JPH1052135A - 苗植付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】簡単な構造で所定の植付け条に対する縦送りの
作動、又は作動禁止の切換を行なうことのできる苗植付
装置を提供する。 【解決手段】下方に位置する駆動プーリ１３とこの駆動
プーリ１３より上方に位置する遊転プーリ１４とにわた
ってベルト１５を巻き掛けて構成されるベルト式苗縦送
り装置８を、複数の植付け条に対応して左右に複数個並
設する状態で苗のせ台３に設けた苗植付装置において、
前記遊転プーリ１４を前記駆動プーリ１３に対して遠近
移動自在に支持するベルト張り部材２７を設け、このベ
ルト張り部材２７の位置変更によって一部の植付け条の
前記ベルト式苗縦送り装置８を各別に作動及び停止可能
に構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば田植機や藺
草移植機等の苗植付装置に関し、詳しくは、下方に位置
する駆動プーリとこの駆動プーリより上方に位置する遊
転プーリとにわたってベルトを巻き掛けて構成されるベ
ルト式苗縦送り装置を、左右に複数個並設する状態で苗
のせ台に設けた苗植付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の苗植付装置にあっては、
植付け条に対応して植付機構の駆動及び停止を司る畦際
クラッチを備えて、任意の植付機構のみ駆動できるよう
にしたものが知られていたが、ベルト式苗縦送り装置に
おいては、対応する植付機構の駆動及び停止にかかわら
ず、植付作業時には縦送り駆動がなされるように構成さ
れていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、畦際で植付可
能な条数より少ない条数で苗植付作業をする場合には、
植付を行わない条においてはベルト式苗縦送り装置で苗
が縦送りされないよう、苗送りを規制するゲート部材等
を作動させるようにしていた。このため、ゲート部材等
を設けることにより、構造的に複雑なものとなるととも
に、作業者がそのゲートを作動させるのを忘れる虞れも
ある等の不具合があった。

【０００４】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、簡易な構造で所定の植付け条に対する縦送り
の作動又は作動禁止の切換を行うことのできる苗植付装
置の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

（構成） 本発明の請求項１にかかる苗植付装置は、下
方に位置する駆動プーリとこの駆動プーリより上方に位
置する遊転プーリとにわたってベルトを巻き掛けて構成
されるベルト式苗縦送り装置を、複数の植付け条に対応
して左右に複数個並設する状態で苗のせ台に設けた苗植
付装置であって、前記遊転プーリを前記駆動プーリに対
して遠近移動自在に支持するベルト張り部材を設け、こ
のベルト張り部材の位置変更によって一部の植付け条の
前記ベルト式苗縦送り装置を各別に作動及び停止可能に
構成してあることを特徴構成とする。

【０００６】（作用） 本発明の請求項１にかかる構成
によれば、各ベルト式苗縦送り装置毎に、ベルト張り部
材を適宜位置変更することによって、遊転プーリをベル
トを張るように位置させる状態と、ベルトを緩めるよう
に位置させる状態とに切り換えることができ、植付しな
い条に対応してベルトを緩めるようにしておけば、駆動
プーリに対してベルトがスリップするようにできるの
で、苗の縦送りがそのベルト式苗縦送り装置に対応する
条においてなされないようにできる。

【０００７】（効果） 従って、本発明の請求項１にか
かる構成によれば、植付を行わない条に対応してベルト
張り部材を適宜移動させる操作をすることで、簡易に植
付がなされない状態にできるとともに、ベルト張力を付
加するために本来的に設けられる部材を利用するもので
あるから、新たな構造の付加も余り必要でなく、構造簡
単に構成できるに至った。

【０００８】（構成） 本発明の請求項２にかかる苗植
付装置は、請求項１記載のものにおいて、左右一対の前
記ベルト式苗縦送り装置に対してこれらベルト式苗縦送
り装置を共に駆動及び共に停止可能に、前記ベルト張り
部材を構成してあることを特徴構成とする。

【０００９】（作用） 本発明の請求項２にかかる構成
によれば、左右一対のベルト式苗縦送り装置を組とし
て、ベルト張り部材を移動させることで、その両ベルト
式苗縦送り装置を駆動できる状態と駆動不能の状態とに
切換できることになる。

【００１０】（効果） 従って、本発明の請求項２にか
かる構成によれば、単に１つのベルト式苗縦送り装置毎
にベルト張り部材を設けるものでなく、左右一対のベル
ト式苗縦送り装置を組としてベルト張り部材を設けてい
るから、ベルト張り部材を位置変更させる部材や変更し
た位置で保持するための部材の部品数を少なくできる利
点がある。

【００１１】（構成） 本発明の請求項３にかかる苗植
付装置は、請求項１又は２記載のものにおいて、前記ベ
ルト張り部材の左右方向への変位を規制しながら前記遊
転プーリを前記駆動プーリに対して遠近方向で移動案内
する左右変位規制手段を設けてあることを特徴構成とす
る。

【００１２】（作用） 本発明の請求項３にかかる構成
によれば、左右変位規制手段によってベルト張り部材の
左右方向への変位が規制されて、縦送り方向に姿勢が維
持される状態でベルト張り部材が移動することになり、
よって、遊転プーリも縦送り方向に沿うよう規制されな
がら移動させることになる。

【００１３】（効果） 従って、本発明の請求項３にか
かる構成によれば、ベルト張り部材を左右方向で一定の
位置に維持でき、縦送り作動を良好に維持できる。

【００１４】（構成） 本発明の請求項４にかかる苗植
付装置は、請求項１乃至３記載のものにおいて、植付け
条に対応して植付機構の駆動及び停止を司る畦際クラッ
チを備えるとともに、前記ベルト張り部材のベルト張り
姿勢への切換と連動して、対応する植付条の前記畦際ク
ラッチを入り操作するように、前記張り部材と前記畦際
クラッチとを連係してあることを特徴構成とする。

【００１５】（作用） 本発明の請求項４にかかる構成
によれば、植付け条に対応して畦際クラッチの入り作動
が張り部材のベルト張り姿勢への切換と連動してなされ
るので、畦際クラッチを入り操作するのと張り部材をベ
ルト張り姿勢へ切り換えるのとを別々に操作しなくて良
くなるとともに、ベルト式苗縦送り装置を駆動できる状
態にしているときは必ずその対応する植付機構が植付作
動し、逆に、ベルト式苗縦送り装置を駆動不能にしてい
るときは必ずその対応する植付機構も植付作動しないも
のとなっている。

【００１６】（効果） 従って、本発明の請求項４にか
かる構成によれば、畦際クラッチを入り作動させる操作
と、ベルト張り部材をベルト張り姿勢へ切り換える操作
とを単一の操作で行えるので、それぞれを別々に行うも
のと比較して操作性が向上するとともに、植付条に対応
して確実にベルト式苗縦送り装置の作動も行える。

【００１７】（構成） 本発明の請求項５にかかる苗植
付装置は、請求項１乃至４記載のものにおいて、前記ベ
ルト式苗縦送り装置の背面側に、前記ベルトを下方から
受止め支持する弛み防止部材を設けてあることを特徴構
成とする。

【００１８】（作用） 本発明の請求項５にかかる構成
によれば、ベルト張り部材を移動させて遊転プーリを駆
動プーリ側に近接させるとベルトの背面側は下方に垂れ
るように弛みが生じる傾向にあるが、その弛みを弛み防
止部材によって受止め支持することで、ベルトの弛みを
抑制できる。

【００１９】（効果） 従って、本発明の請求項５にか
かる構成によれば、ベルトが下方に垂れるような弛みが
生じないようになっているから、弛んだベルトが他物に
引っ掛かり易くなるような不具合の発生を抑制できる。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１に、藺草移植機における苗植
付装置の一例を示している。この苗植付装置１は、図外
左方の乗用走行機体の後端部に四連リンク機構２を介し
て駆動昇降操作自在に装着されたものである。そして、
この苗植付装置１は、６条植え用に構成されているもの
であって、株分けされた藺草苗Ｆを載置して間欠的に所
定ピッチ毎に横送りされて、一定ストロークで左右に往
復横移動される後下がり傾斜姿勢の苗のせ台３、この苗
のせ台３の下端部の苗取出口４から一株分の苗を取り出
して植え付ける植付機構としての苗植付具５、この苗植
付具５等を駆動する動力を乗用走行機体がわから伝達さ
れる伝動ケースＤ、圃場の植え付け面を整地する接地フ
ロート６等を備えている。

【００２１】図３に示すように、苗のせ台３は、植付条
に対応した各苗載置部ａを６列備えた６条植え用に構成
されている。そして、苗のせ台３の左右両端の間に、そ
の内側の各苗載置部ａを仕切る仕切り壁７を苗のせ台３
に備えるとともに、各苗載置部ａには、苗のせ台３が左
右移動のストロークエンドに到達する毎に一定距離だけ
藺草苗Ｆを苗取出口４側へ送るベルト式縦送り装置８を
備えてある。図中、７０は、苗量検出用のセンサであ
る。

【００２２】苗植付具５を形成するに、一株分の苗を取
り出して植え付ける植付爪９と、植付爪９に保持された
苗を植え付け時に押し出す苗押し出し具１０を植付アー
ム１１に取り付け、植付爪９を苗取出口４内を通過する
状態で駆動回動させて苗を植え付けるように構成してい
る。そして、苗取り出し時に植付爪９より先行して苗の
せ台３上の藺草苗Ｆのうち取り出し部分の上手近くに突
入して苗分離を確実化する補助爪１２を設けている。

【００２３】図１乃至図３に示すように、前記各ベルト
式縦送り装置８は、苗取出口４近くの低い位置に位置す
る駆動プーリ１３と、ほぼ苗のせ台３の上端に近い位置
に位置する遊転プーリ１４とにわたって張設される状態
で搬送用のベルト１５を巻き掛けて構成している。すな
わち、苗のせ台３自体はフレーム材を縦横に連結した枠
体として構成されているのであり、前記各仕切り壁７を
縦方向に沿う縦フレーム材３Ａに固定し、その左右に隣
接する縦フレーム材３Ａ，３Ａに前記駆動プーリ１３並
びに遊転プーリ１４を軸支した状態で設け、駆動プーリ
１３並びに遊転プーリ１４にベルト１５を巻き掛けてい
るのである。

【００２４】そして、苗のせ台３における苗載置するが
わとは反対において、この苗のせ台３を機体側に支持す
るための支持構造を設けている。すなわち、苗のせ台３
における前記各縦フレーム材３Ａの苗載置するがわとは
反対の上部箇所にボルト締結で板金製の取付金具１６を
設け、各取付金具１６にわたって左右方向に沿ってアル
ミ引き抜き材で構成されたレール金具１７をボルトで連
結している。この取付金具１６及びレール金具１７は、
前記搬送ベルト１５をまたいで苗のせ台３の本体として
のフレーム構造に連結するブラケット１８を構成してい
る。そして、上向きに凹む左右方向に沿った案内用凹溝
１９を形成した前記レール金具１７のその案内凹溝１９
に係合する被係合部２０を備えた角パイプ材製の支持部
材２１に、前記植付用伝動ケースＤに左右一対立設した
支柱２２をボルト締結により連結している。又、苗のせ
台３の下部側箇所も詳述しないが、前記植付用伝動ケー
スＤに左右スライド自在にレール構造により支持されて
いる。

【００２５】さらに、図２及び図７に示すように、苗の
せ台３の上端部を左右に連結する横フレーム材３Ｂに、
苗のせ台３の苗載置部ａに苗群を供給するための苗群供
給箱２３を荷重を預ける状態で載置できる板材から成る
受け台部分２４をボルト締結により設けている。この受
け台部分２４は、搬送ベルト１５の上端よりも上方に位
置するものであって、その搬送ベルト１５の搬送面にほ
ぼ沿う上面を有するものである。従って、苗載置部ａに
苗群を供給する場合は、図７に示すように、苗群供給箱
２３の荷重を受け台部分２４に預ける状態にして、その
苗群供給箱２３を苗載置部ａにスライド装填した後、そ
の苗群供給箱２３の前壁２３ｆを揺動下降させて開放
し、その状態で苗群供給箱２３を後方に引き抜くことで
苗群のみ苗載置部ａ上に補給するものである。

【００２６】上記構成により、苗のせ台３を固定部とし
ての植付用伝動ケースＤに支持するための支持部材２１
のうち上位がわに配設したものよりも縦送りベルト搬送
装置８の搬送ベルト１５の搬送始端部を上位に設定する
ものであるから、この苗のせ台３において、苗載置部ａ
の範囲のほぼ全域にわたって搬送ベルト１５で苗群が縦
送り可能になっている。そのため、苗群を下方に押して
縦送りの補助を行う部材は不要となり、構造的に簡単に
なっている。

【００２７】次に、ベルト式縦送り装置８におけるベル
ト１５に張力付加する張力付加手段２５について説明す
る。図１乃至図６に示すように、左右に６個並設された
ベルト式縦送り装置８のうち、左右一対の３つをそれぞ
れ組として構成して、張力付加できるように構成してい
る。詳述すると、左右一対のベルト式縦送り装置８，８
を組として、その組に対応する遊転プーリ１４，１４同
士を単一の軸体２６に一体回転可能に、又は遊転自在に
外嵌するとともに、この軸体２６の左右の両端部及び両
遊転プーリ１４，１４間箇所は、図６に示すような軸支
金具２７に横軸芯Ｐ周りで回転可能に支持されている。
尚ここで、左右一対のベルト式縦送り装置８，８を組と
するものは左右に３組並設されることになる。そして、
前記軸体２６は、その左右の両端部及び両遊転プーリ１
４，１４間箇所において、前記各縦フレーム材３Ａにボ
ルト締結された軸案内用金具２８に形成された縦送り方
向に沿う案内用切り欠き溝２９に挿通させている。この
案内用切り欠き溝２９により、軸体２６は縦送り方向で
摺動案内自在かつこの縦送り方向と直交する方向では位
置規制されるようにしている。軸支金具２７を構成する
横棒部材２７Ａには左右一対の縦棒部材２７Ｂ，２７Ｂ
を駆動プーリ１３がわに延出する状態に設けてあり、各
縦棒部材２７Ｂ，２７Ｂの先端部にベルト１５に張力を
付加するスプリング３０の一端を係止する横向きのピン
３１を連設している。このピン３１は、縦フレーム材３
Ａにボルト締結した第２軸案内用金具３２の案内用切り
欠き溝３３に挿通させている。この案内用切り欠き溝３
３により、ピン３１は縦送り方向で摺動案内自在かつこ
の縦送り方向と直交する方向では位置規制されるように
しているものであって、前記軸案内用金具２８と第２軸
案内用金具３２とは図２に示すように同一部品を利用し
ている。さらに、軸案内用金具２８と第２軸案内用金具
３２との間に位置する状態で、前記スプリング３０の他
端を係止する横向きの第２ピン３４を前記取付金具１６
に溶接等により連結している。スプリング３０は引っ張
りバネから成るものであって、側面視において、前記ベ
ルト１５の巻き掛け領域内に位置する状態で設けてあ
る。すなわち、無端回動帯を成すベルト１５の苗に対す
る搬送作用経路とこの搬送作用経路の裏側で搬送作用経
路へ戻っていく戻り経路とに囲まれる範囲内に側面視で
スプリング３０が位置するようにしているのである。
又、軸支金具２７は、左右に不当に変位しようとしても
縦棒部材２７Ｂが第２案内用金具３２に左右方向で接当
規制されることになるため、左右一対の第２案内用金具
３２，３２間に位置する一定の姿勢に維持される。ここ
で、第２案内用金具３２は左右変位規制手段を構成して
いるとともに、軸支金具２７はベルト張り部材を構成し
ている。

【００２８】次に、遊転プーリ１４について簡単に説明
する。図４に示すように、１条分の苗載置部ａにおける
ベルト式縦送り装置８の遊転プーリ１４は、単一のプー
リ材を前記軸体２６に遊転自在に外嵌させているもので
なく、同一形状の左右一対のプーリ部材３５，３５を密
着する状態で軸体２６に遊転自在に外嵌させて構成して
いる。このように左右一対のプーリ部材３５，３５で遊
転プーリ１４を構成するのは、合成樹脂材で構成される
遊転プーリ１４を単一のプーリ部材で構成する場合、搬
送ベルト１５の左右幅が比較的大きいものであることか
ら、比較的長尺の複雑な形状のプーリ材となり、その成
型する金型が高価なものとなるとともに、成型の困難性
が高いためである。尚、図８に示すように、左右一対の
プーリ部材３５，３５の突き合わせ箇所近くのみ小径に
形成することで、その小径箇所Ｓに合わせて搬送ベルト
１５の内面側の左右幅の中央部にベルト回転方向、つま
り縦送り方向に沿って形成した突条３６を係合案内でき
るものにも構成できる。尚、駆動プーリについても左右
一対のプーリで構成する。

【００２９】次に、前記仕切り壁７について簡単に説明
する。図１に示すように、仕切り壁７はステンレス製の
板材を箱体状に板金加工して構成したものであって、そ
の上端縁を合成樹脂製のキャップ３７で閉止して、見栄
え良くしているとともに、この仕切り壁７において錆等
が発生するのを抑制している。

【００３０】次に、苗植付具５のコッタピン構造につい
て簡単に説明する。図９に示すように、前記補助爪１２
を揺動駆動するための揺動アーム３８は、各条伝動ケー
ス３９（前記伝動ケースＤ）より後方に延出され、チェ
ーン伝動機構を内装したケース）に横軸芯Ｑ周りで回動
自在に枢支している。そして、この揺動アーム３８は各
条伝動ケース３９に軸支した回動支軸４０に外嵌してい
るとともに、キー４１でこの回動支軸４０と揺動アーム
３８とを所定位相で固定している。さらに、キー４１で
は不十分な揺動アーム３８と回動支軸４０との間でのが
たつき防止を、コッタピン４２により行っている。すな
わち、前記回動支軸４０と一部交差する状態で揺動アー
ム３８に先細りのテーパーを成すピン孔４３を穿設する
とともに、このピン孔４３に先細りのテーパーを成すコ
ッタピン４２を嵌挿する。このコッタピン４２の嵌挿
は、予めピン孔４３入口箇所に溶接したナット４４のネ
ジ孔を通して行い、このナット４４に締結されるボルト
４５の螺入操作でコッタピン４２をピン孔４３に押し込
むようにしている。このボルト４５の螺入操作でコッタ
ピン４２をピン孔４３に押し込むことができるから、コ
ッタピン４２を直接ハンマー等で叩いてピン孔４３に嵌
め込むよりも狭い空間で作業でき、作業しやすいものと
なっている。

【００３１】次に、各ベルト式縦送り装置８を駆動可能
な状態と駆動不能な状態とに切り換える機構について説
明する。図４及び図５に示すように、前記軸支金具２７
と、苗のせ台３の背面部にベルト搬送面に直交する軸芯
Ｘ周りで揺動操作可能に支持される切換レバー５５と
を、この切換レバー５５の操作で、遊転プーリ１４が駆
動プーリ１３に近接するがわに変位させてベルト１５の
張力を弛緩して駆動プーリ１３の回転力がベルト１５に
伝わらない状態と、前記スプリング３０による付勢力で
ベルト１５に張り力を与えるよう遊転プーリ１４が駆動
プーリ１３から遠ざかるよう位置する状態とに切換可能
に構成している。詳述すると、切換レバー５５は、左右
一対のベルト式縦送り装置８，８の組が配設される左右
に３本並んだ前記縦フレーム材３Ａ‥のうち、後面視で
左から１本目と２本目のもの同士にわたって架設連結さ
れた架設金具５６に前記軸芯Ｘに沿った支持ピン５７を
設けるとともに、この支持ピン５７に板金加工された切
換レバー５５の長孔５８を挿通させて係合しており、こ
の長孔５８近くに設けた孔部５９を、前記軸支金具にお
ける横棒部材２７Ａの左右方向での中央箇所に突設した
第３ピン２７Ｃを遊嵌させている。そして、切換レバー
５５を案内する板金製のレバーガイド６０を前記架設金
具５６に連設しており、このレバーガイド６０によっ
て、切換レバー５５を、ベルト弛緩位置と、ベルト緊張
位置とに位置変更する案内と両位置での切換レバー５５
の保持を行えるようにしている。更に、切換レバー５５
の中間位置には、対応するベルト式縦送り装置８，８の
組に対する畦際クラッチ（前記伝動ケースＤ中における
伝動機構に介装されている対応する植付け条毎に対応し
て植付機構５の駆動及び停止を司る）を入り切り操作す
るために連係させるレリーズワイヤ６１を装着するため
のワイヤ止め用ピン６２を設けている。尚、図中、６３
は、各ベルト１５の背面がわにおいてベルト１５を弛緩
させたときに下方に垂れ下がり状にならないよう、弛緩
したベルト１５を受け止めて弛みを規制するための板金
製の弛み防止部材である。尚、この弛み防止部材は板金
製に特定されるものでなく、棒材を溶接したりして組付
けて構成しても良い。

【００３２】上記構成により、切換レバー５５をレバー
ガイド６０の下位側保持位置に位置させると、スプリン
グ３０の付勢力によって軸支金具２７が上位がわに弾性
付勢されるものとなっており、これにより、ベルト１５
の張力が駆動プーリ１３の回転力がベルト１５に伝達す
る通常状態となる。このとき、前記植付クラッチも入り
状態に操作される。一方、切換レバー５５をレバーガイ
ド６０の上位側保持位置に位置させると、スプリング３
０の付勢力に抗して軸支金具２７を下位側に変位させる
ことになり、これにより、遊転プーリ１４が駆動プーリ
１３寄りに位置することになるので、ベルト１５の張力
が弛緩する状態となり、駆動プーリ１３の回転力がスリ
ップ等によってベルト１５に伝達されないものとなる。
従って、例えば２条分の植付を停止して４条植えできる
ようにしたり、４条分の植付を停止して２条植えできる
ようにしたり、あるいは６条植えできるようにしたり切
り換えできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】藺草移植機の苗植付装置を示す縦断側面図

【図２】苗のせ台を示す縦断側面図

【図３】苗のせ台を示す後面図

【図４】苗のせ台の上部を示す一部破断正面図

【図５】苗のせ台の上部を示す縦断正面図

【図６】張り金具を示す一部破断正面図

【図７】苗群供給箱と苗のせ台上部を示す斜視図

【図８】別の実施の形態の苗のせ台の上部を示す一部破
断正面図

【図９】補助爪及びその駆動用アームの基端構造を示す
一部破断側面図

【符号の説明】

３ 苗のせ台 ５ 植付機構 ８ ベルト式苗縦送り装置 １３ 駆動プーリ １４ 遊転プーリ １５ ベルト ２７ ベルト張り部材 ３２ 左右変位規制手段 ４３ 弛み防止部材

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下方に位置する駆動プーリとこの駆動プ
   ーリより上方に位置する遊転プーリとにわたってベルト
   を巻き掛けて構成されるベルト式苗縦送り装置を、複数
   の植付け条に対応して左右に複数個並設する状態で苗の
   せ台に設けた苗植付装置であって、 前記遊転プーリを前記駆動プーリに対して遠近移動自在
   に支持するベルト張り部材を設け、このベルト張り部材
   の位置変更によって一部の植付け条の前記ベルト式苗縦
   送り装置を各別に作動及び停止可能に構成してある苗植
   付装置。
2. 【請求項２】 左右一対の前記ベルト式苗縦送り装置に
   対してこれらベルト式苗縦送り装置を共に駆動及び共に
   停止可能に、前記ベルト張り部材を構成してある請求項
   １記載の苗植付装置。
3. 【請求項３】 前記ベルト張り部材の左右方向への変位
   を規制しながら前記遊転プーリを前記駆動プーリに対し
   て遠近方向で移動案内する左右変位規制手段を設けてあ
   る請求項１又は２記載の苗植付装置。
4. 【請求項４】 植付け条に対応して植付機構の駆動及び
   停止を司る畦際クラッチを備えるとともに、前記ベルト
   張り部材のベルト張り姿勢への切換と連動して、対応す
   る植付条の前記畦際クラッチを入り操作するように、前
   記ベルト張り部材と前記畦際クラッチとを連係してある
   請求項１乃至３記載の苗植付装置。
5. 【請求項５】 前記ベルト式苗縦送り装置の背面側に、
   前記ベルトを下方から受止め支持する弛み防止部材を設
   けてある請求項１乃至４記載の苗植付装置。