を撹拌し、かつこれに徐々に、約5〜1
5重量%の次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加する。その
際、温度を、0℃〜20℃に保持するのが有利である。
反応を完全にするために、反応混合物を、数時間、例え
ば、1〜6時間、後反応させることができ、その際、こ
れを、より高い温度、例えば、180℃まで加熱する。
一般に、反応混合物を、60〜80℃で、1〜2時間加
熱した後は、反応は完全である。冷却の後に、有利には
鉱酸、例えば、塩酸又は硫酸を用いて、反応混合物を約
6〜約8のpH−値に中和すると、それにより、反応生
成物として、所望の置換されたアミノ酢酸又はそのニト
リル及び鉱酸塩を含有する水溶液が得られる。この溶液
から、鉱酸塩を、公知のイオン交換法及び/又は薄膜法
により、反応生成物から分離除去し、かつ塩不含溶液
を、濃縮乾固させる。或いは、置換されたアミノ酢酸又
はそのニトリル並びに鉱酸塩を有する中和された反応混
合物を、先行する塩分離除去をせずに、蒸発乾固させ、
かつ蒸発残留物を、置換されたアミノ酢酸又はそのニト
リルに関して適当な選択溶剤、例えば、沸騰メタノール
を用いて、抽出することができる。その際、鉱酸塩の大
部分が、溶けずに残留する。抽出物から選択溶剤を蒸発
させる場合には、残留物として、鉱酸塩及び選択溶剤に
より、なお10〜20重量%の鉱酸塩を含有し、かつイ
オン交換法及び/又は薄膜法により更に生成し得る置換
されたアミノ酢酸又はそのニトリルが得られる。
【0021】相応する置換されたシアン酢酸又はそのエ
ステルのいずれかがマロン酸モノアミドに部分的にけん
化されて、塩基性媒体中に沈殿する反応混合物から直
接、出発すると、出発物質Iは、その場でも、本発明の
方法により反応させることができる。次いで、なお、約
1.5〜2.5当量の塩基の添加及び前記のような後処
理を含むホフマン分解の実施を必要とするだけである。
ステルのいずれかがマロン酸モノアミドに部分的にけん
化されて、塩基性媒体中に沈殿する反応混合物から直
接、出発すると、出発物質Iは、その場でも、本発明の
方法により反応させることができる。次いで、なお、約
1.5〜2.5当量の塩基の添加及び前記のような後処
理を含むホフマン分解の実施を必要とするだけである。
【0022】本発明の方法を、例えば、ドイツ特許(D
E−OS)第4441777号明細書中に記載の処理法
と同様に、連続的に実施することもできる。更に、出発
物質I及びアルカリ金属水酸化物溶液からなる混合物を
連続的に10〜180℃、有利に40〜80℃で、充分
時間をかけて、次亜塩素酸塩溶液と接触させ、かつ反応
混合物を前記のように連続的に、又はバッチ法で後処理
する。
E−OS)第4441777号明細書中に記載の処理法
と同様に、連続的に実施することもできる。更に、出発
物質I及びアルカリ金属水酸化物溶液からなる混合物を
連続的に10〜180℃、有利に40〜80℃で、充分
時間をかけて、次亜塩素酸塩溶液と接触させ、かつ反応
混合物を前記のように連続的に、又はバッチ法で後処理
する。
【0023】α−位に3級炭化水素基を有するアミノ酢
酸又はそのニトリルが、変法全てで、高い空時収率及び
通常、理論量の90%及びそれ以上である収率で得られ
る。例えば、水からの生成物の再結晶化により、例え
ば、t−ロイシンで、98%を上回る高い純度で、それ
が得られる。
酸又はそのニトリルが、変法全てで、高い空時収率及び
通常、理論量の90%及びそれ以上である収率で得られ
る。例えば、水からの生成物の再結晶化により、例え
ば、t−ロイシンで、98%を上回る高い純度で、それ
が得られる。
【0024】
【実施例】次の例で、本発明の方法を詳述するが、請求
項で定義されているようなその保護範囲は、限定されな
い。
項で定義されているようなその保護範囲は、限定されな
い。
【0025】例1 撹拌容器中に、10重量%水酸化ナトリウム溶液50g
(0.125モル)を、室温で予め装入する。α−t−
ブチルマロン酸モノアミド20g(0.125モル)を
添加し、その際、この混合物を撹拌し、かつ10℃に冷
却する。次いで、撹拌下に、更に、20重量%水酸化ナ
トリウム溶液50g(0.25モル)を添加し、その
際、温度を、<15℃に保持する。その後、再び、<1
5℃の温度で、11.1重量%次亜塩素酸ナトリウム溶
液83.8g(0.125モル)を添加し、かつこの混
合物を室温で3時間撹拌する。引き続き、この混合物を
60℃に3時間加温し、次いで、室温に冷却する。その
後、反応混合物を、濃塩酸を用いてpH−値7に調節
し、かつ蒸発乾固させる。残留物を沸騰メタノール50
0gで抽出する。メタノール溶液の濃縮の後に、元素分
析によるとまだ、塩化ナトリウム約1.5gを含有する
t−ロイシン16gが残留する。まだ含有されている塩
化ナトリウムを考慮したt−ロイシンの収率は、理論量
の98%である。
(0.125モル)を、室温で予め装入する。α−t−
ブチルマロン酸モノアミド20g(0.125モル)を
添加し、その際、この混合物を撹拌し、かつ10℃に冷
却する。次いで、撹拌下に、更に、20重量%水酸化ナ
トリウム溶液50g(0.25モル)を添加し、その
際、温度を、<15℃に保持する。その後、再び、<1
5℃の温度で、11.1重量%次亜塩素酸ナトリウム溶
液83.8g(0.125モル)を添加し、かつこの混
合物を室温で3時間撹拌する。引き続き、この混合物を
60℃に3時間加温し、次いで、室温に冷却する。その
後、反応混合物を、濃塩酸を用いてpH−値7に調節
し、かつ蒸発乾固させる。残留物を沸騰メタノール50
0gで抽出する。メタノール溶液の濃縮の後に、元素分
析によるとまだ、塩化ナトリウム約1.5gを含有する
t−ロイシン16gが残留する。まだ含有されている塩
化ナトリウムを考慮したt−ロイシンの収率は、理論量
の98%である。
【0026】例2 撹拌容器中に、20重量%水酸化ナトリウム溶液160
g(0.8モル)を、50℃で予め装入し、かつ撹拌す
る。α−t−ブチルマロン酸モノアミド127.4g
(0.8モル)を添加し、その際、この混合物を撹拌
し、かつ10℃に冷却する。次いで、撹拌下に、更に、
20重量%水酸化ナトリウム溶液320g(1.6モ
ル)を添加し、その際、温度を、<15℃に保持する。
その後、40分かけて、かつ再び、<15℃の温度で、
11.1重量%の次亜塩素酸ナトリウム溶液536.2
g(0.8モル)を添加する。引き続き、この混合物を
60℃に3時間加温し、次いで、室温に冷却する。次い
で、反応混合物を、濃塩酸を用いてpH−値7に調節
し、かつ濃縮乾固させる。乾燥残留物約340gが得ら
れ、これを、沸騰メタノール1000gで抽出する。メ
タノール溶液の濃縮の後に、元素分析によるとまだ、塩
化ナトリウム約20gを含有するt−ロイシン100g
が残留する。まだ含有されている塩化ナトリウムを考慮
したt−ロイシンの収率は、理論量の95%である。
g(0.8モル)を、50℃で予め装入し、かつ撹拌す
る。α−t−ブチルマロン酸モノアミド127.4g
(0.8モル)を添加し、その際、この混合物を撹拌
し、かつ10℃に冷却する。次いで、撹拌下に、更に、
20重量%水酸化ナトリウム溶液320g(1.6モ
ル)を添加し、その際、温度を、<15℃に保持する。
その後、40分かけて、かつ再び、<15℃の温度で、
11.1重量%の次亜塩素酸ナトリウム溶液536.2
g(0.8モル)を添加する。引き続き、この混合物を
60℃に3時間加温し、次いで、室温に冷却する。次い
で、反応混合物を、濃塩酸を用いてpH−値7に調節
し、かつ濃縮乾固させる。乾燥残留物約340gが得ら
れ、これを、沸騰メタノール1000gで抽出する。メ
タノール溶液の濃縮の後に、元素分析によるとまだ、塩
化ナトリウム約20gを含有するt−ロイシン100g
が残留する。まだ含有されている塩化ナトリウムを考慮
したt−ロイシンの収率は、理論量の95%である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 255/24 9357−4H C07C 255/24
Claims (8)
- 【請求項1】 α−位に3級炭化水素基を有するアミノ
酢酸又はそのニトリルの製法において、α−位で3級炭
化水素基により置換されたマロン酸モノアミド又はその
エステル又はニトリルを、ホフマン分解させることを特
徴とする、α−位に3級炭化水素基を有するアミノ酢酸
又はそのニトリルの製法。 - 【請求項2】 出発物質が、式I: 【化1】 に、かつα−位に3級炭化水素基を有するアミノ酢酸又
はそのニトリルが、式II: 【化2】 [式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異なる炭化水素
基を表し、これらの基のいずれか2つが、それらが置換
している4級炭素原子と一緒に、炭化水素環を形成して
よく、R4は、カルボキシル基、カルボンエステル基又
はニトリル基を表し、かつR6は、カルボキシル基又は
ニトリル基である]に相応する、請求項1に記載の方
法。 - 【請求項3】 R1、R2及びR3が、10個までの炭素
原子を有する同じか又は異なるアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アルカリール基又はアラルキル基を表
し、それらの置換基のいずれか2つが、それらが置換す
る4級炭素原子と一緒になって、5〜12個の炭素原子
を有する炭化水素環を形成してよく、R4は、カルボキ
シル基、ニトリル基又はカルボンエステル基−COOR
5を表し、ここでR5は、1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル基又はベンジル基を表し、かつR6は、カルボキ
シル基又はニトリル基である、請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】 出発物質Iを、1.5〜4当量の水酸化
ナトリウム溶液と混合し、その混合物に、0〜20℃の
温度で、1.0〜1.2当量の次亜塩素酸ナトリウム溶
液を添加し、次いで反応混合物を、20〜180℃の温
度で後反応させる、請求項1から3のいずれかに記載の
方法。 - 【請求項5】 反応を継続的に又は断続的に実施する、
請求項1から4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 反応混合物を、鉱酸で中和し、かつ蒸発
乾固させ、かつα−位に3級炭化水素基を有するアミノ
酢酸又はそのニトリルから、選択溶剤を用いての蒸発残
留物の抽出により、鉱酸塩を分離除去する、請求項1か
ら5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 選択溶剤が、メタノールである、請求項
6に記載の方法。 - 【請求項8】 反応混合物を鉱酸で中和し、かつ鉱酸塩
を、イオン交換法及び/又は薄膜法で、α−位に3級炭
化水素基を有するアミノ酢酸又はそのニトリルから分離
除去する、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE19623141 | 1996-06-10 | ||
DE19623141.8 | 1996-06-10 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1059908A true JPH1059908A (ja) | 1998-03-03 |
Family
ID=7796547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9150629A Ceased JPH1059908A (ja) | 1996-06-10 | 1997-06-09 | α−位に3級炭化水素基を有するアミノ酢酸又はそのニトリルの製法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5831119A (ja) |
EP (1) | EP0812822B1 (ja) |
JP (1) | JPH1059908A (ja) |
DE (2) | DE59700281D1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19830632A1 (de) * | 1998-07-09 | 2000-01-13 | Degussa | Verfahren zur Herstellung von Aminoessigsäureestern mit alpha-ständigem tertiären Kohlenwasserstoffrest |
DE19917961A1 (de) | 1999-04-21 | 2000-10-26 | Degussa | Verfahren zur Herstellung von Aminosäurederivaten |
DE10212472A1 (de) * | 2002-03-20 | 2003-10-02 | Baudat Gmbh & Co Kg | Presszange |
CN103709054B (zh) * | 2013-12-23 | 2016-06-29 | 广州天科生物科技有限公司 | 一种dl-亮氨酸的制备方法 |
-
1997
- 1997-04-16 EP EP97106222A patent/EP0812822B1/de not_active Expired - Lifetime
- 1997-04-16 DE DE59700281T patent/DE59700281D1/de not_active Expired - Fee Related
- 1997-06-07 DE DE19724086A patent/DE19724086A1/de not_active Withdrawn
- 1997-06-09 JP JP9150629A patent/JPH1059908A/ja not_active Ceased
- 1997-06-10 US US08/872,053 patent/US5831119A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5831119A (en) | 1998-11-03 |
EP0812822A3 (de) | 1997-12-29 |
DE59700281D1 (de) | 1999-09-02 |
EP0812822B1 (de) | 1999-07-28 |
DE19724086A1 (de) | 1997-12-11 |
EP0812822A2 (de) | 1997-12-17 |
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