JP2002008222A - 情報記録ディスク用ガラス基板 - Google Patents
情報記録ディスク用ガラス基板Info
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Abstract
的安定性,平滑性及び透明性に優れた情報記録ディスク
用ガラス基板を提供する。 【解決手段】表面の少なくとも一部に、情報を記録する
ための層が設けられる情報記録ディスク用ガラス基板で
あって、前記基板がSc,Y,La,Pr,Nd,P
m,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb,Luの群から選ばれた少なくとも1種の希土
類元素を含有するガラスからなることを特徴とする情報
記録ディスク用ガラス基板。
Description
ガラス基板に係り、特に高強度で化学的安定性,熱的安
定性,平滑性に優れた固定型磁気ディスク記録装置用の
磁気ディスク用ガラス基板,光磁気ディスク装置用の光
磁気ディスク用ガラス基板,結晶の相変態を利用した光
ディスク,DVD(ディジタル・ビデオ・ディスク)等
のディスク用ガラス基板及びガラス基板に適したガラス
組成物に関する。
ューターの情報記録装置として、現在、磁気ディスク装
置,光磁気ディスク装置が主流となっている。これら情
報記録装置は、装置の小型軽量化,情報読み書き速度の
高速化に伴い、情報記録密度が年々増加している。例え
ば、磁気ディスク装置においては、数年前のディスク基
板の直径は8.8インチが標準であったが、近年では3.
5,2.5,1.8インチ等の小型磁気ディスク基板が開
発されている。また、ディスク径の縮小のみならず、デ
ィスク基板厚さも0.63mm 以下と薄くなっている。従
って、従来にも増して高強度な基板が求められている。
また、ヘッドと媒体との浮上量が小さくなってきてお
り、この浮上量を制御できる基板の平滑性が求められて
いる。
ウム合金が用いられていた。しかし、アルミニウム合金
は変形しやすく、さらに硬さが不十分なため、研磨後の
ディスク表面の平滑性が十分とは言えないという問題が
あった。また、ヘッドが機械的に磁気ディスクに接触す
る際、磁気記録媒体層が剥離しやすいという問題があっ
た。そのため、変形が少なく、平滑性が良好で、かつ機
械的強度の大きいガラス基板の開発が進められている。
このガラス基板は、基板自体に透光性が要求される光磁
気ディスク,光ディスク用の基板としても用いることが
できるため、以下情報記録ディスク用ガラス基板と総称
する。
は、基板表面のアルカリ元素を他のアルカリ元素と置換
することにより機械的強度を向上させた化学強化ガラ
ス,非晶質のガラス中に微細な結晶質粒子を析出させた
結晶化ガラスが開発されている。しかし、化学強化ガラ
スでは、表面にアルカリ置換層が存在するために基板洗
浄時にアルカリイオンが磁性膜成膜の際の加熱工程時に
表面に移動して溶出したり、磁性膜を侵食したり、膜の
付着強度を劣化させたりする懸念があった。このため、
特開平7−223845 号公報では、化学強化後、さらに化学
処理を施すことによって化学的耐久性に優れた化学強化
ガラスを得ている。
子と非晶質ガラスとの摩耗性の違いから、表面研磨後の
凹凸が大きく平滑性が十分とは言えなかった。そのた
め、ヘッドの浮上量の低下に対応するのが難しかった。
特開平7−300340 号公報では、結晶粒子の粒径を5〜1
00nmと微細化することにより平滑性を向上させてい
る。
845 号公報の化学強化技術でも、化学強化処理工程にお
ける化学強化及び研磨プロセス後の基板の特性を均質に
するのが依然として難しいという問題がある。さらに、
アルカリイオンが磁性膜を侵食する問題が完全に解決さ
れないため、磁性膜とガラス基板の間にアルカリイオン
の拡散を防止する中間膜を設ける必要がある。また、特
開平7−300340 号公報の結晶化ガラス技術では、基板が
乳白色に着色するため透光性が低く、光を用いた情報記
録媒体用の基板への適用が困難である。また、高精度な
結晶化プロセスが要求されるため、基板の特性を均質に
するのが難しいという問題がある。
も、化学強化処理工程,結晶化工程といった後処理プロ
セスが必要なため、低コスト化が難しい。
的安定性,光透過性を有し、かつ短時間のプロセスで製
造可能な情報記録ディスク用ガラス基板を提供すること
にある。
め、本発明の第1の発明によれば、表面の少なくとも一
部に、情報を記録するための層が設けられる情報記録デ
ィスク用ガラス基板であって、前記基板が希土類元素を
含有するガラスからなることを特徴とする情報記録ディ
スク用ガラス基板が提供される。
表面に直接、または間接的に設けられた磁性媒体層,光
の照射により相変態を起こす物質の層、あるいは光の反
射率の異なる物質または機械的な段差等を設けることに
より情報を記録している物質の層など、情報が記録さ
れ、また、その情報を読み出すことができる層であれ
ば、どのようなものであっても、本発明が適用できる。
上記情報を記録するための層を表面に間接的に設けると
は、中間膜(プリコート膜)等を、情報を記録するため
の層とガラス基板の間に設けることである。例えば、接
着強度の向上を図ったり、化学的な反応を抑制するなど
の目的を付加するための構成であっても、本発明が適用
できる。
面の両面、または片面でも良いし、さらには同一面でも
外周側,内周側のみに情報を記録するための層が設けら
れているような場合でも良いということである。
的安定性,光透過性を有し、かつ短時間のプロセスで製
造可能な情報記録ディスク用ガラス基板を提供すること
ができる。
子が分散しており、かつ該微細粒子中に前記希土類元素
が含まれていることが好ましい。
ことのできる希土類元素の量には上限(固溶限)があ
り、上限を超える量の希土類元素が添加されると結晶
相、または非晶質相としてガラス母相中に析出する。こ
のような結晶相、または非晶質相からなる粒子を微細粒
子と称している。希土類元素の分布が不均一の場合は、
部分的に固溶限を超えて微細粒子が析出する場合もある
ため、必ずしも希土類元素の含有量が、母相ガラスの固
溶限を超えている必要はない。希土類元素は、ガラス母
相中と、微細粒子のどちらにも存在することが好まし
い。また、微細粒子は、結晶質であることが好ましい。
結晶質かどうかは、たとえば透過型電子顕微鏡写真で格
子像を観察すると、結晶質の部分は格子縞が観察される
のに対し、ガラス質(非晶質)の部分には格子縞が観察
されないことから容易に判断できる。
とにより、応力を受けた際にも粒子がガラス母相の変
形,破壊を抑制する作用をするため、ガラスの強度がよ
り向上する。この場合、分散している粒子は、微細かつ
均一に分散している方が、強度向上効果が高い。
素はLn2O3(Lnは希土類元素)の酸化物換算で、ガ
ラス全体に対して0.5 〜30重量%含有することが好
ましい。更に、希土類元素を0.5 〜20重量%とする
ことが好ましい。希土類元素の含有量が0.5 重量%未
満では機械的強度の向上効果が小さい。30重量%を超
えるとガラス溶解時に希土類元素酸化物の原料粉末が残
存し、均一なガラスを得ることが難しい。また、希土類
元素の含有量を超えると微細粒子の粒径が大きくなり、
基板の表面粗さが大きくなる。
密度の磁気ディスク装置に対しては、希土類元素の含有
量を20重量%以下にすることが望ましい。
Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb、及びLuの中か
ら選ばれた少なくとも1種以上であることが好ましい。
希土類元素はイオン半径が大きいため微細粒子としてガ
ラス母相中に析出しやすい。希土類元素の中でも上記元
素は、ガラス母相中で最も微細粒子を均一に析出させ易
く、強度向上効果が高い。
ることが好ましい。
積率が増加し、基板の表面粗さが大きくなる。磁気ヘッ
ドの浮上量がより小さく、高記録密度の磁気ディスク装
置に対しては、希土類元素の平均粒径を100nm以下
とすることが望ましい。また、平均粒径が1nm以下の
場合は強度の向上効果が小さい。
率で40%以下であることが好ましい。
の表面粗さが大きくなり、上記で述べたように好ましく
ない。
n2O3(Lnは希土類元素)の酸化物換算で、ガラス全体
に対して0.5〜20重量%含有し、他の成分としてS
iO2:40〜80重量%,B2O3:0〜20重量%,
R2O (Rはアルカリ金属):0〜20重量%,RO
(Rはアルカリ土類金属):0〜20重量%,Al
2O3:0〜10重量%を含み、かつR2O とROの合計
量が10〜30重量%であることが好ましい。上記ガラ
スの中では、ソーダライムガラスと呼ばれるガラスが母
相成分であるとき最もガラス強度の向上が大きい。ま
た、アルカリ元素とアルカリ土類元素が含有されている
ケイ酸塩ガラスにおいて、特に希土類元素の添加効果が
高い。添加した希土類元素の多くは、ガラスマトリック
ス中に固溶するが、その内のマトリックスに固溶できな
い一部の希土類元素が結晶質の微細粒子として析出す
る。希土類元素のマトリックスへの固溶限界、すなわち
析出のし易さは、マトリックスの種類により異なる。前
述したように微細粒子がある程度析出しないとガラスの
強度は十分向上しない。上記組成のアルカリ元素とアル
カリ土類元素が含有されているケイ酸塩ガラスをマトリ
ックスとして用いた場合は、希土類元素を適度に析出し
易く、また情報記録ディスクに要求される強度,化学的
安定性等を満足したガラス基板が製造できる。
色光の透過率が60%以上であることが好ましい。光デ
ィスク用のガラス基板として使用するためには、可視白
色光の透過率が60%以上であるように、析出粒子の
量,粒径を制御する必要がある。透過率が60%を下回
ると、記録媒体に情報を記録するためのレーザ光がガラ
ス基板中を透過する際に減衰し、S/N比等の減少を招
く。
第2の発明によれば、表面の少なくとも一部に、情報を
記録するための層が設けられる情報記録ディスク用ガラ
ス基板であって、前記基板の硬度がHv670以上であ
り、かつ可視白色光の透過率が60%以上、かつ熱処理
を行っても、基板表面にアルカリ元素の濃化が起こらな
いことを特徴とする情報記録ディスク用ガラス基板が提
供される。
板表面の研削後に化学強化が不要な情報記録ディスク用
ガラス基板が提供できる。
の少なくとも一部に、情報を記録するための層が設けら
れる情報記録ディスク用ガラス基板であって、前記基板
の厚さが0.38mm 以下であり、かつ基板表面の粗さが
Raで5nm以下、かつ熱処理を行っても、基板表面に
アルカリ元素の濃化が起こらないことを特徴とする情報
記録ディスク用ガラス基板が提供される。
基板表面の研削後に化学強化が不要な情報記録ディスク
用ガラス基板が提供できる。
ガラス基板の直径が2.5 インチ以上であることが好ま
しい。
例を用いて詳細に説明する。
合割合(重量比)及びガラス転移温度(Tg/℃),熱膨
張係数(α×10-7/℃),マイクロビッカース硬さ
(Hv)を示す。
熱膨張曲線から求めた。熱膨張係数は、50℃から50
0℃までのガラスの伸び率から算出した。昇温速度は5
℃/分、測定荷重は10gとした。また参照試料には石
英ガラス(熱膨張係数;5×10-7/℃)を用いた。ま
た、試料の形状は、5mmφ×20mmHとした。マイクロ
ビッカース硬さ(Hv)は、測定荷重100g,荷重印
加時間15秒の条件で10ヵ所測定し、その平均値とし
た。
められた量の原料粉末を白金製のるつぼに秤量して入
れ、混合した後、電気炉中で1600℃で溶解した。原
料が十分に溶解した後、白金製の撹拌羽をガラス融液に
挿入し、約1時間撹拌した。その後撹拌羽を取り出し、
30分静置した後、約300℃に加熱された黒鉛製の治
具にガラス融液を流し込んで急冷することによりガラス
ブロックを得た。その後各ガラスのガラス転移温度付近
までブロックを再加熱し、1〜2℃/分の冷却速度で徐
冷することにより歪とりを行った。
るガラスである。このガラスを基本組成とし、この10
0重量部に対して希土類酸化物を添加した。表1中、N
o.2〜8は、希土類酸化物の一つである酸化エルビウム
(Er2O3)を1〜21重量%添加したガラスである。
No.9は酸化エルビウムを32重量%含有させたガラス
であるが、Er2O3の原料粉末がガラス溶解時にガラス
中に残存し、均一なガラスを得ることが難しかった。N
o.10,11及び12,13は、No.1のガラス100
重量部に対してSiO2 及びAl2O3添加量を増加させ
て作製したガラスである。
有量を増加させ、Er2O3を10重量%添加したガラス
である。No.15,16のガラスは、更にAl2O3の含
有量を増加させるとともに、SiO2 の含有量を減少さ
せた。また、結晶化成分として、ZnO,TiO2 を含
有させ、これに10重量%のEr2O3を含有させた。N
o.17のガラスはNa2O 量をNo.1の半分とし、B2
O3を加え、Er2O3を5重量%加えたガラスである。
更にNo.18,19のガラスはNa2O 量をNo.1の半
分とし、BaO,SrO等のアルカリ土類金属酸化物を
添加したガラスである。また、No.20〜23のガラス
は、それぞれNo.15〜19のガラスのEr2O3を含有
させていないガラスである。
アルカリ置換により化学強化したガラスのTg,α,H
vを示す。
たガラスを380℃の硝酸カリウム溶液中に40分浸漬
して行った。化学強化層の厚みは、約20μmであっ
た。化学強化ガラスのHvは670であった。化学強化
前のガラスのHvが615であったことから、化学強化
によりHvは約9%上昇していることが分かった。また
化学強化により熱膨張係数は変化しなかった。また、ガ
ラス転移温度は、若干上昇した。
に、表1に示したガラスの強度を評価する。Er2O3の
添加量が1.0重量%及び2.0重量%のとき(No.2,
3)、マイクロビッカース硬度はそれぞれ621,63
5と、No.1のガラスに比べて上昇はしていたが、その
上昇量が小さく、化学強化ガラスの硬度に達しなかっ
た。Er2O3の添加量が5.0 重量%のNo.3のガラス
では、Hvが673であり、化学強化ガラスのHvを超
えることが分かった。さらにEr2O3の添加量を10〜
21重量%と増加させたNo.5〜8のガラスでは、Hv
はさらに上昇し、それぞれ683,707,712及び
722となった。
ロビッカース硬さを示す。横軸の添加量は、陽イオン2
個を含む酸化物のモル%で表示した。すなわち、SiO
2 は、Si2O4として、Er2O3とAl2O3はそのまま
の酸化物換算での表示とした。図1に示すように、Er
2O3を添加したガラスでは、その添加量に対してほぼ直
線的にHvが上昇していた。Er2O3添加量が0.01
3mol%(5.0重量%)以上で化学強化ガラスのHv以
上となった。
ス(No.8〜11)においてもHvが上昇する傾向がみ
られたが、その上昇量は小さく、0.05mol%以上添加
しても化学強化ガラスの水準には達しなかった。
係数の変化を示す。Er2O3を添加したガラスでは、添
加量の上昇とともに熱膨張係数も上昇した。情報記録媒
体層の熱膨張係数が大きいため、基板の熱膨張係数の上
昇により、情報記録媒体層とのマッチングは良好であっ
た。
大きくHvを上昇させることができた。表1に示した実
施例の他、Er2O3の含有量が0.5 重量%未満ではH
vの上昇はほとんど見られなかった。従って、Er2O3
は、0.5 重量%以上であることが好ましい。また、3
0重量%を超えて含有させると含有させた酸化物がガラ
ス中に溶解せず、不均一となった。このことからEr2
O3の含有量は30重量%以下であることが好ましい。
また他の機械的強度を向上させると考えられるSiO2
やAl2O3といった成分とHvとTgの上昇量を比較す
ると、Tgの上昇量はほぼ同程度であったが、Hvの上
昇に関しては、Er2O3を添加した方が効果的であっ
た。No.14〜16のAl2O3含有量を増加させたガラ
スにおいても、Er2O3を含有させなかったNo.20〜
22のガラスよりもHvが向上した。No.15,16の
ガラスを900℃で熱処理すると、ガラス内に結晶粒子
が析出し、ガラスは半透明になった。この状態でHvを
測定すると、それぞれ720,760と熱処理前に比べ
てHvが大きくなっていた。No.17〜19では、Na
2O の含有量をNo.1の半分の量まで減少させた。その
ため、特性温度が上昇することが考えられるので、低融
点化成分であるB2O3,BaO,SrOを所定量含有さ
せた。これらのガラスには、5.0 重量%のEr2O3を
含有させた。いずれの場合でも、Er2O3を含有させて
いないNo.23〜25のガラスに比べ、Hvが大きく向
上した。
び比較のため化学強化ガラス(No.12)の三点曲げ強度
試験を行った。表3に三点曲げ強度の平均値(σ/MP
a)を示す。
長さ3mm の試験片を用いて行った。下部スパンは1.2
mm とした。試験片数(n)は各試料とも20とした。
加えた荷重をwとすると、三点曲げ強度σ(MPa)は σ=(3lw/2at2) となる。ここで、l;下部スパン,a;試験片の幅,
t;試験片の厚さである。
28MPaであった。Er2O3を10.0 重量%含有し
たNo.5のガラスでは、平均の三点曲げ強度は391
と、約19%強度が向上しており、化学強化ガラス(N
o.26)と同等の強度を有していた。
機械的強度向上のメカニズムを検討するため、透過型電
子顕微鏡によりNo.1〜8、及び10のガラスの微構造
を観察した。
いガラスは均質な非晶質状態であった。一方、No.2〜
8のガラスでは、非晶質のガラスマトリックス中に、ナ
ノオーダーの微細な粒子が析出していた。高分解能像の
観察により、これらの微粒子は、結晶質であることが分
かった。このように、希土類酸化物を含有したガラス中
では、微粒子が観察され、機械的強度向上の度合いが大
きかった。一方、No.10のガラスのように、Al2O3
等を含有させたガラスでは、ガラス中に微粒子は観察さ
れず、強度向上の度合いも小さかった。このことから、
この微細粒子の存在により強度が向上したと考えられ
る。
により異なっていた。各ガラスに生じていた微粒子の平
均粒径及び白色光の透過率を表4に示す。
る微結晶粒子の平均粒径と、ガラスの透過率の関係を、
図3,図4に示す。平均粒径は、Er2O3添加量のほぼ
2乗に比例して上昇していた。透過率は、Er2O3添加
量の負に比例して減少した。
ころ、白色光の透過率が60%以上では高効率で記録再
生が行われたが、60%未満では、高効率での記録再生
は行えなかった。従って、白色光の透過率は60%以上
であることが好ましい。No.16のガラスの平均粒径は
51nmであり、TEM写真より計算される粒子の体積
率は22%であった。これらのことから、平均粒径が5
0nmを超えると、粒子の体積率が増大し、白色光の透
過率が減少する。このため、Er2O3含有量が16重量
%を超え、析出粒子の平均粒径が50nmを超え、さら
に析出粒子の体積率が20%を超えると、好ましくな
い。
類元素を含有させて検討を行った。表5に、添加した希
土類元素の種類、及び得られたガラスのガラス転移温度
(Tg),熱膨張係数,マイクロビッカース硬度(Hv)を
示す。図5,図6に、添加した希土類元素に対するHv
とTgの関係を示す。添加は、Ln2O3の酸化物で行っ
た。添加量は、各酸化物とも0.026mol%とした。ガ
ラスの作製方法,特性の測定方法は、表1と同様であ
る。
の希土類元素を添加した場合でも上昇していた。その上
昇量を見ると、Gd2O3から重元素側の、いわゆる重希
土類元素を添加した場合の方が大きかった。それらの硬
度の値は680以上で、化学強化ガラスのHvよりも大
きかった。一方、Sc2O3からEu2O3までの軽希土類
元素を添加した場合では、650前後と、化学強化ガラ
スの水準よりも下回っていた。
85℃で一定であった。熱膨張係数は、81.6〜92.
2×10-7/℃の範囲であり、情報記録媒体層とのマッ
チングは良好であった。以上の検討より、添加する希土
類元素の種類としては、Gd,Tb,Dy,Ho,E
r,Tm,Yb,Luが望ましい。
造をTEMにより観察したところ、Er2O3を添加した
ガラスと同様の微結晶粒子が観察された。平均粒径は、
15nmであった。
iO2 の含有量が40重量%未満では、機械的強度,化
学的安定性が損なわれるため、好ましくなかった。ま
た、SiO2 含有量が80重量%を超えると、溶融性が
低下し脈理が多く発生した。また熱膨張係数が小さくな
りすぎ、基板用ガラスとしては不適切であった。以上か
ら、SiO2 の含有量は40重量%〜80重量%である
ことが好ましい。
流動性に優れ、適正な熱膨張係数のガラスが得られた。
しかしその含有量が20重量%を超えると、希土類含有
による機械的強度向上の効果が小さくなった。このた
め、B2O3の含有量は20重量%以下であることが好ま
しい。
アルカリ金属酸化物(Li2O,Na2O,K2O)の含
有量の合計が20重量%を超えると、化学的安定性が低
下した。このことから、アルカリ金属酸化物の含有量の
合計は、0〜20重量%であることが好ましい。さら
に、アルカリ土類金属酸化物についても同様に、20重
量%を超えると、化学的安定性が低下した。このことか
ら、アルカリ土類金属酸化物の含有量の合計は、0〜2
0重量%であることが好ましい。
化物とB2O3は、ガラスを低融点化させる意味では同様
の効果が見られたが、その合計量が10重量%未満では
流動性が悪く、脈理が多く発生した。また30重量%を
超えると、化学的安定性が低下した。このことから、ア
ルカリ金属酸化物,アルカリ土類金属酸化物及びB2O3の
含有量の合計は、10〜30重量%であることが好まし
い。
的安定性を増加させるのに効果的であったが、その含有
量が17重量%を超えると、ガラスの流動性が低下し、
好ましくなかった。従って、Al2O3の含有量は、17
重量%以下であることが好ましい。
%を超えるとガラス溶解時に原料粉がガラス中に残存す
るため、均一なガラスを得ることが難しく、好ましくな
かった。アルカリ金属酸化物の含有量の合計が少ないほ
ど少量の希土類酸化物の添加で機械的強度の向上の効果
が得られた。アルカリ金属酸化物とアルカリ土類金属酸
化物の合計量が10重量%のとき、希土類酸化物の添加
量が0.5 重量%でも機械的強度の向上が見られた。し
かし、0.5 重量%未満では機械的強度向上の効果が小
さかった。従って、希土類酸化物の含有量は0.5 〜3
0重量%であることが好ましい。
したことにより、十分な強度を得ている。従って、従来
のガラス基板で必要であった化学強化が不要とできる。
すなわち、ガラス表面に残留応力を生じさせた圧縮強化
層がないことを特徴としている。表面の圧縮強化層の有
無は、例えばレーザ光線を表面から照射し、反射光をプ
リズムを用いて分光する方法により測定できる。本発明
のガラス基板を上記方法で測定すると、ガラス基板内部
と表面での残留応力差がほとんどない、すなわち表面応
力層がないことが確認された。
を作製して、その特性を評価した。ガラスにはNo.1,
5,7,8,18,35のガラスを用いた。また、比較
例としてNo.26の化学強化ガラス基板、及び表6に示
すSiO2−Al2O3−ZnO−MgO−RO系結晶化ガ
ラス基板を評価した。
35mmt とした。得られた基板の耐水性,耐熱性,表
面粗さ及び白色光の透過率を表7に示す。
を20時間浸漬し、純粋中に溶出した全アルカリ,アル
カリ土類元素量を検出し、トータルの溶出量をppm で表
示した。耐熱性は、基板を真空中350℃に加熱し、そ
の後、表面部を二次イオン質量分析した。表面層にアル
カリイオンの拡散が見られたものは△、見られなかった
ものは○で表示した。表面粗さは表面粗さ計を用いて平
均表面粗さRa(A)で評価した。また、透過率は白色
光源基板表面に照射し、入射光と透過光の強度比で求め
た。
8,35,43では溶出アルカリ量が少なく、良好であ
った。No.26の化学強化ガラスでは、アルカリの溶出
量が多く、良好とはいえなかった。
化学強化ガラス基板では表面層に多くのアルカリ元素が
検出され、イオンの移動が起こっていることがわかっ
た。以上のように、化学強化したガラス基板ではアルカ
リ元素の移動が生じやすく、不安定であったのに対し、
本発明のガラス基板では、熱的,化学的な安定性が良好
であった。
18,26,35のガラス基板では、Ra=4〜5Å
と、良好な平滑性が得られた。一方、No.8,43のガ
ラスでは、Ra=9〜10Åと、大きな値となった。
8,26,35では67〜95%と良好であった。No.
8,43のガラスでは透過率は58,15%と低かっ
た。
て調べた。No.7のガラスでは、Er2O3の含有量は1
6重量%で、析出している微粒子の平均粒径は、51n
mであった。また、粒子の体積率は40%であった。こ
の時、透過率は67%であった。一方、No.8のガラス
ではEr2O3の含有量は21重量%で、析出している微
粒子の平均粒径は103nmであり、粒子の体積率は7
2%であった。また、透過率は58%であった。このと
き、No.7のガラスでは表面粗さが5.0Å,No.8のガ
ラスでは10.0Å と2倍表面が粗くなっていた。この
ように、Er2O3含有量が20重量%を超え、また平均
粒径が100nmを超え、透過率が60%未満では、表
面粗さが粗く、平滑性に劣ることがわかった。
物の含有量は20重量%以下であることが好ましい。さ
らに平均粒径は100nm以下であることが好ましい。
また透過率は60%以上であることが好ましい。以上の
条件を満たせば、十分に小さい平滑性を得ることができ
る。
し、磁気ディスクを作製し、特性を評価した。作製した
磁気ディスクの膜構成を図8に示す。図8において、1
はガラス基板、2はCrプリコート膜、3はCr下地
膜、4はCoCr系磁性膜、5はC保護膜、6はエッチ
ングテクスチャー、7は潤滑膜である。
プリコート膜を25nm,Cr下地膜を50nm,Co
Cr系磁性膜を50nm成膜した。カーボン保護膜を1
0nm形成後、エッチングテクスチャーを施した。テー
プクリーニング後、潤滑膜7を塗布して磁気ディスクと
した。なお、成膜は基板両面に施した。その後、磁気デ
ィスクの磁性膜のアルカリによる侵食状況及び膜剥がれ
の有無を評価した。
置を作製した。図10に作製した磁気ディスク装置の概
略図を示す。図10において、8は図8に示した磁気デ
ィスク、9は回転軸、10はスピンドルモーター、11
は磁気ヘッド、12は磁気ヘッド回転軸、13は電気系
の出力端子である。装置内には6枚の磁気ディスク8を
回転軸9に装着した。磁気ヘッド11をそれぞれの基板
両面に2個配した。制御系等を接続し、磁気ディスク装
置とした。磁気ディスク回転中のヘッド浮上量は40n
mとした。
を評価した。アルカリ侵食状況,膜剥がれ,記録再生特
性を表8に示す。
クのうち、侵食が見られた磁気ディスクの割合が5%未
満の場合は○、5%以上の場合を△とした。膜剥がれも
同様に評価した。記録再生特性は良好なものを○,良好
でないものを△で表示した。
膜剥がれが少なく、記録再生特性も良好であった。No.
12の化学強化ガラスでは、アルカリ侵食,膜剥がれが
顕著に見られ、好ましくなかった。また、結晶化ガラス
No.29では、アルカリ侵食,膜剥がれ等は見られなか
ったが、記録再生特性が良好でなかった。次に、本発明
のいろいろなガラスを用いてガラス基板を作製し、耐衝
撃性試験を行った。耐衝撃性試験は、ガラス基板の両面
に前述と同様の工程によって磁性膜,保護膜等を形成
し、図8に示す膜構造の磁気ディスクを作製し、このデ
ィスクを用いて評価した。試験方法は、作製したディス
クを治具に固定し、加速器によってダミーヘッドをディ
スクに衝突させることによって行った。この試験を1種
類の磁気ディスクに対して30点行い、割れ,かけ等の
不良の出た点の頻度で評価した。基板用ガラスには、表
1のNo.1〜5,14,18,23,24,25,2
6,43のガラスを用いた。図7に試験結果を示す。横
軸は各ガラスのHv、縦軸は本試験による不良頻度を%
で表示した。ガラスの硬度が670を境界として、それ
以下の硬度では不良が見られ、その量は硬度が低下する
につれて上昇していった。また、670以上では、本試
験における不良は見られなかった。以上のことから、ガ
ラス基板硬度が670以上であれば、耐衝撃性試験に耐
え得る磁気ディスクを作製することができる。
作製した。本発明のガラス基板を用いたところ、記録媒
体層の膜剥がれもほとんどなく、また高効率で記録再生
することができた。
は、化学的安定性に優れ、膜剥がれ等の不良も少なかっ
た。また情報記録ディスク装置の記録再生特性も良好で
あった。さらにガラス基板に化学強化処理や結晶化処理
を施さないため、低コストにディスクや装置を作製する
ことができた。
図9に示す形状の磁気ディスクを作製した。基板の厚さ
は、0.38mmとした。また、ガラスには化学強化処理
をしていないNo.5のガラスを用いた。また、通常施さ
れるプリコート膜を形成せず、ガラス基板上に直接磁性
薄膜を形成した。ガラス基板の表面粗さはRa=4.0
Å であった。比較例としてアルカリ強化処理を施した
ソーダライムガラス,アルカリ強化処理を施していない
通常のソーダライムガラス、及び結晶化ガラスを基板と
した磁気ディスクも作製した。
食,磁気特性についての評価結果を示す。特性が良好な
ものを○,良好とはいえないものを△で評価した。
0.380mm の薄さでも十分な強度が得られた。また、
平滑性も良好であった。磁性膜の腐食も見られず、プリ
コート膜を形成しなくとも磁性膜が劣化することはなか
った。また、平滑性が良好なことから磁気ヘッドの浮上
量も30nm以下とすることができ、磁気特性も良好で
あった。
は、高い機械的強度は得られたものの、プリコート膜が
ないためにガラスのアルカリ成分が磁性膜を侵食した結
果、実機摺動試験後の磁気ヘッドの浮上面にアルカリ成
分が付着しているものが多く見られた。また、摺動後に
磁性膜が剥離しているものも見られた。不良がみられな
かった磁気ディスクにおいても、磁気特性が全体的に低
下していた。化学強化していないソーダライムガラスを
用いた磁気ディスクでは、強度が不十分であった。結晶
化ガラスでは、表面粗さが大きく、平滑性が良好でない
ために、磁気ヘッドの浮上量が大きく、十分な磁気特性
が得られなかった。
械的強度を有するため薄板化が可能で、かつ化学的安定
性,均質性に優れるため中間膜を設ける必要のない情報
記録用ディスクを提供することができる。
の磁気ディスクの枚数を多くすることができるので、同
じ記録密度であれば、小型,軽量な磁気ディスク装置が
提供できる。また、磁気記録媒体が、中間膜の構造,組
成に影響されて、磁気的特性を低下させることがなくな
る。
製造誤差の許容幅を広げることが可能になる。
扱い、例えばガラス鋳造後の表面研磨の際にある程度研
磨速度を大きくしても、表面に割れが発生しない、製造
後の基板運搬のハンドリングが容易になる等により、歩
留り向上が図れ、製造コストの低減が図れる。
が小さいため、安価に大容量の情報記録ディスク装置が
提供される。
マイクロビッカース硬度の変化。
熱膨張係数の変化。
平均粒径の変化。
化。
カース硬度の変化。
度の変化。
図。
板の膜構成図。
図。
磁性膜、5…保護膜、6…エッチングテクスチャー、7
…潤滑膜、8…磁気ディスク、9…回転軸、10…スピ
ンドルモーター、11…磁気ヘッド、12…磁気ヘッド
回転軸、13…電気系の出力端子。
Claims (16)
- 【請求項1】表面の少なくとも一部に、情報を記録する
ための層が設けられる情報記録ディスク用ガラス基板で
あって、 前記基板がSc,Y,La,Pr,Nd,Pm,Sm,
Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,L
uの群から選ばれた少なくとも1種の希土類元素を含有
するガラスからなることを特徴とする情報記録ディスク
用ガラス基板。 - 【請求項2】請求項1記載のガラス基板の表面部の圧縮
強化層が存在せず、ガラス基板内部の応力分布が実質的
に均一であることを特徴とする情報記録ディスク用ガラ
ス基板。 - 【請求項3】請求項1記載の前記ガラスに微細粒子が分
散しており、かつ該微細粒子中に前記希土類元素が含ま
れていることを特徴とする情報記録ディスク用ガラス基
板。 - 【請求項4】請求項1記載の前記希土類元素はLn2O3
(Lnは希土類元素)の酸化物換算で、ガラス全体に対
して0.5 〜30重量%含有することを特徴とする情報
記録ディスク用ガラス基板。 - 【請求項5】請求項1記載の前記希土類元素はLn2O3
(Lnは希土類元素)の酸化物換算で、ガラス全体に対
して0.5 〜20重量%含有することを特徴とする情報
記録ディスク用ガラス基板。 - 【請求項6】請求項1記載の希土類元素がGd,Tb,
Dy,Ho,Er,Tm,Yb、及びLuの中から選ば
れた少なくとも1種以上であることを特徴とする情報記
録ディスク用ガラス基板。 - 【請求項7】請求項3記載の微細粒子の平均粒径が1〜
100nmであることを特徴とする情報記録ディスク用
ガラス基板。 - 【請求項8】請求項3記載の微細粒子がガラス全体に対
して、体積率で1%以上,40%以下であることを特徴
とする情報記録ディスク用ガラス基板。 - 【請求項9】請求項1記載の前記希土類元素はLn2O3
(Lnは希土類元素)の酸化物換算で、ガラス全体に対
して0.5 〜20重量%含有し、他の成分としてSiO
2 :40〜80重量%,B2O3:0〜20重量%,R2
O (Rはアルカリ金属):0〜20重量%,RO(R
はアルカリ土類金属):0〜20重量%,Al2O3:0
〜17重量%を含み、かつR2O +RO:10〜30重
量%であることを特徴とする情報記録ディスク用ガラス
基板。 - 【請求項10】請求項1において、前記ガラスの可視白
色光の透過率が60%以上であることを特徴とする情報
記録ディスク用ガラス基板。 - 【請求項11】表面の少なくとも一部に、情報を記録す
るための層が設けられる情報記録ディスク用ガラス基板
であって、 前記基板の硬度がHv670以上であり、かつ可視白色
光の透過率が60%以上、かつガラス基板の表面部の圧
縮強化層が存在せず、ガラス基板内部の応力分布が実質
的に均一であることを特徴とする情報記録ディスク用ガ
ラス基板。 - 【請求項12】表面の少なくとも一部に、情報を記録す
るための層が設けられる情報記録ディスク用ガラス基板
であって、 前記基板の厚さが0.38mm 以下であり、かつ基板表面
の粗さがRaで5nm以下、かつガラス基板の表面部の
圧縮強化層が存在せず、ガラス基板内部の応力分布が実
質的に均一であることを特徴とする情報記録ディスク用
ガラス基板。 - 【請求項13】Sc,Y,La,Pr,Nd,Pm,S
m,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Y
b,Luの群から選ばれた少なくとも1種の希土類元素
を含有するガラス組成物であり、前記ガラスの0.63m
m の厚さにおける可視白色光の透過率が60%以上であ
ることを特徴とするガラス組成物。 - 【請求項14】Sc,Y,La,Pr,Nd,Pm,S
m,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Y
b,Luの群から選ばれた少なくとも1種の希土類元素
を含有するガラス組成物であって、Ln2O3(Lnは希
土類元素)の酸化物換算で、ガラス全体に対して0.5〜
30重量%含有し、他の成分としてSiO2:40〜8
0重量%,B2O3:0〜20重量%,R2O(Rはアルカ
リ金属):0〜20重量%,RO(Rはアルカリ土類金
属):0〜20重量%,Al2O3:0〜17重量%を含
み、かつR2O +RO:10〜30重量%であり、前記
ガラスの0.63mm の厚さにおける可視白色光の透過率
が60%以上であることを特徴とするガラス組成物。 - 【請求項15】請求項13または14に記載のガラス組
成物において、前記ガラス組成物に微細粒子が分散して
おり、前記微細粒子の割合が前記ガラス組成物の体積に
対し、1%以上40%以下であることを特徴とするガラ
ス組成物。 - 【請求項16】請求項13または14に記載のガラス組
成物において、前記ガラス組成物に微細粒子が分散して
おり、前記微細粒子は前記希土類元素を含有する結晶性
の微粒子であり、前記微細粒子の粒径は1〜100nm
であることを特徴とするガラス組成物。
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- 2001-04-16 JP JP2001116302A patent/JP4045076B2/ja not_active Expired - Fee Related
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