JP4963142B2 - 遺伝子型と表現型の対応付け分子とその構成要素、および対応付け分子の製造方法と利用方法 - Google Patents
遺伝子型と表現型の対応付け分子とその構成要素、および対応付け分子の製造方法と利用方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
遺伝子工学の発達により、配列の与えられたヌクレオチドやペプチドのような生体高分子を容易につくることができるようになり、タンパク質工学では、生体高分子の機能や分子間相互作用を理解するためのアプローチとして、分子の構造・機能相関を解明しようとする試みがおこなわれている。ところが、構造の多様さと複雑さのために、その立体構造に関する理論的なアプローチが困難であり、活性部位の残基のいくつかを変えて、構造と機能の変化をみる段階にとどまっている。最近脚光を浴びている進化分子工学(伏見譲 (1991) 科学, 61,333-340; 伏見譲 (1992)講座進化、第6巻、東大出版会)は、この困難なアプローチを必要とせず、機能による選択圧をかけることにより、試験管内でタンパク質などを進化させる、あるいは、タンパク質間あるいは核酸-タンパク質相互作用の検出とそのネットワークを解析を実現しようとするものである(宮本悦子、柳川弘志 (2000) シリーズ・ポストシークエンスのゲノム科学3: プロテオミクス, pp136-156; 宮本悦子、柳川弘志 (2001) 蛋白質・核酸・酵素、46(1), pp1-10)。
【0002】
1990年代に登場したRNAの進化分子工学を土台としたタンパク質の進化分子工学の第一目標は、従来のタンパク質工学ではまったく考えられないほど広大な配列空間の探索をし、その中から最適配列を選び出すことである。我々が有用なタンパク質を選び出す時、今なお「スクリーニング」を重宝していることに象徴されるように、構造理論的な分子設計が未完成な現在、進化的手法はより効率的な方法として実学的な価値がある。
【0003】
また、進化分子工学は、機能を軸として分子間相互作用の検出とそのネットワーク解析が可能であり、特に、近年重要となってきたゲノム機能解析への応用が期待されている(宮本悦子、柳川弘志 (2000) シリーズ・ポストシークエンスのゲノム科学3: プロテオミクス, pp136-156; 宮本悦子、柳川弘志 (2001) 蛋白質・核酸・酵素、46(1), pp1-10)。このように、タンパク質の進化分子工学やポストゲノム機能解析によって、機能性生体高分子の改変や生物から見いだせない機能を持った生体高分子の創製によるバイオチップ、バイオセンサー、工業用触媒としての酵素利用などバイオテクノロジーへの利用はもとより、さらに、タンパク質間相互作用ネットワークの解析から重要な生体酵素の発見などによる医薬品の創製など、医療、食料、エネルギー、環境など多くの分野の産業に積極的に利用可能である。
【0004】
【従来の技術】
進化分子工学とは、ダーウイン進化機構を利用して、「変異(Mutation)」、「選択(Selection)」、「増幅(Amplification)」の3つの単位操作を繰り返すことで、漸進的に進化するシステムを構築し、それを工学的に応用することを目的とした学問である。1984年にEigenらによって理論的に提唱され、実験室内高速分子進化によって、すなわち実験室において生体高分子の配列空間の適応歩行の仕組みをしらべ、それを最適化することによって機能性生体高分子の分子設計を行う新しいバイオテクノロジーである(伏見譲 (1991) 科学, 61,333-340; 伏見譲 (1992) 講座進化, 第6巻,東大出版会)。
【0005】
進化分子工学の重要な要素技術の一つとして「遺伝子型と表現型の対応付け」が挙げられる。「遺伝子型と表現型の対応付け」について、自然界あるいは進化分子工学で多くの場合、次の3タイプが採用されている(伏見譲 (1999) 化学と生物, Vol.37, pp.678-684)。
(a) 遺伝子型に関連する部分と表現型に関連する部分を同一分子上にのせるリボザイム型
(b) 遺伝子型に関連する部分と表現型に関連する部分を一つの複合体とするウイルス型
(c) 遺伝子型に関連する部分と表現型に関連する部分を一つの袋に入れる細胞型
である。RNAの進化分子工学は、(a)のリボザイム型であり、タンパク質の進化分子工学では、(b)のウイルス型か(c)の細胞型が考えられる。1990年代に入って、JoyceやSzostakらによってRNAの進化分子工学が進められ(Joyce, G. F. (1989) Gene 82, 83; Szostak, J.W., Ellington A.D. (1990) Nature 346, 818)、(a)のリボザイム型の対応付け技術を利用したRNAの試験管内実験系(in vitro selection系)が提案され、続いて、タンパク質の進化分子工学におけるウイルス型の遺伝子型と表現型の対応付け技術を利用したタンパク質の試験管内実験系(in vitro selection系)として、in vitro virus法(Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405; 柳川弘志、根本直人、宮本悦子 (1998) WO 98/16636)、RNA-peptide fusion法(Roberts, R.W., Szostak, J.W. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297)、STABLE法(Doi, N., Yanagawa, H. (1999) FEBS Lett. 457, 227)などが報告された。その他、これまで、ウイルス型の進化分子工学として、ファージ・ディスプレイ(Smith, G.P. (1985) Science 228, 1315-1317; Scott, J.K. & Smith, G.P. (1990) Science 249, 386-390)、ポリソーム・ディスプレイ(Mattheakis, L.C. et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 9022-9026)、コード化タグ付ライブラリー(Brenner, S. & Lerner, R.A. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 5381-5383)、セルスタット(Husimi, Y. et al. (1982) Rev. Sci. Instrum. 53, 517-522)をはじめ、様々な手法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
進化分子工学やポストゲノム機能解析において探査可能な配列空間の大きさ、すなわちライブラリーの大きさは重要である。ウイルス型対応付け分子においては、ファージ・ディスプレイのように現在のウイルスを利用した場合、細胞に寄生するため、宿主細胞によってライブラリーの大きさが制限される。一方、前記のin vitro virus法(Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405; 柳川弘志、根本直人、宮本悦子 (1998) WO 98/16636)、RNA-peptide fusion法(Roberts, R.W., Szostak, J.W. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297)などのウイルス型の対応付け分子は、試験管内で作製可能なため、理論上は、これらの方法はリボザイム型並みの配列空間のグローバルな探査法として期待されている。また、進化分子工学においては、探査可能な配列空間の大きさだけでなく、その多様性が重要である。ポリソーム・ディスプレイ法(Mattheakis, L.C. & Dower, W.J. (1995) WO 95/11922)が知られているが、本手法はリボソームを介して核酸とタンパク質を非共有結合で結び付けているため、鎖長の短いペプチドには向いているが、タンパク質のように鎖長が長くなると、その取り扱いが問題となり、すなわち、遺伝子型の鎖長の制限によって、ライブラリーの多様性が制限されることになる。これについても、理論上、in vitro virus法、RNA-peptide fusion法などのウイルス型の対応付け分子では、扱える鎖長の制限はないと考えられる。しかしながら、現実に大規模なライブラリーを構築し、長い鎖長の遺伝子型を扱うためには、いくつかの問題点を解決する必要がある。
【0007】
in vitro virus法、RNA-peptide fusion法などの試験管内のウイルス型対応付け分子では、上記のように原理的には大規模ライブラリーの構築が可能であるが、実際には、ライブラリーの大きさは、ウイルス型対応付け分子の形成効率に依存する。ウイルス型対応付け分子では、タンパク質の情報を含む核酸配列に何らかの方法によってピューロマイシンを含むスペーサーを結合して遺伝子型分子とし、無細胞翻訳系において、リボソーム上で表現型分子(タンパク質)と連結して対応付け分子を構築する。ここで、スペーサーの結合していない遺伝子型分子、すなわちピューロマイシンをもたない遺伝子型分子は表現型分子と連結することは出来ないので、スペーサーの結合効率がライブラリーの大きさを左右することになる。たとえば、RNA-peptide fusion法では、DNAスペーサーの結合(ライゲーション)方法として、スプリントとDNAリガーゼを用いているが、転写の際に遺伝子型分子の3'末端にテンプレートにないランダムな1残基が付加されることがしばしばあり、スプリントの配列と合わず、ライゲーション効率は芳しくない。そのためにスプリントを工夫しているが、手間とコストがかかる。また、in vitro virus法では、DNAスペーサーのライゲーション方法としてRNAリガーゼを用いている。RNAリガーゼでは、スプリントは不必要なためDNAリガーゼのような問題点はないが、元来DNAリガーゼに比較して酵素活性が低いことが知られており、ライゲーション効率はやはり芳しくない。
【0008】
これまでin vitro virus法でも、RNA-peptide fusion法でも、無細胞翻訳系として使用できるのは、ウサギの網状赤血球の無細胞翻訳系に限られてきた。また、ウサギの網状赤血球の無細胞翻訳系でのウイルス型対応付け分子形成効率は、無細胞翻訳系に添加したmRNAテンプレート(遺伝子型分子)の1%以下(Roberts, R.W, Szostak, J.W. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297)、10%以下(Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405 )と低い効率にとどまっており、RNA-peptide fusions法では、翻訳後の処理によって20-40%(Liu, R., Barrick, E., Szoztak, J.W., Roberts, R.W. (2000) Methods in Enzymology 318, 268-293)に高められたが、通常の翻訳の後、マグネシウムイオン(Mg2+)とカリウムイオン(K+)を添加して-20℃で2日間インキュベートしておくなど、手間と時間のかかるものである。対応付け効率が低いことに加えて、ウサギの網状赤血球の無細胞翻訳系は、mRNAの安定性が低く、長鎖のmRNAが扱えないという欠点がある。それに比較して、小麦胚芽の無細胞翻訳系では、mRNAの安定性が良く、長鎖のmRNAが扱える。よって、ウイルス型対応付け分子が小麦胚芽の無細胞翻訳系のリボソーム上で形成できることが望まれるが、これまでのところ実現していない。
【0009】
ウイルス型対応付け分子の形成効率を左右するその他の要因の中で最も大きなものは、遺伝子型分子の翻訳効率の違いである。遺伝子型分子の5'非翻訳領域(5'UTR)の転写プロモーターや翻訳エンハンサーの配列、3'側の配列などにより大きく左右される可能性が予想できるが、翻訳効率とウイルス型対応付け分子の形成効率の関係性について検討した報告はこれまでない。
【0010】
本発明の目的は、進化分子工学やポストゲノム機能解析において重要であるライブラリーの規模と多様性を向上させることにあり、この問題を解決するために、対応付け分子の形成効率を向上させることにある。また、ライゲーションや対応付け翻訳の各工程の高効率化と簡略化をめざすものである。さらに、小麦胚芽の無細胞翻訳系でウイルス型対応付け分子を形成することによって、小麦胚芽の利点である大量合成や長い遺伝子型分子の扱いなどを可能とし、進化分子工学でもゲノム機能解析でも多様性の高い大きなライブラリーを構築できる基盤を作ることが課題である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を達成すべく鋭意研究の結果、図1に示したような対応付け分子におけるピューロマイシンを含むスペーサー(ここではスペーサー部と呼ぶ)とタンパク質の情報を含んだ塩基配列(ここではコード部と呼ぶ)を改良することで、これまでウサギの網状赤血球の無細胞翻訳系に限られていた対応付け分子の形成を小麦胚芽の無細胞翻訳系で実現できるようになり、また対応付け分子の形成効率が向上し、多様性が高く規模が大きなライブラリーが実現できることを見出した。ここで、図1に示したような対応付け分子とは、コード部に何らかの方法によってピューロマイシンを含むスペーサー部を結合して遺伝子型分子とし、無細胞翻訳系において、リボソーム上で表現型分子(ここではデコード部と呼ぶ)と連結して対応付け分子を構成するものである。
【0012】
従って、本発明は以下のものを提供する。
(1) 核酸の3'末端に結合できるドナー領域と、ドナー領域に結合した、ポリエチレングリコールを主成分としたPEG領域と、PEG領域に結合した、ペプチド転移反応によってペプチドと結合し得る基を含むペプチドアクセプター領域とを含むスペーサー分子。
【0013】
(2) ペプチドアクセプター領域が、ピューロマイシンもしくはその誘導体、又は、ピューロマイシンもしくはその誘導体と1残基もしくは2残基のデオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドからなる(1)に記載のスペーサー分子。
【0014】
(3) ドナー領域とPEG領域との間に、少なくとも1つの機能付与ユニットを含む(1)又は(2)に記載のスペーサー分子。
【0015】
(4) 機能付与ユニットが、少なくとも1残基のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドの塩基に機能修飾を施したものである(3)に記載のスペーサー分子。
【0016】
(5) 転写プロモーターおよび翻訳エンハンサーを含む5'非翻訳領域と、5'非翻訳領域の3'側に結合した、タンパク質をコードするORF領域と、ORF領域の3'側に結合した、ポリA配列及びその5'側に制限酵素XhoIが認識する配列を含む3'末端領域を含む核酸であるコード分子。
【0017】
(6) 転写プロモーターがSP6のRNAポリメラーゼのプロモーターである(5)記載のコード分子。
【0018】
(7) 翻訳エンハンサーがタバコモザイクウイルスのTMVオメガ配列の一部(O29)である(5)又は(6)に記載のコード分子。
【0019】
(8) ORF領域の下流部分に親和性タグ配列を含む(5)〜(7)のいずれか1項に記載のコード分子。
【0020】
(9) 親和性タグ配列が、抗原抗体反応によるアフィニティー分離分析用タグであるFlag-tag配列である(8)記載のコード分子。
【0021】
(10) 転写プロモーターおよび翻訳エンハンサーを含む5'非翻訳領域と、5'非翻訳領域の3'側に結合した、タンパク質をコードするORF領域と、ORF領域の3'側に結合した、ポリA配列を含む3'末端領域を含む核酸であるコード分子の3'末端と、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のスペーサー分子のドナー領域とが結合してなる遺伝子型分子。
【0022】
(11) 転写プロモーターがSP6のRNAポリメラーゼのプロモーターである(10)記載の遺伝子型分子。
【0023】
(12) 翻訳エンハンサーがタバコモザイクウイルスのTMVオメガ配列の一部(O29)である(10)又は(11)に記載の遺伝子型分子。
【0024】
(13) 3'末端配列が、制限酵素XhoIが認識する配列をポリA配列の5'側に含む(10)〜(12)のいずれか1項に記載の遺伝子型分子。
【0025】
(14) ORF領域の下流部分に親和性タグ配列を含む(10)〜(13)のいずれか1項に記載の遺伝子型分子。
【0026】
(15) 親和性タグ配列が、抗原抗体反応によるアフィニティー分離分析用タグであるFlag-tag配列である(14)記載の遺伝子型分子。
【0027】
(16) (a)転写プロモーターおよび翻訳エンハンサーを含む5'非翻訳領域と、5'非翻訳領域の3'側に結合した、タンパク質をコードするORF領域と、ORF領域の3'側に結合した、ポリA配列を含む3'末端領域を含むRNAであるコード分子の3'末端と、(b)(1)〜(4)のいずれか1項に記載のスペーサー分子のドナー領域であってRNAからなるものとを、スペーサー分子内のPEG領域を構成するポリエチレングリコールと同じ分子量をもつ遊離のポリエチレングリコールの存在下で、RNAリガーゼにより結合させることを含む、遺伝子型分子の製造方法。
【0028】
(17) (10)〜(15)のいずれか1項に記載の遺伝子型分子を、ペプチド転移反応で、遺伝子型分子内のORF領域によりコードされたタンパク質である表現型分子と連結してなる対応付け分子。
【0029】
(18) (10)〜(15)のいずれか1項に記載の遺伝子型分子を無細胞翻訳系で翻訳することにより、ペプチド転移反応で、遺伝子型分子内のORF領域によりコードされたタンパク質である表現型分子と連結することを含む、対応付け分子の製造方法。
【0030】
(19) 無細胞翻訳系が小麦胚芽の無細胞翻訳系である(18)に記載の方法。
【0031】
(20) 無細胞翻訳系がウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系である(18)に記載の方法。
【0032】
(21) 複数の、(17)に記載の対応付け分子からなるライブラリーであって、少なくとも一部の対応付け分子のコード部のORF領域が異なる配列を有しているライブラリーを用いて、対応付け分子のデコード部と目的物質との相互作用を測定し、相互作用のある対応付け分子のコード部の塩基配列を検出することを含む、目的物質に作用するタンパク質をコードする塩基配列のスクリーニング方法。
【0033】
【発明の実施の形態】
本明細書において、対応付け分子とは、表現型と遺伝子型と対応付ける分子を意味する。対応付け分子は、遺伝子型を反映する塩基配列を有する核酸を含む遺伝子型分子と、表現形の発現に関与するタンパク質を含む表現型分子とが結合してなる。遺伝子型分子は、遺伝子型を反映する塩基配列を、その塩基配列が翻訳され得るような形態で有するコード分子と、スペーサー部とが結合してなる。
【0034】
対応付け分子における、表現形分子に由来する部分、スペーサー分子に由来する部分、及び、コード分子に由来する部分をそれぞれ、デコード部、スペーサー部及びコード部と呼ぶ。また、遺伝子型分子における、スペーサー分子に由来する部分、及び、コード分子に由来する部分をそれぞれ、スペーサー部及びコード部と呼ぶ。
【0035】
図1に、本発明の対応付け分子、スペーサー分子及びコード分子の一例の大まかな構成を示す。この対応付け分子は、ピューロマイシンを含むスペーサー(スペーサー部と呼ぶ)と表現型のコードを反映する塩基配列(コード部と呼ぶ)からなる。この対応付け分子は、コード分子に何らかの方法によってピューロマイシンを含むスペーサー部を結合して遺伝子型分子とし、無細胞翻訳系において、リボソーム上で表現型分子と連結した構成をもつ。スペーサー分子は、ポリエチレングリコールを主成分としたPEG領域、少なくともピューロマイシンあるいはピューロマイシンと1残基以上のDNAあるいは/またはRNAからなるCCA領域、少なくとも1残基以上のDNAあるいは/またはRNAを含むドナー領域、さらに、少なくとも1残基のDNAあるいは/またはRNAの塩基に機能修飾を施した機能付与ユニット(X)からなる。コード分子は、デコード部の一部の配列からなるDNAあるいは/またはRNAのポリA配列を含む3'末端領域、および、DNAあるいは/またはRNAからなる転写プロモーターおよび翻訳エンハンサーを含んだ5'UTR、さらに、主として表現型分子の配列からなるORF領域から構成される。
【0036】
<1>本発明のスペーサー分子
本発明のスペーサー分子は、核酸の3'末端に結合できるドナー領域と、ドナー領域に結合した、ポリエチレングリコールを主成分としたPEG領域と、PEG領域に結合した、ペプチド転移反応によってペプチドと結合し得る基を含むペプチドアクセプター領域とを含む。
【0037】
核酸の3'末端に結合できるドナー領域は、通常、1以上のヌクレオチドからなる。ヌクレオチドの数は、通常には1〜15、好ましくは1〜2である。ヌクレオチドはリボヌクレオチドでもデオキシリボヌクレオチドでもよい。
【0038】
ドナー領域の5'末端の配列は、ライゲーション効率を左右する。コード部とスペーサー部をライゲーションさせるためには、少なくとも1残基以上を含むことが必要であり、ポリA配列をもつアクセプターに対しては、少なくとも1残基のdC(デオキシシチジル酸)あるいは2残基のdCdC(ジデオキシシチジル酸)が好ましい。塩基の種類としては、C>UorT>G>Aの順で好ましい。
【0039】
PEG領域はポリエチレングリコールを主成分とするものである。ここで、主成分とするとは、PEG領域に含まれるヌクレオチドの数の合計が20 bp以下、又は、ポリエチレングリコールの平均分子量が400以上であることを意味する。好ましくは、ヌクレオチドの合計の数が10 bp以下、又は、ポリエチレングリコールの平均分子量が1000以上であることを意味する。
【0040】
PEG領域のポリエチレングリコールの平均分子量は、通常には、400〜30,000、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは2,000〜8,000である。ここで、ポリエチレングリコールの分子量が約400より低いと、このスペーサー分子に由来するスペーサー部を含む遺伝子型分子を対応付け翻訳したときに、対応付け翻訳の後処理が必要となることがあるが(Liu, R., Barrick, E., Szostak, J.W., Roberts, R.W. (2000) Methods in Enzymology, vol. 318, 268-293)、分子量1000以上、より好ましくは2000以上のPEGを用いると、対応付け翻訳のみで高効率の対応付けができるため、翻訳の後処理が必要なくなる。また、ポリエチレングリコールの分子量が増えると、遺伝子型分子の安定性が増す傾向があり、特に分子量1000以上で良好であり、分子量400以下ではDNAスペーサーと性質がそれほどかわらず不安定となることがある。
【0041】
ペプチドアクセプター領域は、ペプチドのC末端に結合できるものであれば特に限定されないが、例えば、ピューロマイシン、3'-N-アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド(3'-N-Aminoacylpuromycin aminonucleoside, PANS-アミノ酸)、例えばアミノ酸部がグリシンのPANS-Gly、バリンのPANS-Val、アラニンのPANS-Ala、その他、全アミノ酸に対応するPANS-全アミノ酸が利用できる。また、化学結合として3'-アミノアデノシンのアミノ基とアミノ酸のカルボキシル基が脱水縮合した結果形成されたアミド結合でつながった3'-N-アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシド(3'-Aminoacyladenosine aminonucleoside, AANS-アミノ酸)、例えばアミノ酸部がグリシンのAANS-Gly、バリンのAANS-Val、アラニンのAANS-Ala、その他、全アミノ酸に対応するAANS-全アミノ酸が利用できる。また、ヌクレオシドあるいはヌクレオシドとアミノ酸のエステル結合したものなども利用できる。その他、ヌクレオシドあるいはヌクレオシドに類似した化学構造骨格を有する物質と、アミノ酸あるいはアミノ酸に類似した化学構造骨格を有する物質を化学的に結合可能な結合様式のものなら全て利用することができる。
【0042】
ペプチドアクセプター領域は、好ましくは、ピューロマイシンもしくはその誘導体、又は、ピューロマイシンもしくはその誘導体と1残基もしくは2残基のデオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドからなることが好ましい。ここで、誘導体とはタンパク質翻訳系においてペプチドのC末端に結合できる誘導体を意味する。ピューロマイシン誘導体は、ピューロマイシン構造を完全に有しているものに限られず、ピューロマイシン構造の一部が欠落しているものも包含する。ピューロマイシン誘導体の具体例としては、PANS-アミノ酸、AANS-アミノ酸などが挙げられる。
【0043】
ペプチドアクセプター領域は、ピューロマイシンのみの構成でもかまわないが、5'側に1残基以上のDNAあるいは/またはRNAからなる塩基配列を持つことが好ましい。配列としては、dC-Puromycin, rC-Puromycinなど、より好ましくはdCdC-Puromycin, rCrC-Puromycin, rCdC-Puromycin, dCrC-Puromycinなどの配列で、アミノアシル-tRNAの3'末端を模倣したCCA配列(Philipps, G.R. (1969) Nature 223, 374-377)が適当である。塩基の種類としては、C>UorT>G>Aの順で好ましい。
【0044】
スペーサー分子は、ドナー領域とPEG領域との間に、少なくとも1つの機能付与ユニットを含むことが好ましい。機能付与ユニットは、好ましくは、少なくとも1残基のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドの塩基に機能修飾を施したものである。例えば、機能修飾物質として、図2に示した蛍光物質、ビオチン、あるいはHis-tagなど各種分離タグなどを導入したものが可能である。
【0045】
図2に、スペーサー分子の一例の詳細な構成を示す。スペーサー分子は、ポリエチレングリコールを主成分としたPEG領域、ピューロマイシンあるいはピューロマイシンと少なくとも1残基のDNAあるいは/またはRNAからなるCCA領域、少なくとも1残基以上のDNAあるいは/またはRNAを含むドナー領域、さらに、少なくとも1残基のDNAあるいは/またはRNAの塩基に機能修飾を施した機能付与ユニット(X)からなる。ここでは、機能付与ユニット(X)として蛍光物質T(Fl)とビオチンT(Bio)が用いられている。
【0046】
<2>本発明のコード分子
本発明のコード分子は、転写プロモーターおよび翻訳エンハンサーを含む5'非翻訳領域と、5'非翻訳領域の3'側に結合した、タンパク質をコードするORF領域と、ORF領域の3'側に結合した、ポリA配列及びその5'側に制限酵素XhoIが認識する配列を含む3'末端領域を含む核酸である。
【0047】
コード分子は、DNAでもRNAでもよく、RNAの場合、5'末端にCap構造があってもなくても良い。また、コード分子は任意のベクターやプラスミドに組み込まれたものとしてもよい。
【0048】
3'末端領域は、XhoI配列とその下流にポリA配列を含む。スペーサー分子とコード分子とのライゲーション効率に影響を与える要素としては3'末端領域のポリA配列が重要であり、ポリA配列は、少なくとも2残基以上のdAあるいは/またはrAの混合あるいは単一のポリA連続鎖であり、好ましくは、3残基以上、より好ましくは6以上、さらに好ましくは8残基以上のポリA連続鎖である。
【0049】
コード分子の翻訳効率に影響する要素としては、転写プロモーターと翻訳エンハンサーからなる5'UTR、および、ポリA配列を含む3'末端領域の組み合わせがある。3'末端領域のポリA配列の効果は通常には10残基以下で発揮される。5'UTRの転写プロモーターはT7/T3あるいはSP6などが利用でき、特に制限はない。好ましくはSP6であり、特に、翻訳のエンハンサー配列としてオメガ配列やオメガ配列の一部を含む配列を利用する場合はSP6を用いることが特に好ましい。翻訳エンハンサーは好ましくはオメガ配列の一部であり、オメガ配列の一部としては、TMVのオメガ配列(Gallie D.R., Walbot V. (1992) Nucleic Acids Res., vol. 20,
4631-4638)の一部(O29)を含んだものが好ましい。
【0050】
また、翻訳効率に関し、3'末端領域においては、XhoI配列とポリA配列の組み合わせが重要となる。また、ORF領域の下流部分、すなわちXhoI配列の上流に親和性タグがついたものとポリA配列の組み合わせも重要となる。親和性タグ配列としては、抗原抗体反応など、タンパク質を検出できるいかなる手段を用いるための配列であればよく、制限はない。好ましくは、抗原抗体反応によるアフィニティー分離分析用タグであるFlag-tag配列である。ポリA配列効果としては、Flag-tag等の親和性タグにXhoI配列がついたものとそこへさらにポリA配列がついたものの翻訳効率が上昇する。
【0051】
上記の翻訳効率に関し効果のある構成は、対応付け効率にも有効である。
【0052】
ORF領域については、DNAあるいは/またはRNAからなるいかなる配列でもよい。遺伝子配列、エキソン配列、イントロン配列、ランダム配列、あるいは、いかなる自然界の配列、人為的配列が可能であり、配列の制限はない。また、コード分子の5'UTRをSP6+O29とし、3'末端領域を、たとえば、Flag+XhoI+An(n=8)とすることで、各長さは、5'UTRで約60bp、3'末端領域で約40bpであり、PCRのプライマーにアダプター領域として組み込める長さである。このため、あらゆるベクターやプラスミドやcDNAライブラリーからPCRによって、本発明の5'UTRと3'末端領域をもったコード分子を簡単に作成できる。本発明のコード分子において、翻訳はORF領域を超えてされてもよい。すなわち、ORF領域の末端に終止コドンがなくてもよい。
【0053】
図3に、コード分子の一例の詳細な構成を示す。コード分子は、3'末端領域と、DNAあるいは/またはRNAからなる転写プロモーターおよび翻訳エンハンサーを含む5'UTRと、デコード部の配列情報からなる、すなわち表現型タンパク質をコードするORF領域とからなる。ここでは、3'末端領域として、DNAあるいは/またはRNAからなる親和性タグ配列、XhoI配列、ポリA配列を含み、Flag-tag配列を用いている。5'UTRとして、転写プロモーターのSP6、翻訳エンハンサーのオメガ配列の一部であるO29を含む配列を用いている。
【0054】
<3>本発明の遺伝子型分子およびその製造方法
本発明の遺伝子型分子は、転写プロモーターおよび翻訳エンハンサーを含む5'非翻訳領域と、5'非翻訳領域の3'側に結合した、タンパク質をコードするORF領域と、ORF領域の3'側に結合した、ポリA配列を含む3'末端領域を含む核酸であるコード分子の3'末端と、本発明のスペーサー分子のドナー領域とが結合してなる。
【0055】
本発明の遺伝子型分子を構成するコード分子は、上記の本発明のコード分子においてXhoI配列が必須ではない他は、本発明のコード分子について説明したとおりである。しかしながら、XhoI配列を有することが好ましい。
【0056】
本発明の遺伝子型分子は、上記コード分子の3'末端と、スペーサー分子のドナー領域を、通常のリガーゼ反応により結合させることにより製造できる。反応条件としては、通常、4〜25℃で4〜48時間の条件が挙げられ、PEG領域を含むスペーサー分子のPEG領域内のポリエチレングリコールと同じ分子量のポリエチレングリコールを反応系に添加する場合には、15℃で0.5〜4時間に短縮することも可能である。
【0057】
スペーサー分子とコード分子の組み合わせはライゲーション効率に重要な効果をもたらす。アクセプターにあたるコード部の3'末端領域において、少なくとも2残基以上、好ましくは3残基以上、さらに好ましくは6〜8残基以上のDNAあるいは/またはRNAのポリA配列があること、さらに、5'UTRの翻訳エンハンサーとしては、オメガ配列の部分配列(O29; 図3)が好ましく、スペーサー部のドナー領域としては、少なくとも1残基のdC(デオキシシチジル酸)あるいは2残基のdCdC(ジデオキシシチジル酸)が好ましい。このことによって、RNAリガーゼを用いることでDNAリガーゼのもつ問題点を回避し、かつ効率を60〜80%に保つことができる。
【0058】
遺伝子型分子がRNAである場合には、(a)転写プロモーターおよび翻訳エンハンサーを含む5'非翻訳領域と、5'非翻訳領域の3'側に結合した、タンパク質をコードするORF領域と、ORF領域の3'側に結合した、ポリA配列を含む3'末端領域を含むコード分子の3'末端と、(b)(1)〜(4)のいずれか1項に記載のスペーサー分子のドナー領域であってRNAからなるものとを、スペーサー分子内のPEG領域を構成するポリエチレングリコールと同じ分子量をもつ遊離のポリエチレングリコールの存在下で、RNAリガーゼにより結合させることが好ましい。
【0059】
ライゲーション反応時に、PEG領域を含むスペーサー部のPEG領域と同じ分子量のポリエチレングリコールを添加することによって、スペーサー部のポリエチレングリコールの分子量によらずライゲーション効率が80〜90%以上に向上し、反応後の分離工程も省略することができる。
【0060】
<4>本発明の対応付け分子及びその製造方法
本発明の対応付け分子は、上記の本発明の遺伝子型分子を、ペプチド転移反応で、遺伝子型分子内のORF領域によりコードされたタンパク質である表現型分子と連結してなるものである。
【0061】
本発明の対応付け分子は、本発明の遺伝子型分子を無細胞翻訳系で翻訳することにより、ペプチド転移反応で、遺伝子型分子内のORF領域によりコードされたタンパク質である表現型分子と連結することを含む。
【0062】
無細胞翻訳系は、好ましくは、小麦胚芽又はウサギ網状赤血球のものである。翻訳の条件は通常に採用される条件でよい。例えば、25〜37℃で15〜240分の条件が挙げられる。
【0063】
無細胞翻訳系については、これまで大腸菌(E. coli)、ウサギ網状赤血球、小麦胚芽の系で対応付け分子の形成が検討され、ウサギ網状赤血球の系でのみ対応付け分子が確認されていたが(Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405; Roberts, R.W, Szostak, J.W. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297)、本発明によれば、PEG領域を含むスペーサー部をもつ対応付け分子として、小麦胚芽の系でも対応付け分子の形成を行うことができる。また、これまでウサギ網状赤血球の系では遺伝子型分子の安定性を欠くために実用性に乏しく、短い鎖長の遺伝子型分子にのみ適用されてきたが(Roberts, R.W, Szostak, J.W. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297; Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405)、本発明のPEG領域を含むスペーサー部をもつ対応付け分子は、小麦胚芽の系ではより安定であり長い鎖長を取り扱える実用的な系である。
【0064】
<5>本発明のスクリーニング法
本発明のスクリーニング法は、標的物質に作用するタンパク質をコードする塩基配列のスクリーニング方法であって、複数の、(17)に記載の対応付け分子からなるライブラリーであって、少なくとも一部の対応付け分子のコード部のORF領域が異なる配列を有しているライブラリーを用いて、対応付け分子のデコード部と標的物質との相互作用を測定し、相互作用のある対応付け分子のコード部の塩基配列を検出することを含む。
【0065】
上記ライブラリーは、対応付け分子として本発明の対応付け分子を用いることの他は、通常の対応付け分子からなるライブラリーの作成方法に従って作成することができる。例えば、進化分子工学では、Error-prone PCR(Leung, D.W., et al. (1989) J. Methods Cell Mol. Biol. 1, 11-15)、Sexual PCR(Stemmer, W.P.C. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 10747-10751)、DNAシャッフリング、変異ライブラリー(柳川弘志、辻 融,「変異DNAライブラリーの構築方法」、特願2000-293692)などの方法を使って構築したライブラリーなどを、ゲノム機能解析では、ランダムプライミングやdTプライミングにより構築したcDNAライブラリーなどを用いることができる。
【0066】
標的物質としては、タンパク質(ペプチド、抗体などを含む)、ヌクレオチドなどが挙げられる。相互作用の測定は、標的物質の種類に適合した方法により行うことができる(例えば、Rigaut, G. et al. (1999) Nature Biotech. 17, 1030-1032)。
【0067】
塩基配列の検出は、通常の方法により行うことができ、例えば、PCR等によって増幅することが挙げられる。例えば、RT-PCR等によって増幅することができる(Joyce, G.F. (1989) Gene 82, 83; Szostak, J.W. and Ellington, A.D. (1990) Nature 346, 818)
【0068】
<6>本発明の効果
本発明のスペーサー分子は、対応付け分子のスペーサー部になるものであり、これまでのDNAを主成分としたスペーサーからポリエチレングリコールを主成分とするスペーサーに改良したものである。このことによって、対応付け分子がウサギ網状赤血球のみならず小麦胚芽の無細胞翻訳系でも形成可能となり、両翻訳系での遺伝子型分子の安定性が飛躍的に向上し、翻訳後の処理を施すことが不要となった。
【0069】
従来のDNAを主成分とするスペーサー(Liu, R., Barrick, E., Szostak, J.W., Roberts, R.W. (2000) Methods in Enzymology 318, 268-293; Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405; Roberts, R.W, Szostak, J.W. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297)から、ポリエチレングリコールを主成分としたPEG領域(PEG)を含むスペーサーとすることで、これまでウサギの網状赤血球の無細胞翻訳系に限られていた対応付け分子の形成(Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405; Roberts, R.W., Szostak, J.W. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297)が小麦胚芽の無細胞翻訳系で実現可能となったことは画期的である。また、本発明のスペーサー部を含む遺伝子型分子は、従来のDNAスペーサー(S30スペーサー; Liu R., Barrick E., Szoztak J.W., Roberts, R.W. (2000) Methods in Enzymology 318, 268-293)や、DNAを主成分としたポリエチレングリコールの分子量400以下のスペーサー(F30スペーサー; Liu R., Barrick E., Szoztak J.W., Roberts, R.W. (2000) Methods in Enzymology 318, 268-293)を用いたものに比較して、ウサギと小麦の両翻訳系において安定性は著しく高く、対応付け効率を高めるために必要であった対応付け翻訳の後処理が必要ない。対応付け翻訳後の処理が簡略化できたことにより、対応付け翻訳の作業時間は、48〜72hrから0.5〜1hrに短縮できる。さらに、小麦胚芽の無細胞翻訳系は、ウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系と比較して、遺伝子型分子の安定性が高く、よって、PEG領域(PEG)を主成分に含むスペーサー部は二重の意味で遺伝子型分子の安定性を高くし、鎖長の長いコード部をもつライブラリー作成が可能となり、ライブラリーの多様性が高まる。
【0070】
機能付与ユニット(X)としてdTの塩基に蛍光物質を導入することにより、従来手間のかかるラジオアイソトープ(RI)で検出していた対応付け分子を蛍光で簡単に検出できる。また、ビオチンや各種のタグを導入することによって、対応付け分子を無細胞タンパク質合成系から分離精製することが可能である。
【0071】
本発明のスペーサー分子に由来するスペーサー部を含む遺伝子型分子の安定性が高い理由としては、電荷チャージのないポリエチレングリコールのスペーサー部で3'側を保護することにより、スペーサー部をもつmRNAがヌクレアーゼにより3'側から攻撃されるのを防ぐためと考えられる。さらに、翻訳後の処理が不要となり、ウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系のみならず、小麦胚芽の無細胞翻訳系で対応付け分子の形成が可能となった理由としては、PEGを主成分とするスペーサーがDNAスペーサーに比較して、翻訳系に含まれるリボソームや他のタンパク質や核酸との相互作用が無く、ウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系のみならず、小麦胚芽の無細胞翻訳系でもスペーサーの自由度が高くなり、リボソーム上でスペーサーのピューロマイシンがAサイトに速やかに入り、ピューロマイシンとタンパク質との連結反応が促進されたためと考えられる。
【0072】
本発明のコード分子は、対応付け分子のコード部になるものであり、コード分子の5'側と3'側の配列を特定のものとすることで、翻訳効率を向上させ、さらには対応付け効率を4〜5倍に向上させることができる。
【0073】
DNAあるいは/またはRNAからなる転写プロモーターおよび翻訳エンハンサーを含んだ5'UTR、および、デコード部の主な配列からなるORF領域、さらに、DNAあるいは/またはRNAからなるポリA配列を含む3'末端領域、からなる構成を持つことにより翻訳効率を向上させる効果が発揮される。ポリA配列がmRNAを安定化させることは公知であるが、その長さについては、真核生物では平均数百bpと言われている。しかしながら、本発明では、10bp以下のポリA配列が特に効果がある。また、一般にポリA配列は、3'UTRに含まれている配列であり翻訳されることはないが、本発明では翻訳されデコード部の一部となってもよい。また、エンハンサー配列について一般的には、オメガ配列の全長の方がオメガの短い配列のものよりも翻訳効率が良いことが知られているが(Gallie, D.R., Walbot, V. (1992) Nucleic Acids Res., vol. 20, 4631-4638)、本発明では、逆に、オメガの短い配列(O29;図3)の方がよい翻訳効率を示す。このような新規な効果が現れた理由として考えられることは、5'UTRと3'末端領域の組み合わせにより、全長のオメガ配列のものよりもO29配列の遺伝子型分子の安定性が良かった等の特別の効果が生じた可能性が考えられる。実際に調べてみると、5'UTRが全長のオメガ配列よりもオメガの一部の配列を含むO29の方が遺伝子型分子の安定性が高かった。
【0074】
本発明のスペーサー分子とコード分子を組み合わせることで、スペーサー部のライゲーション効率がコード部に依存することなく常に高い効率で実現できるようになる。
【0075】
コード部のみでもスペーサー部のみでも奏されない効果として、スペーサー部とコード部のライゲーション効率が飛躍的に高まることがある。コード部とスペーサー部のライゲーション効率は、従来4割以下(Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405; Roberts, R.W, Szostak, J.W. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297)であったが、第三の発明により、コード部の3'末端配列に影響されていたライゲーション効率が常に高効率となる。ライゲーション反応は、これまで、RNA-peptide fusions法(Roberts, R.W, Szostak, J.W. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297)では、スペーサーと遺伝子型を結合させる方法として、スプリントとDNAリガーゼを用いているが、転写の際に遺伝子型の3'末端に鋳型にないランダムな1残基が付加されることがしばしばあり、スプリントの配列と相補性にならず、その結果スペーサー結合効率は芳しくなかった。また、in vitro virus法(Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405)では、スペーサーと遺伝子型を結合する方法としてRNAリガーゼを用いている。RNAリガーゼでは、スプリントは不要なため上記のような問題点はないが、RNAリガーゼは、元来DNAリガーゼに比較して酵素活性が低いことが知られており、スペーサー結合効率はやはり芳しくなかった。RNAリガーゼをライゲーションの酵素として使用する場合は、アクセプターの塩基配列およびドナー塩基配列に望ましい塩基と望ましくない塩基が知られているが(Uhlenbeck, O.C., Gumport, R.I. (1982) The Enzymes, vol. XV, 31-58; England, T.E., Uhlenbeck, O.C. (1978) Biochemistry 17, 2069-2076; Romaniuk, E., McLaughlin, L.W., Neilson, T., Romaniuk, P.J. (1982) Eur. J. Biochem. 125, 639-643)、実験はいずれも短い鎖の場合であり、本発明のように長いアクセプターやドナーで、ライゲーション効率が常に高効率となる事例は報告されていない。
【0076】
本発明でライゲーション効率が向上した理由を考えてみると、RNAリガーゼやDNAリガーゼを用いた場合は、ドナー側の核酸の長さが長くなればなるほどライゲーション効率が低くなることが知られている(Uhlenbeck, O.C., Gumport, R.I. (1982) The Enzymes, vol. XV, 31-58)。よって、スペーサーの主成分をDNAから電荷のないポリエチレングリコールとし、1残基のdC(デオキシシチジル酸)あるいは2残基のdCdC(ジデオキシシチジル酸)をドナー領域にもつことで、鎖長の短い核酸(ドナー)とのライゲーションと同様の高いライゲーション効率が実現されている可能性が考えられる。しかしながら、コード部の3'末端配列領域の配列如何では、低下することもあり、これは、3'末端領域にポリA配列を設けることにより解決された。この配列は翻訳効率の向上にも寄与している。ポリA配列によって、その上流配列によらず、60-80%以上のライゲーション効率が得られるようになる。また、PEG領域のポリエチレングリコールの分子量が大きくなるとライゲーション効率が低くなることがあるが、この点については、ライゲーション反応において、スペーサー部のPEG領域と同じ分子量のポリエチレングリコールを添加すること、および、特に、コード部とスペーサー部の配合比を調節することで、ポリエチレングリコールの分子量によらず、80-90%以上のライゲーション効率が得られるようになる。おそらく、ポリエチレングリコールの存在で反応場の粘性が増すことによってコード部の3'末端とスペーサー部の5'末端の連結反応が促進されたと考えられる。以上により、十分高いライゲーション効率が得られたため、ライゲーション工程で行われていた反応後の分離処理が必要なくなり、従来の作業時間の48〜72hr(Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405)から4〜8hrに短縮された。このことにより、大規模のライブラリーを効率よく簡単に作成可能になった。さらにコード部の5'UTRの構成を合わせもつことにより、対応付け効率は飛躍的に向上する。
【0077】
以上によって、本発明者らはこれまでの説(Liu, R., Barrick, E., Szostak, J.W., Roberts, R.W. (2000) Methods in Enzymology 318, 268-293)に反して、ウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系のみならず、小麦胚芽の無細胞翻訳系でより多様性が高い大規模ライブラリーを実用化出来た。
【0078】
【実施例】
以下、具体的に本発明の対応付け分子の実施例を記述するが、下記の実施例は本発明についての具体的認識を得る一助とみなすべきものであり、本発明の範囲は下記の実施例により何ら限定されるものでない。
【0079】
【実施例1】
図1で示したスペーサー分子とコード分子をライゲーション反応によって連結して、スペーサー分子に由来するスペーサー部とコード分子に由来するコード部とからなる遺伝子型分子をつくり、この遺伝子型分子と表現型分子とをリボソーム上でピューロマイシンを介して対応付け翻訳によって連結することにより、遺伝子型分子に由来するコード部及びスペーサー部と表現型分子に由来するデコード部とからなる対応付け分子を調製した。以下に詳細を示す。
【0080】
(1)PEG領域を含むスペーサー分子の合成
PEG領域を含むスペーサー分子は、図11のBに概略を示す方法を用いて合成した。ここで化合物1はIkedaらが報告した方法(Ikeda, S. et al. (1998) Tetrahedron Lett. 39: 5975-5978)を用い合成した。用いたヌクレオチドアミダイト(それぞれdC、T(Fl)及びT(Bio)を与えるアミダイト)、PEGアミダイト又は化学リン酸化剤の構造は図11のAに示す。ヌクレオチドアミダイトおよび化学リン酸化剤はグレンリサーチ社(アメリカ合衆国、バージニア州)より購入した。平均分子量1000、2000および3000のポリエチレングリコール(PEG)は日本油脂(東京都渋谷区)より購入した。平均分子量4000のPEGはフルカ社(スイス)より購入した。PEGアミダイトはJaschkeらが報告した方法(Jaschke, A. et al. (1993) Tetrahedron Lett. 34: 301-304)を用い合成した。なお、図11中、DMTrは4,4'-ジメトキシトリチル基を、Fmocは9-フルオレンメトキシカルボニル基を示す。
【0081】
化合物1(400 mg,ピューロマイシン残基10μmol含有)に対し、以下のA〜Dの処理を、所定の配列に従い、所定数のヌクレオチドおよびPEGが導入されるまで繰り返し行なった。
【0082】
A.3%トリクロロ酢酸−塩化メチレン溶液1mLを加え室温で3分間放置後、塩化メチレン5 mLで3回洗浄する。再度同じ操作を繰り返した後、無水アセトニトリル5 mLで5回洗浄する。
【0083】
B.ヌクレオチドアミダイト、PEGアミダイト又は化学リン酸化剤30μmol、0.457 Mテトラゾール−無水アセトニトリル溶液100μL、および無水アセトニトリル1
mLを加え、室温で15分間振盪する。アセトニトリル5 mLで5回洗浄する。
【0084】
C.50 mMヨウ素溶液(テトラヒドロフラン−ピリジン−水=75:20:5)1 mLを加え室温で3分間放置後、ピリジン5 mLで3回洗浄する。再度同じ操作を繰り返した後、無水ピリジン5 mLで5回洗浄する。
【0085】
D.10%無水酢酸−ピリジン溶液1 mLおよび触媒量の4,4-ジメチルアミノピリジンを加え室温で20分間放置後、ピリジン5 mLで5回、塩化メチレン5 mLで5回洗浄する。
【0086】
上記の処理により、所定の配列で、所定数のヌクレオチド及びPEGが導入された化合物1に濃アンモニア水1.5 mLおよびエタノール0.5 mLを加え、室温で14時間振盪した。ろ過により固相担体(CPG)を取り除き、ろ液を凍結乾燥した。残査をHPLC[カラム:YMC社(京都府)製 YMC pack ODS-A SH-343-5, 溶離液:10〜60%アセトニトリル−0.1 M酢酸トリエチルアンモニウム水溶液(pH7.0)30分間の直線濃度勾配、流速:10 mL/分]で精製後、PEG領域を含むスペーサー分子を得た。
【0087】
得られた、PEG領域を含むスペーサー分子の種類および収率は以下の通りであった。記号の意味は以下の通りである。p:リン酸基、dC:デオキシシチジン、PEG(数字):数字で示す平均分子量を有するPEG、Puro:ピューロマイシン、T(Fl):蛍光色素で標識されたチミジン、T(Bio):ビオチンで標識されたチミジン。
【0088】
p(dCp)2PEG(1000)p(dCp)2Puro;収率8.7%
p(dCp)2T(Fl)pPEG(1000)pdCpPuro;収率62%
p(dCp)2T(Fl)pPEG(1000)p(dCp)2Puro;収率14%
p(dCp)2PEG(2000)p(dCp)2Puro;収率7%
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)pdCpPuro;収率30%
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro;収率27%
p(dCp)2T(Bio)pPEG(2000)pdCpPuro;収率9%
p(dCp)2T(Bio)pPEG(2000)p(dCp)2Puro;収率8%
p(dCp)2T(Bio)pT(Fl)pPEG(2000)pdCpPuro;収率2%
p(dCp)2T(Bio)pT(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro;収率8%
p(dCp)2PEG(3000)pdCpPuro;収率2%
p(dCp)2PEG(3000)p(dCp)2Puro;収率22%
p(dCp)2T(Fl)pPEG(3000)pdCpPuro;収率29%
p(dCp)2T(Fl)pPEG(3000)p(dCp)2Puro;収率23%
p(dCp)2T(Fl)pPEG(4000)pdCpPuro;収率16%
p(dCp)2T(Fl)pPEG(4000)p(dCp)2Puro;収率17%
【0089】
(2)コード分子の調製
コード分子は、マウス由来のc-jun(Gentz, R., Rauscher, F.J. 3d, Abate, C., Curran, T. (1989) Science 243:1695-9; Neuberg, M., Schuermann, M., Hunter, J.B., Muller, R. (1989) Nature 338:589-90)の配列を含むDNAテンプレートをPCRで増幅した。その際に、5'側について6種類(SP6-O29, T7-O29, SP6-AO, T7-AO, T7-O', T7-K)、3'側について6種類(FlagXA, FlagX, FlagXA(G3), FlagXA(C1), FlagA, Flag)のプライマーを用いることによって、計12種類のDNAテンプレートを調製した。すなわち、以下の条件で各DNAテンプレートについてTaKaRa Ex Taq(宝酒造)を用いてPCRを4本行い、QIAquick PCR Purification Kits(QIAGEN)で精製した。
【0090】
【表1】
(PCR反応液)
10×Ex Buffer 10μl
2.5 mM dNTP 8μl
DEPC水 76.7μl
Ex Taq 0.3μl
テンプレート(1 nmol/μl) 1μl
プライマー1 (20 pmol/μl) 2μl
プライマー2 (20 pmol/μl) 2μl
────────────────
合計 100μl
【0091】
【表2】
【0092】
以上の方法により以下のコード分子(DNAテンプレート)を6〜12μg得た。なお、便宜のため、コード分子は、PCRに用いたプライマーにより「(プライマー1名)Jun-(プライマー2名)」と名付ける。また、DNA又はRNAの別を括弧内に示す。
【0093】
[DNA]SP6-O29Jun-FlagXA;収量10μg
[DNA]T7-O29Jun-FlagXA;収量12μg
[DNA]SP6-AOJun-FlagXA;収量10μg
[DNA]T7-AOJun-FlagXA;収量7μg
[DNA]T7-O'Jun-FlagXA;収量9μg
[DNA]T7-KJun-FlagXA;収量10μg
[DNA]SP6-O29Jun-FlagX;収量7μg
[DNA]SP6-O29Jun-FlagXA(G3);収量8μg
[DNA]SP6-O29Jun-FlagXA(C1);収量6μg
[DNA]SP6-O29Jun-FlagA;収量10μg
[DNA]SP6-O29Jun-Flag;収量10μg
【0094】
次いで、転写によりDNAテンプレートからRNAテンプレート(=コード分子)を調製した。すなわち、以下の条件で、RiboMAXTM Large Scale RNA Production Systems(Promega)をもちいて上記で得たDNAテンプレートの転写(37℃, 2h)を行い、RNeasy Mini Kits(QIAGEN)で精製した。
【0095】
【表3】
(転写反応液)
5x SP6バッファ 10μl
ヌクレオチドミックス(ATP/MTP/CTP), 25 mM 10μl
GTP, 10mM 7.5μl
Capアナログ(m7G(5')ppp(5')G), 40 mM 9.4μl
DNAテンプレート 1μg
SP6エンザイムミックス 5μl
RNaseフリー水 残部
──────────────────────────
合計 50μl
【0096】
以上の方法により以下のコード分子(RNAテンプレート)を250〜500 pmol得た。
【0097】
[RNA]SP6-O29Jun-FlagXA;収量450 pmol
[RNA]T7-O29Jun-FlagXA;収量350 pmol
[RNA]SP6-AOJun-FlagXA;収量400 pmol
[RNA]T7-AOJun-FlagXA;収量500 pmol
[RNA]T7-O'Jun-FlagXA;収量350 pmol
[RNA]T7-KJun-FlagXA;収量500 pmol
[RNA]SP6-O29Jun-FlagX;収量250 pmol
[RNA]SP6-O29Jun-FlagXA(G3);収量300 pmol
[RNA]SP6-O29Jun-FlagXA(C1);収量350 pmol
[RNA]SP6-O29Jun-FlagA;収量400 pmol
[RNA]SP6-O29Jun-Flag;収量400 pmol
【0098】
(3)コード分子の翻訳
(3−1)小麦胚芽の無細胞翻訳系における翻訳反応
以下の条件で、Wheat Germ Extract(Promega)をもちいてコード分子(RNAテンプレート)の翻訳(26℃, 60 min)を行い、翻訳と同時にタンパク質のラベル化(Miyamoto-Sato, E., Nemoto, N., Kobayashi, K., and Yanagawa, H. (2000) Nucleic Acids Res. 28: 1176-1182; Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E. and Yanagawa, H. (1999) FEBS Lett., 462: 43-46)を行い、17.5%SDS-PAGEで電気泳動し、バンドのフルオレセインによる蛍光をマルチ画像解析装置、Molecular Imager FX (Bio-Rad)で測定した。
【0099】
【表4】
(翻訳反応液)
アミノ酸ミックス, 1 mM 0.8μl
1 M カリウム 0.76μl
RNaseインヒビター, 10 U/μl 0.8μl
RNAテンプレート(コード分子) 4 pmol
Wheat Germ Extract(Promega) 5μl
Fluoro-dCpPuro, 400μM 0.6μl
RNaseフリー水 残部
────────────────────
合計 10μl
【0100】
以上の方法によりコード分子(RNAテンプレート)から分子量約25KDaのJunタンパク質を得、画像解析により定量した。なお、各コード分子から得られたJunタンパク質は下表の通り命名した。
【0101】
【表5】
コード分子(RNAテンプレート) Junタンパク質
(a) [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA p-SP6-O29 = p-FXA
(b) [RNA]T7-O29Jun-FlagXA p-T7-O29
(c) [RNA]SP6-AOJun-FlagXA p-SP6-AO
(d) [RNA]T7-AOJun-FlagXA p-T7-AO
(e) [RNA]T7-O'Jun-FlagXA p-T7-O'
(f) [RNA]T7-KJun-FlagXA p-T7-K
(g) [RNA]SP6-O29Jun-FlagX p-FX
(h) [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA(G3) p-FX'A
(i) [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA(C1) p-FX''A
(j) [RNA]SP6-O29Jun-FlagA p-FA
【0102】
図7のAには、上記(a)〜(f)について、各Junタンパク質の翻訳効率(相対比)について比較した結果を示す。この結果から、5'UTRにおいて、転写プロモータとしてSP6のRNAポリメラーゼの転写プロモーター(SP6)を含む場合(p-SP6-AO及びp-SP6-O29)、及び、エンハンサー配列としてタバコモザイクウイルスTMVオメガの一部(O29)を含む場合(p-SP6-O29及びp-T7-O29)に翻訳効率が高く、両方を含む場合(p-SP6-O29)に翻訳効率が特に高いことが分かる。
【0103】
図7のBには、上記(g)、(a)、(h)〜(j)について、各Junタンパク質の翻訳効率について比較した結果を示す。この結果から、3'末端領域において、ポリA配列を含む場合(p-FA)及びポリA配列及びXhoI配列を含む場合(p-FXA)に、翻訳効率が高いことが分かる。すなわち、Flag-tagにXhoI配列がついたものとそこへさらにポリA配列がついたものの翻訳効率を比較すると著しく相違する。また、XhoI配列とポリA配列の組み合わせ効果としては、Flag-tagにポリA配列のみが付いたものよりもFlag-tagにXhoI配列とポリA配列がついたものの翻訳効率の方がはるかに良い。また、XhoI配列の1残基置換が大きく影響することから、XhoI配列自身も重要である。
【0104】
(4)スペーサー分子とコード分子の連結
以下の条件で、T4 RNAリガーゼ(宝酒造)をもちいてPEG領域を含むスペーサー分子とコード分子(RNAテンプレート)のライゲーション(15℃, 20h)を行い、RNeasy Mini Kits(QIAGEN)で精製し、ライゲーション産物(c-junの遺伝子型分子)を8 M Urea 4% PAGEで電気泳動し、エチジウムブロマイド(EtBr)と分子中のフルオレセインの蛍光によってマルチ画像解析装置、Molecular Imager FX (Bio-Rad)で検出した。また、G2及びG4のスペーサー分子とコード分子について、ライゲーションの条件を15℃, 4hに変更して、ライゲーション反応液に、PEG領域のPEGと同じ分子量を有する遊離PEGを添加し、または添加せずに同様に検出を行った。G4については、さらに、スペーサー分子の量を40 nmol、遊離PEGの量を80 nmolに変更して検出を行った。
【0105】
【表6】
(ライゲーション反応液)
PEGを含むスペーサー分子 20 nmol
(遊離PEG 60 nmol;遊離PEGを添加する場合)
RNAテンプレート(コード分子) 50 pmol
10xバッファ 5μl
0.1 M DTT 1.5μl
40 mM ATP 0.5μl
DMSO 10μl
BSA 3μl
RNaseインヒビター 1μl
T4 RNAリガーゼ 10μl
RNaseフリー水 残部
────────────────────────
合計 50μl
【0106】
以上の方法により各種スペーサー分子とコード分子の連結体である下記の遺伝子型分子を20〜95%のライゲーション効率で得た。
【0107】
ライゲーション効率は、8 M Urea 4%SDS-PAGEで電気泳動し、ゲルの核酸をエチジウムブロマイドで染色し、コード分子と遺伝子型分子のバンド強度のマルチ画像解析装置で分析し、コード分子のバンド強度と遺伝子型分子のバンド強度の総計を100%としたときの、遺伝子型分子のバンド強度の相対的な割合である。
【0108】
【表7】
スペーサー分子 コード分子 遺伝子型分子
p(dCp)2T(Fl)pPEG(1000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G1
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G2
p(dCp)2T(Fl)pPEG(3000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G3
p(dCp)2T(Fl)pPEG(4000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G4
p(dCp)2T(Fl)pPEG(1000)pdCpPuro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G5
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)pdCpPuro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G6
p(dCp)2T(Fl)pPEG(3000)pdCpPuro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G7
p(dCp)2T(Fl)pPEG(4000)pdCpPuro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G8
p(dCp)2PEG(1000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G9
p(dCp)2PEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G10
p(dCp)2PEG(3000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G11
p(dCp)2PEG(3000)pdCpPuro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G12
p(dCp)2T(Bio)pPEG(2000)pdCpPuro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G13
p(dCp)2T(Bio)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G14
p(dCp)2T(Bio)pT(Fl)pPEG(2000)pdCpPuro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G15
p(dCp)2T(Bio)pT(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G16
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA G17(=G2)
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]T7-O29Jun-FlagXA G18
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-AOJun-FlagXA G19
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]T7-AOJun-FlagXA G20
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]T7-O'Jun-FlagXA G21
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]T7-KJun-FlagXA G22
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagX G23
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA(G3)G24
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagXA(C1)G25
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-FlagA G26
p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro [RNA]SP6-O29Jun-Flag G27
【0109】
【表8】
遺伝子型分子
G1; g-(Fl)PEG(1000)dCdC;効率は図10参照。
G2; g-(Fl)PEG(2000)dCdC;効率は図10参照。
G3; g-(Fl)PEG(3000)dCdC;効率は図10参照。
G4; g-(Fl)PEG(4000)dCdC;効率73%(スペーサー分子及び遊離PEGの量の変更時の効率は図10参照。)
G5; g-(Fl)PEG(1000)dC;効率75%
G6; g-(Fl)PEG(2000)dC;効率64%
G7; g-(Fl)PEG(3000)dC;効率58%
G8; g-(Fl)PEG(4000)dC;効率40%
G9; g-PEG(1000)dCdC;効率98%
G10; g-PEG(2000)dCdC;効率90%
G11; g-PEG(3000)dCdC;効率85%
G12; g-PEG(3000)dC;効率84%
G13; g-(Bio)PEG(2000)dC;効率85%
G14; g-(Bio)PEG(2000)dCdC;効率83%
G15; g-(Bio)(Fl)PEG(2000)dC;効率75%
G16; g-(Bio)(Fl)PEG(2000)dCdC;効率78%
G17(=G2); g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-SP6-O29=g-FXA);効率は図9参照。
G18; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-T7-O29);効率は図9参照。
G19; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-SP6-AO);効率は図9参照。
G20; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-T7-AO);効率は図9参照。
G21; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-T7-O');効率は図9参照。
G22; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-T7-K);効率は図9参照。
G23; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-FX);効率は図9参照。
G24; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-FX'A);効率は図9参照。
G25; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-FX"A);効率は図9参照。
G26; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-FA);効率は図9参照。
G27; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-F);効率は図9参照。
【0110】
図9のAに、G23(g-FX)、G17(g-FXA)、G24(g-FX'A)、G25(g-FX"A)、G27(g-F)及びG26(g-FA)の効率を比較した結果を示す。また、図9のBに、G20(g-T7-AO)、G19(g-SP6-AO)、G18(g-T7-O29)、G17(g-SP6-O29)、G21(g-T7-O')及びG22(g-T7-K)の効率を比較した結果を示す。
【0111】
図9のAから明らかなように、3'末端領域にポリA配列が含まれるときに高いライゲーション効率が得られた。コード分子とスペーサー分子のライゲーション効率は、従来40%以下(Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405; Roberts, R.W, Szostak, J.W. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297)であったが、ポリA配列を含む3'末端領域の採用により、コード部の3'末端配列に影響されていたライゲーション効率が高効率となる。また、図9のBから明らかなように、ポリA配列によって、その上流配列によらず、60〜80%という高いライゲーション効率が得られる。
【0112】
図10に、G2及びG4について、PEG領域のPEGと同じ分子量を有する遊離PEGを添加した実験との比較を示す。
【0113】
PEG領域のポリエチレングリコールの分子量が大きくなるとライゲーション効率が低くなる傾向があったが(図10「無添加」)、ライゲーション反応時に、PEG領域のPEGと同じ分子量の遊離PEGを添加することによって、スペーサー分子中のPEGの分子量によらずライゲーション効率が向上し(スペーサー分子が20 nmolのとき、G2:90%, G4:73%)、反応後の分離工程も省略できた。
【0114】
また、ライゲーション反応液中のコード分子とスペーサー分子の配合比を調節することで、さらにライゲーション効率が向上し(G4において85%)、ポリエチレングリコールの分子量によらず、80〜90%の高いライゲーション効率が得られるようになった(図10「遊離PEG添加」)。
【0115】
(5)対応付け分子の形成
(5−1)小麦胚芽の無細胞翻訳系による対応付け翻訳
小麦胚芽の無細胞翻訳系はWheat Germ Extract(Promega)をもちいて、ウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系はRabbit Reticulocyte Lysate System(Promega)をもちいて、上記ライゲーションで得たc-jun遺伝子型分子を翻訳系に添加して対応付け翻訳を行い、対応付け分子を8 M Urea 11%SDS-PAGEで電気泳動し、フルオロセインの蛍光によってマルチ画像解析装置、Molecular Imager FX (Bio-Rad)で検出した。翻訳後処理は一切行わず、翻訳系の原液を電気泳動した。
【0116】
【表9】
ウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系: 30℃, 30 min
アミノ酸ミックス, 1 mM 0.2μl
RNaseインヒビター, 20 U/μl 0.4μl
遺伝子型(スペーサー部+コード部) 2 pmol
Rabbit Reticulocyte Lysate 7.0μl
RNaseフリー水 残部
────────────────────────
合計 10μl
【0117】
【表10】
小麦胚芽の無細胞翻訳系: 26℃, 30 min
アミノ酸ミックス, 1 mM 0.8μl
1 Mカリウム 0.76μl
RNaseインヒビター, 10 U/μl 0.8μl
遺伝子型(スペーサー部+コード部) 2 pmol
Wheat Germ Extract 5.0μl
RNaseフリー水 残部
────────────────────────
合計 10μl
【0118】
以上の方法により各種c-jun遺伝子型とその表現型からなる下記の対応付け分子を4%〜60%の対応付け効率で得た。
【0119】
対応付け効率は、8 M Urea 4%SDS-PAGEで電気泳動し、遺伝子型のバンドの蛍光強度と対応付け分子の蛍光強度をマルチ画像解析装置で分析し、遺伝子型分子のバンド強度と対応付け分子のバンド強度の総計を100%としたときの、対応付け分子の蛍光強度の相対的な割合である。
【0120】
【表11】
遺伝子型分子 対応付け分子
G1; g-(Fl)PEG(1000)dCdC v-(Fl)PEG(1000)dCdC
G2; g-(Fl)PEG(2000)dCdC v-(Fl)PEG(2000)dCdC
G3; g-(Fl)PEG(3000)dCdC v-(Fl)PEG(3000)dCdC
G4; g-(Fl)PEG(4000)dCdC v-(Fl)PEG(4000)dCdC
G5; g-(Fl)PEG(1000)dC v-(Fl)PEG(1000)dC
G6; g-(Fl)PEG(2000)dC v-(Fl)PEG(2000)dC
G7; g-(Fl)PEG(3000)dC v-(Fl)PEG(3000)dC
G8; g-(Fl)PEG(4000)dC v-(Fl)PEG(4000)dC
G17; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-SP6-O29=g-FXA) v-(Fl)PEG(2000)dCdC(v-SP6-O29)
G18; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-T7-O29) v-(Fl)PEG(2000)dCdC(v-T7-O29)
G19; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-SP6-AO) v-(Fl)PEG(2000)dCdC(v-SP6-AO)
G20; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-T7-AO) v-(Fl)PEG(2000)dCdC(v-T7-AO)
G21; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-T7-O') v-(Fl)PEG(2000)dCdC(v-T7-O')
G22; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-T7-K) v-(Fl)PEG(2000)dCdC(v-T7-K)
【0121】
図4に、G2(=G17)の対応付け分子を用いた対応付け翻訳の結果を示す。レーン1は遺伝子型分子、レーン2は遺伝子型分子の小麦胚芽の無細胞翻訳系での対応付け翻訳物、レーン3はレーン2の条件でタンパク質合成阻害剤のピューロマイシン20μMを添加したもの、レーン4はレーン2の反応後プロテアーゼKでタンパク質を分解処理したものである。
【0122】
レーン2のみに対応付け分子が確認され、小麦胚芽の無細胞翻訳系による翻訳により対応付け分子が生成していることがわかる。また、翻訳後の後処理が無くとも検出可能なことがわかる。
【0123】
さらに、蛍光物質を機能付与ユニット(X)に導入したスペーサー部を含む遺伝子型分子を使用することにより、従来手間のかかるRIで検出していた対応付け分子を、蛍光で簡単に検出することができることがわかる。
【0124】
(5−2)対応付け分子の安定性
本発明のスペーサーを含む遺伝子型分子と、下記の従来のスペーサーを含む遺伝子型分子の安定性について小麦胚芽とウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系で比較した。実験条件は、翻訳阻害剤の20μMピューロマイシン存在下、ウサギの系は30℃、20分、小麦の系は26℃、20分の翻訳を行った他は上記(5−1)の通りであった。結果を図5のAに示す。グラフの数値は、翻訳前を基準とした遺伝子型分子の残存比で示した。
【0125】
この実験で用いたコード分子、スペーサー分子、遺伝子型分子は以下の通りである。
【0126】
【表12】
コード分子 スペーサー分子 遺伝子型分子
[RNA]SP6-O29Jun-FlagXA p(dCp)2T(Fl)pPEG(3000)p(dCp)2Puro G2
[RNA]SP6-O29Jun-FlagXA p(dCp)2T(Fl)pPEG(2000)p(dCp)2Puro G3
[RNA]SP6-O29Jun-FlagX p(Fl)(dAp)21[C9]3dAp(dCp)2Puro 30F
[RNA]SP6-O29Jun-FlagX p(Fl)(dAp)27(dCp)2Puro 30S
G2; g-(Fl)PEG(3000)dCdC
G3; g-(Fl)PEG(3000)dCdC
30F; g-(dAp)21(Fl)[C9]3dCdC
30S; g-(dAp)21(Fl)(dAp)6dCdC
【0127】
本発明のスペーサー部を含む遺伝子型分子は、従来のDNAスペーサー(S30スペーサー; Liu R., Barrick E., Szoztak J.W., Roberts, R.W. (2000) Methods in Enzymology 318, 268-293)や、DNAを主成分としたポリエチレングリコールの分子量400以下のスペーサー(F30スペーサー; Liu R., Barrick E., Szoztak J.W., Roberts, R.W. (2000) Methods in Enzymology 318, 268-293)を用いたものに比較して、ウサギと小麦の両翻訳系において安定性は著しく高いことが分かる(図5のA)。そのため、対応付け効率を高めるために必要であった対応付け翻訳の後処理が必要ない。対応付け翻訳後の処理が簡略化できることにより、対応付け翻訳の作業時間は、48〜72hrから0.5〜1hrに短縮できる。
【0128】
また、ポリエチレングリコールの分子量が増えると、遺伝子型の安定性が増す傾向が観察され、分子量1000以上で良好であり、分子量400以下ではDNAスペーサーと性質がそれほどかわらず不安定であった(図5のA)。
【0129】
また、本発明の遺伝子型の安定性を小麦胚芽とウサギの網状赤血球の無細胞翻訳系について比較した。実験条件は、翻訳阻害剤の20μMピューロマイシン存在下、ウサギの系は30℃、0.25, 0.5, 1, 2時間、小麦の系は26℃、1, 2, 4, 8時間の翻訳を行った他は、上記(5−1)の通りであった。この実験で用いた遺伝子型分子はG17=G2; g-(Fl)PEG(2000)dCdC(g-SP6-O29)である。結果を図5のBに示す。グラフの数値は、翻訳前を基準とした遺伝子型分子の残存比で示した。
【0130】
小麦胚芽の無細胞翻訳系は、ウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系と比較して、遺伝子型分子の安定性が高いことが分かる(図5のB)。PEG領域を主成分として含むスペーサー部は、特に小麦胚芽の無細胞翻訳系で遺伝子型分子の安定性を高くするので、これを含む遺伝子型分子を用いることにより、鎖長の長いコード部をもつライブラリー作成が可能となり、多様性の高いライブラリーを得ることができる。
【0131】
(5−3)アクセプター領域とPEG領域の最適化
本発明のスペーサー分子のアクセプター領域とPEG領域の最適化のために、小麦胚芽とウサギの網状赤血球の無細胞翻訳系で対応付け分子の形成効率について比較した。実験条件は、アクセプター領域がdC-ピューロマイシンの構成で、PEG領域の分子量が1000, 2000, 3000, 4000であるスペーサー分子を用いて、ウサギの系は30℃、0.5時間、小麦の系は26℃、0.5時間の翻訳を行った他は、上記の通りであった。結果を図6のAに示す。対応付け効率は上記の方法により算出した。この実験で用いた遺伝子型分子と対応付け分子は、G5〜G8である。
【0132】
また、アクセプター領域がdCdC-ピューロマイシンの構成であること以外は同様の条件で実験を行った結果を図6のBに示す。この実験で用いた遺伝子型分子と対応付け分子は、G1〜G4である。
【0133】
図6に示すように、ピューロマイシンと1残基のdC(デオキシシチジン)配列をアクセプター領域にもつスペーサー部では、ポリエチレングリコールの分子量は、1000以上が好ましく、2000以上がより好ましく、4000以上でもさらに好ましい可能性があることがわかった(図6のA)。また、ピューロマイシンとdCdC配列をアクセプター領域にもつスペーサー部では、ポリエチレングリコールの分子量は、1000以上で効果が現れ、2000以上が好ましく、さらに2000〜4000がより好ましいことがわかった(図6のB)。
【0134】
(5−4)5'UTRの最適化
本発明のコード部の翻訳効率が対応付け効率に及ぼす影響を見るために、翻訳効率の異なる5'UTRをもつコード部を含む遺伝子型分子を用いて対応付け分子を形成し、その形成効率について比較した。実験条件は、小麦胚芽の無細胞翻訳系において、26℃、0.5時間の対応付け翻訳をおこなった他は、上記(5−1)の通りである。結果を図8に示す。対応付け効率は上記(5−3)に記載したのと同様に算出した。この実験で用いた遺伝子型分子と対応付け分子は、G17〜G22である。
【0135】
図8から、転写プロモーターとしては、T7よりもSP6のRNAポリメラーゼの転写プロモーター(SP6)の方が好ましいこと、翻訳エンハンサーとしては、オメガ配列の部分配列(O29)が好ましいことが分かる。
【0136】
また、図7及び図8から、コード部の翻訳効率が対応付け効率と正の相関を持っていることが判明し、コード部の翻訳効率が向上したことで、対応付け効率が向上したことが明確となった。従って、3'末端配列についても、翻訳効率の向上に寄与する構成要素が、翻訳効率の向上にも寄与すると考えられる。
【0137】
(6)本発明の対応付け分子よるライブラリーの大きさ
本発明の対応付け分子による単位容積中のライブラリーの大きさを算出した。算出方法は、遺伝子型の濃度とその残存比、対応付け分子の形成効率から、1 ml中の対応付け分子の絶対量を算出し、1 ml中の対応付け分子の数を算出し、それをライブラリーの大きさとした。実験条件は、小麦胚芽の無細胞翻訳系において、26℃、1時間で、ウサギの系では、30℃、0.5時間の翻訳を行った他は上記(5−1)の通りであった。結果を下表に示す。この実験で用いた遺伝子型分子と対応付け分子は、G17(=G2)である。
【0138】
【表13】
【0139】
上記表から明らかなように、対応付け分子の形成効率は小麦胚芽の無細胞翻訳系で0%であったのが50〜60%、ウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系で10%以下であったのが20〜30%に向上した。また、ライブラリーの規模は、小麦胚芽の無細胞翻訳系では形成不可(0/ml)であったものが1014/ml、ウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系では1012/mlであったものが1013/mlに向上した。
【0140】
また、これまでウサギ網状赤血球の系では遺伝子型分子の安定性を欠くために、ウサギ網状赤血球の系は実用性に乏しく、短い鎖長の遺伝子型分子にのみ適用されてきたが(Roberts, R.W, Szostak, J.W. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297; Nemoto, N., Miyamoto-Sato, E., Yanagawa, H. (1997) FEBS Lett. 414, 405)、図4及び図5ならびに上記表から、PEG領域を含むスペーサー部をもつ対応付け分子は、小麦胚芽の系ではより安定であり、この対応付け分子を用いる小麦胚芽の系は、長い鎖長を取り扱える実用的な系であることが分かる。
【0141】
【発明の効果】
本発明による分子を用いることにより、小麦胚芽の翻訳系において、長い鎖長のコード分子を取り扱うことができる。すなわち、実用的な対応付け翻訳系が提供される。
【0142】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の対応付け分子、スペーサー分子及びコード分子の構造の概略を示す。
【図2】 本発明のスペーサー分子の一例の詳細な構成を示す。D:ドナー領域、X2及びX1:機能付与ユニット、PEG:PEG領域、A:ペプチドアクセプター領域。
【図3】 本発明のコード分子の一例の詳細な構成を示す。
【図4】 小麦胚芽の無細胞翻訳系での本発明の対応付け分子の形成の結果を示す。
【図5】 本発明の遺伝子型分子(スペーサー分子とコード分子の連結体)の安定性を示す。A:スペーサーの相違による遺伝子型分子の安定性の比較。B:翻訳系の相違により本発明の遺伝子型分子の安定性の比較。
【図6】 本発明のスペーサー分子のアクセプター領域とPEG領域の最適化による対応付け効率の変化を示す。A:アクセプター部がdC-ピューロマイシンの場合、B:アクセプター部がdCdC-ピューロマイシンの場合。
【図7】 本発明のコード分子の最適化による翻訳効率の変化を示す。A:5'UTRの最適化、B:3'末端領域(3'tail)の最適化。
【図8】 本発明のコード分子の翻訳効率と対応付け効率の関係を示す。
【図9】 本発明のコード分子の最適化によるライゲーション効率の変化を示す。A:3'末端領域(3'tail)の最適化、B:5'UTRの最適化。
【図10】 本発明のスペーサー分子のPEG領域の分子量によるライゲーション効率の変化を示す。
【図11】 本発明のスペーサー分子の合成スキームを示す。Aは合成に用いる化合物の構造、Bは工程を示す。
Claims (22)
- 核酸の3'末端に結合できるドナー領域と、ドナー領域に結合した、ポリエチレングリコールを主成分としたPEG領域と、PEG領域に結合した、ペプチド転移反応によってペプチドと結合し得る基を含むペプチドアクセプター領域とを含むスペーサー分子であって、ドナー領域がデオキシシチジル酸又はジデオキシシチジル酸からなり、かつPEG領域のポリエチレングリコールの平均分子量が1,000以上であるスペーサー分子。
- ペプチドアクセプター領域が、ピューロマイシン、3'-N-アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド及び3'-N-アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシドからなる群より選択されるひとつ、又は、ピューロマイシン、3'-N-アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド及び3'-N-アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシドからなる群より選択されるひとつと1残基もしくは2残基のデオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドからなる請求項1に記載のスペーサー分子。
- ドナー領域とPEG領域との間に、少なくとも1つの機能付与ユニットを含む請求項1又は2に記載のスペーサー分子。
- 機能付与ユニットが、少なくとも1残基のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドの塩基に機能修飾を施したものである請求項3に記載のスペーサー分子。
- ドナー領域とPEG領域とが直接結合している請求項1又は2に記載のスペーサー分子。
- ドナー領域の5'末端が、モノリン酸化されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のスペーサー分子。
- 転写プロモーターおよび翻訳エンハンサーを含む5'非翻訳領域と、5'非翻訳領域の3'側に結合した、タンパク質をコードするORF領域と、ORF領域の3'側に結合した、ポリA配列を含む3'末端領域を含む核酸であるコード分子の3'末端と、請求項1〜6のいずれか1項に記載のスペーサー分子のドナー領域とが結合してなる遺伝子型分子。
- 転写プロモーターがSP6のRNAポリメラーゼのプロモーターである請求項7記載の遺伝子型分子。
- 翻訳エンハンサーがタバコモザイクウイルスのTMVオメガ配列の一部(O29)である請求項7又は8に記載の遺伝子型分子。
- 3'末端領域が、制限酵素XhoIが認識する配列をポリA配列の5'側に含む請求項7〜9のいずれか1項に記載の遺伝子型分子。
- ORF領域の下流部分に親和性タグ配列を含む請求項7〜9のいずれか
1項に記載の遺伝子型分子。 - 親和性タグ配列が、抗原抗体反応によるアフィニティー分離分析用タグであるFlag-tag配列である請求項11記載の遺伝子型分子。
- (a)転写プロモーターおよび翻訳エンハンサーを含む5'非翻訳領域と、5'非翻訳領域の3'側に結合した、タンパク質をコードするORF領域と、ORF領域の3'側に結合した、ポリA配列を含む3'末端領域を含むRNAであるコード分子の3'末端と、(b)請求項1〜6のいずれか1項に記載のスペーサー分子のドナー領域とを、遊離のポリエチレングリコールの存在下で、RNAリガーゼにより結合させることを含む、遺伝子型分子の製造方法。
- 請求項7〜12のいずれか1項に記載の遺伝子型分子を、ペプチド転移反応で、遺伝子型分子内のORF領域によりコードされたタンパク質である表現型分子と連結してなる対応付け分子。
- 請求項7〜12のいずれか1項に記載の遺伝子型分子を無細胞翻訳系で翻訳することにより、ペプチド転移反応で、遺伝子型分子内のORF領域によりコードされたタンパク質である表現型分子と連結することを含む、対応付け分子の製造方法。
- 無細胞翻訳系が小麦胚芽の無細胞翻訳系である請求項15に記載の方法。
- 無細胞翻訳系がウサギ網状赤血球の無細胞翻訳系である請求項15に記載の方法。
- 複数の、請求項14に記載の対応付け分子からなるライブラリーであって、少なくとも一部の対応付け分子のコード部のORF領域が異なる配列を有しているライブラリーを用いて、対応付け分子のデコード部と目的物質との相互作用を測定し、相互作用のある対応付け分子のコード部の塩基配列を検出することを含む、目的物質に作用するタンパク質をコードする塩基配列のスクリーニング方法。
- (1)複数の、請求項14に記載の対応付け分子からなるライブラリーであって、少なくとも一部の対応付け分子のコード部のORF領域が異なる配列を有しているライブラリーを用いて、対応付け分子のデコード部と目的物質との相互作用を測定し、(2)相互作用のある対応付け分子のコード部の塩基配列を検出し、(3)該塩基配列に変異を導入することにより得られるデコード部を有する対応付け分子を含むライブラリーを調製し、(1)から(3)の工程を繰り返すことを含む、目的物質に作用するタンパク質をコードする塩基配列のスクリーニング方法。
- 請求項14に記載の対応付け分子を少なくとも103以上含むライブラリー。
- 請求項20に記載のライブラリーを用いて、対応付け分子のデコード部と目的物質との相互作用を測定し、相互作用のある対応付け分子のコード部の塩基配列を検出することを含む、目的物質に作用するタンパク質をコードする塩基配列のスクリーニング方法。
- (1)請求項20に記載のライブラリーを用いて、対応付け分子のデコード部と目的物質との相互作用を測定し、(2)相互作用のある対応付け分子のコード部の塩基配列を検出し、(3)該塩基配列に変異を導入することにより得られるデコード部を有する対応付け分子を含むライブラリーを調製し、(1)から(3)の工程を繰り返すことを含む、目的物質に作用するタンパク質をコードする塩基配列のスクリーニング方法。
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