JP3582819B2 - Ps版支持体用アルミニウム合金溶湯圧延板の製造方法およびps版支持体用アルミニウム合金溶湯圧延板 - Google Patents

Ps版支持体用アルミニウム合金溶湯圧延板の製造方法およびps版支持体用アルミニウム合金溶湯圧延板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はオフセット印刷もしくは平版印刷の印刷版、すなわちPS版に使用されるアルミニウム合金支持体向けの溶湯圧延板を製造する方法に関するものであり、特に電気化学的粗面化処理および陽極酸化処理を施した場合でも表面外観品質が良好なPS版を得ることができる溶湯圧延板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にオフセット印刷版や平版印刷版としては、アルミニウム合金板からなる支持体の表面に粗面化処理(グレイニング処理)を施した後、必要に応じて陽極酸化処理などの表面処理を施し、さらに感光性塗料を塗布、乾燥させて所謂PS版としたものが知られており、これを実際に印刷に使用するにあたっては、PS版上に画像露光、現像、ガム引き等の製版処理を施すのが通常である。このような製版処理の過程において、現像処理により未溶解で残留した感光層は画像部を形成し、一方感光層が除去されてその下のアルミニウム表面が露出した部分は、親水性のため水受容部となって非画像部を形成する。
【0003】
ところでこのようなPS版用アルミニウム合金支持体としては、一般に印刷版支持体として充分な強度を有すること、また印刷精度を損なわない寸法精度と平面性を有すること、粗面化処理において均一な粗面を容易に形成できること、さらに商品として表面外観が美麗であることなどが求められる。そしてこのようなPS版用支持体のアルミニウム合金板としては、従来はJIS A1050,JSI A1100,JIS A3003等からなる板厚0.1〜0.5mm程度のアルミニウム合金圧延板が使用されている。またこのようなアルミニウム合金圧延板に対する粗面化処理としては、機械的方法、化学的方法、電気化学的方法のうちいずれか1種、または2種以上の組合わせが考えられているが、一般には電気化学的粗面化処理(電解エッチング)が適用されることが多く、また粗面化処理後には陽極酸化処理を施すのが通常である。
【0004】
ここで、電解エッチング等のエッチングが施されるアルミニウム合金板の表面の組織が不均一であれば、エッチングを施した板の表面にストリークと称される筋状の外観欠陥が生じることがあるから、表面外観品質が良好なPS版用アルミニウム合金支持体を得るためには、表面組織が均一に微細となっていることが必要である。またもちろん電気化学的粗面化処理によって容易に均一な粗面が得られること、すなわち粗面化処理性(グレイニング処理性)が良好であることも必要である。このような厳しい要求を満たすため、従来のPS版用のアルミニウム合金支持体の製造方法としては、アルミニウム合金溶湯をDC鋳造法(半連続鋳造法)によって厚みが400〜700mm程度のスラブに鋳造し、得られたスラブ鋳塊に均質化処理を施した後、面削し、さらに加熱処理を行なってから熱間圧延し、その後冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延を施して所要の板厚に仕上げるのが通常であった。
【0005】
ところで一般にアルミニウム合金板の製造方法としては、前述のようにアルミニウム合金溶湯を400〜700mm程度の厚みのスラブにDC鋳造してから熱間圧延、冷間圧延等の工程を経て所要の板厚に仕上げる方法のほか、溶湯から数ミリ程度の厚みに直接溶湯圧延する方法が知られている。この溶湯圧延法は、連続鋳造圧延法とも称されているが、このような溶湯圧延法を適用すれば、DC鋳造を行なってスラブを圧延する方法の場合とは異なり、面削工程や均質化処理工程、熱間圧延前の加熱処理工程、熱間圧延工程等を省くことができるため、製造コストを格段に引下げることができる。そこで最近では、PS版用アルミニウム合金支持体の製造にあたっても、その製造コストを安価にするため、溶湯圧延法を適用することが考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
PS版用アルミニウム合金支持体の製造に溶湯圧延法を適用した場合のメリットとしては、前述の如く製造コストが低コスト化されることのほか、急速凝固によってFe固溶量の多い板を製造できることが挙げられる。Fe固溶量が増加すれば、冷間圧延における加工硬化量が大きくなるため、強度を高めることが可能となるが、一般にPS版支持体の強度を高めれば、輪転機の高速化など、取り扱いやすさを向上させることができる。またFe固溶量が増加すれば、焼鈍軟化が遅れるため、耐刷性向上のために通常適用されているバーニング処理(200〜300℃での短時間加熱処理)における強度低下が小さくなり、腰の強い印刷版を得ることが可能となる。
【0007】
一方、PS版用アルミニウム合金支持体の製造に溶湯圧延法を適用した場合には、次のような問題が生じることが本発明者等の実験により判明した。すなわち、先ず第1には、鋳造方向もしくは圧延方向に対して直角な方向に周期的なむら、すなわち所謂リップル模様が生じる場合があることであり、また第2には、形状精度が不安定となりやすいことであり、さらに第3には、電気化学的粗面化処理および陽極酸化処理を施した時に、表面に細長い黒スジ状の模様、すなわち所謂黒スジ欠陥が生じやすいことである。
【0008】
これらの問題点のうち、先ず第1のリップル模様および第2の形状精度の点については、現状ではある程度解決することが可能である。すなわち、リップル模様の発生原因としては、溶湯圧延法の主流となっている双ロール方式の溶湯圧延法の場合は、ロールへの溶湯接触位置の周期的変動が考えらるが、このような双ロール方式の溶湯圧延の場合は、ノズル位置、ノズル形状、湯溜め部を低ヘッドに保持しての安定した溶湯供給を図るとともに、鋳込み速度、鋳込み温度等の鋳込み条件を適切に設定することによって、リップル模様をある程度軽減することが可能であり、そのため最終板厚まで圧延した段階では、溶湯圧延板で生じていたリップル模様がほとんど問題ならない程度とすることができる。また形状精度についても、近年の連続鋳造圧延機の改良に伴なって、板幅1500mm以上の広幅材でも板クラウン率が1.5〜0.5%程度に過ぎない溶湯圧延板を製造し得るようになっており、その場合は実用上ほとんど問題とならない。
【0009】
一方、第3の問題点である黒スジ欠陥については、その黒スジ欠陥が電気化学的粗面化処理や陽極酸化処理を経て初めて出現するため、その発生原因を明確に把握することが困難であり、それに伴なって適切な対策を施すのが困難であって、現状でも未だ解決され得ない重要な問題となっている。
【0010】
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、溶湯圧延法を適用してPS版用アルミニウム合金支持体を製造するにあたって、電気化学的粗面化処理、陽極酸化処理を施した後の表面に黒スジ欠陥が生じることを確実に防止できるとともに、そのほかのストリーク等の外観表面欠陥が生じないような表面外観品質が優れたPS版用アルミニウム合金支持体を得ることができ、またそのほかのPS版用アルミニウム合金支持体に要求される特性をも充分に満たし得るPS版支持体向けのアルミニウム合金溶湯圧延板を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明者等は溶湯圧延法を適用してPS版支持体用アルミニウム合金板を製造した場合の黒スジ欠陥の発生状況、発生原因について鋭意実験・検討を重ねたところ、次のような新規な知見を得た。
【0012】
黒スジ欠陥は、既に述べたように電気化学的粗面化処理に続いて陽極酸化処理を施したときに、全体的に光沢のない灰明色のPS版表面に長さ1〜2mm、幅0.1〜0.2mm程度の黒スジとして現れるものであるが、このような黒スジ欠陥について本発明者等がSEM(走査型電子顕微鏡)による観察を行なったところ、黒スジ部分は、正常な部位と比較してエッチングが深くて平坦な部分が少なく、それに加えて直径が数μmの粒子が分散していることが判明した。さらにEPMA(電子プローブ解析)による調査を行なった結果、これらの粒子は主にTiとBから構成されていること、したがってTi−B系化合物(主としてTiB )からなるものであることが判明した。
【0013】
ところで一般にアルミニウム合金のDC鋳造においては、Ti、Bを鋳塊結晶粒微細化のために添加することが多く、PS版用アルミニウム合金支持体製造のためのDC鋳造の場合にも、Al−Ti−B母合金を用いてTiを0.01%〜0.50%程度、Bを0.0008%〜0.02%程度添加するのが通常である。一方、溶湯圧延法を適用してPS版アルミニウム合金支持体を製造する場合も、通常はDC鋳造法を適用した場合と同程度のTi、Bを結晶粒微細化剤として添加することが考えられ、実際本発明者等の実験でもDC鋳造の場合と同程度のTi、Bを添加して溶湯圧延を行なっていた。
【0014】
このような事実および前述の調査結果から、溶湯圧延法を適用してPS版用支持体を製造した場合の黒スジ欠陥の発生原因は次のように考えられる。すなわち、結晶粒微細化剤としてのTi、Bの添加量が不適切であったり、溶湯の濾過が不充分であってTi−B系化合物の凝集物が溶湯圧延板中に鋳込まれ、その後の冷間圧延工程でTi−B系化合物凝集物が破砕されて圧延方向に沿って粒子が分散し、そのTi−B粒子が圧延方向に沿ってスジ状に分散した部位が、電解エッチング時に通常の部位と異なるエッチング特性を示す結果、黒スジ状の欠陥となると推測される。
【0015】
したがって黒スジ欠陥自体の解消のためには、結晶粒微細化剤として添加するTi、Bの量を減らすことによって、Ti−B系化合物粒子の凝集を防止すれば良いと考えられる。しかしながら、不用意に結晶粒微細化剤としてのTi、Bの添加量を減らせば、結晶粒が粗大化して、前述のようなストリークが発生してしまうおそれがある。
【0016】
一方黒スジ欠陥を解消するための別の方法としては、溶湯圧延板の板厚を大きくし、その後の冷間圧延における圧下率を高めることが考えられる。このように溶湯圧延板に対する冷間圧延での圧下率を高めれば、粒大に凝集した粒子を微細に破砕して、エッチングむらが目立たないレベルの粒子分散を達成して、黒スジ欠陥の発生をある程度軽減できると考えられる。実際、DC鋳造法により得られた厚いスラブを圧延して製造したアルミニウム合金板の場合に、溶湯圧延法を適用して得られたアルミニウム合金板ほど黒スジが問題とならないのは、熱間圧延および冷間圧延での圧下率が大きく、そのため粗大な粒子も充分に微細化されて分散されるためと考えられる。しかしながら溶湯圧延法の場合、溶湯圧延板の厚みを大きくしようとすれば、生産コストが嵩み、溶湯圧延後の利点を損なってしまい、したがってこのように溶湯圧延板の厚みを大きくすることにより黒スジ欠陥を解消しようとする対策は実用的ではない。
【0017】
以上のような事情から、本発明者等がTi、Bの添加量を抑えることによって黒スジ欠陥を解消する方向でさらに実験・検討を重ねた結果、溶湯圧延法を適用してPS版用アルミニウム合金支持体を製造するにあたって、Ti、B量を適切に規制し、また双ロール方式による溶湯圧延時における凝固開始位置を適切に制御することにより、溶湯圧延上りの状態での再結晶組織状況を適切に規制することにより、ストリークの発生を招くことなく、黒スジ欠陥の発生を確実かつ安定して防止し得ることを見出し、この発明をなすに至ったのである。
【0018】
具体的には、請求項1の発明のPS版支持体用アルミニウム合金溶湯圧延板の製造方法は、Fe0.05〜1.0%、Cu0.002〜0.03%、Si0.25%以下、Ti0.01%以下を含有し、かつBを不純物として0.0001%未満に規制し、残部がAlおよびその他の不可避的不純物よりなるアルミニウム合金溶湯を用い、双ロール方式により一対の溶湯圧延用ロール間でアルミニウム合金溶湯に圧下を加えつつ凝固させて、2mm以上10mm以下の厚みに溶湯圧延するにあたり、板厚方向の中央部分の凝固が開始される位置が、一対の溶湯圧延ロールの中心間を結ぶ直線よりも溶湯供給側に位置するように溶湯圧延することによって、溶湯圧延上りの状態で少なくとも表面を再結晶させて、表面の板幅方向の平均結晶粒が200μm以下の溶湯圧延板を得ることを特徴とするものである。
【0021】
また請求項2の発明のPS版支持体用アルミニウム合金溶湯圧延板は、請求項1に記載の方法によって得られたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
先ずこの発明の溶湯圧延板における合金成分組成の限定理由を説明する。
【0023】
Fe:
Fe量が0.05%未満では表面処理性が劣り、機械的特性も不足する。一方Fe量が1.0%を越えれば、インク汚れ性が劣化し、粗面化処理後の色調が黒味を帯び過ぎて好ましくない。したがってFe量は0.05〜1.0%の範囲内とした。
【0024】
Si:
Siが0.25%を越えて含有されれば粗面化処理後の色調が黒味を帯び過ぎ、また電気化学的粗面化処理後の粗面の均一性が悪くなるとともにインク汚れ性も低下する。したがってSi量は、0.25%以下に規制することとした。
【0025】
Cu:
Cuは表面処理性を改善するために添加されるが、Cu量が0.002%未満ではその効果が充分に得られず、一方0.03%を越えて含有されればインク汚れ性が低下する。したがってCu量は0.002〜0.03%の範囲内とした。
【0026】
Ti:
Tiは鋳塊の結晶粒を均一微細化するために効果的な元素であるが、Bとともに添加された場合にはTi−B系化合物を生成し、黒スジ欠陥の発生を招くおそれのある元素である。ここで、後述するようにストリークの発生を防止するためには、溶湯圧延上りの状態で表面の結晶粒の板幅方向の平均結晶粒径が200μm以下となるように調整する必要があるが、この発明の方法では、溶湯圧延上りの状態で少なくとも表面が再結晶状態となるように溶湯圧延を制御しているため、結晶粒微細化剤としてのTiは積極的に添加しなくても良いが、その場合でもより確実に表面の板幅方向平均結晶粒径200μm以下を達成して、黒スジ欠陥発生をより確実に防止するため、0.10%以下のTiを添加することは許容される。
【0027】
B:
BはTiとともに添加することによって、鋳塊の結晶粒を均一微細化するために効果的な元素であるが、Tiとともに添加された場合にはTi−B系化合物を生成し、黒スジ欠陥の発生を招くおそれが強い元素である。ここで、この発明の方法の場合、溶湯圧延上りの状態で少なくとも表面が再結晶状態となるように溶湯圧延を制御しているため、結晶粒微細化剤としてのBの添加は不要であり、したがって黒スジ欠陥発生を確実に防止するため、Bは不純物として0.0001%未満に規制することとした。
【0028】
以上の各元素のほかは、基本的にはAlおよび不可避的不純物とすれば良い。なお不純物としては、JIS 1050相当の不純物量(Mn0.05%以下、Mg0.05%以下、Zn0.05%以下、その他合計で0.05%以下)程度であれば、PS版支持体用アルミニウム合金としてその特性を損なうことはない。
【0029】
次にこの発明のPS版支持体用アルミニウム合金溶湯圧延板の製造プロセスについて説明する。
【0030】
先ず前述のような成分組成の合金を一般的な手法により溶製する。得られた溶湯は直ちに溶湯圧延に供しても良いが、通常はフィルタにより溶湯濾過を行なってから溶湯圧延に供することが望ましい。溶湯濾過は、Ti系化合物の粗大凝集物を除去して、黒スジ欠陥の発生を防止するとともに、その他の介在物を除去して、介在物による表面外観不良の発生を防止するために有効であり、そのためには30〜40ppi程度のメッシュのフィルタを用いて溶湯濾過を行なうことが望ましい。なお結晶粒微細化剤としてAl−Ti母合金を溶湯に添加する場合、その添加は濾過の前に行なうことが望ましいが、介在物の少ない結晶粒微細化剤を用いる場合や、結晶粒微細化剤の添加量が少ない場合には、濾過後に結晶粒微細化剤を添加しても良い。
【0031】
溶湯圧延を行なうための連続鋳造圧延機としては、双ロール方式、片ロール方式、キャタピラ方式等種々のものがあるが、最も一般的なものは双ロール方式の連続鋳造圧延機であり、この発明の場合も双ロール方式の連続鋳造圧延機を用いる。双ロール方式の連続鋳造圧延機は、ノズルを介して一対の冷却ロール(通常は水冷ロール)の間にアルミニウム合金溶湯を流入させ、その冷却ロールによって溶湯を冷却して凝固させると同時に、一対の冷却ロールによって圧下を加えて、溶湯圧延を行なうものである。また双ロール方式の発展形式として、前述の一対の冷却ロールの前方にさらに一対以上の圧延ロールを設けておいて、冷却ロールから出た板を圧延ロールにより直ちに圧延する方式、すなわちタンデム方式により溶湯圧延を行なう連続鋳造圧延機もあり、このようなタンデム方式も適用できることはもちろんである。なおここで、一対の冷却ロール間へ溶湯を供給するためのノズルとしては、カーボン、窒化ホウ素などの離型材を塗布した耐火材を使用するのが通常であり、また溶湯圧延時には冷却ロールの表面にグラファイトを含む液を潤滑材として吹付けるのが通常である。
【0032】
溶湯圧延を行なうにあたってのアルミニウム合金溶湯温度(鋳込み温度)は、連続鋳造圧延機の種類や溶湯圧延条件等によっても異なるが、通常は680〜730℃程度が好ましい。またこの溶湯圧延は、溶湯圧延後の上り板厚が2mm〜10mmの範囲内となるように行なう必要がある。上り板厚が2mm未満では、表面性状が良好でかつ反りや曲がり等のないプロフィールの良好な板を得ることが困難となる。一方上り板厚が10mmを越えれば板をコイルに巻取ることが困難となり、また板厚が増大すれば最終的にPS版用支持体の板に仕上げるための冷間圧延の圧延パス数を増加させる必要が生じ、低コストという溶湯圧延法の利点が薄められてしまう。
【0033】
さらにこの発明では、溶湯圧延上りの板の表面における結晶粒の板幅方向の平均結晶粒径を200μm以下に制御することが必要である。溶湯圧延上りの板の表面の結晶粒の板幅方向の平均結晶粒径が200μmを越えれば、その後の冷間圧延中途での中間焼鈍による再結晶粒が微細となっても、もとの母結晶粒の影響によって母結晶粒と方位が近い再結晶粒が形成され、そのため電気化学的粗面化処理(電解エッチング)によって母結晶粒に近い形状、寸法で同じようにエッチングがなされ、その結果母結晶粒相当のサイズで外観上筋状に見える表面外観不良、すなわちストリークが生じてしまうおそれがある。したがって溶湯圧延上りの状態で板幅方向の平均結晶粒径を200μm以下とする必要がある。なおここで溶湯圧延上りの状態とは、前述のようなタンデム式の連続鋳造圧延機を用いた場合には、最終段の圧延ロールを出た後の状態を称していることはもちろんである。
【0035】
ここで、凝固時の結晶粒径が200μmを越えていても、溶湯圧延時の圧下による歪と熱により、溶湯圧延板の少なくとも表面を再結晶させることによって、溶湯圧延上りの状態で表面の結晶粒の板幅方向の平均結晶粒径200μm以下を達成することが可能である。ここで、図1に示すように1対の冷却ロール1A,1B間に溶湯3を連続的に供給してその冷却ロール1A,1Bからの冷熱により溶湯3を凝固させると同時に冷却ロール1A,1Bにより圧下を加えて溶湯圧延板5を得る双ロール方式の連続鋳造圧延機を用い、溶湯圧延上りで少なくとも表面を再結晶させるためには、板厚中心部の凝固が開始されるポイント7が冷却ロール1A,1Bの中心間を結ぶ直線9よりも溶湯供給側となるように設定すれば良く、このようにすれば中心部まで凝固を開始した溶湯圧延板5に冷却ロール1A,1B間で歪が加わって、その歪と残留熱とによって再結晶を開始させ、少なくとも表面が微細に再結晶して表面の板幅方向平均結晶粒径が200μm以下の溶湯圧延板を得ることが可能となる。またタンデム方式の連続鋳造圧延機を使用する場合には、最初の冷却ロール間で溶湯が板厚方向中心部まで凝固を開始していなくても、後段の圧延ロールに達するまでの間に中心部までの凝固を開始させておけば、後段の圧延ロールにより加えられる歪と残留熱とによって少なくとも表面を再結晶させ、板幅方向平均結晶粒径200μm以下の溶湯圧延板を得ることが可能となる。
【0036】
以上のようにして得られた溶湯圧延板をPS版用支持体として必要な板厚、強度(調質度)まで仕上げるためには、溶湯圧延版に対しさらに冷間圧延を行なって中間板厚とし、その中間板厚で再結晶のために中間焼鈍を行ない、その後最終冷間圧延を行なって、板厚0.1〜0.5mm程度、調質度H16〜H18程度に仕上げるのが一般的である。ここで、中間焼鈍はバッチ式焼鈍炉、連続焼鈍炉(CAL)のいずれで行なっても良いが、再結晶粒をより微細にするためには、連続焼鈍炉を用いることが望ましい。このように連続焼鈍で中間焼鈍を施す場合、450〜550℃に加熱して保持なしもしくは5分以下の保持とすることが好ましい。なお場合によっては、溶湯圧延板に対して直ちに再結晶のための焼鈍を施し、その後、最終板厚まで冷間圧延しても良い。
【0037】
最終冷間圧延後は、トリミングやレベリングを行ない、PS版用支持体として要求される寸法、形状、強度に仕上げれば良い。
【0038】
上述のようにして得られたPS版支持体用アルミニウム合金板をPS版支持体とするためには、さらに粗面化処理(グレイニング処理)、陽極酸化処理を行なう。
【0039】
粗面化処理としては、一般に機械的粗面化処理、化学的粗面化処理(化学エッチング)、電気化学的粗面化処理(電解エッチング)が知られているが、この発明の場合、電解エッチングを適用することが望ましく、またこの発明では主として電解エッチングおよび陽極酸化処理を施した場合に生じがちな黒スジ欠陥の発生の防止を大きな目的としているから、その意味からも電解エッチングを適用することが適当である。ここで、電解エッチングとしては、2〜40g/lの塩酸を含有する水溶液または硝酸を2〜40g/l含有する水溶液中で20〜70℃の温度で電解処理する方法が一般的であり、この場合電解液中にこれらの酸のアルミニウム塩や無機酸、アミン、カルボン酸などを含有させてもよい。この電解エッチングに用いる電流波形は、商用交流、正弦波交流、矩形波、台形波などが用いられ、また電流密度は10〜100A/mm の範囲内が好ましい。電解エッチングによる粗面形状は電解液組成、温度、電流密度、電解波形、電気量、電解液流速などの諸条件を制御することによって調整でき、したがってこれらの諸条件を適切にコントロールすることにより、所望の印刷特性を容易に得ることができるが、一般には粗面の平均粗さ0.3〜1.0μm、ピット径0.1〜10μmを目標とすることが好ましい。
【0040】
なお電解エッチングとその他の粗面化処理方法(例えば機械的粗面化処理や化学的粗面化処理)とを組合せても良いことはもちろんである。
【0041】
上述のようにして粗面化処理を施した後には、通常は板をアルカリ溶液に浸漬させてデスマット処理を行ない、その後に陽極酸化処理を施すことが望ましい。
【0042】
陽極酸化処理は、周知の方法によって行なえば良く、一般には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸、アミドスルホン酸などにアルミニウム塩を含有させた電解液中で、直流、交流、交直重畳電流、直流パルスなどを用いて、陽極酸化皮膜重量が0.1〜10.0g/m となるように行なえば良い。具体的な陽極酸化処理条件は電解液等によって異なるが、一般には電解液濃度1〜80mass%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm 、電圧1〜100V、電解時間1秒〜5分で行なうことが好ましい。
【0043】
以上のようにして得られたPS版支持体用アルミニウム合金板をPS版に仕上げるにあたっては、常法に従って感光層、または中間層と感光層を塗布して乾燥させれば良い。
【0044】
【実施例】
以下にこの発明の実施例を示す。
【0045】
表1に示す成分組成の各アルミニウム合金A〜Cについて、双ロール方式の連続鋳造圧延機を用いて溶湯圧延を行ない、板厚6mmの溶湯圧延板を製造した。ここで、結晶粒微細化剤としてはAl−5%Ti合金を使用し、添加後にフィルタにより溶湯を濾過してから溶湯圧延に供した。なおBは積極添加しなかった。また溶湯圧延においては、表2の製造方法No.1、No.2に示すように、板厚中心部の凝固開始位置が冷却ロールの中心間を結ぶ直線に対し15mmだけ溶湯供給側、もしくは凝固側に位置するように制御した。
【0046】
溶湯圧延後、各溶湯圧延板の表面の組織観察より結晶粒の板幅方向の平均粒径を調査したので、その結果を表3に示す。なおこの調査は、溶湯圧延板の表面を研磨し、パーカー氏液でエッチングした後、結晶粒を偏光顕微鏡で観察し、切断法により板幅方向の結晶粒の平均寸法を求め、その結果を表3中に示した。
【0047】
さらに、上述のようにして得られた溶湯圧延板について、厚さ1.0mmまで冷間圧延し、次いで連続焼鈍炉で500℃×0secの焼鈍を行なった。続いて厚さ0.30mmまで最終冷間圧延した。得られた各圧延板について、先ず機械的粗面化処理として、バミンストン/水25mass%の懸濁液中において回転ナイロンブラシを用いて表面粗さが0.6μmになるようにブラシグレイニング処理を施した。次いで表面を10%苛性ソーダ水溶液中で50℃×1分間予備エッチングし、続いて1%硝酸水溶液中で20A/mm の電流密度で10秒間の電解エッチング(電気化学的粗面化処理)を施した。引き続き、5%苛性ソーダ中で35℃×10秒間のデスマット処理を行なった後、30%硫酸中で50℃×20秒間中和処理した。さらにその表面に15%硫酸水溶液を用いて陽極酸化処理を施し、厚さ約0.7μmの陽極酸化皮膜を生成させた。
【0048】
上述のようにして陽極酸化処理が施された状態の板表面の外観を観察し、ストリークおよび黒スジ欠陥の発生状況を調べたので、その結果を表4に示す。
【0049】
ここで、ストリークについては、目視で判断して、表面の筋目の強いものを×、筋目が弱く目立たないものを○とした。また黒スジ欠陥についても、目視で判断して、黒スジがないものを○、あるものを×とした。
【0057】
【表1】
Figure 0003582819
【0058】
【表2】
Figure 0003582819
【0059】
【表3】
Figure 0003582819
【0060】
【表4】
Figure 0003582819
【0061】
表1〜表4において、この発明で規定する成分組成範囲内の合金A,Bを用い、溶湯圧延において製造方法No.1を適用した本発明例の場合には、溶湯圧延上りの状態で表面が再結晶した状態となり、溶湯圧延板における板幅方向の平均結晶粒径200μm以下の条件を満たすことができ、これらの例ではいずれも黒スジ欠陥およびストリークの発生を防止することができた。一方、この発明で規定する成分組成範囲内の合金A,Bを用いたが、溶湯圧延において製造方法No.2を適用した比較例の場合、溶湯圧延上りの状態で再結晶が生じず、溶湯圧延板における板幅方向の平均結晶粒径が200μmを大幅に越えてしまい、これらの例では、黒スジ欠陥の発生は防止できたが、ストリークが発生してしまった。さらに合金CはTi量、B量が過剰な比較合金であるが、この場合は溶湯圧延において製造方法No.1を適用することによって、溶湯圧延上りで再結晶させて表面の板幅方向の平均結晶粒径を200μm以下としてストリークの発生を防止できたが、黒スジ欠陥が生じてしまった。
【0062】
【発明の効果】
この発明のPS版支持体用アルミニウム合金溶湯圧延板の製造方法によれば、陽極酸化処理後に黒スジ欠陥およびストリークのない表面外観品質の優れたPS版を得ることが可能となり、そのため生産性が高くかつ製造コストの低い溶湯圧延法を実際にPS版支持体用アルミニウム合金板の製造に適用して、良品質なPS版を低コストで得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を、双ロール方式の連続鋳造圧延機を用いて実施するにあたっての溶湯圧延時の状況を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1A,1B 冷却ロール
3 溶湯
5 溶湯圧延板

Claims (2)

  1. Fe0.05〜1.0%(質量%、以下同じ)、Cu0.002〜0.03%、Si0.25%以下、Ti0.01%以下を含有し、かつBを不純物として0.0001%未満に規制し、残部がAlおよびその他の不可避的不純物よりなるアルミニウム合金溶湯を用い、双ロール方式により一対の溶湯圧延用ロール間でアルミニウム合金溶湯に圧下を加えつつ凝固させて、2mm以上10mm以下の厚みに溶湯圧延するにあたり、板厚方向の中央部分の凝固が開始される位置が、一対の溶湯圧延ロールの中心間を結ぶ直線よりも溶湯供給側に位置するように溶湯圧延することによって、溶湯圧延上りの状態で少なくとも表面を再結晶させて、表面の板幅方向の平均結晶粒が200μm以下の溶湯圧延板を得ることを特徴とする、PS版支持体用アルミニウム合金溶湯圧延板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法によって得られたPS版支持体用アルミニウム合金溶湯圧延板。
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