JPH10511556A - Hcv ns3プロテアーゼのタンパク質分解活性を有するポリぺプチドを製造し、精製し、分析する方法 - Google Patents

Hcv ns3プロテアーゼのタンパク質分解活性を有するポリぺプチドを製造し、精製し、分析する方法

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JPH10511556A JP9510082A JP51008297A JPH10511556A JP H10511556 A JPH10511556 A JP H10511556A JP 9510082 A JP9510082 A JP 9510082A JP 51008297 A JP51008297 A JP 51008297A JP H10511556 A JPH10511556 A JP H10511556A
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Abstract

(57)【要約】 本発明による方法は、HCV NS3プロテアーゼのタンパク質分解活性を有するポリペプチドの純粋な触媒活性形でかつNS3プロテアーゼ阻害剤を発見し、NS3プロテアーゼの三次元構造を評価するために充分である量で発現させ、単離することを可能にする。本発明の他の課題は、上記ポリペプチドのタンパク質分解活性を完全にするために必要な化学的かつ物理的条件を定義する方法である。本発明はさらに、培養細胞中に上記ポリペプチドを発現させることができるヌクレオチド配列を含有する新規な組成物(発現ベクター)を含む。最後に、上記タンパク質分解活性を測定するために適し、NS3プロテアーゼ阻害剤を開発するために、それ故HCVに対して用いるための治療剤を開発するために有用な、新規な化合物を定義する。図はS3デプシペプチド基質(配列番号:45)を用いて、HCV NS3プロテアーゼの動力学パラメーターを示す。

Description

【発明の詳細な説明】 HCV NS3プロテアーゼのタンパク質分解活性を有する ポリペプチドを製造し、精製し、分析する方法 本発明は分子生物学と、C型肝炎ウイルス(HCV)ウイルス学とに関する。 さらに詳しくは、本発明はその課題として、HCV NS3プロテアーゼのタン パク質分解活性を有するポリペプチドを純粋な形でかつ多量に製造する方法と、 NS3に付随する酵素活性を阻害する化合物を治療目的のために選択することが できる酵素分析法を定義するために、これらのペプチドのタンパク質分解活性を in vitroで有効に再現する方法とを有する。 知られているように、C型肝炎ウイルス(HCV)は非A非B型肝炎(NAN B)の主要な病原体である。HCVが輸血後NANBウイルス性肝炎の少なくと も90%と、散発性NANB肝炎の50%との病因であると推定される。血液ド ナーの選択と、輸血に用いられる血液の免疫学的特徴付けとには大きな進歩がな されているが、輸血のレシピエントにはまだ非常に多くのHCV感染が生じてい る(世界中で毎年100万件以上の感染)。HCV感染者の約50%が5〜40 年間の範囲でありうる期間内に肝硬変を発症する。さらに、最近の臨床研究は、 慢性的HCV感染症と肝細胞癌の発症との間に相互関係があることを示唆する。 HCVは約9.4kbのRNAポジティブゲノムを含有する被覆ウイルス(envel oped virus)である。このウイルスはフラビウイルス科のメンバーであり、この 科の他のメンバーはフラビウイルスとペスチウイルスである。 HCVのRNAゲノムは最近マッピングされている。世界の様々な領域におい て単離されたHCVゲノムからの配列の比較は、これらの配列が極めてヘテロで ありうることを実証している。HCVゲノムの大部分は9030〜9099ヌク レオチドの間で変化しうるオープン・リーディング・フレーム(ORF)によっ て占められている。このORFは、その長さが3010〜3033アミノ酸の範 囲で変化しうる単ウイルスポリプロテインをコードする。ウイルス感染サイクル 中に、ポリプロテインはタンパク質分解的にプロセシングされて、ウイルスの複 製に必要な個々の遺伝子産物になる。 HCV構造タンパク質をコードする遺伝子はORFの5’末端に配置され、非 構造タンパク質をコードする領域がORFの残部を占める。 構造タンパク質はC(コア、21kDa)と、E1(エンベロープ、gp37) と、E2(NS1、gp61)とから成る。Cは21kDa の非グリコシル化タン パク質であり、ウイルス・ヌクレオキャプシドをおそらく形成すると思われる。 タンパク質E1は約37kDa の糖タンパク質であり、外部ウイルスエンベロープ の構造タンパク質であると考えられる。61kDa の別の膜糖タンパク質であるE 2は、おそらくウイルスの外部エンベロープ中の第2構造タンパク質であると思 われる。 非構造領域は、その機能が未知である24kDa の疎水性タンパク質である、N S2(p24)から開始する。 ポリプロテイン中でNS2の次にくる68kDa のタンパク質であるNS3は、 2つの機能的ドメイン、最初の200アミノ末端アミノ酸内のセリンプロテアー ゼ・ドメインと、カルボキシ末端におけるRNA依存性ATPアーゼ・ドメイン とを有すると予想される。 NS4遺伝子領域は、それぞれ、6kDa 及び26kDa の疎水性タンパク質であ る、NS4(p6)及びNS4B(p26)をコードする、これらのタンパク質 の機能はまだ完全には解明されていない。 NS5遺伝子領域も、それぞれ、56kDa 及び65kDa のNS5A(p56) とNS5B(p65)の2種類のタンパク質をコードする。全てのRNA依存性 RNAポリメラーゼ中に存在するアミノ酸配列をNS5領域内に認めることがで きる。このことは、NS5領域がウイルス複製機構の成分を含有することを示唆 する。 様々な分子生物学研究は、シグナルペプチダーゼ、宿主細胞の小胞体に付随す るプロテアーゼが非構造領域、即ち、部位C/E1、E1/E2及びE2/NS 2におけるタンパク質分解プロセシングの要因であることを示している。 NS3におけるセリンプロテアーゼは、NS3とNS4Aとの間、NS4Aと NS4Bとの間、NS4BとNS5Aとの間及びNS5AとNS5Bとの間の結 合における切断の要因である。特に、このセリンプロテアーゼによってなされた 切断が、切断部位のアミノ末端側(位置P1)にシステイン残基又はトレオニン 残基を残し、カルボキシ末端側(位置P1’)にアラニン残基又はセリン残基を 残すことが判明している。NS3中に含有されるプロテアーゼがタンパク質NS 4Aと複合体を形成する、in vivo のヘテロダイマータンパク質であることが実 証されている。この複合体の形成は部位NS4A/NS4B及びNS5A/NS 5Bにおけるタンパク質分解活性を高め、部位NS4B/NS5Aのタンパク質 分解プロセシングのための必要な要件である。 HCVの第2プロテアーゼ活性はNS2とNS3との間の切断の要因であると 思われる。このプロテアーゼ活性はNS2の部分と、セリンプロテアーゼ・ドメ インを含有するNS3の部分との両方を含む領域に含有されるが、後者と同じ触 媒機構を用いない。 タンパク質NS3に関連したタンパク質分解活性を妨害することができる物質 は新規な治療剤を構成することができると考えられる。実際に、このプロテアー ゼ活性の阻害はHCVポリプロテインの非構造領域のタンパク質分解プロセシン グの中断を含み、その結果として、感染した細胞のウイルス複製を防止すると考 えられる。 この一連のイベントが、HCVとは異なり、細胞系培養物を感染させる相同性 (homologous)フラビウイルスに関して実証されている。この場合に、その触媒 活性をもはや行使することができないプロテアーゼの作製を含む遺伝子操作はウ イルスが複製する能力を完全に破壊することが判明している(1)。 さらに、HIVプロテアーゼ活性を妨害することができる化合物がこのウイル スの複製を阻害することができることが、in vitroと臨床研究の両方で広範囲に 示されている(2)。 治療能力を有する分子の作製に用いられる方法は、この分野で活動する人々に 知られている。一般的にいえば、分子的多様性(high molecular diversity)を 有する多数の単独化学的エンティティ(single chemical entity)を含有する化 合物群を作成し、次に、単独の活性剤を同定するために自動化分析を受けさせ、 次に、これらの活性剤の治療能力を改良するためにさらに化学的修飾を受けさせ る。他のアプローチは、審査中のタンパク質の生物学的活性を変化させるか又は 破壊することができる高結合アフィニティ化合物を開発する目的で、特定のター ゲットタンパク質の基質又はリガンドを合理的に修飾することを包含しうる。X 線結晶学又は核磁気共鳴(NMR)として当該分野で公知の方法によって、ター ゲットタンパク質の三次元構造を測定することは、タンパク質に特異的に結合し 、この結果として、同タンパク質の生物学的活性を妨害する能力を有する分子の 合理的な設計を可能にする。 C型肝炎ウイルスNS3タンパク質に含有されるプロテアーゼの生物学的活性 に干渉することができる化合物に関する研究は、不変の触媒性を有する精製タン パク質を充分な量で製造することの困難さと、in vitroにおける酵素活性を強化 するために補因子を用いる必要性とによって妨げられる。 それ故、特定の分野では、NS3又は同様な製品を今までに可能であったより も多量に、かつ阻害剤を選択するために充分な in vitro 活性を有するように製 造する方法が必要とされている。 本発明は、HCVタンパク質NS3のタンパク質分解活性を有する、単離精製 されたポリペプチドであって、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配 列番号:4及び配列番号:5の配列から選択されるアミノ酸配列を有することを 特徴とするポリペプチドから成る。 本発明はまた、HCV NS3のタンパク質分解活性を有し、配列番号:1、 配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4及び配列番号:5の配列によって表 されるポリペプチドを製造するための発現ベクターであって、 前記ポリペプチドの1つをコードするポリヌクレオチドと、 前記ポリペプチドの1つをコードする前記ポリヌクレオチドに機能的に結合し た、前記宿主細胞中の機能的調節配列、転写配列及び翻訳配列と、 任意の選択可能なマーカーと を含む発現ベクターをも含む。 本発明はまた、宿主細胞に特定のコードされたポリペプチドを選択された配列 に発現させるような方法で、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列 番号:4及び配列番号:5をコードするDNA配列を含有する発現ベクターを用 いて形質転換させた、真核細胞又は原核細胞に拘わらず、宿主細胞にも及ぶ。本 発明はさらに、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4及び 配列番号:5を含む群から選択された配列を有するポリペプチドの製造方法であ って、下記操作: 上記発現ベクターの1つを用いて、真核細胞又は原核細胞のいずれかの宿主細 胞を形質転換させる工程; 選択されたポリペプチドを製造するために望ましいヌクレオチド配列を発現さ せる工程;及び 再可溶化プロトコールを避けて、このようにして得られたポリペプチドを精製 する工程 を組合せて含むことを特徴とする方法を含む。 本発明はまた、その目的として、HCV NS3プロテアーゼのタンパク質分 解活性を in vitro で再現する方法であって、NS3に類似した、配列番号:1 、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4及び配列番号:5から成る群から 選択された配列を有する精製ポリペプチドの活性を30〜70mM Tris pH6. 5〜8.5と、3〜30mM ジチオトレイトール(DTT)と、0.5〜3% 3−[(3−コラミド−プロピル)−ジメチル−アンモニウム]−1−プロパン スルホネート(CHAPS)と、30〜70% グリセロールとを含有する溶液 中で20〜25℃の温度において再現することと、これらの条件下で、上記ポリ ペプチドの活性を補因子の不存在下でもペプチド基質上で動力学的に測定し、定 量することができることを特徴とする方法を有する。 ポリペプチド、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4及 び配列番号:5のプロテアーゼ活性の分析は、検出可能な生成物を生じる基質を 切断することによって行うことができる。この切断は好ましくは放射能シグナル 、比色シグナル又は蛍光測定シグナルに基づく方法を用いて検出する。例えばH PLC等のような方法も適する。本発明によると、用いる基質はHCVポリプロ テインNS4A/NS4B結合に相当する合成ペプチドである。必要な場合には 、配列番号:6のアミノ酸配列又はその一部を含有するペプチドを、NS3プロ テアーゼの補因子として用いることもできる。 基質として用いるために適したペプチドは、配列番号:7の配列と、N及び/ 又はC末端欠失を有するその誘導体(配列番号:8〜12、14、18〜20) によって表されるペプチドと、配列番号:47の配列によって表されるペプチド である。配列番号:18〜20、特に配列番号:18の配列によって表されるデ カペプチドと、それらから誘導される配列番号:29〜32、35の配列とが特 に適する。 これらのペプチドは100〜200nMの後者の濃度におけるNS3プロテアー ゼ活性の高スループット分析に用いることができる。 本発明によると、デカペプチド基質(配列中に少なくとも1つのエステル結合 を有するペプチド)も、NS3プロテアーゼ活性の高スループット分析に有利に 用いることができる。充分な基質転化に適合する最低に可能な酵素濃度において 分析を行うことが望ましいということが実際に知られている。このことは阻害に 対する感度を最大にし、化合物混合物又は組合せライブラリー中に非常に低い濃 度で存在する阻害剤のスクリーニングを可能にする。残基P1とP1’間の切断 しやすい結合に標準アミドを有するNS3プロテアーゼの基質は、30〜100 M-1-1のKcat/Km値を有する。これは100〜200nMの高スループット分 析の酵素濃度の実際の範囲を設定する。この濃度を減ずるためには、さらに高い Kcat/Km値を有する基質を用いることが必要である。P1とP1’間のエステ ル結合を含有する基質がこのために理想的に適する、というのは、アシル−酵素 中間体の形成が熱力学的に一層有利なエステル交換反応のために非常に容易に達 成されるからである(8)。本発明によるデプシペプチド基質は非常に高いKca t /Km値を有し、これは高スループット分析におけるNS3濃度の有効範囲を0 .5〜2nMにする。これらの基質は標準の化学的方法によって固相で高収率にお いて合成することができる。 慣用的な分析法は高スループット・スクリーニングに適するが、これらの分析 法は、生成物を便利に検出することができるまでに、基質の少なくとも10%を 加水分解することを必要とする。このことは、正確な動力学的研究のために重要 な真の初期速度の決定を妨げる。これらの困難さを克服するために、プロテアー ゼ活性の連続的モニターリングを可能にする分析法が開発されている。この分析 法は、基質の加水分解の程度に正比例する直接の連続的なシグナル発生を可能に し、それ故に反応生成物から基質を分離する必要性を回避することのできる、特 別仕立ての合成基質に依存する。用いるデプシペプチド(配列番号:45と46 )(これらの化学式は図12に記載する)は、共鳴エネルギー転移(RET)に 基づく内部的に消光される蛍光発生基質(internally quenched fluorogenic su bstrate)である。これらはペプチドの一方の末端近くの蛍光ドナー、5−[(2 ’−アミノエチル)アミノ]ナフタレンスルホン酸(EDANS)と、他方の末 端近くのアクセプター基、4−[[4’−(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ] 安息香酸(DABCYL)とを含有する。この種の基質の蛍光はドナーとアクセ プターとの間の分子内RETによって最初に消光されるが、酵素が基質を切断す ると、蛍光が増大する。EDANSとDABCYLとは、前者の蛍光発光と後者 の吸光との間の良好なスペクトル・オーバーラップのために、ドナー/アクセプ ター対として選択された(13〜17)。RET効率はドナーとアクセプターと の間の距離に依存する、即ち、両者が接近すればするほど、消光は高度になる。 EDANS/DABCYL組合せに関して、50%エネルギー転移のためのFoer ster距離(R0)は33Åである。基質中の報告されたEDANS/DABCYL 間の最大距離は11アミノ酸であり(19)、これはペプチドの伸長された構造 を推定すると、R=39.8Åに相当し、算出RET効率は24.5%である。 これは基質切断時の蛍光の10倍増大に相当する。 これまでは、本発明を一般的に説明した。次には、本発明の目的、特徴、利点 及び操作方法をさらに良好に理解するために、下記実施例によって、本発明の特 定の実施態様をさらに詳細に説明する。 図1は、Spodoptera frugiperdaクローン9細胞に配列番号:1によって表さ れるポリペプチドの転移と発現のために用いられるプラスミドベクターを示す。 図2Aと2Bは、それぞれ、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配 列番号:4及び配列番号:5の配列によって表されるポリペプチドのEcoliに おける転移と発現のためのプラスミド・ベクターを示す。 図3は、グリセロールの濃度の関数としてのNS3活性を示す。 図4は、CHAPS、3−「(3−コラミド−プロピル)−ジメチル−アンモ ニウム]−1−プロパンスルホネートの濃度の関数としてのNS3活性を示す。 図5は、pHの関数としてのNS3活性を示す。 図6は、イオン強度の関数としてのNS3活性を示す。 図7は、基質としてペプチド Ac−Asp−Glu−Met−Glu−Gl u−Cys−Ala−Ser−His−Leu−Pro−Tyr−Lys−ε− (3H)−Ac(配列番号:47)を用いるNS3活性を測定するための酵素分 析のダイヤグラムを示す。 図8は、配列番号:42の配列によって表されるデプシペプチド基質S1を合 成するための反応ダイヤグラムを示す。 図9は、配列番号:43の配列によって表されるデプシペプチド基質S2を合 成するための反応ダイヤグラムを示す。 図10は、配列番号:44の配列によって表される放射性デプシペプチド基質 S1を合成するための反応ダイヤグラムを示す。 図11は、NS3プロテアーゼ活性を測定するための、放射能シグナルに基づ いた高スループット分析法を示す。 図12は、RET分子内蛍光消光に基づいてNS3活性を連続的に分析するた めのデプシペプチド基質(配列番号:45と配列番号:46)の化学式を示す。 図13は、デプシペプチド基質S3(配列番号:45)を合成するための反応 ダイヤグラムを示す。 図14Aと図14Bは、それぞれ、関連分析法における基質S3(配列番号: 45)によるNS3プロテアーゼの動力学パラメーターと、時間の関数としての 蛍光とを示す。実施例1 Spodoptera frugiperda クローン9培養細胞におけるHCV NS3プロテアー ゼの発現方法 バキュロウイルスベクターに感染した、例えばSpodoptera frugiperdaクロー ン9(Sf9)細胞のような昆虫培養細胞中の外来遺伝子の発現系は、技術上公 知である(3)。異種遺伝子は通常、Autographa california核多角体病ウイル ス又はBombix mori核多角体病ウイルスの強度なポリヘドリンプロモーターの制 御下に置かれる。相同的組換えによるバキュロウイルスベクターの所望の部位へ の異種DNAの導入方法も技術上周知である(4)。 プラスミドベクターpBacNS3(1039〜1226)はpBlueBa cIII(Invitrogen)の誘導体であり、NS3の活性を有するポリペプチド(10 39〜1226)をコードする遺伝子を転移させるために構築した。この目的の ために、配列番号:1に表されたこのポリペプチドをコードするヌクレオチド配 列は、配列の5’にATGコドンを、3’にTAG停止コドンを挿入するオリゴ ヌクレオチドを用いるPCRによって得られた。この方法によって得られたフラ グメントを、Klenow DNAポリメラーゼフラグメントによる処理に続いて、ベ クターpBlueBacIII のBamHl部位に挿入した。このプラスミドは図 1に示す。 Spodoptera frugiperdaクローン9(Sf9)細胞とバキュロウイルス組換え キットとは、Invitrogenから購入した。細胞は10%ウシ胎児血清(Gibco)を含 有する完全 Grace昆虫培地(Gibco)に含めて27℃においてディッシュ上で又は 懸濁液中で増殖させた。バキュロウイルス構築体のトランスフェクション、組換 え及び選択を製造者の指示に従って行った。 タンパク質発現のために、約5ウイルス粒子/細胞の比で2x106細胞/ml の密度において、Sf9細胞を組換えバキュロウイルスによって感染させた。細 胞を懸濁液中で23℃において72時間培養した。通常の最適増殖温度に相当す る27℃から23℃に温度を低下させることが、可溶性で活性なタンパク質を得 るために重要である。 遠心分離によって細胞を回収し、それらをPBS(20mM リン酸ナトリウム pH7.4、140mM NaCl)によって洗浄した後に、ペレットを25mM リ ン酸ナトリウムpH6.5、20%グリセロール、0.5%3−[(3−コラミド −プロピル)−ジメチル−アンモニウム]−1−プロパンスルホネート(CHA PS)、10mMジチオトレイトール(DTT)、1mMエチレンジアミノ四酢酸( EDTA)中に再懸濁させた。Branson 250機器を用いた、それぞれ30秒間 の持続期間による4サイクルの10Wにおける超音波処理によって、細胞を4℃ において破壊した。この方法で得られたホモジネートを120,000xgに おける遠心分離によって1時間ペレット化し、上清を2ml/分の流速で、25mM リン酸ナトリウムpH6.5、10%グリセロール、2mM DTT、1mM EDT A、0.1%CHAPSと平衡させたHR26/10S−Sepharose カラム(Pha rmacia)にかけた。カラムの2倍量によって洗浄した後に、0〜1MのNaCl 勾配によって溶出させた。プロテアーゼを含有する画分をウェスターンブロッテ ィング法を用いてNS3特異性ポリクローナル抗体によって同定し、Ym10膜 を装備した Amicon 限外濾過セルを用いて 3mlに濃縮してから、50mMリン酸ナ トリウムpH7.5、10%グリセロール、2mM DTT、0.1%CHAPS、 1mM EDTAと平衡させた Superdex 75 HR26/60カラム(Pharmacia )上で、1ml/分の流速度でクロマトグラフィーした。プロテアーゼを含有する 画分をプールし、前記カラムに用いた同じ緩衝剤と平衡させたMono−S HR5 /5カラム(Pharmacia)上でさらにクロマトグラフィーを受けさせた。このカラ ムから、0〜0.5Mの線状NaCl勾配を適用して、プロテアーゼを溶出した 。プロテアーゼを−80℃において50%グリセロール、0.5%CHAPS、 10mM DTT及び50mMリン酸ナトリウムpH7.5中に保存した。このプロセ スの収率は0.5mg/l細胞である。精製タンパク質は、50mM Tris(pH7. 5)、50%グリセロール、2%CHAPS、30mM DTT中で23℃におい て、NS4AとNS4Bとの間のポリプロテイン切断部位から誘導されたペプチ ド基質 Fmoc−Tyr−Gln−Glu−Phe−Asp−Glu−Met −Glu−Glu−Cys−Ala−Ser−His−Leu−Pro−Tyr −Ile−Glu−Gln−Gly(配列番号:7)を用いて測定して、触媒活 性Kcat/Km=20〜200 M-1-1を有する。この反応から生ずる切断生成 物をHPLCを用いて分離し、単離し、質量分光測定によって同定し、システイ ンとアラニンとの間でタンパク質分解切断が行われたことを確認した。活性を測 定するために必要なプロテアーゼ濃度は100nM〜1.6μMの範囲であった。実施例2 E .coli におけるHCV NS3プロテアーゼの発現方法 それぞれ、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4及び配 列番号:5に表示されるポリペプチドのE .coli における発現を可能にするため に、図2Aと2Bに示すプラスミドpT7−7(NS3 1039〜1226) 、pT7−7(NS3 1039〜1206)、pT7−7(NS3 1027 〜1206)及びpT7−7(NS3 1033〜1206)を構築した。これ らのタンパク質フラグメントはHCV NS3タンパク質のプロテアーゼドメイ ンの変異体(variant)を含有する。HCV cDNAの各フラグメントをバクテ リオファージT7φ10プロモーターの下流、ファージT7遺伝子10タンパク 質の第1ATGコドンによるフレーム内に、実際に知られた方法を用いてクロー ン化した。NS3配列を含有するpT7−7プラスミドは、これらのプラスミド によって形質転換したEcoli細胞を選択するマーカーとして用いることができ るβ−ラクタマーゼ酵素の遺伝子をも含有する。 これらのプラスミドを次にEcoli菌株BL21(DE53)に形質転換する 、これは通常T7プロモーターを含有する発現ベクターにクローン化した遺伝子 の高レベル発現のために用いられる。E .coli のこの菌株では、T7ポリメラー ゼ遺伝子は、BL21細胞の染色体中に取り込まれるバクテリオファージλDE 53上で運ばれる(5)。問題の遺伝子からの発現は、今までに開示された方法 に従って増殖培地にイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)を添加すること によって誘導される(5)。上記プラスミドの1つを用いて発現されるタンパク 質の90%以上が封入体中に不溶性形で見い出され、これらから当該分野に公知 のリフォールディング方法に従っで可溶性で活性なタンパク質を得ることが可能 である(例えば(6)を参照のこと)。リフォールディング・プロトコールはし ばしば、触媒活性タンパク質の可変な収率を有し、これらのプロトコールは極め て制御された条件を必要とし、さもなくば、タンパク質の不可逆的な修飾(例え ば、尿素の存在下でのカルバミル化)を生じるか、又は例えば非常に希釈された タンパク質溶液の使用若しくは非常に多量のサンプルの透析のような、実際的で ない操作を必要とする。 これらの問題を避けるために、可溶な活性形でHCVプロテアーゼを製造して 、再可溶化プロトコールを回避するために、以下で述べる方法が開発されている :即ち、上記プラスミドの1つを用いて形質転換したEcoli BL21(DE 5 3)を600nmにおいて0.8OD(ODは光学密度を意味する)の吸光度を生 じる細胞密度に達するまで37℃において増殖させた。この時点において、温度 を15〜20分間内に30℃に下げて、400μM IPTGを加えて、タンパク 質の発現を誘導した。次に、温度をさらに20〜30分間に22〜24℃に下げ た。培養物をこの温度においてさらに4時間撹拌した。この時点において、細胞 を遠心分離によって回収して、PBSを用いて洗浄した。精製方法 上記操作から得られたペレットを氷上で5分間インキュベートしてから、4℃ に予め冷却した25mMリン酸ナトリウムpH6.5、50%グリセロール、0.5 %CHAPS、10mM DTT、1mM EDTA(緩衝剤A)中に再懸濁した。 この緩衝剤の10mlを細菌培養物の1リットルに対して用いた。さらに5〜10 分間氷上でインキュベートした後に、細胞懸濁液を French プレスを用いてホモ ジナイズした。得られたホモジネートを120,000xgにおいて遠心分離し た。この遠心分離からの上清を氷上に保存し、ペレットを緩衝剤A(細胞培養物 の1リットルにつき1ml)に再懸濁した。1mM MgCl2とDNアーゼIとを 加えた後に、懸濁液を20℃において10分間インキュベートし、120,00 0xgにおいて1時間、再遠心分離した。この第2遠心分離からの上清を第1上 清と共にプールし、得られたタンパク質溶液を、25mMリン酸ナトリウムpH6. 5、10%グリセロール、0.5%CHAPS、3mM DTT、1mM EDTA (緩衝剤B)と平衡させたS−セファロース(Sepharose)(又はSP−Sepharose) 樹脂(Pharmacia)に吸着させた。5mlの緩衝剤B中に懸濁させた10mlの樹脂を 細胞培養物の1リットルにつき用いた。樹脂を4℃において1時間撹拌し、濾過 によって回収し、緩衝剤Bによって洗浄し、適当なクロマトグラフィーカラムに 注入した。0〜1MのNaCl勾配によってプロテアーゼを溶出した。プロテア ーゼを含有する画分をウェスターン・ブロッティングを用いて同定し、プールし 、Centriprep 10濃縮機(Amicon)を用いて、BIORAD法によって測定し てタンパク質中で6〜10mg/mlの濃度に達するまで濃縮した。3mlまでのこの 溶液をHR26/60 Superdex 75に負荷した、又は20mlまでをHR60/ 600 Superdex 75(両方ともPharmacia)に負荷した、樹脂は50mMリン酸 ナ トリウムpH7.5、10%グリセロール、3mM DTT、0.5%CHAPS( 緩衝剤C)と平衡させたものである、クロマトグラフィーは1ml/分(HR26 /60)又は5ml/分(HR60/600)で行った。プロテアーゼ含有画分を プールし、緩衝剤Cと平衡させたHR5/5 Mono S(Pharmacia)上でのクロマ トグラフィーによってさらに精製した。プロテアーゼをこのカラムから0〜0. 5MのNaCl勾配によって溶出した。次の改良によって均質になるまでの精製 も可能であった:即ち、S−Sepharose からの溶出後に、プロテアーゼ含有画分 を緩衝剤C中で1:4に希釈し、ヘパリン−セファロース(Heparin-Sepharose) 上に負荷した。この樹脂からの溶出は0〜0.5MのNaCl勾配によって行っ た。次に、タンパク質をヒドロキシアパタイト又は Superdex 75上で上述した ようにクロマトグラフィーした。収量は細菌培養物1リットルにつき精製タンパ ク質1〜2mgである。精製タンパク質の特徴付け 精製タンパク質をゲル濾過、逆相HPLC、質量分光測定及びN−末端配列分 析によって特徴付けた。 ゲル濾過分析実験は、このタンパク質がモノマーであることを示した。pT7 −7(NS3 1027〜1206)を用いて発現させたタンパク質は逆相HP LCクロマトグラフィーによると3ピークを示す。質量分光測定分析とN−末端 配列の測定とは、分子のN−末端部分の不均一性を示した。下記N−末端配列を 有する3形態が発見された: Met-Ala-Pro-Ile-Thr-Ala-Tyr-Ser-Gln-Gln-Thr(形態1) Pro-Ile-Thr-Ala-Tyr-Ser-Gln-Gln-Thr(形態2) Ser-Gln-Gln-Thr(形態3) この問題を回避するために、2つの実験方法を採用した: 1.100μg/mlのキモスタチン プロテアーゼ阻害剤の存在下でのホモジ ナイゼーション。この阻害剤はHCVプロテアーゼ活性を阻害しないが、フェニ ルアラニン及びチロシンのような芳香族残基に特異的な、キモトリプシン型プロ テアーゼを阻害する。この方法で、95%を越える形態2を含む単分子種を精製 することが可能であった。 2.プラスミドpT7−7(NS3 1033〜1206)による形態3に相 当するプロテアーゼの産生。この方法では、95%を越える形態3を含むタンパ ク質が精製された。実施例3 HCV NS3プロテアーゼの活性を in vitro で再現する方法 活性の再現のための化学的及び物理的条件の定義 ペプチド Fmoc−Tyr−Gln−Glu−Phe−Asp−Glu−M et−Glu−Glu−Cys−Ala−Ser−His−Leu−Pro−T yr−Ile−Glu−Gln−Gly(配列番号:7)の切断を触媒する精製 プロテアーゼの能力を用いて、活性のための最適条件を定義した。切断は加水分 解生成物から基質を逆相HPLCによって分離することによって検出した。この 目的のために、緩衝剤と、プロテアーゼと共にインキュベートしたペプチドとを 含有する混合物を逆相 Lichrospher RP−18カラム(Merck)に注入して、0. 1%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリル勾配によって溶出した。切断生 成物は適当な標準の同時注入と、質量分光測定とによって同定した。これらの実 験のために、実施例1と2に述べた方法の1つによって得られたタンパク質を用 いた。 グリセロール濃度への活性の依存性を50mM Tris(pH7.5)、2%CHA PS、30mM DTTを含有する緩衝剤中で評価した。濃度を高めながら、グリ セロールをこの緩衝剤に加えて、相対的プロテアーゼ活性を測定した。図3はこ の実験の結果を示し、50%(v/v)グリセロールが最適レベルであることを 実証する。次の実験では、この濃度を50%に一定に維持して、CHAPSの濃 度を変化させた(図4)。この方法では、2%CHAPS(w/v)のレベルが 最適濃度であることが判明した。CHAPSの代わりに、本発明によるポリペプ チドに触媒活性を維持することの必要性に適合した、他の界面活性剤を用いるこ とも可能であった。これらの界面活性剤の一部は、ヘプチル−β−D−グルコピ ラノシド、デシル−β−D−グルコピラノシド、デシル−β−D−グルコマルト シド、ノニル−β−D−グルコビラノシド、N−ヘキシル−β−D−グルコピラ ノシド、オクチル−β−D−グルコピラノシド、オクチル−β−D−チオ−グル コピラノシド、Nonidet P−40、Tween−20である。 最適のCHAPS及びグリセロール濃度では、プロテアーゼはpH8.5におい て最適活性を示す(図5)。しかし、このpHにおいては、経時的安定性がpH7. 5において観察される安定性よりも低い。活性に対するイオン強度の影響を測定 するために、NaClを用いて滴定を行った。この実験は、高いイオン強度では プロテアーゼ活性が阻害されることを示した(図9)。データの動力学的分析は 、100mMまでの濃度において塩化物イオンが競合阻害剤であることを示した。 したがって、精製HCVプロテアーゼ活性のin vitro分析のための最適条件: 50mM Tris(pH7.5)、3〜30mM DTT、2%CHAPS、50%グリ セロールを定義することも可能であった。温度への活性の依存性を、動力学的定 数Kcatの対数が温度の逆関数として与えられるアレニウスプロットを用いて分 析した。このグラフは25℃を超える温度における不連続性を示し、このことは 活性の低下と同時に形態の変化が生ずることを実証する。したがって、最適温度 は約22〜23℃であると判定された。 上述したように、タンパク質NS4AはHCVプロテアーゼの補因子である。 N及びCの末端欠失実験は配列番号:6に表示した配列を有するペプチドPep 4Aを、最適活性化をまだ誘導することができる最小ドメインとして定義してい る。トランスフェクション又は in vitro 翻訳実験では、最小NS4A配列を含 有するポリペプチドの添加が有効に切断するために重要である。Pep4Aの添 加は、上述した分析条件において精製プロテアーゼの活性を顕著に増大させるこ とができる。この活性化の動力学的特徴は以下で述べる。滴定実験を用いて、プ ロテアーゼの300nMの濃度におけるこの相互作用に関して1:1の化学量論が 判明し、kd<300nMが示された。活性分析のための最適基質の定義 上述したHPLC法を用いてその切断がまだ検出されることができる最小基質 を定義するために、上述したペプチド Fmoc−Tyr−Gln−Glu−P he−Asp−Glu−Met−Glu−Glu−Cys−Ala−Ser−H is−Leu−Pro−Tyr−Ile−Glu−Gln−Gly(配列番号: 7)の誘導体を、N−及び/又はC−末端欠失によって合成した。これらのペプ チドを上記章で定義した条件下、100nM〜1.6μMのプロテアーゼの存在下 でインキュベートした。基質として用いたペプチドのアミノ酸残基の、以下で採 用する命名法は、Schechter と Berger が(7)において指定したものである。 残基はPn・・・・P3、P2、P1、P1’、P2’,P3’・・・・・Pn ’として定義され、加水分解された結合はP1−P1’(CysとAlaとの間 の結合)である。表1はこの実験の動力学的データを示し、P6とP3’又はP 4’をまだ有効に切断される基質の極限として定義する。P6又はP3’を越え た欠失は、それによって各ペプチドがまだ基質として作用しうるkcat/Kmとし て測定される効力を顕著に低下させる。P4’の欠失はkcat/Kmをあまり顕著 でなく低下させるが、HPLCによる基質と切断点との分離はノナペプチドP6 −P3’に関するよりもデカペプチドP6−P4’に関する方が良好であるので 、デカペプチドP6−P4’が最適基質として定義されている。 動力学パラメーターKm、kcat、kcat/kmは、他の2つの分子間切断部位N S4B/5AとNS5A/5Bに相当するデカペプチドP6−P4’に関して測 定したものであり、このデータを部位NS4A/4Bに相当するペプチドP 6−P4’を用いて得られたデータと比較した(表2)。これらの動力学は化学 量論濃度のPep4Aの不存在下と存在下の両方で得た。この方法で得られた動 力学的データの分析は、Pep4Aが主としてkcatに影響を与えることを実証 する。単一基質のKm値を比較すると、P5とP6における2つの負の電荷の存 在がペプチド基質の結合力(bonding effectiveness)を決定するということが明 らかになる。実際に、位置P6とP5にAsp又はGlu残基を有する、部位N S4A/4BとNS5A/5Bに相当するデカペプチドは、位置P6に単一電荷 を有する部位NS4B/5Aに相当するペプチドに比べて同様の、有意に低いKm を有する。 切断部位NS4A/4Bに相当する配列P6−P4’内の単一残基の相対的重 要性に関して、各アミノ酸を単独にアラニンに突然変異させ、次にこのようにし て得られた突然変異体ペプチドの動力学パラメーターを測定することによって、 さらに研究を行った。結果は表3に示す。この実験は、有効な切断に関する単一 残基の重要性の下記スケール:P1>>P3=P5=P6>P2=P4を同定す る。P’部分の修飾は切断速度に有意な影響を及ぼさない。この情報を用いて、 阻害剤の同定のために有用なプロテアーゼ活性分析法を開発した。これらの方法 は以下に述べる。 P6とP1’における残基の重要性のさらに詳細な評価に関しては、一連のペ プチドP6−P4’を合成し、これらのペプチドに修飾を導入した。これらの実 験の結果は表4に示す。これらの実験の結果は位置P6における負の電荷の重要 性を強調する。実際に、この位置におけるAsp又はGluは、区別がつかない Kmによって受容される。Asnの導入による電荷の中和はKmを有意に増加させ るが、Lys残基の導入による電荷の逆転はKmを極めて顕著に増加させる。 Serによる位置P1’のAlaの置換は有意な影響を与えないが、Pheに よる置換はkcat/Kmとして測定される、生成基質の切断速度を低下させる。表 5に記載する位置P1の一連の突然変異に関して分析をおこなった。スレオニン 、アリルグリシン、α−アミノ酪酸、ノルバリン及びバリンによる、この位置の システインの置換は、生成基質が非修飾基質に比べて有意に低い、kcat/Kmと して表現される効率によって切断されるとしても、受容される。 基質特異性に関する情報は、酵素分析法の開発と、修飾基質配列に基づく阻害 剤の合成との両方のために用いることができる。例えば、修飾されたP1残基を 有する基質ペプチドは350〜90μMの阻害定数を有するプロテアーゼの競合 阻害剤である(表6)。アルデヒド、トリフルオロメチルケトン、ジフルオロメ チルケトン、ジケトン、ケトエステル、ケトアミド又はα−ケト複素環、ボロン 酸(boronic acid)及びモノアロメチルケトン基を導入することによって、これ らのペプチドをさらに修飾して、それらの阻害力を高めることができる。特異性 に関する情報は、例えばハロ−エノールアセトン類、イソクマリン類、β−ラク タム類、スクシンイミド類、ピロン類、ベゾキシアジノン類(bezoxyazynones) 、ベゾイソ−チアゾリン類(bezoiso-thiazolines)又は潜在(latent)イソシア ネート類のような、ペプチドに基づかない阻害剤の合成をも可能にすることがで きる。 実施例4 阻害剤探索のための in vitro プロテアーゼ活性の利用方法 アミド基質を用いた自動分析法 切断部位NS4A/NS4Bから誘導されたペプチド Ac−Asp−Glu −Met−Glu−Glu−Cys−Ala−Ser−His−Leu−Pro −Tyr−Lys−ε−(3H)Ac(配列番号:47)を下記動力学パラメータ ー:Km=79μM、kcat=0.79分1及びkcat/Km=103M-1-1を有す るNS3プロテアーゼによって切断する。2〜10Ci/mmolの比活性を有する標 識ペプチド400,000cpmを40μM(Km/2)の非標識ペプチドと共に、 50mM Tris(pH7.5)、50%グリセロール、3%CHAPS、10mM D TT中で、200nMプロテアーゼと1μM Pep4Aの存在下で23℃におい て3時間インキュベートした。この期間中に、ペプチド基質の20%が切断され た。切断生成物は以下に述べ、図7に要約する方法に従って定量することができ る。この図から知ることができるように、混合物をTSK−DEAEアニオン交 換体と接触させて配置する。この交換体から流出する画分を濾過し、沈降させ、 遠心分離する。透明な画分に関して放射能を測定する、アミド基質と左側フラグ メントとがアニオン交換体に結合した状態で留まると仮定して、この放射能量は 排他的に右側フラグメント(C−末端)に関するものである。阻害剤の添加は標 識された切断フラグメントの脱離速度(release rate)を低下させる。阻害剤が 有効であればあるほど、アニオン交換体から流出する画分に測定される放射能は 減少する。実施例5 デプシペプチド基質S1:Ac−Asp−Glu−Met−Glu−Glu−A bu−Ψ[COO]−Ala−Ser−His−Leu−Pro−Tyr−Ly s(Nε−Ac)−NH2(配列番号:8)の合成 この合成は連続フローFmoc−ポリアミド方法(9)を用いて完全に固相で おこなった。保護基組合せは、α−アミノ基のための塩基−不安定性Nα−Fm ocと、側鎖のための酸−不安定性保護:Asp(Ot−Bu)、Glu(Ot −Bu)、Tyr(t−Bu)及びHis(trt)とであった。用いたポリマ ーは修飾 Rink アミドリンカー(10)によって誘導体化された複合ケイソウ土 −ポリアミド(9)、p−[(R,S)−a−[1−(9H−フルオレン−9− イル)−メトキシホルムアミド]−2,4−ジメトキシベンジル]−フェノキシ 酢酸(11)(NovaSyn(登録商標)KR125,0.1mmol/g)であった。樹 脂、アミノ酸誘導体、活性剤及び他の全ての試薬は商業的ソースからの入手可能 な最高等級であった。この合成は図8に示したスキームに従って行った。カップ リングは、Fmoc−アミノ酸/DIPC/HOBt(1:1:1:1)活性化 を用いたL−(+)−乳酸以外は、Fmoc−アミノ酸/PyBOP/HOBt /DIEA(1:1:1:2)活性化を用いて、樹脂遊離アミノ基に比べて5倍 過剰な活性化アミノ酸によっておこなった。乳酸の遊離ヒドロキシルに対するA buのエステル化を、触媒量(0.1当量)のDMAPの存在下で対称的無水物 (Fmoc−Abu)20を用いて、室温において30分間行った(12):こ の反応を2回繰り返して、90%収率を得た;触媒の不存在下では、残留する遊 離ヒドロキシルはその後の合成操作において不反応性である。アセンブリの終了 時に、樹脂をDMF、メタノール及びCH2Cl2によって洗浄して、16時間真 空乾燥させた。乾燥ペプチド−樹脂をTFA/水/トリイソプロピルシラン(9 2.5:5:2.5)によって室温において1.5時間処理した;樹脂を濾別し 、ペプチドを冷メチルt−Buエーテルによって沈殿させ;沈殿を0.1%TF A含有50%水/アセトニトリル中に再溶解して、凍結乾燥した。 溶離剤として(A)水と(B)0.1%TFA含有アセトニトリルとを、5分 間にわたって22%B、次に25分間にわたって22〜27%Bのステップ勾配 で、流速度12ml/分において用いた、Nucleosy1 C−18カラム(250x 21mm、7μM)上での分取HPLCによって、>98均質性までの精製が達成 された。これらの条件下で、ペプチドは21.9分間目に溶出する。純粋な物質 を含有する画分をプールし、凍結乾燥した:収率35%。実施例6 デプシペプチド基質S2:Ac−Asp−Glu−Met−Glu−Glu−T hr−Ψ−[COO]−Ala−Ser−His−Leu−Pro−Tyr−L ys(Nε−Ac)−NH2(配列番号:43)の合成 この合成は上記実施例に述べたように行った。乳酸へのThrのエステル化は 70%収率を得るために3回の反復を必要とし、Thr残基の3%ラセミ化をも 付随した。しかし、D−Thrジアステレオマーはクロマトグラフィーによって L−異性体から良好に分割され、分取HPLCによって容易に分割された。用い た勾配は5分間にわたって21%B、次に20分間にわたって21〜22%Bで あり、所望のペプチドは19.7分間目に溶出した:収率24%。実施例7 デプシペプチド基質S1:Ac−Asp−Glu−Met−Glu−Glu−A bu−Ψ−[COO]−Ala−Ser−His−Leu−Pro−Tyr−L ys(Nε−[3H]−CH3CO)−NH2(配列番号:44)の合成 ペプチドSlをC−末端リシンのNε−アミノ基において選択的に標識するた めに、保護された先駆体 Ac−Asp(Ot−Bu)−Glu(Ot−Bu) −Met−Glu(Ot−Bu)−Glu(Ot−Bu)−Abu−Ψ−[CO O]−Ala−Ser(t−Bu)−His(Trt)−Leu−Pro−Ty r(t−Bu)−Lys−CONH2を図10のスキームに従って樹脂上にアセ ンブルした。(Nε−Ac)−S1の合成に比べた唯一の変化はFmoc−Ly s(Nε−Ac)−OHの代わりにFmoc−Lys(Alloc)−OHを用 いたことであった。Alloc保護はFmocとt−Buに基づく保護基に対し て直角(orthogonal)であり、5%酢酸と2.5%N−メチルモルホリンとを含 有するCH3Cl溶液中での(0)PdP[(Ph3)]による2時間処理によっ て脱離される。 乾燥ペプチド−樹脂(0.07mmol/g、60mg)を[3H]無水酢酸(25mCi 、5.7mCi/mmol)と、室温において16時間反応させた。次に、10倍過剰 な非放射性無水酢酸を用いて、反応を完成させた。次に、樹脂をDMFによって 洗浄し、上述したように処理した。分取HPLC後に、>98%純粋なペプチド Ac−Asp−Glu−Met−Glu−Glu−Abu−Ψ−[COO]− Ala−Ser−His−Leu−Pro−Tyr−Lys(Nε−[3H]−C H3CO)−NH2が0.98mCi/mmolの比活性を有して得られた。 HPLCに基づく分析法を用いて、放射性デプシペプチド基質Sl(配列番号 :44)に関して下記動力学パラメーターが得られた: 同じ分析法を用いて、放射性基質S2に関して下記動力学パラメーターが得ら れる: 放射性デプシペプチド基質の合成は、図11に概略的に説明したNS3プロテ アーゼ活性の測定のための高スループット分析の設定を可能にする。原理は次の 通りである:完全な基質と、酵素切断に由来するN−末端フラグメント(Ac− Asp−Glu−Met−Glu−Glu−Abu−OH)とは極度に酸性であ るが、C−末端フラグメント[HO−CH(CH3)CO−Ser−His−L eu−Pro−Tyr−Lys(Nε−[3H]−CH3CO)−NH2]は、pHに よると、中性又は塩基性である。それ故、アニオン交換樹脂上で2つの酸性種を 捕捉し、C−末端フラグメントを溶液中に残すことが可能である。C−末端フラ グメントが放射性マーカー(この場合には、C−末端リシンのε−アミノ基に共 有結合したトリチウム化アセテート)を含有する場合には、樹脂は処理基質を非 処理基質から識別することができるので、酵素と共にインキュベーションし、イ オン交換体によって処理した後に溶液中に残留する放射能量を測定することによ ってタンパク質分解活性を定量することを可能にすると考えられる。全体のプロ セスは実施例4のアミド基質に基づく高スループット分析に用いたプロセスと本 質的に同じであるが、この場合に用いるpHは7.5ではなく7.0であり、エス テル結合の自然加水分解を最小にする(23℃において0.6%/時)。実施例8 デプシペプチド基質S3とS4: Ac−Asp−Glu−Asp−(EDANS)−Glu−Glu−Abu−Ψ [COO]−Ala−Ser−Lys−(DABCYL)NH2(配列番号:4 5)and Ac−Asp−Asp−(EDANS)−Met−Glu−Glu −Abu−Ψ[COO]−Ala−Ser−Lys(DABCYL)NH2(配 列番号:46) の合成 2つの基質S3とS4の化学式を図11に示す。 合成は、公知方法(16〜17)に従って製造した2種類の特定の誘導体:F moc−Asp(EDANS)−OHとFmoc−Lys(DABCYL)−O Hを用いて、S3(配列番号:45)に関して図13のスキームに詳述した通り に固相で行った。Asp(EDANS)とLys(DABCYL)とを含めて、 カップリングの全ては、Fmoc−アミノ酸/DIPC/HOBt(1:1:1 :1)活性化を用いたL−(+)−乳酸を例外として、Fmoc−アミノ酸/P yBOP/HOBt/DIEA(1:1:1:2)活性化を用いて、樹脂遊離ア ミノ基に比べて5倍過剰な活性化アミノ酸によって行った。乳酸の遊離ヒドロキ シルに対するAbuのエステル化を、触媒量(0.1当量)のDMAPの存在下 で対称的無水物(Fmoc−Abu)20を用いて、室温において30分間行っ た(12):この反応を2回繰り返して、92%収率を得た。アセンブリの終了 時に、ペプチド−樹脂を洗浄して、基質S1に関して述べた通りにペプチドを切 断した。 溶離剤として(A)50mM 酢酸アンモニウム(pH6)と(B)アセトニトリ ルとを用いて、Nucleosyl C−18カラム(250x21mm、7μm)上での 分取HPLCによって、>98均質性までの精製が達成された。S3とS4の両 方に対して用いた勾配は、5分間にわたって20%B、次に20分間にわたって 20〜40%B、流速度20ml/分であった;純粋な物質を含有する画分をプー ルし、凍結乾燥した:S3とS4に関してそれぞれ収率45%と35%。HPL Cに基づく分析(図14A参照)によって評価した、この基質の動力学パラメー ターは次の通りであった: この分析に用いた緩衝剤は次の通りである:33mM DTT、50mM Tris( pH7)、50%グリセロール、2%CHAPS。エステル結合の自然加水分解を 最小にするために、インキュベーションはpH7.0において実施する。この分 析はキュベット又は(96ウェル)マイクロタイタープレートにおいて蛍光を時 間の関数としてモニターしながら行うことができる(励起波長355nM、発光波 長495nM)。基質切断時の蛍光増加は13倍である。反応は図14Bに示すよ うに直線的である(固定基質濃度=2μM)。検出限界は高スループットマイク ロタイタープレート分析に関して1nM、HPLCに基づく分析に関しては520 pMと判定された。酵素反応の初期速度を確認するために連続(キュベット)分 析をおこなう場合には、酵素濃度の下限は、10μM よりも高い基質濃度では切 断基質の蛍光が消光するために、80nMである。寄託 配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4及び配列番号:5 のアミノ酸配列をを有するポリペプチドをそれぞれコードするプラスミド pB ac(1039〜1226)、pT7−7(1039〜1226)、pT7−7 (1039〜1206)、pT7−7(1027〜1206)及びpT7−7( 1033〜1206)を用いて形質転換したE. coli DHIの菌株は1995 年8月14日に、Notional Collections of Industrial and Marine Bacteria L td.(NCIMB)、英国、スコットランド、アバーディーンによって、受託番 号:NCIMB40761、NCIMB40762、NCIMB40763、N CIMB40764及びNCIMB40765で寄託された。 明細書に用いた略号と記号 Abu=2−アミノ酪酸;CHAPS=3−[(3−コラミド−プロピル)− ジメチル−アンモニウム]−1−プロパンスルホネート;DABCYL=4−[ [4’−(ジメチルアミノフェニル]アゾ]安息香酸;デプシペプチド=少なく とも1つのペプチド結合が対応エステル結合によって置換されたペプチド(分子 内のエステル結合(単数又は複数)の位置(単数又は複数)は関与するアミノ酸 残基間のΨ[COO]−として通常表示される);DIEA=N,N−ジイソプ ロピルエチルアミン;DIPC=N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド;D MAP=4−ジメチルアミノピリジン;DMF=N,N−ジメチルホルムアミド ;DTT=ジチオトレイトール;EDANS=5−[(2’−アミノエチル)ア ミノ]ナフタレンスルホン酸;EDTA=エチレンジアミノ四酢酸;HOBt= N−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HPLC=高速液体クロマトグラフィー; PyBOP=ベンゾトリアゾル−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホス ホニウム ヘキサフルオロホスフェート;RET=共鳴エネルギー転移;t−B u=tert−ブチル;TFA=トリフルオロ酢酸;Trt(トリチル)=トリフェ ニルメチル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ビアンチ,エリザベッタ イタリア国 アイ − 00195 ローマ, ビア サボッティノ,31 (72)発明者 タリアニ,マリナ イタリア国 アイ − 00174 ローマ, ビア クルジオ ルフォ,15 (72)発明者 トメイ,リシア イタリア国 アイ − 00143 ローマ, ビア ガッダ,173 (72)発明者 ウルバニ,アンドレア イタリア国 アイ − 00187 ローマ, ビア ピアベ,41 (72)発明者 デ フランセスコ,ラファエル イタリア国 アイ − 00040 マリノ アールエム,ビア アピア ヌオバ ケイ エム.21 エヌ.133 (72)発明者 ナルイェス,フランク イタリア国 アイ − 00040 アリシア, ビア ラモ ドロ,53

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離されたポリペプチドであって、配列番号:1、配列番号:2、配列番 号:3、配列番号:4及び配列番号:5から成る群から選択されたアミノ酸配列 から成り、HCVウイルスNS3タンパク質のタンパク質分解活性を有すること を特徴とする単離されたポリペプチド。 2.宿主生物において請求項1記載のポリペプチドのいずれか1種を産生する ための発現ベクターであって、 前記ポリペプチドの1種をコードするポリヌクレオチドと、 前記ポリヌクレオチドに機能的に結合した、前記宿主生物内の機能的調節、転 写及び翻訳配列と、 任意の選択マーカーと を含む発現ベクター。 3.選択されたポリヌクレオヂド配列中にコードされた特定のポリペプチドを 発現することができる請求項2記載の発現ベクターを用いて形質転換した、真核 細胞又は原核細胞のいずれかの宿主細胞。 4.請求項1記載のポリペプチドの1種の製造方法であって、 下記操作: 配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4及び配列番号:5 に表示された配列から成る群から選択されたポリペプチドをコードするDNA配 列を含む発現ベクターを用いて、真核細胞又は原核細胞のいずれかの宿主細胞を 形質転換する操作; 選択されたポリペプチドを製造するために望ましいヌクレオチド配列を発現さ せる操作;及び 再可溶化プロトコールを避けて、このようにして得られたポリペプチドを精製 する操作 を組合せて含むことを特徴とする方法。 5.配列番号:7〜12、14、18〜20、29〜32、35及び47に表 示された配列から成る群から選択されたアミノ酸配列から成ることと、HCV NS3タンパク質分解活性を有するポリペプチドの in vitro 活性の高スループ ット分析に基質として用いることができることを特徴とするペプチド。 6.配列番号:42〜46に表示された配列から成る群から選択されたアミノ 酸配列から成ることと、HCV NS3タンパク質分解活性を有するポリペプチ ドの in vitro 活性の高スループット分析に基質として用いることができること を特徴とするデプシペプチド。 7.HCV NS3タンパク質のタンパク質分解活性を in vitro で再現し、 効果的に分析する方法であって、請求項1記載のポリペプチドの活性が再現され 、30〜70mM Tris pH6.5〜8.5と、3〜30mM ジチオトレイトール と、0.5〜3% 3−[(3−コラミド−プロピル)−ジメチル−アンモニウ ム]−1−プロパンスルホネートと、30〜70% グリセロールとを含有する 溶液中で、20〜25℃の温度において、高スループット分析で請求項5記載の ペプチド又は請求項6記載のデプシペプチドを基質として用いて試験されること を特徴とする方法。 8.請求項7記載のHCV NS3のタンパク質分解活性を in vitro で再現 し、効果的に分析する方法であって、請求項5記載のペプチドを100〜200 nMの請求項1記載のポリペプチドの濃度において高スループット分析に用いる方 法。 9.請求項7記載のHCV NS3のタンパク質分解活性を in vitro で再現 し、効果的に分析する方法であって、請求項6記載のデプシペプチドを0.5〜 2nMの請求項1記載のポリペプチドの濃度において高スループット分析に用いる 方法。 10.請求項9記載の、HCV NS3のタンパク質分解活性を in vitro で再 現し、効果的に分析する方法であって、請求項1記載のポリペプチドのタンパク 質分解活性の連続モニターリングを、基質として配列番号:45と配列番号:4 6によって表示される配列から成る群から選択されたデプシペプチドを用いて、 デプシペプチドの一方の末端に接近した蛍光ドナー、5−[(2’−アミノエチ ル)アミノ]ナフタレンスルホン酸(EDANS)と、デプシペプチドの他方の 末端に接近したアクセプター基、4−[[4’−(ジメチルアミノフェニル)ア ゾ]安息香酸(DABCYL)との間の“共鳴エネルギー転移”による蛍光発光 の内部消光によって行う前記方法。
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