JPH1059818A - 有機色素−親水性樹脂複合体 - Google Patents
有機色素−親水性樹脂複合体Info
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- JPH1059818A JPH1059818A JP23842596A JP23842596A JPH1059818A JP H1059818 A JPH1059818 A JP H1059818A JP 23842596 A JP23842596 A JP 23842596A JP 23842596 A JP23842596 A JP 23842596A JP H1059818 A JPH1059818 A JP H1059818A
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- hydrophilic resin
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Abstract
い粉体を提供する。 【課題の解決手段】 有機色素を親水性樹脂エマルジョ
ンとモノマーとを反応させながら被覆してなる複合体を
提供する。この複合体は優れた分散性を有し、電解質の
影響も受けにくい。
Description
として好適な、溶媒、取り分け、水への分散性の良い、
有機色素−親水性樹脂複合体に関する。
ネイルエナメルの様に溶媒中に分散して使用されること
が多い。有機色素類の内、有機顔料は表面が疎水性であ
る為、水などの溶媒系では分離することが多く、非水溶
媒系で使用されるのが常であった。又、水溶性色素を不
溶性塩とした、レーキ化有機色素は有機顔料ほどでは無
いがやはり、表面における疎水性の要素があるため、水
系溶媒では分離することが少なくなかった。又、ファン
デーション等の乳化系では、親水性溶媒と親油性溶媒の
一様分散系である為、これら有機色素の位置する部分は
極めて環境に左右されやすく、有機色素の極在化に起因
する色ムラが出ることが少なくなかった。この様な状況
のため、例えば、ネイルエナメルやリップカラーの様に
有機色素独特の華やかな色が必要な場合には、オイルゲ
ル系や非水溶媒系などの形態で使用せざるを得ず、又、
ファンデーション等の系では無機顔料のみで色出しをせ
ざるを得なかった。
媒と有機溶媒に可溶な被膜形成剤に起因する、爪の黄変
や損傷が問題にされるようになり、水系のネールエナメ
ルの開発が試みられるようになったが、有機色素の分散
性の向上が大きな課題となっている。
系溶媒分散系に於いても、化粧仕上がりの観点から、有
機色素の持つ演色性が求められており、有機色素の分散
性の向上が大きな課題となっていた。即ち、有機色素を
均一に安定性良く水系溶媒或いは乳化系に分散する技術
が求められていた。
とを混合し、これにアクリル酸、メタアクリル酸及びそ
れらのアルキルエステルから選ばれる1種乃至は2種以
上を加え、重合開始剤を更に加えて重合させ、中和する
ことを特徴とする有機色素−親水性樹脂複合体の製造方
法は知られていなかったし、有機色素を親水性樹脂エマ
ルジョンとアクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのア
ルキルエステルから選ばれる1種乃至は2種以上で重合
処理してなる、有機色素−親水性樹脂複合体が、優れた
水系溶媒分散性を有することは全く知られていなかっ
た。
を踏まえて為されたものであり、有機色素を均一に安定
性良く水系溶媒或いは乳化系に分散する技術及び水系溶
媒に分散性の良い有機色素組成物を提供することを課題
とする。
状況に鑑みて、有機色素を均一に安定性良く水系溶媒或
いは乳化系に分散する技術を求めて鋭意研究を重ねた結
果、有機色素と親水性樹脂エマルジョンとを混合し、こ
れにアクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのアルキル
エステルから選ばれる1種乃至は2種以上を加え、重合
開始剤を更に加えて重合させ、中和することにより、水
系溶媒に分散性の良い、有機色素−親水性樹脂複合体を
提供できることを見いだし、発明を完成させるに至っ
た。以下、本発明について、発明の実施の形態を中心に
詳細に説明する。
水性基を有し水に一様に分散又は可溶化するものであれ
ば特段の限定無く用いることが出来、この様な樹脂エマ
ルジョンとしては、ビニルアルコール、アクリル酸、メ
タアクリル酸等を構成モノマーに有する、重合体又は共
重合体が例示できる。この様な親水性樹脂エマルジョン
を例示すれば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸、ポリメタアクリル酸、アクリル酸−ビニルアルコー
ルコポリマー、メタアクリル酸−ビニルアルコールコポ
リマー、アクリル酸−メタアクリル酸コポリマー及び/
又はこれらのエステルが挙げられる。これらはただ一種
を用いても、二種以上を組み合わせて用いても良い。更
にこれ以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、ス
チレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、アクリロニ
トリルをコポリマーの成分として含有することが出来
る。コポリマーに於いて、ビニルアルコール、アクリル
酸、メタアクリル酸の構成割合は5重量%以上が好まし
く、より好ましくは10重量%以上であり、更に好まし
くは15重量%以上である。以下に、樹脂エマルジョン
の作成例を示す。
を装着した反応器にイソプロピルアルコール50重量部
を秤込み、窒素ガスを吹き込み溶存酸素を除去した。滴
下ロートより、イソプロピルアルコール30重量部、ス
チレン15重量部、α−メチルスチレン57重量部、ア
クリル酸28重量部及びアゾビスイソブチロニトリル
0.2重量部を、攪拌下80℃まで昇温した反応器に滴
下した。モノマー滴下終了後2時間80℃で攪拌し、ア
ゾビスイソブチロニトリル0.2重量部をイソプロピル
アルコール10重量部に溶解させた液を滴下した。3時
間80℃で攪拌を続けた後、アゾビスイソブチロニトリ
ル0.1重量部をイソプロピルアルコール10重量部で
溶解させた液を滴下し、更に5時間80℃で攪拌を続け
た。反応終了後、反応液を室温に戻し、95%アンモニ
ア水を加えて中和し、水300重量部を加え、減圧濃縮
し固形分30%の親水性樹脂エマルジョン1を得た。
を装着した反応器にイソプロピルアルコール50重量部
を秤込み、窒素ガスを吹き込み溶存酸素を除去した。滴
下ロートより、イソプロピルアルコール30重量部、ビ
ニルアルコール15重量部、ビニルアルコールイソブチ
ルエーテル57重量部、アクリル酸28重量部及びアゾ
ビスイソブチロニトリル0.2重量部を、攪拌下80℃
まで昇温した反応器に滴下した。モノマー滴下終了後2
時間80℃で攪拌し、アゾビスイソブチロニトリル0.
2重量部をイソプロピルアルコール10重量部に溶解さ
せた液を滴下した。3時間80℃で攪拌を続けた後、ア
ゾビスイソブチロニトリル0.1重量部をイソプロピル
アルコール10重量部で溶解させた液を滴下し、更に5
時間80℃で攪拌を続けた。反応終了後、反応液を室温
に戻し、95%アンモニア水を加えて中和し、水300
重量部を加え、減圧濃縮し固形分30%の親水性樹脂エ
マルジョン2を得た。
られているものであって、水に不溶性乃至は難溶性であ
れば特段の限定を受けずに用いることが出来る。これら
の色素で取り分け好ましいものは、法定色素であり、そ
の中でも赤色226号、赤色201号、赤色106号の
レーキ化物、黄色404号のレーキ化物、黄色4号のレ
ーキ化物が好ましい。レーキ化物としては、アルミニウ
ムレーキが好ましい。これらは何れも市販されている。
体 本発明の有機色素−親水性樹脂複合体は、有機色素と親
水性樹脂エマルジョンとを混合し、これにアクリル酸、
メタアクリル酸及びそれらのアルキルエステルから選ば
れる1種乃至は2種以上を加え、重合開始剤を更に加え
て重合させ、中和することにより得ることが出来る。こ
こで、重合開始剤は、一般的に乳化重合で用いられるも
のであれば特段の限定無く用いることが出来、この様な
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過酸化ベン
ゾイル、過硫酸カリウム等が例示できる。又、有機色素
と親水性樹脂エマルジョンの好ましい割合は、1:10
00〜1:10であり、より好ましくは1:500〜
1:20であり、更に好ましくは1:250〜1:30
である。これらを上記の如く反応性モノマーを反応させ
ながら水性溶媒中コーティングするのが最も好ましい本
発明の有機色素−樹脂複合体の製造方法である。水性溶
媒の量としては、粘度が出てコーティングが阻害されな
い量であれば良く、例えば、親水性樹脂エマルジョンに
対して1〜10倍量が好ましい。この量は親水性樹脂エ
マルジョンの種類により異なるので、試行錯誤で決定す
るのが望ましい。かくして得られた有機色素−親水性樹
脂複合体は水性溶媒に対して分散性が優れる上、通常の
乳化重合体や有機色素と異なり界面活性剤を用いずに水
性溶媒に分散させることが可能である。従って、この有
機色素−親水性樹脂複合体は、水性ネイルエナメル、フ
ァンデーション、マスカラ、アイライナー、水性リップ
カラー等に好適に使用できる。
に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定を受け
ないことは言うまでもない。
参考例の親水性樹脂エマルジョン1を50gとを遊星ボ
ールミルで200r.p.m.4時間処理し、水30重
量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル2重量
部加え、窒素置換し、攪拌しながら2−エチルヘキシル
アクリレートを50重量部滴下し、75℃に昇温し、過
硫酸アンモニウム0.5重量部を水10重量部に溶かし
て滴下し、70〜75℃で2時間攪拌を続けた。過硫酸
アンモニウム0.2重量部を水10重量部に溶かして加
え、2時間攪拌し反応を止めて中和し、有機色素−樹脂
エマルジョン複合体組成物1を得た。このものは40℃
で1週間放置しても色浮きも沈降もしなかった。対照と
して、同じ赤色226号0.5重量部を水50重量部と
親水性樹脂エマルジョン1を30重量部とジエチレング
リコールモノブチルエーテル2重量部とを遊星ボールミ
ルで処理したものは、40℃で1週間放置すると、色浮
きが著しかった。これより本発明の有機色素−樹脂エマ
ルジョン複合体は分散性に優れることが判る。
参考例の親水性樹脂エマルジョン2を50gとを遊星ボ
ールミルで200r.p.m.4時間処理し、水30重
量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル2重量
部加え、窒素置換し、攪拌しながら2−エチルヘキシル
アクリレートを50重量部滴下し、75℃に昇温し、過
硫酸アンモニウム0.5重量部を水10重量部に溶かし
て滴下し、70〜75℃で2時間攪拌を続けた。過硫酸
アンモニウム0.2重量部を水10重量部に溶かして加
え、2時間攪拌し反応を止めて中和し、有機色素−樹脂
エマルジョン複合体組成物2を得た。このものは40℃
で1週間放置しても色浮きも沈降もしなかった。対照と
して、同じ赤色226号0.5重量部を水50重量部と
親水性樹脂エマルジョン2を30重量部とジエチレング
リコールモノブチルエーテル2重量部とを遊星ボールミ
ルで処理したものは、40℃で1週間放置すると、色浮
きが著しかった。これより本発明の有機色素−樹脂エマ
ルジョン複合体は分散性に優れることが判る。
号を処理し、有機色素−親水性樹脂複合体組成物3を得
た。このものは40℃で1週間放置しても色浮きも沈降
もしなかった。対照として、同じ赤色201号0.5重
量部を水50重量部と親水性樹脂エマルジョン1を30
重量部とジエチレングリコールモノブチルエーテル2重
量部とを遊星ボールミルで処理したものは、40℃で1
週間放置すると、色浮きが著しかった。これより本発明
の有機色素−樹脂エマルジョン複合体は分散性に優れる
ことが判る。
号アルミニウムレーキを処理し、有機色素−親水性樹脂
複合体組成物4を得た。このものは40℃で1週間放置
しても色浮きも沈降もしなかった。対照として、同じ赤
色106号アルミニウムレーキ0.5重量部を水50重
量部と親水性樹脂エマルジョン1を30重量部とジエチ
レングリコールモノブチルエーテル2重量部とを遊星ボ
ールミルで処理したものは、40℃で1週間放置する
と、色浮きが著しかった。これより本発明の有機色素−
樹脂エマルジョン複合体は分散性に優れることが判る。
号アルミニウムレーキを処理し、有機色素−親水性樹脂
複合体組成物5を得た。このものは40℃で1週間放置
しても色浮きも沈降もしなかった。対照として、同じ黄
色404号アルミニウムレーキ0.5重量部を水50重
量部と親水性樹脂エマルジョン1を30重量部とジエチ
レングリコールモノブチルエーテル2重量部とを遊星ボ
ールミルで処理したものは、40℃で1週間放置する
と、色浮きが著しかった。これより本発明の有機色素−
樹脂エマルジョン複合体は分散性に優れることが判る。
ルミニウムレーキを処理し、有機色素−親水性樹脂複合
体組成物6を得た。このものは40℃で1週間放置して
も色浮きも沈降もしなかった。対照として、同じ黄色4
号アルミニウムレーキ0.5重量部を水50重量部と親
水性樹脂エマルジョン1を30重量部とジエチレングリ
コールモノブチルエーテル2重量部とを遊星ボールミル
で処理したものは、40℃で1週間放置すると、色浮き
が著しかった。これより本発明の有機色素−樹脂エマル
ジョン複合体は分散性に優れることが判る。
水性樹脂複合体1〜6にそれぞれ塩化ナトリウム1%を
加え、1ヶ月40℃に放置したが何れも分離を見なかっ
た。電解質を含む溶媒中でも本発明の有機色素−親水性
樹脂複合体は優れた分散性を示すことがわかる。
性良く水系溶媒或いは乳化系に分散する技術及び水系溶
媒に分散性の良い有機色素組成物を提供することができ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 有機色素を親水性樹脂エマルジョンとア
クリル酸、メタアクリル酸及びそれらのアルキルエステ
ルから選ばれる1種乃至は2種以上で重合処理してな
る、有機色素−親水性樹脂複合体。 - 【請求項2】 親水性樹脂エマルジョンの樹脂の構成モ
ノマーが、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エ
ステル、メタアクリル酸エステル、ビニルアルコール、
ビニルアルコールアルキルエーテル、ビニルアルコール
カルボン酸エステル、スチレン、α−メチルスチレンか
ら選ばれる1種乃至は2種以上である、請求項1記載の
有機色素−親水性樹脂複合体。 - 【請求項3】 有機色素が、赤色226号、赤色201
号、赤色106号のレーキ化物、黄色404号のレーキ
化物、黄色4号のレーキ化物から選ばれる、一種乃至は
2種以上である、請求項1又は2に記載の有機顔料−親
水性樹脂複合体。 - 【請求項4】 有機色素と親水性樹脂エマルジョンとを
混合し、これにアクリル酸、メタアクリル酸及びそれら
のアルキルエステルから選ばれる1種乃至は2種以上を
加え、重合開始剤を更に加えて重合させ、中和すること
を特徴とする、請求項1〜3何れか一項に記載の有機顔
料−親水性樹脂複合体の製造法。 - 【請求項5】 有機色素と親水性樹脂エマルジョンとを
混合し、これにアクリル酸、メタアクリル酸及びそれら
のアルキルエステルから選ばれる1種乃至は2種以上を
加え、重合開始剤を更に加えて重合させ、中和し得られ
る、有機色素−親水性樹脂複合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23842596A JP3635159B2 (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | 有機色素−親水性樹脂複合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23842596A JP3635159B2 (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | 有機色素−親水性樹脂複合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1059818A true JPH1059818A (ja) | 1998-03-03 |
JP3635159B2 JP3635159B2 (ja) | 2005-04-06 |
Family
ID=17030027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23842596A Expired - Fee Related JP3635159B2 (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | 有機色素−親水性樹脂複合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3635159B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007186569A (ja) * | 2006-01-12 | 2007-07-26 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性顔料分散体、水性インク及び水性顔料分散体の製造方法 |
-
1996
- 1996-08-21 JP JP23842596A patent/JP3635159B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007186569A (ja) * | 2006-01-12 | 2007-07-26 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性顔料分散体、水性インク及び水性顔料分散体の製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3635159B2 (ja) | 2005-04-06 |
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