JPH1052740A - 平版印刷版用支持体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
平版印刷版用支持体の製造方法及び製造装置Info
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- JPH1052740A JPH1052740A JP20722296A JP20722296A JPH1052740A JP H1052740 A JPH1052740 A JP H1052740A JP 20722296 A JP20722296 A JP 20722296A JP 20722296 A JP20722296 A JP 20722296A JP H1052740 A JPH1052740 A JP H1052740A
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Abstract
刷版用支持体を製造するときに、結晶粒微細化剤として
加えたTiに起因するスジ状欠陥の発生を防止した製造
方法及び製造装置を提供する。 【解決手段】 アルミニウム溶湯にTi及びBを含むア
ルミニウム合金を添加し、一対の冷却ロールで直接厚さ
10mm以下の鋳造板を連続鋳造圧延し、該鋳造板に冷
間圧延と熱処理のいずれかまたは両方を行って、厚さ
0.1〜0.5mmのアルミニウム合金板とし、次いで
矯正及び粗面化して平版印刷版用アルミニウム支持体を
製造する方法において、Ti及びBを含むアルミニウム
合金を添加してなるアルミニウム溶湯を、Ti及びBを
含む合金中に存在するTi及びBの化合物よりなる粒径
10μm以上の単一粒子、もしくは該化合物が複数個集
合してなる粒径10μm以上の凝集物の通過を阻止する
ろ材を用いてろ過した後、連続鋳造圧延を行う。
Description
ニウム支持体の製造方法並びにそのための製造装置に関
する。特に、結晶微細化の目的でアルミニウム又はアル
ミニウム合金に添加したTi粒子の存在に起因するスジ
故障の発生が防止された平版印刷版用支持体の製造方法
及び製造装置に関する。
フセット印刷版用支持体としてはアルミニウム板(アル
ミニウム合金板を含む)が用いられている。一般にアル
ミニウム板をオフセット印刷版用支持体として使用する
ためには、感光材料との適度な接着性と保水性を有して
いることが必要である。このためにはアルミニウム板の
表面を均一かつ緻密な砂目を有するように粗面化しなけ
ればならない。この粗面化処理は製版後実際にオフセッ
ト印刷を行ったときに版材の印刷性能や耐刷力に著しい
影響をおよぼすので、その良否は版材製造上重要な要素
となっている。
しては、交流電解エッチング法が一般的に採用されてお
り、電流としては、普通の正弦波交流電流、矩形波など
の特殊交番波形電流が用いられている。そして、黒鉛等
の適当な電極を対極として交流電流により、アルミニウ
ム板の粗面化処理を行うもので、通常一回の処理で行わ
れているが、そこで得られるピット深さは全体的に浅
く、耐刷性能に劣るものであった。このため、その直径
に比べて深さの深いピットが均一かつ緻密に存在する砂
目を有する印刷版用支持体として好適なアルミニウム板
が得られるように、数々の方法が提案されている。
った粗面化方法(特開昭53−67507号公報)、交
流を使った電解粗面化時の陽極時と陰極時の電気量の比
率(特開昭54−65607号公報)、電源波形(特開
昭55−25381号公報)、単位面積あたりの通電量
の組み合わせ(特開昭56−29699号公報)などが
知られている。また、機械的な粗面化との組み合わせ
(特開昭55−142695号公報)なども知られてい
る。
ては、アルミニウムのインゴットを溶解保持してスラブ
(厚さ400〜600mm,幅1000〜2000m
m,長さ2000〜6000mm)を鋳造し、スラブ表
面の不純物組織部分を面削機にかけて3〜10mmづつ
切削する面削工程を経た後、スラブ内部の応力の除去と
組織の均一化の為、均熱炉において480〜540℃,
6〜12時間保持する均熱化処理工程を行い、しかる後
に熱間圧延を480〜540℃で行う。熱間圧延で5〜
40mmの厚みに圧延した後、室温で所定の厚みに冷間
圧延を行う。またその後組織の均一化のため焼鈍を行い
圧延組織等を均質化した後、規定の厚みに冷間圧延を行
い、平坦度の良い板にするため矯正する。この様にして
作られたアルミニウム支持体を平版印刷版用支持体とし
ていた。
に対象となるアルミニウム支持体の影響を受けやすく、
アルミニウム支持体を溶解保持→鋳造→面削→均熱とい
う工程を通して製造する場合、加熱,冷却をくり返し、
面削という表面層を削り取る工程があったとしても、表
面層に金属合金成分などのばらつきを生じて平板印刷版
としては得率低下の原因となっていた。
ム支持体の材質のバラツキを少くし、電解粗面化処理の
得率を向上させることによって品質の優れた得率のよい
平板印刷版を作れる方法として、アルミニウム溶湯から
鋳造,熱間圧延を連続して行い、薄板の熱間圧延コイル
を形成させた後、冷間圧延,熱処理、矯正を行ったアル
ミニウム支持体を粗面化処理することを特徴とする平版
印刷版用支持体の製造方法を提案した(特開平3−79
798号公報)。
ウム支持体の製造方法として、アルミニウム溶湯を鋳造
した後、圧延、熱処理を行い、さらに矯正と粗面化する
平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法において、
アルミニウム溶湯供給ノズルにおける溶湯の温度分布が
ノズル先端において30℃以内とする製造方法を提案し
た(特開平6−262308号公報)。
連続鋳造圧延後、冷間圧延、熱処理を一回以上行い、さ
らに矯正と粗面化する平版印刷版用アルミニウム支持体
の製造方法において、連続鋳造機鋳造直前の溶湯温度を
鋳造開始時の温度が定常運転の温度より20℃以上高く
なるようにして連続鋳造圧延を行う製造方法を提案した
(特開平7−40017号公報)。
記したような、平版印刷版用アルミニウム支持体の製造
方法において、結晶粒微細化剤としてTiをAl−Ti
合金またAl−Ti−B合金としてアルミニウム溶湯中
に添加してから、該溶湯を鋳造または連続鋳造する方法
を提案している(例えば、特開平8−49034号公
報、特開平8−73974号公報、特開平8−9267
9号公報参照)。しかしながら、Tiを含有するアルミ
ニウム溶湯を使用しての平版印刷版用アルミニウム支持
体の製造方法では、アルミニウム板の圧延方向にTiに
起因するスジ状欠陥が断続的に発生して、このスジ状欠
陥による新たな問題が生じてしまう。
陥が発生しているアルミニウム板にアルカリエッチング
を施すと、白いこすれきず状のスジとなり、これが平版
印刷版用アルミニウム支持体の裏面に現れた場合には、
アルミニウム傷として認知されるために、商品価値を低
下させる。また、平版印刷版として必要な粗面化処理を
施すと、その部分は粗面化されにくく、黒いスジ故障と
なり、平版印刷版としての性能(インキ汚れ防止性、検
版性)を著しく低下させ、商品価値を低下させるという
不具合があった。
は、セラミックチューブフィルタを使用することが開示
されているが、アルミニウム溶湯中に混在する非金属介
在物に起因する欠陥防止に効果があるものの、結晶粒微
細化剤を使用した場合、結晶粒微細化の効果が十分得ら
れない不具合があった。アルミニウム板の結晶粒微細化
を十分に行えないと、表面に結晶粒径が大きいために生
じるストリーク故障を起こし易い。
鋳造圧延し、該鋳造板に冷間圧延及び/又は熱処理を行
い、次いで矯正及び粗面化して平版印刷版用支持体を製
造するときに、結晶粒微細化剤として加えたTiに起因
してアルミニウム板の圧延方向に断続的に発生するスジ
状欠陥のない平版印刷版用支持体の製造方法及び製造装
置を提供することにある。
達成するために種々検討の結果、上記目的は、以下に述
べる本発明によって達成されることを見い出した。即
ち、本発明は、アルミニウム溶湯にTi及びBを含むア
ルミニウム合金を添加し、一対の冷却ロールで直接厚さ
10mm以下の鋳造板を連続鋳造圧延し、該鋳造板に冷
間圧延と熱処理のいずれかまたは両方を行って、厚さ
0.1〜0.5mmのアルミニウム合金板とし、次いで
矯正及び粗面化して平版印刷版用アルミニウム支持体を
製造する方法において、Ti及びBを含むアルミニウム
合金を添加してなるアルミニウム溶湯を、Ti及びBを
含む合金中に存在するTi及びBの化合物よりなる粒径
10μm以上の単一粒子、もしくは該化合物が複数個集
合してなる粒径10μm以上の凝集物の通過を阻止する
ろ材を用いてろ過した後、連続鋳造圧延を行うことを特
徴とする。
及びBを含むアルミニウム合金を添加し、一対の冷却ロ
ールで直接厚さ10mm以下の鋳造板を連続鋳造圧延
し、該鋳造板に冷間圧延と熱処理のいずれかまたは両方
を行って、厚さ0.1〜0.5mmのアルミニウム合金
板とし、次いで矯正及び粗面化して平版印刷版用アルミ
ニウム支持体を製造する製造装置において、Ti及びB
を含むアルミニウム合金を添加してなるアルミニウム溶
湯を溜めるとともに、該溶湯をろ過するフィルタ槽を具
備し、該フィルタ槽に設けたフィルタが粒径10μm以
上の凝集物の通過を阻止するように構成され、該フィル
タによりろ過された溶湯を連続鋳造圧延する構成である
ことを特徴とする。
図1は、本発明の製造装置である連続鋳造圧延装置の1
例を示す概略図であり、図2は本発明におけるフィルタ
槽の詳細な断面図である。図1に示すように、アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金の溶湯を溶解保持炉1に保
持し、炉1を溶解保持炉傾動モーター9で傾け、アルミ
ニウム溶湯を樋2aに注ぐ。そして、樋2aに注がれた
溶湯は、フィルタ槽14のフィルタ17を通過して溶湯
供給ノズル3に供給される。すなわち、フィルタ前室1
5に溜められた溶湯は、例えばセラミック粒子を焼結し
てチューブ形態とした、所謂セラミックチューブフィル
タ等の耐熱性のあるフィルタ17により適宜ろ過され
て、フィルタ後室18に移動し、引き続き、溶湯供給ノ
ズル3から冷却ロール4a,4bを有する双ロール連続
鋳造圧延機4に送られ、冷却ロール間で凝固・冷却しな
がらアルミニウム板を連続鋳造圧延され、コイラー6に
巻き取られる。
けるセラミック粒子の粒径は、例えば0.5〜2.0m
m程度とすることができ、より好ましくは、1.0〜
1.5mmの範囲である。また、セラミックチューブフ
ィルタ17は、その大きさや個数は制限されず、適宜選
択可能である。また、フィルタがチューブタイプでな
く、セラミック粒子を敷きつめた形態とすることも可能
であり、その場合においては、直径5mm以下のセラミ
ック粒子を10〜200mm程度の層厚となるように敷
きつめた構造のフィルタを、前記フィルタ17に代えて
取り付けるようにしてもよい。
晶粒微細化剤としてTi及びBを含むアルミニウム合金
が添加される。この結晶粒微細化剤は、Ti粒子径が
1.0mm(1000μm)未満の粒子からなるAl−
Ti−B合金ワイヤ10としてアルミニウム溶湯に加え
られる。この場合、アルミニウム支持体に含まれるTi
の総量が0.005〜0.03%、好ましくは0.00
8〜0.02%になるようにAl−Ti−B合金ワイヤ
10をアルミニウム溶湯中に加える。ここで、ワイヤ1
0に含まれるTi粒子の大きさは、ワイヤ10の断面を
電子ブローブマイクロアナライザーで分析することによ
り確認できる。
たアルミニウムインゴット(例えば、Al99.7重量
%)に、Ti及びBを含む合金を溶解した後に、線状あ
るいはブロック状に凝固させることにより製造すること
ができる。この時、ワイヤ10中に存在するTi及びB
の化合物、例えばAlTi3 、TiB2 等の化合物が生
成し、圧延鋳造板とした時のスジ状欠陥を生起する。本
発明では、これらTi及びBの化合物からなる10μm
以上の大径粒子をろ過して除去することを特徴とするも
のである。
2に示すように、溶湯は樋2aから湯注入口30を介し
てフィルタ前室15に流し込まれる。フィルタ槽の内面
およびフィルタ17は、予めヒータ16によって予熱
(700℃程度に予熱)され、溶湯がフィルタ17を通
過する際の凝固を防ぐように構成されている。なお、ヒ
ータ16の上側は、放熱を防止するべく適宜カバー部1
4bが設けられている。フィルタ17は、フィルタ前室
15とフィルタ後室18とを画成する隔壁14aに略水
平に取り付けられている。そして、フィルタ前室15に
溜まった溶湯は、フィルタ後室18の湯面S2よりも高
い位置の湯面S1に維持されることで、セラミックチュ
ーブフィルタ17の外周面から内部に浸透し、該フィル
タ内面の空間を経てフィルタ後室18に送られる。
中に含まれるTi及びBの化合物からなる粒子は、単一
粒子として10μm以上である大径のものは勿論のこ
と、粒径10μm以下の微細な粒子でも、複数個が一体
になって凝集したものもフィルタ17を通過することが
できない。図3に模式的に示すように、セラミックチュ
ーブフィルタ17はセラミック粒子21が焼結してでき
たものであり、粒径10μm以下の化合物粒子20はセ
ラミック粒子21間のすき間22を通過できる一方、粒
径10μm以下の微粒子でも、複数個が一体になって1
0μm以上に凝集したものは、セラミック粒子21間の
すき間22を通過できずにろ別される。また、このろ過
は連続鋳造圧延処理の直前であるので、通過した前記微
粒子同士が再凝集するのを防ぎ、極めて効果的である。
上の溶湯の湯面S2のレベルを検知し、アンプ8から傾
動モーター9にレベルの情報を送り、樋2b上のアルミ
ニウム溶湯を一定の湯面レベルに保持する。ここで、供
給側の樋2aにおける湯面S1のレベルは、樋2b側の
湯面レベルS2よりも高いレベルに維持されることで、
溶湯は、フィルタ槽14の底寄りに配置されたセラミッ
クチューブフィルタ17を通過する。また、符号5はカ
ッターであり、一定長のアルミニウム圧延板をコイラー
6に巻き取った後に、該アルミニウム圧延板を切断す
る。また、上記連続鋳造圧延装置により得られるアルミ
ニウム鋳造板の厚さは1〜7mmが好ましい。
は、次いで図4に例示する冷間圧延機11及び図5に例
示する熱処理機12によって、冷間圧延及び熱処理を行
う。なお、本発明においては、必要に応じて、冷間圧延
及び熱処理のいずれか一方のみを行ってもよい。
延して得られたアルミニウム板の組織の均一化と平坦化
のために行う操作であって、本発明においては、上記冷
間圧延と熱処理の両方を行う場合は3mm〜0.5mm
になるように圧延し、引続き熱処理を行い、さらに冷間
圧延を行って厚さ0.5〜0.1mmのアルミニウム板
に仕上げる。熱処理を行わない場合は、冷間圧延で厚さ
0.5mm〜0.1mmのアルミニウム板に仕上げる。
熱処理方法の場合、温度は400℃〜600℃、時間は
1秒〜600秒間熱処理を行う。バッチ焼鈍方式の場合
は300℃〜600℃、時間は1時間〜12時間熱処理
を行う。
矯正装置13によって矯正を行い、アルミニウム支持体
を作る。本発明においては、さらに、矯正されたアルミ
ニウム支持体を粗面化し、平版印刷版用支持体とする。
本発明におけるアルミニウム支持体の粗面化の方法は機
械的粗面化,化学的粗面化,電気化学的粗面化及びそれ
らの組合わせ等各種用いられる。
ルグレイン,ワイヤーグレイン,ブラッシグレイン,液
体ホーニング法などがある。また電気化学的砂目立て方
法としては、交流電解エッチング法が一般的に採用され
ており、電流としては、普通の正弦波交流電流あるいは
矩形波など、特殊交番電流が用いられている。またこの
電気化学的砂目立ての前処理として、苛性ソーダなどで
エッチング処理をしても良い。
たは硝酸主体の水溶液で交番電流によって粗面化される
のが良い。以下詳細に説明する。先ず、アルミニウム支
持体は、まずアルカリエッチングされる。好ましいアル
カリ剤は、苛性ソーダ,苛性カリ,メタ珪酸ソーダ,炭
酸ソーダ,アルミン酸ソーダ,グルコン酸ソーダ等であ
る。濃度0.01〜20%,温度は20〜90℃,時間
は5sec〜5min間の範囲から選択されるのが適当
であり、好ましいエッチング量としては0.1〜5g/
m2 である。
〜1g/m2 が適当である。(特開平1−237197
号公報)。引き続き、アルカリエッチングしたアルミニ
ウム板の表面にアルカリに不溶な物質(スマット)が残
存するので、必要に応じてデスマット処理を行っても良
い。
本発明として塩酸,または硝酸を主体とする電解液中で
交流電解エッチングされる。交流電解電流の周波として
は、0.1〜100Hz,より好ましくは0.1〜1.
0又は10〜60Hzである。液濃度としては、3〜1
50g/リットル,より好ましくは5〜50g/リット
ル,浴内のアルミニウムの溶解量としては50g/リッ
トル以下が適当であり、より好ましくは2〜20g/リ
ットルである。必要によって添加物を入れても良いが、
大量生産をする場合は、液濃度制御などが難しくなる。
が適当であるが、10〜80A/dm2 がより好まし
い。また、電源波形としては、求める品質,使用される
アルミニウム支持体の成分によって適時選択されるが、
特公昭56−19280号,特公昭55−19191号
各公報に記載の特殊交番波形を用いるのがより好まし
い。この様な波形,液条件は、電気量と共に求める品
質,使用されるアルミニウム支持体の成分などによって
適時選択される。
マット処理の一部としてアルカリ溶液に浸漬しスマット
を溶解する。アルカリ剤としては、苛性ソーダなど各種
あるが、PH10以上,温度25〜60℃、浸漬時間1
〜10secの極めて短時間で行うことが好ましい。
件としては、従来より一段と低い濃度50〜400g/
リットル,温度25〜65℃が好ましい。硫酸の濃度を
400g/リットル以上,又は温度を65℃以上にする
と処理槽などの腐食が大きくなり、しかも、マンガンが
0.3%以上あるアルミニウム合金では、電気化学的に
粗面化された砂目が崩れてしまう。また、アルミニウム
素地の溶解量が0.2g/m2 以上エッチングされる
と、耐刷力が低下して来るので、0.2g/m2以下に
することが好ましい。
より好ましくは0.3〜5g/m2を表面に形成するが
良い。陽極酸化の処理条件は、使用される電解液によっ
て種々変化するので一概には決定されていないが、一般
的には電解液の濃度が1〜80重量%、液温5〜70
℃、電流密度0.5〜60A/cm2 、電圧1〜100
V、電解時間1秒〜5分の範囲が適当である。この様に
して得られた陽極酸化皮膜を持つ砂目のアルミニウム板
はそれ自身安定で親水性に優れたものであるから、直ち
に感光性塗膜を上に設ける事も出来るが、必要により更
に表面処理を施す事が出来る。
塩によるシリケート層あるいは、親水性高分子化合物よ
りなる下塗層を設けることができる。下塗層の塗布量は
5〜150mg/m2 が好ましい。
持体上に感光性塗膜を設け、画像露光、現像して製版し
た後に、印刷機にセットし、印刷を開始する。
アルミニウム支持体は、Ti及びBを含むAl合金を添
加してなるアルミニウム溶湯を、特定のフィルタを用い
て、Ti及びBの化合物よりなる粒径10μm以下の単
一粒子もしくは凝集して実質的な粒径が10μm以上の
ものを除去した後圧延処理することで、アルミニウム板
の圧延方向に断続的に発生するTi起因のスジ状欠陥の
発生を防止することができる。
する。 実施例−1、2及び比較例−1、2 図1に示す連続鋳造圧延装置を用いて、次のように、ア
ルミニウム板を連続鋳造圧延した。
0.05%、Cu: 0.01%、残りAl と不可避不純物からなる
Al溶湯を調整し、790℃になるように保持した。溶
解保持炉1を傾けて樋2aにAl溶湯を注ぐ。この際A
l−Ti(5%)−B(1%)の合金ワイヤを微細化剤
として10の位置から溶湯に供給し溶解させる。合金ワ
イヤを溶解させた溶湯は引続きフィルタ槽14に流しこ
まれる。フィルタ槽を出た溶湯は樋2bに入り溶湯供給
ノズル3から冷却ロール4a,4bを持つ連続鋳造機に
送り、冷却ロール間で凝固・冷却しながら厚さ7.0m
mの板を連続鋳造圧延される。その際、樋2bにおい
て、溶湯レベル計7を用いてアンプ8を介して溶解保持
炉傾動モータ9を制御することで、樋2b内の溶湯のレ
ベルを一定に保つ。
ルタ前室15に流し込まれる。尚、フィルタ槽14はヒ
ータ16によって予熱(700℃)され、溶湯がフィル
タを通過する際の凝固が防止される。フィルタ前室15
にたまった溶湯はセラミックチューブフィルタ17の外
周面から内部に浸透し、フィルタ内面の空間を経てフィ
ルタ後室18に送られる。このとき、Ti及びBの化合
物粒子がフィルタを通過(図3参照)するが、前述した
ように、特定以上の大きさの粒子複合体はフィルタ17
によりろ過される。
鋳造材は、コイラー6で巻取りつつ、カッター5を使い
適宜サンプリングさせる。引き続き、図4に示す冷間圧
延機で厚み1.5mmまで圧延し、図5に示すバッチ焼
鈍装置で480℃×10時間保持の熱処理を行ない再度
冷間圧延機で厚み0.24mmに仕上げた。このように
して仕上げたサンプルを本発明の実施例−1とした。同
様にして、フィルタとしてセラミックチューブフィルタ
ではなく、直径1.5mmのセラミック粒子を、厚さ5
0mmにわたり敷きつめたろ過装置を用いて溶湯のフィ
ルタリングを行なって作成した厚み0.24mmのサン
プルを実施例2とした。
ppiのセラミックフォームフィルタを使用して溶湯の
フィルタリングを行なって作成した厚み0.24mmの
サンプルを比較例−1とした。
み0.24mmのサンプルを比較例2とした。
2の板をアルミン酸ソーダ(Al3+10%,NaOH3
0%)液を使って60℃30秒間のエッチング処理を行
ないスジ状に見えるTi起因のスジのレベルを確認し
た。
で得たアルミニウム支持体に下記組成物を、乾燥後の塗
布重量が2.0g/m2 になる様に塗布して感光層を設
けた。
中で透明ネガティブフィルムを通して、1mの距離から
3kwのメタルハライドランプにより50秒間露光を行
なったのち、下記組成の現像液で現像しアラビアガム水
溶液でガム引きして平版印刷版とした。
順で印刷評価した。各サンプルのアルミン酸ソーダエッ
チング処理後のスジの評価、及び印刷評価結果を表1に
示す。
EM(走査型電子顕微鏡)で観察すると、巾約2〜4μ
m、厚み約0.4μmの6角形の結晶状の粒子、及び径
約1〜2μmの不定径な粒子が混在して集まっているこ
とがわかった。各々の粒子を電子プローブマイクロアナ
ライザ(略称:EPMA,日本電子製 JXA−880
0M)を使用して加速電圧20kv、平均電流1.0×
10-7Aの条件で複数回マッピング分析する方法で分析
すると、いずれの粒子もTi及びBからなる化合物であ
ることを確認した。
溶湯から粒径10μm以上の大径粒子並びに粒径10μ
m以下の微粒子が複数個一体となった凝集物をろ過して
除去することにより、結晶粒微細化の核となるTi、B
の微細な粒子のみを単独で供給する一方、スジ状欠陥の
原因となるTi、B粒子の凝集物を防ぐことが出来るの
で、アルミニウムの微細結晶が均一に分散するととも
に、スジ状欠陥の発生も防止できる。そのため、従来の
ものに比べ、極めて商品価値の高い平版印刷版用アルミ
ニウム支持体を製造することが可能となり、同時にこれ
を用いた平版印刷版は印刷性能が優れたものとなる。
される双ロール連続鋳造圧延装置の側面図である。
した拡大断面図である。
る。
される冷間圧延工程の概略側面図である。
される熱処理工程(バッチ焼鈍装置)の概略側面図であ
る。
される矯正工程の概略側面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 アルミニウム溶湯にTi及びBを含むア
ルミニウム合金を添加し、一対の冷却ロールで直接厚さ
10mm以下の鋳造板を連続鋳造圧延し、該鋳造板に冷
間圧延と熱処理のいずれかまたは両方を行って、厚さ
0.1〜0.5mmのアルミニウム合金板とし、次いで
矯正及び粗面化して平版印刷版用アルミニウム支持体を
製造する方法において、 Ti及びBを含むアルミニウム合金を添加してなるアル
ミニウム溶湯を、Ti及びBを含む合金中に存在するT
i及びBの化合物よりなる粒径10μm以上の単一粒
子、もしくは該化合物が複数個集合してなる粒径10μ
m以上の凝集物の通過を阻止するろ材を用いてろ過した
後、連続鋳造圧延を行うことを特徴とする平版印刷版用
支持体の製造方法。 - 【請求項2】 前記ろ材として、直径5mm以下の耐熱
性を有する粒子の集合体からなるフィルタを用いること
を特徴とする請求項1に記載の平版印刷版用支持体の製
造方法。 - 【請求項3】 前記フィルタが、直径0.5〜2.0m
mの耐熱性を有する粒子を焼結してなるセラミックチュ
ーブフイルタであることを特徴とする請求項2に記載の
平版印刷版用支持体の製造方法。 - 【請求項4】 アルミニウム溶湯にTi及びBを含むア
ルミニウム合金を添加し、一対の冷却ロールで直接厚さ
10mm以下の鋳造板を連続鋳造圧延し、該鋳造板に冷
間圧延と熱処理のいずれかまたは両方を行って、厚さ
0.1〜0.5mmのアルミニウム合金板とし、次いで
矯正及び粗面化して平版印刷版用アルミニウム支持体を
製造する製造装置において、 Ti及びBを含むアルミニウム合金を添加してなるアル
ミニウム溶湯を溜めるとともに、該溶湯をろ過するフィ
ルタ槽を具備し、該フィルタ槽に設けたフィルタが粒径
10μm以上の凝集物の通過を阻止するように構成さ
れ、該フィルタによりろ過された溶湯を連続鋳造圧延す
ることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造装置。 - 【請求項5】 前記ろ材が、直径5mm以下の耐熱性を
有する粒子の集合体からなるフィルタであることを特徴
とする請求項4に記載の平版印刷版用支持体の製造装
置。 - 【請求項6】 前記フィルタが、直径0.5〜2.0m
mの耐熱性を有する粒子を焼結してなるセラミックチュ
ーブフイルタであることを特徴とする請求項5に記載の
平版印刷版用支持体の製造装置。 - 【請求項7】 前記フィルタ槽を加熱する手段を具備し
たことを特徴とする請求項4に記載の平版印刷版用支持
体の製造装置。
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