JPH1053425A - ガラス板の製造方法及び製造装置 - Google Patents

ガラス板の製造方法及び製造装置

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JPH1053425A
JPH1053425A JP20505096A JP20505096A JPH1053425A JP H1053425 A JPH1053425 A JP H1053425A JP 20505096 A JP20505096 A JP 20505096A JP 20505096 A JP20505096 A JP 20505096A JP H1053425 A JPH1053425 A JP H1053425A
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glass
plate
glass plate
manufacturing
heat
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JP20505096A
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Nobuhiro Maeda
伸広 前田
Kazuya Uchida
一弥 内田
Shigeaki Endo
栄昭 遠藤
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B17/00Forming molten glass by flowing-out, pushing-out, extruding or drawing downwardly or laterally from forming slits or by overflowing over lips
    • C03B17/06Forming glass sheets
    • C03B17/064Forming glass sheets by the overflow downdraw fusion process; Isopipes therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B17/00Forming molten glass by flowing-out, pushing-out, extruding or drawing downwardly or laterally from forming slits or by overflowing over lips
    • C03B17/06Forming glass sheets
    • C03B17/067Forming glass sheets combined with thermal conditioning of the sheets

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス板の成形速度が早い場合にも肉厚ムラ
の発生を抑制することが可能なガラス板の製造装置を提
供する。 【解決手段】 溶融ガラス供給管から供給された溶融ガ
ラス3は、成形体2の凹部2aの上側スリット状開口か
ら溢れ、成形体2の両側面に沿って流下し、成形体2の
下端部で合流して、炉室5内で直ちに冷却されてガラス
板3’となり、引っ張りローラ6によって下方に引き抜
かれる。成形体2と引っ張りローラ6の間の範囲には、
表面温度600゜Cで0.8程度の熱の放射率の酸化表
面を持つ鋳鉄製の遮断板7がガラス板3’の両側に設け
られている。この装置で、SiO2を63.5%、Al2
O3を8.2%、Li2O を8.0%、Na2O を1
0.4%、ZrO2 を11.9%含むガラスから、幅6
00mm、厚み1mmのガラス板3’を成形速度1.2
cm/sで引き抜いて製造したときの、600mm四方
の範囲の反りの最大値は、300μmであった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融ガラスを板状
に成形して、冷却することによって、ガラス板を製造す
る製造方法、製造装置、及びこのガラス板を用いた情報
記録媒体用ガラス基板、及びこの情報記録媒体用ガラス
基板を用いた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス板の製造方法として、ガラス板を
垂直下方に引き抜くダウンドロー方式やガラス板を垂直
上方に引き上げるフルコール式引き上げ方式等が知られ
ている。
【0003】ダウンドロー方式の内の一方式として、溶
融ガラスをくさび状成形体の両側面に沿って流下させ
て、成形体の下端部で合流させて、徐々に冷却しながら
引っ張りローラ等により下方に引っ張ることによりガラ
ス板の成形を行うものがある。
【0004】ダウンドロー方式のガラス板の製造装置の
一例として、例えば特開平2−225326号公報に
は、ガラス板冷却時に空気の対流の影響を受けにくくし
て、ガラス板の幅方向の肉厚分布のムラを抑え、かつ徐
冷過程での変形を抑えると共に、成形板幅の収縮を抑
え、厚みの等しい平坦部を広く確保するために、成形体
の下方に、金属製又は耐火物製の遮断板をガラス板の両
側からガラス板と平行に接近させて配置したガラス板の
製造装置が記載されている。
【0005】従来は、このようなガラス板の製造装置を
用いて、例えば液晶等のディスプレイ基板に用いられる
ガラス板を製造していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、磁気ディ
スク装置等の情報記録媒体用の基板としてガラス板の需
要が増加している。このような情報記録媒体の基板用の
ガラス板には、比較的、温度変化に対する粘性の変化が
小さいものが用いられていて、肉厚ムラが小さくて反り
の小さいものが要求される。
【0007】このような情報記録媒体用ガラス基板用に
好ましく使用されるガラスとして、例えば下記のような
ガラスが挙げられる。
【0008】まず、優れたイオン交換性能を有し、イオ
ン交換によって得られた化学強化ガラスに深い圧縮層、
及びこれに基づく高い抗折強度、そして高いヌープ硬さ
を付与できるガラスとして、重量%で、SiO2 が60
〜75%、Al2O3が5〜18%、Li2O が4〜10
%、Na2O が4〜12%、ZrO2 が5.5〜15%
含有するガラスが挙げられる。
【0009】また、ZrO2 の未溶解物の発生を防止し
て、表面が平坦な化学強化用ガラスを与えるガラスとし
て、重量%でSiO2 が58〜75%、Al2O3が5〜
18%、Li2O が3〜10%、Na2O が4〜12
%、ZrO2 が5.5%未満含有するガラスが挙げられ
る。
【0010】また、B2O3やアルカリ土類金属を含み溶
融しやすいガラスとして、重量%で、SiO2 が58〜
75%、B2O3が1〜10%、Al2O3が5〜18%、
Li2O が3〜10%、Na2O が4〜11%、MgO
とCaOが合量で2〜12%含有するガラスが挙げられ
る。
【0011】しかしながら、情報記録媒体用の基板に用
いるガラス板を上記のような従来のガラス板の製造方法
で製造する場合、成形速度が遅いときには問題がない
が、ガラス板が遮断板に挟まれていて冷却速度が遅いた
めに、成形速度が早いときには、十分に冷却されないう
ちにガラス板が引っ張りローラに達してしまって肉厚ム
ラが発生してガラス板の反りが大きくなったり、あるい
は十分に冷却するために遮断板を縦方向に長尺に形成し
なければならない等の問題が発生する可能性があった。
【0012】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、冷却雰囲気に発生する対流からガラス
板を保護するとともに、ガラス板の成形速度が早い場合
にも肉厚ムラの発生を抑制し、ガラス板の反りを小さく
することが可能なガラス板の製造方法を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、溶融
ガラスを板状に成形して、冷却することによって、ガラ
ス板を製造するガラス板の製造方法において、溶融ガラ
スを板状に成形した直後から、この成形されたガラス板
の表面温度がガラス転移点の温度に冷却されるまでの過
程で、熱の放射率が0.75以上の値を持つ遮断板を、
該ガラス板の両側から、該ガラス板に接近させて配置す
ることにより、空気の対流を防ぎ、該ガラス板の放熱を
行うことを特徴とする。
【0014】請求項2の発明は、溶融ガラスを板状に成
形して、冷却することによって、ガラス板を製造するガ
ラス板の製造方法において、溶融ガラスを板状に成形し
た後に、ガラスの表面温度が600〜800゜Cの範囲
で熱の放射率が0.75以上の値を持つ遮断板を、該ガ
ラス板の両側から、該ガラス板に接近させて配置するこ
とにより、空気の対流を防ぎ、該ガラス板の放熱を行う
ことを特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
のガラス板の製造方法において、上記遮断板に1つ又は
複数の貫通孔を設けて、上記遮断板全体の熱の放射率の
平均値を上げたことを特徴とする。
【0016】請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか
に記載のガラス板の製造方法において、上記遮断板にお
ける該ガラス板と対向する面の材質がセラミックス及び
又は金属であることを特徴とする。
【0017】請求項5の発明の情報記録媒体用ガラス基
板は、請求項1〜4の何れかに記載のガラス板の製造方
法によって製造されたガラス板を用いたことを特徴とす
る。
【0018】請求項6の発明の磁気記録媒体は、請求項
5に記載の情報記録媒体用ガラス基板上に、少なくとも
磁性層を設けたことを特徴とする。
【0019】請求項7の発明は、溶融ガラスを板状に成
形して、冷却することによって、ガラス板を製造するガ
ラス板の製造装置において、溶融ガラスを板状に成形し
た直後から、この成形されたガラス板の表面温度がガラ
ス転移点の温度に冷却されるまでの過程に、熱の放射率
が0.75以上の値を持つ遮断板を、該ガラス板の両側
から、該ガラス板に接近させて配置して、この遮断板に
より、空気の対流を防ぎ、該ガラス板の放熱を行うこと
を特徴とする。
【0020】溶融ガラスを板状に成形した直後から、こ
の成形されたガラス板の表面温度がガラス転移点の温度
に冷却されるまでの過程で、ガラス板に接近させて配置
された遮断板は、空気の対流からガラス板を保護し、遮
断板で挟まれたガラス板が場所により冷却速度に差がで
きるのを抑制して、ガラス板の変形を抑える。さらに、
熱の放射率が0.75以上の遮断板を用いることで、冷
却速度を上げ、成形速度が早い場合にもガラス板の変形
を抑えられる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるガラス板の製
造装置の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0022】図1は本実施の形態におけるガラス板製造
装置の縦断面を概略的に示した図である。また、図2
は、図1に示したガラス板製造装置のII−II線の矢印方
向に見た正面図である。なお、本実施の形態におけるガ
ラス板製造装置は、炉壁1、成形体2、溶融ガラス供給
管4、炉室5、引っ張りローラ6、及び遮断板7と支持
棒8とからなり、図1,2において、同一、対応部分に
は同一符号を付して示した。
【0023】炉壁1は耐火レンガ及びそれを被覆する耐
火ボードからなり、成形体2は断面がほぼくさび状にな
っている。本実施の形態における成形体2は、溶融ガラ
ス3を収容する凹部2aを有するいわゆるフィーディン
グセルと称されるものであるが、他の種類のものを用い
ても良い。成形体2の凹部2aは図2に示すように溶融
ガラス供給管4に接続されている。この溶融ガラス供給
管4から供給された溶融ガラス3は、凹部2aの上側ス
リット状開口から溢れ、成形体2の両側面に沿って流下
し、成形体2の下端部で合流する。合流した溶融ガラス
3は炉室5内で直ちに冷却されてガラス板3’となり、
引っ張りローラ6によって下方に引き抜かれる。
【0024】ガラス板を冷却する範囲、すなわち成形体
2と引っ張りローラ6の間の範囲にはさらに、耐火性の
遮断板7がガラス板3’の両側に、ガラス板3’と平行
に設けられている。この遮断板7は炉室5内に発生する
対流からガラス板3’を保護すると共に、ガラス板3’
から受けた熱の放射を適度に吸収し裏面から放射する働
きをする。なお、遮断板7とガラス板3’の間隔は外気
の影響を受けにくくするため狭いほうが好ましく、例え
ば、最も近い場所では3mm以下に設定される。
【0025】本実施の形態においては、高さ70cmの
表面が酸化した鋳鉄製の遮断板7をガラス板3’と3m
m間隔を設けて形成した。このときの遮断板7の熱の放
射率は、表面温度600゜Cで0.8程度である。ここ
で熱の放射率εとは、一般の物体の射出能E、黒体の射
出能をEb としたときに、E=εEb の関係を満たすも
のである。熱の放射率は、物体の表面温度、表面の物
質、表面状態、及び物体の形状と物体の厚さ等に関係す
る。
【0026】遮断板7の幅bは図2に示すように、ガラ
ス板3’の幅Bよりもやや狭くなっている。これによ
り、成形されたガラス板の両端には通常、”耳”と呼ば
れる肉厚部があるが、これを避けて遮断板7をガラス板
3’にできるだけ接近させることができる。さらに、”
耳”と呼ばれるガラス3の両端部が早期に冷却されるこ
とになり、表面張力によって生じるガラス板の幅方向の
縮みを防止することができるとともに、成形されたガラ
ス板の反りを小さくすることができる。
【0027】遮断板7は、4本の支持棒8を介して手動
であるいは適当な操作装置によって図1の矢印方向に移
動させることが可能であり、それによってガラス板3’
との間隔を単独に調整することができる。本実施の形態
においては遮断板7をガラス板3’と平行に配置した
が、支持棒8によってガラス板3’と遮断板7との間の
距離を調整して、非平行(例えば遮断板7の最上部とガ
ラス板3’との間の距離を3mm以上にして、最下部と
ガラス板3’との間の距離を1mm以下にする、すなわ
ち下部の方が上部に比べてガラス板3’と遮断板7の間
の距離を小さくする)に配置することも可能である。
【0028】このようなガラス板の製造装置を用いて、
SiO2 を63.5%、Al2O3を8.2%、Li2O
を8.0%、Na2O を10.4%、ZrO2 を1
1.9%含むガラスから、幅600mm、厚み1mmの
ガラス板3’を、成形速度1.2cm/sで引き抜いて
製造したときの、600mm四方の範囲における反りの
最大値は、300μmであった。
【0029】一方、ステンレス製の遮断板(600゜C
で熱の放射率0.7)を設けて、同じ組成のガラス板を
製造したときの、600mm四方の範囲における反りの
最大値は、1500μmであった。このようにステンレ
ス製の遮断板を用いたときのガラス板の反りが大きいの
は、ガラス板3’が遮断板7の間を通過する間の冷却が
十分でなかったためだと思われる。
【0030】さらに上述のようにして製造したガラス板
を切断し、66mmφの磁気ディスク用ガラス基板と
し、面取り加工後#400と#1000低粒の砂かけ工
程を経て、表面粗さRmax20オングストローム程度
に仕上げた。このとき、ガラス板の反りが小さいため
に、研磨工程が簡略化され、安価に磁気ディスク用ガラ
ス基板が製造できた。
【0031】続いて、上記磁気ディスク用ガラス基板に
低温型イオン交換処理を施して化学強化した。次に、基
板の両面に、Al(膜厚50オングストローム)/Cr
(1000オングストローム)/CrMo(10オング
ストローム)からなる下地層、CoPtCr(120オ
ングストローム)/CrMo(50オングストローム)
/CoPtCr(120オングストローム)からなる磁
性層、Cr(50オングストローム)保護層をインライ
ン型スパッタ装置で形成した。
【0032】この基板を、シリカ微粒子(粒径100オ
ングストローム)を分散した有機ケイ素化合物溶液(水
とイソプロピルアルコールとテトラエトキシシランとの
混合液)に浸し、焼成することによってSiO2 からな
る保護層を形成し、さらに、この保護層上をパーフロロ
ポリエーテルからなる潤滑剤でディップ処理して潤滑層
を形成して、MRヘッド用磁気ディスクを得た。
【0033】この磁気ディスクについて磁気ヘッドの浮
上試験を行ったところ、ヘッドクラッシュを起こさない
ことが確認された。また、磁気ヘッドの浮上高さをより
低くでき、磁気ディスクの高密度化に対応できるという
利点を有することが分かった。
【0034】また、図3は遮断板7の変形例を示したも
のであり、図1に示したガラス板製造装置のII−II線の
矢印方向に見た正面図である。なお、図1、2との同
一、対応部分には同一符号を付して示した。
【0035】図3に示した遮断板にはガラスの幅方向と
平行に複数(図示のは4個)の貫通孔9が設けられてい
る。このように遮断板7に貫通孔9を設けることによ
り、遮断板7の射出能を調整して遮断板7全体の熱の放
射率の平均値を上げて、縦方向の温度勾配を所望の値に
調整することによって様々な成形速度に対応することが
できる。また、ガラス板3’の幅方向に垂直に交差する
遮断板7の断面の形状は(上下、水平方向共に、貫通孔
の設けられた範囲で)一様になっている。
【0036】また、図4も遮断板7の変形例を示したも
のであり、図1に示したガラス板製造装置のII−II線の
矢印方向に見た正面図である。なお、図1、2との同
一、対応部分には同一符号を付して示した。
【0037】図4に示した遮断板には、円形の貫通孔
9’が多数(図示のは12個)設けられている。この場
合も、遮断板7に貫通孔9’を設けることにより遮断板
7の射出能を調整して遮断板7全体の熱の放射率の平均
値を上げて、縦方向の温度勾配を所望の値に調整するこ
とによって様々な成形速度に対応することができる。
【0038】以上のように上記の実施の形態によれば、
表面温度が600〜800゜Cの範囲で、熱の放射率が
0.75以上の値を持つ遮断板をガラス板の両側からこ
のガラス板に接近させて配置するようにしたので、冷却
雰囲気に発生する対流からガラス板を保護するととも
に、ガラス板の成形速度が早い場合にも肉厚ムラの発生
を抑制し、ガラス板の反りを小さくすることができる。
【0039】本発明では、遮断板の材料自体が熱の放射
率0.75以上のものでなくてもよい。例えば、熱の放
射率0.75未満の値を持つ材料であっても、遮断板に
1つ又は複数の貫通孔を設けることにより、遮断板の熱
の放射率が0.75以上の材料を用いた場合と同様の効
果を奏する。これは、貫通孔の部分がガラス板の熱の放
射に関して、熱の放射率が0.75以上の材料を使用し
たときと同様の作用を奏するためで、遮断板全体とし
て、これらの熱の放射率の平均値が0.75以上で在れ
ばよい。
【0040】ただし、遮断板に貫通孔を設ければ、ガラ
ス板冷却時に空気の対流の影響を受けにくくする作用を
妨げることのもなるので、ガラス板の製造のスピードと
ガラス板の反りとのバランスを考慮しながら、適宜遮断
板の材料と貫通孔の形状を決定する。
【0041】また、本発明の情報記録媒体用のガラス基
板は、本発明のガラス板の製造方法によって得られたガ
ラス板に、研削、研磨等の加工を施し、所望の形状に形
成することによって得られる。研磨は、通常の研磨方法
の後に、ラッピング(砂掛け)及び酸化セリウム等の研
磨粉によるポリシング加工することによって行われる。
【0042】さらに、本発明による磁気記録媒体は、上
記情報記録媒体用ガラス基板に少なくとも磁性層が設け
られたもので、例えば、上記情報記録媒体用のガラス基
板の表面に化学強化処理を施し、次いで、下地層、磁性
層、保護層、潤滑層等を順次積層して製造される。
【0043】磁気記録媒体における下地層としては、C
r、Mo、Ta、Ti、W、Al等の非磁性層が挙げら
れ、Al/Cr/CrMo等の多層下地層としてもよ
い。
【0044】磁性層としては、Coを主成分とするCo
PtCrやCoNiCrTa等の磁性薄膜が挙げられ、
磁性層を非磁性層で分割してノイズの低減を図ったCo
PtCr/CrMo/CoPtCr等の多層構成として
もい。
【0045】保護層としては、例えば、Cr膜、Cr合
金膜、炭素膜、ジルコニア膜、シリカ膜等が挙げられ
る。これらの保護層は、下地層、磁性層等とともにイン
ライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、こ
れらの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一又
は異種の膜からなる多層構成としてもよい。
【0046】上記保護層には、さらに他の保護層を形成
してもよい。例えば、上記保護層上にテトラアルコキシ
ランをアルコール系の溶媒で希釈して塗布し、さらに焼
成して酸化ケイ素(SiO2 )膜を形成してもよい。
【0047】潤滑層は、一般に、液体潤滑剤であるパー
フロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶
媒で希釈し、溶体表面にディッピング法、スピンコート
法、スプレイ法によって塗布し、必要に応じて加熱処理
を行って形成する。
【0048】本発明は、上記の実施の形態のものに限定
されるものでなく、種々の変形を許容するものである。
【0049】上記の実施の形態では、ガラス板を垂直下
方に引き抜くダウンドロー方式のガラス板の製造装置を
示したが、本発明は、例えば、フルコール式等の他の成
形方法のガラス板の製造装置にも同様に適用できる。
【0050】また、上記実施の形態では、酸化表面を持
つ鋳鉄製の遮断板を用いたものを示したが、遮断板の材
質は、600゜C以上の耐熱性を有する他のものを用い
てもよい。酸化表面を持つ鋳鉄以外には、熱の放射率の
大きいSiC等が好ましい。
【0051】さらに、上記実施の形態では、表面温度6
00゜Cで0.8程度の熱の放射率の遮断板を用いた
が、表面温度が600〜800゜Cの範囲で熱の放射率
が0.75以上の遮断板であれば他のものでもよい。な
お、熱の放射率が、表面温度が600〜800゜Cの範
囲で0.77〜0.90の値を持つ遮断板を用いること
がより好ましい。
【0052】さらにまた、遮断板に設ける貫通孔の形
状、個数も上記実施の形態に示した物に限定されるもの
でなく、遮断板の熱の放射率を所望の値に調整するため
に任意に定めてもよい。同様に、遮断板の形状、個数も
上記実施の形態に示した物に限定されるものでなく、任
意に定めてもよい、例えば、断面がコの字の形状をした
遮断板を上下方向に複数重ねて備えてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、熱
の放射率が0.75以上の値を持つ遮断板をガラス板の
両側からこのガラス板に接近させて配置するようにした
ので、冷却雰囲気に発生する対流からガラス板を保護す
るとともに、ガラス板の成形速度が早い場合にも肉厚ム
ラの発生を抑制し、ガラス板の反りを小さくすることが
できる。
【0054】また、本発明の情報記録媒体用ガラス基板
は、反りが小さく、優れた平坦性を有し、安価に製造で
きる。
【0055】さらに、本発明の磁気記録媒体では、ガラ
ス基板が優れた平坦性を持つため、ヘッドクラッシュを
起こすことはない。さらに、本発明の磁気記録媒体で
は、磁気ヘッドの浮上高さをより低くでき、磁気記録媒
体の高密度化に対応できるという利点を有する。また、
本発明で得られたガラス板は、平坦度が高いため、簡単
な研磨等を行うだけで、高い表面平滑度を要求されるガ
ラス基板を得ることができ、従来に比べ非常に安価に製
造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態におけるガラス板の製造装置の概略
縦断面図である。
【図2】図1に示したガラス板製造装置のII−II線の矢
印方向に見た正面図である。
【図3】実施の形態におけるガラス板の製造装置の変形
例1の正面図である。
【図4】実施の形態におけるガラス板の製造装置の変形
例2の正面図である。
【符号の説明】
1 炉壁 2 成形体 2a 成形体の凹部 3 溶融ガラス 3’ガラス板 4 溶融ガラス供給管 5 炉室 6 引っ張りローラ 7 遮断板 8 支持棒 9 貫通孔 9’円形の貫通孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融ガラスを板状に成形して、冷却する
    ことによって、ガラス板を製造するガラス板の製造方法
    において、 溶融ガラスを板状に成形した直後から、この成形された
    ガラス板の表面温度がガラス転移点の温度に冷却される
    までの過程で、 熱の放射率が0.75以上の値を持つ遮断板を、該ガラ
    ス板の両側から、該ガラス板に接近させて配置すること
    により、空気の対流を防ぎ、該ガラス板の放熱を行うこ
    とを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶融ガラスを板状に成形して、冷却する
    ことによって、ガラス板を製造するガラス板の製造方法
    において、 溶融ガラスを板状に成形した後に、ガラスの表面温度が
    600〜800゜Cの範囲で熱の放射率が0.75以上
    の値を持つ遮断板を、該ガラス板の両側から、該ガラス
    板に接近させて配置することにより、空気の対流を防
    ぎ、該ガラス板の放熱を行うことを特徴とするガラス板
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記遮断板に1つ又は複数の貫通孔を設
    けて、上記遮断板全体の熱の放射率の平均値を上げたこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 上記遮断板における該ガラス板と対向す
    る面の材質がセラミックス及び又は金属であることを特
    徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス板の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載のガラス板
    の製造方法によって製造されたガラス板を用いたことを
    特徴とする情報記録媒体用ガラス基板。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の情報記録媒体用ガラス
    基板上に、少なくとも磁性層を設けたことを特徴とする
    磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 溶融ガラスを板状に成形して、冷却する
    ことによって、ガラス板を製造するガラス板の製造装置
    において、 溶融ガラスを板状に成形した直後から、この成形された
    ガラス板の表面温度がガラス転移点の温度に冷却される
    までの過程に、 熱の放射率が0.75以上の値を持つ遮断板を、該ガラ
    ス板の両側から、該ガラス板に接近させて配置して、 この遮断板により、空気の対流を防ぎ、該ガラス板の放
    熱を行うことを特徴とするガラス板の製造装置。
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