JPH1054640A - 冷蔵庫 - Google Patents

冷蔵庫

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JPH1054640A
JPH1054640A JP8209590A JP20959096A JPH1054640A JP H1054640 A JPH1054640 A JP H1054640A JP 8209590 A JP8209590 A JP 8209590A JP 20959096 A JP20959096 A JP 20959096A JP H1054640 A JPH1054640 A JP H1054640A
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door
refrigerator
container
storage room
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JP8209590A
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Mitsutaka Shizutani
光隆 静谷
Hirokazu Nakamura
浩和 中村
Taichi Tanaami
太一 店網
Terukazu Ishioka
輝一 石岡
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D25/00Charging, supporting, and discharging the articles to be cooled
    • F25D25/02Charging, supporting, and discharging the articles to be cooled by shelves
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Abstract

(57)【要約】 【課題】引き出し式の冷凍貯蔵室の断熱性能を意匠性や
実用性に問題を生ずることなく効果的に高めて、1つ以
上の引き出し式の冷凍貯蔵室を備えた冷蔵庫の消費電力
量を少なくする。 【解決手段】引き出し式の冷凍貯蔵室について、扉の扉
内面のパッキンより内周側で庫内側に突出した部分にシ
ール部材を、貯蔵室の四周内面の前面付近に断熱シール
部材を、扉の閉状態で互いに当接して封止作用を行うよ
うに設置すること、また貯蔵容器に容器内側の前面に開
口する戻り通路入口から容器外側の底面または背面下端
付近に背面向きまたは下向きに開口する戻り通路出口ま
で連通する容器内冷気戻り通路を形成すること、のいず
れかを単独または組み合わせて適用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷蔵庫に係わり、特
に、庫内に強制送風で冷気を循環させて該庫内を冷却す
る冷却方式であると共に、複数の貯蔵室のうち少なくと
も1つが扉と貯蔵容器を備えた引き出し式の冷凍貯蔵室
となっている冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な家庭用の冷蔵庫の構造は、機能
の面から、断熱容器・強度部材の役割をもつ本体である
箱体・扉部分と庫内冷却を行うための冷凍サイクル部分
とに大別できる。箱体・扉部分は、鋼板製の外箱・外板
と樹脂製の内箱・内板で主に発泡ウレタン製の断熱材を
挟むようにして一体化した外壁からなる各々の主構造部
分と、箱体内を温度条件の異なる冷凍貯蔵室、冷蔵貯蔵
室及び野菜貯蔵室等の貯蔵室や冷気通路等に大きく区画
する仕切り部材や、貯蔵室や扉の内側を細かく区画する
棚・貯蔵容器・ポケット等の樹脂製または断熱材製の内
装部品とから構成される。また、冷凍サイクル部分は、
冷媒の圧縮・循環のための圧縮機や放熱のための凝縮器
等の庫外に設置される部品、庫内を循環する冷気を冷却
するための蒸発器や冷気を循環させる送風機等の庫内に
設置される部品、及び各部品間を結んで冷媒を循環させ
る冷媒管とを備える。
【0003】複数の貯蔵室をもつ一般的な冷蔵庫では、
庫内の 冷却は、蒸発器で冷却された冷気を各貯蔵室に
送風機と冷気通路により冷気を循環させる冷気強制循環
方式で行われる。そして、蒸発器で奪った庫内の熱は、
冷凍サイクルを循環する冷媒により庫外の凝縮器に運ば
れ放出される。
【0004】冷蔵庫の貯蔵室の構造には、扉が箱体の一
側面に固定されたヒンジを支点とする回動で開閉され、
かつ貯蔵品が箱体内の棚や扉内側のポケットに収納され
る固定棚式と、扉が上記と同様な回動か、箱体に対し前
後方向の滑動で開閉され、かつ貯蔵容器が前後方向の滑
動で出し入れされる引き出し式とがある。
【0005】引き出し式の貯蔵室としては、1枚の扉に
1つの貯蔵容器が対応すると共に扉開時には両者が一体
となって滑動する簡潔な形式のものが大半を占めてお
り、引き出すことによる食品の見易さ・取り出し易さを
活かすため箱体の下半分に採用されている。最近の冷蔵
庫ではそれぞれの貯蔵室の使い勝手の良さの点から、開
閉頻度や収納食品の量・種類等の多い冷蔵貯蔵室を箱体
の上半分に固定棚式の大きな1室とし、下半分には複数
の引き出し式の冷凍貯蔵室や野菜貯蔵室等を配置する構
造が広く採用されている。
【0006】最近の冷蔵庫では、前記の使い勝手の良さ
と共に消費電力量の少なさも強く求められており、後者
のために圧縮機等の冷凍サイクル構成機器の効率向上や
箱体の断熱性能の向上が重要な技術課題となっている。
箱体の断熱性能の良否、言い換えれば箱体の熱侵入量の
少なさ及び多さには、庫内外の熱伝達率・温度差及び壁
の熱伝導率や表面積(これらが大きいと熱侵入量は増
加)、壁の厚さ(大きいと熱侵入量は減少)が関係して
くる。冷凍貯蔵室では、庫内温度が約−18℃であり庫
内を氷点ないしそれ以上とする他の貯蔵室に比べ庫内外
の温度差がかなり大きく、外壁の厚さを他の貯蔵室より
やや大きくしているが熱侵入量は相対的に多くなってい
る。例えば、箱体全体の貯蔵室の1/4の内容積を冷凍
貯蔵室が占める場合、その熱侵入量は箱体全体の約1/
2になると言われている。また、以前の冷蔵庫で多かっ
た固定棚式の冷凍貯蔵室の場合には、冷気は背面側から
吐出後にすぐに各棚の断面内に拡散して前側へ流れるた
め低風速であるのに対して、最近の冷蔵庫に多く見られ
る引き出し式の冷凍貯蔵室の場合には、背面側から前側
へ貯蔵容器内を流れる冷気はやや低風速だが、容器前面
上端付近から容器外側を容器前面と底面に沿った戻りの
経路では通路断面が狭いので高風速となる傾向にある。
そのため、引き出し式の方が外壁等になる扉内面や貯蔵
室の下面等に沿うまたは当たる風速が従来の固定棚式よ
り大きくなってしまい、それらの内面での熱伝達率も大
きくなることから、貯蔵室全体の熱侵入量も多くなって
くる。
【0007】貯蔵室での熱侵入量が多いことは、目標の
庫内温度に保つのに大きな冷却能力を必要とし、結果的
に冷蔵庫の消費電力量の増加につながることを意味す
る。従って、箱体の断熱性能の向上、即ち熱侵入量の低
減の対象としては、引き出し式の冷凍貯蔵室に重点を置
くべきであることがわかる。
【0008】ここで、引き出し式の冷凍貯蔵室につい
て、全体の構造と冷気循環の状況、及び熱侵入量が多く
て断熱性能低下の原因となっている個所とそれらの従来
の対策例を、図等を使用して具体的に説明する。
【0009】図11は従来の冷蔵庫全体の斜視図であ
り、一部の扉を開けて各貯蔵室の形式がわかるようにし
ている。図12及び13は、引き出し式の冷凍貯蔵室の
周辺に限った、図11の冷蔵庫で扉を閉めた状態での冷
蔵庫の下半部分の縦断側面図、及び同じ状態の冷蔵庫の
下半部分の扉を省略した正面図である。また、図14
は、1つの引き出し式の冷凍貯蔵室の前側を拡大した、
図11の冷蔵庫で扉を閉めた状態での冷蔵庫の部分縦断
側面図である。
【0010】図11ないし図13において、冷蔵庫1
は、基本的に箱体2と複数の扉3a〜3dからなり、上
部は固定棚式の冷蔵貯蔵室4であり、下部は複数の引き
出し式の貯蔵室として、野菜貯蔵室5と第1及び第2の
冷凍貯蔵室6a、6bが上から順に配置されている。ま
た、第2の冷凍貯蔵室6bの背面ないし下部は機械室と
なっている。これ以降の説明でも、従来の冷蔵庫として
貯蔵室が箱体上部から固定棚式の冷蔵貯蔵室、引き出し
式の野菜貯蔵室及び2段の引き出し式の冷凍貯蔵室の順
になったものを例として共通に使うが、貯蔵室の配置が
異なっても引き出し式の冷凍貯蔵室の冷気循環の状況や
断熱性能の問題点等は基本的に同一として扱う。
【0011】主に図12において、引き出し式の冷凍貯
蔵室6a、6bは、箱体2の箱体側面壁7a(図1
3)、箱体下面壁7b、箱体背面壁7cと貯蔵室間の仕
切り部材8b、8cにより区画されており、貯蔵室の四
周前面の封止のため扉3c、3d側にパッキン9b、9
cが設けられ、扉3c、3dと貯蔵容器10a、10b
は容器側面の支持枠兼用レール11a、11bと箱体2
側の固定レール(図示省略)により箱体2の前後方向に
一体で滑動する形で出し入れされる。野菜貯蔵室5と第
1の冷凍貯蔵室6aのすぐ背面側には、背面仕切り部材
12を経て蒸発器13と送風機(図示省略)が配置さ
れ、低温にされた冷気14のうち約80%以上は背面仕
切り部材12の内部と前面吐出口を経て引き出し式の冷
凍貯蔵室6a、6bに送り込まれ、残りの冷気14は他
の貯蔵室に箱体2の背面の通路により送り込まれ、各貯
蔵室を冷却した後に蒸発器13の流入側に戻る。一方、
庫内を循環する冷気14から蒸発器13で奪った熱は、
機械室に配置された圧縮機15や凝縮器16等により、
冷凍サイクルを循環する冷媒を介して庫外に放出され
る。
【0012】第2の引き出し式の冷凍貯蔵室6bを例に
とって、冷凍サイクルが動作している場合の引き出し式
の冷凍貯蔵室内の冷気循環の状況等を示すと次のように
なる。冷気14は背面仕切り部材12の前面吐出口から
貯蔵容器10bの内部に前面側に向けて注ぎ込まれ、吐
出後の冷気14は特に低温で密度が大きいので容器内の
下半部分を幅方向に広がりながら流れる。その際に食品
17に当たって冷却しながら上方・左右への拡散・混合
が進むので、冷気14はすぐに容器断面全体に行き渡っ
て比較的低風速で前面側に流れるようになる。容器前面
に近づいた冷気14は、主に容器前面の上端付近の連通
開口18を通って容器外側に出て、容器前面と扉3dの
内面との間、容器底面と箱体下面壁7bとの間の経路を
通って背面側へと戻る。容器前面の上端は貯蔵容器10
bの内容積増大と扉3dを開けたときの意匠性の点から
扉3dの内面や仕切り部材8cにかなり近く配置し、容
器前面と底面の対向面との間隔も貯蔵容器10bの内容
積増大の点から比較的狭くされている。その結果、一般
的な引き出し式の冷凍貯蔵室の寸法関係から考えても、
冷気14の容器内の風速が食品の存在で空の場合の2倍
となっている場合に対し、容器前面の上端付近での風速
は容器内に比べ約10倍、容器外側の前面や底面に添う
経路での風速は3〜数倍と、これらの部分ではかなり高
風速になる。一方、容器外側の側面、即ち貯蔵室の側面
については、貯蔵容器10bの左右の側面には支持枠兼
用レール11bが貯蔵室の奥行きいっぱいに延びてお
り、扉3dを閉めた状態ではこれにより容器側面と箱体
側面壁7aの隙間がほぼ塞がれてしまうので、容器の上
端から側面へ下向きに流れる冷気量は少なく、その部分
の風速も小さいといえる。また、前記の貯蔵容器10b
の内部の冷気14の流れの状態からわかるように、貯蔵
室の上面に沿った風速は小さくなる。
【0013】図14にも示したように、前記の引き出し
式の冷凍貯蔵室6bの中で冷気14が最も高風速となる
貯蔵容器10bの容器前面の上端付近、言い換えれば貯
蔵室の四周の上部のパッキン9c周辺では、冷気14は
連通開口18付近で急激に下向きに曲がって流れる。そ
の際、高風速なことと曲がり方が急なために、冷気14
の一部は曲がりきれずに上部のパッキン9cの方向に向
かい、仕切り部材8cに沿って扉3dの内面に達するま
で流れてゆく。パッキン方向に流れた冷気14は、扉3
dの内面と貯蔵容器10bの容器前面との隙間が狭いた
めに、多くは反転して連通開口18に戻ってそこから下
向きに流れることになる。
【0014】このように冷気14の流れ方が複雑に変化
することと元々高風速なことで、この上部のパッキン9
c周辺の庫内側表面、即ちパッキン・扉側及び貯蔵室の
四周内面の前面付近側の表面の熱伝達率は貯蔵室内でも
特に大きくなる。一方、パッキン9c周辺のパッキン・
扉側の部分の断熱性能は、パッキンの幅が箱体壁等の厚
さより小さいことや箱体・扉の表面が鋼板・樹脂製であ
ることから仕切り部材8cや箱体下面壁7bの厚さ方向
に比べるとかなり低く、庫外からの熱侵入でこれらの部
分は貯蔵室内で最も高温になる傾向がある。
【0015】ところで、貯蔵室の四周を形成する仕切り
部材8cや箱体2の箱体下面壁7b・箱体側面壁7aに
は、前面の鋼板表面が庫内への熱侵入で低温となって結
露を生ずることのないように、凝縮域にある冷媒管等の
結露防止加熱要素19が前記の鋼板の裏側に設置されて
いる。結露防止加熱要素19からの熱は、前面の鋼板だ
けでなく箱体壁・仕切り部材の樹脂製の内表面や断熱材
内部にも伝わるため、結露防止加熱要素19に近い貯蔵
室の四周内面の前面付近側の表面はパッキン・扉側の部
分と同様に高温になる。
【0016】以上のように、パッキン9c周辺の庫内側
表面、即ちパッキン・扉側及び貯蔵室の四周内面の前面
付近側の表面では、貯蔵室内でも特に熱伝達率が大きく
なると共に表面温度も高いので、貯蔵室の中でこの部分
の占める内面積の割合は小さいにも拘わらず全体の熱侵
入量に占める割合は多いものとなってくる。
【0017】また、引き出し式の冷凍貯蔵室6bの中
で、前記の上部のパッキン9c周辺に次いで冷気14が
高風速となる容器外側の前面や底面に添う経路は、一方
で扉内面から貯蔵室下面までに面している。これらのう
ち、扉内面は庫外側が外気に曝される外壁であり、貯蔵
室下面は、貯蔵室が最下段の場合は外壁、貯蔵室が最下
段でない場合は他の貯蔵室との仕切り部材になる。扉内
面及び貯蔵室下面が外壁であれば、これらの内面に沿う
冷気14が高風速であるため庫内側の熱伝達率が大きく
なり、またこれらの内面が貯蔵室の中で占める内面積の
割合も大きいので、貯蔵室全体に占める熱侵入量の割合
は多くなる。
【0018】一方、貯蔵室下面が仕切り部材である場合
は、冷気14が高風速であっても外壁のように庫外から
庫内への熱侵入量は直接には増加しない。しかしなが
ら、仕切り部材を隔てて下側に隣接する貯蔵室の庫内温
度は氷点以上(多くの場合は野菜貯蔵室であり約5℃)
であり、仕切り部材の冷凍貯蔵室側表面の熱伝達率が大
きくなり仕切り部材を通しての熱侵入量が多くなると、
下側の貯蔵室の仕切り部材の表面温度が低下して氷点付
近となる。これにより下側の貯蔵室には、仕切り部材の
表面に結露・着霜したり冷凍サイクル停止時に過冷却さ
れる等の問題が生ずるので、仕切り部材を厚くする(仕
切りの薄形化や冷気通路内蔵化で制限あり)と共にその
内部に加熱要素(通常は電熱ヒータ)を設置する等の対
策がとられる。後者の対策では、要素への電気入力増加
と庫内冷却能力の増加とにより、結局は外壁で熱侵入量
が増えた場合と同様に冷蔵庫の消費電力量の増加をもた
らす。従って、扉内面及び貯蔵室下面が外壁であるか否
かによらず、この部分が高風速で熱侵入量が多いことで
冷蔵庫の消費電力量には同じ影響を及ぼすことがわか
る。
【0019】また、扉内面から貯蔵室下面に沿って冷気
14が流れる場合、貯蔵室の四周の側部及び下部のパッ
キン9cにも冷気14は沿ってまたは当たって流れる。
これらの部分では冷気14の風速は前記の上部のパッキ
ンほどではなく熱伝達率もやや低くなるが、パッキン周
辺での断熱性能の低さと表面温度の高さは同じなので、
扉内面から貯蔵室下面までの途中の側部及び下部のパッ
キン9cでも熱侵入量がやや多いと考えられる。
【0020】以上のように、引き出し式の冷凍貯蔵室に
おいては、上部以外も含めたパッキン周辺部分と扉内面
から貯蔵室下面までの部分での熱侵入量が特に多くなっ
ており、それが冷蔵庫の消費電力量が多い原因の1つと
もなっている。これらの部分に関連した引き出し式の冷
凍貯蔵室の熱侵入量の低減策、即ち断熱性能の向上のた
めの改善案が既に幾つか提案されている。
【0021】それらのうち、パッキン周辺部分の断熱性
能の向上に関するものとしては、第1に特開平7−55
321号公報(文献1)に示されているような、扉を閉
めた状態で容器前面の上端付近の連通開口も含む貯蔵容
器の上方開口部を覆うような蓋を設けるものがある。こ
のような蓋の設置により、容器内部を流れた冷気は他へ
漏れ出すことなく連通開口から容器外側へ下向きに流れ
出るので、貯蔵室の四周の上部パッキン付近に冷気が直
接には当たらなくなり、従来は多かった上部パッキン周
辺部分での熱侵入量を減らせる効果があると考えられ
る。
【0022】また、パッキン周辺部分の断熱性能の向上
に関する従来の改善案の第2のものとしては、特開平8
−29050号公報(文献2)に示されているような、
扉内面に凹面状薄板の内蓋を取り付け、扉を閉めた状態
では箱体の四周前面に内蓋がパッキンより内周側で当接
して封止作用をするようにしたものがある。これは冷蔵
庫の固定棚式の貯蔵室に類似した環境試験装置を対象と
したものである。
【0023】また、冷気の循環方法に対する改善案とし
ては、戻りの経路での冷気風速を低くすることや、特開
平7−332835号公報(文献3)に示されているよ
うな貯蔵容器の改善により冷気循環を変えることが考え
られる。前者の場合は、容器外表面と扉内面から貯蔵室
下面まで表面との間隔を広げることになるが、食品収納
に有効な貯蔵容器の内容積が減るという実用性の点で問
題がある。また、後者の貯蔵容器の改善例は、容器の前
面上端付近だけでなく底面や前面下端・背面下端付近に
も連通開口を設けて容器内の冷気循環を良くすることを
主に目指したものであるが、容器外側の前面から底面に
沿った戻り経路を始めから全ての冷気が通ることがなく
なるので、戻り経路内の冷気の風速そして熱伝達率が小
さくなって熱侵入量が減る効果がある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記文
献1に記載された蓋は、前面が扉を閉めた状態の貯蔵容
器の前面上端の位置まで突出するので扉を開けた場合に
目立つことや、貯蔵室の側面や上面に蓋の固定のための
突起等が必要になることで、意匠性に問題が出てくる。
また、蓋の占める容器上方の空間の分だけ貯蔵室の有効
な内容積が減ること、扉開閉が頻繁で庫外に引き出され
る貯蔵容器の表面への結露量が多くなった場合、扉を閉
めた状態で容器表面の水分が蒸発・昇華しきれずに蓋と
の間で凍結して蓋と容器を固着させる恐れがあること、
また蒸発器の除霜時に背面仕切り部材から暖気の漏れや
輻射により伝わる熱が蓋のために容器内の上部にこもり
やすくなるため、一時的な温度上昇が大きくなって食品
の貯蔵性が低下すること、といった実用性に係わる問題
も生ずる。
【0025】前記文献2に記載された技術を冷蔵庫の引
き出し式の冷凍貯蔵室へ適用した場合を考えると、パッ
キン・扉側に冷気が流れ込みにくくなるのでこの部分の
熱侵入量の低減には有効だが貯蔵室の四周内面の前面付
近側の熱侵入量は低減できないこと、また内蓋はひれパ
ッキン等よりもかさばる構造であるために意匠性の低さ
や貯蔵室の有効な内容積が減るという実用性の点に問題
があること、が考えられる。
【0026】引き出し式の冷凍貯蔵室の扉内面から貯蔵
室下面までの部分について、断熱性能を向上させる改善
案としては、箱体・扉や仕切り部材の壁構造に対するも
のと冷気の循環方法に対するものとが考えられる。壁構
造に対する改善案としては、壁の厚さを増加させること
や壁内部の断熱材をより熱伝導率の小さい材質に変更す
ることがあげられるが、前者は冷蔵庫の内容積増加・意
匠性の点から進められている薄壁化・薄形仕切り化に逆
行するものであり、後者としては現状の発泡ウレタンか
ら真空断熱材に変えることが考えられるが、真空断熱材
は高価格であり信頼性も低いという問題があるため、共
に断熱性能と実用性を両立できず有効な対策とはならな
い。
【0027】冷気の循環方法に対する改善案が、前記文
献3に記載された技術であるが、貯蔵容器の連通開口を
前記のように前面上端付近以外の場所にも追加すると、
対策前は貯蔵容器内部を背面から前面まで冷気が行き渡
って食品を冷却しながら流れたのに対し、対策後は貯蔵
容器の前面に達する以前に大半の冷気が途中の連通開口
から外側に流出するという冷気流のショートカットを起
こしやすくなる。その結果、対策後には容器内の食品の
冷却状態にむらを生ずると共に前面側が十分冷えないた
めに貯蔵室内の温度差が大きくなるという、冷蔵庫の実
用性に関する問題が出てくる。
【0028】本発明は、前述したような引き出し式の冷
凍貯蔵室を備えた従来の冷蔵庫における問題点である、
引き出し式の冷凍貯蔵室のパッキン周辺部分または扉内
面から貯蔵室下面までの部分に対する断熱性能の向上を
意匠性及び実用性に問題を生ずることなく図ることがで
きず、それによる冷蔵庫の消費電力量の低減も達成でき
ないという問題を解決しようとするものである。
【0029】本発明の目的は、引き出し式の貯蔵室を有
する冷蔵庫において、引き出し式の冷凍貯蔵室のパッキ
ン周辺部分または扉内面から貯蔵室下面までの部分に対
する断熱性能の向上を図ることを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明になる第1の方式の冷蔵庫は、貯蔵室が冷蔵
庫箱体に対する前後方向の滑動により開閉される扉及び
この扉と共に出し入れされる貯蔵容器を有する引き出し
式貯蔵室と、冷蔵庫内背面側であってこの貯蔵容器上部
から冷気を吹き出す吐出口とを備えた冷蔵庫において、
前記引き出し式貯蔵室の扉を閉めたとき扉が当接する部
材の前記貯蔵容器上部に対向する面の冷蔵庫幅方向に設
けられた断熱シール部材と、前記扉内面の上部側にこの
扉の幅方向に設けられこの扉が閉じている状態で前記断
熱シール部材の扉側端部と当接して封止作用を行うシー
ル部材とを備えたものである。
【0031】また、本発明になる第2の方式の冷蔵庫
は、貯蔵室が冷蔵庫箱体に対する前後方向の滑動により
開閉される扉及びこの扉と共に出し入れされる貯蔵容器
を有する引き出し式貯蔵室と、冷蔵庫内背面側であって
この貯蔵容器上部から冷気を吹き出す吐出口とを備えた
冷蔵庫において、前記引き出し式の貯蔵室の前記貯蔵容
器に容器内側の前面に開口する戻り通路入口と、この容
器外側の底面または背面下部に開口する戻り通路出口
と、前記戻り通路入口から前記戻り通路出口まで連通す
る容器内冷気戻り通路を備えたものである。
【0032】また、本発明になる第3の方式の冷蔵庫
は、貯蔵室が冷蔵庫箱体に対する前後方向の滑動により
開閉される扉及びこの扉と共に出し入れされる貯蔵容器
を有する引き出し式貯蔵室と、冷蔵庫内背面側であって
この貯蔵容器上部から冷気を吹き出す吐出口とを備えた
冷蔵庫において、前記引き出し式貯蔵室の扉を閉めたと
き扉が当接する部材の前記貯蔵容器上部に対向する面の
冷蔵庫幅方向に設けられた断熱シール部材と、前記扉内
面の上部側にこの扉の幅方向に設けられこの扉が閉じて
いる状態で前記断熱シール部材の扉側端部と当接して封
止作用を行うシール部材と、冷蔵庫内背面側であってこ
の貯蔵容器上部から冷気を吹き出す吐出口とを備えた冷
蔵庫において、前記引き出し式の貯蔵室の前記貯蔵容器
に容器内側の前面に開口する戻り通路入口と、この容器
外側の底面または背面下部に開口する戻り通路出口と、
前記戻り通路入口から前記戻り通路出口まで連通する容
器内冷気戻り通路を備えたものである。
【0033】
【発明の実施の形態】引き出し式の貯蔵室を有する冷蔵
庫における引き出し式の冷凍貯蔵室のパッキン周辺部分
の断熱性能の向上に関する改善案を図15及び図16を
用いて説明する。冷凍貯蔵室の四周の上部については仕
切り部材8cの内面の前面角部付近から垂下させたひれ
パッキン20aを、貯蔵室の四周の下部については扉3
dの内面の下部突起から垂下させたひれパッキン20b
を、各々のひれパッキンの先端が扉3dを閉めた状態で
は貯蔵容器10bの前面上端の連通開口18より前側及
び箱体下面壁7bに当接するようにしている。
【0034】冷凍貯蔵室の上部について、図16のもの
では、ひれパッキン20aが当接する貯蔵容器10bの
前面上端に突出部21を特に形成しており、また図示は
省略したがひれパッキン20aを設置せず貯蔵容器の前
面上端に突出部だけとしている。これらのようなひれパ
ッキンや容器前面上端の突出部等により隙間が狭められ
ることにより、冷気14が容器前面の上端付近や扉3d
の内面と箱体下面壁7bの境界付近を流れる際に、曲が
りきれずに上部及び下部のパッキン9cの方向に向かっ
てしまう風量がやや少なくなる。これにより、パッキン
9cやそれより内周側の扉3dの内面での熱伝達率が小
さくなり、パッキン周辺部分のうちパッキン・扉側の熱
侵入量はある程度まで低減できる。ただし、上部のひれ
パッキン20aと貯蔵容器10bの前面上端を当接させ
る構成なので、ひれパッキンの設置幅は容器前面に合わ
せるために貯蔵室の幅よりも小さくなり、貯蔵容器10
bの前後方向位置は容器の形状精度や支持枠兼用レール
11bとのはめ合い精度等によりかなりばらつくのが避
けられない。
【0035】従って、冷凍貯蔵室の四周の上部について
はひれパッキンと容器前面との隙間を十分に狭めること
ができず、パッキン9bの方向に向かう風量、そして前
記のパッキン・扉側の熱侵入量を大幅に減らすことはで
きない。
【0036】一方、パッキン周辺部分のうち冷凍貯蔵室
の四周内面の前面付近側については、ひれパッキン20
a、20bは冷凍貯蔵室の前面付近に設置または先端を
当接させるようになっているために、庫外及び結露防止
加熱要素19からの熱侵入で高温になるこの部分に冷気
14が高風速で流れる状況は対策前とあまり変わらず、
この部分での熱侵入量は低減できない。
【0037】また、これらの改善案では冷凍貯蔵室の四
周の側部にひれパッキンを設置することは考えていない
ので、四周の側部についてパッキン周辺部分の熱侵入量
を低減することはできない。さらに、この改善案では、
突出部21を形成した場合の意匠性やひれパッキン20
aと容器との固着というような実用性の点でも問題があ
る。
【0038】このような問題点を解決する実施の形態を
以下に図面を用いて説明する。◆図1及び図2は、本発
明になる第1の方式の冷蔵庫、即ち、少なくとも1つの
引き出し式の冷凍貯蔵室をもつ冷蔵庫において引き出し
式の冷凍貯蔵室のパッキン周辺部分にシール部材と断熱
シール部材とを設置した冷蔵庫における第1の実施形態
を示す、扉を開けた状態及び扉を閉めた状態での冷蔵庫
の1つの引き出し式の冷凍貯蔵室の前側を拡大した部分
縦断側面図である。そして、図3〜図5は、この第1の
方式の冷蔵庫である本発明になる第2〜第4の実施形態
の、扉を閉めた状態での冷蔵庫の部分縦断側面図を示し
ている。冷蔵庫の基本的な構造や扉を閉めた状態での冷
気の全体的な循環等は、前述した従来の冷蔵庫とほぼ同
一であるので、これらには同一の参照符号を付して重複
する説明を省略する。
【0039】図1及び図2に示す本発明の第1の実施形
態では、第2の引き出し式の冷凍貯蔵室6bについて示
しており、シール部材22と断熱シール部材23は貯蔵
室の四周の上部のみに設置されている形態のものであ
る。シール部材22は、その内側端面付近が扉3dの内
面上のパッキン9cより内周側で庫内側に突出した部分
に固定されており、その外側端面が対向する貯蔵室の四
周上面である仕切り部材8cの内面と狭い隙間を保ちな
がらほぼ平行となっている。
【0040】また、断熱シール部材23は、シール部材
22と対向する仕切り部材8cの内面の前面付近に固定
されており、その庫内側端面は仕切り部材8cの内面に
密着し、その中間部は仕切り部材8cの内面との間に隙
間をとるようにされ、かつその扉側端面は他の部分と異
なり軟質となっていると共に先端ほど薄くされ仕切り部
材8cの内面との隙間を大きくしたひれ状となってい
る。
【0041】扉3dを開けた状態では、扉内面に固定さ
れたパッキン9cや支持枠兼用レール11b、そして支
持枠兼用レール11bにはめ込まれた貯蔵容器10bと
一緒になってシール部材22は引き出され、一方、断熱
シール部材23は仕切り部材8cの内面の前面付近に残
るが、シール部材22は扉内面にあって庫内側にあまり
突出しないし、断熱シール部材23は前述した従来のひ
れパッキン20bと突出状態は変わらないので、意匠性
に問題を生ずることはない。
【0042】図2に示すように、扉3dを閉めた状態で
は、シール部材22の外側端面と断熱シール部材23の
扉側端面とが当接して、従来は発生しやすかった連通開
口18で曲がりきれずにパッキン9cの方向に向かう冷
気14の流れをほぼ完全に抑制し、庫内の他の部分より
高温になるパッキン9cの内側表面やその付近の扉内面
に冷気14が当たることによる熱侵入量を従来より大幅
に低減することができる。この場合、シール部材22
は、貯蔵容器10cや扉3dとは別の部品であるために
幅や高さを対向する貯蔵室の内面いっぱいにまで広くと
れ、また扉内面に固定されていて貯蔵室の四周前面との
前後方向の位置のばらつきはパッキン9cの縮み代の変
動分だけと小さいために、設置範囲を貯蔵室の幅いっぱ
いにとれると共に扉3dを閉めた状態では断熱シール部
材23の扉側端面との隙間を微小、扉側端面の軟質・ひ
れ状化で実質的に密着させることができる。
【0043】従って、図15及び図16を用いて説明し
たパッキン周辺部分の従来の改善案のに比べても、冷気
の封止作用が良好になりパッキン9cの内側表面やその
付近、即ちパッキン・扉側からの熱侵入量を大幅に低減
することができる。また、断熱シール部材23は、庫内
側端面で仕切り部材8cの内面との間を封止した上で中
間部・扉側端面は仕切り部材8cの内面を封止・断熱す
るようになっているので、庫外及び結露防止加熱要素1
9からの熱侵入で高温となる仕切り部材8cの内面の前
面付近への冷気14の接触と伝熱が抑えられ、無対策だ
った従来のものよりこの部分、即ち貯蔵室の四周内面の
前面付近側についても熱侵入量を大幅に減らすことがで
きる。
【0044】さらに、シール部材22と断熱シール部材
23は前記の作用や効果等を得るのに図15に示したひ
れパッキン20b以上に突出させることも不要でコンパ
クトにできるため貯蔵室の内容積を減らすことは実質的
にないし、シール部材22は扉内面に固定されており適
度に加熱されて氷点以上になるので扉開閉が頻繁で結露
量が多くても両部材間が凍結・固着することはなく、実
用性に係わる問題もない。従って、この実施形態によ
り、引き出し式の冷凍貯蔵室の特にパッキン周辺部分の
断熱性能を意匠性や実用性の問題を生ずることなく向上
することができ、それにより冷蔵庫の消費電力量を少な
くすることができる。
【0045】図3に示す本発明の第2の実施形態の冷蔵
庫は、第1の実施形態と同様に第2の引き出し式の冷凍
貯蔵室6bについて示しており、シール部材22と断熱
シール部材23は貯蔵室の四周の上部及び下部に設置さ
れている形態のものである。ただし、この実施形態では
断熱シール部材23の中間部と仕切り部材8cの内面及
び箱体下面壁7bとの間には断熱材24が挿入されてお
り、隙間をあけた場合と同等以上の封止・断熱作用と断
熱シール部材23の固定がしやすくなるという効果を得
ている。前記した第1の実施形態と同様に、シール部材
22と断熱シール部材23により貯蔵室のパッキン周辺
部分の断熱性能を意匠性や実用性の問題を生ずることな
く向上することができ、しかもこの実施形態では冷凍貯
蔵室の四周の上部と共に下部でも効果があるので、冷蔵
庫の消費電力量をより少なくすることができる。この実
施例を発展させてシール部材22と断熱シール部材23
は貯蔵室の四周の全部に設置すれば、明らかに断熱性能
向上等の効果はさらに大きくなる。
【0046】図4及び図5に示す本発明の第3及び第4
の実施形態の冷蔵庫は、第1の実施形態と同様に第2の
引き出し式の冷凍貯蔵室6bについて示しており、共に
シール部材22と断熱シール部材23は貯蔵室の四周の
上部のみに設置され、四周の下部には従来のひれパッキ
ンが設置されている形態のものであり、特に第4の実施
形態では四周の下部のひれパッキンの外側端面が貯蔵容
器の前面下端の付近まで延長されたものである。貯蔵室
の四周の中で最も熱侵入量が多くなりやすい上部に関し
シール部材22と断熱シール部材23により効果的に対
策されるので、四周の下部については主にパッキン・扉
側に作用が限られるため効果の小さい従来のひれパッキ
ン20bとしても、貯蔵室の四周全体としてパッキン周
辺部分の大きな断熱性能の向上等の効果が得られる。
【0047】また、第4の実施形態のように、貯蔵室の
四周の下部のひれパッキン20bの外側端面を貯蔵容器
10cの前面下端付近まで延長すれば、シール部材と断
熱シール部材と同様にパッキン・扉側及び貯蔵室の四周
内面の前面付近側の両方で熱侵入量を低減できるように
なる。この場合、ひれパッキン20bは貯蔵室の四周の
下部にあるため、扉3dや貯蔵容器10cに隠れること
等から意匠性や実用性に問題は現れない。シール部材2
2と断熱シール部材23はほぼ板状の形状とするが、そ
れらの封止・断熱作用が良好に得られるならば、厚さが
変化したり第3の実施形態のシール部材22の扉側端面
のように曲がりを含む断面形状であってもよい。従っ
て、これらの実施形態でも、貯蔵室のパッキン周辺部分
の断熱性能を意匠性や実用性の問題を生ずることなく向
上でき、冷蔵庫の消費電力量を少なくすることができ
る。
【0048】以上のように、第1の方式である冷気を送
風機により冷蔵庫の箱体内部の複数の貯蔵室に循環させ
て庫内を冷却し、前記複数の貯蔵室は四周内面と背面を
前記箱体の外壁または前記貯蔵室間に配置された仕切り
部材で区画されると共に前面を裏面四周にパッキンを設
けた開閉自在の扉で封止され、前記貯蔵室のうちの少な
くとも1つが前記箱体に対する前後方向の滑動により開
閉される扉及び出し入れされる貯蔵容器を共に備える引
き出し式の冷凍貯蔵室である冷蔵庫において、前記引き
出し式の冷凍貯蔵室に関して、外側端面が対向する前記
冷凍貯蔵室の四周内面と狭い隙間を保ちながらほぼ平行
となると共に内側端面付近が前記扉の扉内面の前記パッ
キンより内周側で庫内側に突出した部分に固定されてい
るほぼ板状のシール部材と、前記冷凍貯蔵室の四周内面
の前面付近に固定されて、庫内側端面は前記四周内面に
密着すると共に中間部は前記四周内面との間に隙間をと
るかまたは断熱材が挿入され、かつ扉側端面は前記四周
内面との間に隙間をとりながら前記扉の閉状態で前記シ
ール部材と当接して封止作用を行うようにされているほ
ぼ板状の断熱シール部材とを、前記冷凍貯蔵室の四周の
少なくとも上部に設置した冷蔵庫によれば、引き出し式
の冷凍貯蔵室のパッキン周辺部分の断熱性能を意匠性や
実用性に問題を生ずることなく効果的に高められるの
で、1つ以上の引き出し式の冷凍貯蔵室を備えた冷蔵庫
の消費電力量を少なくすることができる。
【0049】上記のような本発明の第1の方式の冷蔵庫
は、既に述べた引き出し式の冷凍貯蔵室のパッキン周辺
部分を対象として、その部分の断熱性能を意匠性や実用
性の問題を生ずることなく向上するものである。引き出
し式の冷凍貯蔵室において、扉の内面のパッキンより内
周側で庫内側に突出した部分に固定されたほぼ板状のシ
ール部材は、外側端面が対向する対向する四周内面と狭
い隙間を保ちながらほぼ平行となっている。また、シー
ル部材と対向する貯蔵室の四周内面の前面付近に固定さ
れたほぼ板状の断熱シール部材は、庫内側端面は四周内
面に密着し、中間部は四周内面との間に隙間をとるかま
たは断熱材が挿入され、かつ扉側端面は四周内面と隙間
をとりながら扉の閉状態で前記シール部材と当接するよ
うになっている。シール部材は容器や扉とは別の部品で
あるために幅や高さ等に制約が少なく、また扉の内面に
固定されているために貯蔵室の四周前面との前後方向の
位置のばらつきはパッキンの縮み代の変動分だけと小さ
く、扉の閉状態では対向する断熱シール部材の扉側端面
との隙間を微小にすると共に貯蔵室の幅いっぱいの範囲
で良好に封止作用を行うことができる。
【0050】これにより、パッキン周辺部分のパッキン
・扉側へ冷気が流れ込むのが抑制されるので、その部分
での熱侵入量を大幅に減らすことができる。また、断熱
シール部材は、庫内側端面で四周内面との間を封止した
上で中間部・扉側端面は四周内面を封止・断熱するよう
になっているので、庫外及び結露防止加熱要素からの熱
侵入で高温となる貯蔵室の四周内面の前面付近への冷気
の接触と伝熱が抑えられ、この部分についても熱侵入量
を大幅に減らすことができる。さらに、シール部材は扉
内面に固定されていて庫内側にあまり突出しないし、断
熱シール部材は従来のひれパッキンと突出状態は変わら
ないので、共に意匠性に問題を生ずることはない。
【0051】さらに、シール部材と断熱シール部材はコ
ンパクトであるため貯蔵室の内容積を減らすことは実質
的にないし、シール部材は扉内面に固定されていてパッ
キン側から伝わる熱で氷点以上になっている(発明者が
実測で確認)ので、扉開閉が頻繁で結露量が多くても両
部材間が凍結・固着することはなく、実用性に係わる問
題もない。
【0052】また、以上の本発明の第1の方式の冷蔵庫
において、シール部材と断熱シール部材の互いに当接す
る端面付近はいずれかまたは両方が軟質でひれ状となる
ようにした方が密着性が良くなって効果が大きくなるの
で好ましいし、また、シール部材と断熱シール部材は冷
凍貯蔵室の四周の全部に設置可能であり、それにより断
熱性能向上等の効果は大きくなる。
【0053】また、冷凍貯蔵室の四周の上部にシール部
材と断熱シール部材とを設置すると共に、四周の下部に
従来のひれパッキンを設置した場合には、四周の上部で
従来のひれパッキンに比べ断熱性能が大幅に向上するの
で、小さな改造の割に大きな断熱性能向上等の効果が得
られる。
【0054】また、前記のものにおいて四周の下部のひ
れパッキンの外側端面を貯蔵容器の前面下端の付近また
はそれより庫内側まで延長することで、ひれパッキンで
もさらに貯蔵室の下面の前面付近側の熱侵入量低減、即
ち断熱性能向上を意匠性や実用性にあまり問題を生ずる
ことなく実現できるようになる。
【0055】次に、本発明になる第2の方式の冷蔵庫、
即ち、少なくとも1つの引き出し式の冷凍貯蔵室をもつ
冷蔵庫において引き出し式の冷凍貯蔵室の貯蔵容器に容
器内戻り冷気通路を形成した冷蔵庫について説明する。
図6〜図8が、この第2の方式の冷蔵庫である本発明に
なる第5〜第7の実施形態の、扉を閉めた状態での冷蔵
庫の引き出し式の冷凍貯蔵室の周辺に限った下半部分の
縦断側面図である。
【0056】図6に示す本発明の第5の実施形態の冷蔵
庫は、冷蔵庫の下半部分の2つの引き出し式の冷凍貯蔵
室6a、6bの両方の貯蔵容器10a、10bに、容器
内側の前面の戻り通路入口26から容器外側の背面下端
付近に背面向きとされた戻り通路出口27までを連通す
る容器内冷気戻り通路25が形成されている。この容器
内冷気戻り通路25は、貯蔵容器10a、10bの内部
に容器前面と底面にほぼ平行な面をもつ1枚の仕切り板
材28を間隔をあけて設置することで形成されており、
特に、戻り通路入口26は仕切り板材28の上端を容器
内側の前面と間隔をあけて固定することで、戻り通路出
口27は仕切り板材28の後端を容器内側の背面に密着
させると共に容器外側の背面下端付近に開口を加工する
ことで形成されている。
【0057】このような容器内冷気戻り通路25によ
り、背面仕切り部材12の吐出口から貯蔵容器10a、
10bの内部に供給されて食品17を冷却した冷気14
は、ほとんど容器前面から外側に漏れ出すことなく戻り
通路入口26から戻り通路出口27に運ばれ、容器の背
面下端付近の戻り通路出口27で初めて容器外側に出
て、そのまま背面仕切り部材12に沿って蒸発器13へ
の流入口に向かうようになる。従って、貯蔵室の扉3
c、3dの内面から仕切り部材8cや箱体下面壁7cの
表面に沿った従来の戻り経路に冷気14はほとんど流れ
ないから、この部分、即ち扉内面から貯蔵室下面までの
部分での熱侵入量を従来より大幅に減らすことができ
る。容器内冷気戻り通路25は、容器内側の前面に既に
説明した図15、図16におけるものの連通開口18と
同程度の大きさの戻り通路入口26を形成し、冷蔵庫を
通常使用する際には直接は見えない容器外側の底面や背
面に戻り通路出口27を形成するので、従来より意匠性
が低くなることはない。
【0058】また、貯蔵容器10a、10bは容器内冷
気戻り通路25により容器内側の前面及び底面が容器外
側の両面より庫内側及び上方にずれた、いわゆる上げ底
状態となるが、予め容器外側の前面及び底面を従来のも
ので戻り経路としていた範囲まで拡大した上で容器内冷
気戻り通路25を配置するようにすれば、容器の有効な
内容積は減ることはなく実用性の問題も現れない。ま
た、この実施形態のように、貯蔵容器10a、10bの
内部に前記のような仕切り板材28を設置する構造とす
れば、容器内冷気戻り通路25を簡潔な形式で形成でき
るので好ましい。従って、この実施形態により、引き出
し式の冷凍貯蔵室の特に扉内面から貯蔵室下面までの部
分の断熱性能を意匠性や実用性の問題を生ずることなく
向上することができ、それにより冷蔵庫の消費電力量を
少なくすることができる。
【0059】図7に示す本発明の第6の実施形態の冷蔵
庫は、第5の実施形態と同様に冷蔵庫の下半部分の2つ
の引き出し式の冷凍貯蔵室6a、6bについて示してお
り、両方の貯蔵容器10a、10bの内部に仕切り板材
28を設置することで容器内冷気戻り通路25が形成さ
れている。この場合、容器内冷気戻り通路25に関し、
戻り通路入口26は仕切り板材28の前面側の上端を容
器内側の前面側に曲げた上で開口を設けることで形成さ
れ、戻り通路出口27は仕切り板材28の底面側の後端
を容器内側の背面に密着させると共に容器外側の底面後
端付近に下向き及び背面下端付近に背面向きに開口を加
工することで形成されている。またさらに、容器外側の
底面の前記開口より前面側に容器底面と仕切り部材8c
や箱体下面壁7bとの間隔を狭くする形状の整流部材2
9が設置されている。
【0060】この実施形態では、戻り通路出口27の位
置や向き、整流部材29の有無が前記の第5の実施形態
と多少異なるが、戻り通路出口27から出た戻り冷気が
前面側にあまり逆流することなく、背面仕切り部材12
に沿って蒸発器13への流入口に向かう状態にある点は
同一である。従って、この実施形態でも、前記した第5
の実施形態と同様に、容器内冷気戻り通路25により貯
蔵室の扉内面から貯蔵室下面までの部分の断熱性能を意
匠性や実用性の問題を生ずることなく向上することがで
き、それにより冷蔵庫の消費電力量を少なくすることが
できる。
【0061】図8に示す本発明の第7の実施形態の冷蔵
庫は、前記2つの実施形態と同様に冷蔵庫の下半部分の
2つの引き出し式の冷凍貯蔵室6a、6bについて示し
ており、両方の貯蔵容器10a、10bの内部に仕切り
板材28を設置することで容器内冷気戻り通路25が形
成されている。この場合、前記の第6の実施形態に近い
形で戻り通路入口26と戻り通路出口27が形成されて
いるが、戻り通路出口27側で仕切り板材28の後端を
斜め下方及び斜め上方に曲げた上で容器内側の背面に当
接させている点と、容器外側の底面に整流部材がない点
が第6の実施形態とやや異なる。
【0062】この実施形態では、戻り通路出口27側で
仕切り板材28の曲げられた後端が冷気14を流出する
方向に整流する作用をするので、戻り通路出口27から
出た戻り冷気が前面側にあまり逆流することなく、背面
仕切り部材12に沿って蒸発器13への流入口に向かう
状態にある点は、前記の2つの実施形態と同様である。
従って、この実施形態でも、前記した2つの実施形態と
同様に、容器内冷気戻り通路25により貯蔵室の扉内面
から貯蔵室下面までの部分の断熱性能を意匠性や実用性
の問題を生ずることなく向上することができ、それによ
り冷蔵庫の消費電力量を少なくすることができる。
【0063】また、以上のような本発明になる第2の方
式の冷蔵庫において、引き出し式の冷凍貯蔵室が複数あ
る場合には全ての引き出し式の冷凍貯蔵室に容器内冷気
戻り通路を形成した方が断熱性能の向上等の効果が大き
くなるので好ましいが、構造を簡潔化のために1つの引
き出し式の冷凍貯蔵室だけに限る場合は、最も最下段の
冷凍貯蔵室に容器内冷気戻り通路を形成して下面壁の断
熱効果が向上させる方が全体の効果が大きくなる。
【0064】また、前記容器内冷気戻り通路の範囲を、
容器内側の前面上端付近の戻り通路入口から容器外側の
背面下端付近の戻り通路出口までとして長くした方が、
明らかに断熱性能の向上等の効果が大きくなり好まし
い。また、前記のような仕切り板材を金属のような熱伝
導率の良好な材質にした場合、容器内冷気戻り通路によ
る貯蔵室の扉内面から貯蔵室下面までの部分の断熱性能
向上等の効果は変わらず、戻り冷気により仕切り板材が
裏面から冷却されることで容器内部の温度均一化や冷却
速度増大という付随的な効果も得られて好都合である。
【0065】以上のように、本発明になる第2の方式の
冷蔵庫によれば、引き出し式の冷凍貯蔵室の扉内面から
貯蔵室下面までの部分の断熱性能を意匠性や実用性に問
題を生ずることなく効果的に高められるので、1つ以上
の引き出し式の冷凍貯蔵室を備えた冷蔵庫の消費電力量
を少なくすることができる。
【0066】上記のような本発明の第2の方式の冷蔵庫
は、既に述べた引き出し式の冷凍貯蔵室の扉内面から貯
蔵室下面までの部分を対象として、その部分の断熱性能
を意匠性や実用性の問題を生ずることなく向上するもの
である。引き出し式の冷凍貯蔵室のうち少なくとも最下
段ものにおいて、貯蔵容器に容器内側の前面の戻り通路
入口から容器外側の底面または背面下端付近の背面向き
または下向きの戻り通路出口までを連通する容器内冷気
戻り通路が形成されている。この容器内冷気戻り通路に
より、背面側から吐出されて容器内部の食品を冷却した
冷気は、ほとんど容器前面から外側に漏れ出すことなく
容器の底面または背面付近に運ばれて、そこの戻り通路
出口で初めて容器外側に出て背面側に向かうようにな
る。従って、貯蔵室の扉内面から貯蔵室下面までの大部
分について戻り冷気が流れないから、この部分での熱侵
入量を大幅に減らすことができる。
【0067】容器内冷気戻り通路は、容器内側の前面に
従来のものの連通開口と同程度の戻り通路入口を形成
し、冷蔵庫使用時には直接は見えない容器外側の底面や
背面に戻り通路出口を形成するので、意匠性の問題はな
い。
【0068】また、容器内冷気戻り通路により容器内側
の前面及び底面は容器外側の両面より庫内側及び上方に
ずれた、いわゆる上げ底状態となるが、容器外側の前面
及び底面を従来のものでは戻り経路とした範囲にまで拡
大した上で容器内冷気戻り通路を配置すれば、容器の有
効な内容積が従来より減ることはなく実用性の問題も現
れない。
【0069】以上のように、本発明の第2の方式の冷蔵
庫では、引き出し式の冷凍貯蔵室の特に扉内面から貯蔵
室下面までの部分の断熱性能を意匠性や実用性の問題を
生ずることなく向上することができ、それにより冷蔵庫
の消費電力量を少なくすることができる。
【0070】また、以上の本発明の第2の方式の冷蔵庫
において、引き出し式の冷凍貯蔵室が複数ある場合には
全ての引き出し式の冷凍貯蔵室に容器内冷気戻り通路を
形成した方が効果が大きくなるので好ましいし、また、
前記容器内冷気戻り通路の範囲を、容器内側の前面上端
付近の戻り通路入口から容器外側の背面下端付近の戻り
通路出口までとして長くすることも同様に効果が大きく
なる。
【0071】また、戻り通路出口の位置より前面側に容
器底面と貯蔵室の下面との間隔を狭くする整流部材を設
置して、戻り通路出口から出た戻り冷気が前面側に逆流
しないようにすることで、断熱性能向上等の効果は大き
くなる。また、前記貯蔵容器の内部に容器前面と底面に
ほぼ平行な面をもつような1つ以上の部材からなる仕切
り板材を間隔をあけて設置して、同時に戻り通路入口は
仕切り板材の上端を容器内側の前面と間隔をあけて固定
する等により、戻り通路出口は仕切り板材の後端を容器
外側への開口より背面側に延長して固定する等により形
成する構造とすれば、貯蔵容器に容器内冷気戻り通路を
簡潔な形式で形成できるので好ましい。
【0072】次に、本発明になる第3の方式の冷蔵庫、
即ち、少なくとも1つの引き出し式の冷凍貯蔵室をもつ
冷蔵庫において引き出し式の冷凍貯蔵室のパッキン周辺
部分にシール部材と断熱シール部材とを設置すると共に
貯蔵容器に容器内戻り冷気通路を形成した冷蔵庫につい
て説明する。図9及び図10が、この第3の方式の冷蔵
庫である本発明になる第8及び第9の実施形態の、扉を
閉めた状態での冷蔵庫の引き出し式の冷凍貯蔵室の周辺
に限った下半部分の縦断側面図である。
【0073】図9に示す本発明の第8の実施形態の冷蔵
庫は、前記した本発明になる第2の方式の実施形態と同
様に、冷蔵庫の下半部分の2つの引き出し式の冷凍貯蔵
室6a、6bについて示しており、両方の貯蔵室の四周
の上部と下部にシール部材22と断熱シール部材23と
が設置されていると共に、両方の貯蔵容器10a、10
bの内部に仕切り板材28の設置により容器内冷気戻り
通路25が形成されている。この実施形態では、容器内
冷気戻り通路25により容器外側の前面及び底面に漏れ
出す戻り冷気は少なくなり、またシール部材22と断熱
シール部材23により貯蔵室の四周の上部と下部のパッ
キン周辺を効果的に封止・断熱する。従って、本発明に
なる第1及び第2の方式の実施形態で既に説明したよう
に、この実施形態では、引き出し式の冷凍貯蔵室のパッ
キン周辺及び貯蔵室の扉内面から貯蔵室下面までの部分
の断熱性能向上の効果が意匠性や実用性の問題を生ずる
ことなく得られ、冷蔵庫の消費電力量を少なくすること
ができる。
【0074】図10に示す本発明の第9の実施形態の冷
蔵庫は、前記の第8の実施形態と同様に、冷蔵庫の下半
部分の2つの引き出し式の冷凍貯蔵室6a、6bについ
て示しており、両方の貯蔵室の四周の上部にシール部材
22と断熱シール部材23、四周の下部にひれパッキン
20bが設置されていると共に、両方の貯蔵容器10
a、10bの内部に仕切り板材28の設置により容器内
冷気戻り通路25が形成されている。この実施形態で
は、貯蔵室の四周の下部に設置されるのがひれパッキン
20bであり、容器内冷気戻り通路25の戻り冷気出口
27の形状が多少異なる点に、前記の第8の実施形態と
違いがある。しかしながら、この実施形態でも前記の第
8の実施形態と同様な、シール部材22と断熱シール部
材23によるパッキン周辺部分への作用と、容器内冷気
戻り通路25による貯蔵室の扉内面から貯蔵室下面まで
の部分への作用とが得られることは明らかである。従っ
て、前記の第8の実施形態と同様に、この実施形態で
も、引き出し式の冷凍貯蔵室のパッキン周辺及び貯蔵室
の扉内面から貯蔵室下面までの部分の断熱性能向上の効
果が意匠性や実用性の問題を生ずることなく得られ、冷
蔵庫の消費電力量を少なくすることができる。
【0075】以上のように、本発明になる第3の方式の
冷蔵庫によれば、引き出し式の冷凍貯蔵室のパッキン周
辺部分及び扉内面から貯蔵室下面までの部分の断熱性能
を意匠性や実用性に問題を生ずることなく効果的に高め
られるので、1つ以上の引き出し式の冷凍貯蔵室を備え
た冷蔵庫の消費電力量を少なくすることができる。
【0076】以上の各実施形態の説明では、冷蔵庫の貯
蔵室の最も下の2段が引き出し式の冷凍貯蔵室になって
いる特定の場合に限って行ったが、引き出し式の冷凍貯
蔵室が他の位置にある場合や1つしかない場合等の異な
る配置であっても、本発明の各方式による効果が同様に
期待できることは明らかである。
【0077】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、引き出
し式の冷凍貯蔵室のパッキン周辺部分または扉内面から
貯蔵室下面までの部分またはその両方で意匠性や実用性
に問題を生ずることなく効果的に断熱性能を高められる
ので、1つ以上の引き出し式の冷凍貯蔵室を備えた冷蔵
庫の消費電力量を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる冷蔵庫の第1の実施形態について
の、扉を開けた状態での冷蔵庫の部分縦断側面図であ
る。
【図2】図1の冷蔵庫についての、扉を閉めた状態での
冷蔵庫の部分縦断側面図である。
【図3】本発明になる冷蔵庫の第2の実施形態について
の、扉を閉めた状態での冷蔵庫の部分縦断側面図であ
る。
【図4】本発明になる冷蔵庫の第3の実施形態について
の、扉を閉めた状態での冷蔵庫の部分縦断側面図であ
る。
【図5】本発明になる冷蔵庫の第4の実施形態について
の、扉を閉めた状態での冷蔵庫の部分縦断側面図であ
る。
【図6】本発明になる冷蔵庫の第5の実施形態について
の、扉を閉めた状態での冷蔵庫の下半部分の縦断側面図
である。
【図7】本発明になる冷蔵庫の第6の実施形態について
の、扉を閉めた状態での冷蔵庫の下半部分の縦断側面図
である。
【図8】本発明になる冷蔵庫の第7の実施形態について
の、扉を閉めた状態での冷蔵庫の下半部分の縦断側面図
である。
【図9】本発明になる冷蔵庫の第8の実施形態について
の、扉を閉めた状態での冷蔵庫の下半部分の縦断側面図
である。
【図10】本発明になる冷蔵庫の第9の実施形態につい
ての、扉を閉めた状態での冷蔵庫の下半部分の縦断側面
図である。
【図11】従来の冷蔵庫全体の斜視図である。
【図12】図11に示した従来の冷蔵庫の、扉を閉めた
状態での冷蔵庫の下半部分の縦断側面図である。
【図13】図11に示した従来の冷蔵庫の、扉を閉めた
状態での冷蔵庫の下半分の扉を省略した正 面図であ
る。
【図14】図11に示した従来の冷蔵庫の、扉を閉めた
状態での冷蔵庫の部分縦断側面図である。
【図15】ひれパッキンを備えた冷蔵庫の、扉を閉めた
状態での冷蔵庫の部分縦断側面図である。
【図16】ひれパッキンを備えた第2の冷蔵庫の、扉を
閉めた状態での冷蔵庫の部分縦断側面図である。
【符号の説明】
1…冷蔵庫、2…箱体、3a〜3d…扉、6a、6b…
引き出し式の冷凍貯蔵室、7a〜7c…箱体側面・下面
・背面壁、8a〜8c…仕切り部材、9a〜9c…パッ
キン、10a、10b…貯蔵容器、14…冷気、19…
結露防止加熱要素、20a、20b…ひれパッキン、2
2…シール部材、23…断熱シール部材、25…容器内
冷気戻り通路、28…仕切り板材、29…整流部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石岡 輝一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貯蔵室が冷蔵庫箱体に対する前後方向の滑
    動により開閉される扉及びこの扉と共に出し入れされる
    貯蔵容器を有する引き出し式貯蔵室と、冷蔵庫内背面側
    であってこの貯蔵容器上部から冷気を吹き出す吐出口と
    を備えた冷蔵庫において、前記引き出し式貯蔵室の扉を
    閉めたとき扉が当接する部材の前記貯蔵容器上部に対向
    する面の冷蔵庫幅方向に設けられた断熱シール部材と、
    前記扉内面の上部側にこの扉の幅方向に設けられこの扉
    が閉じている状態で前記断熱シール部材の扉側端部と当
    接して封止作用を行うシール部材とを備えた冷蔵庫。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記シール部材の外側
    端面付近または前記断熱シール部材の扉側端面付近のい
    ずれかまたは両方が軟質でひれ状となるようにしたこと
    を特徴とする冷蔵庫。
  3. 【請求項3】貯蔵室が冷蔵庫箱体に対する前後方向の滑
    動により開閉される扉及びこの扉と共に出し入れされる
    貯蔵容器を有する引き出し式貯蔵室と、冷蔵庫内背面側
    であってこの貯蔵容器上部から冷気を吹き出す吐出口と
    を備えた冷蔵庫において、前記引き出し式貯蔵室の扉を
    閉めたとき扉が当接する部材の前記貯蔵容器上部に対向
    する面の冷蔵庫幅方向に設けられた上部断熱シール部材
    と、前記扉内面の上部側にこの扉の幅方向に設けられこ
    の扉が閉じている状態で前記上部断熱シール部材の扉側
    端部と当接して封止作用を行う上部シール部材と、前記
    引き出し式貯蔵室の扉を閉めたとき扉が当接する部材の
    前記貯蔵容器下部に対向する面の冷蔵庫幅方向に設けら
    れた下部断熱シール部材と、前記扉内面の下部側にこの
    扉の幅方向に設けられこの扉が閉じている状態で前記下
    部断熱シール部材の扉側端部と当接して封止作用を行う
    下部シール部材とを備えた冷蔵庫。
  4. 【請求項4】貯蔵室が冷蔵庫箱体に対する前後方向の滑
    動により開閉される扉及びこの扉と共に出し入れされる
    貯蔵容器を有する引き出し式貯蔵室と、冷蔵庫内背面側
    であってこの貯蔵容器上部から冷気を吹き出す吐出口と
    を備えた冷蔵庫において、前記引き出し式の貯蔵室の前
    記貯蔵容器に容器内側の前面に開口する戻り通路入口
    と、この容器外側の底面または背面下部に開口する戻り
    通路出口と、前記戻り通路入口から前記戻り通路出口ま
    で連通する容器内冷気戻り通路を備えた冷蔵庫。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記前記戻り通路入
    口、前記戻り通路出口及び容器内冷気戻り通路は、前記
    引き出し式の貯蔵室のうち最下段貯蔵室の貯蔵容器に設
    けられるものである冷蔵庫。
  6. 【請求項6】請求項4において、前記容器内冷気戻り通
    路を、前記貯蔵容器の内部に容器前面と容器底面にほぼ
    平行で間隔をあけた面をもつような1つ以上の部材から
    なる仕切り板材にて形成した冷蔵庫。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記仕切り板材を前記
    貯蔵容器よりも熱伝導率の良好な材質にて形成した冷蔵
    庫。
  8. 【請求項8】貯蔵室が冷蔵庫箱体に対する前後方向の滑
    動により開閉される扉及びこの扉と共に出し入れされる
    貯蔵容器を有する引き出し式貯蔵室と、冷蔵庫内背面側
    であってこの貯蔵容器上部から冷気を吹き出す吐出口と
    を備えた冷蔵庫において、前記引き出し式貯蔵室の扉を
    閉めたとき扉が当接する部材の前記貯蔵容器上部に対向
    する面の冷蔵庫幅方向に設けられた断熱シール部材と、
    前記扉内面の上部側にこの扉の幅方向に設けられこの扉
    が閉じている状態で前記断熱シール部材の扉側端部と当
    接して封止作用を行うシール部材と、冷蔵庫内背面側で
    あってこの貯蔵容器上部から冷気を吹き出す吐出口とを
    備えた冷蔵庫において、前記引き出し式の貯蔵室の前記
    貯蔵容器に容器内側の前面に開口する戻り通路入口と、
    この容器外側の底面または背面下部に開口する戻り通路
    出口と、前記戻り通路入口から前記戻り通路出口まで連
    通する容器内冷気戻り通路を備えた冷蔵庫。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004085938A1 (ja) * 2003-03-27 2004-10-07 Kabushiki Kaisha Toshiba 冷蔵庫
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CN103851852A (zh) * 2013-07-23 2014-06-11 海信(山东)冰箱有限公司 一种冰箱送风系统、冰箱及送风方式
EP2320174A4 (en) * 2008-06-20 2017-09-27 Haier Group Corporation An electric refrigerator

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