JP4045076B2 - 情報記録ディスク用ガラス基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報記録ディスク用ガラス基板に係り、特に高強度で化学的安定性,熱的安定性,平滑性に優れた固定型磁気ディスク記録装置用の磁気ディスク用ガラス基板,光磁気ディスク装置用の光磁気ディスク用ガラス基板,結晶の相変態を利用した光ディスク,DVD(ディジタル・ビデオ・ディスク)等のディスク用ガラス基板及びガラス基板に適したガラス組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型コンピューターやパーソナルコンピューターの情報記録装置として、現在、磁気ディスク装置,光磁気ディスク装置が主流となっている。これら情報記録装置は、装置の小型軽量化,情報読み書き速度の高速化に伴い、情報記録密度が年々増加している。例えば、磁気ディスク装置においては、数年前のディスク基板の直径は8.8インチが標準であったが、近年では3.5,2.5,1.8インチ等の小型磁気ディスク基板が開発されている。また、ディスク径の縮小のみならず、ディスク基板厚さも0.63mm 以下と薄くなっている。従って、従来にも増して高強度な基板が求められている。また、ヘッドと媒体との浮上量が小さくなってきており、この浮上量を制御できる基板の平滑性が求められている。
【0003】
従来の磁気ディスク用基板には、アルミニウム合金が用いられていた。しかし、アルミニウム合金は変形しやすく、さらに硬さが不十分なため、研磨後のディスク表面の平滑性が十分とは言えないという問題があった。また、ヘッドが機械的に磁気ディスクに接触する際、磁気記録媒体層が剥離しやすいという問題があった。そのため、変形が少なく、平滑性が良好で、かつ機械的強度の大きいガラス基板の開発が進められている。このガラス基板は、基板自体に透光性が要求される光磁気ディスク,光ディスク用の基板としても用いることができるため、以下情報記録ディスク用ガラス基板と総称する。
【0004】
現在、上記情報記録ディスク用ガラス基板は、基板表面のアルカリ元素を他のアルカリ元素と置換することにより機械的強度を向上させた化学強化ガラス,非晶質のガラス中に微細な結晶質粒子を析出させた結晶化ガラスが開発されている。しかし、化学強化ガラスでは、表面にアルカリ置換層が存在するために基板洗浄時にアルカリイオンが磁性膜成膜の際の加熱工程時に表面に移動して溶出したり、磁性膜を侵食したり、膜の付着強度を劣化させたりする懸念があった。このため、特開平7−223845 号公報では、化学強化後、さらに化学処理を施すことによって化学的耐久性に優れた化学強化ガラスを得ている。
【0005】
一方、結晶化ガラスでは、生じる微結晶粒子と非晶質ガラスとの摩耗性の違いから、表面研磨後の凹凸が大きく平滑性が十分とは言えなかった。そのため、ヘッドの浮上量の低下に対応するのが難しかった。特開平7−300340 号公報では、結晶粒子の粒径を5〜100nmと微細化することにより平滑性を向上させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平7−223845 号公報の化学強化技術でも、化学強化処理工程における化学強化及び研磨プロセス後の基板の特性を均質にするのが依然として難しいという問題がある。さらに、アルカリイオンが磁性膜を侵食する問題が完全に解決されないため、磁性膜とガラス基板の間にアルカリイオンの拡散を防止する中間膜を設ける必要がある。また、特開平7−300340 号公報の結晶化ガラス技術では、基板が乳白色に着色するため透光性が低く、光を用いた情報記録媒体用の基板への適用が困難である。また、高精度な結晶化プロセスが要求されるため、基板の特性を均質にするのが難しいという問題がある。
【0007】
また、上記いずれの方法を用いた場合でも、化学強化処理工程,結晶化工程といった後処理プロセスが必要なため、低コスト化が難しい。
【0008】
本発明の目的は、十分な機械的強度,化学的安定性,光透過性を有し、かつ短時間のプロセスで製造可能な情報記録ディスク用ガラス基板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の発明によれば、表面の少なくとも一部に、情報を記録するための層が設けられる情報記録ディスク用ガラス基板であって、前記基板が希土類元素を含有するガラスからなることを特徴とする情報記録ディスク用ガラス基板が提供される。
【0010】
上記情報を記録するための層とは、基板の表面に直接、または間接的に設けられた磁性媒体層,光の照射により相変態を起こす物質の層、あるいは光の反射率の異なる物質または機械的な段差等を設けることにより情報を記録している物質の層など、情報が記録され、また、その情報を読み出すことができる層であれば、どのようなものであっても、本発明が適用できる。上記情報を記録するための層を表面に間接的に設けるとは、中間膜(プリコート膜)等を、情報を記録するための層とガラス基板の間に設けることである。例えば、接着強度の向上を図ったり、化学的な反応を抑制するなどの目的を付加するための構成であっても、本発明が適用できる。
【0011】
表面の少なくとも一部とは、ディスク円板面の両面、または片面でも良いし、さらには同一面でも外周側,内周側のみに情報を記録するための層が設けられているような場合でも良いということである。
【0012】
上記構成により、十分な機械的強度,化学的安定性,光透過性を有し、かつ短時間のプロセスで製造可能な情報記録ディスク用ガラス基板を提供することができる。
【0013】
第1の発明において、前記ガラスに微細粒子が分散しており、かつ該微細粒子中に前記希土類元素が含まれていることが好ましい。
【0014】
網目構造を有するガラス組織中に溶け込むことのできる希土類元素の量には上限(固溶限)があり、上限を超える量の希土類元素が添加されると結晶相、または非晶質相としてガラス母相中に析出する。このような結晶相、または非晶質相からなる粒子を微細粒子と称している。希土類元素の分布が不均一の場合は、部分的に固溶限を超えて微細粒子が析出する場合もあるため、必ずしも希土類元素の含有量が、母相ガラスの固溶限を超えている必要はない。希土類元素は、ガラス母相中と、微細粒子のどちらにも存在することが好ましい。また、微細粒子は、結晶質であることが好ましい。結晶質かどうかは、たとえば透過型電子顕微鏡写真で格子像を観察すると、結晶質の部分は格子縞が観察されるのに対し、ガラス質(非晶質)の部分には格子縞が観察されないことから容易に判断できる。
【0015】
微細粒子がガラス母相中に分散していることにより、応力を受けた際にも粒子がガラス母相の変形,破壊を抑制する作用をするため、ガラスの強度がより向上する。この場合、分散している粒子は、微細かつ均一に分散している方が、強度向上効果が高い。
【0016】
また、第1の発明において、前記希土類元素はLn23(Lnは希土類元素)の酸化物換算で、ガラス全体に対して0.5 〜30重量%含有することが好ましい。更に、希土類元素を0.5 〜20重量%とすることが好ましい。希土類元素の含有量が0.5 重量%未満では機械的強度の向上効果が小さい。30重量%を超えるとガラス溶解時に希土類元素酸化物の原料粉末が残存し、均一なガラスを得ることが難しい。また、希土類元素の含有量を超えると微細粒子の粒径が大きくなり、基板の表面粗さが大きくなる。
【0017】
磁気ヘッドの浮上量がより小さく、高記録密度の磁気ディスク装置に対しては、希土類元素の含有量を20重量%以下にすることが望ましい。
【0018】
第1の発明において、希土類元素がGd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm, Yb、及びLuの中から選ばれた少なくとも1種以上であることが好ましい。希土類元素はイオン半径が大きいため微細粒子としてガラス母相中に析出しやすい。希土類元素の中でも上記元素は、ガラス母相中で最も微細粒子を均一に析出させ易く、強度向上効果が高い。
【0019】
微細粒子の平均粒径は1〜100nmであることが好ましい。
【0020】
平均粒径が100nmを超えると粒子の体積率が増加し、基板の表面粗さが大きくなる。磁気ヘッドの浮上量がより小さく、高記録密度の磁気ディスク装置に対しては、希土類元素の平均粒径を100nm以下とすることが望ましい。また、平均粒径が1nm以下の場合は強度の向上効果が小さい。
【0021】
上記微細粒子がガラス全体に対して、体積率で40%以下であることが好ましい。
【0022】
析出粒子の体積率が40%を超えると基板の表面粗さが大きくなり、上記で述べたように好ましくない。
【0023】
第1の発明において、前記希土類元素はLn23(Lnは希土類元素)の酸化物換算で、ガラス全体に対して0.5〜20重量%含有し、他の成分としてSiO2:40〜80重量%,B23:0〜20重量%,R2O((Rはアルカリ金属):0〜20重量%,R′O ( R′はアルカリ土類金属 ):0〜20重量%,Al23:0〜10重量%を含み、かつR2O とR′Oの合計量が10〜30重量%であることが好ましい。上記ガラスの中では、ソーダライムガラスと呼ばれるガラスが母相成分であるとき最もガラス強度の向上が大きい。また、アルカリ元素とアルカリ土類元素が含有されているケイ酸塩ガラスにおいて、特に希土類元素の添加効果が高い。添加した希土類元素の多くは、ガラスマトリックス中に固溶するが、その内のマトリックスに固溶できない一部の希土類元素が結晶質の微細粒子として析出する。希土類元素のマトリックスへの固溶限界、すなわち析出のし易さは、マトリックスの種類により異なる。前述したように微細粒子がある程度析出しないとガラスの強度は十分向上しない。上記組成のアルカリ元素とアルカリ土類元素が含有されているケイ酸塩ガラスをマトリックスとして用いた場合は、希土類元素を適度に析出し易く、また情報記録ディスクに要求される強度,化学的安定性等を満足したガラス基板が製造できる。
【0024】
第1の発明において、前記ガラスの可視白色光の透過率がガラスの厚さ 0.635mm のとき60%以上であることが好ましい。光ディスク用のガラス基板として使用するためには、可視白色光の透過率が60%以上であるように、析出粒子の量,粒径を制御する必要がある。透過率が60%を下回ると、記録媒体に情報を記録するためのレーザ光がガラス基板中を透過する際に減衰し、S/N比等の減少を招く。
【0025】
また、上記目的を達成するため、本発明の第2の発明によれば、表面の少なくとも一部に、情報を記録するための層が設けられる情報記録ディスク用ガラス基板であって、前記基板の硬度がHv670以上であり、かつ可視白色光の透過率がガラスの厚さ0 . 635 mm のとき60%以上、かつ熱処理を行っても、基板表面にアルカリ元素の濃化が起こらないことを特徴とする情報記録ディスク用ガラス基板が提供される。
【0026】
上記構成により、薄板化が可能で、かつ基板表面の研削後に化学強化が不要な情報記録ディスク用ガラス基板が提供できる。
【0027】
また、本発明の第3の発明によれば、表面の少なくとも一部に、情報を記録するための層が設けられる情報記録ディスク用ガラス基板であって、前記基板の厚さが0.38mm 以下であり、かつ基板表面の粗さがRaで5nm以下、かつ熱処理を行っても、基板表面にアルカリ元素の濃化が起こらないことを特徴とする情報記録ディスク用ガラス基板が提供される。
【0028】
上記構成によれば、薄板化が可能で、かつ基板表面の研削後に化学強化が不要な情報記録ディスク用ガラス基板が提供できる。
【0029】
第3の発明において、情報記録ディスク用ガラス基板の直径が2.5 インチ以上であることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。
【0031】
表1に本発明で検討したガラスの原料の配合割合(重量比)及びガラス転移温度(Tg/℃),熱膨張係数(α×10-7/℃),マイクロビッカース硬さ(Hv)を示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004045076
【0033】
ガラス転移温度,熱膨張係数は、ガラスの熱膨張曲線から求めた。熱膨張係数は、50℃から500℃までのガラスの伸び率から算出した。昇温速度は5℃/分、測定荷重は10gとした。また参照試料には石英ガラス(熱膨張係数;5×10-7/℃)を用いた。また、試料の形状は、5mmφ×20mmHとした。マイクロビッカース硬さ(Hv)は、測定荷重100g,荷重印加時間15秒の条件で10ヵ所測定し、その平均値とした。
【0034】
ガラス作製方法は以下のとおりとした。定められた量の原料粉末を白金製のるつぼに秤量して入れ、混合した後、電気炉中で1600℃で溶解した。原料が十分に溶解した後、白金製の撹拌羽をガラス融液に挿入し、約1時間撹拌した。その後撹拌羽を取り出し、30分静置した後、約300℃に加熱された黒鉛製の治具にガラス融液を流し込んで急冷することによりガラスブロックを得た。その後各ガラスのガラス転移温度付近までブロックを再加熱し、1〜2℃/分の冷却速度で徐冷することにより歪とりを行った。
【0035】
No.1のガラスは、酸化珪素を主成分とするガラスである。このガラスを基本組成とし、この100重量部に対して希土類酸化物を添加した。表1中、No.2〜8は、希土類酸化物の一つである酸化エルビウム(Er23)を1〜21重量%添加したガラスである。No.9は酸化エルビウムを32重量%含有させたガラスであるが、Er23の原料粉末がガラス溶解時にガラス中に残存し、均一なガラスを得ることが難しかった。No.10,11及び12,13は、No.1のガラス100重量部に対してSiO2 及びAl23添加量を増加させて作製したガラスである。
【0036】
No.14のガラスは、さらにAl23の含有量を増加させ、Er23を10重量%添加したガラスである。No.15,16のガラスは、更にAl23の含有量を増加させるとともに、SiO2 の含有量を減少させた。また、結晶化成分として、ZnO,TiO2 を含有させ、これに10重量%のEr23を含有させた。No.17のガラスはNa2O 量をNo.1の半分とし、B23を加え、Er23を5重量%加えたガラスである。更にNo.18,19のガラスはNa2O 量をNo.1の半分とし、BaO,SrO等のアルカリ土類金属酸化物を添加したガラスである。また、No.20〜23のガラスは、それぞれNo.15〜19のガラスの Er23を含有させていないガラスである。
【0037】
表2に、比較例として、No.1のガラスをアルカリ置換により化学強化したガラスのTg,α,Hvを示す。
【0038】
【表2】
Figure 0004045076
【0039】
化学強化は、約0.63mm の平板に加工したガラスを380℃の硝酸カリウム溶液中に40分浸漬して行った。化学強化層の厚みは、約20μmであった。化学強化ガラスのHvは670であった。化学強化前のガラスのHvが615であったことから、化学強化によりHvは約9%上昇していることが分かった。また化学強化により熱膨張係数は変化しなかった。また、ガラス転移温度は、若干上昇した。
【0040】
この化学強化ガラスのHvの結果をもとに、表1に示したガラスの強度を評価する。Er23の添加量が1.0重量%及び2.0重量%のとき(No.2,3)、マイクロビッカース硬度はそれぞれ621,635と、No.1のガラスに比べて上昇はしていたが、その上昇量が小さく、化学強化ガラスの硬度に達しなかった。Er23の添加量が5.0 重量%のNo.3のガラスでは、Hvが673であり、化学強化ガラスのHvを超えることが分かった。さらにEr23の添加量を
10〜21重量%と増加させたNo.5〜8のガラスでは、Hvはさらに上昇し、それぞれ683,707,712及び722となった。
【0041】
図1に、各酸化物の添加量に対するマイクロビッカース硬さを示す。横軸の添加量は、陽イオン2個を含む酸化物のモル%で表示した。すなわち、SiO2 は、Si24として、Er23とAl23はそのままの酸化物換算での表示とした。図1に示すように、Er23を添加したガラスでは、その添加量に対してほぼ直線的にHvが上昇していた。Er23添加量が0.013mol%(5.0重量%)以上で化学強化ガラスのHv以上となった。
【0042】
一方、Si24,Al23を添加したガラス(No.8〜11)においてもHvが上昇する傾向がみられたが、その上昇量は小さく、0.05mol%以上添加しても化学強化ガラスの水準には達しなかった。
【0043】
図2に、各酸化物の添加量に対する熱膨張係数の変化を示す。Er23を添加したガラスでは、添加量の上昇とともに熱膨張係数も上昇した。情報記録媒体層の熱膨張係数が大きいため、基板の熱膨張係数の上昇により、情報記録媒体層とのマッチングは良好であった。
【0044】
以上のように、Er23を添加した場合、大きくHvを上昇させることができた。表1に示した実施例の他、Er23の含有量が0.5 重量%未満ではHvの上昇はほとんど見られなかった。従って、Er23は、0.5 重量%以上であることが好ましい。また、30重量%を超えて含有させると含有させた酸化物がガラス中に溶解せず、不均一となった。このことからEr23の含有量は30重量%以下であることが好ましい。また他の機械的強度を向上させると考えられる SiO2 やAl23といった成分とHvとTgの上昇量を比較すると、Tgの上昇量はほぼ同程度であったが、Hvの上昇に関しては、Er23を添加した方が効果的であった。No.14〜16のAl23含有量を増加させたガラスにおいても、Er23を含有させなかったNo.20〜22のガラスよりもHvが向上した。No.15,16のガラスを900℃で熱処理すると、ガラス内に結晶粒子が析出し、ガラスは半透明になった。この状態でHvを測定すると、それぞれ720,760と熱処理前に比べてHvが大きくなっていた。No.17〜19では、
Na2O の含有量をNo.1の半分の量まで減少させた。そのため、特性温度が上昇することが考えられるので、低融点化成分であるB23,BaO,SrOを所定量含有させた。これらのガラスには、5.0 重量%のEr23を含有させた。いずれの場合でも、Er23を含有させていないNo.23〜25のガラスに比べ、Hvが大きく向上した。
【0045】
次に、No.1のガラス,No.5のガラス及び比較のため化学強化ガラス(No.12)の三点曲げ強度試験を行った。表3に三点曲げ強度の平均値(σ/MPa)を示す。
【0046】
【表3】
Figure 0004045076
【0047】
評価は、ガラス厚さ0.63mm,幅2mm,長さ3mm の試験片を用いて行った。下部スパンは1.2mm とした。試験片数(n)は各試料とも20とした。加えた荷重をwとすると、三点曲げ強度σ(MPa)は
σ=(3lw/2at2)
となる。ここで、l;下部スパン,a;試験片の幅,t;試験片の厚さである。
【0048】
No.1のガラスの平均の三点曲げ強度は328MPaであった。Er23
10.0 重量%含有したNo.5のガラスでは、平均の三点曲げ強度は391と、約19%強度が向上しており、化学強化ガラス(No.26)と同等の強度を有していた。
【0049】
次に希土類酸化物を含有させることによる機械的強度向上のメカニズムを検討するため、透過型電子顕微鏡によりNo.1〜8、及び10のガラスの微構造を観察した。
【0050】
No.1及び10の希土類酸化物を含有しないガラスは均質な非晶質状態であった。一方、No.2〜8のガラスでは、非晶質のガラスマトリックス中に、ナノオーダーの微細な粒子が析出していた。高分解能像の観察により、これらの微粒子は、結晶質であることが分かった。このように、希土類酸化物を含有したガラス中では、微粒子が観察され、機械的強度向上の度合いが大きかった。一方、No.10のガラスのように、Al23等を含有させたガラスでは、ガラス中に微粒子は観察されず、強度向上の度合いも小さかった。このことから、この微細粒子の存在により強度が向上したと考えられる。
【0051】
この微結晶粒子の粒径は、Er23含有量により異なっていた。各ガラスに生じていた微粒子の平均粒径及び白色光の透過率を表4に示す。
【0052】
【表4】
Figure 0004045076
【0053】
また、Er23添加量に対する析出している微結晶粒子の平均粒径と、ガラスの透過率の関係を、図3,図4に示す。平均粒径は、Er23添加量のほぼ2乗に比例して上昇していた。透過率は、Er23添加量の負に比例して減少した。
【0054】
光の透過率と光情報記録の効率を調べたところ、白色光の透過率が60%以上では高効率で記録再生が行われたが、60%未満では、高効率での記録再生は行えなかった。従って、白色光の透過率はガラスの厚さ0 . 635 mm のとき60%以上であることが好ましい。No.16のガラスの平均粒径は51nmであり、
TEM写真より計算される粒子の体積率は22%であった。これらのことから、平均粒径が50nmを超えると、粒子の体積率が増大し、白色光の透過率が減少する。このため、Er23含有量が16重量%を超え、析出粒子の平均粒径が50nmを超え、さらに析出粒子の体積率が20%を超えると、好ましくない。
【0055】
次に、No.1のガラスに、いろいろな希土類元素を含有させて検討を行った。表5に、添加した希土類元素の種類、及び得られたガラスのガラス転移温度(Tg),熱膨張係数,マイクロビッカース硬度(Hv)を示す。図5,図6に、添加した希土類元素に対するHvとTgの関係を示す。添加は、Ln23の酸化物で行った。添加量は、各酸化物とも0.026mol%とした。ガラスの作製方法,特性の測定方法は、表1と同様である。
【0056】
【表5】
Figure 0004045076
【0057】
マイクロビッカース硬度を見ると、いずれの希土類元素を添加した場合でも上昇していた。その上昇量を見ると、Gd23から重元素側の、いわゆる重希土類元素を添加した場合の方が大きかった。それらの硬度の値は680以上で、化学強化ガラスのHvよりも大きかった。一方、Sc23からEu23までの軽希土類元素を添加した場合では、650前後と、化学強化ガラスの水準よりも下回っていた。
【0058】
ガラス転移温度はどの元素の場合でも約585℃で一定であった。熱膨張係数は、81.6〜92.2×10-7/℃の範囲であり、情報記録媒体層とのマッチングは良好であった。以上の検討より、添加する希土類元素の種類としては、Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luが望ましい。
【0059】
Gd23を含有したNo.21のガラスの構造をTEMにより観察したところ、Er23を添加したガラスと同様の微結晶粒子が観察された。平均粒径は、15nmであった。
【0060】
次に、母ガラスの組成の検討を行った。SiO2 の含有量が40重量%未満では、機械的強度,化学的安定性が損なわれるため、好ましくなかった。また、
SiO2 含有量が80重量%を超えると、溶融性が低下し脈理が多く発生した。また熱膨張係数が小さくなりすぎ、基板用ガラスとしては不適切であった。以上から、SiO2 の含有量は40重量%〜80重量%であることが好ましい。
【0061】
本母ガラスにB23を含有させたところ、流動性に優れ、適正な熱膨張係数のガラスが得られた。しかしその含有量が20重量%を超えると、希土類含有による機械的強度向上の効果が小さくなった。このため、B23の含有量は20重量%以下であることが好ましい。
【0062】
次にアルカリ金属酸化物の検討を行った。アルカリ金属酸化物(Li2O,Na2O,K2O)の含有量の合計が20重量%を超えると、化学的安定性が低下した。このことから、アルカリ金属酸化物の含有量の合計は、0〜20重量%であることが好ましい。さらに、アルカリ土類金属酸化物についても同様に、20重量%を超えると、化学的安定性が低下した。このことから、アルカリ土類金属酸化物の含有量の合計は、0〜20重量%であることが好ましい。
【0063】
アルカリ金属酸化物とアルカリ土類金属酸化物とB23は、ガラスを低融点化させる意味では同様の効果が見られたが、その合計量が10重量%未満では流動性が悪く、脈理が多く発生した。また30重量%を超えると、化学的安定性が低下した。このことから、アルカリ金属酸化物,アルカリ土類金属酸化物及びB2O3の含有量の合計は、10〜30重量%であることが好ましい。
【0064】
またAl23はガラスの機械的強度や化学的安定性を増加させるのに効果的であったが、その含有量が17重量%を超えると、ガラスの流動性が低下し、好ましくなかった。従って、Al23の含有量は、17重量%以下であることが好ましい。
【0065】
また、希土類酸化物の含有量は、30重量%を超えるとガラス溶解時に原料粉がガラス中に残存するため、均一なガラスを得ることが難しく、好ましくなかった。アルカリ金属酸化物の含有量の合計が少ないほど少量の希土類酸化物の添加で機械的強度の向上の効果が得られた。アルカリ金属酸化物とアルカリ土類金属酸化物の合計量が10重量%のとき、希土類酸化物の添加量が0.5 重量%でも機械的強度の向上が見られた。しかし、0.5 重量%未満では機械的強度向上の効果が小さかった。従って、希土類酸化物の含有量は0.5 〜30重量%であることが好ましい。
【0066】
本発明のガラス基板は、希土類元素を添加したことにより、十分な強度を得ている。従って、従来のガラス基板で必要であった化学強化が不要とできる。すなわち、ガラス表面に残留応力を生じさせた圧縮強化層がないことを特徴としている。表面の圧縮強化層の有無は、例えばレーザ光線を表面から照射し、反射光をプリズムを用いて分光する方法により測定できる。本発明のガラス基板を上記方法で測定すると、ガラス基板内部と表面での残留応力差がほとんどない、すなわち表面応力層がないことが確認された。
【0067】
次に、実施例のガラスを用いて実際の基板を作製して、その特性を評価した。ガラスにはNo.1,5,7,8,18,35のガラスを用いた。また、比較例としてNo.26の化学強化ガラス基板、及び表6に示すSiO2−Al23−ZnO−MgO−R′O系結晶化ガラス基板を評価した。
【0068】
【表6】
Figure 0004045076
【0069】
作製したガラス基板は、65mmφ,0.635mmt とした。得られた基板の耐水性,耐熱性,表面粗さ及び白色光の透過率を表7に示す。
【0070】
【表7】
Figure 0004045076
【0071】
耐水性は、70℃の温純水80mlに基板を20時間浸漬し、純粋中に溶出した全アルカリ,アルカリ土類元素量を検出し、トータルの溶出量をppm で表示した。耐熱性は、基板を真空中350℃に加熱し、その後、表面部を二次イオン質量分析した。表面層にアルカリイオンの拡散が見られたものは△、見られなかったものは○で表示した。表面粗さは表面粗さ計を用いて平均表面粗さRa(A)で評価した。また、透過率は白色光源基板表面に照射し、入射光と透過光の強度比で求めた。
【0072】
耐水性をみると、No.1,5,7,8,18,35,43では溶出アルカリ量が少なく、良好であった。No.26の化学強化ガラスでは、アルカリの溶出量が多く、良好とはいえなかった。
【0073】
同様に耐熱性試験においても、No.26の化学強化ガラス基板では表面層に多くのアルカリ元素が検出され、イオンの移動が起こっていることがわかった。以上のように、化学強化したガラス基板ではアルカリ元素の移動が生じやすく、不安定であったのに対し、本発明のガラス基板では、熱的,化学的な安定性が良好であった。
【0074】
次に表面粗さを見ると、No.1,5,7,18,26,35のガラス基板では、Ra=4〜5Åと、良好な平滑性が得られた。一方、No.8,43のガラスでは、Ra=9〜10Åと、大きな値となった。
【0075】
白色光の透過率は、No.1,5,7,18,26,35では67〜95%と良好であった。No.8,43のガラスでは透過率は58,15%と低かった。
【0076】
表面粗さと微粒子の析出状態の関係について調べた。No.7のガラスでは、Er23の含有量は16重量%で、析出している微粒子の平均粒径は、51nmであった。また、粒子の体積率は40%であった。この時、透過率は67%であった。一方、No.8のガラスではEr23の含有量は21重量%で、析出している微粒子の平均粒径は103nmであり、粒子の体積率は72%であった。また、透過率は58%であった。このとき、No.7のガラスでは表面粗さが5.0Å,No.8のガラスでは10.0Å と2倍表面が粗くなっていた。このように、Er23含有量が20重量%を超え、また平均粒径が100nmを超え、ガラスの厚さ0 . 635 mm のとき透過率が60%未満では、表面粗さが粗く、平滑性に劣ることがわかった。
【0077】
以上のことから、Er23などの希土類酸化物の含有量は20重量%以下であることが好ましい。さらに平均粒径は100nm以下であることが好ましい。また透過率はガラスの厚さ0 . 635 mm のとき60%以上であることが好ましい。以上の条件を満たせば、十分に小さい平滑性を得ることができる。
【0078】
上記8種類のガラス基板に磁性膜を形成し、磁気ディスクを作製し、特性を評価した。作製した磁気ディスクの膜構成を図8に示す。図8において、1はガラス基板、2はCrプリコート膜、3はCr下地膜、4はCoCr系磁性膜、5はC保護膜、6はエッチングテクスチャー、7は潤滑膜である。
【0079】
65mmφの磁気ガラス基板を洗浄後、Crプリコート膜を25nm,Cr下地膜を50nm,CoCr系磁性膜を50nm成膜した。カーボン保護膜を10 nm形成後、エッチングテクスチャーを施した。テープクリーニング後、潤滑膜7を塗布して磁気ディスクとした。なお、成膜は基板両面に施した。その後、磁気ディスクの磁性膜のアルカリによる侵食状況及び膜剥がれの有無を評価した。
【0080】
この磁気ディスクを用いて磁気ディスク装置を作製した。図10に作製した磁気ディスク装置の概略図を示す。図10において、8は図8に示した磁気ディスク、9は回転軸、10はスピンドルモーター、11は磁気ヘッド、12は磁気ヘッド回転軸、13は電気系の出力端子である。装置内には6枚の磁気ディスク8を回転軸9に装着した。磁気ヘッド11をそれぞれの基板両面に2個配した。制御系等を接続し、磁気ディスク装置とした。磁気ディスク回転中のヘッド浮上量は40nmとした。
【0081】
本磁気ディスク装置を用いて記録再生特性を評価した。アルカリ侵食状況,膜剥がれ,記録再生特性を表8に示す。
【0082】
【表8】
Figure 0004045076
【0083】
アルカリ侵食状況は、得られた磁気ディスクのうち、侵食が見られた磁気ディスクの割合が5%未満の場合は○、5%以上の場合を△とした。膜剥がれも同様に評価した。記録再生特性は良好なものを○,良好でないものを△で表示した。
【0084】
本発明の磁気ディスクは、アルカリ侵食,膜剥がれが少なく、記録再生特性も良好であった。No.12の化学強化ガラスでは、アルカリ侵食,膜剥がれが顕著に見られ、好ましくなかった。また、結晶化ガラスNo.29では、アルカリ侵食,膜剥がれ等は見られなかったが、記録再生特性が良好でなかった。次に、本発明のいろいろなガラスを用いてガラス基板を作製し、耐衝撃性試験を行った。耐衝撃性試験は、ガラス基板の両面に前述と同様の工程によって磁性膜,保護膜等を形成し、図8に示す膜構造の磁気ディスクを作製し、このディスクを用いて評価した。試験方法は、作製したディスクを治具に固定し、加速器によってダミーヘッドをディスクに衝突させることによって行った。この試験を1種類の磁気ディスクに対して30点行い、割れ,かけ等の不良の出た点の頻度で評価した。基板用ガラスには、表1のNo.1〜5,14,18,23,24,25,26, 43のガラスを用いた。図7に試験結果を示す。横軸は各ガラスのHv、縦軸は本試験による不良頻度を%で表示した。ガラスの硬度が670を境界として、それ以下の硬度では不良が見られ、その量は硬度が低下するにつれて上昇していった。また、670以上では、本試験における不良は見られなかった。以上のことから、ガラス基板硬度が670以上であれば、耐衝撃性試験に耐え得る磁気ディスクを作製することができる。
【0085】
同様に光ディスク、及び光ディスク装置を作製した。本発明のガラス基板を用いたところ、記録媒体層の膜剥がれもほとんどなく、また高効率で記録再生することができた。
【0086】
以上のように、本発明の情報記録ディスクは、化学的安定性に優れ、膜剥がれ等の不良も少なかった。また情報記録ディスク装置の記録再生特性も良好であった。さらにガラス基板に化学強化処理や結晶化処理を施さないため、低コストにディスクや装置を作製することができた。
【0087】
(実施例2)
本発明のガラス基板を用いて図9に示す形状の磁気ディスクを作製した。基板の厚さは、0.38mmとした。また、ガラスには化学強化処理をしていないNo. 5のガラスを用いた。また、通常施されるプリコート膜を形成せず、ガラス基板上に直接磁性薄膜を形成した。ガラス基板の表面粗さはRa=4.0Å であった。比較例としてアルカリ強化処理を施したソーダライムガラス,アルカリ強化処理を施していない通常のソーダライムガラス、及び結晶化ガラスを基板とした磁気ディスクも作製した。
【0088】
表9に強度,平滑性,磁性膜のアルカリ腐食,磁気特性についての評価結果を示す。特性が良好なものを○,良好とはいえないものを△で評価した。
【0089】
【表9】
Figure 0004045076
【0090】
本発明の磁気ディスクでは、強度が高く、0.380mm の薄さでも十分な強度が得られた。また、平滑性も良好であった。磁性膜の腐食も見られず、プリコート膜を形成しなくとも磁性膜が劣化することはなかった。また、平滑性が良好なことから磁気ヘッドの浮上量も30nm以下とすることができ、磁気特性も良好であった。
【0091】
化学強化処理したソーダライムガラスでは、高い機械的強度は得られたものの、プリコート膜がないためにガラスのアルカリ成分が磁性膜を侵食した結果、実機摺動試験後の磁気ヘッドの浮上面にアルカリ成分が付着しているものが多く見られた。また、摺動後に磁性膜が剥離しているものも見られた。不良がみられなかった磁気ディスクにおいても、磁気特性が全体的に低下していた。化学強化していないソーダライムガラスを用いた磁気ディスクでは、強度が不十分であった。結晶化ガラスでは、表面粗さが大きく、平滑性が良好でないために、磁気ヘッドの浮上量が大きく、十分な磁気特性が得られなかった。
【0092】
【発明の効果】
本発明の第1の発明によれば、十分な機械的強度を有するため薄板化が可能で、かつ化学的安定性,均質性に優れるため中間膜を設ける必要のない情報記録用ディスクを提供することができる。
【0093】
本発明の第2の発明によれば、体積あたりの磁気ディスクの枚数を多くすることができるので、同じ記録密度であれば、小型,軽量な磁気ディスク装置が提供できる。また、磁気記録媒体が、中間膜の構造,組成に影響されて、磁気的特性を低下させることがなくなる。
【0094】
本発明の第3の発明によれば、ディスクの製造誤差の許容幅を広げることが可能になる。
【0095】
本発明の第4の発明によれば、製造時の取扱い、例えばガラス鋳造後の表面研磨の際にある程度研磨速度を大きくしても、表面に割れが発生しない、製造後の基板運搬のハンドリングが容易になる等により、歩留り向上が図れ、製造コストの低減が図れる。
【0096】
本発明の第5の発明によれば、製造コストが小さいため、安価に大容量の情報記録ディスク装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】Er23,Al23,Si24添加量に対するマイクロビッカース硬度の変化。
【図2】Er23,Al23,Si24添加量に対する熱膨張係数の変化。
【図3】Er23添加量に対する析出した微結晶粒子の平均粒径の変化。
【図4】Er23添加量に対する白色光の透過率の変化。
【図5】各希土類酸化物を添加したときのマイクロビッカース硬度の変化。
【図6】各希土類酸化物を添加したときのガラス転移温度の変化。
【図7】基板硬度(Hv)と不良率の関係。
【図8】本発明で作製した磁気ディスク基板の膜構成図。
【図9】本発明の別の実施例で作製した磁気ディスク基板の膜構成図。
【図10】本発明で作製した磁気ディスク装置の概略図。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…プリコート膜、3…下地膜、4…磁性膜、5…保護膜、6…エッチングテクスチャー、7…潤滑膜、8…磁気ディスク、9…回転軸、 10…スピンドルモーター、11…磁気ヘッド、12…磁気ヘッド回転軸、13…電気系の出力端子。

Claims (7)

  1. 表面の少なくとも一部に情報を記録するための層が設けられる情報記録ディスク用ガラス基板であって、前記基板がSc,Y,La,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luの群から選ばれた少なくとも1種の希土類元素を含有するガラスからなり、前記希土類元素をLn23(Lnは希土類元素)の酸化物換算で、前記ガラス全体に対して0.5 〜20重量%含有し、他の成分としてSiO2 :40〜80重量%,B23:0〜20重量%,R2O(Rはアルカリ金属):0〜20重量%,Al23:0〜17重量%を添加されており、前記基板は非晶質のガラス中に微細粒子を有するガラス基板であって、前記微細粒子の平均粒径が50nm未満、体積率が20%未満であり、前記ガラス基板の表面粗さが5Å以下であり、表面部に圧縮応力層が存在しないことを特徴とする情報記録ディスク用ガラス基板。
  2. 表面の少なくとも一部に情報を記録するための層が設けられる情報記録ディスク用ガラス基板であって、前記基板がSc,Y,La,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luの群から選ばれた少なくとも1種の希土類元素を含有するガラスからなり、前記希土類元素をLn23(Lnは希土類元素)の酸化物換算で、前記ガラス全体に対して0.5 〜20重量%含有し、他の成分としてSiO2:40〜80重量%,B23:0〜20重量%,R2O(Rはアルカリ金属):0〜20重量%,R′O(R′はアルカリ土類金属):0〜20重量%,かつR2O+R′O:10〜30重量%であり、Al23:0〜17重量%を添加されており、前記基板は非晶質のガラス中に微細粒子を有するガラス基板であって、前記微細粒子の平均粒径が50nm未満、体積率が20%未満であり、前記ガラス基板の表面粗さが5Å以下であり、前記ガラス基板の表面部に圧縮応力層が存在しないことを特徴とする情報記録ディスク用ガラス基板。
  3. 請求項1または2に記載された情報記録ディスク用ガラス基板であって、前記ガラス基板を70℃の温純水80mlに20時間浸漬した場合に溶出するアルカリ金属元素量及びアルカリ土類金属元素量が4.0〜15.0ppmであることを特徴とする情報記録ディスク用ガラス基板。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された情報記録ディスク用ガラス基板において、前記ガラス基板中に微結晶粒子が分散されており、前記微結晶粒子は前記希土類元素を含有するものであることを特徴とする情報記録ディスク用ガラス基板。
  5. 請求項1または2に記載された情報記録ディスク用ガラス基板において、前記希土類元素はGd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuの中から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする情報記録ディスク用ガラス基板。
  6. 請求項1または2に記載された情報記録ディスク用ガラス基板において、前記ガラス基板は、製造工程において化学強化処理が行われていないことを特徴とするガラス基板。
  7. 請求項1または2に記載された情報記録ディスク用ガラス基板において、前記ガラス基板は、製造工程において結晶化処理が行われていないことを特徴とする情報記録ディスク用ガラス基板。
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