JPH10512448A - コードされた反応カセット - Google Patents

コードされた反応カセット

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JPH10512448A JP8522435A JP52243596A JPH10512448A JP H10512448 A JPH10512448 A JP H10512448A JP 8522435 A JP8522435 A JP 8522435A JP 52243596 A JP52243596 A JP 52243596A JP H10512448 A JPH10512448 A JP H10512448A
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Abstract

(57)【要約】 化学結合が形成および開裂されたことを高感度で検出するために反応カセットが設計された。このシステムは、抗体および他の新規な触媒を探索するにあたって用いられる必携の考案物として採用されうる。また、カセットは、診断薬の設計において、重要な臨床的応用を有する。完全にコードされた様式で、この方法は、化学的事象を検出および解き明かすことが共に可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 コードされた反応カセット 技術分野 本発明は、開裂(又は切断)、連結反応およびそれらを促進する触媒性分子の 活性を検出(アッセイ)するための方法並びに試薬に関する。さらに詳しくは、 本発明は、固相マトリックスと、基質を同定するようにコードされ、そしてこの ようなコード配列を増幅するためのポリメリゼーション・チェイン・リアクショ ン(PCR)プライマー配列を含むヌクレオチド鎖との両方に共有結合された基 質を用いるアッセイに関する。 政府の権利 本発明は、一部、国立衛生研究院(ザ ナショナル インスティチュート オ ブ ヘルス)からの助成金(GM48351)に基づく政府の支援によってなさ れた。アメリカ合衆国政府は、本発明に対して一定の権利を有する。 背景技術 開裂、連結反応は、反応生成物の出現あるいは基質の消滅のいずれかをモニタ ーすることによってアッセイできる。例えば、タンパク質またはペプチドの分解 は、開裂生成物の出現を追跡することによってモニターできる。開裂生成物は、 ゲル電気泳動またはクロマト分離によって、基質から分離され、紫外線吸収また は比色アッセイによりモニターされる。同様に、ポリヌクレオチド連結反応も連 結反応生成物の出現を追跡することによってモニターできる。 開裂または連結反応の活性が低ければ、反応生成物を検出するためには検出シ グナルを増幅することが要求される。例えば、放射性同位体で標識された基質が 合成され、結果得られる反応生成物をラジオイムノアッセイによって検出される 。別法として、基質が比色反応を触媒する酵素にコンジュゲートされているなら ば、結果得られる反応生成物は、エンザイムイムノアッセイを用いて検出できる 。高 感度のエンザイムイムノアッセイが開発されてきた。感度の限界で用いられた時 、反応生成物の存在に対応して、エンザイムイムノアッセイによって発生される シグナルは、背景レベルのシグナルと同程度となる。 触媒性抗体の分野では、触媒活性な抗体を同定する目的で抗体ライブラリーが 日常的にスクリーンされる。有用な触媒性抗体を作り出すには2つの制限がある 。すなわち、第1は、基質又は反応中間体の類似体である産生免疫源を設計し、 そしてこれを用いて抗体ライブラリーを作成することである。第2は、結果得ら れる抗体を所望の触媒活性を求めてスクリーンすることである。要するに、制限 は、表示と検出である。表示の問題は、抗体の多様性を、認識および複製機能が 単一の物に結びつけられ、単なる結合の出来具合でモニターされるファージ中の 組合せライブラリーに変換することによって軽減することができる。しかしなが ら、触媒性抗体分子の少数のみを示すファージ粒子をスクリーンするには、高感 度のアッセイ方法が要求される。 このような例では、示される触媒活性は、背景レベルの活性よりもほんのわず かだけ高いかもしれない。 開裂、連結反応をアッセイするための従来技術での方法には、しばしば少量の 低い活性の抗体を同定するのに必要な感度が欠如している。幾つかの場合には、 低いレベルの触媒活性を有する触媒性抗体が、もしもそれがこのような触媒活性 を有すると確認された唯一の抗体であるか、そして/または、それがより高いレ ベルの触媒活性を有する抗体を作るための「進化論的計画」に用いられるならば 有用でありうる。従って、抗体ライブラリーをスクリーンするために採用される アッセイの感度は、有用な抗体を同定することに関して、制限的な因子となりう る。 アッセイの容易さ、または困難性も、これらのアッセイを実行する者の意欲を 制限するかもしれない。 反応生成物、または基質に対する抗体を得ることができる場合には、イムノ− PCRアッセイが製作され、そして検出系として採用される。T.Sanoら, Science(1992):258巻,120−122頁。イムノ−PCRア ッセイは、酵素−抗体コンジュケートがPCRで増幅可能なポリヌクレオチド鎖 にコンジュゲートされた抗体によって置換されている以外は、エンザイムイムノ アッセイと同様である。イムノ−PCRアッセイは、高感度である。しかしなが ら、非常に低い抗原のレベルでは、イムノ−PCRアッセイは、抗体−ポリヌク レオチドコンジュゲートの非特異的な結合によって制限される。 必要なのは、開裂または連結反応を検出するための高感度のアッセイである。 そのようなアッセイは、抗体コンジュケートを採用すべきでなく、そして可能な 限り低い背景レベルのシグナルを有するべきである。アッセイは、労働効率がよ く、いかなる開裂反応または連結反応をアッセイするのに適応できるべきである 。 発明の開示 本発明は、開裂反応または連結反応を検出するために使用可能なコードされた 反応カセット並びにこのようなカセットを用いるアッセイに関する。カセットは 、いかなる開裂反応または連結反応をアッセイする目的でも製作されうる。開裂 反応または連結反応は、触媒されるか、あるいは触媒の恩恵なしに瞬間的である 。 反応カセットは、化学結合が形成および開裂されたことを高感度で検出するた めに設計される。この系は、抗体および他の新規な触媒を探索するにあたって用 いられる必携の考案物として採用されうる。また、カセットは、診断薬の設計に おいて、重要な臨床的応用を有する。完全にコードされた様式で、この方法は、 化学的事象を検出、およびデコード(解き明かす)することが共に可能である。 本発明のアッセイは、もともと抗体触媒の分野で応用されるように開発された 。しかしながら、医学分野での診断アッセイに重要なものを含めて、いかなる合 成反応または酵素反応をアッセイするためにも採用できるかもしれない。単一の 反応を探索するためにカセットを用いる時は、一つのDNA配列のみが必要であ る。しかしながら、完全にコードされた様式では、各々の基質に特異的なポリヌ クレオチド配列を用いることによって複数の基質を同時に調べることができる。 起った反応の性質は、PCR反応かA.D.Mirzabekov(TIBTE CH,12巻,27−32頁,1994年)の方法に従ってポリヌクレオチドの クローニングかのいずれかの後で、ポリヌクレオチドの配列によって簡単に決定 できる。要するに、コードされた基質の組み合せライブラリーを作り、反応特異 性につい て知ることができる。触媒の組み合せライブラリーを基質の組み合せライブラリ ーに対してスクリーンして、単一の操作で新しい触媒を見つけ出し、それらの基 質特異性を微調整する系を設計できる。最後に、コードされたカセットを製作す るための開示された方法は、新しい触媒を探しているいかなる実験の座右の備え として、基質カセットが構築される操作手順に適用できる。これは、研究者にと って反応生成物が先行技術の方法によって容易にアッセイできるかどうかに無関 係な実験を計画することを可能にする。このようにして、酵素を探そうと考える 時はいつも、第1の段階は反応性を検出するコードされた反応カセットを製作す ることである。 さらに詳しくは、本発明は、開裂反応をアッセイするためのコードされた反応 カセットに関する。反応カセットは、固相マトリックスに共有結合された基質を 含み、ここで基質は開裂反応による開裂に対して感受性のある型のものである。 基質に結合されているのは、第1のPCRプライマー配列と、コード配列と、第 2のPCRプライマー配列とを含む第1のポリヌクレオチドである。コード配列 は、第1のPCR配列と第2のPCR配列の間に位置する。好適な実施の形態で はコードされた反応カセットが第1および第2のリンカーを含んでもよい。第1 のリンカーは、固相マトリックスを基質へ共有結合する。第2のリンカーは、基 質を第1のポリヌクレオチドに共有結合する。ペプチドが好適な基質である。し かしながら、いかなる開裂されうる基質も使用できる。 別の実施の形態では、コードされた反応カセットは、シグナルをさらに増幅す るための、基質に結合された1つ以上の付加的なポリヌクレオチドを含んでもよ い。これらの付加的なポリヌクレオチドは、また同じ第1のPCRプライマー配 列と、コード配列と、第2のPCRプライマー配列とを含んでおり、そして付加 的なリンカーを介して基質に結合されている。 また、本発明は、開裂剤に晒されたコードされた反応カセットからの開裂生成 物の混合物にも関する。この混合物は、固相開裂生成物および可溶相開裂生成物 を含む。固相開裂生成物は、固相マトリックスに共有結合された基質の第1の開 裂生成物を含む。可溶相開裂生成物は、第1のポリヌクレオチドに共有結合され た基質の第2の開裂生成物を含む。また、本発明は、試料内の開裂剤を検出する 方法にも関する。この方法は、下記の工程を含んでなる。第1の工程に於いては 、試料が、基質の開裂を促進する反応条件下で、コードされた反応カセットと混 合され、開裂生成物を生成する。もし試料が開裂活性を有するならば、開裂生成 物、すなわち固相開裂生成物および可溶相生成物が発生するであろう。第2の工 程に於いて、固相開裂生成物および開裂されていないコードされた反応カセット から可溶相開裂生成物が分離かつ単離される。 第3の工程に於いては、第2の工程で単離された固相開裂生成物のポリヌクレ オチドのコード配列がポリメリゼーション・チェイン・リアクション(PCR) 反応を用いて増幅される。第4の工程に於いては、増幅されたコード配列が検出 される。そして、選択できる第5の工程では、第4の工程で得られたシグナルが 定量的な結果を得るために既知の基質および/または開裂剤と関連づけられる。 本発明の別の側面は、連結反応をアッセイするためのコードされた連結反応カ セットを製造する連結されていない反応体の混合物に関する。その混合物は、固 相連結反応成分および可溶相連結反応成分を含む。固相連結反応成分は、固相マ トリックスに共有結合された第1の連結反応用反応体を含む。可溶相連結反応成 分は、第1のポリヌクレオチドと共有結合され第2の連結反応用反応体を含む。 前記のように、第1のポリヌクレオチドは、第2のPCRプライマー配列と第2 のPCRプライマー配列との間に位置するコード配列を含む。第1および第2の 連結反応用反応体は、連結剤の存在下、コードされた連結反応カセットを形成で きるように固相および可溶相連結反応成分を結合することが可能である。好適な 実施の形態では、第1および第2の連結反応用反応体は、連結可能なオリゴヌク レオチドの断片である。しかしながら、連結可能な分子のいかなる対をも使用す ることができる。 コードされた連結反応カセットは、連結反応生成物が固相マトリックスを第1 のポリヌクレオチドから分離すること以外は、コードされた反応カセットと同様 である。しかしながら、コードされた反応カセットと異なって、コードされた連 結反応カセットは、開裂剤による開裂に対して感受性がある必要はない。好適な 連結剤は、第1および第2の連結反応用反応体に関して、連結反応活性を有する 。さらに詳しくは、好適な連結反応剤は、ポリヌクレオチドリガーゼであり、そ し て好適な第1および第2の連結反応用反応体は、連結可能なオリゴヌクレオチド である。 また、本発明は、オリゴヌクレオチド試料内のヌクレオチド連結剤を検出する ための方法にも関する。本方法は幾つかの工程を含む。第1の工程に於いては、 試料が連結反応成分の混合物と一緒にされる。その結果得られる混合物は、コー ドされた連結反応カセットを製造するためにインキュベートされる。第2の工程 に於いては、上記のようにして形成された、コードされた連結反応カセットが、 可溶相連結反応成分の連結されていない部分から、固相連結反応成分の連結され ていない部分とともに分離かつ単離される。コードされた連結反応カセットのポ リヌクレオチドのコード配列は、それからPCRを用いて増幅され、検出され、 そして連結剤の存在と関連づけられる。ポリヌクレオチドリガーゼが好適な連結 剤である。この場合、コードされた連結反応カセット内に含まれた連結反応生成 物は、リガーゼによる連結反応に対して感受性のあるポリヌクレオチドである。 コードされた反応カセットは、増幅そしてデコードされうるポリヌクレオチド の遊離(結合開裂の場合)、または捕捉(結合形成の場合)を介して働く。合成 のための化学的方法およびこの考案物の組み立ては、その感度および実用性に影 響を及ぼすパラメーターの詳しい特定および最適化とともに開示される。結合開 裂の検出様式では、α−キモトリプシンを代表的な触媒として用いて、反応カセ ットの特異性が配列中、ただ一つのアミノ酸のみが異なるペプチド基質(Ala2 −Tyr−Ala2対Ala2−Phe−Ala2)についての選択的な認識およ び開裂を通して実証される。カセット感度(0.1−1pmole,5−50n M)は、0.01mg(1ビーズ)、または10mg(10000ビーズ)を使 用するかどうかに関わらず同じであるが、α−キモトリプシンの濃度に対して依 存性がある。しかし、この酵素の量は、もし濃度が5nM以上に保たれるならば 、2400分子にまで少なく減少できる。結合形成の検出様式では、α−キモト リプシンで触媒されるペプチド結合形成が邪魔されるという理由から可能ではな かった。一方、化学的に触媒される結合形成(アルデヒドの還元アミノ化反応) は、実施することができた。そして、反応カセットの原理の第2の部分、す なわち化学結合の形成の検出を実証するため原型反応として用いた。 図面の簡単な説明 図1は反応カセットの原理を例示する。 図2は反応カセットの組立てに使用するスペーサーを例示する。 図3はスペーサーIII-VII を製造するための合成計画を例示する。示された合 成段階は以下のとおりである。 (a)K2CO3,DMF,90−100℃;(b)Cs2CO3,KI,DMF ,90−100℃;(c)Cs2CO3,n−Bu4NI,DMF,85℃;(d )Ag2O,n−Bu4NI又はKI,THF,および又は音波処理なし,20℃ ;(e)NaH,THF,20℃;(f)Na,THF,20℃;(g)DHP ,MeOH,濃塩酸1滴;(h)DEAD,PPh3,フタルアミド,THF, 20℃;(i)DMTrCl,ピリジン,20℃;(j)(NH22,エタノー ル,80℃;(k)TsCl,ピリジン,20℃;(l)Na,23;(m)P DC,DMF,20℃;(n)FmocCl,Na2CO3,ジオキサン−H2O ,0℃ to 20℃;(o)(Boc)2O,Et3N,DMF,0℃ to 20℃. 図4は、結合開裂又は形成の検出に於いて研究された基質を例示する。 図5は、α−キモトリプシンで触媒された結合開裂の検出のための反応カセッ トの合成ならびに用途を例示する。最上部の反応は、スペーサVI又はVII、Fm oc−Ala2,Fmoc−Tyr(OSit−BuMe2)およびスペーサーI とNovaSyn KD(CH2CH2NH2)マトリックス上でのSPPS(溶 液相ペプチド合成)の使用を示す。次の反応は、スペーサーVIIIの取着、それに 続いてβ−シアノエチルホスホラミダイトを用いるDNA合成によって、完全に 保護された反応カセットを提供し、それが濃アンモニアおよびTBAFさらに続 く多量の洗浄によって順次脱保護基化されることを示す。それからカセットは、 α−キモトリプシンに晒され、続いてPCR増幅およびアッセイにかけられ、結 合開裂検出にそのまま使用可能となる。 図6は、酵素的および化学的に触媒された結合形成の検出のための反応カセッ トの東側部分(S9,S10)の合成を例示する。 図7は、酵素で触媒された結合形成の検出のための合成的アプローチを示す。 即ち、西側部分(商業的に入手できる化合物24又は25から誘導されるC34 又はC35)を東側部分(S9−合成を図6に示す)にカップリングする。それ からカセットは、α−キモトリプシンに晒され、続いて固体支持体上のPCR増 幅および蛍光アッセイによる検出にかけられ、酵素で触媒された結合形成にその まま使用可能となる。 図8は、化学的に触媒された結合形成の検出のための合成アプローチを示す。 即ち、西側部分(C36)を東側部分(S10)に60%DMSO/0.1ホウ 酸塩緩衝液(pH10)中でカップリングする。混合物は、シアノホウ水素化ナ トリウムを用いて還元され、続いて多量に洗浄、そしてそれから固体支持体上の PCR増幅並びに蛍光アッセイによる検出にかけられる。 図9は、ポリメラーゼ・チェイン・リアクション(PCR)を改善するために 研究されたテンプレートを例示する。 図10は、第1世代の反応カセット(C1−C6)の一般的概要を例示する。 図11は、第2世代の反応カセット(C7−C25)の一般的概要を例示する 。 図12は、結合開裂の検出を例示する。反応カセットを含む媒質からの試料の PCR生成物は、α−キモトリプシンの存在、不存在とともに各レーンの上部に 示されている。レーン1、3、5および7は、α−キモトリプシン(5nM)、 およびカセットC7、C10、C31、そしてC32をそれぞれ含む媒質からの試料の PCR生成物に対応する。レーン2、4、6および8は、それぞれα−キモトリ プシンなしの同一の実験に対応する。正のコントロール(レーン9)は、DNA 45merの標準品のPCR生成物に対応する。負のコントロール(レーン10 )は、DNA45merなしの同一の実験に対応する。TG−NH2およびNS KD−NH2は、それぞれアミノ末端基を有する官能基化されていないTent aGelおよびNovaSyn KD樹脂に対応する。 図13は、第3世代の反応カセット(C26−C32)の一般的概要を例示す る。 図14は、結合形成の検出を例示する。官能基化された、又はされていない樹 脂(NSKD−VI2−NH2,TG−NH2,C34,C35,又はC36)を含 み、さらに官能基化されたポリヌクレオチド(S9,S10)を含むか含まない か、そしてα−キモトリプシンを含むか含まない媒質からの1つのビーズのPC R生成物をそれぞれのレーンの上部に示す。正および負のコントロールも、また 図12中にある。KSKD-VI2−NH2は、2つのスペーサVIおよびアミノ末端 基を有するNovaSyn KD樹脂に対応し、TG−NH2は、アミノ末端基 を有するTentaGel樹脂に対応する。 図15は、カセットの組み立てに用いられるスペーサーユニット(L−I〜L −IV)の化学構造を示す。 図16は、示した蛋白質分解酵素に関するペプチド反応カセットの反応特異性 を示す。 図17は、図16のペプチド反応カセットの反応感度を時間の関数として示す 。 発明を実施するための最良の形態 カセットの設計上の特徴 本発明は、2つの先行技術の方法を組み合わせたものである。 即ち、その第1は、固体支持体上でポリマーを合成する手法であり、そして第 2は、PCR法(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション)である。全体のアプ ローチを図1に例示する。 反応カセットの中心的な操作上の特徴は、2つのプライマーを含むポリヌクレ オチドの遊離(開裂の場合)または捕捉(結合形成の場合)である(図1)。こ のように、適当に官能基化された固体支持体(図1)が基質の接合点で反応カセ ットを選択的に開裂できる触媒、または触媒のライブラリーに晒される時、一本 鎖DNA(ポリヌクレオチド)が放出されるであろうし、そしてそれはPCR法 で増幅できる。さらに、ポリヌクレオチドの配列は、基質の性質を交換するよう に選択されることができ、それによってコードする基質のライブラリーが設計で きる。このような基質ライブラリーが触媒のライブラリーに晒される時、開裂さ れたポリヌクレオチドはコードし、そしてかくしてどの基質配列が開裂されたか を同定するので、触媒のみならず基質もまた同定できる。前記の方法に加えて、 本発明の反応カセット手法は、逆の経路を経て結合形成の場合を追跡することも 可能にする(図1)。この最初の報告で、本発明者らは、酵素で触媒された結合 の開裂の研究について本方法論を応用することを示す。 3世代の反応カセットを以下に開示する。第1世代は、制御された(サイズを 調整された)細孔ガラス(CPG)固体支持体に基づく。第2世代は、ポリエチ レングリコールおよびポリスチレンの70重量%の共重合体(TentaGel )に基づく。第3世代は、複合マトリックス(NovaSyn KD)に基づく 。マトリックス支持体 反応カセットの理想的な支持体は、カセットを組み立てるのに用いられる合成 手法(ペプチドおよびDNA合成)と機械的および化学的に適合性がある一方、 用いられる触媒(酵素、abzyme等)に接近できうる。 例えば、ポリスチレンを基剤とするマトリックスは、酵素触媒反応に使用する にはあまりにも疎水性でありすぎるが、一方CPGは、化学的および機械的安定 性に乏しいため不適当であった(ポリヌクレオチド−基質コンジュケートの遊離 は、望ましくない背景反応をもたらす)。TentaGelは、機械的に安定で あり、そしてペプチド基質およびDNA合成と化学的に適合性があることが分か った。しかしながら、このマトリックスは、好適ではない。何故ならば、あまり にも疎水的な性質をもち、酵素に最適な接近性を許容しないからである。この理 由から、第3世代のカセットが設計された。それを以下に開示する。ケイソウ土 無機粒子のマクロ細孔構造内に保持されたポリジメチルアクリルアミドケルから 誘導される複合マトリックスであるNovaSyn KD樹脂が使用された。こ のマトリックスはより疎水性であり、機械的および化学的に安定であり、そして 生物触媒により適合する。 Meldal,M.;Svendsen,I.;Breddam,K.;Au zanneau,F−I.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1 994,91,3314を参照。スペーサー スペーサーは、好適にはヘテロ二官能基性であり、化学的に安定であり、かつ 基質とDNA合成の両方に適合性がある。一方の端は、基質部分に容易に取り付 け可能であるべきであり、そして他方の端は、DNA合成のためのヒドロキシル 官能基を備えるべきである。 カセット上の第1のスペーサーは、マトリックスと基質の間に位置する。とこ ろが第2のスペーサーは、基質とポリヌクレオチド部分の間に位置する(図1) 。両方のスペーサーの長さは、本方法が成功するために極めて重要である。Ni elsen,J.;Janda,D.K.;Brenner,S.J.Am.C hem.Soc.1993,115,9812を参照。CPGおよびNovaS yn KDにとって、マトリックス核に近接することに由来するかもしれない障 害を避けるためには、樹脂と基質の間に少なくとも30−40Åの距離があるこ とが好適である。 これはスペーサーIIの長さの2倍に相当する距離である。TentaGelは 、既に第1のスペーサーとして働く長いポリエチレングリコール鎖を備える。第 2のスペーサー(基質とポリヌクレオチドの間)の長さは、調べた触媒反応につ いてはあまり重要でないと開示されているが、DNA合成(下記参照)について は重要であった。 カセットを製作するためのスペーサーの異なった型および組み合せは、図2に 開示されている。スペーサーI−VIIは、合成されたが、VIIIおよびIX(Gle n Research)、そしてX(Millipore)は、商業的に入手で きる。スペーサーIおよびIIは、文献の手順に従って合成され、本発明の初期の 設計(第1および第2世代のカセット)に導入された。スペーサーIの合成は、 Schallerらに開示されている。Schaller,H.;Weiman n.G.;Lerch,B.;Khorana,H.G.J.Am.Chem. Soc.1963,85,3821を参照。スペーサーIIの合成は、Niels onらに開示されている。Nielsen,J.;Janda,K.D.Met hods 1994,6,361を参照。スペーサーIは最短のスペーサーであ る。 多くの場合、触媒と基質間の最適の反応性のためにはあまりにも、それはきつ い。好適な用途は、他のスペーサーと配列され用いられることにある。スペーサ ーIIは、SPPS(Boc−アミノ酸化学)およびDNA合成の夫々で要求され る強酸そして強塩基の条件下、アセトキシ結合のところで化学的に不安定である ことが分かった。Stewart,J.;Young,J.Solid Pha se Peptide Synthesis;Pierce Chemical Company:Rockford Illinois,1984を参照。 スペーサーIIIおよびIVは、自由なアミノ基を有し、そして脱離基又はカルボ キシ末端を備える基質に取り付けることができる。スペーサーV−VII が最も長 い。これらはペプチド基質とアミド結合を形成することができ、スペーサーI、 III およびIVとは対照的に2つ以上の配列に取り付けることができる。スペーサ ーV−VII は、スペーサーI、III 又はIVと組み合せて用いられた。これらのス ペーサーの相互変換は、生じた末端水酸基のところでDNAの合成を可能にする 。スペーサーVIIIは基質とDNA合成機上のポリヌクレオチドの間に自動的に導 入することができるが、これはI、III 又はIVがすでにくっつけられているか又 は基質が水酸基型の官能基を有することを前提とする。定量的にVのアミノ末端 を遊離するために要求される脱保護基工程(ヒドラジン/エタノール(1/1) )は、樹脂から基質を部分的に開裂することが分かった。 低ヒドラジン濃度(0.2M)では、反応は遅く(24時間)そして不完全( 80−90%)である。Bertozzy,C.R.:Bednarski,M .D.J.Org.Chem.1991,56,4326を参照。 このスペーサーは、好適には、より安定な基質に採用される。スペーサーVIII −Xは、結合形成の検出についての研究用に、オリゴヌクレオチドを3′末端で 誘導体化(DNA合成機でそのまま使用可能)するのに用いた。III −VIII合成 の合成計画は、図3に示されている。基質 反応カセットを実行するための代表的な触媒としてα−キモトリプシンを採用 した。この酵素は、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシンのよう な芳香族、疎水性アミノ酸のC末端でアミド結合を開裂することが知られている 。 Hess,G.P.The Enzymes(酵素),Boyer P.D. 編,Academic Press(アカデミック プレス);New Yor k,1971,213−248頁を参照。この酵素はチロシンメチルエステルと アラニンの1級アミン間にペプチド結合の形成を触媒することも知られている。 Lane,J.W.;Hong,X;Schwabacher,A.W.J.A m.Chem.Soc.1993,115,2078を参照。基質S1−S7( 図4)は、標準的なBocおよび/又はFmoc方法に従って、組み立てられた 。Atherton,A.;Sheppard,R.C.Solid Phas e Peptide Synthesis(固相ペプチド合成):A Prac tical Approach(実際の手引),Oxford Univers ity Press(オックスフォード大学出版):Oxford,1989を 参照。 ペプチドS1およびS2は、第1世代のカセットに用いられたが、一方S3− S7は、第2世代および第3世代のカセットに用いられた。 同様なペプチドに対して得られたデータから見積ると、α−キモトリプシンは 、基質S3よりもS4を〜10倍、そして基質S1よりも〜103倍効率よく開 裂する。例えば、Baumann.W.K.;Bizzozero,S.A.; Dutler,H.Eur.J.Biochem.1973,39,381;そ してFisher,G.;Bang,H.;Berger,E.;Schell enberger,A.Biochimica Biophysica Act a 1984,791,87を参照。この特徴は、本発明のカセット系内でα− キモトリプシンの特異性をプローブするのに用いることができる。ペプチドS4 は、α−キモトリプシンの最適の基質の1つである。従って、この基質がカセッ ト系の感度の好適な下限を例示するために、ここで採用された。ペプチドS7は 、α−キモトリプシンのP4、P5、P4′およびP5′位での相互作用をプロ ーブするために合成された。ペプチドS8は標準的な溶液相ペプチド化学を用い て5段階(図7)で合成され(副物質)、そして酵素で触媒された結合形成の検 出に用いられた。カセットを組み立てるのに用いた合成手順は、NovaSyn KDを固体支持体として、スペーサーI、VI(又はVII)およびVIIIを用いて 図5に例示されている。Fmoc−Ala217およびFmoc−Tyr(OSi t−BuMe2)が合成の組み立てブロックとして用いられたので、この合成ス キームは迅速かつ簡単である。Fisher,P.M.Tetrahedron L ett.1992,33,7605を参照。第1および第2のスペーサーは、標 準的SPPSに従って取り付けられる。スペーサーVIIIはポリヌクレオチドを組 み立てるのに用いたのと同一の手法を採用してDNA合成機上で、自動的に導入 される。実際、このスペーサーは、1つ以上のコピーの配列で取り付けられる。 DNA合成が完了すると、ポリヌクレオチドは、脱保護基化され、続いてTHF 中、1M TBAFと15分間インキュベーションによってチロシンのシリコン 保護基が除去される。この工程の後、カセットは、そのまま結合の開裂検出モー ドに使用可能となる。 結合形成のために樹脂に取り付けられる基質のユニットは、個別に合成される 。図6は、反応カセットの東側部分、(即ちポリヌクレオチド−ペプチドコンジ ュゲート(S9)および5′末端でアミノ官能基化されたポリヌクレオチド(S 10))の合成を示す。SPPSの条件に安定なメチルホスホラミダイト(me thyl phosphoramidite)モノマーを用いる常法のDNA合 成手順に従って、S9ユニットを合成した。S10ユニットは、同様にして(同 一モノマー)、あるいはより容易に脱保護基化されるエクスパダイト β−シア ノエチルホスホラミダイトモノマー(Expedite β−cyanoeth yl phosphoramidites monomers;Millipo re(ミリポア))を用いて、合成できる。DNA合成法 標準DNA合成がCPG又はポリスチレン固体支持体を用いることにより改善 された。CPGはより好ましくない化学的、機械的性質を有する(前記を参照) 。ポリスチレン基材のマトリックスは、より好ましくない疎水性の特徴を有する 。 ホスホラミダイト化学を用いる394 Applied Biosystem (アプライド バイオシステム)DNA合成機の標準的な1マイクロモル手法( 方法Aと名付ける)を以前に記載されたように第2世代のカセット用に修正した (方法Bと名付ける)。Gait,M.J.Oligonucleotide Synthesis(オリゴヌクレオチド合成):A practical A pproach(実際の手引き):Oxford University Pr ess:New York,1990を参照。 CPG、NovaSyn KDおよびTentaGel樹脂に適合させるため に方法Bをさらに修正した(方法Cと名付ける)。実験の項を参照。表1は、C PG(カセットC1),TentaGel(カセットC10)およびNovaS yn KD(カセットC29)と、それぞれ方法A−Cを用いる時の工程毎の平 均収率(ASWY)そして全収率(OAY)の改善を示す。 DNA合成の成功には、2つの因子が重要な役割を果たした。第1は基質とポ リヌクレオチド間にあるスペーサーの長さであり、第2は樹脂のローディングで ある。一般的に、基質とポリヌクレオチド間のスペーサーが長いほど、そしてロ ーディングが低ければ低いほどDNA合成のASWYが良好な結果となる。表2 −4を参照。例えば、TentaGel上で方法Bを用いると、ASWYはI( C10)について96.9%、VI(又はVII)およびI(C20)について98 .8%、そして2(VI)およびI(C21)について99.8%である。 同一の樹脂上で、Iそして方法Bを用いると、ローディングが172.1μm ole/g(C12)である時、DNA合成は失敗する。ローディングが59. 9μmole/g(C10)である時、DNA合成はASWY96.9%でうま くゆく。高いローディングでは、基質とポリヌクレオチドの間に長いスペーサー があるかないかに関らず、合成は失敗する。 調べたすべての場合、濃アンモニアで脱保護基化した後でのDNA合成の収率 は、カセットによって24〜100%の間で変化する。平均〜70%であり、表 3および表4の最後の欄を参照せよ。 基質部分がなければ、脱保護基反応は定量的である。濃アンモニアがDNA合 成の前に、より少ない程度、マトリックスに影響を及ぼす事実(10〜20%ロ ス)を考慮すると、これらの結果は、DNA合成の間、不安定な結合、分岐点等 が生成され、これらが濃アンモニアとの処理で除かれるということを示唆する。 この副反応の大きさは、しばしば1つのカセットから別のカセットで変わる。 酵素で触媒された結合形成の検出のための反応カセットの東側部分を構築する のに利用した好適な合成戦略を図6に示す。このユニット(S9)は、DNA合 成するのにより安定なモノマーを用いることを要求する。Fmoc−Ala2と のカップリング段階は、強い塩基(DIEA)の存在下、行われねばならない。 このような条件下、通常のβ−シアノエチル保護基(結合開裂の検出に用いた) は、失われ、かくして望ましくない副反応をもたらす、メチルホスホラミダイト モノマーは、固有の安定性という結果からより適切であることが証明された。化 学的に触媒された結合形成では、この制限はあてはまらない。そしてメチル又は β−シアノエチルホスホラミダイトモノマーはS10を合成するのに用いること ができる(図6)。PCRプロトコール コードされた反応カセットの2つの重要な側面は、タッグの配列および長さで ある。タッグの長さについて、DNA合成でOAYがより良いためには出来る限 り短かくあるべきである。さらに、それは高感度で特異的に増幅されねばならな い。 幾つかのテンプレート(A−F、図9)は、例えばpH、〔MgCl2〕、〔 プライマー〕、〔酵素〕、サイクルおよび温度等、様々なPCR条件下において 特徴づけられた。テンプレートA−Fは、プライマーの配列およびG/C含量が 異なる。これらの2つの因子は、テンプレートの3次構造およびミスプライミン グに対して責任がある。テンプレート内の3次構造および自己相補的な配列を分 析し、プライマーとコンピューターモデリング(DNASIS,Amplify およびOLIGO)を用いて、効率よい増幅にはプライマー配列が必須の要素で あることが決定された。 この理由は、携わるテンプレートが短かすぎて、ミスプライミングが容易に起 こる低温度で増幅されうるからである。テンプレートA(第1および第2世代) 、テンプレートB−EそしてテンプレートF(第3世代)を用いると、非特異的 な増幅生成物を増加させることなしに、以前に報告されたPCR条件下、感度を テンプレートの1014モル以下に改善することはできなかった。 好適なモードでは、第3世代のカセットのためにTaqStart PCR (Clontech,クローンテック),Ampliwax(Perkin−E lmer,パーキンエルマー)およびHotwax(Invitrogen,イ ンビトロジェン)のようなHot Start pCR手法を用いる。Mull is,K.PCR Methods and App.1991,1,1−4; およびD′Aquilla,R.;Bechtel,L.J.;Videler ,J.A.:Eron,J.J.; Gorczyca,P.;Kaplan, J.C.Nucl.Acids.Res.1991,13,3749を参照。 後者の手法は好ましく、最良の結果をもたらす。その方法はサイクリング前に 反応混合物に添加される、Mg2+を含むワックスに基づく。第1のサイクル前に 、94℃で30秒間加熱すると、溶液中にMg2+を遊離させ、Taqポリメラー ゼを進行させることを許容する。このようにして、低温度で起こりうるミスプラ イミングは、Mg2+が高温でのみ遊離されるので増幅されえない。低密度のため 溶融したワックスは水層の表面にとどまり、これはまた溶液の蒸発を防ぐ働きも する。テンプレートEでは、感度を10-17モルに改善できたが、収量および感 度は悪かった(バンドが弱く、そして非特異的生成物が所望の生成物と共に泳動 する)。テンプレートFは、Hot Waxおよび修正したPCRプロトコール (実験の項を参照)を用いたHot Start PCR条件下、最良の結果を 与えた。 本発明者らは、アガロースゲル上で臭化エチジウム染色によって少なければ6 0−600分子のテンプレートで検出することができた。 最後に、このように少量の分子を検出しようとする時、汚染や持ち越しを避け るために厳密な滅菌条件下、操作することが好ましいことを付記すべきである。 Rolfs,A.;Schuller,I.;Finckh,U.;Weber −Rolfs,I.PCR:Clinical Diagnostics an d Research(臨床診断および研究);Springer−Verla g:Berlin Heidelberg,1992 第5章;そしてInni s,M.A.;Gelfand,D.H.;Sninsky,J.J.;Whi te,T.J.;編 PCR Protocols(PCRプロトコール),A Guide to Methods and Applications(方 法および応用の手引き);Academic Press;San Diego ,1990を参照。結合開裂 第1世代のカセット。この世代のものは、標準的な固相ペプチドおよびDNA 合成を用いて、CPG上で(D)そして(L)アミノ酸と異なったスペーサーの 組合せで組み立てた。ペプチド合成のASWYは95−98%であり、DNA合 成のは〜99%であった。表2および図10を参照。テンプレートA(図9)そ してスペーサーIおよびIIの組合せをこの第1世代のカセットで用いた。 ポリヌクレオチドの通常のアンモニア脱保護基反応は、樹脂からのペプチド− ポリヌクレオチドコンジュゲートの定量的な開裂をもたらす。この結果は、エク スパダイト ホスホラミダイト(Millipore)が採用される場合も、同 じであった。この方法は、例えば16時間のかわりに1時間とほんの短時間濃ア ンモニアに晒らすことを要求する。DNAが脱保護基化されていないと、カセッ トは酵素によって開裂されない。この結果は、保護されている場合、その疏水性 に起因された。ホスフェートバックボーン上のポリヌクレオチドを穏やかに脱保 護基化(無水DMF中、DBU0.5Mと一晩中インキュベーション)しても、 反応カセットに影響を与えない。この部分的脱保護基反応は、カセットをより親 水性にし、そしてα−キモトリプシンがカセットのペプチド基質に達し、開裂す るのを許容する。これは、溶液中にポリヌクレオチドを遊離することになる。残 念ながら、背景反応(自動的な開裂)が反応の25%を占め、そしてこの第1世 代カセットを実用的でなくする。第2世代のカセット この世代のものは、TentaGel樹脂に基づく。 (L)および(D)アミノ酸の両方と、異なった組合せのスペーサーおよび異 なったローディングとで幾つかのカセットがここで開示される。図11および表 3を参照。CPGおよびNovaSyn KDに基づくカセットと対照的に、T entaGelは既に長いポリエチレングリコール側鎖を備える。樹脂と基質の 間にスペーサーを導入する必要はない。カセットを良好な収量で組み立てること ができなかったので、ローディングが80μmole/g以上であるすべてのT entaGelに基づく樹脂は、本発明者らの研究から除外した(表3)。 基質のα−キモトリプシン開裂、すなわちa)スペルミンの存在下(1mM) 、b)スペルミンなしで、c)DMSO(20%)と、又はd)DMSOなしで 、e)BSA(1%)と、又はf)BSAなしで、g)一本鎖DNA結合タンパ ク質(最終濃度3.2μM,Promega)と、又はh)一本鎖DNA結合タ ンパク質なしで、i)反応カセットの異なった濃度で、j)異った酵素濃度で、 そしてk)様々なインキュベーション期間にわたって、以上がここで開示される 。スペルミンおよび一本鎖DNA結合タンパク質は、α−キモトリプシン(全電 荷+5〜+6)とポリヌクレオチド(全電荷−45)との相互作用を最小にする と期待された。Blow,D.W.The Enzymes;Boyer P. D.(編),Academic Press:New York,1971,1 85−212頁を参照。スペルミンは反応の感度に影響を及ぼさなかったが、一 方一本鎖DNA結合タンパク質は反応を阻害した。この後者の発見は、おそらく ポリヌクレオチドへの結合の際に基質への接近が妨げられているためであろう。 反応カセットの濃度並びにインキュベーション時間は、感度を改善しなかったが 、背景反応を増加させただけであった。マトリックスとの非特異的な相互作用を 最小にすると期待されたDMSOおよびBSAも感度に影響を与えなかった。予 期したように、(D)アミノ酸に基づくカセットは開裂されなかった。第2のス ペーサーの長さは、反応カセットの感度に影響を及ぼさなかった。ここで調べた すべての例で、感度は以前に報告された、α−キモトリプシン0.1−1pmo le(5−50nM)を超えなかった。電荷相互作用が重要ならば、正に帯電さ れたα−キモトリプシンは、負に帯電された基質−ポリヌクレオチドのコンジュ ゲートの極く近傍に封鎖されるであろう。こうしてその局部的濃度が上昇する。 そこでこれは妨害効果を補償できうる。この世代のカセットを用いると、C10 はC.が存在しない条件のもと開裂される(図 レーン1−4)。明らかに反応 カセットは、ただ1つのアミノ酸に関してのみ異なる2つの非常に似かよった基 質((L)Ala2−(L)Tyr−(L)Ala2対(L)Ala2−(L) −(L)Ala2)を識別する。溶液中のこれら2つの基質に対するα−キモ トリプシンの反応性の違いは、〜10(上記参照)と見積もられる。この結果は 、 コードされた反応カセットライブラリーの作製に関連がある。 反応カセット系の感度がα−キモトリプシン0.1−1pmoleで止まる事 実は、触媒されていない反応が0.1−1pmole α−キモトリプシンの反 応とほとんど同じくらい速いことを意味する。第1の近似として、感度がこのレ ベルの最小値に達するという明らかな理由がない。この質問に対して、いくつか の可能な答がある。a)樹脂によって作り出された微細環境又は基質の配座によ って、Kmが影響が受け得る。これは酵素の基質に対する親和性を減少させる。 b)この反応カセット系内で触媒されていない反応が異常に速い。c)基質が完 全には酵素に接近できない(すなわち、マトリックスが疎水性すぎるか又は基質 がDNAによって妨害されている)。d)PCR条件が最適でない。 反応が起きるためには、基質が触媒によって認識されねばならない。Kmはか くして直接的に反応カセットの感度に影響を及ぼすであろう。固体支持体上の基 質に対してKm(最良で10-5M)16が100倍高いと仮定すると(Kmapp =10-3M)、用いた最も好適な濃度条件下(12510-3M反応カセット、5 510-9Mα−キモトリプシン)形成される錯体の分率は0.92(4.625 10-9M)であるだろう。Kcat(最良で100s-1)が微細環境によって影 響を受けず、そして形成されたすべての錯体が生産的であると仮定すると、酵素 の速度は4.62510-7Ms-1(4.62510-9M5 100s-1)である だろう。同一の濃度条件のもとで背景反応(ペプチドの加溶媒分解)の速度は3 .6510-11Ms-1(3510-9-15 12510-3M)と概算される。K ahn,D.;Still,W.C.J.Am.Chem.Soc.1988, 110,7529を参照。 酵素がある、なしでの速度比は104以上である。この粗い見積りによれば、 これらのコードされた反応カセットは、少なくとも10-17moleのα−キモ トリプシン(0.1510-12mole 5 10-4)を検出できるはずである 。従って、感度はKmによって制限されるべきではない。第2の可能性は、不活 性化されたペプチド結合の加溶媒分解の速度定数が3.8510-5-1(4.6 2510-7Ms-1/12510-3M)であろうと仮定し、これは単なる微細環境 効果で説明できないので、除外されうる。基質の酵素に対する接近しやすさに関 す る第3の可能性はC25(表3)およびC33(表4)を用いて調べた。 これらのカセットはポリヌクレオチド部分を欠いており、そしてこのユニット に由来するかもしれない障害をプローブするために用いた。また、これらのカセ ットは、第2世代の反応カセットに於いて酵素の基質への接近しやすさを調べる ために選択された。何故ならば、C33は、生物触媒と適合性があることが示さ れているNovaSyn KD樹脂に基づいているからである。 これらのカセットがα−キモトリプシンとインキュベートされた時、C33は 定量的に基質の部位で開裂され、溶液中にHO−(L)Tyr−(L)Ala4 −I−OHを遊離する(λmax=276nm,ε=1450M-1cm-1,0. 1M塩酸)。一方、C25は溶液中紫外線で検出されうるいかなる物質をも生じ なかった。 これは実際、おそらく疏水性のため酵素がTentaGel樹脂上の基質に対 して完全には接近しやすさを有しないことを示唆する。TentaGelに基づ くカセットでアガロースゲル上開裂を認めた事実は、単にPCRの強力な増幅効 果によるものである。第4の可能性は、本研究で用いた減少する濃度でのテンプ レートA(図9)を採用して調べた。感度はテンプレート10-14moleで水 平になった。第3世代のカセット 第3世代のカセットはいくつかの改善点を取り入れている。即ち、a)感度を 向上するために設計およびテンプレートFの使用によって、PCR条件そしてプ ライマー配列が改善されている。b)さらに感度を改善するために用いる触媒と 適合性があるようにマトリックス物質が選択された。NovaSyn KDのよ うな親水性のマトリックスが好適な物質である。 第3世代のカセットを組み立てるための、標準的SPPSおよびホスホラミダ イト化学を用いる合成方法は、図5に示されている。2つのプライマおよびAl a2Tyr−Ala2のコード配列を含むテンプレートFは、この世代のカセット にとってタッグの役割を果たす。 α−キモトリプシンの存在下、C26−C32をインキュベーションすると基 質部分の開裂並びに、増幅できそしてアガロースゲル上で可視化できるポリヌク レオチドの遊離をもたらす。図面、C31については、例えばレーン5および6 を参照。C31およびC32は同じ効率で開裂される。これは本発明のカセット 系がP3,P4,P3′およびP4′位で異なる基質間を識別しないことを示す 。そこでこれはこの世代のカセットの特異性に制限を課す。図面中、レーン7お よび8を参照。この情報は組合せのコードされた反応カセットの設計に極めて重 要である。予期しないことにすべてのパラメーター(インキュベーション時間、 PCR感度、樹脂の選択、スペーサーの長さ、DNA合成等)を本研究で最適化 したにもかかわらず、感度の下限は、再びTentaGelで得られたα−キモ トリプシン0.1−1pmoleを超えなかった。より一層予期しなかったこと は、C30についての本発明者らの発見であった。即ち、a)検出限界は反応カ セット〜0.01mg(1つのビーズ)、又は〜10mgを用いようが同一であ る。この段階で説明することは難しいが、1つのビーズが10000ビーズと同 じ感度を導く事実は、基質および触媒の組合せライブラリーをスクリーニングす るのに極めて有用でかつ経済的利点がある。b)反応完了後、カセットとα−キ モトリプシンとを含む1μlの反応媒質は109倍まで希釈することができ、そ れでもなおPCRの後、アガロースゲル上でポリヌクレオチドタッグに対応する バンドを与える。対照的に、触媒されていない反応媒質からの1μlは、103 倍希釈の後、もはやいかなる検出できる物質をも与えない。0.1−1pmol eの酵素は溶液中、背景反応よりも〜106倍も多くポリヌクレオチドを産生し 、そしてにもかかわらず背景反応に対して検出されうるのがより低濃度のα−キ モトリプシンであることを、この実験は明らかにはっきりとさせる。 数字的には、4510-21mole以上(0.1510-12mole 5 1/ 1065 1/25≒2400分子)の酵素量を検出することが可能であるはず だが、実験的には、α−キモトリプシンが5nM以上の濃度にとどまっていない とこの量は検出できない。0.1510-12moleは、α−キモトリプシンの 検出しうる最低の量に対応し、1/106はアガロースゲル上で背景に対してシ グナルをなお生成できる反応媒質の希釈倍率に対応する。1/25は反応媒質( 25μl)の1μlのみがPCRによる増幅に用いられたという事実からくる。 おそらく、酵素はポリヌクレオチドを強く相互作用し、そしてすべての部位が飽 和されるまで基質に到達することができない。結合形成の検出 反応カセットの東側(S9)および西側(S34)成分は図6、7にそれぞれ 示されているようにして合成された。 半有機媒質中、α−キモトリプシンは、チロシンメチルエステルと自由なアミ ンとの間のアミド結合形成を触媒する。反応は、半有機媒質中、アミンによって 攻撃される、アシル−酵素の形成を経て進行する。Wong,C.−H.;Wh itesides,G.M.Enzymes in Synthetic Or ganic Chemistry(合成有機化学に於ける酵素);Baldwi n,J.E.,FRS;Magnus,P.D.,FRS;(編);Tetra hedron Organic Chemistry Series;12巻; Pergamon:Oxford;1994を参照。図14は、α−キモトリプ シンの存在下、C34(又はC35)とS9との反応から取られた1つのビーズ のPCR生成物のアガロースゲルを示す。 NovaSyn KD(C34)がマトリックスとして用いられる時、背景反 応が触媒反応を曇らせる(図14,レーン7−9)。 樹脂のみ(基質部分なし)を用いるコントロール(対照)実験は、同じ結果を 与え、これは背景反応が実際、ポリヌクレオチドのマトリックスへの吸着による ものであることを示している。吸着は多量に洗浄した後でも完全には除去するこ とはできないが、高温でのPCR反応媒体なら放出させることができる(レーン 1−3)。TentaGelに基づく樹脂(C35)では背景反応は多量の洗浄 後(レーン4−6)なくすことができた。触媒存在下の反応は、背景反応(触媒 されていないアミド結合形成)(レーン10−12)と比較すると、弱いバンド を与える。この傾向は本発明者らの期待とは矛盾しているが、次のように説明で きる。即ち、a)α−キモトリプシンはC34(又はC35)のチロシンメチル エステルの加水分解を触媒し、ポリヌクレオチド−ペプチドコンジュゲートと反 応するのに利用される基質の濃度を低下させる。触媒されていない反応はこの事 実によって阻害されないので、より強いシグナル(レーン10)を与える。b) α−キモトリプシンは、最も接近しやすい部位と安定なアシル−酵素中間体を形 成し、ポリヌクレオチド−ペプチドコンジュゲートと樹脂に結合された基質との 間の触媒されていない反応への通路を遮断する。 理由がどうであれ、ここに開示されたコードされた反応カセットを用いて遅い 触媒されていないペプチド結合の形成を検出できることが記載される。同時に、 コードされた反応カセットが化学結合の形成を検出することができることも記載 される。これらの結果は、本発明の設計では触媒の大きさが本方法を不利にする ようであることも示している。この理由から以下に開示するように、NaCNB H3を用いる化学的に触媒された結合形成を採用することができる。イミン結合形成の検出 合成計画を図8に示す。論じた理由から(上記を参照)本発明者らはTent aGelを用いた。マトリックスは、まずグルタルアルデヒドで活性化され、そ れからS10と結合されNaCNBH3還元が続く。多量に洗浄した後、1つの ビーズをPCRにかけた。図14はイミン結合の形成を実証するアガロースゲル を示す。グルタルアルデヒドで前処理した樹脂は、45−merバンド(レーン 13)を与えたが、一方予期されたようにこの前処理を施さなかった樹脂は45 −mer(レーン14)を与えなかった。反応カセットの原理の第2の部分を証 明するための用途とは別に、この合成方法は直交する合成図式を経由して予め得 られたペプチド−ポリヌクレオチドコンジュゲートライブラリーから反応カセッ トのコードされたライブラリーを構築するのに使用することができる。このよう にして得られたライブラリーは、結合開裂の検出モードに使用できる。 方 法 略号 DMTr(ジメトキシトリチル)、MMTr(モノメトキシトリチル)、Fm oc(フルオレニルメトキシカルボニル)、Boc(tert−ブチロキシカル ボニル)、DCM(ジクロロメタン)、DMF(ジメチルフォルムアミド)、D MA(ジメチルアセトアミド)、ASWY(工程あるいは段階毎の平均収率)、 OAY(全収率)、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)、TBAF(テト ラブチルアンモニウムフルオライド)、THF(テトラヒドロフラン)、MeO H(メタノール)、dH2O(蒸留水)、AcONa(酢酸ナトリウム)、SP PS(固相ペプチド合成)、t−Bu(tert−ブチル)、concd(濃縮 )、CPG(細孔のサイズをそろえたガラス)一般 NMRスペクトルは、溶媒を内部基準として、 1HNMRについては、Br uker(ブルッカー)300MHzで、そして13CNMRについてはBruk er500MHzで記録した。D2O中のすべての1HNMRおよび13CNMRの 測定は、(2−メチル)2−プロパノールを内部基準(C 3,1.36ppm ;HO33,68.7および31.6ppm)に用いて実施した。融点 はFisher−Johns(フィッシャージョーンズ)融点測定装置で測定し た。クロマトグラフ支持体は、Silica flash Merck(シリカ フラッシュ メルク)60(0.040−0.063mm)であった。質量ス ペクトルは、The Scripps Research Institute (ザ スクリップス リサーチ インスティテュート)の質量スペクトロメトリ ー施設で測定した。図4に例示された基質の合成 Fmoc−Ala2およびFmoc−Tyr(OSit−BuMe2)は、At herton,A.;Sheppard,R.C.Solid Phase P eptide Synthesis:A Practical Approac h;Oxford University Press:Oxford,198 9,47−53頁に記載された方法に従って合成した。Fmoc−Ala2につ いては、付録を、Fmoc−Tyr(OSit−BuMe2)については、Fi sher,P.M.Tetrahedron Lett.1992,33,76 05を参照せよ。他のアミノ酸、HBTU(O−ベンゾトリアゾール−1イル− N,N,N′,N′−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート) およびHOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物)は、Novabi ochem(ノヴアバイオケム)から商業的に入手できる。無水グルタル酸、D IEA(ジイソプロピルエチルアミン)、無水DMA(ジメチルアミン)および DMF(ジメチルフォルムアミド)は、Aldrich(アルドリッチ)から商 業的に入手できる。 溶媒であるDCM(メチレンクロライド)、MeOH(メタノール)、THF (テトラヒドロフラン)はBaxter(バクスター)から商業的に入手でき、 すべて低含水量(<0.001%)のHPLC(高速液体クロマトグラフィー) 等級であった。使用の前に、樹脂を10分間、3%Cl3CCO2H/DCM処理 で予め適当な条件とし、続いてDCM,DMF,10%DTEA/DMF,DM FおよびDCMで多量に洗浄する。図4に例示される基質(S1−S7;配列番号1−5)の合成 標準的Fmocおよび/またはBoc方法(Stewartら,Solid Phase Peptide Synthesis;Pierce Chemi cal Company:Rockford,Illinois,1984;A thertonら,Solid Phase Peptide Synthes is:A Practical Approach,Oxford Unive rsity Press:Oxford,1989)に従って、500ÅCPG (細孔のサイズをそろえたガラス)(〜50μmole/g、Sigma又はC PG Inc.),TentaGel−S−NH2支持体(〜260μmole /g,Novabiochem又はRapp Polymere)、又はNov aSyn KD(〜100μmole/g,Novabiochem)のいずれ かの上で、手作業によりペプチド基質(S1−S7;配列番号1−5)を組み立 てた。40−60μmole/gの最終装填量(ローディング)を得るために、 合成の第1工程はアミノ酸モノマーに対して過剰の固体支持体を用いて実施する 。全ての最終洗浄の後、未反応のアミノ基をキャップする(0.25体積の2, 6−ルチジン中の無水酢酸4.23M,0.75体積のTHF中のN,N−ジメ チルアミノピリジン0.53M,3分間)。 同じ手順の部分官能基化およびキャッピングが他のローディングに応用される 。ペプチド合成のASWYは、95−98%であった。各カップリング工程の後 で、樹脂をDMF、DCMおよびMeOHで洗浄する。反応の完了は、Kais er試験で調べる(Kaiserら,Anal.Biochem.1970,3 4, 595)。DMTr(ジメトキシトリチル)陽イオンアッセイ(Gaitら,O ligonucleotide Synthesis:A Practical Approach;Oxford University Press:Ox ford,1990,48頁)又はフルベン−ピペリジン付加物アッセイ(Fm acアッセイ;ε302nm=7800M-1cm-1,ピペリジン/DMF20%中; Athertonら,Solid Phase Peptide Synthe sis:A Practical Approach,Oxford Univ ersity Press:Oxford,1989)のいずれかを用いて可能 なかぎりローディングを決定する。 図5に示すように、チロシン上の水酸基のt−BuMe2Si保護基をカセッ ト組み立ての終わりにTHF中1M TBAFで処理し、続いてTHF,MeO H,dH2O,トリス−HCl緩衝液(20mM,pH8,NaCl 160m M)およびdH2Oで多量に洗浄することにより除去した。この工程後、反応カ セットは、結合開裂検出モードに於いて使用可能である。 基質S8(配列番号6,図4)は、標準的な溶液相ペプチド化学(下記を参照 )を用いて5段階で合成した。この化合物は、かなりの希薄溶液中でゲルを形成 する傾向があるので、TentaGel又はNovaSyn KDへのカップリ ングは次のようにして行った。すなわち、NovaSyn KD(0.5g,5 0μmole),HBTU(50mM)(O−ベンゾトリアゾール−1イル−N ,N,N′,N′−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、 HOBt(50mM)(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物),DIEA (200mM),およびS8(配列番号6)(50mM):以上の混合物をDM A(3ml)中、20℃で8−16時間、振盪する。これらの条件は、2−4倍 に希釈した標準条件に対応する。その後、樹脂をDMA(ジメチルアミン)、M eOH(メタノール)およびDCM(メチレンクロライド)で洗浄する。Tyr (o−t−Bu)をTFA/DCM(トリフルオロ酢酸/メチレンクロライド) (1/4)で10分間、脱保護基化する。樹脂をDCM,DMF,MeOHおよ びDCMで洗浄し、高真空下乾燥する。樹脂は、図7に例示された基質の他の部 分と組み合せて結合形成検出モードに使用可能である。TentaGelについ ては、カップリングを次のようにして行った。すなわち、TentaGel(0 .25g,65μmole),HBTU(65mM),HOBt(65mM), S8(配列番号6)(65mM),およびDIEA(260mM):以上の混合 物を、DMA(3ml)中、20℃で16時間振盪する。S9(配合番号6)お よびS10(図6)の合成については、下記のDNA合成を参照。DNA合成 DNA合成のためのすべてのモノマー、試薬および溶媒は、特に記載していな いかぎりApplied Biosystem(アプライド バイオシステム, ABI)又はGlen Research(グレンリサーチ)から購入した。エ キスパダイト β−シアノエチル ホスホラミダイト(Millipore,ミ リポア)は、アデニン、グアニンおよびシチジンのアミノ基上で、t−ブチルフ ェノキシアセチルによって保護される。チミジンは保護されない。これらのモノ マーから生じるホスフェートバックボーンは、β−シアノエチルエステルとして 保護される。いくつかの第2世代カセットとともに用いられるホスホラミダイト モノマーは、濃アンモニア中、封止管で、55℃、16−20時間のインキュベ ーションを要する。この条件にさらすのを最小にするために、ほとんどの反応カ セットで、迅速な脱保護基化(濃アンモニア中、55℃で1時間)を可能にする エキスパダイト ホスホラミダイトを使用した。 標準のホスホラミダイト化学(Gaitら,Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach;Oxfo rd University Press:New York,1990)を用 いて、394 Applied Biosystem DNA合成機上でDNA 合成を実施した。TentaGelの合成について以前に記載されたように(方 法B,97段階と名付けて、Fenniriら,Proc.Natl.Acad .Sci.USA,1995,92,2278に記載)、標準1μmoleサイ クル(方法A)97段階と名付ける)を修正した。 これをTentaGelおよびNovaSyn KD樹脂の両方に適合させる ためにさらに下記のように修正した(方法C,99段階と名付ける)。順番に、 a)DCM(メチレンクロライド)ボトル(ボトル19)を無水DMFで置き換 えた;b)キャップA(ボトル11)をエキスパダイトキャップA(Milli pore)で置き換えた;ボトル15(ヨウ素0.1M)をより濃度の低いもの (0.02M)で置き換えた;d)モニターモード(段階77)で、ボトル18 からカラム(10秒間)をボトル19からカラム(35秒間)に置き換えた;e )非モニターモードで、洗浄を一段階追加した、ボトル19からカラム(35秒 間)(段階80);f)非モニターモードで、別の洗浄段階を追加した、ボトル 19からカラム(35秒間)(段階94);g)非モニターモード(段階84, 87および90)を5秒から10秒に延長した;h)すべての洗浄段階3,59 ,61,66および96を10秒から30秒に延長した;i)ホスホラミダイト およびテトラゾールとのインキュベーション(段階45)を25秒から120秒 に延長した;スペーサーVIIIの導入について、この段階を900秒に延長した; j)DNA合成機で用いたすべてのモノマーの濃度は、無水アセトニトリル中、 0.1Mであった;k)合成は、3−5カップリング毎にモニターした。 ポリヌクレオチドは、濃アンモニアと55℃で1時間処理して脱保護基化した 。DCM中、3%Cl3CCO2H(5分間)で処理し、続いてDCM,THF, MeOH,トリス−HCl緩衝液(20mM,pH8,NaCl 160mM) およびdH2Oで多量に洗浄して、DMTr基を除去する。チロシン含有カセッ トをTHF中、1M TBAFで15分間、処理して、フェノール性水酸基保護 基であるSiMe2t−Buを除去し、そして上記のように洗浄する。この工程 の後、カセットは結合開裂検出モードに使用可能である。酵素的触媒された結合形成の検出に用いられる基質S9(図6) 酵素触媒結合形成の検出のために、第1のメチルホスホラミダイトを含む長鎖 のアルキルアミノ基を備えるCPG1000Å(1μmoleスケール)上で、 S9を下記のようにして構築した。 すなわち、394 Applied Biosystem DNA合成機の標 準1μmoleサイクル(方法A)をメチルホスホラミダイトおよび標準ABI 試薬とともに使用した。DNA合成の後で、スペーサーVIIIを、続いてスペーサ ーIX又はX(Millipore)を導入した。 MMTrアミノ保護基は、80%酢酸と20℃で1時間、処理し、続いてdH2 O、トリス−HCl緩衝液(20mM,pH8,NaCl 160mM)、d H2O,MeOH,DCMで洗浄することによって除去し、そしてこれを高真空 下で乾燥した。このようにして得られた官能基化されたポリヌクレオチドをさら に下記の濃度条件下、標準的なSPPS法に従って、まだ固体支持体にある間に Fmoc−Ala2で誘導体とする。 樹脂に結合されたポリヌクレオチド4μmoleに対して、DMA(0.5m l)中、HBTU(25mM)、DIEA(100mM)、Fmoc−Ala2 (25mM)を20℃で2時間、振盪する。樹脂をDMF,MeOH,DCMで 洗浄し、高真空下、乾燥する。この工程の後、45分間チオフェノール/Et3 N/ジオキサン(1/1/2)の混合物を用いて、ホスフェートバックボーンを 脱保護基化し、そしてジオキサンおよびMeOHで洗浄する。ペプチド−ポリヌ クレオチドコンジュゲートを樹脂から脱離させ、末端Fmoc−アミノ酸基上で 、脱保護基化(濃アンモニア中、55℃で1時間)し、そして0.8μmの使い 捨てシリンジフィルター(Corning)を通して濾過する。 この工程の後、ポリヌクレオチド−ペプチドコンジュケートを45−50℃で 18時間処理して核塩基上で脱保護基化する。溶液を凍結乾燥し、3M AcO Na,pH5.2から3回エタノール沈澱し、そしてさらに精製することなく、 酵素触媒ペプチドカップリングに使用する。酵素的に触媒された結合形成の検出に用いられる基質S10(図6) 化学的に触媒された結合形成の検出のために、S10(ポリヌクレオチド-VII I−IX又はポリヌクレオチド-VIII−X)は、1μmoleスケールで、エクスパ ダイトβ−シアノエチルホスホラミダイトモノマーとともに500ÅCPGを用 いて組み立てた。 末端アミノ基を、80%酢酸と20℃で1時間、処理し、続いてdH2O、M eOHおよびdH2Oで多量に洗浄することによって、遊離させる。ポリヌクレ オチドを濃アンモニアと55℃で1時間処理することにより脱保護基化した。上 澄み液を回収し、凍結乾燥する。固体を3M AcONa,pH5.2からエタ ノール沈澱し、そしてさらに精製することなくカップリング反応に使用した。酵素的に触媒された結合開裂(図5) カセット(0.01−10mg,5.9−30.1μmole/g)を、1、 10-1、10-2、10-3、10-4、10-5、10-6又は0ユニットのα−キモト リプシンを含む25μlのトリス−HCl緩衝液(2mM,pH8,NaCl 16mM)中に、懸濁し、そして混合物を20℃で振盪した。 30分、1、2、3、4、12、24および48時間後、上澄み液(1−2μ l)を採取し、そしてPCR法に供した。酵素的に触媒された結合形成(図7) 96ウェル濾過プレートアセンブリー(0.65mm,Hydrophili c Durapore,Low Protein Affinity;親水性デ ュラポア、低タンパク質,親和性,Millipore)のいくつかのウェルに 数百ビーズ(〜5mg)のC34又はC35を載置し、そして1、0.1又は0 単位のα−キモトリプシン(最終体積200μl)の存在下、トリス−HCl 100mM pH8/DMSO(40/60,最終pH8.75)中で、S9( 0.32mM)とインキュベートした。プレートを1時間、振盪し、そしてMu ltiscreen Filtration System(マルチスクリーン フィルトレーション システム;Millipore)に適合させる。これは 装置を真空にし、続いてDMSO/dH2O 60%,dH2O,AcOH 80 %(10分間),dH2O,濃アンモニア(10分間),dH2O,TFA2%( 10分間),濃アンモニア,dH2O 80℃,MeOHで多量に洗浄すること によって、反応を停止させることを可能にする。 PCR増幅のために各ウェルからビーズを1つずつ取り出す。化学的に触媒された結合形成(図8)−西側部分のカップリング(C36を東側 部分S10へ) 96ウェル濾過プレートアセンブリー(0.65mm,Hydrophili c Durapore,Low Protein Affinity,Mill ipore)のいくつかのウェルに数百ビーズのTentaGel(〜5mg) を載置し、そして20体積%のグルタルアルデヒド/0.1Mリン酸塩緩衝液、 pH8.5とインキュベートした。プレートを室温で3時間、振盪し、そしてそ れからビーズをdH2Oおよび0.1Mリン酸緩衝液、pH8.5で多量に洗浄 した。60%DMSOを含む0.05Mホウ酸塩緩衝液、pH10中に、アミノ 官能基化したポリヌクレオチドS10(0.15mM)を添加した。 プレートを37℃で20時間、振盪し、そしてMultiscreen Fi ltration Systemに適合させた。これは装置を真空にし、続いて 0.1Mホウ酸塩緩衝液、pH10で多量に洗浄することによって反応を停止さ せることを可能にする。それから、0.1Mリン酸塩緩衝液,pH8.5および 0.1Mリン酸緩衝液,pH8.5中0.2M NaCNBH3200μlを各 ウェルに添加し、プレートを20℃で3時間振盪し、そして振盪せずに一晩中、 4℃で保管した。Multiscreen Filtration Syste mを用いて、ウェルから液相を濾過し除いた。 そして樹脂をdH2O、80%酢酸(2 5 10分間)、濃アンモニア(2 5 10分間)、TFA2%(2 5 10分間)、濃アンモニア(2 51 0分間)、dH2O 80℃、およびMeOHで多量に洗浄した。PCR増幅の ために各ウェルからビーズを1つずつ取り出した。PCR実験 すべてのテンプレート(配列番号8−14、A−G、図9)および対応するプ ライマーは、Operon Corporation(オペロン社)を通じて注 文製造した。テンプレートA(配列番号1)を備える反応カセットについては、 反応混合物からのアリコート(1μl)をPCR成分と混合した。MgCl22 .5mM(Promega,プロメガ)1.2μl、Taq緩衝液(Prome ga)2μl、デオキシヌクレオチド トリホスフェート2.5mM(Phar macia,ファルマシア)1.6μl、プライマーI 100pmole/μ l 1μl,プライマーII 100pmole/μl 1μl,dH2O 17 .7μl,Taqポリメラーゼ(Promega)0.5μl(2.5U)を第 1のPCRサイクルを始める前に添加した。正のコントロール(PCR成分のみ )は、この研究で用いた1pmoleのポリヌクレオチド配列を含むdH2Oと と もに実施した。負のコントロールは、ポリヌクレオチド配列なしで同一の条件下 、実施した。PCRは、Perkin−Elmer−Cetus(パーキン エ ルマー シータス)9600装置で、次のサイクルプログラム、すなわち、94 ℃、30秒間変性反応、55℃、30秒間アニーリング、72℃、30秒間エク ステンションを用いて実施した。35サイクル後、結果をアガロースゲル(1% Gibco−BRL アガロース,2%FMC NuSieve GTG ア ガロースと90mM トリス/64.6mM ホウ酸塩/2.5mM EDTA ,pH8.3(15TBE),103mVで)上で分析した。テンプレートE( 配列番号13)(表4)を備える反応カセットについては、Hot Wax低濃 度Mg++ビーズ(最終体積50μl中、1.5mMの最終濃度,Invitro gen(インビトロジェン),Tag緩衝液(Promega)5μl,dNT P 2.5mM(Pharmacia)4μl,プライマーI 100pmol e/μl 2.5μl,プライマーII 100pmole/μl 2.5μl, Taqポリメラーゼ(Promega)1μl(5U),反応上澄み液1μl, dH2O 34μlを用いた。サイクルプログラムに先立って、94℃、30秒 間の予熱工程が行われ、そして72℃、10分間のエクステンションで終了した 。35サイクルは次のようにプログラムされた。即ち、94℃、30秒間変性反 応、49℃、1分間アニーリング、72℃、30秒間エクステンションであった 。正および負のコントロール並びにアガロースゲル上での分析も前記のごとく実 施した。結合形成の検出のために、テンプレートF(配列番号14)をTag( タッグ)として用い、そしてPCR条件は、前記の条件と同様であったが、この テンプレートでは25サイクルのみであった。スペーサー分子(従来技術に記載および/又は商業的に入手可能な化合物)の合 化合物I(Shallerら,J.Am.Chem.Soc.1963,85 ,3821)、化合物II(Nielsenら,Methods 1994,6, 361),Fmoc−Tyr(OSit−BuMe2)(Fisher,P.M .Tetrahedron Lett.1992,33,7605)、化合物2 ,21(Morinら,Tetrahedron 1992,48,9277) 、 および化合物3,22(Prakashら,J.Chem.Soc.Perki n Trans.1 1991,1273)は、以前に報告された方法に従って 合成される。化合物19、20、23、24、25、すべての試薬並びに溶媒は Aldrichから商業的に入手できる。 様々な条件下、化合物1、5および9を化合物19、20、21又は22で誘 導体化しようとしたいくつかの試みは完全に失敗するか、所望の生成物を低収量 でしか与えなかった。この項では、スペーサーIII−VIIをかなりの高収量でもた らす反応を記載する(図3)。スペーサーIX(Glen Research)お よびX(Millipore Research)は、商業的に入手できた。1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2イロキシ)−17−ヒドロキシ−3,6 .9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン(5)(図3)の合成 化合物5:化合物1(25.0g,89mMol;Sigma Chemic al Company,シグマケミカルカンパニー)および3,4−ジヒドロ− 2H−ピラン(7.5g,89mMol;Aldrich)をメチレンクロライ ド(500ml)中、0℃に冷却し、そして数滴の濃塩酸とともに1時間撹拌し た。温度を20℃まで上昇させ、撹拌を一晩中、継続した。炭酸ナトリウム(3 g)を加え、懸濁液を1時間撹拌し、それから濾過した。続いて、溶媒を乾燥状 態にまで蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ,酢酸エチル/メチ レンクロライド0−100%)にかけると無色粘稠性オイルとして得られる化合 物5(C17348,9.8g,30%)を与えた。 Rf=0.1(シリカ,酢酸エチル)。 1H NMR(CDCl3)δ:4.56(t,3J(H,H)=2.9Hz,1H,OCHO); 3.9-3.3(m,28H,CH2OCH2 and CH 2OH); 1.65-1.42(m,6H,CH2CH2CH2of THP). 13C NMR(CDCl3)δ:98.1(OCHO);72.1,70.1,70.0,69.9,69.8,66.1,61.5 ,61.0,(CH2OCH2 and CH2OH);29.7,24.5,18.4(CH 2CH 2CH 2CH2O). FAB+MS(NBA/NaI): 367(M+H+)/z; 389(M+Na+)/z.1−ヒドロキシ−17−フタルイミド−3,6,9.12,15−ペンタオキサ ヘプタデカン(9)(図3)の合成 化合物9:化合物1(25.0g,89mMol;Sigma Chemic al Company)、フタルアミド(12.9g,89mMol)、PPh3 (23.0g,89mMol)および無水THF(450ml,ナトリウム上 で蒸留)を不活性雰囲気下、20℃で撹拌した。DEAD(15.3g,89m Mol;ジエチルアゾジカルボキシレートはAldrichから商業的に入手で きる。)無水THF中を20℃で2時間にわたって滴下し、そして反応混合物を 一晩中撹拌した。溶媒を乾燥状態にまで蒸発させ、残渣を沸騰するdH2Oに取 った。冷却後、沈澱物を濾過し、そして水溶液を高真空下、乾燥状態にまで蒸発 させた。このようにして得られた粘稠性オイルをクロマトグラフ(シリカ フラ ッシュ,酢酸エチル/ヘキサン50−100%)にかけると、化合物9を無色粘 稠性オイルとして与えた(C2029NO8,22.0g,60%)。 Rf=0.13(シリカ,酢酸エチル)。 1H NMR(CDCl3)δ:7.82(m,2H,Ar); 7.69(m,2H,Ar); 3.88(t,3J(H,H)=6.1Hz,2H ,NCH2); 3.72(t,3J(H,H)=5.4Hz,2H,NCH 2CH2O); 3.69-3.54(m,22H,CH2OCH2 and C H2OH). 13C NMR(CDCl3)δ:167.9(CO); 133.7,131.7,122.9(Ar); 72.2,70.3,70.2,70. 1,70.0,69.95,69.7(OCH2CH2O); 67.5(OCH2CH2N); 61.2(OCH2 CH2OH); 36.9(CH2N) . FAB+MS(NBA/NaI); 予想される正確な質量(M+H+)/z 412.1971,実測値 412.198 3; 434(M+Na+)/z.1−フタルイミド−17−〔(4,4′−ビスメトキシ−トリチル)−オキシ〕 −3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン(12)(図3)の合成 化合物12:化合物9(1.8g,4.4mMol)、DMTrCl(4,4 −ジメトキシトリチルクロライドは、Aldrichから商業的に入手できる) (2.2g,6.6mMol)をピリジン(20ml)中、20℃で40時間、 撹拌した。Et3N(12mMol,トリエチルアミン)を加えて、そして溶媒 を乾燥状態にまで蒸発させた。フラッシユクロマトグラフィー(シリカ,エチル アセテート/DCM 0−50%)の後で、化合物12(C4147NO10,2. 8g,88%)を黄色粘稠性オイルとして得た。 Rf=0.15(シリカ,酢酸エチル/ヘキサン50%)。 1H NMR(CDCl3)δ:7.83(m,2H,フタルイミド); 7.68(m,2H,フタルイミド); 7. 47(d,3J(H,H)=7.1Hz,2H,Ph DMTr); 7.34(d,3J(H,H)=8.9Hz,4H,p-MeOPh DMTr); 7 .26(t,3J(H,H)=7.6Hz,2H,Ph,DMTr); 7.18(t,3J(H,H)=7.3Hz,1H,Ph DMTr); 6.81( d,3J(H,H)=8.9Hz,4H,p-MeOPh DMTr); 3.88(t,3J(H,H)=5.9Hz,2H,CH2N); 3.77(s, 6H,CH3O); 3.75-3.5(m,20H,CH2OCH2); 3.21(t,3J(H,H)=5.4Hz,2H,CH2ODMTr). 13C NMR(CDCl3)δ: 168.2(CO); 158.3,145.0,136.3,130.0,128.1,127.7,126.6 ,123.2,113.0(DMTr Ar); 133.9,132.2,123.2(フタルイミドAr); 85.8((p-MeOPh)2 PhCO);70.7,70.6,70.55,70.5,70.45,70.0,67.8(CH2OCH2); 63.1(CH2ODMTr);55. 1(CH3O); 37.2(CH2N). FAB+MS(NBA/NaI):予想される正確な質量(M+Na+)/z 736.3098,実測値 736.312 3.1−アミノ−17〔(4,4′−ビスメトキシトリチル)オキシ〕−3,6,9 12,15−ペンタオキサヘプタデカン(III)(図3)の合成 化合物III :化合物12(1.7g,2.3mMol),(NH22(ヒドラ ジン)(23.4mMol,0.73ml)およびエタノール(100ml)を 3時間還流した。冷却した後、沈澱物を濾過し、そして溶媒を乾燥状態にまで蒸 発させた。残ったオイルをジエチルエーテルに取り、そして沈澱物を濾過した。 有機相を乾燥状態にまで蒸発させると化合物III (C3345NO8,1.2g, 89%)を淡黄色粘稠性オイルとして与え、これをさらに精製することなく使用 した。 1H NMR(CDCl3)δ:7.45(d,3J(H,H)=7.3Hz,2H,Ph DMTr); 7.33(d,3J(H,H)=8.8H z,4H,p-MeOPh DMTr); 7.27(t,3J(H,H)=7.0Hz,2H,Ph DMTr);7.18(t,3J(H,H)=7.0H z,1H,Ph DMTr); 6.81(d,3J(H,H)=8.8Hz,4H,p-MeOPh DMTr); 3.77(s,6H,CH3O); 3 .73-3.59(m,18H,OCH2CH2O); 3.48(t,3J(H,H)=5.1Hz,2H,CH 2CH2NH2); 3.21(t,3J( H,H)=5.2Hz,2H,CH2ODMTr); 2.84(t,3J(H,H)=5.1Hz,2H,CH2CH 2NH2). 13C NMR(CDCl3)δ: 158.3,145.0,136.3,130.0,128.1,127.7,126.6,113.0(Ar); 85.8((p-MeOPh)2PhCO); 73.4,70.7,70.6,70.5,70.2(CH2OCH2); 63.1(CH2ODMTr) ; 55.2(CH3O); 41.7(CH2NH2). FAB+MS(NBA/NaI):584(M+H+)/z;予想される正確な質量(M+Na+)/z 606.3043,実 測値 606.3072.1−ヒドロキシ−17−〔(4,4′−ビスメトキシトリチル)オキシ〕−3, 6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン(13)の合成(図3の工程i で形成される;化合物は中間体であり示されていない) 化合物13:化合物1(5g,17.7mMol)およびDMTrCl(ジメ トキシトリチルクロライド6.3g,17.7mMol)をピリジン(17ml )中、不活性雰囲気下、20℃で48時間、撹拌した。Et3N(4ml)を加 えて、そして溶媒を乾燥状態にまで蒸発させた。このようにして得たオイル状残 渣をエーテル(100ml)に取り、dH2O(100ml)で抽出した。有機 層 を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、乾燥状態にまで蒸発させ、そして高真空 下で乾燥した。 フラッシュクロマトグラフィーの後(シリカ,酢酸エチル/ヘキサン50−1 00%)、化合物13(C33449,3.3g,32%)を黄色オイルとして 得た。 Rf=0.12(シリカ,エチルアセテート) 1H NMR(CDCl3,塩基性アルミナ上を濾過)δ:7.46(d,3J(H,H)=7.2Hz,2H,Ph D MTr); 7.34(d,3J(H,H)=8.8Hz,4H,p-MeOPh DMTr); 7.27(t,3J(H,H)=7.8Hz,2H,PhD MTr);7.19(t,3J(H,H)=7.2Hz,1H,Ph DMTr); 6.82(d,3J(H,H)=8.9Hz,4H,p-MeOPh D MTr); 3.78(s,6H,CH3O);3.7-3.57(m,22H,CH2OCH2 and CH2OH); 3.22(t,3J(H,H)= 5.3Hz,2H,CH2ODMTr). 13C NMR(CDCl3,塩基性アルミナ上を濾過)δ: 158.3,145.1,136.3,130.1,128. 2,127.7,126.6,113.0(Ar);85.9((p-MeOPh)2PhCO); 72.5,70.7,70.68,70.65,70.6 2,70.58,70.52,70.48,70.45,70.42,70.3(CH2OCH2); 63.1(CH2ODMTr);61.7(CH2OH ); 55.2(CH3O). FAB+MS(NBA/CsI):予想される正確な質量(M+Cs+)/z 717.2040,実測値 717.20 22.1,17−ビス〔(p−トルエンスルホニル)オキシ〕−3,6,9,12,1 5−ペンタオキサヘプタデカン(14)の合成(図3の工程k;化合物は中間体 であり示されていない) 化合物14:化合物1(25.0g,89mMol)、p−トルエンスルホニ ルクロライド(50.9g,267mMol)を乾燥ピリジン(75ml)中、 不活性雰囲気下、0℃で4時間撹拌した。それから反応媒体を氷上(800ml )に注ぎ、そして激しく撹拌した。DCM(300ml)を加え、水層を3M塩 酸で注意深くpH≒1に酸性化した。水層をさらにDCM(2 5 300ml )で抽出し、有機層を合せ、そして飽和塩化アンモニウム(2 5 300ml )、dH2O(2 5 300ml)で抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、 濾過し、乾燥状態にまで蒸発させ、そして残ったオイルを高真空下、乾燥した。 フラッシュクロマトグラフィー(シリカ,MeOH/DCM 0−1%)の後、 化合 物14(C263829,40g,76%)を無色粘稠性オイルとして得た。 Rf=0.49(シリカ,酢酸エチル)。 1H NMR(CDCl3)δ:7.75(d,3J(H,H)=8.3Hz,4H,Ar);7.31(d,3J(H,H)=8.1Hz,4H,A r); 4.10(t,3J(H,H)=4.7Hz,4H,CH2OTs);3.65-3.53(m,20H,CH2OCH2);2.40(s,6H,C H3Ts). 13C NMR(CDCl3)δ:144.7,132.7,129.7,127.8(Ar);77.0,76.8,71.2,70.5,70.4 ,70.3,69.2,68.5(CH2O);21.5(CH3Ts). FAB+MS(NBA/NaI):予想される正確な質量(M+Na+)/z 613.1753,実測値 613.174 0.1,27−ビス−(ヒドロキシ)−5,8,11,14,17,20,23−ヘ プタオキサヘプタドデカン(15)の合成(図3の工程1:化合物は中間体であ 示されていない) 化合物15:化合物23(146.5g,1.63Mol;Aldrich Company)およびナトリウム(5.1g,0.22Mol)を不活性雰囲 気下、20℃で撹拌し、それからナトリウムが完全に溶解するまで65℃に加熱 した。混合物をさらに45℃で2時間撹拌し、それからカニューレを通して化合 物14(60.0g,0.102Mol)のTHF溶液(240ml)へ移した 。化合物23/ナトリウム溶液は高粘度であるため、それは65℃に保たれ、化 合物14/THF溶液が0℃に冷却されている間に、65℃で移された。 移送が完全に終了(1時間)した後、温度を0℃に3時間保ち、それから一晩 中、20℃に保った。反応を塩化アンモニウム飽和溶液(250ml)で停止し た。THFを蒸発させ、残った水層をDCM(3 5 250ml)で抽出し、 硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして乾燥状態にまで蒸発させた。 フラッシュクロマトグラフィー(シリカ,MeOH/酢酸エチル 0−10% )後、純度の高い化合物15(C20429,25.2g,58%)を無色粘稠 性オイルとして得た。 Rf=0.17(シリカ,MeOH/EA) 1H NMR(CDCl3)δ:3.61-3.52(m,28H,CH2OCH2);3.45(t,3J(H,H)=6.0Hz,4H,CH 2O H);1.59(m,8H,CH 2CH 2CH2OH). 13C NMR(CDCl3)δ:71.2,71.1,70.4,70.3,70.25,70.2,69.9(CH2OCH2); 62 .2(CH2OH); 29.8,26.4(CH 2CH 2CH2OH). FAB+MS(NBA/NaI):予想される正確な質量(M+Na+)/z 449.2727,実測値 449.273 8.1−フタルイミド−27−ヒドロキシ−5,8,11,14,17,20.23 −ヘプタオキサヘプタドデカン(16)の合成 化合物16:化合物15(23.6g,55.3mMol)、フタルアミド( 6.3g,42.5mMol)、PPh3(11.2g,42.5mMol)お よび無水THF(290ml、ナトリウム上で蒸留)を不活性雰囲気下、撹拌し た。DEAD(ジエチルアゾジカルボキシレート、7.4g,42.5mMol )無水THF(50ml)中を20℃でシリンジポンプ(8.4ml/h)を用 いてゆっくりと添加した。添加が終了した後、反応混合物を20℃で一晩中、撹 拌した。溶媒を乾燥状態にまで蒸発させ、そして残った固体を沸騰するdH2O に取った。冷却後、沈澱物を濾過し、そして水溶液を高真空下、乾燥状態にまで 蒸発させた。このようにして得られたオイルをクロマトグラフ(シリカ フラッ シュ a)DCM,b)MeOH/EA 0−10%)にかけると、化合物16 を無色粘稠性オイルとして与えた(C2845NO10,11.6g,回収された化 合物15を基準にして95.2%)。 Rf=0.1(シリカ,MeOH/酢酸エチル2%) 1H NMR(CDCl3)δ:7.81(m,2H,Ar); 7.70(m,2H,Ar); 3.69(t,3J(H,H)=6.9Hz,2H ,CH2N); 3.63-3.45(m,30H,CH2OCH2 and CH2OH); 1.74-1.60(m,8H,CH 2CH 2CH2O). 13C NMR(CDCl3)δ:168.4(CO); 133.9,132.1,123.1(Ar); 71.3,70.6,70.5,70. 4,70.1,70.0(CH2OCH2); 62.6(CH2OH); 37.7(CH2N); 30.2,26.9,26.6,25.3(CH 2CH 2 CH2O). FAB+MS(NBA/NaI): 556(M+H+)/z;予想される正確な質量(M+Na+)/z 578.2941, 実測値 578.2963.1−フタルイミド−27−〔(4,4′−ビスメトキシトリチル)オキシ〕−5 8,11,14.17,20,23−ヘプタオキサヘプタドデカン(17)の合 成(図3の工程i;化合物17は中間体であり、そのため示されていない) 化合物17:化合物16(1.4g,2.57mMol)およびDMTrCl (1.74g,5.1mMol)をピリジン中(10ml)、20℃で48時間 撹拌した。Et3N(1ml)を加えて、そして溶媒を乾燥状態にまで蒸発させ た。このようにして得られたオイル状残渣をDCM(20ml)に取り、dH2 O(2 5 20ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過 し、乾燥状態にまで蒸発させ、そして高真空下、乾燥した。フラッシュクロマト グラフィー(シリカ,酢酸エチル/ヘキサン50−75%)の後、化合物17( C496312N,1.9g,86%)を淡黄色オイルとして得た。 Rf=0.33(シリカ,EA). 1H NMR(CDCl3)δ:7.84(m,2H,フタルイミド); 7.71(m,2H,フタルイミド);7.4 4(d,3J(H,H)=7.2Hz,2H,Ph DMTr); 7.32(d,3J(H,H)=8.8Hz,4H,p-MeOPh DMTr);7.2 8(t,3J(H,H)=7.7Hz,2H,Ph DMTr); 7.20(t,3J(H,H)=7.1Hz,1H,Ph DMTr); 6.82(d,3 J(H,H)=8.8Hz,4H,p-MeOPh DMTr); 3.79(s,6H,CH3O); 3.71(t,3J(H,H)=6.9Hz,2H ,CH2N); 3.64-3.42(m,28H,CH2OCH2); 3.06(t,3J(H,H)=5.9Hz,2H,CH2ODMTr); 1.8 0-1.59(m,8H,CH 2CH 2CH2O). 13C NMR(CDCl3)δ:168.5(CO); 158.2,145.3,136.6,130.0,128.2,127.7,126.5 ,112.9(DMTr Ar);133.9,132.1,123.2(フタルイミド Ar);85.8((p-MeOPh)2PhC O);71.3,70.6,70.55,70.2,70.0(CH2OCH2); 63.0(CH2ODMTr); 55.2(CH3O); 37.7( CH2N); 26.9,26.7,26.6,25.3(CH 2CH 2CH2O). FAB+MS(NBA/CsI):予想される正確な質量(M+Cs+)/z 990.3405,実測値 990.338 2.1−アミノ−27〔(4,4′−ビスメトキシトリチル)オキシ〕−5,8,1 1,14,17.20,23−ヘプタオキサヘプタドデカンIV(図3,工程j) の合成 化合物(IV):化合物17(1.1g,2.3mMol)、(NH22(0. 4ml,12.8mMol)およびエタノール(40ml)を2時間還流した。 冷却した後、沈澱物を濾過し、そして溶媒を乾燥状態にまで蒸発させた。残った オイルをジエチルエーテルに取り、そして沈澱物を濾過し除いた。有機相を乾燥 状態にまで蒸発させると化合物IV(C4161NO10,0.85g,91%)を与 えた。これをさらに精製することなく次の工程で使用した。 1H NMR(CDCl3)δ:7.44(d,3J(H,H)=7.1Hz,2H,Ph DMTr); 7.32(d,3J(H,H)=8.9H z,4H,p-MeOPh DMTr);7.28(t,3J(H,H)=7.4Hz,2H,Ph DMTr); 7.20(t,3J(H,H)=7.1H z,1H,Ph DMTr); 6.82(d,3J(H,H)=8.9Hz,4H,p-MeOPh DMTr); 3.79(s,6H,CH3O);3. 65-3.40(m,28H,CH2OCH2); 3.05(t,3J(H,H)=60Hz,2H,CH2ODMTr); 2.70(t,3J(H,H) =6.5Hz,2H,CH 2NH2); 1.7-1.45(m,8H,CH 2CH 2CH2O). 13C NMR(CDCl3)δ:158.2,145.3,136.6,130.0,128.1,127.7,126.5,112.9(Ar); 85.6((p-MeOPh)2PhCO);71.3,71.2,70.5,70.1,70.0(CH2OCH2); 63.0(CH2ODMTr);5 5.2(CH3O);42.0(CH2NH2); 30.4,27.0,26.6,26.5(CH 2CH 2CH2O). FAB+MS(NBA/CsI):予想される正確な質量(M+H+)/z 728.4374,実測値 728.4351 ;860(M+Cs+)/z.27−フタルイミド−5.8.11,14.17.20、23−ヘプタオキサヘ プタドデカノン酸(V)(図3,工程m)の合成 化合物(V):化合物16(8.6g,15.5mMol)および二クロム酸 ピリジニウム(29.2g、77.5mMol)をDMF(145ml)中、不 活性雰囲気下20℃で12時間撹拌した。dH2O(1500ml)を加え、反 応媒体をDCM(4 5 1500ml)で抽出した。 有機層を合せ、500ml最終体積にまで蒸発させ、硫酸マグネシウム上で乾 燥し、濾過し、そして乾燥状態にまで蒸発させた。残渣をジエチルエーテル(5 00ml)に取り、そして不溶物質を取り除くためにCelite上で濾過した 。溶媒を蒸発させた後、得られたオイルをクロマトグラフ(シリカ フラッシュ ,MeOH/酢酸エチル0−10%)にかけると、無色粘稠性オイルとして純度 の高い化合物V(C2843NO11,7.2g、82%)を与えた。 Rf=0.4(シリカ,MeOH/酢酸エチル10%)。 1H NMR(CDCl3)δ:7.82(m,2H,Ar); 7.70(m,2H,Ar);3.67(t,3J(H,H)=6.9Hz,2H, CH2N); 3.62-3.44(m,28H,CH2OCH2);2.41(t,3J(H,H)=7.2Hz,2H,CH 2CO2H);1.87(m, 2H,CH 2CH2CO2H); 1.71(m,2H,NCH2CH 2); 1.61(m,2H,NCH2CH2CH 2). 13C NMR(CDCl3)δ:176.8(CO2H); 168.4(CO); 133.9,132.1,123.2(Ar);70.6,7 0.5,70.1(CH2OCH2); 37.7(CH2N);31.0(CH2CO2H); 26.9(CH2CH2CO2H); 25.3,24.. 8(CH 2CH 2CH2N). FAB+MS(NBA/NaI); 570(M+H+)/z;予想される正確な質量(M+Na+)/z 592.2734, 実測値 592.2748; 614(M-H+ 2Na+)/z.27−アミノ−5,8.11,14,17,20,23−ヘプタオキサヘプタド デカノン酸(18)(図3,工程j)の合成 化合物18:化合物V(2.7g,4.7mMol)、(NH22ヒドラジン (1.5ml,48.0mMol)およびエタノール(120ml)を3時間還 流した。冷却した後(1時間)、沈澱物を濾過し、そして溶媒を乾燥状態にま で蒸発させた。残ったオイルを1M塩酸に取り、紙の上を濾過し、乾燥状態にま で蒸発させ、そして高真空下で乾燥した。これをMeOH/ジエチルエーテル3 0%に取り、濾過し、乾燥状態にまで蒸発させると、化合物18を塩酸塩の形態 で与えた(C2042NO9Cl、2.0g、89.4%)。出発物質(V)が注 意深く精製されていないならば、この化合物は、さらにDowex AG1X8 (OH-)上で精製しかつ1M塩酸で溶離させることができる。 1H NMR(D2O)δ:3.82-3.72(m,24H,OCH2CH2O); 3.70-3.66(m,4H,CH2CH2CH 2O); 3.15(t,3J(H,H)=6.6Hz,2H,CH 2NH3Cl); 2.58(t,3J(H,H)=7.4Hz,2H,CH 2CO2H); 2.0 3(m,2H,CH 2CH2CO2H); 1.85(m,4H,CH 2CH 2CH2NH3Cl). 13C NMR(D2O)δ:184.2(CO2H); 72.1,71.8,71.5,71.1(CH2OCH2); 41.2(CH2NH3 Cl); 32.5(CH2CO2H); 27.6(CH2CH2CO2H); 26.0,25.7(CH 2CH 2CH2NH3Cl). FAB+MS(NBA):予想される正確な質量(M-Cl-)/z 440.2860,実測値 440.2850.27−Fmoc−アミド−5,8,11,14,17.20,23−ヘプタオキ サヘプタドデカノン酸(VI)(図3,工程n)の合成 化合物18(1.0g,2.1mMol)の塩酸塩および10%炭酸ソーダ( 7.8ml,7.4mMol)をジオキサン(5.7ml)およびdH2O(7 .4ml)中で、0℃撹拌した。ジオキサン(5.7ml)中FmocCl(0 .6g,2.3mMol)を15分間にわたって滴下した。温度を4時間、4℃ に保ちさらに20℃に1時間保った。0.01M塩酸(135ml)を加え、そ の混合物をDCM(3 5 70ml)で抽出した。 有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下、乾燥状態にま で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ,酢酸エチル)の後、化 合物VI(C3551NO11,1.2g,87%)を純度の高い無色粘稠性オイルと して得た。 Rf=0.2(シリカ,酢酸エチル)。 1H NMR(CDCl3)δ:7.79(d,3J(H,H)=7.4Hz,2H,Ar); 7.63(d,3J(H,H)=7.4Hz,2H, Ar); 7.42(t,3J(H,H)=7.3Hz,2H,Ar); 7.34(t,3J(H,H)=7.4Hz,2H,Ar); 5.23(t,3J (H,H)=5.3HZ,1H,OCONH); 4.43(t,3J(H,H)=6.8Hz,2H,CH 2OCONH); 4.24(t,3J(H,H) =6.7Hz,1H,CHCH2OCONH); 3.70-3.45(m,28H,CH2OCH2); 3.26(m,2H,OCONHCH 2); 2. 43(t,3J(H,H)=7.4Hz,2H,CH 2CO2H); 1.92(m,2H,CH 2CH2CO2H); 1.63(m,4H,NCH2CH 2 CH 2). 13C NMR(CDCl3)δ:173.9(CO2H); 156.4(OCONH); 143.9,141.2,127.5,127.0,1 25.0,119.8(Ar); 70.8,70.5,70.0,66.2(CH2OCH2); 51.5(CHCH2OCONH); 47.2(CHC H2OCONH); 40.7(OCONHCH2); 30.6(CH2CO2H); 26.7(CH2CH2CO2H); 26.6,24.8(OCO NHCH2CH 2CH 2). FAB+MS(NBA/CsI):予想される正確な質量(M+Cs+)/z 794.2516,実測値 794.252 7.27−Boc−アミド−5,8,11,14,17,20.23−ヘプタオキサ ヘプタドデカノン酸(VII)(図3,工程o)の合成 化合物18の塩酸塩(0.84g,1.76mMol)およびEt3N(1. 0ml,7.3mMol)をDMF(20ml)中、0℃不活性雰囲気下、撹拌 した。DMF(10ml)中Boc2O(0.46g,2.1mMol)を15 分間にわたって滴下した。温度を20℃に上昇し、そして混合物を3時間、さら に撹拌した。dH2O(4m)を加えて、過剰のBoc2Oを潰し、そして高真空 下乾燥状態にまで溶媒を蒸発させた。残ったオイルを0.01M塩酸(25ml )に取り、そして酢酸エチル(3 5 25ml)で抽出した。有機層を合せ、 硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして乾燥状態にまで蒸発させた。フ ラッシュクロマトグラフィー(シリカ,酢酸エチル)の後、化合物VII(C2549 NO11,0.8g,84%)を純度の高い無色粘稠性オイルとして得た。 Rf=0.26(シリカ,MeOH/DCM 10%)。 1H NMR(CDCl3)δ:3.70-3.40(m,28H,CH2OCH2); 3.09(m,2H,CH 2NHCO); 2.42(t,3 J(H,H)=7.1Hz,2H,CH 2CO2H); 1.88(m,2H,CH 2CH2CO2H); 1.55(m,4H,CONHCH2CH 2CH 2 ); 1.41(s,9H,(CH 3)3C). 13C NMR(CDCl3)δ:176.9(CO2H); 156.0(OCONH); 70.8,70.5,70.4,70.0,69.9( CH2OCH2 and(CH3)3 C);40.2(OCONHCH2); 30.8(CH2CO2H); 28.3(CH3)3C); 26.7,2 6.65(OCONHCH2 CH2 CH2); 24.8(CH2CH2CO2H). FAB+MS(NBA/CsI):予想される正確な質量(M+Cs+)/z 672.2360,実測値 672.238 5;804(M-H+ +2Cs+)/z. FAB+MS(NBA):予想される正確な質量(M+H+)/z 540.3384,実測値 540.3405.図4に示される(S8)のためのFmoc−Ala2中間体の合成 本化合物は、Athertonら,Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach;Oxfo rd University Press:Oxford,1989,47−5 3頁に記載されている方法に従って合成された。 典型的な手順は下記の通りである。H2NAla2OH(5.0g,31.2m Mol,Sigmaから商業的に入手できる)および10%炭酸ナトリウム(8 3ml,78.0mMol)をジオキサン(55ml)およびdH2O(57m l)中、0℃で撹拌した。FmocCl(9−フルオレニルメチルクロロフォー メート)(8.5g,32.8mMol;Aldrich Chemical Company)ジオキサン(55ml)中を30分間にわたって滴下した。温 度を0℃に1時間、20℃に1時間維持した。反応の経過中に現われた沈澱物は 、dH2O(360ml)およびジオキサン(210ml)を添加し、続いて2 0℃で1時間撹拌することによって溶解させた。 反応媒体を注意深くpH2〜3に酸性化し、生成した沈澱物を濾過し、そして 液相を酢酸エチル(3 5 250ml)で抽出した。有機層を減圧下、乾燥状 態になるまで蒸発させると、白い固体を残し、これは濾過によって得られた沈澱 物と合せてそしてdH2O(250ml)に懸濁した。それから濾過し、dH2 O(500ml)で洗浄し、そして高真空下、乾燥した。このようにして得られ た固体をジエチルエーテル(250ml)に懸濁して濾過し、ジエチルエーテル (500ml)で洗浄し、そして高真空下、乾燥するとFmocAla2(C21 2225,9.3g,77.5%)を白色固体として与えた。融点192℃ Rf=0.35(シリカ,クロロホルム/MeOH/CH3CO2H 85/10 /5). 1H NMR(DMF,d7)δ:8.18(d,3J(H,H)=7.3Hz,1H,OCONH);7.94(d,3J(H,H)=7.5Hz, 2H,Ar);7.77(t,3J(H,H)=7.5Hz,2H,Ar);7.53(d,3J(H,H)=7.8Hz,1H,CONH);7.44(t,3 J(H,H)=7.5Hz,2H,Ar);7.35(t,3J(H,H)=7.4Hz,2H,Ar);4.45-4.20(m,5H,CHCH 2OCO NH,CHCH3); 1.37;(d,3J(H,H)=7.2Hz,6H,CH3). 13C NMR(DMF d7)δ:174.8(CO2H);173.2(CONH);156.7(OCONH);145.0,144.9,141 .8,128.4,127.8,126.2,126.1,120.8(Ar);67.0(CH2OCONH);51.0(CHCH2OCONH);48. 5,47.7(CHCH3);18.7,17.8(CH3). FAB+MS(NBA):予想される正確な質量(M+H+)/z 383.1607,実測値 383.1618.図4に示される(S8)のためのZ−(L)Ala2−(L)Tyr(Ot−B u)OMe(26)中間体の合成 化合物26:化合物24(2.35g,8mMol:Aldrichから商業 的に入手できる)、化合物25の塩酸塩(2.3g,8mMol;Aldric hから商業的に入手できる)およびEt3N(4.5ml,32mMol)をD MF(80ml)中、0℃で撹拌した。HBTU(6.0g,16mHCl)D MF(80ml)中を1時間にわたって滴下し、反応混合物を20℃で3時間、 撹拌し、そして0℃で一晩中保管した。dH2O(20ml)を添加して、過剰 のHBTUを潰し、そして高真空下、乾燥状態になるまで溶媒を蒸発させた。こ のようにして得られた固体をクロマトグラフィー(シリカ フラッシュ,酢酸エ チル/DCM 0−50%)にかけると、化合物26が白い固体として得られた (C283737,3.75g,91.5%)。 融点167℃ Rf=0.38(シリカ,酢酸エチル/DCM 50%). 1H NMR(CDCl3)δ:7.34(m,5H,Ph,Z); 6.98(d,3J(H,H)=9Hz,2H,Tyr Ar); 6.89( d,3J(H,H)=8.5Hz,2H,Tyr Ar); 6.80(d,3J(H,H)=7.5Hz,1H,CONH); 6.73(d,3J(H,H )=7.5Hz,1H,CONH); 5.54(d,3J(H,H)=7.1Hz,1H,OCONH); 5.10(d,3J(H,H)=3.0Hz,2 H,CH 2Ph Z); 4.78(m,1H,CHCH2,Tyr); 4.49(m,1H,CHCH3);4.26(m,1H,CHCH3); 3.6 5(s,3H,CO2CH3); 3.04(d,3J(H,H)=6.1Hz,2H,CHCH 2Tyr),1.40-1.20(m,15H,(CH3 )3C and CH3). 13C NMR(CDCl3)δ:172.1,171.7,171.5(CO2CH3,CONH); 156.0(OCONH); 154.5,1 36.1,130.4,129.6,128.5,128.2,128.1,124.2(Ar);78.4((CH3)3 C); 67.0(CH2OCON H); 53.4,52.3,48.9(NHCHRCO); 50.5(CO2 CH3); 37.2(CHCH2Tyr); 28.8((CH3)3C) ;18.7,18.3(CH3CH). FAB+MS(NBA/CsI):予想される正確な質量(M+Cs+)/z 660.1686,実測値 660.166 4.図4に示される(S8)のためのH2N−(L)Ala2−(L)Tvr(Ot− Bu)OMe(27)中間体の合成 化合物27:化合物26(3.6g,7mMol),Pd/C 10%(0. 36g,10重量%)をエタノール(175ml)中に懸濁し、50psiの水 素圧下に置いた。反応混合物を20℃、3時間激しく振盪した。懸濁液をそれか らシーライト上で濾過し、そしてシーライトをDCM(200ml)で洗浄した 。有機層を合せ、そして乾燥状態になるまで蒸発させた。化合物27を淡黄色の オイルとして得た(C203135,2.7g、定量的収率)、そしてこれをさ らに精製することなしに次の工程で用いた。 Rf=0.28(シリカ,クロロホルム/MeOH/Et3N 88/10/ 2) 1H NMR(CDCl3)δ:7.70(d,3J(H,H)=6.8Hz,1H,CONH); 7.00(d,3J(H,H)=8.4Hz,2 H,Ar); 6.86(m,3H,Ar and CONH); 4.78(m,1H,CHCH2,Tyr); 4.43(m,1H,CHCH3);3. 67(s,3H,CO2CH3); 3.45(brd,1H,H2NCHCH3); 3.04(m,2H,CHCH 2Tyr); 2.16(brd,2H ,NH2); 1.40-1.15(m,15H,(CH3)3C and CH3). 13C NMR(CDCl3)δ:175.5,171.9,171.85(CONH); 154.3,130.7,129.7,124.1(Ar) ;78.4((CH3)3 C); 53.3,52.3,48.3(NHCHRCO); 50.4(CO2 CH3);37.1(CHCH2Tyr); 2 8.8((CH3)3C); 21.2,17.5(CH3CH). FAB+MS(NBA):予想される正確な質量(M+H+)/z 394.2342,実測値 394.2330.図4に示される(S8)のためのZ−(L)Ala4−(L)Tvr(Ot−B u)OMe(28)中間体 化合物28:化合物27(2.6g,6.6mMol)、化合物24(1.9 5g,6.6mMol)およびEt3N(3.7ml,26.4mMol)をD MF(60ml)中、0℃で撹拌した。HBTU(4.9g,13.2mMol )DMF(60ml)中を1時間かけて滴下し、そして反応混合物を20℃で3 時間、撹拌し、そして4℃で一晩中、保管した。dH2O(20ml)を添加し て過剰のHBTUを潰し、そして溶媒を高真空下、乾燥状態になるまで蒸発させ た。化合物28を沸騰するDCMから白色結晶状固体として得た(C34475 9,3.8g,87%)。 分解点232℃ 1H NMR(DMSO d6)δ:8.24(d,3J(H,H)=7.4Hz,1H,CONH); 8.02(d,3J(H,H)=7.3Hz ,1H,CONH); 7.92(d,3J(H,H)=7.5Hz,1H,CONH); 7.89(d,3J(H,H)=7.7Hz,1H,CONH) ;7.49(d,3J(H,H)=7.4Hz,1H,CONH); 7.37-7.30(m,5H,Ph Z); 7.11(d,3J(H,H)=8. 5Hz,2H,Tyr Ar); 6.86(d,3J(H,H)=8.4Hz,2H,Tyr Ar); 5.02(s,2H,PhCH2Z); 4.42 (m,1H,CHCH2Tyr); 4.25(m,3H,CHCH3); 4.04(m,1H,CHCH3); 3.55(s,3H,CO2CH3); 2.93(m,2H,CHCH 2Tyr),1.25(s,9H,(CH3)3C); 1.17(m,12H,CHCH 3). 13C NMR(DMSO d6)δ:172.4,172.2,171.9,171.6(CO2CH3 and CONH);155.8(OCON H);153.7,137.1,131.6,129.7,128.4,127.9,127.8,123.6(Ar);77.8((CH3)3 C); 65 .4(CH2OCONH); 53.7,51.8,48.1,48.0,47.8(NHCHRCO); 50.0(CO2 CH3); 36.0(CHCH2 Tyr); 28.6((CH3)3C);18.3,18.1(CH3CH). FAB+MS(NBA):予想される正確な質量(M+H+)/z 670.3452,実測値 670.3483.図4に示される(S8)のためのH2N−(L)Ala4−(L)Tyr(Ot− Bu)OMe(29)中間体の合成 化合物29:化合物28(3.5g,5.2mMol)、Pd/C 10%( 0.35g,10重量%)をエタノール/DMF1/1(175ml)中、化合 物28が完全に溶解する(15−30分)まで音波処理し、それから50psi の水素圧下に置いた。懸濁液を室温で5時間激しく振盪し、シーライト上で濾過 し、それからシーライトをエタノール/DMF1/1(100ml)で洗浄した 。有機層を高真空下乾燥状態になるまで蒸発させた。得られた固体は、すべての 通常の有機溶媒中でゲルを形成する強い傾向がある。 純度の高い化合物29(C264157,2.7g,定量的収率)を沸騰アセ トニトリルから黄色の泡状体として得た。 融点198℃ Rf=0.12(シリカ,アセトニトリル) 1H NMR(DMF d7)δ:8.29(brd,1H,CONH); 8.20(d,3J(H,H)=7.0Hz,1H,CONH); 8. 15(d,3J(H,H)=7.6Hz,1H,CONH); 7.91(d,3J(H,H)=7.5Hz,1H,CONH); 7.20(d,3J(H, H)=8.5Hz,2H,Ar); 6.93(d,3J(H,H)=8.4Hz,2H,Ar); 4.57(m,1H,CHCH2,Tyr);4.38( m,3H,CHCH3); 3.64(s,3H,CO2CH3); 3.57(m,1H,H2NCHCH3); 3.04(m,2H,CHCH 2,Tyr ); 1.40-1.20(m,21H,(CH3)3C and CH3). 13C NMR(DMF d7)δ:175.8,173.3,173.1,172.7,172.6(CONH and CO2CH3); 155. 0,132.6,130.5,124.5(Ar);78.4((CH3)3 C);54.8,51.2,49.6,49.5,49.2(NHCHRCO); 52.2(CO2 CH3);37.2(CHCH2Tyr);29.0((CH3)3C);21.1,18.6,18.4,18.1(CH3CH). FAB+MS(NBA):予想される正確な質量(M+H+)/z 536.3084,実測値 536.3070.図4に示されるグルタレートー(L)Ala4−(L)Tvr(Ot−Bu)O Me(S8)の合成 化合物S8:化合物29(1g,1.9mMol)およびEt3N(1.0m l,7.6mMol)をDMF(100ml)中、0℃で撹拌した。無水グルタ ル酸(0.23g,1.9mMol)DMF(50ml)中を、45分間かけて 滴下した。その後で温度を20℃(3時間)に上昇した。反応媒体を4℃で一晩 中、保管した。高真空下、溶媒を乾燥状態になるまで蒸発させ、そして得られた 固体を0.1M塩酸(50ml)に懸濁し、そして音波処理(10分間)した。 白色沈澱物を濾過し、0.1M塩酸、dH2O、DMF、dH2Oおよびエタノー ル(各100ml)で洗浄し、そして高真空下乾燥すると、S8を白色粉末(C3147510,0.96g,78%)として与えた。融点263℃ 1H NMR(DMSO d6)δ:8.22(d,3J(H,H)=7.4Hz,1H,CONH); 8.04(d,3J(H,H)=6.6Hz ,1H,CONH); 8.02(d,3J(H,H)=6.7Hz,1H,CONH); 7.88(d,3J(H,H)=6.7Hz,1H,CONH); 7.86(d,3J(H,H)=7.1Hz,1H,CONH); 7.10(d,3J(H,H)=8.4Hz,2H,Ar); 6.86(d,3J(H ,H)=8.4Hz,2H,Ar); 4.41(m,1H,CHCH2Tyr); 4.22(m,4H,CHCH3); 3.54(s,3H,CO2CH3 ); 2.92(m,2H,CHCH 2Tyr),2.19(t,3J(H,H)=7.4Hz,2H,CH 2CO2H); 2.13(t,3J(H,H )=7.4Hz,2H,CH2CONH);1.68(m,2H,HO2CCH2CH 2); 1.25(s,9H,(CH3)3C); 1.22-1.10 (m,12H,CH3). 13C NMR(DMF d7)δ:174.9,174.3,173.7,173.6,173.0,172.7,172.65(CONH,CO2H ,CO2CH3);155.0,132.7,130.6,124.5(Ar); 78.6((CH3)3 C); 54.8,50.6,50.4,49.8 ,49.4(NHCHRCO); 52.2(CO2 CH3);37.3(CHCH2Tyr);35.1,33.8(HO2CCH2CH2 CH2CONH) ; 29.0((CH3)3C);21.5,18.2,17.8,18.7(HO2CCH2 CH2,CHCH3). FAB+MS(NBA/CsI):予想される正確な質量(M+Cs+)/z 782.2377,実測値 782.239 7; 914(M-H+ +2Cs+)/z.コードされた反応カセットの初期の実施の形態 マトリックス: この技術を実施するための初期の試みで、本発明者らは種々な問題に遭遇した 。第1に、CPG(細孔のサイズをそろえたガラス)のようなある種のマトリッ クス材料は、不安定であった。そしてポリヌクレオチド−基質混成物を遊離し、 望まない背景反応をもたらした。本発明者らは、固体支持体と第1のリンカーと の間の結合がこの問題を引き起こすと推定した。不安定性の問題に加えて、CP Gはポリヌクレオチド合成(25)の間にポリヌクレオチド鎖が上でのばせる自 由な水酸基を有しており、これが望ましくない不安定な結合に導いた。第2の困 難 はカセットの酵素的開裂が、マトリックスおよび/又はポリヌクレオチドによる 基質の立体障害のために遅く、不完全(データを示さず)であるということであ った。この理由から、本発明者らは、固体支持体と基質の間および/または基質 とポリヌクレオチドの間のいずれかのリンカーの長さを延ばさざるを得なかった 。本目的のためには、TentaGelがより良い機械的および化学的性質を有 することが分かった。さらに、それは障害の問題を弱める長いポリオキシエチレ ンアームを持つ。最後に、合成はカセットが短時間に容易に合成できるように簡 単でなければならなかった。これらすべての考慮は、図式1に示す戦略を導びい た。 【図式1】 TentaGelはPEG(ポリエチレングリコール)とPS(ポリスチレン )のテンタクル共重合体である。それは、固相ペプチド合成で成功裏に用いられ てきた。例えば、B.G.de la Torre,B.G.ら Tetrah edron Lett.1994:35巻,2733−2736頁;J.Har alambidisら,Tetrahedron Lett.(1987);2 6巻,5199−5202頁;G.Baranyら Peptides:Pro ceedings of the Twelfth American Pep tide Symposium(第12回アメリカンペプチドシンポジウム会報 )(1992):Escon,Leiden,604頁を参照。それは固相DN A合成に成功裏に用いられてきた。例えば、H.Gaoら,Tetrahedr on Lett.(1991):32巻,5477−5480頁およびP.Wr ightら,Tetrahedron Lett.(1993);34巻,33 73−3376頁を参照。TentaGelは、また生物触媒と適合性があるこ とも示された。例えば、L.Meldalら,J.Chem.Soc.,Che m.Commun.(1994),1849頁を参照。 それは極端なpHにも安定であり、種々の溶媒中で用いることができる。普通 のすべての溶媒中での高い膨潤性(4−7倍)は、生物触媒を含む反応にそれを 使用するのに興味があるものとする付加的な特徴である。このポリマーは、オリ ゴヌクレオチド合成のための可溶性支持体として使用されてきたポリエチレング リコールと同じ移動度および動特性を持つ。例えば、E.Bayer,Ange w,Chem.,Intl.Ed.Engl.(1991):32巻,5477 〜5480頁を参照。それは高い拡散係数、収着および機械的安定性を有する。 官能基が完全に溶媒和されているので(上記参照)、反応速度は溶液中にあるの と同程度である。樹脂のポリエチレングリコール部(70−80重量%)が物理 化学的な挙動を支配するので、その上に成長した基質−ポリヌクレオチド混成物 は、有機又は水性溶液に可溶化されるであろう。最後に、このマトリックスは異 った官能基(OH、NH2、SH、CO2H、CHO、Br)を持つものとして商 業的に入手でき、これは異なった型の基質の導入を容易にする。カセットの基質部の合成 本発明のカセット法を研究するために選ばれた触媒は、化学的、物理的によく 定義されていなければならなかった。α−キモトリプシンは、この目的のために 理想的な酵素と考えられた。カセットの基質部は、α−キモトリプシンに対して 最良の基質であることが知られているL−Ala2−L−Tyr−L−Ala2で あった。例えば、W.K.Baumannら,Eur.J.Biochem.( 1973):39巻,381−391を参照。この基質の選択は、これら初期の 研究に於ける本発明者らの目標は系の感度の下限を探すことであったという事実 に基づいてなされたものであった。 TentaGelマトリックスは、カセット基質の直接取り付けを許す末端官 能基を持つ延びたポリエチレングリコールアームを備えているので、固体支持体 と基質の間にスペーサーを導入する必要はなかった(図式1)。マトリックスの ローディングは約280mmole/gである。障害のある部位の発生を避ける ために、合成の第1段階で大過剰のマトリックスを加え、そして未反応基をキャ ップすることにより最もむき出しにされたもののみを官能基化した(40−60 mmol/g)。 基質とDNAタッグの間の間隔がカセットの非常に重要な設計特徴であると本 発明者らは予想した。そこで4つの異なったリンカーを合成した(図15)、リ ンカーL−Iは、ゆっくりとFmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル) 保護基を失い、純粋な化合物から分離するのが実用的でない副生成物の生成を誘 起する。 そこで、CBZ(ベンジルオキシカルボニル)保護基を持つより安定な誘導体 L−IIを合成した。残念ながら、L−IおよびL−IIの両方のアセトキシ基は、 基質の脱保護基反応に要求される強酸性条件下(CF3CO2H/エタンジチオー ル95%,2時間)、不安定であることが見い出された。従って、不安定なアセ トキシ基を持たない、より長いL−I、L−IIIを合成することが好ましい。し かしながら、L−IIIは樹脂上のペプチドと効率よくカップリングしなかった。 その代り、自由なアミノ基(マトリックス−ペプチド)はリンカーのFmocと 非可逆的に反応した。例えば、G.B.Fieldsら,Int.J.Pep. Prot.Res.(1990)L 35巻,161−214を参照。 従って、これらの結果はL−IVが好適な連結剤であることを教示する。ここに 報告されたすべてのデータは、この連結剤を備えるカセットを採用する。上記の 3つの連結剤のみが今まで試験されたので、末だ試されていない他の付属の連結 剤がより優れているという可能性もある。 代表的な基質として選択されたペプチド配列は、チロシン−O−t−Buにお いてトリフルオロ酢酸/エタンジチオール95%、2時間との脱保護基反応を必 要とする。 ポリヌクレオチド合成の後でこの脱保護基反応を実施することができないので (強酸はポリヌクレオチド上多くの副反応をもたらす)、チロシンの保護基をt −Buから、DNAの脱保護基反応と同時に取り除くことができる塩基に不安定 な保護基に変更する必要があった。図式2に保護基の交換並びにリンカーの導入 に用いられた経路を例示する。本発明の実験に於ける用途とは別に、この系が種 々な基質と適合できるように、容易に変換され、そして化学的に修正されうるこ とをこの合成は示す。 【図式2】 カセットのポリヌクレオチド部の合成 ポリヌクレオチド配列を図16に示す。それは2つのプライマーと基質を確認 する1つのコード配列を有し、この場合基質は各々のアミノ酸が恣意的にトリプ レットヌクレオチド配列を割当てられたペンタペプチドである。自明のことなが ら、基質の性質をコードするのにいかなるヌクレオチド配列を用いてもよく、そ してコードの性質の選択は試験基質の数と複雑さに依存するであろう。 394 Applied Biosystem DNA合成機で、CPG固体 支持体を用いる標準的なホスホラミダイト法は、TentaGelマトリックス では効率がよくなかった。例えば、M.J.Gait編(1990)Oligo nucleotide Synthesis,a Practicable A pproach(Oxford University Press,New York)を参照。 段階あたりの収率は〜98%から〜85%に落ちた。45段階の後では、CP Gでの全収率は〜40%、そしてTentaGelではわずか〜0.07%であ った。古典的な方法の修正が要求された。数多くの試みの後、方法の3つの主な 修正(材料および方法の項を参照)が段階あたりの収率を〜85%から〜97% (これは全収率に於いて〜0.07%から〜25%への増加に対応する)へ増加 することが見い出された。このようにして得られたペプチドをコードするポリヌ クレオチドは、ポリヌクレオチドおよびペプチドを脱保護基化するために濃アン モニアに晒され、続いてジメトキシトリチル保護基を取り除くために、3%ジク ロロメタン−トリクロロ酢酸処理に供された。反応特異性 カセットは酵素開裂に供され、そして遊離されたポリヌクレオチドのPCRに よる増幅の後での結果は、図17に示されている。 トリプシン、ペプシン、パパイン、カルボキシペプチダーゼA、プロテイナー ゼK、α−キモトリプシン、α−キモトリプシン+Bowman−Birk(ボ ーマン−バーク)阻害剤、および酵素なしを用いての20℃、30分間のインキ ュベート後の結果をレーン1−8が示す。例えば、Y.Birk,Y.Int. J.Peptide Protein Res.(1985):第25巻,11 3−131頁を参照。レーン9は正のコントロール、レーン10は負のコントロ ールに対応する。 レーン6のデータは、α−キモトリプシンの存在下、45ヌクレオチドに対応 するバンドが存在することを示し、これはこの酵素による基質の最終的な開裂を 示唆する。さらに、この解釈はコントロール実験によっても支持される。カセッ トがトリプシン、ペプシン、パパイン、又はカルボキシペプチダーゼAとともに インキュベートされた時、バンドがアガロースゲル上に検出されなかった。これ は、これらの酵素の特異性と一致している。Bowman−Birk阻害剤がα −キモトリプシン(レーン7)に添加された時、開裂が検出されなかった。予期 されたように、プロティナーゼKの存在下、バンドが検出され、これはこの酵素 による最終的な開裂を示唆する。バンドの強度は、プロティナーゼKによる開裂 がα−キモトリプシンによって達成される開裂よりも弱いことを示す。この結果 は、α−キモトリプシンが本研究に用いた基質に対して特異的である事実と一致 する。いかなる酵素も存在しない場合(レーン8)、30分後でも開裂が検出さ れない。 本研究に用いた反応条件下、α−キモトリプシンの1pmoleの酵素活性が 容易に検出された。本実験に用いた基質濃度(29.5mM)はかなり飽和状態 (32)以下であったので、検出の感度を改善することができるはずである。さ らに、基質とポリヌクレオチドの間にあるより長いリンカーは酵素の基質に対す る接近し易さを増すことを予備的な実験が示した(データは示さず)。 アガロースゲル上でPCR生成物を分析するのは、触媒のライブラリーがスク リーンされる場合には、骨がおれる仕事になりうるが、その代りに反応混合物に 単にDNAに挿入(インターカレーション)されると蛍光の増強を起こす蛍光プ ローブを加えることができる。図17の差し込みは、YOYO−1の存在ととも に、反応媒質の紫外線光(254nm)下で取られた写真を示す。第1のウェル はレーン6の実験に、第2のウェルはレーン8の実験に、そして第3のウェルは 、いかなる添加物も加えない緩衝液中でのプローブに対応する。最大の蛍光の増 強は、増幅されたDNAを含む第1のウェルにある。第2のウェルは、プローブ とプライマーとの相互作用の結果として生じる背景蛍光を示す。予期されたよう に、 第3のウェルは検出できるいかなる蛍光をも示さない。YOYO−1プローブの 別の利点は、PCR生成物の量(直接的に酵素開裂の効率に関連があるべきであ る)が定量化できることである。例えば、M.Oguraら,Biotechn iques(1994):16巻,1032−1033頁を参照。反応感度 α−キモトリプシンが存在しなければ、24時間後DNA45merに対応す るバンドが検出されたことに興味深く気が付いた(データは示さず)。この背景 反応は、固体支持体とポリヌクレオチドの第1の塩基との間のどこかでの結合の 加溶媒分解か、あるいは単にマトリックスからの漏れによるであろう。開裂部位 (単数または複数)を定義する試みとして、基質単位を欠く同一のカセット(ポ リヌクレオチドが直接、混成ホスホジエステル結合を介してマトリックスに結合 されている)を合成した。このマトリックスと標準カセットが別々に、酵素なし でインキュベートされた時、16時間の後、背景反応を検出できる。この触媒さ れていない反応の検出し易さは、29時間および51時間の間に増加する。 もしこの触媒されていない反応がマトリックスからの漏れ又はホスホジエステ ル結合の加溶媒分解反応から生じたならば、カセットが基質単位を含んでいたか どうかに関わらず45merDNAが同時に検出されたであろう。16時間後の 検出可能な開裂がペプチド基質を含むカセットに限定されているという事実は、 結合の加溶媒分解が基質の配列で、最もありそうにはペプチド結合で起こること を示唆している。ペプチド結合の背景反応開裂が観察される時すなわち16時間 後、ホスホジエステル結合の加溶媒分解は検出されない。しかしながら、29時 間後までには、ホスホジエステル結合の加溶媒分解が検出される。 ペプチド結合の加水分解の速度定数が〜3×10-9-1(t1/2〜7年)と仮 定すると、29.5mMのカセット濃度でペプチド結合の加水分解の速度は、〜 9×10-14 M/sとなる。例えば、D.Kahn及びW.C.Still,J .Am.Chem.Soc.(1988):110巻,7529−7534頁を 参照。15時間後、溶液中に〜5nmoleの遊離ポリヌクレオチドがあること を予測するであろう。この量はPCRで容易に検出可能であることが知られてい る。ホスホジエステル結合の加水分解の速度定数(5.7×10-14-1)は、 ペプ チド結合の加水分解の定数よりも非常に遅いので、基質単位を欠くカセットの背 景反応は長いインキュベーション時間の後でのみ検出されるであろう。例えば、 E.H.Serpersuら,Biochemistry(1987):26巻 ,1289−1300頁を参照。コードされたカセット系の実用性 カセット系が再現性よく働き、そして全カセットが通常の合成化学を用いて4 8時間以内に組み立てることができることを開示した。本方法の簡便さおよび融 通性の理由から、多数の可能性ある触媒の分析が4時間以内で実施できる。現在 の検出限界は約〜1pmoleであるが、この系の感度および効率は容易に改善 されうる。これらの改善は、基質の濃度を増加するか、および/または固体支持 体上のローディングを増加するか、および/または基質とポリヌクレオチドの間 により長いリンカーを導入するかのいずれかによって達成されるかもしれない。 この系は結合の開裂又は形成が最初の出来事である変換反応に限定されない。 ただ1つの要求は化学的変換が結合を他の試薬に対して不安定にするということ である。例えば、ジハイドロキシレーション触媒の探索に於いて、オレフィンを 基質として用いることができる。何故ならば、それがジヒドロキシル化された時 、過ヨウ素酸塩によって選択的に開裂されうるからである。さらに、カセットが 既知の酵素の基質となるように変換反応がカセットを修飾する系を想像すること ができる。例えば、K.Morikawaら,J.Am.Chem.Soc.( 1993):115巻,8463−64頁を参照。 最後に、未だ最適化されていないPCR条件を使用してさえ、何年もの半減期 を持つ触媒されていない化学反応を数時間で検出できることがここで実証された 。実質的にいかなる触媒的結合開裂又は形成の事象も原理的には非常に短時間で 容易に検出できることをこれは証明する。本方法は、酵素が劣るためか、又は、 より重要に、触媒が大きいライブラリーのほんの一員であり、そしてそのため低 濃度で存在するためか、のいずれかの理由から低効率である事象の検出に応用可 能であるべきである。材料および方法 化学薬品は、ペプチド合成について、NovabiochemおよびAldr ichから、DNA合成について、Milliporeから、そしてPCR実験 について、Promegaから購入した。YOYO−1プローブは、Molec ular Probes Inc.(モレキュラー プローブス インク.)か ら購入した。溶媒は、FisherまたはBaxterから購入した(水含量が 0.001%末満)。リンカーの合成のための化学薬品は、Aldrichから 購入し、そしてさらに精製することなく使用した。基質合成 TentaGelは、Novabiochem又はRapp Polymer e(Germany)から商業的に入手できる。ペプチドは標準的Fmoc方法 に従って組み立てた。例えば、A.AhertonおよびR.C.Sheppa rd,Solid Phase Peptide Synthsis:A Pr actical Approach(1989):Oxford Univer sity Pressを参照。典型的な手順では、3等量のアミド結合形成用の カップリング試薬、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3 ,3テトラメチルウロニウム ヘキサフルオローホスフェート(HBTU)、3 等量のN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、6等量のN,N−ジイ ソプロピル−エチルアミン(DIEA)および3等量のN−α(9−フルオレニ ルメトキシカルボニル)−アミノ酸(Fmoc−aa)(ジメチルアセトアミド 中)をジクロロメタン(DCM)中で膨潤した樹脂に加える。Kaiser試験 で判定するとカップリング反応は1時間以内で完結する。例えば、E.Kais erら,Analyt.Biochem.(1970):34巻,595頁およ びV.K.Sarinら,Analyt.Biochem.(1981):11 7巻,147を参照。各段階の後で、樹脂をN,N−ジメチルフォルムアミド、 メタノールおよびDCMで洗浄した。Fmoc保護基は、N,N−ジメチルフオ ルムアミド中、20%ピペリジン(2×10分)と処理することによって除去さ れた。各段階の収量は、少量の試料からのFmoc基の滴定によって決定された 。例えば、A.Atherton,A.&R.C.Sheppard,R.C. ,Solid Phase Peptide Synthesis:A Pra cticable Approach(1989):Oxford Unive rsi ty Press,107頁を参照。40−60mmole/gの最終ローディ ングを得るために、合成の最初の段階は、Fmoc−aaに対して固体支持体の 4倍過剰で実施した。すべての最終洗浄の後、未反応のアミノ基をキャップした (0.25体積の無水酢酸4.23M,2,6−ルチジン中;0.75体積のN ,N−ジメチルアミノピリジン0.53M,THF中;2×10分)。ペプチド 合成の全収率は〜98%であった。 チロシン上の水酸基のためのt−ブチル保護基は、トリフルオロ酢酸/エタン ジオール95%と2時間処理し、続いてDCMNメタノールおよびN,N−ジメ チルフォルムアミドで多量に洗浄することにより除去された。Fmoc保護基は リンカーにカップリングする前に除去された(図式IIを参照)。チロシン−O− L−IVを含むマトリックスは、フェノール環の選択的脱保護基化(濃アンモニア 3時間)およびキャッピング(0.25体積の無水酢酸4.23M,2,6−ル チジン中;0.75体積のN,N−ジメチルアミノピリジン0.53M,THF 中,30分間)の後でチロシン−O−アセチルに変換された。各工程後の収量は 、ジメトキシトリチル陽イオンアッセイによって決定した。例えば、M.J.G ait,Oligonucleotide Synthesis:A Prac ticable Approach(1990):Oxford Univer sity Press,48頁を参照。 リンカーL−IVは、ピリジン中、4−ヒドロキシブチレートのナトリウム塩お よびジメトキシトリチルクロライドから一段階で合成された。例えば、H.Sc hallerら,J.Am.Chem.Soc.(1963):85巻,382 1−3827頁を参照。DNA合成 DNA合成は、394 Applied Biosystem DNA合成機 で実施された。標準的な1mmoleサイクルを以下のように修正した。すなわ ち、1)すべての洗浄段階3、59、61、66、77および94を30秒に延 長した。より長いか、より短かい時間を用いると収量を減少させた。2)ホスホ ラミダイトおよびテトラゾールとのインキュベーション時間(段階45)を25 秒から120秒に延長した。3)ホスホラミダイトの濃度を0.1Mから0.2 Mに増加した。塩基は、55℃で20時間、濃アンモニアで処理することにより 脱保護基化された。ジメトキシトリチル基はDCM中、3%トリクロロ酢酸と処 理し(5分間)、続いてDCM、テトラヒドロフラン、メタノール、トリス−塩 酸緩衝液(20mmole,pH8,NaCl 160mmole)、そしてd H2O(脱イオン水)で多量に洗浄することによって除去した。この工程の後、 カセットはそのまま使用可能である。酵素的開裂および阻害実験 カセット(1mg,5.9mmole/g)を20mlトリス−塩酸緩衝液( 20mmole,pH8,NaCl 160mmole)および170ml d H2Oに懸濁した。0.85nmoleのトリプシン、ペプシン、パパイン、カ ルボキシペプチダーゼA、α−キモトリプシン、又はα−キモトリプシン+1m g Bowman−Birk阻害剤(19)(すべて10ml dH2O中)を 、反応媒質に加え、そして混合物を20℃で振盪した。30分後、上澄み液(1 8.7ml)を取り出し、PCR試験に供した。PCR実験 反応混合物からのアリコート(18.7ml)をPCR成分(MgCl22. 5mmol,1.2ml;Taq緩衝液2ml;デオキシヌクレオチドトリフォ スフェート2.5mmole 1.6ml;プライマー100pmole/ml 1ml)と混合した。Taqポリメラーゼ(2.5U,0.5ml)を第1P CRサイクルを開始するほんの少し前に添加した。正のコントロール(PCR成 分のみ)は、本研究に用いたポリヌクレオチド配列の1pmoleを含むdH2 Oで行った。負のコントロールは、同一条件下、ポリヌクレオチド配列なしで行 った。PCRはPerkin−Elmer−Cetus 9600装置で次のサ イクルプログラム(変性反応94℃,30秒;アニーリング55℃,30秒;エ クステンション72℃,30秒)を用いて行った。35サイクルの後、結果をア ガロースゲル(1%Gibco−BRL,2%Nu Sieve GTG,TB EIX,103mV)上で分析した。蛍光アッセイ PCRの後、反応上澄み液(25ml)を96ウェルのELISAプレートに 移し、そしてdH2O(175ml)およびメタノール(50ml)で250m lに希釈した。プローブ(1ml,YOYO−1)をこの媒質に加え、そして結 果を紫外光(254nm)の下で分析した。触媒されていない反応 基質ユニットを欠くカセットを以下のようにして合成した。 ヒドロキシ官能基を有するTentaGel(1g)をピリジン(4ml)中 、室温で3日間、ジメトキシトリチルクロライド(10等量,85mg)と振盪 した。ジメトキシトリチル基の滴定は、32mmole/gのローディングを示 した。未反応ヒドロキシル基をアセチル化した(0.25体積の無水酢酸4.2 3M,2,6−ルチジン中;0.75体積のN,N−ジメチルアミノピリジン0 .53M,THF中,30分間)。前記の方法に従って、このマトリックス上で DNA合成を実施した。 基質を欠くカセット(0.5mg,12.2mmole/g)および基質単位 を備えるカセット(1mg,6.2mmole/g)を20mlトリス−塩酸緩 衝液(20mmole,pH8,NaCl 160mmole)および180m ldH2O中に別々に懸濁した。混合物を20℃で振盪し、そして2時間後、1 6時間後、29時間後、および51時間後に取ったアリコート(18.7ml) をPCR試験に供した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),UA(AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM ),AL,AM,AT,AU,AZ,BB,BG,BR ,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE, ES,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US ,UZ,VN (72)発明者 ラーナー,リチャード,エー. アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ラ ホヤ イースト ローズランド ドライヴ 7750

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 固相マトリックス; 前記固相マトリックスに共有結合され、開裂反応による開裂に対して感受性の ある基質;および 前記基質に結合され、第1のPCRプライマー配列と、コード配列と、第2の PCRプライマー配列とを含む第1のポリヌクレオチドであって、該コード配列 は前記第1のPCR配列と前記第2のPCR配列との間に配置されている第1の ポリヌクレオチド; を含んでなることを特徴とする、開裂反応をアッセイするためのコードされた 反応カセット。 2. 前記固相マトリックスを前記基質に共有結合する第1のリンカーおよ び前記基質を前記第1のポリヌクレオチドに共有結合する第2のリンカーをさら に含んでなることを特徴とする請求項1に記載のコードされた反応カセット。 3. 前記基質がポリペプチドであることを特徴とする請求項1に記載のコ ードされた反応カセット。 4. 前記固相マトリックスを前記基質に共有結合する第1のリンカーおよ び前記基質を前記第1のポリヌクレオチドに共有結合する第2のリンカーをさら に含んでなり、そして前記基質がポリペプチドであることを特徴とする請求項1 に記載のコード化された反応カセット。 5. 前記基質に結合され、前記第1のPCRプライマー配列と、前記コー ド配列と、前記第2のPCRプライマー配列とを含む、第2のポリヌクレオチド をさらに含んでなることを特徴とする請求項1に記載のコードされた反応カセッ ト。 6. 前記基質を前記第2のポリヌクレオチドに共有結合する第3のリンカ ーをさらに含んでなることを特徴とする請求項2に記載のコードされた反応カセ ット。 7. 前記基質がプロテアーゼによるタンパク質分解性開裂に対して感受性 を有するポリペプチドであり、そして前記コード配列が該ポリペプチドをコード することを特徴とする請求項1に記載のコードされた反応カセット。 8. 固相開裂生成物および該固相開裂生成物とともに混合物を形成する可 溶相開裂生成物を含んでなり、 前記固相開裂生成物は、固相マトリックスと、固相マトリックスに共有結合さ れた基質の第1の開裂生成物とを含み、 前記可溶相開裂生成物は、第1のポリヌクレオチドに共有結合された基質の第 2の開裂生成物を含み、該第1のポリヌクレオチドは第1のPCRプライマー配 列と、コード配列と、第2のPCRプライマー配列とを含み、該コード配列は、 前記第1のPCR配列と前記第2のPCR配列とを分離している、 ことを特徴とする、コードされた反応カセットからの開裂生成物の混合物。 9. 前記固相マトリックスを前記第1の開裂生成物に共有結合する第1の リンカーを含む前記固相開裂生成物、および前記第2の開裂生成物を前記第1の ポリヌクレオチドに共有結合する第2のリンカーを含む前記可溶相開裂生成物を さらに含んでなることを特徴とする請求項8に記載のコードされた反応カセット からの開裂生成物の混合物。 10. 前記第1および第2の開裂生成物が部分ポリペプチドであることを 特徴とする請求項8に記載のコードされた反応カセットからの開裂生成物の混合 物。 11. 前記固相マトリックスを前記第1の開裂生成物に共有結合する第1 のリンカーを含む前記固相開裂生成物および前記第2の開裂生成物を前記第1の ポリヌクレオチドに共有結合する第2のリンカーを含む前記可溶相開裂生成物を さらに含んでなり、そして前記第1および第2の開裂生成物がポリペプチドの断 片であることを特徴とする請求項8に記載のコードされた反応カセットからの開 裂生成物の混合物。 12. 前記基質の第2の開裂生成物に結合され、前記第1のPCRプライ マー配列と、前記コード配列と、前記第2のPCRプライマー配列とを含む、第 2のポリヌクレオチドをさらに含んでなることを特徴とする請求項8に記載のコ ードされた反応カセットからの開裂生成物の混合物。 13. 前記第2の開裂生成物を前記第2のポリヌクレオチドに共有結合す る第3のリンカーをさらに含んでなることを特徴とする請求項8に記載のコード された反応カセットからの開裂生成物の混合物。 14. 工程A:試料と、開裂生成物の混合物を生成するためのコードされ た反応カセットとを混合すること、ここで前記開裂生成物の混合物は、潜在的に 、固相マトリックスと、固相マトリックスに共有結合された基質の第1の開裂生 成物とを含む固相開裂生成物;第1のポリヌクレオチドに共有結合された基質の 第2の開裂生成物を含み、該第1のポリヌクレオチドは、第1のPCRプライマ ー配列と、コード配列と、第2のPCRプライマー配列とを含み、該コード配列 は、前記第1のPCR配列と前記第2のPCR配列とを分離している、可溶相開 裂生成物;および開裂されていないコードされた反応カセット;を含む、 工程B:固相開裂生成物および開裂されていないコードされた反応カセットか ら可溶相開裂生成物を分離かつ単離すること、 工程C:前記工程Bにおいて、分離かつ単離された可溶相開裂生成物のポリヌ クレオチドのコード配列をPCRを用いて増幅すること、それから 工程D:前記工程Cにおいて増幅されたコード配列を検出すること、 以上の工程を含んでなることを特徴とする、試料内の開裂剤を検出するための 方法。 15.前記工程Dの後で、前記工程Dでの増幅されたコード配列の検出を、 開裂剤の存在と関連づける工程Eをさらに含んでなることを特徴とする請求項1 4に記載の試料内の開裂剤を検出するための方法。 20.前記開裂剤がプロテアーゼであり、そして前記工程Aにおいて、コー ドされた反応カセット内に含まれた基質がプロテアーゼによる開裂に対して感受 性のあるポリペプチドであることを特徴とする請求項18に記載の試料内の開裂 剤を検出するための方法。 21.固相連結反応成分および該固相連結反応成分とともに混合物を形成す る可溶相連結反応成分を含んでなり、前記固相連結反応成分は、固相マトリック スと、該固相マトリックスに共有結合された第1の連結反応用反応体とを含み、 前記可溶相連結反応成分は、第1のポリヌクレオチドに共有結合された第2の連 結反応用反応体を含み、該第1のポリヌクレオチドは、第1のPCRプライマー 配列と、コード配列と、第2のPCRプライマー配列とを含み、該コード配列は 、前記第1のPCR配列と前記第2のPCR配列との間に配置され、さらに前記 第1と第2の連結反応用反応体は、前記固相連結反応成分を前記可溶相連結反応 成分に結合させ、そしてコードされた連結反応カセットを形成するように連結可 能であることを特徴とする、連結反応をアッセイするためのコードされた連結反 応カセットを製造する連結されていない反応体の混合物。 22. 前記固相マトリックスを前記第1の連結反応用反応体に共有結合す る第1のリンカーを含む前記固相連結反応成分、および前記第2の連結反応用反 応体を前記第1のポリヌクレオチドに共有結合する第2のリンカーを含む前記可 溶相連結反応成分をさらに含んでなることを特徴とする請求項21に記載の連結 反応成分の混合物。 23. 前記第1および第2の連結反応用反応体が連結可能なオリゴヌクレ オチドの断片であることを特徴とする請求項21に記載の連結反応成分の混合物 。 24. 前記固相マトリックスを前記第1の連結反応用反応体に共有結合す る第1のリンカーを含む前記固相連結反応成分、および前記第2の連結反応用反 応体を前記第1のポリヌクレオチドに共有結合する第2のリンカーを含む前記可 溶相連結反応成分をさらに含んでなり、そして前記第1および第2の連結反応用 反応体が連結可能なオリゴヌクレオチドの断片であることを特徴とする請求項2 1に記載の連結反応成分の混合物。 25. 前記連結反応生成物に結合され、前記第1のPCRプライマー配列 と、前記コード配列と、前記第2のPCRプライマー配列とを含む、第2のポリ ヌクレオチドをさらに含んでなることを特徴とする請求項21に記載の連結反応 成分の混合物。 26. 前記第2の連結反応用反応体を前記第2のポリヌクレオチドに共有 結合する第3のリンカーをさらに含んでなることを特徴とする請求項21に記載 の連結反応成分の混合物。 27. 固相マトリックス; 前記固相マトリックスに共有結合された連結反応生成物;および 前記連結反応生成物に結合され、第1のPCRプライマー配列と、コード配列 と、第2のPCRプライマー配列とを含み、該コード配列は、前記第1のPCR 配列と前記第2のPCR配列とを分離している、第1のポリヌクレオチド; を含んでなることを特徴とする、連結反応をアッセイするためのコードされた 連結反応カセット。 28. 前記固相マトリックスを前記連結反応生成物に共有結合する第1の リンカーおよび前記連結反応生成物を前記第1のポリヌクレオチドに共有結合す る第2のリンカーをさらに含んでなることを特徴とする請求項27に記載のコー ドされた連結反応カセット。 29. 前記連結反応生成物がオリゴヌクレオチドであることを特徴とする 請求項27に記載のコードされた連結反応カセット。 30. 前記固相マトリックスを前記連結反応生成物に共有結合する第1の リンカーおよび前記連結反応生成物を前記第1のポリヌクレオチドに共有結合す る第2のリンカーをさらに含んでなり、そして前記連結反応生成物がオリゴヌク レオチドであることを特徴とする請求項27に記載のコードされた連結反応カセ ット。 31. 前記連結反応生成物に結合され、前記第1のPCRプライマー配列 と、前記コード配列と、前記第2のPCRプライマー配列とを含む、第2のポリ ヌクレオチドをさらに含んでなることを特徴とする請求項27に記載のコードさ れた連結反応カセット 32. 前記連結反応生成物を前記第2のポリヌクレオチドに共有結合する 第3のリンカーをさらに含んでなることを特徴とする請求項27に記載のコード された連結反応カセット。 33. 前記連結反応生成物がリガーゼによる連結反応に対して感受性を有 するポリヌクレオチドであり、そして前記コード配列がオリゴヌクレオチドをコ ードすることを特徴とする請求項27に記載のコードされた連結反応カセット。 34. 連結剤を連結反応成分の混合物とインキュベートすることによって 製造されるコードされた連結反応カセットであって、連結されていない反応体の 混合物は、固相連結反応成分および該固相連結反応成分とともに混合物を形成す る可溶相連結反応成分を含んでなり、前記固相連結反応成分は、固相マトリック スと、固相マトリックスに共有結合された第1の連結反応用反応体とを含み、前 記可溶相連結反応成分は、第1のポリヌクレオチドに共有結合された第2の連結 反応用反応体を含み、該第1のポリヌクレオチドは、第1のPCRプライマー配 列と、コード配列と、第2のPCRプライマー配列とを含み、該コード配列は、 前記第1のPCR配列と前記第2のPCR配列との間に配置され、前記第1と第 2の連結反応用反応体は、前記固相連結反応成分を前記可溶相連結反応成分に結 合させ、そしてコードされた連結反応カセットを形成するように連結可能であり 、さらに前記連結剤は、前記第1および第2の連結反応用反応体に対して連結反 応活性を有することを特徴とする、コードされた連結反応カセット。 35. 前記第1および第2の連結反応用反応体が連結可能なオリゴヌクレ オチドであり、そして前記連結剤がヌクレオチドリガーゼであることを特徴とす る請求項34に記載のコードされた連結反応カセット。 36. 工程A:試料と、コードされた連結反応カセットを製造するための 連結反応成分の混合物とを混合すること、ここで前記連結反応成分の混合物は、 固相マトリックスと、該固相マトリックスに共有結合された第1の連結反応用反 応体とを含む固相連結反応成分;および第1のポリヌクレオチドに共有結合され た第2の連結反応用反応体を含み、該第1のポリヌクレオチドは、第1のPCR プライマー配列と、コード配列と、第2のPCRプライマー配列とを含み、該コ ード配列は、前記第1のPCR配列と前記第2のPCR配列との間に配置される 可溶相連結反応成分;を含む、 工程B;可溶相連結反応成分の連結されていない部分から、前記工程Aで形成 されたコードされた連結反応カセットを固相連結反応成分の連結されていない部 分とともに分離かつ単離すること、 工程C:前記工程Bにおいて、分離かつ単離されたコードされた連結反応カセ ットのポリヌクレオチドのコード配列をPCRを用いて増幅すること、それから 工程D:前記工程Cにおいて増幅されたコード配列を検出すること、 以上の工程を含んでなることを特徴とする、試料内の連結剤を検出するための 方法。 37. 前記工程Dの後で、工程Dでの増幅されたコード配列の検出を、連 結剤の存在と関連づける工程Eをさらに含んでなることを特徴とする請求項36 に記載の試料内の連結剤を検出するための方法。 38. 前記連結剤がリガーゼであり、そして前記工程Aにおいて、コード された連結反応カセット内に含まれた連結反応生成物がリガーゼによる連結反応 に対して感受性のあるポリヌクレオチドであることを特徴とする請求項36に記 載の試料内の連結剤を検出するための方法。
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