JP3183381B2 - 高濃度有機溶剤含有少風量ガスからの有機溶剤回収方法 - Google Patents

高濃度有機溶剤含有少風量ガスからの有機溶剤回収方法

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JP3183381B2
JP3183381B2 JP25469495A JP25469495A JP3183381B2 JP 3183381 B2 JP3183381 B2 JP 3183381B2 JP 25469495 A JP25469495 A JP 25469495A JP 25469495 A JP25469495 A JP 25469495A JP 3183381 B2 JP3183381 B2 JP 3183381B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性炭素繊維を吸
着材として充填した活性炭槽を有する有機溶剤回収装置
による排ガス中に含まれる有機溶剤の回収方法に関し、
さらに詳しくは、高濃度有機溶剤含有少風量ガスの回収
方法において効率のよい吸着、脱着、乾燥サイクルを持
つ有機溶剤の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤を含むガスから溶剤回収を行う
ための溶剤回収装置に使用される吸着材には、従来、粒
状活性炭や活性炭素繊維が使用されている。粒状活性炭
が使用される溶剤回収装置によりガス中の有機溶剤を回
収するには、吸着工程において有機溶剤を含んだガスを
吸着材と接触させて有機溶剤を吸着させ、次いで脱着工
程において吸着材に水蒸気を吹き込んで熱により吸着さ
れている有機溶剤を脱着させ、次いで、次工程で吸着材
を再利用するためにその吸着率を高める目的で、前工程
で水蒸気により高湿・高温になった吸着材に、加熱した
外気等を導入した後加熱していない外気を導入して乾燥
・冷却を行う乾燥工程が、一般的に行われている。
【0003】一方、吸着材として活性炭素繊維が使用さ
れる溶剤回収装置の場合には、粒状活性炭に比べ吸脱着
が速く行われるという性質に加え、吸着材の乾燥がきわ
めて早く行われるという性質がある。そのような性質を
有する活性炭素繊維の乾燥は一般的には吸着工程におい
て導入される有機溶剤含有ガスにより乾燥が同時に進行
するために、特に、前記粒状活性炭の場合のような、乾
燥用ガスを用いた乾燥工程を設けなくてもよいという利
点がある。
【0004】しかしながら、活性炭素繊維を吸着材とし
て使用した溶剤回収装置を用いて、高濃度(ガス濃度
0.5%以上)、少風量(処理ガス量50m3 /分以
下)の有機溶剤含有ガスから有機溶剤を回収処理する場
合には、活性炭素繊維量は、処理すべき有機溶剤量にほ
ぼ比例するから、粒状活性炭に比べて嵩密度が低い活性
炭素繊維はその使用量が多くなり溶剤回収装置を大きな
ものとしなければならないという不都合があった。ま
た、低濃度ガスにおいて従来行われているような、単独
の乾燥工程を設けずに回収処理を行うと、少風量のガス
のために乾燥が進まず、活性炭素繊維は水分過多になっ
て、吸着工程において有機溶剤の吸着効率が悪くなると
いう欠点があった。
【0005】このような高濃度、少風量の有機溶剤含有
ガスの処理時における水分過多を改善するために、吸着
工程の初期に該有機溶剤含有ガスを外気によって希釈す
ることによりその風量を増大させ、これによって吸着材
としての活性炭素繊維を乾燥すると同時に有機溶剤の吸
着を行う方法が提案された(特公平4−17688号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の吸着工程の
初期に高濃度有機溶剤含有ガスを外気によって希釈して
有機溶剤を回収する希釈法においても、脱着工程完了直
後では活性炭素繊維は湿度及び温度が共に高く、活性炭
素繊維の吸着能力は非常に低い状況にある。このような
状況の活性炭素繊維に希釈有機溶剤含有ガスを導入した
としても、該希釈有機溶剤含有ガスの導入直後の暫くの
間は、活性炭素繊維で処理されて排出される清浄ガスに
は有機溶剤の濃度が高い状態であることが本発明者らに
よって見いだされた。即ち、フエルト状の活性炭素繊維
が多層巻きにされた円筒状の各活性炭素繊維エレメント
(外径570mm×内径320mm×高さ1,400m
m、活性炭素繊維量22.5kg/本)を内部に2セッ
ト配した活性炭槽に、12,600ppm〜17,00
0ppm濃度範囲(平均濃度14,500ppm)の塩
化メチレン含有ガスを11℃にて22.8m3 /分供給
して、切替え間隔を8分として活性炭槽を通過させた後
の出口における塩化メチレン濃度を測定した。図1にそ
の活性炭槽の入口及び出口濃度のチャートを示す。
【0007】図1によれば、希釈有機溶剤含有ガスを導
入した直後においては、活性炭素繊維によって処理され
て排出されるガスには有機溶剤のピークが検出されるこ
とが分かる。
【0008】一方、前記したように活性炭素繊維は粒状
活性炭に比べて、有機溶剤の吸着速度、脱着速度、吸着
材の乾燥がきわめて早く行われるので、この活性炭素繊
維を充填した活性炭槽を複数本用いて短時間に切り替
え、その切り替え回数を多くして連続的に有機溶剤回収
処理を行った方が活性炭素繊維に係る負荷が小さくてす
み有機溶剤回収効率がよいが、前記従来の希釈法による
有機溶剤の回収方法に対して、このような連続有機溶剤
回収法を適用した場合には、前記活性炭槽の処理ガス出
口における有機溶剤濃度の一時的上昇は、切替え数を増
す程、積算されて、有機溶剤回収装置の処理ガス出口に
おける排出ガス中の有機溶剤濃度を全体として押し上げ
ることがわかった。
【0009】そこで本発明は、高濃度(ガス濃度0.5
%以上)、少風量(処理ガス量50m3 /分)の有機溶
剤含有ガスから有機溶剤を回収するのに、活性炭素繊維
を充填した活性炭槽を複数本用いた装置を用いて短時間
に切り替え数を多くして連続的に有機溶剤を回収するこ
とができ、しかもその場合に、処理ガス出口における前
記有機溶剤濃度の一時的上昇を防ぐことができる有機溶
剤回収効率のよい高濃度有機溶剤含有ガスからの有機溶
剤回収方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るために、本発明の高濃度有機溶剤含有少風量ガスから
の有機溶剤回収方法は、活性炭素繊維を吸着材として充
填した活性炭槽を有する有機溶剤回収装置を用いて、有
機溶剤含有ガス中に含まれる有機溶剤を回収する方法に
おいて、(1)有機溶剤含有ガスの活性炭槽への導入を
行う吸着工程に先立ち、脱着工程後の活性炭槽を乾燥且
つ冷却するための有機溶剤を含まない乾燥用ガスを活性
炭槽へ導入する乾燥工程を行い、(2)該乾燥工程にお
いて、前記活性炭槽の出口ガス湿度及び出口ガス温度の
最大湿度ピーク及び最大温度ピークが過ぎた後に、該乾
燥用ガスの導入を継続しながら有機溶剤含有ガスの活性
炭槽への導入を開始することにより吸着工程を並行して
行い、(3)該吸着工程において、活性炭素繊維の吸着
能力がほぼ完全に回復した時点で、継続していた前記乾
燥工程を打切り、吸着工程のみとし、次いで(4)吸着
された有機溶剤を活性炭素繊維から脱着するための脱着
工程を行うことを特徴とする。
【0011】本発明の高濃度有機溶剤含有少風量ガスか
らの有機溶剤を回収する方法は、前記回収方法に加え
て、(1)活性炭素繊維を吸着材として充填した活性炭
槽が3本使用され、(2)該1本の活性炭槽における脱
着工程が行われている間に、一時的に他の活性炭槽にお
ける脱着工程が並行して行われる時期があり、(3)該
1本の活性炭槽における吸着工程が行われているとき
は、他の2本の活性炭槽では吸着工程は行われておら
ず、該1本の活性炭槽における吸着工程が終了した時点
で、他の2本の内の1本が吸着工程に入り、(4)一
方、該1本の活性炭槽における乾燥工程が行われている
ときは、他の2本の活性炭槽では乾燥工程は行われてお
らず、該1本の活性炭槽における乾燥工程が終了した時
点で、他の2本の内の1本が乾燥工程に入り、(5)該
1本の活性炭槽における吸着工程又は乾燥工程が終了し
た時点で、各々の工程が他の活性炭槽に順番に切り替わ
ることを特徴とする。
【0012】本発明の高濃度有機溶剤含有少風量ガスか
らの有機溶剤回収方法は、有機溶剤濃度が0.5%以上
で且つ処理ガス量が50m3 /分以下の高濃度少風量の
ガスに対して、特に、有効に適用できる特徴を有する。
【0013】本発明における乾燥用ガスには大気が一般
的に使用される。
【0014】本発明の有機溶剤回収方法をプロセス順に
説明する。脱着工程が終わった段階では、活性炭素繊維
を吸着材として充填された活性炭槽中には脱着工程で使
用された水蒸気が水となって含まれており、高温多湿と
なっている。このような状態の活性炭素繊維は有機溶剤
吸着能力が低下しているために、この時期に有機溶剤を
少しでも含んだガスを流してしまうと、活性炭素繊維を
通過した直後のガス中には、前記したように有機溶剤の
ピークが検出されてしまう。そこで、本発明ではこのよ
うな活性炭素繊維の吸着能力の低い時期だけには、有機
溶剤を含まない外気等の湿度及び温度の比較的低いガス
を導入して活性炭素繊維の活性を回復させる(乾燥工
程)。
【0015】図2に従来の活性炭槽の処理ガス出口にお
ける排出ガス温度及びガス湿度の経時変化を示す。図2
によれば、活性炭槽の処理ガス出口では、前記乾燥工程
の開始直後では排出されるガス温度及ガス湿度がピー
ク状に高くなり、その後は急激に低く収まっており、こ
れらのピークが過ぎた時点では活性炭素繊維の吸着活性
が急激に回復されていくことが理解される。したがっ
て、本発明ではこれらのピークの後に、前記乾燥用ガス
の導入を継続しつつ高濃度有機溶剤含有少風量ガスを活
性炭槽へ導入することにより吸着工程を開始し、前記乾
燥工程と吸着工程を並行させる。この時の活性炭素繊維
に対する負荷は、高濃度有機溶剤含有少風量ガスを乾燥
用ガスで希釈した混合ガスの負荷である。したがって、
単位時間当りの有機溶剤処理量は、高濃度有機溶剤含有
少風量ガスを単独で導入した場合と同じであるが、両工
程が並行されて希釈用の乾燥用ガスも導入されるため被
処理ガス自体の有機溶剤濃度は低い。
【0016】この吸着工程を開始した時点では、活性炭
素繊維の有機溶剤吸着能力は万全とは言えないが、乾燥
用ガス量と有機溶剤含有ガス量との合算により活性炭素
繊維の乾燥と冷却に必要なガス量が供給されることにな
り、全体のガス量が活性炭素繊維の乾燥及び冷却のため
に十分であるので、活性炭素繊維の吸着能力は回復を続
ける。同時にこの両工程が並行して進行する時期は、完
全ではないがある程度吸着能力を回復しつつある活性炭
素繊維は、希釈された有機溶剤を充分に処理できる状態
にあるため、有機溶剤の吸着も並行して行われる。
【0017】次いで、活性炭素繊維の吸着能力がほぼ完
全に回復した時点において、乾燥用ガスの導入を打切
り、高濃度有機溶剤含有少風量ガスのみを活性炭槽へ導
入する。この時期においては、導入される高濃度有機溶
剤含有少風量ガスの有機溶剤濃度は0.5%以上の高濃
度であるから、活性炭素繊維における有機溶剤吸着率が
上昇する。また、導入されるガスが高濃度有機溶剤含有
少風量ガスのみとなり、そのガス量が極端に下がるの
で、活性炭槽を通過するガス速度も遅く、活性炭素繊維
と高濃度有機溶剤含有少風量ガスとの接触時間も多くと
れるので活性炭素繊維における有機溶剤の吸着量が上昇
する。
【0018】本発明の有機溶剤回収方法は、特に、活性
炭素繊維を充填した活性炭槽を複数本使用し、各工程を
活性炭槽に行わせながら、各活性炭槽間で工程の時期を
ずらしながら、各活性炭槽に乾燥用ガス、被処理ガス、
脱着用ガスを切り替えながら供給して連続的に有機溶剤
を回収するのに適した方法である。活性炭槽を3本使用
して連続的に有機溶剤を回収する方法は特に効率的であ
る。即ち、1本の活性炭槽における吸着工程が行われて
いるときは、他の2本の活性炭槽では吸着工程は行われ
ておらず、該1本の活性炭槽における吸着工程が終了し
た時点で、他の2本の内の1本が吸着工程に入り、一
方、1本の活性炭槽における乾燥工程が行われていると
きは、他の2本の活性炭槽では乾燥工程は行われておら
ず、その1本の活性炭槽における乾燥工程が終了した時
点で、他の2本の内の1本が乾燥工程に入り、その1本
の活性炭槽における吸着工程又は乾燥工程が終了した時
点で、各々の工程が他の活性炭槽に順番に切り替わるの
で、全体の工程が最短の切り替えでしかも連続的に有機
溶剤を回収することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図3は、本発明の高濃度有機溶剤
含有少風量ガスからの有機溶剤回収方法に好適なフロー
シートの一例を示し、活性炭槽を3本用いた場合を示し
ている。図3において、1A、1B、1Cは、フエルト
状の活性炭素繊維が多層巻きにされた円筒状の各活性炭
素繊維エレメント2A、2B、2Cがセットされた活性
炭槽であり、流体が各活性炭素繊維エレメント2A、2
B、2Cの内外を通過できるように形成されている。
【0020】3は、高濃度有機溶剤含有少風量ガスを高
濃度用有機溶剤ガスルート103又は希釈用有機溶剤ガ
スルート102へ供給するための溶剤ガスブロワであ
る。4は、乾燥・冷却用ガスとしての外気を各活性炭槽
1A、1B、1Cへ供給するための外気ブロワである。
5A、5B、5Cは、溶剤ガスブロワ3により供給され
る高濃度有機溶剤含有少風量ガスを各活性炭槽1A、1
B、1C内の各活性炭素繊維エレメント2A、2B、2
Cの外側空間に導入するための溶剤ガス切替弁である。
【0021】6A、6B、6Cは、外気ブロワ4より供
給される外気を各活性炭槽1A、1B、1C内の各活性
炭素繊維エレメント2A、2B、2Cの外側空間に導入
するための外気切替弁である。7A、7B、7Cは、各
活性炭槽1A、1B、1Cで吸着処理された処理済ガス
を排出するための排気弁である。8A、8B、8Cは、
各活性炭槽1A、1B、1C内の各活性炭素繊維エレメ
ント2A、2B、2Cの内側空間に蒸気を導入するため
の蒸気弁である。
【0022】9A、9B、9Cは、各活性炭槽1A、1
B、1C内の各活性炭素繊維エレメント2A、2B、2
Cの外側空間内に脱着された脱着ガスを排出するための
脱着弁である。10は、溶剤ガスブロワ3から供給され
るガス量の変動を極力小さくするための混合弁である。
【0023】図3に示すフローシートにおける図4に示
すタイムスケジュールに従う運行方法を次に説明する。
なお、図3に示された各弁の開閉状態は、図4のタイム
スケジュールに示される時点“X−X”(3分目)を表
している。この時点において、脱着直後の活性炭槽1B
には、外気ブロワ4により外気ルート101を通して外
気が供給される。外気は外気切替弁6Bから活性炭素繊
維エレメント2Bの外側空間に導入され、活性炭素繊維
エレメント2Bを通過し、活性炭素繊維エレメント2B
の内側空間に入り、排気弁7Bから活性炭槽1B外へ排
出される。この時の被処理ガスは外気のみであり、有機
溶剤は混入されていない。この外気からなるガスが、活
性炭素繊維エレメント2Bを通過する際に該活性炭素繊
維エレメント2Bを冷却・乾燥する(乾燥工程)。
【0024】次に、前記乾燥工程を継続しながら、図4
のタイムスケジュールの4分目で活性炭槽1Bにおい
て、希釈有機溶剤ガスの吸着が開始される。すなわち、
混合弁10を開け、同時に活性炭槽1A用の溶剤ガス切
替弁5Aを閉じて、高濃度有機溶剤含有少風量ガスが希
釈用有機溶剤ガスルート102に導入されることによ
り、外気ルート101を流れている外気に高濃度有機溶
剤含有少風量ガスが混入されて希釈され、いままで外気
のみを処理していた活性炭槽1Bに、希釈有機溶剤含有
ガスが導入される。活性炭槽1Bでは、活性炭素繊維エ
レメント2Bに有機溶剤が吸着され、浄化されたガスは
排気弁7Bから排出される。なお、活性炭素繊維エレメ
ント2Bへ導入する、外気のみのガス速度、或いは希釈
有機溶剤含有ガスのガス速度は、活性炭素繊維が乾燥す
る流速である15cm/秒以上とする。
【0025】次に、図4のタイムスケジュールに示され
る時点“Y−Y”(6分目)において、外気切替弁6B
及び混合弁10を閉じ、同時に溶剤ガス切替弁5B、外
気切替弁6C、排気弁7Cを開ける。これらの弁の開閉
操作により、活性炭槽1Bには高濃度有機溶剤含有少風
量ガスのみが高濃度用有機溶剤ガスルート103を通し
て供給され、活性炭素繊維エレメント2Bでの有機溶剤
の吸着が進む。
【0026】一方、切替えられた外気は直ちに次の活性
炭槽1Cに供給され、活性炭素繊維エレメント2Cの乾
燥冷却が始まる。その後の工程は、前記活性炭槽1Bで
述べたものと同じ操作を進める。
【0027】活性炭槽1Bでは図4のタイムスケジュー
ルの8分目の時点で吸着工程が完了し、脱着工程に移
る。すなわち、溶剤ガス切替弁5B、排気弁7Bを閉
じ、蒸気弁8B、脱着弁9Bを開けて蒸気ルート104
を通じて蒸気を吹き込み、脱着された有機溶剤を回収す
る(脱着工程)。この脱着工程を6分間続け、完了する
と同時に外気を吸入する工程に戻る。
【0028】このように各工程を数分毎(図4のタイム
スケジュールでは乾燥工程、吸着工程を3本の活性炭槽
において4分毎)で切替えながら有機溶剤の回収を進め
ることができ、即ち、限られた容量の活性炭素繊維エレ
メントにより、短時間で、吸脱着をできるだけ多く行わ
せることができるので、本発明の高濃度有機溶剤含有少
風量ガスからの有機溶剤回収方法は効率が高い。このよ
うな活性炭槽を3本使用した場合の脱着工程に要する時
間と、吸着工程と重複していない乾燥工程に要する時間
との合計は、吸着工程に要する時間の2倍となってい
る。また、吸着工程に要する時間は3〜5分間となって
いる。
【0029】なお、混合弁10の目的は、希釈用有機溶
剤ガスルート102と組み合わされて、前記したように
溶剤ガスブロワ3から供給されるガス量の変動を極力小
さくするためのものであるが、もし、これらの機構がな
いと、希釈有機溶剤含有ガスの吸着時には溶剤ガスブロ
ワ3が外気ブロワ4に負けない程度の静圧を必要とす
る。そして、工程が高濃度有機溶剤含有少風量ガスの単
独吸着に切り替わると、溶剤ガスブロワ3のみにより高
濃度有機溶剤含有少風量ガスの供給がなされるため、活
性炭素繊維エレメント2A、2B、2Cにおける圧力損
失が下がることになり、風力が大幅にアップするという
不都合が生じるが、混合弁10はこのような不都合を防
いでいる。
【0030】
【実施例】前記〔発明の実施の形態〕において説明した
図3のフローシートによる方法を、図4に示すタイムス
ケジュールに従って、実際に行った実施例を、具体的な
処理条件とその運転結果として示す。
【0031】1.処理条件 (1)被処理高濃度有機溶剤ガス a.溶剤名:塩化メチレン(CH2 Cl2 ) b.溶剤供給量:30Kg/時 (2)高濃度有機溶剤ガス量:1.4m3 /分(20℃
にて) この時の有機溶剤濃度(計算値)約101,400p.p.
m (3)再生時の排ガス量:10m3 /分(20℃にて) (4)活性炭素繊維エレメント: a.寸法:外径560mm×内径320mm×高さ70
0mm b.活性炭素繊維量:11Kg/エレメント c.被処理ガス通過速度(単純平均) 外気導入時及び希釈ガス導入時:17.2cm/秒
(20℃にて) 高濃度有機溶剤ガスの単独導入時:2.4cm/秒
(20℃にて) (5)脱着蒸気量:57Kg/時 2.運転結果 (1)有機溶剤回収率 a.回収液量:29.6Kg/時 b.有機溶剤回収率:98.7% (2)活性炭槽の処理ガス出口濃度:平均70p.p.m 図5に、縦軸に塩化メチレン濃度(p.p.m )をとり、横
軸に測定時間をとったガスクロマトグラフィーのチャー
トを示す。
【0032】(3)活性炭素繊維吸着率 a.1吸着当りの溶剤負荷量: 1分間当りの溶剤負荷=(30Kg/時)/(60分/
時)=0.5Kg/分 吸着時間4分:1吸着当りの溶剤負荷量=(0.5Kg
/分)×4分=2Kg b.活性炭素繊維吸着率: (1吸着当りの溶剤負荷量÷活性炭素繊維量)×100
%=2Kg÷11Kg×100(%)≒18.2%
【0033】
【発明の効果】従来の希釈法では、希釈有機溶剤含有ガ
スを活性炭槽に導入した直後において、活性炭槽から排
出される吸着処理済ガスにはピーク状に且つ濃度が高く
有機溶剤が検出されていたが、本発明では希釈有機溶剤
含有ガスの活性炭槽への導入を行う吸着工程に先立ち、
有機溶剤を含まない乾燥用ガスを導入しているので、活
性炭槽で浄化されて排出される吸着処理済ガス中には、
ピーク状の有機溶剤ガスが緩和された上に、有機溶剤ガ
ス濃度が総体的に低まっている。したがって、このよう
な工程を採用し、活性炭槽を複数本組み合わせて、短時
間に頻繁に切り替えて連続運転しても、吸着処理済ガス
中に有機溶剤ガスのピーク状の排出が積算されて有機溶
剤ガスの排出量が増大することがない。
【0034】本発明の高濃度有機溶剤含有少風量ガスか
らの有機溶剤回収方法によれば、一つの活性炭槽におい
て、吸着工程と乾燥工程が一部重複していると同時に、
活性炭槽を多槽にして短時間に頻繁に切り替えて連続運
転ができるので、1サイクル当りの処理量(負荷)が減
り、そのため活性炭槽中に充填される活性炭素繊維の量
を少ないものとすることができ、コンパクトな有機溶剤
回収装置により、効率のよい有機溶剤回収ができる。
【0035】本発明の高濃度有機溶剤含有少風量ガスか
らの有機溶剤回収方法によれば、活性炭槽が3本使用さ
れる場合、その1本の活性炭槽における脱着工程が行わ
れてい間に、一時的に他の活性炭槽における脱着工程
が並行して行われている時期があるので、3本の活性炭
槽の切替え時間を短縮することができ、したがって、短
時間に頻繁に切り替えて連続運転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の活性炭槽を用いて塩化メチレン含有ガス
を処理したときの活性炭槽の入口及び出口濃度のチャー
トを示す。
【図2】従来の活性炭槽の処理ガス出口における排出ガ
ス温度及びガス湿度の経時変化を示す。
【図3】本発明の高濃度有機溶剤含有少風量ガスからの
有機溶剤回収方法に好適なフローシートの一例を示す。
【図4】本発明の高濃度有機溶剤含有少風量ガスからの
有機溶剤回収方法に好適な一例をタイムスケジュールを
示す。
【図5】本発明の高濃度有機溶剤含有少風量ガスからの
有機溶剤回収方法に使用する活性炭槽の処理ガス出口か
ら排出される清浄ガスについて、縦軸に塩化メチレン濃
度(p.p.m )をとり、横軸に測定時間をとったガスクロ
マトグラフィーのチャートを示す。
【符号の説明】
1A、1B、1C 活性炭槽 2A、2B、2C 活性炭素繊維エレメント 3 溶剤ガスブロワ 4 外気ブロワ 5A、5B、5C 溶剤ガス切替弁 6A、6B、6C 外気切替弁 7A、7B、7C 排気弁 8A、8B、8C 蒸気弁 9A、9B、9C 脱着弁 10 混合弁 101 外気ルート 102 希釈用有機溶剤ガスルート 103 高濃度用有機溶剤ガスルート 104 蒸気ルート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/44 B01D 53/04 B01D 53/81

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭素繊維を吸着材として充填した活
    性炭槽を有する有機溶剤回収装置を用いて、有機溶剤含
    有ガス中に含まれる有機溶剤を回収する方法において、 (1)有機溶剤含有ガスの活性炭槽への導入を行う吸着
    工程に先立ち、脱着工程後の活性炭槽を乾燥且つ冷却す
    るための有機溶剤を含まない乾燥用ガスを活性炭槽へ導
    入する乾燥工程を行い、 (2)該乾燥工程において、前記活性炭槽の出口ガス湿
    度及び出口ガス温度の最大湿度ピーク及び最大温度ピー
    クが過ぎた後に、該乾燥用ガスの導入を継続しながら有
    機溶剤含有ガスの活性炭槽への導入を開始することによ
    り吸着工程を並行して行い、 (3)該吸着工程において、活性炭素繊維の吸着能力が
    ほぼ完全に回復した時点で、継続していた前記乾燥工程
    を打切り、吸着工程のみとし、次いで (4)吸着された有機溶剤を活性炭素繊維から脱着する
    ための脱着工程を行う、ことを特徴とする高濃度有機溶
    剤含有少風量ガスからの有機溶剤回収方法。
  2. 【請求項2】 (1)活性炭素繊維を吸着材として充填
    した活性炭槽が3本使用され、 (2)該1本の活性炭槽における脱着工程が行われてい
    る間に、一時的に他の活性炭槽における脱着工程が並行
    して行われる時期があり、 (3)該1本の活性炭槽における吸着工程が行われてい
    るときは、他の2本の活性炭槽では吸着工程は行われて
    おらず、該1本の活性炭槽における吸着工程が終了した
    時点で、他の2本の内の1本が吸着工程に入り、 (4)一方、該1本の活性炭槽における乾燥工程が行わ
    れているときは、他の2本の活性炭槽では乾燥工程は行
    われておらず、該1本の活性炭槽における乾燥工程が終
    了した時点で、他の2本の内の1本が乾燥工程に入り、 (5)該1本の活性炭槽における吸着工程又は乾燥工程
    が終了した時点で、各々の工程が他の活性炭槽に順番に
    切り替わる、ことを特徴とする請求項1記載の高濃度有
    機溶剤含有少風量ガスからの有機溶剤回収方法。
  3. 【請求項3】 前記高濃度有機溶剤含有少風量ガスは、
    有機溶剤濃度が0.5%以上で且つ処理ガス量が50m
    3 /分以下である請求項1又は2記載の高濃度有機溶剤
    含有少風量ガスからの有機溶剤回収方法。
  4. 【請求項4】 前記脱着工程に要する時間と、前記吸着
    工程と重複していない前記乾燥工程に要する時間との合
    計が、前記吸着工程に要する時間の約2倍である請求項
    1、2又は3記載の高濃度有機溶剤含有少風量ガスから
    の有機溶剤回収方法。
  5. 【請求項5】 前記吸着工程に要する時間は3〜5分間
    である請求項1、2、3又は4記載の高濃度有機溶剤含
    有少風量ガスからの有機溶剤回収方法。
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