JPH1052877A - ガスバリア性熱収縮フィルム - Google Patents

ガスバリア性熱収縮フィルム

Info

Publication number
JPH1052877A
JPH1052877A JP8211481A JP21148196A JPH1052877A JP H1052877 A JPH1052877 A JP H1052877A JP 8211481 A JP8211481 A JP 8211481A JP 21148196 A JP21148196 A JP 21148196A JP H1052877 A JPH1052877 A JP H1052877A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
gas barrier
resin layer
gas
shrinkable film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8211481A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuma Kuroda
竜磨 黒田
Taiichi Sakatani
泰一 阪谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP8211481A priority Critical patent/JPH1052877A/ja
Priority to TW085115522A priority patent/TW344710B/zh
Priority to AU75369/96A priority patent/AU704731B2/en
Priority to DE69608649T priority patent/DE69608649T2/de
Priority to EP96120442A priority patent/EP0780431B1/en
Priority to US08/997,324 priority patent/US5869573A/en
Publication of JPH1052877A publication Critical patent/JPH1052877A/ja
Priority to US09/138,087 priority patent/US6083629A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性、低温での収縮性に優れたガスバリア性
熱収縮フィルムを提供すること。 【解決手段】ポリアミノアミドおよびエチレンビニルエ
ステル共重合体ケン化物を含むガスバリア性樹脂層を少
なくとも1層とヒートシール性樹脂層を少なくとも1層
設けてなることを特徴とするガスバリア性熱収縮フィル
ムおよびその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温収縮性に優
れ、ハロゲン原子を含まないガスバリア性熱収縮フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】ある種の食品、例えばチーズ、豚肉、燻
製または加工肉、特に新鮮な肉の包装および配送では、
屠殺から消費者に使用されるまでの期間、肉を新鮮に保
つことが必要である。特に、空気中の酸素は肉の微生物
による分解を促進するので、肉を新鮮に保つためには、
長期間適切に、肉を酸素から遮断することが重要であ
る。 酸素の遮断性に優れた樹脂材料の1つとして、ポ
リ塩化ビニリデン(PVDCと略記する場合がある。)
樹脂が知られており、PVDCを1層以上含む酸素遮断
層を形成した包装用シートあるいはフィルムが広く用い
られている。しかし、PVDCには塩素原子が含まれて
いることから敬遠される嫌いが見られ、環境を保護する
点で包装用シート分野でも塩素原子を含まないものが望
ましいとされている。その結果、PVDC以外の酸素遮
断性を有する種々の材料が包装材料として提供され、そ
の一つとしてエチレンビニルエステル共重合体ケン化物
(EVOHと略記する場合がある。)が挙げられる。し
かしながら、EVOHは、水分に会うと酸素遮断性が低
くなる傾向があり、新鮮な肉類等には、水分が多く含ま
れていることから肉類等を包装した場合にはEVOHフ
ィルムの酸素遮断性は十分には発揮されない場合が多
い。また、一般に包装フィルムは、熱収縮加工に耐える
ことが必要である。大部分の熱可塑性ポリマーは、その
粘弾性によって、変形から回復するか、そうでなければ
その配向(延伸)と、最初にそれが起こった温度を記憶
している。それ故に、ある温度(例えば90℃)で延伸
され、室温あるいは作業温度に冷却された熱可塑性ポリ
マーは、その後に変形温度近くの温度(例えば90℃)
にまで再加熱されるとその温度で延伸あるいは配向前と
同様の状態に戻ろうとする傾向を持っている。もし配向
が延伸過程であるならば、回復は収縮過程である。この
ような状況下、本発明で開発しようとするガスバリア性
包装フィルムにおいても、該フィルムが比較的穏やかな
温度で延伸でき、次いでその穏やかな温度で収縮できる
性質を有することが望まれている。食品の包装業者は熱
収縮工程を、肉の最低料理温度よりも遥かに低い温度で
実施しようとする。延伸できる温度が低くなればなる
程、それに対応してその熱可塑性ポリマーを熱収縮させ
る温度は低くできる。加えて、熱可塑性ポリマーフィル
ムが延伸できる度合が大きくなればなる程、その収縮度
はより大きくなることから好ましい。それ故、ある特定
のフィルムの延伸温度を低くできればできるほど、ある
いは延伸比を大きくできればできるほど、温度全領域
で、特に低温度で熱収縮性が良くなることになる。しか
しながらEVOHをガスバリヤー性樹脂層とする多層フ
ィルムは、しばしばEVOHの高い剛性に起因する機械
的強度の低さによって、PVDCと比較して低温での延
伸性に劣るという欠点を有している。この問題を解決す
るために、EVOHに他の熱可塑性樹脂をブレンドする
方法が提案されている。例えばEVOHにエチレン−カ
ルボン酸ビニルエステル共重合体またはエチレン−アク
リル酸エステル共重合体をブレンドすること(特開昭6
1−220839号公報)が知られている。しかし、こ
の方法ではEVOHの特徴である透明性が損なわれ、透
明性が必要な熱収縮フィルム用途では実用化するのは難
しい。また、透明性の良好な組成物としてはEVOHと
ポリアミドからなる組成物が挙げられるが、ブレンドに
よってガスバリヤー性が低下すること、また成形時の熱
安定性も悪く、短時間でゲルが発生する等の問題があ
り、この組成物についても実用化されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハロゲン原
子を含まないことによって環境へも配慮された、透明性
およびガスバリア性が良好であり、低温での収縮性に優
れたガスバリア性熱収縮フィルムを提供しようとするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはEVOH樹
脂の延伸性を改良すべく鋭意検討してきた。その結果、
EVOH樹脂にある特定のポリアミドを配合すれば、E
VOHのガスバリア性の低下が少なく、低温で良好な延
伸性をもつ樹脂組成物が得られることを見いだし、本発
明に至った。すなわち本発明は、ポリアミノアミドおよ
びエチレンビニルエステル共重合体ケン化物を含むガス
バリア性樹脂層を少なくとも1層とヒートシール性樹脂
層を少なくとも1層設けてなることを特徴とするガスバ
リア性熱収縮フィルムおよびその製造法を提供するもの
である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のガスバリア性熱収縮フィルムは、ヒートシール
性樹脂層と少なくとも一層のガスバリア性樹脂層を配置
した層構成を有するが、必要に応じ、上記の各層間に接
着性樹脂層や強度保持層として任意の樹脂層を介在させ
ることができる。本発明のヒートシール層に用いられる
ヒートシール性樹脂としては、ヒートシール性に優れた
オレフイン樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、アイオ
ノマー及びその前駆体、直鎖状エチレン・α−オレフイ
ンコポリマー(例えば、LLDPE、VLDPE、UL
DPE等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが使用
される。また、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)
を使用して得られたポリオレフインも適宜使用すること
ができる。また、ヒートシール性樹脂層は、所望によ
り、イージーピール仕様にすることも可能である。その
例としては、アイオノマーやエチレン−メタクリル酸樹
脂(EMAA)にポリプロピレンをブレンドする例を挙
げることができる。
【0006】本発明のガスバリア性樹脂層を形成する樹
脂であるポリアミノアミドとしては、例えば、脂肪族ジ
カルボン酸とポリアルキレンポリアミンを縮合させて得
られる重合体が挙げられる。かかる脂肪族ジカルボン酸
としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸、テトラデカンジオン
酸、ヘキサデカンジオン酸、オクタデカンジオン酸、オ
クタデセンジオン酸、エイコサジオン酸、エイコセンジ
オン酸、ドコサンジオン酸、2,2,4−トリメチルア
ジピン酸等、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など
脂環式カルボン酸が例として挙げられ、工業的には大豆
油等の天然油脂脂肪酸の重合物などが挙げられる。好ま
しくはアジピン酸、アゼライン酸、天然油脂脂肪酸の重
合物が挙げられる。
【0007】ポリアルキレンポリアミンとしては、例え
ば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン
などが挙げられ、好ましくはジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミンが挙げられる。
【0008】また、ポリアミドアミドのJIS K72
37に準拠して測定したアミン価が100以上、好まし
くは、150以上のものを用いた場合に、得られるガス
バリア性熱収縮フィルムの低温延伸性が良好であり好ま
しい。
【0009】またこれらの脂肪族ジカルボン酸とポリア
ルキレンポリアミンの縮重合に際しては粘度調整等の目
的でモノカルボン酸を共存させることができる。かかる
モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル
酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウリ
ル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリトレイン酸、
パルメチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール
酸、アラキン酸、ベヘン酸等の脂肪族モノカルボン酸;
シクロヘキサンカルボン酸、メチルヘキサンカルボン酸
等の脂環式モノカルボン酸および工業的には大豆油等の
天然油脂脂肪酸などが挙げられる。
【0010】本発明のガスバリア性樹脂層を形成する樹
脂に用いられるエチレンビニルエステル共重合体ケン化
物(EVOH)は、耐湿性、ガスバリア性の点で、エチ
レン含有量20〜60モル%、好ましくは20〜45モ
ル%、より好ましくは25〜40モル%、ビニルエステ
ル成分のケン化度90モル%以上、好ましくは95モル
%以上、より好ましくは98モル%以上のものが挙げら
れる。
【0011】本発明のガスバリア性樹脂層を形成する樹
脂として用いられるポリアミノアミド(以下PAAと略
記することがある)とEVOHの配合比率は、ガスバリ
ア性およびフィルムの延伸性の点で、一般的にはPAA
/EVOHの重量比が2/98〜30/70の範囲であ
る。
【0012】本発明のガスバリア性樹脂層の製造方法、
すなわちPAAとEVOHのブレンド方法は特に制限は
ないが、混練に用いられる一般の単軸あるいは二軸押出
機を用いて、溶融混練押出してペレットを得る方法が例
示できる。PAAが、粘稠な流体である場合や、あるい
は水、有機溶媒などに溶解して用いる場合が多いが、こ
の場合にはEVOHの熱溶融押出下にある上記押出機の
バレル中にPAA液を液送ポンプにて注入し、EVOH
と熱混練する方法や、EVOHペレットとPAA液とを
ヘンシェルミキサー等のミキサーにてブレンドした後、
上記押出機に供給、熱混練する方法を採用することがで
きる。また、一旦PAAの高濃度マスターバッチを作製
しておいて、それを本発明の範囲の配合量となるようE
VOHとペレットブレンドし、フィルム成形機等に直接
供給し、成形体を得ることもできる。
【0013】本発明のガスバリア性樹脂層を形成する樹
脂組成物にはこれらの成分の他に本発明の目的・効果を
損わない範囲で、他の樹脂組成物、ゴム成分、充填剤、
帯電防止剤、各種安定剤、核剤、着色剤、滑剤等を配合
することができる。本発明のガスバリア性熱収縮フィル
ムは、ガスバリア性を有するものであるが、そのガスバ
リア性樹脂層を形成する樹脂組成物は、23℃、乾燥条
件下、15μmあたりの酸素透過度が通常、50cc/da
y ・atm 以下であることが望ましい。
【0014】本発明に接着性樹脂を使用する場合、用い
られる接着性樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合
体、酸変性オレフイン樹脂、就中、不飽和カルボン酸ま
たはその無水物にてグラフト変性されたエチレン系樹脂
が好適に使用される。ここで不飽和カルボン酸またはそ
の無水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
シトラコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸などが挙げられるが、無水マレイン酸にて
グラフト変性されたエチレン系樹脂が特に好適である。
接着性樹脂は、単独樹脂またはブレンド樹脂の何れでも
よく、また、接着性樹脂組成物中の酸基の濃度調整のた
めに酸基を含有しないオレフイン樹脂をブレンドするこ
ともできる。
【0015】本発明に強度保持層を設ける場合、強度保
持層を構成するための樹脂としては、特に制限はされな
いが、ポリアミドが好適に使用される。ポリアミドの具
体例としては、6−ナイロン、6−66ナイロン、6−
12ナイロン、MXD−6ナイロン(メタキシレンジア
ミンアジペート)等のホモポリアミド、カプロラクタム
/ヘキサメチレンジアミンアジペート共重合体、カプロ
ラクタム/ラウリルラクタム共重合体、ラウリルラクタ
ム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合
体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサ
メチレンジアンモニウムセバケート共重合体、エチレン
ジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニ
ウムアジペート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチ
レンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアン
モニウムセバケート共重合体などのコポリアミドが挙げ
られる。また、非晶性ポリアミド(例えば、6/6T、
6/6Iコポリマー)を使用することもできる。上記各
ポリアミドは、2種以上をブレンドして使用してもよ
い。
【0016】本発明のフイルムの延伸成形法としては、
一般的なフィルム延伸法、例えば、一軸延伸、ゾーン延
伸、フラット逐次延伸、同時二軸延伸、チューブラー延
伸法を採用することができるが、設備コストの点からは
チューブラー延伸法が好ましく用いられる。チューブラ
ー延伸法はまた、他の延伸法と比べると、より良好な延
伸性を有する原反シートを必要とするため、本発明のE
VOHとポリアミノアミドのブレンド樹脂組成物は、こ
の延伸方法での成形により好適であるといえる。チュー
ブラー延伸法はインフレーション法とも呼ばれる公知の
製造方法である。具体的には、例えば、特開昭53−8
2888号公報に開示された次の様な2軸インフレーシ
ョン法が好適に採用される。
【0017】先ず、共押出法により、各層を構成する樹
脂を筒状体として環状ダイから下向きに押し出す。この
際、筒状体の内面同志の密着防止のために通常、当該筒
状体に密着防止用液状物(パイル剤)を供給する。次い
で、得られた多層構造の筒状体をダイ直下に位置し且つ
20℃以下に維持された冷却槽で冷却し、冷却槽に設け
られた一対のニップロールにより、筒状体に封入された
密着防止用液状物を連続的に絞りつつ引き取り、折り畳
まれた筒状体を50〜95℃に維持された熱水槽、ある
いは熱風中に導入する。そして、ニップローラとこれよ
り数倍の速度で回転する他のニップローラとの間におい
て、常温雰囲気下で冷却させつつ連続的にバブルを形成
するように、折り畳まれた筒状体に空気を封入し、これ
により、縦方向(長手方向)及び横方向(直径方向)に
筒状体を同時に2軸延伸する。延伸温度は、使用する樹
脂の種類を考慮して適宜決定されるが、延伸倍率は、縦
/横ともに約1.5〜5倍、好ましくは約3倍である。
上記のチューブラー延伸法で製造された本発明のガスバ
リア性熱収縮フィルムは、75℃で1分間熱処理後にお
ける収縮率が縦の値と横の値の平均値が20%以上、好
ましくは30%以上の特性を有する。但し縦方向とはフ
ィルムの成形設備ラインの流れ方向、即ちMD方向であ
り、横方向とはそれに直交する方向、即ちTD方向を意
味する。
【0018】本発明のガスバリア性熱収縮フイルムの全
体厚さは、通常、10〜100μm、好ましくは15〜
60μmの範囲、ガスバリア性樹脂層の厚さは、通常、
1〜10μmの範囲、接着性樹脂層の厚さは、通常、1
〜10μmの範囲、強度保持層の厚さは、通常、2〜2
0μm、好ましくは5〜15μmの範囲である。そし
て、ヒートシール性樹脂層の厚さは、通常、全体の厚さ
の35%以上、好ましくは40%以上の範囲から適宜選
択される。本発明においては、上記のようにして得られ
た二軸延伸フイルムは必要であれば適当な温度で熱固定
して使用する。本発明のガスバリア性熱収縮フイルムに
おいて、ガスバリア性樹脂層は、必要に応じて2層以上
に分割して配置することができる。
【0019】また、最外層または最内層には、防曇剤
(防滴剤)を含有させることが好ましい。防曇剤として
は、最外層または最内層を構成する樹脂と相溶性のある
防曇剤が好適であり、具体的には、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、
特殊多価アルコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイ
ド付加物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル)等の1種または2種以上が挙げられる。そ
して、防曇剤の使用割合は、樹脂に対する割合として
は、通常、0.05〜3重量%の範囲から適宜選択され
る。
【0020】本発明のガスバリア性熱収縮フィルムを用
いた熱収縮包装方法としては、従来一般的に用いられて
いるピロー包装機と熱収縮トンネルを直結した熱収縮包
装ラインを準用することができる。しかも、低温での熱
収縮性に優れるために高速で包装を行なうことができ
る。
【0021】
【発明の効果】本発明は、エチレンビニルエステル共重
合体ケン化物にポリアミノアミド樹脂を配合したもので
ガスバリア層を形成することにより、ハロゲン原子を含
まず熱収縮特性に優れたガスバリア性熱収縮フィルムを
得ることができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。 〔物性値の測定方法〕 熱収縮率 試料フィルムを一辺が100mmの正方形にカットし、
75℃の水中に1分間浸漬し、試験片の縦方向及び横方
向の長さを測定し、各方向の収縮量を元の長さの割合
(%)で表し、双方の収縮率を平均した。 酸素透過度 日本工業規格(JIS)に規定された方法(JIS K
−7126)に準じて行った。 すなわち、市販の酸素
透過度測定装置(商品名:OX−TRAN 10/50
A、米国MOCON社製)にサンプルフィルム(試験
片)を装着し、23℃、乾燥条件下で酸素透過度を測定
した。この際、サンプルフィルムの酸素透過度を連続的
に測定し、酸素透過度が実質的に一定になった時点(通
常は、測定開始から数時間〜3日程度の後)における該
酸素透過度をデータとして用いた。
【0023】(実施例1)エチレン含有量44モル%、
ケン化度98%以上のEVOH(クラレ製EPーE10
5B:以下EVOH−Eと略記)を二軸押出機(プラス
チック工学製、L/D60,40mmφ押出機BT-40-S2
-60-L )で溶融混練しながら、脂肪族ジカルボン酸とし
てアジピン酸、アルキレンポリアミンとしてジエチレン
トリアミンを縮重合したポリアミノアミド(以下PAA
−1と略記)の50wt%水溶液(住友化学工業製スミ
レーズレジンIM60)を、液送ポンプにて押出機バレ
ル中に注入し、途中のバレルに設置したベント口から水
を除きながら、押出温度200℃、押出量13Kg/h
rで押出し、ペレット化した。PAA−1/EVOH−
Eの重量比は10/90であった。この樹脂組成物をガ
スバリア性樹脂層とした。次いで、両外層(ヒートシー
ル性樹脂層)を密度0.895g/cm3 、融点100
℃、メルトフローレート2g/10min、ブテン−1
含有量13wt%のエチレン−ブテン共重合体とし、芯
層をガスバリア性樹脂層とし、両外層と芯層の間のそれ
ぞれの中間層を無水マレイン酸をグラフト重合させたプ
ロピレングラフト共重合体とし、スクリュー口径65m
mφの押出機(両外層用)とスクリュー口径40mmφ
の押出機(芯層用)とスクリュー口径50mmφの押出
機(両中間層用)、及び、口径が200mmφの三種五
層の共押出用環状ダイスを用いて、チューブ状共押出積
層未延伸原反シートを得た。尚、得られた積層未延伸原
反シートの厚みは約170μmで、各層の厚み比率は両
外層がそれぞれ25%、芯層が10%、そして、中間層
がそれぞれ20%であり、チューブ幅は310mmであ
った。 この積層未延伸原反シートを約60℃で加熱
し、インフレーション二軸延伸方法によって縦方向3.
5倍、横方向3.2倍に延伸し、その後、多少の弛緩を
与えながら熱固定を行い、全体厚みが約17μmのガス
バリア性熱収縮フィルムを得た。得られたフィルムのガ
スバリア性は、20cc/day ・atm 、熱収縮率は縦横そ
れぞれ35%、31%で、平均33%であり、非常に良
好なガスバリア性、熱収縮性を示した。また、ガスバリ
ア性樹脂層の15μm あたりの酸素透過度は2.3cc/
day ・atm であった。なお、PAA−1は、JIS K
7237に準拠して測定したアミン価が297である。
【0024】(実施例2)脂肪族ジカルボン酸として植
物油脂肪酸の重合物、アルキレンポリアミンとしてトリ
エチレンテトラミンを縮重合したポリアミノアミド(富
士化成製トーマイド#235−A:以下PAA−2と略
記)を液送ポンプにて押出機バレル中に注入し、押出温
度200℃、押出量13Kg/hrでEVOHと押出混
練し、ペレット化した。PAA−2/EVOH−Eの重
量比は10/90であった。この樹脂組成物をガスバリ
ア性樹脂層とする以外は実施例1と同様にして、延伸フ
ィルムを作製した。 得られたフィルムのガスバリア性
は、120cc/day ・atm 、熱収縮率は縦横それぞれ3
6%、34%で、平均35%であり、良好なガスバリア
性、熱収縮性を示した。ガスバリア性樹脂層の15μm
あたりの酸素透過度は14cc/day ・atm であった。な
お、PAA−2は25℃における粘度が8000〜18
000mPa・s、JIS K7237に準拠して測定
したアミン価が390±15である。
【0025】(比較例1)ポリアミノアミドを配合する
押出混練をしない以外は実施例1と同様にして得られた
積層未延伸原反シートは、延伸性が悪く安定的な延伸フ
ィルムの製造はできなかった。
【0026】(実施例3)両外層(ヒートシール性樹脂
層)を密度0.906g/cm3 、融点108℃、メル
トフローレート2.1g/10min、ブテン−1含有
量5wt%のエチレン−ブテン共重合体98重量%とモ
ノグリセリンオレート2重量%の混合組成物とし、ガス
バリア性樹脂層をPAA−2とし、両外層とガスバリア
層の間のそれぞれの中間層を無水マレイン酸をグラフト
重合させたエチレン−プロピレングラフト共重合体とす
る以外は、実施例2と同様の方法によって、ガスバリア
性熱収縮フィルムを得た。得られたフィルムのガスバリ
ア性は、120cc/day ・atm 、熱収縮率は縦横それぞ
れ35%、31%で、平均33%であり、良好なガスバ
リア性、熱収縮性を示した。なおガスバリア性樹脂層の
15μm あたりの酸素透過度は14cc/day ・atm であ
った。
【0027】(比較例2)ポリアミノアミドを配合する
押出混練をしない以外は実施例3と同様にして得られた
積層未延伸原反シートは、延伸性が悪く安定的な延伸フ
ィルムの製造はできなかった。
【0028】(実施例4)ガスバリア層の厚み比率を2
0%、両外層の各厚み比率を20%とする以外は、実施
例3と同じ方法によってガスバリア性熱収縮フィルムを
得た。得られたフィルムのガスバリア性は、60cc/da
y ・atm 、熱収縮率は縦横それぞれ37%、31%で、
平均34%であり、非常に良好なガスバリア性、熱収縮
性を示した。ガスバリア性樹脂層の15μm あたりの酸
素透過度は14cc/day ・atm であった。
【0029】(比較例3)ポリアミノアミドを配合する
押出混練をしない以外は実施例4と同様にして得られた
積層未延伸原反シートは、延伸性が悪く安定的な延伸フ
ィルムの製造はできなかった。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミノアミドおよびエチレンビニルエ
    ステル共重合体ケン化物を含むガスバリア性樹脂層を少
    なくとも1層とヒートシール性樹脂層を少なくとも1層
    設けてなることを特徴とするガスバリア性熱収縮フィル
    ム。
  2. 【請求項2】フィルムの75℃における熱収縮率の縦の
    値と横の値の平均値が20%以上である請求項1記載の
    ガスバリア性熱収縮フィルム。
  3. 【請求項3】フィルムの75℃における熱収縮率の縦の
    値と横の値の平均値が30%以上である請求項1記載の
    ガスバリア性熱収縮フィルム。
  4. 【請求項4】ポリアミノアミドが、脂肪族ジカルボン酸
    とポリアルキレンポリアミンを縮合させて得られること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス
    バリア性熱収縮フィルム。
  5. 【請求項5】エチレンビニルエステル共重合体ケン化物
    が、エチレン含有量20〜60モル%、ビニルエステル
    成分のケン化度が90モル%以上である請求項1〜4の
    いずれか1項に記載のガスバリア性熱収縮フィルム。
  6. 【請求項6】ポリアミノアミドの含量が2〜30重量%
    であり、エチレンビニルエステル共重合体ケン化物の含
    量が98〜70重量%である請求項1〜5のいずれか1
    項に記載のガスバリア性熱収縮フィルム。
  7. 【請求項7】脂肪族ジカルボン酸がアゼライン酸または
    天然油脂脂肪酸の重合物である請求項4記載のガスバリ
    ア性熱収縮フィルム。
  8. 【請求項8】ポリアルキレンポリアミンがジエチレント
    リアミンまたはトリエチレンテトラミンである請求項4
    記載のガスバリア性熱収縮フィルム。
  9. 【請求項9】ガスバリア性樹脂層の23℃、乾燥条件
    下、15μmあたりの酸素透過度が50cc/day ・atm
    以下であることを特徴とする請求項1記載のガスバリア
    性熱収縮フィルム。
  10. 【請求項10】ポリアミノアミドおよびエチレンビニル
    エステル共重合体ケン化物を含むガスバリア性樹脂層を
    少なくとも1層とヒートシール性樹脂層を少なくとも1
    層設けてなるシートをチューブラー延伸してなるガスバ
    リア性熱収縮フィルム。
  11. 【請求項11】ポリアミノアミドおよびエチレンビニル
    エステル共重合体ケン化物を含むガスバリア樹脂層を少
    なくとも1層とヒートシール性樹脂層を少なくとも1層
    設けてなるシートをチューブラー延伸することを特徴と
    するガスバリア性熱収縮フィルムの製造法。
JP8211481A 1995-12-19 1996-08-09 ガスバリア性熱収縮フィルム Pending JPH1052877A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8211481A JPH1052877A (ja) 1996-08-09 1996-08-09 ガスバリア性熱収縮フィルム
TW085115522A TW344710B (en) 1995-12-19 1996-12-16 Resin composition and layered product formed therefrom
AU75369/96A AU704731B2 (en) 1995-12-19 1996-12-17 Resin composition and shaped article having a layer comprising the same
DE69608649T DE69608649T2 (de) 1995-12-19 1996-12-18 Harzzusammensetzung und geformter Gegenstand mit einer diese enthaltenden Schicht
EP96120442A EP0780431B1 (en) 1995-12-19 1996-12-18 Resin composition and shaped article having a layer comprising the same
US08/997,324 US5869573A (en) 1995-12-19 1997-12-23 Resin composition and shaped article having a layer comprising the same
US09/138,087 US6083629A (en) 1995-12-19 1998-08-21 Resin composition and shaped article having a layer comprising the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8211481A JPH1052877A (ja) 1996-08-09 1996-08-09 ガスバリア性熱収縮フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1052877A true JPH1052877A (ja) 1998-02-24

Family

ID=16606675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8211481A Pending JPH1052877A (ja) 1995-12-19 1996-08-09 ガスバリア性熱収縮フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1052877A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008100391A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Shikoku Kako Kk 食品包装用フィルム
JP2016525473A (ja) * 2013-07-31 2016-08-25 プレジス・イノベーティブ・パッケージング・エルエルシー 高い層間接着性を有する多層フィルム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008100391A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Shikoku Kako Kk 食品包装用フィルム
JP2016525473A (ja) * 2013-07-31 2016-08-25 プレジス・イノベーティブ・パッケージング・エルエルシー 高い層間接着性を有する多層フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4864177B2 (ja) 延伸多層フィルムケーシング
RU2658045C2 (ru) Многослойные термоусадочные пленки с барьерным слоем из пвдх
EP2582518A1 (en) Multilayer film for packaging fluid products
US5869573A (en) Resin composition and shaped article having a layer comprising the same
JP4961632B2 (ja) ポリアミド延伸フィルム
JPH08239528A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物系樹脂組成物及びその用途
EP1214196A1 (en) A multilayer heat-shrinkable plastic film with barrier characteristics
EP0620244B1 (en) Biaxially stretched film for food packaging
JP2000136281A (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP2001200123A (ja) 樹脂組成物ペレットおよび成形物
JP4817857B2 (ja) ポリアミド系樹脂積層フィルム
JP2007246122A (ja) 蓋材
JP3070217B2 (ja) ヒートシール可能な熱収縮性積層フイルム
JPH0459353A (ja) 包装用積層フィルム
JP3179185B2 (ja) トレイ容器包装体用ポリアミド系熱収縮性積層フィルム
JPH1052877A (ja) ガスバリア性熱収縮フィルム
JPS58116150A (ja) 熱収縮性積層フイルム
AU704731B2 (en) Resin composition and shaped article having a layer comprising the same
RU2760225C1 (ru) Многослойная термоусадочная пленка
JP5166688B2 (ja) 直線カット性ポリアミド系熱収縮フィルム及びその製造方法
JPH1171528A (ja) ガスバリア性樹脂組成物およびフィルム
JP4868659B2 (ja) 樹脂組成物および積層体
JP4642170B2 (ja) 樹脂組成物および積層体
JP4824587B2 (ja) マット調ポリアミド積層フィルム
JPH06293119A (ja) ポリアミド系積層二軸延伸フイルム