JPH10510397A - 酸素感応製品の熱処理方法 - Google Patents

酸素感応製品の熱処理方法

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JPH10510397A
JPH10510397A JP8517691A JP51769196A JPH10510397A JP H10510397 A JPH10510397 A JP H10510397A JP 8517691 A JP8517691 A JP 8517691A JP 51769196 A JP51769196 A JP 51769196A JP H10510397 A JPH10510397 A JP H10510397A
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エー. ラルソン,ルイス
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、酸素感応性ワークを熱処理する方法及びオーブン(10)を提供する。本発明において、オーブン(10)はオーブン室(50)と外部ハウジング(12)とを備え、それらの間に包囲部(80)が画成される。オーブンはさらに、ドア又はハウジング(12)に支持される膨張可能なシール(66)を備える。シール(66)は、ドア(26)とハウジング(12)との接触領域に沿って延び、窒素含有ガスがシールに満たされる。ワークがオーブン室(50)に配置され、オーブン室(50)が封鎖される。加熱された不活性ガスが包囲部(80)内で循環させられて、オーブン室(50)を加熱するとともに、オーブン室を所望の処理温度に保持する。次いでオーブン室は、好気性ガスを循環させることにより冷却される。

Description

【発明の詳細な説明】 酸素感応製品の熱処理方法 発明の背景 発明の分野 本発明は、温度調整式オーブン、特にマイクロ電子半導体装置等の製造の諸段 階で使用されるオーブンに関する。 従来技術の説明 多層LSI回路チップ等の半導体マイクロ電子装置の製造においては、処理加 工中のワーク(被加工物)を一定の高温に繰り返し曝す必要がある。この種の半 導体装置は、時代の経過に伴ってさらに小さくかつ複雑になりつつある回路要素 を備える。回路要素が小さくなるに従い、製造中に生じる欠陥がさらに問題とな っている。このような装置の熱処理の間に汚染物質によって引き起こされる欠陥 を回避するために、熱処理環境は存在し得る汚染物質を実質的に有しないもので あることが重要である。 加熱された雰囲気中の汚染物質は、集積回路、マイクロプロセッサ、LSI回 路配列等のための基板の製造時に得られる歩留りを実質的に低下させる。多くの 普通の業務用オーブンは、1立方フィートの空気中に0.5ミクロン又はそれ以 上の大きさの50000個を超える粒子を生成することが知られている。半導体 電子装置を処理加工するためには、処理オーブン内の粒子レベルを、空気1立方 フィート当たりに0.5ミクロン又はそれ以上の大きさの粒子が100個以下と なるまで低減することが所望される。この基準以下に粒子群を除去することは、 特に高温用途の従来の処理オーブンでは 未だ確実に達成されていない。 汚染物は、熱調整式オーブン内の加熱要素及び特に加熱要素の支持に使用され るセラミックディスクによって生じる。さらに、シリコンウエハや他のチップ基 板はそれら自体がオーブン室を汚染し得る。オーブン包囲部のガラス繊維断熱材 も、幾らかの汚染物を生成する。外部汚染物は、ブロワ及びブロワモータからオ ーブンに導入されている。 このような目的で熱処理オーブンを構成するための従来の努力は、オーブン室 を容易に清掃可能にすることに向けられてきた。オーブン内の材料の使用及び選 定において、丸められた角が提供され、注意が喚起されている。さらに、米国特 許第4,460,332号に開示される形式の加熱空気オーブンでは、エアフィ ルタを備えた取外し可能な第2のサブアセンブリが、クラス100の空気浄化規 格を満たすべく提供されている。 電子基板の熱処理は、酸化の可能性が高温で増加するので、シリコン及び存在 し得る金属化層の酸化を低減するために、不活性雰囲気内で処理することがしば しば要求される。その場合、ドアシール、ファンモータ軸シール、継ぎ目等のオ ーブン壁を貫通するあらゆる孔を通したオーブン内への空気の漏れ又はオーブン からの不活性雰囲気の漏れを低減するように構成された特殊な不活性雰囲気オー ブンが必要となる。この種のオーブンは、デスパッチインダストリーズ(Despatc h Industries)のモデルLND1−42不活性雰囲気ベンチオーブンによって代 表される。この種のオーブンでは、窒素等の不活性ガスが、シリコンウエハを内 部に配置したオーブン室内に典型的に送給される。濾過された窒素の流れは、抽 気及び維持流量計により典型的に制御される。抽気又は維持フローレベルの選択 のために、一般に三方弁が提供される。 モデルLND1−42オーブン及び類似の不活性雰囲気オーブンにおいて、窒 素は典型的にHEPAフィルタを通して再循環され、オーブン環境から粒子群が 除去される。それにより、オーブンに供給される典型的に未濾過の窒素に取り込 まれた粒子群、及びワーク自体により生成され得る粒子群の双方の排除が促進さ れる。しかしこの形式のオーブンは、オーブン内で窒素を再循環する際のHEP Aフィルタの使用により、約220℃の固有の機能温度制限を受ける。短時間2 20℃以上で使用できるHEPAフィルタが有るが、そのような温度でのフィル タの長期の又は頻繁な使用は、フィルタで使用された結合剤を劣化させる傾向が ある。その後このフィルタを加熱又は冷却すると、フィルタは粒子を発散する傾 向があり、フィルタ自体が除去すべき粒子群の源となる。 発散を排除すべくHEPAフィルタを低温環境に置いたままにして、予め濾過 した窒素を炉に通して使用し、その窒素をオーブンに1回だけ流通させるように することができる。しかしこの解決策は、少なくとも2つの理由により、商業ベ ースで使用するには高価すぎる傾向がある。第1に、そのような単発の流通作業 は、新鮮な窒素の一定かつ比較的大量の供給を必要とする。そのような窒素は、 より一般的な他のガス(例えば空気)よりも高価である傾向があるので、しばし ば商業規模での使用を禁じるほどのコストとなる。さらに、窒素を所望のオーブ ン温度又はそれ以上に加熱しなければならず、加熱ガスをオーブン内に保持する 再循環システムに比較して燃料コストが増加する。したがって、モデルLND1 −42オーブン等の列型HEPAフィルタを使用するオーブン、及び単発流通式 オーブンはいずれも、不活性雰囲気が必要な場合の高温熱処理のために商業的に 有効な方法でそれらを使用することを妨げる固有の制限を有するものである。 不活性ガス雰囲気の使用に加えて、加熱された室内の上昇した温度が比較的一 定で、室内のあらゆる2点間で所定度数以上に変動しないことを確保する必要が ある。オーブン室全体に渡る温度の厳密な均一性は、あらゆる製品の処理加工を さらに信頼できるものにする。一般に製品の一貫性は、処理中のワークの周囲を 再循環する不活性ガスの量の増加により向上する。この増加が、室内の温度変化 を低減する傾向があるからである。均一性は温度に依存するので、一般に製品の ばらつきはオーブン温度の上昇に従って増加する。したがって、室内に設置した 熱電対により検出された温度変化に応答して、温度コントローラが正確かつ迅速 に作動し、それにより生産作業毎のばらつきを低減するとともに、一回の作業中 の室内の局部温度変化を低減することを確保する必要もある。 窒素等の不活性ガスは典型的に、それが包囲部又は室内を再循環して処理中の ワークに接触する際に、クラス1又はそれ以上のフィルタを通して濾過される。 デスパッチインダストリーズのモデルLND1−42不活性雰囲気ベンチオーブ ンでは、前述したように強制対流熱が採用される。強制対流は、ガス流を生成す るファンを使用するものであり、このガス流が室の全ての部分に一層効果的に熱 を供給する。強制空気流の追加は、全体温度の均一性及び処理中のワークへの熱 伝達の時間を著しく改善する。製品に対して向けられた空気は、製品を極めて迅 速に加熱して製品を熱で単に包囲するとともに、重力オーブンでしばしば見受け られる成層及び他の局部温度変化を防止する。 他方、再循環空気流は、室全体に渡って特定の空気分布パターンを再形成する 。この空気分布パターンは、入口及び出口の配置、室の寸法、バッフルの位置、 ファン空気流の出力並びに他の因子に依存する。このパターンはそれ自体、室内 に幾らかの温度変化をもた らすことができる。再循環空気又は不活性ガスの流れは、集積回路の処理加工で 使用される場合に、汚染物質を基板上に再循環し得るので、やはり不都合であろ う。 さらに、高温(例えば約300℃以上)での放射伝熱は、処理中のワークの温 度を放射加熱要素の温度に到らせる点で非常に重要なものとなる。有利なことに 放射加熱は、処理中のワークを包囲する全ての部位から放射熱が一様に放出され る場合に、温度の均一性をもたらすことができる。しかし従来の熱処理オーブン でそのような放出された放射熱の均一性を達成することは、放射熱がオーブンの 形状及びオーブン内でのワークの相対位置に左右され得るので困難であった。 多層LSI回路チップ等を含むマイクロ電子装置の多くは、当該装置を処理加 工しているときに、酸素の存在に特に感応し易い。多くのそのような装置では、 加熱中のオーブン内の最小量の酸素の存在でさえも、進行中のワークの、容認で きない最終装置を産するに十分な部分を酸化することができる。従来は、加熱さ れた不活性ガスの正圧を室内に維持して、室内への周囲空気の流入を防止してい た。しかし窒素又は他の不活性ガスのそのような広範な使用は、不活性ガスが空 気等のさらに一般的な他のガスよりも高価であるので、装置の製造コストを増加 させる傾向がある。 発明の要約 本発明は、熱処理中のワークの望ましくない酸化の危険性を低減する酸素感応 性ワークの熱処理方法、及び酸素感応製品の使用に特に適したドアシールを有す る改良形オーブンを提供する。本発明の方法によれば、オーブン室と外部ハウジ ングとを備え、オーブン室と外部ハウジングとの間に包囲部が画成されてなるオ ーブンが用意 される。酸素感応性ワークはオーブン室内に配置され、オーブン室は外部環境及 び包囲部から実質的に封鎖される。 次に、加熱された不活性ガスを包囲部内で循環させ、オーブン室内の温度を例 えば約125℃のワークの限界温度からより高い処理温度まで上昇させる。加熱 された不活性ガスを包囲部内で循環させ続けて、特定の時間に渡り、オーブン室 内の温度を所望の処理温度に保持することができる。その後、包囲部内の不活性 ガスの温度を低減することにより、オーブン室内の温度を処理温度から限界温度 まで低下させる。最終冷却、すなわち限界温度とより低い最終温度との間は、単 純には周囲空気でよい低温の好気性ガスを、包囲部内に循環させることにより達 成される。 上記したように、本発明の他の実施形態は、酸素感応性ワークの熱処理に使用 されるオーブンに関連して特に好適に使用されるドアシールを提供する。本発明 のこの実施形態によれば、オーブンは、外部環境から実質的に封鎖されるオーブ ン室を形成する頂壁、底壁及び側壁を備えたハウジングを具備する。オーブン室 はその壁の一つにドア開口部を備える。このオーブンはまた、開放位置と閉鎖位 置との間を移動可能であって、ドア開口部を介してオーブン室への上記ワークの 導入及び取出しを可能にするドアを備える。このドアはヒータを備え、ヒータは ドアを加熱して、オーブン室内に放射エネルギを放出させる。オーブンはさらに 、ドア又はハウジングに支持される膨張可能なシールを備える。このシールは、 ドアとハウジングとの接触領域に沿って延び、窒素含有ガスがシールに満たされ る。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の方法を実施するに有用な温度調整式オーブンの 側面図、 図2は、図1に示すオーブンの平面図、 図3は、図1のオーブンの端面図、 図4は、図1の温度調整式オーブンの、ドア組体を取外した状態の端面図、 図5は、図4の線A−Aに沿った断面側面図、 図6は、図4の線B−Bに沿った断面平面図、 図7Aは、本発明の放射熱ドアの内部正面図、 図7Bは、図7Aのドアの線C−Cに沿った断面側面図、 図8は、ワークを搭載してオーブン室内へ移動する第1及び第2マガジンを取 付けた図1のオーブンドア及びドア開閉機構の部分側面図、 図9は、図8に示すマガジンの積み降ろし用設備のフロア平面図、及び 図10は、Oリングの詳細を示すオーブンドアの一部分の概略断面図である。 好適な実施形態の詳細な説明 図1〜図4は、本発明の方法を実施するための温度調整式オーブン10の好適 な実施形態の外観を様々な図で示す。外部ないし外側ハウジング12は、頂壁1 4、底壁16、並びに一側壁22に開口部25を有した複数の側壁18、20、 22及び24を備える。 開口部25はドア26によって閉鎖されるようになっている。ドア26は、リ ニア軸受27上に設置可能なテーブル28の移動により、開放積み降ろし位置と 閉鎖位置との間を側方移動する。テーブル28は、プーリ及び駆動ベルト(図示 せず)を介して動作するモータギヤドライブ30により駆動されるボールねじ/ ナットギヤ機 構29により望ましくは移動する。ドア28は、熱をオーブン室内に導入するた めの放射加熱要素と、図7〜図9に示すように熱処理を受けるワーク(例えば集 積回路や他の基板組体)を装填したマガジンを保持するラックとを備える。 側壁18に隣接する外部ハウジング31は、入口管33、35及び37を通る 窒素ガス、空気及び水の流れを調整する弁を備える。それらの流れは、図1〜図 3に略示する窒素ガス、空気及び水流量計32、34及び36によりそれぞれ監 視される。モータ40は、加熱されたガスを包囲部(図5でオーブン10内に8 0で示す)内で再循環させるファン(図4及び図5に102で示す)を作動する 。排気口42は頂壁14から延びて、内部温度状態に依存して加熱ガスを排気す る。 図3及び図4を参照すると、それぞれドア26を閉鎖及び開放した状態の温度 調整式オーブン10を端面図で示す。さらに図4は、対向側壁52及び54、頂 壁56、底壁58並びに端壁60を有した内部オーブン室50の幾つかの内部構 成要素を破線で示す。オーブン室はさらに、これら2つの側壁並びに頂壁及び底 壁によって画成される開口部から略側方外側へ延びる周縁フランジ64を有利に 備える。 加熱された内部室50は、開口部25及び外側ハウジング12内に嵌め込まれ 、熱処理を行うワークを受容する熱処理室となる。内部室50は、好ましくはス テンレス鋼から形成され、室開口のフランジ64及び膨張式0リング形シールで 構成できるシール66に対するドア26の作用により閉鎖されるオーブン室を画 成する。Oリング200を、図示のようにドアに、又は内部室50のフランジ6 4に装着できる。Oリングは、ドアを閉鎖しかつOリングを膨張させたときに、 オーブン室を外部環境から効果的かつ実質的に封鎖す るべく機能するように配置されなければならない。 望ましくはOリングは、高温シリコーン又はヴィトン(Viton)等の、比較的 高温に耐えるようになっている比較的柔軟な高分子材料から形成される。Oリン グの劣化を制限又は防止するために、シール66に隣接するフランジ64の温度 をOリングの最大温度以下に維持するための冷水導管67を備えることが有効で あるかもしれない。 図10に最も良く示されるように、Oリング200はその弛緩状態(例えばド アがその開放位置にあるとき)で、Oリング内部に略管状空間204を画成する 略管状構造202であることが望ましい。この空間は、あらゆる適当なガスを充 填したり、或いは真空下に置いて0リングを収縮させたりして、所望のシール特 性をもたらすことができる。 本発明の一実施形態によれば、Oリングは実質的に嫌気性のガスで膨張させら れる。それにより、Oリングが破裂したり、さもなくば収容した膨張ガスの漏れ を生じたりした場合にも、Oリングを空気で膨張させた場合に生じたであろうオ ーブン室内への酸素の侵入が防止される。嫌気性ガスは、オーブン室内で処理さ れているワークに対し限られた反応性を示す実質的にあらゆるガスであることが できる。例えば多くのマイクロ電子装置に関し、Oリング内のガスは、実質的全 体が窒素であるガスや約4%までの水素等の還元剤を含有する窒素ガス等の、嫌 気性の窒素含有ガスから構成でき、それにより、経時でOリングの管状空間に漏 れ得るあらゆる酸素の影響を低減することができる。 このOリングは、ドアの開放時に収縮しかつドアの閉鎖時に膨張するように、 使用の度毎に膨張及び収縮させることができる。Oリングをそのように膨張及び 収縮させなければならない場合は、ドア は、膨張時に嫌気性ガスを送給するとともに収縮時にOリングからガスを排出す るための、Oリングの管状空間204に流体流通するガス供給部210を備える ことができる。しかし必ずしもOリングを、オーブンの使用の度に膨張させなく てもよい。その代わりに、オーブンの据え付け時にOリングを膨張させることが でき、そして日常の整備時にOリングを交換したり欠陥を有するOリングを交換 したりする必要があるときは何時でも、Oリングを嫌気性ガスで再膨張させたり 、嫌気性ガスで膨張した新たなOリングに交換したりすることができる。 内部室50を形成する複数の壁は、室のフランジ64を図4に示すドア開口部 25の周囲に取付けることにより、包囲部80内に支持される。この取付けは、 溶接等により実質的に気密に形成されることが望ましい。 以下に詳述する理由により、内部室50の側壁52及び54には多数の小径孔 が穿設される。一実施形態では、それら壁の各々は平方インチ当たり5個のその ような孔を備え、一例として合計2700個の孔を備える。それら小径孔は、レ ーザ加工等により形成でき、約0.015インチの直径を有する。しかし、これ ら孔の相対的な寸法及び間隔は、後述するように孔を通るガスの所望の流量を達 成するに必要な範囲で変更できることを理解すべきである。 多孔側壁52及び54の背後には、ガス供給分配室又はプレナム70及びガス 排気分配室又はプレナム72がある。プレナム70及び72は、内部包囲部の頂 壁及び背壁に封鎖され、供給多岐管74及び戻り多岐管76を介して、窒素等の 不活性ガスであり得る濾過されたガスの源及び排気部に連結される。分配室又は プレナム70及び72は、長方形の箱状包囲体により形成され、この包囲体が室 又はプレナムの内部を、包囲部80内を循環する加熱されたガス及 び冷却されたガスから実質的に封鎖する。オーブン室の対向側壁52及び54に おけるプレナム70及び72は、供給多岐管74及び戻り多岐管76に取付けら れる。これらプレナム70及び72は、包囲体の室側で多孔側壁52及び54に よって境界を付され、それにより、供給多岐管74から放出された不活性ガスが 、側壁52の孔群を通ってオーブン室内に移行するとともに、他の側壁54の孔 群を通ってオーブン室から戻り多岐管76内へ流出することが可能になる。 図4〜図6に示すように、加熱された空気を大気へ放出するための排気口42 は、ダンパモータ44によって作動するダンパ43を備える。新鮮ガス導入口4 5は、やはりダンパモータ47によって作動するダンパ46を備え、冷却ガスを 包囲部80内に導入する。概説すれば、排気口42及び新鮮ガス導入口45の双 方のダンパは、処理温度での均熱期間中及び加熱期間の少なくとも一部分の間は 閉じられ、不活性ガスが包囲部80内を再循環する際に、内部室50内に所望の 平衡温度を維持する。冷却中は、排気ダンパ43及び新鮮ガス導入ダンパ46は 開放され、ファン102が、周囲空気や他の供給ガスを新鮮ガス導入口を通して 取込むとともに、排気口42を通してガスを排出して、オーブン室の複数の壁を 冷却する。これらダンパの動作は、本発明の方法に関連して後述する。 再び図5及び図6を参照すると、それぞれ図4の線A−A及び線B−Bに沿っ た断面側面図及び断面平面図が示される。これら2図面は、外部ハウジング12 の複数の外壁と内部熱処理室50の複数の壁とによって形成された包囲部80を 示す。包囲部80は、ドア開口部28の部分を除く外壁14、16、18、20 、22及び24の内面に隣接する断熱材層82により、部分的に満たされる。外 部包囲体の側壁18及び24の内面に取付けられた一連のバッフル 板92及び94は、加熱されたガスの流れを包囲部80内で方向付ける。断熱材 層82は、外壁群を外部環境から熱絶縁するとともに、包囲部80内の熱の保持 を可能にする。 再循環ガスは包囲部80内で、ヒータハウジング100内に配置されたヒータ (図示せず)により加熱され、加熱されたガス(又は他のガス)は、モータ40 により駆動されるファン102により循環させられる。ヒータは、所望温度での 十分なガス体積流量を生成するに適したあらゆる形式のもので構成できる。抵抗 加熱要素が良好に機能することが判っている。有利なことにヒータ及びヒータハ ウジング100は、整備や交換等のために包囲部80から容易に取外すことがで きる。ヒータ及びハウジングは、モジュール連結構造を介してオーブンの他の部 分に容易に連結及び離脱可能な単体ユニットとして作製できる。 1つの例示的実施形態では、加熱されたガスは最初に上方に、オーブン室50 の後壁及び頂壁(それぞれ60及び56)の背後及び上方へと向かう。加熱され たガスはその後、側壁52及び54に支持されたバッフル板92及び94により 、これら壁に隣接して下方へ向けられる。次いでガスは、他のバッフル板(図5 で96)により底壁58に沿って方向付けられる。バッフル板96はその後、底 壁の下方に設置されてバッフル板96に支持される熱交換器104を通してガス 流を方向付ける。 加熱されたガスはこのように、オーブン室50の壁56、58及び60の外面 に直接に接し、かつプレナム70及び72の外壁に接して循環する。プレナム7 0及び72に供給された熱は、プレナムによりオーブン室の側壁52及び54に 伝達され、それによりオーブン室50の六面のうち五面を加熱する。内部室の加 熱された壁群は、それにより、オーブン室50内に配置した処理中のワークを後 述するようにして放射加熱する。 さらに、室50を通過する窒素又は他のガスは、供給多岐管74を通して送給 される前に熱交換器104内で予熱される。好適な実施形態では、窒素ガス等の 不活性ガスは、管接続部110に導入される前にクラス1フィルタを通過させら れる。次いでガスは、供給多岐管74に向かう前に熱交換器104を通過して、 ガス供給多岐管74に送られる。循環する高温ガスがこの供給多岐管を収容した プレナム70を加熱するので、窒素ガスは、オーブン室へ導入される前に、オー ブン室50内の物品と実質的同一の温度まで予熱される。これにより、比較的低 温のガスが供給多岐管を介して導入される場合に起こり得るような、オーブンキ ャビティ内のあらゆる温度変化を排除することが促進される。 加熱された窒素ガスは、第2の包囲体の側壁54に分散配置された複数の孔を 通過し、望ましくはオーブン室50を横方向に通過して、その中に配置された処 理中のワーク、例えば集積回路や他の基板組体、を覆って流れる。ガスは、室5 0を1回通過した後、反対側の側壁52の孔群を介して排出され、排出室及び戻 り多岐管に通され、排気管接続部112から外部へ戻される。 側壁に比較的小さな孔群を用いることにより、室50を通る窒素又は他のガス の相当に拡散した流れの提供が促進され、室を通る層流の確立が促進される。こ の拡散層流は、殆ど拡散しないガス流を使用した場合に起こり得る処理中のワー ク上のあらゆる温度変化又は表面むらの低減を促進する。 排気管接続部112は、内部室50内のオーブン室の正圧を維持するのに役立 つ吸引器(図示せず)に接続される。排気システムを出るガスは、排気ファン等 により外部環境に向けられる。このようにして、加熱された不活性ガスは、オー ブン内で処理される製品の 温度均一性や表面品質に著しく不利な影響を及ぼすことなく、処理中のワークを 包み込むとともに、空気等の酸化性化合物や加熱工程中にワークから生じるガス 及び粒子を室から除去するために使用できる。 熱処理サイクルの初期加熱段階において、このガス供給は、オーブン内の温度 が、それを超えるとワークへの酸化損害が生じ得る限界温度に達する前に、オー ブン室に不活性ガスを流し込むことによりオーブン室内の全ての酸素を実質的に 取除くために使用できる。多くのLSI回路チップに関し、この限界温度は典型 的に125℃である。 オーブン室内に比較的一様な温度分布を維持するために、ドア26は独立した 加熱装置を備えることが望ましい。1つの好適な実施形態では、ドアは図7A及 び図7Bに示すように、ドア本体内部に加熱配列120を形成する抵抗加熱要素 116及び118を備えて作製される。抵抗加熱要素配列120は銅伝熱層12 2を介して連結され、ドア28の内面128を加熱する。ドア28は、抵抗加熱 配列120とドア外面130との間の絶縁層132によって絶縁できる。抵抗加 熱配列120は図1及び図4に示すように、テーブル28の下方に延設される可 撓性電カケーブル124により、電源126に電気的に接続されることが望まし い。 図1及び図8に示す実施形態を参照すると、ドア26は、キャビティ50の開 口部から外方へ略水平に延びるテーブル28に取付けられたリニア軸受27に装 着される。駆動機構29は、ドア基部のねじ部(図示せず)に噛合するモータ3 0によって駆動される駆動ねじで構成でき、ドア26をテーブル28上でリニア 軸受27に沿って側方移動するために使用される。ドアは、図8に示すワーク積 み降ろし用の開放位置と、ドア内面128を室50の周縁に沿った フランジ64に当接する閉鎖位置との間を移動できる。 上記したように、ワークをオーブンに積込むとき又はオーブンから取出すとき は、ドア26は図8に示すその開放位置にある。所望により、複数のワークをマ ガジン150及び152等に支持させて、自動積み降ろしを容易にすることがで きる。好適な実施形態では、複数のワークはドア装着ラック154に支持される 。望ましくはこのラックは、それに支持したワークをオーブン室50の実質的中 央に配置するようになっている。ワークを室50の略中央に配置することにより 、室の加熱された壁への近接さに関連する熱処理の変動性を低減できる。 一実施形態では、積込み作業は以下のようにして行われる。まず、モータ30 が始動してドア26を移動し、第1マガジン150をワークの積込みに適した位 置に配置する。後述するように、ワークをドアのラック154の第1マガジンに 積込むために、ロボット146を使用できる。ワークを第1マガジンに置いた後 、ドアを後方(図8で左側)へ移動して、ワークを第2マガジン152に積込む ための位置にドアを配置する。そこで次のワークを、ロボットにより第2マガジ ンに積込むことができる。 この積込みシーケンスは、全ての基板がマガジン150及び152に積込まれ てしまうまで継続し、ドア26は、それがオーブン室50のフランジ64に強固 に係合するまでリニア軸受27に沿って移動することにより閉鎖される。そこで 前述したシール66を(例えば窒素により)膨張させることができ、予め定めら れた時間及び温度プロフィールに従ってワークの熱処理のための処理加工サイク ルを開始できる。処理加工サイクルが完了し、ワークが熱処理工程の最終温度、 望ましくは約60℃程度まで冷却されてワークへの熱衝撃が制限された後、ドア 26を開放できる。そこでワークを、前 述した積込みシーケンスの逆に類似した手順で、ロボットアームによりマガジン から降ろすことができる。 マイクロ電子装置が室温での酸素の存在に一般に安定性を有し、したがって大 気環境での使用が可能である一方で、それが高温で熱処理されるときには酸素の 存在にしばしば感応し易くなる。例えばLSI回路チップは一般に、連続する層 の各々を所定時間に渡り300℃を超える温度に加熱することにより形成される 。それらの層は約125℃以下では酸素の存在に比較的安定性を示す傾向がある が、ワーク近辺の温度がこの限界温度を実質的に超えると、ワークへの酸化損害 が生じ得る。酸化は比較的小さなものであるが、このような比較的小さな欠陥で あっても、その欠陥の規模がチップ上に典型的に形成される回路の規模に鑑みて 考慮される場合には不完全な製品を生じ得る。 前述したように、このオーブンは、LSI回路チップ等のマイクロ電子装置を 含む酸素感応性のワークに関連して使用するために、特に好都合である。一実施 形態では、本発明は、酸素感応性ワークを熱処理する方法であって、前述したよ うな温度調整式オーブン10を有利に利用することができる方法を提供する。こ の方法は、オーブンの運転効率を最大限にしつつ、ワークの酸化損傷の危険性を 低減することを企図するものである。 本発明の方法によれば、両者間に包囲部を画成するオーブン室と外部ハウジン グとを備えたオーブンが用意される。図示実施形態では、オーブン室を50で示 し、外部ハウジングを12で示し、包囲部を80で示す。しかし本発明の方法は 、添付図面に示したオーブンの構造とは異なる構造を有したオーブンを用いて実 施できることを理解すべきである。 酸素感応性ワーク(単数又は複数)がオーブン室に導入されると 、ドア26を前述したように閉鎖位置に移動できる。本発明の他の実施形態によ って膨張可能なOリングを使用する場合は、次にOリングの管状空間204に「 不活性」ガスを送給してOリングを膨張させることができる。ここで用いたよう に、ガスに関する「不活性」という用語は、熱処理されているワークと処理温度 とに少なくとも部分的に依存する。特に、このような文意での不活性ガスは、実 際上は、適切な熱処理温度でワークに対し実質的非反応性であるか、さもなくば 熱処理製品の品質を実質的に劣化させることなくワークの存在下で使用できる全 てのガスであり得る。 例えばLSI回路チップを熱処理する場合、典型的に窒素が、製品の品質にい かなる材料悪影響も及ぼすことなく処理対象のチップに接触できる。したがって ワークがLSI回路チップ等である場合、Oリングの管状空間204に供給され る不活性ガスは、実質的全体を窒素から構成できる。所望の場合には、供給不活 性ガスに所定量の還元剤を含ませて、システムに侵入するあらゆる酸素の影響を 制限することができる。例えば、約4%の水素を含有する窒素は、同様の適用で 良好に作用することが判っている。 ドア26が閉鎖され、オーブン室50がオーブン10の外部環境及び包囲部8 0から実質的に封鎖されると、加熱されたガスは包囲部内を循環してオーブン室 を加熱することができる。熱処理の加熱段階が始まるときに、包囲部は前工程か らの幾らかの空気を含むかもしれない。その場合には、排気口42のダンパ43 を開放し、望ましくは実質的嫌気性の不活性ガスを新鮮ガス導入口45を介して 供給することにより、包囲部から空気を実質的に取除くことができる。 オーブン室内の温度がワークに対する限界温度(前記参照)に達する前に、大 部分の酸素を包囲部から除去して包囲部80内に不活 性ガスを供給すべきである。例えばLSI回路チップの場合、オーブンキャビテ ィ内の温度が約125℃に達する前に、包囲部80内の全ての酸素を包囲部から 実質的に除去すべきである。 次に、排気弁及び新鮮ガス導入弁(それぞれ42及び45)のダンパ43、4 6を閉鎖して、加熱された不活性ガスを包囲部内で再循環させ、オーブン室が限 界温度からワークの熱処理温度まで加熱されるようにすることができる。次にワ ークの熱処理プロフィールを、これは1つ以上の上昇処理温度での均熱を典型的 に有するものであるが、加熱された不活性ガスを包囲部内で再循環させることに より実施できる。前述したように、包囲部内の不活性ガスの温度は、この熱処理 プロフィールを達成するヒータハウジング100内のヒータにより制御できる。 前述したように、ドア26はドアを加熱する加熱要素を備える。ドアの温度はこ れら加熱要素により、オーブン室の残りの壁群と略同じ温度に望ましくは維持さ れ、それによりオーブン室内のさらに優れた温度均一性が確保される。 熱処理が実質的に完了すると、オーブン室内の温度は、包囲部内を再循環する ガスを冷却することにより低減できる。それを所望する場合、ヒータにより再循 環ガスに付与された熱を減少させるだけで、比較的ゆっくりと開始することがで きる。しかしこの冷却は、ダンパ46、43を開放し、新鮮ガス導入弁45を介 して冷却ガスを導入するとともに、包囲部内の高温ガスの幾らかを排気弁42を 介して排出できるようにすることにより、促進されることが望ましい。 後述するように、冷却サイクルの高温部分の間に、包囲部80内の雰囲気を実 質的不活性に維持することが肝要である。特に、オーブン室内の温度がほぼワー クの限界温度に低下するまでの間、不活性ガスを包囲部内に循環させるべきであ る。オーブン室をこの温度 まで冷却したならば、包囲部内に好気性ガスを許容することにより冷却の最終段 階を著しく促進することができる。この好気性ガスは、処理加工されたガスより も実質的に安価である点で、オーブン10の近辺からの周囲空気が最適である。 その場合、オーブン室内のワークのあらゆる粒子汚染の危険性を排除するために 、周囲空気を包囲部への導入前にフィルタに通すことができる。 オーブン室が望ましくは約60℃以下の最終温度まで冷却されてワークへの熱 衝撃が低減されると、ドアを開放できる。そこでワークをオーブン室から取出す ことができ、一組の新しいワークを熱処理のためにオーブン室内に置くことがで きる。続いて、最初の組のワークの最終冷却の間に導入された空気を、前述した ように包囲部から取除くことができる。或いは、新しいワークに対しドア26を 閉鎖する前に包囲部80内の空気を取除くことにより、空気の除去前に空気を不 要に加熱することを回避することができる。 本発明のこの方法は、オーブンの運転コストを最小限にしつつ、極めて安全な 熱処理オーブンを提供する。不活性ガスを使用してオーブン室を高温に加熱する ことにより、本発明の方法は、包囲部80内のガスがオーブン室内へ侵入するこ とを許容するであろうオーブン室の漏れに関連する危険性を最小限にする。その ような漏れが生じた場合には、不活性ガスのみがオーブン室へ侵入し、好気性ガ スが包囲部に存在した場合に生じ得る潜在的損害を実質的に回避する。運転温度 にあるオーブン室内に十分な酸素の存在が許容された場合は、全てのワークが酸 化損害によりだめになるであろう。一組の多層LSI回路チップの形成工程が数 ヶ月かかり得るので、この危険性は重大なものである。 しかし不活性ガスは窒素でさえ比較的高価である。本発明は、冷却工程を完了 すべくオーブン室の温度がワークの限界温度よりも低 下したときに、周囲空気を使用することができ、それにより、オーブン室を冷却 するために相当量の不活性ガスを供給することに関連したコストを削減する。し かしこの方法は、オーブン室が低温のときには空気のみを使用するので、包囲部 からオーブン室への空気の侵入を許す漏れがオーブン室にある場合にも、ワーク への酸化損害は殆ど又は全く無いことが必要である。 そのような場合、上記したオーブンを選択的に用いることができる。包囲部8 0からオーブン室50への漏れの危険性がさほどではない場合、又は漏れが極め て重大な影響を生じるように思われない場合は、包囲部内に不活性ガスではなく 空気を循環させることにより本発明のオーブンを使用することができる。或いは 、製品がいかなる酸素にも極めて感応し易い場合は、熱処理サイクルの全体を通 して包囲部内に不活性雰囲気を維持することが有利であるかもしれない。そのよ うな工程は本発明方法の範囲に含まれないが、本発明の他の実施形態によるドア シールを有するオーブンは、そのような形態で使用できることを理解すべきであ る。 図9は、例えば集積回路基板等のワークを熱処理用のオーブン室50に積込み かつオーブン室50から取出すための1つの有効な手段を示す。オーブンは、最 適にはクラス1の環境であるクリーンルーム内で、自動又は遠隔操作ロボット装 置に隣接して設置される。このロボット装置は、ワークに対する人の介在及び生 じ得る汚染を最小限にするように、ワークを取扱うものである。 図9に示すように、最適にはオーブン10は、密閉壁システム148に取り付 けられて、ドア26及びテーブル28がクリーンルーム環境包囲部149に取り 囲まれる。ワークを支持するマガジンは、3軸ロボット146によりドアラック 154に載せかつドアラック154から降ろすことができる。3軸ロボット14 6は、マガジ ンを取上げ、積込みステーション156とオーブンとの間でマガジンを移送する 。図9に概略で示すように、計算機制御コントローラ160を環境包囲部149 の外側に配置でき、それによりオペレータがキーボード等を利用してシステムの 運転を制御することができる。 1つの好適な操作方法では、処理加工中のワークは、二次加工工程の全体に渡 って人の接触から実質的完全に隔離される。状況によっては、例えばワークに材 料層を被着する二次加工ステーション(図示せず)と、ワークを熱処理するオー ブンとから、ワークを繰返して移動する必要があるかもしれない。そのような状 況では、ワークを充填したマガジンを、オーブンと他の二次加工設備の区域との 間で移送するために、「ポッド(pod)」と称する包囲部内に包囲することが望ま れよう。このポッドは、移送作業の間に、設備の各部分を「汚し」得る、すなわ ち高クリーンルーム基準に維持しない周囲雰囲気から、実質的に隔離することが できる。積込みステーション156には、ポッドを開放してその中のマガジンを 取出すための操作設備を備える必要があろう。 本発明による温度調整式オーブンは、高基準の清浄さ、温度均一性及び制御が 際立って重要とされる、多層LSI回路チップ等のマイクロ電子装置の二次加工 に使用するために、特に適している。基板又は集積回路はマガジン内に配置され 、マガジンは、ドアの閉鎖を伴ってオーブン室内に挿入され、そこで製造工程の 明細の要求に依存して選択された温度プロフィールに曝される。 各温度プロフィールは、特定の時間及び対応温度サイクルを有する。例えば、 集積回路チップの製造で一般に使用される時間サイクルは、3〜4時間から10 時間以上までの長さで変化し得る。温度サイクルは、ドア閉鎖時の周囲温度で始 まり、目標処理温度(例え ば400℃)までの比較的漸進的な温度上昇、特定温度での均熱時間、及び制御 下の冷却期間を典型的に備える。 全温度サイクルの間、オーブン室50を通るガスの流量は一定流量に維持され ることが望ましい。ワークの性質に依存して、この流量は通常は5〜10SCF M(標準立方フィート毎分)の範囲である。加熱されたガスは、通常例えば10 00SCFMの非常に大きな流量で包囲部80内を循環し、室50の壁群の温度 均一性を最大限にする。全サイクルを通して、不活性ガスの流出を制限すること により正圧(例えば0.5インチ水柱)がオーブン室内に維持され、それにより 、オーブン室のあらゆる漏れを介した室50内への空気や他の生じ得る汚染物の 流入が制限される。 上記したオーブンは、オーブン室の立方フィート当たりの粒子の数にり清浄さ のクラスが決まる「ウルトラクリーンオーブン」として特徴付けられる。例えば クラス基準は以下の通りである。 0.5ミクロン以上の粒子1個/立方フィートはクラス1 0.5ミクロン以上の粒子10個/立方フィートはクラス10 0.5ミクロン以上の粒子100個/立方フィートはクラス100 前述したオーブン構造は、クラス1〜クラス10の基準を満たす最上級の清浄 さを達成することが判っている。 オーブン室の清浄さは、特定の時間に渡りテストサンプルに堆積する粒子の数 及び寸法を測定することによっても特定することができる。超清浄な磨かれたシ リコンウエハのテストサンプルを、オーブン室内に配置する前に、公知の手段に より計数及び測定することができる。熱処理サイクルを実施した後、このサイク ルの間に追加された粒子の数及び寸法を計数及び測定する。適用によっては例え ば、半時間の熱処理につき0.5ミクロン寸法の5個以下の粒子を ワークに追加できる。本発明によるオーブンは、オーブン室内の温度均一性を相 当に犠牲にしたり、製造作業を著しく妨害したりすることなく、これらの要求基 準を満たすことが判っている。 本発明の1つの好適な実施形態の上記説明は、不活性雰囲気オーブンに関連し て、放射加熱並びに特に抵抗加熱式のオーブンドア及びガス加熱式の5個の壁の 使用を企図したものである。抵抗加熱式のドアは、上記した放射加熱オーブンの 他に、従来の強制ないし重力対流式オーブンや、他の形式の抵抗加熱式放射オー ブンに適用できる。本発明の好適な実施形態に関して説明した構成に対するこれ ら及び他の修正、変更及び等価交換は、当業者にとって自明であろう。 本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の精神及び添付クレームの範囲 から逸脱することなく、様々な変更、翻案及び修正を成し得ることを理解すべき である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.酸素感応性ワークの熱処理方法であって、 a.オーブン室と外部ハウジングとを備え、該オーブン室と該外部ハウジング との間に包囲部を画成してなるオーブンを用意し、 b.酸素感応性ワークを前記オーブン室内に配置するとともに、該オーブン室 を外部環境及び前記包囲部から実質的に封鎖し、 c.加熱された不活性ガスを前記包囲部内で循環させて、前記オーブン室内の 温度を、それを超えるとワークの酸化損害が生じ得る限界温度から、より高い処 理温度まで上昇させ、 d.加熱された不活性ガスを前記包囲部内で循環させて、前記オーブン室内の 温度を前記処理温度又はそれ以上に保持し、 e.不活性ガスを前記包囲部内で循環させて、前記オーブン室内の温度を前記 処理温度から前記限界温度まで低下させ、 f.好気性ガスを前記包囲部内で循環させて、前記オーブン室内の温度を前記 第1温度からより低い最終温度まで低下させる、 ことを具備した方法。 2.前記好気性ガスが周囲空気からなる請求項1に記載の方法。 3.前記周囲空気を前記包囲部に導入する前に、該周囲空気を濾過するステッ プをさらに具備した請求項2に記載の方法。 4.ステップCの前に、空気からなる加熱されたガスを前記包囲部内で循環さ せることにより、前記オーブン室内の温度を略周囲温度から約125℃まで上昇 させるステップをさらに具備した請求項1に記載の方法。 5.前記オーブン室がドア開口部を備え、前記オーブンが該オーブン室に係合 するようになっているドアを備え、該オーブン室を外部環境から実質的に封鎖す るステップを有する前記方法が、該ドア を閉鎖して該ドアを該オーブン室に実質的封止係合させることを具備する請求項 1に記載の方法。 6.前記ドアが、該ドアの温度を制御する加熱要素を備え、前記方法が、該ド アの該加熱要素と前記包囲部内の加熱されたガスの循環との協働により前記オー ブン室内の温度を制御するように該ドアの温度を制御することをさらに具備する 請求項5に記載の方法。 7.前記ドアが、前記オーブン室に係合して該オーブン室を実質的に封鎖する ように位置決めされた膨張可能なシールを備え、前記方法が、該シールを不活性 ガスで膨張させることをさらに具備する請求項5に記載の方法。 8.前記ドアが、前記膨張可能なシールを冷却して該ドアの温度が所定の最高 温度を超えないようにする冷却手段を備え、前記方法が、該冷却手段を通して冷 却流体を循環させて、前記シールの温度を略前記最大温度以下に維持することを さらに具備する請求項7に記載の方法。 9.前記オーブン室の雰囲気を不活性ガスにより実質的に掃気して、該オーブ ン室の温度が約125℃に達する前に、該オーブン室内の全ての酸素を実質的に 除去するステップをさらに具備する請求項1に記載の方法。 10.酸素感応性ワークの熱処理方法であって、 a.ドアとオーブン室と外部ハウジングとを備え、該オーブン室と該外部ハウ ジングとの間に包囲部が画成され、該ドアが該オーブン室に係合して該オーブン 室を外部環境から実質的に封鎖するようになっているオーブンを用意し、 b.酸素感応性ワークを前記オーブン室内に配置するとともに、前記ドアを閉 鎖して該オーブン室を外部環境及び前記包囲部から実質的に封鎖し、 c.前記オーブン室の雰囲気を不活性ガスにより実質的に掃気して、該オーブ ン室の温度が約125℃に達する前に、該オーブン室内の全ての酸素を実質的に 除去し、 d.加熱された空気を前記包囲部内で循環させて、前記オーブン室内の温度を 初期温度から約125℃まで上昇させ、 e.加熱された不活性ガスを前記包囲部内で循環させて、前記オーブン室内の 温度を約125℃からより高い処理温度まで上昇させ、 f.加熱された不活性ガスを前記包囲部内で循環させて、前記オーブン室内の 温度を前記処理温度又はそれ以上に保持し、 g.不活性ガスを前記包囲部内で循環させて、前記オーブン室内の温度を前記 処理温度から約125℃まで低下させ、 h.空気を前記包囲部内で循環させて、前記オーブン室内の温度を約125℃ からより低い最終温度まで低下させる、 ことを具備した方法。 11.酸素感応性ワークの熱処理用オーブンであって、 a.外部環境から実質的に封鎖されるオーブン室を形成する頂壁、底壁及び側 壁を備え、該オーブン室がそれら壁の一つにドア開口部を有してなるハウジング と、 b.開放位置と閉鎖位置との間を移動でき、前記ドア開口部を介して前記オー ブン室への前記ワークの導入及び取出しを可能にするドアにして、該ドアを加熱 して該オーブン室内に放射エネルギを放出させるためのヒータを備えるドアと、 c.前記ドア又は前記ハウジングに支持される膨張可能なシールにして、該ド アと該ハウジングとの接触領域に沿って延び、実質的嫌気性のガスが該シールに 満たされる膨張可能なシール、 とを具備したオーブン。 12.前記シールが、前記嫌気性ガスを収容する略管状キャビティを有する可 撓性高分子材料から形成される請求項11に記載のオーブン。 13.前記嫌気性ガスが実質的完全に窒素である請求項11に記載のオーブン 。 14.前記嫌気性ガスが窒素及び還元ガスを含んでなる請求項11に記載のオ ーブン。 15.前記還元ガスが水素からなり、該水素が約4%までの嫌気性ガスを含ん でなる請求項14に記載のオーブン。
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