JPH1057751A - 溶剤吸着方法及び装置 - Google Patents

溶剤吸着方法及び装置

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JPH1057751A
JPH1057751A JP8223852A JP22385296A JPH1057751A JP H1057751 A JPH1057751 A JP H1057751A JP 8223852 A JP8223852 A JP 8223852A JP 22385296 A JP22385296 A JP 22385296A JP H1057751 A JPH1057751 A JP H1057751A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周回移動する吸着マット6に被処理ガスG1
を透過させて溶剤を吸着させる吸着部Aと、高温の脱着
用ガスG2を透過させて吸着マット6から溶剤を分離さ
せる脱着部Bを有する溶剤吸着方法及び装置において、
脱着用ガスG2の量を少なくして溶剤回収装置を小型化
すること。 【解決手段】 脱着部Bの直前に、吸着マット6に予熱
用加熱空気G3を透過させる予熱部Cを設けて吸着マッ
ト6を予熱することにより、脱着部Bに供給する脱着用
ガスG2の量を少なくすることができる。また、吸着マ
ット6の移動方向と逆方向に加熱空気G3を繰返し透過
させることにより、吸着マット6と加熱用空気G3との
熱交換が十分に行われ、予熱に用いた空気g3は十分に
冷却され溶剤を殆ど含まない状態となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸着マットの周回
経路上に溶剤の吸着部と脱着部を有する溶剤吸着装置に
おいて、脱着用ガス量を少なくして溶剤回収装置を小型
化し得る溶剤吸着方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無端の吸着マットが周回移動する周回経
路上に、溶剤を含有する被処理ガスを透過させて吸着マ
ットに溶剤を吸着させる吸着部と、高温の脱着用ガスを
透過させて吸着マットから溶剤を分離させる脱着部とを
設けて、溶剤の吸着と脱着とが連続して同時にできるよ
うにした溶剤吸着装置が知られている(特開平5−24
5336等)。
【0003】この溶剤吸着装置では、吸着マットとし
て、例えば、活性炭繊維等の吸着材を不織布で囲った厚
み10〜20mmの無端ベルト状に形成したものが使用
され、塗装工場等から排出される有機溶剤を含む被処理
ガスの溶剤吸着処理に用いられている。
【0004】この溶剤吸着装置が、廃ガス処理装置とし
て用いられ溶剤を回収しない場合には、脱着用ガスに1
00〜130℃程度の高温空気が使用され、溶剤を含む
脱着ガスは触媒燃焼等によって分解処理される。しか
し、脱着ガスから溶剤を回収する場合には、脱着用ガス
として、空気以外に窒素ガスなどの不活性ガス、あるい
は水蒸気等が使用され、溶剤を含む脱着ガスをコンデン
サで冷却して溶剤を凝縮回収する。脱着ガスとして水蒸
気を使用した場合には、さらにデカンタで凝縮水から溶
剤を分離して溶剤を回収する。
【0005】溶剤を含む脱着ガスを冷却して溶剤を凝縮
回収する場合には、溶剤回収装置の容量が処理ガス量、
即ち脱着ガスの量に比例して決まるため、吸着マットか
ら溶剤をなるだけ高い濃度で脱着して脱着ガスの量を少
なくすることが、溶剤回収装置の容量を小型化するため
に重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の溶剤
吸着装置では、溶剤を吸着した吸着マットが常温のまま
で脱着部に移行するため、脱着部の入口側、即ち吸着マ
ットの温度が低い部分では、脱着用ガスの熱量の大部分
が吸着マットを脱着温度にまで昇温するために消費さ
れ、溶剤を脱着しないまま吸着マットを透過している。
【0007】このように従来の溶剤吸着装置では、脱着
部で必要量以上の脱着用ガスが使用されるため、これを
冷却処理するための溶剤回収装置が大型化するという問
題がある。
【0008】この問題に対処するための簡単な対策とし
て、脱着部の直前で吸着マットを電気ヒーター等で予熱
することが考えられる。しかし、吸着マットは、前記の
ように、活性炭繊維等からなる厚みが10〜20mmの
断熱体であるため、電気ヒータ等の輻射熱によって吸着
マットの表面を短時間加熱しただけでは、マット内部の
吸着材が殆ど加熱されないため、前記の問題が解消でき
るほどの予熱効果は得られない。
【0009】本発明は、前記の溶剤吸着装置の脱着ガス
から溶剤を回収する場合において、脱着部に移行する吸
着マットを十分に加熱して脱着部に供給する脱着用ガス
の量を少なくし、溶剤回収装置を小型化し得る溶剤吸着
方法及び装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明の
方法及び装置によって達成される。即ち、本発明の溶剤
吸着処理方法は、請求項1に記載のとおり、無端の吸着
マットを周回経路に沿って周回移動させた状態で、周回
経路上の所定個所で吸着マットに溶剤含有被処理ガスを
透過させて吸着マットに溶剤を吸着させると共に、周回
経路上の別の個所で吸着マットに高温の脱着用ガスを透
過させて吸着マットから溶剤を脱着させる溶剤吸着方法
において、溶剤を脱着する直前で吸着マットに加熱空気
を透過させて吸着マットを予熱することを特徴としてい
る。
【0011】また本発明の溶剤吸着処理装置は、請求項
4に記載のとおり、無端の吸着マットの周回経路上に、
溶剤含有被処理ガスを透過させて溶剤を吸着させる吸着
部と、高温の脱着用ガスを透過させて吸着マットから溶
剤を分離する脱着部を設けた溶剤吸着装置において、脱
着部の直前に、加熱空気を透過させて吸着マットを加熱
する予熱部を設けたことを特徴としている。
【0012】脱着部の直前で吸着マットに加熱空気を透
過させることにより、吸着マットは、内部の吸着材に至
るまで十分に加熱される。従って、脱着用ガスによって
吸着マットの脱着温度まで昇温するための熱量が少なく
なり、その分だけ脱着用ガスの量を少なくすることがで
きる。従ってこの脱着ガスを冷却処理する溶剤回収装置
を小型化することができる。
【0013】溶剤の種類によっては、その一部が予熱の
際に吸着マットから離脱することがある。しかし予熱用
加熱空気の量は被処理ガスの量に比べて少量であるた
め、請求項3に記載のとおり、予熱に使用した空気を被
処理ガスと共に吸着処理することができる。
【0014】さらに、請求項2に記載のとおり、溶剤を
脱着する直前で、吸着マットの周回移動方向と逆方向に
向かって加熱空気を繰返し透過させて吸着マットを予熱
することにより、吸着マットと加熱空気との接触が向流
接触に近い状態で行われるため、吸着マットと加熱空気
との熱交換がより完全なものとなる。その具体的装置構
成としては、請求項5に記載のとおり、予熱部が、脱着
部の前方で一定距離にわたり吸着マットの両側を囲うボ
ックスとして形成され、その脱着部に近い側に加熱空気
の入口を設け、脱着部から離れた側に予熱ずみ空気の出
口を設け、その内部に、ボックス内で吸着マットの移動
方向と逆方向に向かって加熱空気が吸着マットを繰返し
透過するよう、吸着マットの周回移動方向と直交する仕
切板を吸着マットの両側に交互に配置してある。
【0015】この構成によると、脱着部に向かって移動
する吸着マットに対して、予熱用の加熱空気が吸着マッ
トの移動方向と逆の方向に向かって吸着マット内をジグ
ザグに繰り返し透過して、吸着マットと加熱空気との接
触が向流接触に近い状態で行われる。これによって十分
に加熱された吸着マットが脱着部に移行し、吸着マット
を昇温するための熱量が少なくてすむため、脱着部に供
給する高温の脱着用ガスの量を少なくすることができ
る。この場合に、もし予熱ボックス内で、吸着マットの
高温部分で溶剤の一部が離脱しても、この溶剤は、予熱
用空気が吸着マットの低温部分を透過する際に再び吸着
マットに吸着される。
【0016】このように予熱に使用した空気は十分冷却
され溶剤を殆ど含まないため、そのまま大気中に放出す
ることもでき、請求項3に記載のとおり、予熱に使用し
た空気を吸着部に戻して被処理ガスと共に吸着処理して
も吸着部に何ら支障が生じない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面に基づいて詳細に説明する。本発明の適用対象と
なる溶剤吸着装置の概略構成を図1に示す。この溶剤吸
着装置1には、溶剤を含む脱着ガスを冷却して溶剤を凝
縮回収するための溶剤回収装置2が付属している。溶剤
吸着装置1では、4本のローラ3に巻掛けされた通気性
の駆動ネット4がモータ5によって駆動されて図1にお
いて反時計方向に周回移動しており、駆動ネット4の外
側に巻掛けされた無端ベルト状の吸着マット6が、駆動
ネット4に駆動されて反時計方向に周回移動している。
この吸着マット6は、例えば、活性炭繊維等の吸着材を
フェルト状に成形したものを不織布等の通気性保護層で
包んだもので、厚さが約10〜20mmの無端ベルト状
に形成されている。
【0018】この吸着マット6が駆動ネット4と重なっ
て移動する周回経路の上部水平部分に、被処理ガスG1
を透過させて溶剤を吸着マット6に吸着させるための吸
着部Aが設けられ、吸着ベルト6が駆動ベルト5と分離
して移動する周回経路の下部水平部分に、高温の脱着用
ガスG2を透過させて吸着マット6から溶剤を脱離させ
る脱着部Bが設けられている。
【0019】吸着部Aでは、吸着マット6と駆動ネット
4が入口ダクト7と出口ダクト8の間を摺動しながら通
過し、入口ダクト7に供給された溶剤含有被処理ガスG
1が吸着マット6を上から下に透過するとき、被処理ガ
スG1中の溶剤が吸着マット6内の吸着材に吸着され、
溶剤が除去された処理ガスg1はダクト8から外部に吸
引排出される。
【0020】脱着部Bでは、吸着マット6が入口ダクト
9と出口ダクト10の間を摺動しながら通過し、入口ダク
ト9に供給される100〜130℃の窒素ガスなどの不
活性ガス又は水蒸気からなる脱着用ガスG2が吸着マッ
ト6を透過するとき、吸着マット6から溶剤が分離さ
れ、溶剤を含む脱着ガスg2は出口ダクト10から溶剤回
収装置2に送られてコンデンサー(図示省略)により脱
着ガスg2が冷却されて凝縮した溶剤Sが分離回収さ
れ、溶剤を分離したガスgは外部に放出される。
【0021】本発明の溶剤吸着装置では、脱着部Bの直
前に設けた予熱部Cで、脱着部Bに移行する吸着マット
6の予熱が行われる。予熱部Cは、脱着部Bの前方に一
定距離にわたり吸着ベルト6を上下に取囲む予熱ボック
ス11として構成され、加熱空気入口12(図2)からボッ
クス11内に導入された加熱空気G3が吸着マット6を透
過し、出口13から出た予熱ずみの空気g3は入口ダクト
7内に送られ被処理ガスG1と共に吸着部Aで吸着処理
される。
【0022】予熱部Cでは、加熱空気G3が吸着マット
6を透過して吸着マット6が内部の吸着材に至るまで十
分に加熱されるため、脱着部Bで不活性ガスや水蒸気か
らなる脱着用ガスG2によって吸着マット6を脱着温度
まで昇温させるための熱量が少なくてすむ。高温の脱着
用ガスG2の減少に応じて、脱着部Bからは少量で溶剤
濃度の高い脱着ガスg2が溶剤回収装置2に送られるた
め、この脱着ガスg2を冷却処理する溶剤回収装置2を
小型化することができる。脱着用ガスG2として加熱空
気を使用する場合には、その一部を予熱用空気G3とし
て利用することができる。
【0023】なお、溶剤の種類によっては、その一部が
予熱部Cで吸着マット6から離脱することがあるが、予
熱に用いる加熱空気G3の量は、被処理ガスG1の量に
比べて少量であるため、予熱ずみ空気g3を吸着部Aに
戻して被処理ガスG1と共に吸着処理することができ
る。
【0024】図2に示す予熱ボックス11では、予熱用加
熱空気G3が吸着マット6の周回移動方向と逆方向に向
かって吸着マット6を繰り返し透過するよう、内部に吸
着マット6の移動方向と直交する仕切板が吸着マット6
の上下に交互に配置されている。
【0025】これによると、吸着マット6の移動方向と
逆の方向に向かって加熱空気G3が吸着マット6内をジ
グザグに繰り返し透過して、予熱ボックス11内で吸着マ
ット6と予熱用空気G3との接触が向流接触に近い状態
で行われる。即ち、脱着部Bに向かって移動する吸着マ
ット6は、次第に温度の高くなる空気と接触して段階的
に加熱され、予熱用空気G3は、次第に温度が低くなる
吸着マット6と接触して段階的に冷却される。これによ
って吸着マット6と予熱用空気G3との効率の良い熱交
換が行われる。
【0026】もしこのとき、吸着マット6が最も加熱さ
れた部分、即ち予熱用空気G3の入口部分で溶剤の一部
が離脱がしても、この溶剤は、予熱用空気G3が吸着マ
ット6の温度の低い部分を透過するとき再び吸着マット
6に吸着され、同時に予熱用空気G3が冷却されるた
め、予熱に使用した空気g3空気は温度が十分低下し溶
剤を殆ど含まない状態となる。従って、この空気g3
は、そのまま大気中に放出することもでき、吸着部Aに
戻して被処理ガスG1と共に吸着処理することもでき
る。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の溶剤吸着方法及
び装置によると、脱着部に周回移行する吸着マットが、
予熱用の加熱空気の透過によって内部の吸着材に至るま
で十分に予熱され、高温の脱着用ガスの量が少なくてす
むため、少量で溶剤濃度の高い脱着ガスを溶剤回収装置
に送ることができる。従ってこの脱着ガスを冷却処理す
る溶剤回収装置を小型化することができる。
【0028】予熱の際に吸着マットから溶剤の一部が離
脱しても、予熱用空気の量は被処理ガス量に比べて量が
少ないため、予熱ずみ空気を吸着部に戻して被処理ガス
と共に吸着処理しても吸着部に殆ど悪影響を及ぼさな
い。
【0029】更に、脱着部の直前で、吸着マットの移動
方向と逆方向に向かって加熱空気を吸着マットに繰返し
透過させることにより、吸着マットと加熱空気との接触
が向流接触に近い状態で行われるため、脱着部の直前で
吸着マットから溶剤の脱着が生じても、この溶剤は加熱
空気が吸着マットのより温度の低い部分を透過するとき
に再び吸着マットに吸着される。従って、この予熱ずみ
空気はそのまま大気中に放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の溶剤吸着装置の概略構成を示す図で
ある。
【図2】 本発明の溶剤吸着装置の予熱部の断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・溶剤吸着装置 2・・・溶剤回収装置 3・・・ローラー 4・・・駆動ネット 5・・・モーター 6・・・吸着マット 11・・・予熱ボックス A・・・吸着部 B・・・脱着部 C・・・予熱部 G1・・・被処理ガス g1・・・処理ガス G2・・・脱着用ガス g2・・・脱着ガス G3・・・予熱用空気 g3・・・予熱ずみ空気

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端の吸着マットを周回経路に沿って周
    回移動させた状態で、周回経路上の所定個所で吸着マッ
    トに溶剤含有被処理ガスを透過させて吸着マットに溶剤
    を吸着させると共に、周回経路上の別の個所で吸着マッ
    トに高温の脱着用ガスを透過させて吸着マットから溶剤
    を脱着させる溶剤吸着方法において、溶剤を脱着させる
    直前で吸着マットに加熱空気を透過させて吸着マットを
    予熱することを特徴とする溶剤吸着方法。
  2. 【請求項2】 溶剤を脱着させる直前で、吸着マットの
    周回移動方向と逆方向に向かって加熱空気を繰返し透過
    させて吸着マットを予熱する請求項1記載の溶剤吸着方
    法。
  3. 【請求項3】 前記の予熱に使用した空気を被処理ガス
    と共に吸着処理する請求項1又は2記載の溶剤吸着方
    法。
  4. 【請求項4】 無端の吸着マットの周回経路上に、溶剤
    含有被処理ガスを透過させて吸着マットに溶剤を吸着さ
    せる吸着部と、高温の脱着用ガスを透過させて吸着マッ
    トから溶剤を分離させる脱着部を設けた溶剤吸着装置に
    おいて、脱着部の直前に、加熱空気を透過させて吸着マ
    ットを加熱する予熱部を設けたことを特徴とする溶剤吸
    着装置。
  5. 【請求項5】 前記の予熱部が、脱着部の前方に一定距
    離にわたり吸着マットの両面を囲うボックスとして形成
    され、該ボックスの脱着部に近い側に加熱空気の入口を
    設け、脱着部から離れた側に予熱ずみ空気の出口を設
    け、その内部に、吸着マットの周回移動方向と逆方向に
    向かって加熱空気が吸着マットを繰返し透過するよう
    に、吸着マットの周回移動方向と直交する仕切板を吸着
    マットの両側に交互に配置した予熱ボックスである請求
    項4記載の溶剤吸着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013187274A1 (ja) * 2012-06-13 2013-12-19 東洋紡株式会社 溶剤処理装置

Cited By (3)

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WO2013187274A1 (ja) * 2012-06-13 2013-12-19 東洋紡株式会社 溶剤処理装置
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