JPH10509464A - L−ヌクレオシド二量体組成物およびその治療目的の使用 - Google Patents
L−ヌクレオシド二量体組成物およびその治療目的の使用Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、少なくとも一つのL−糖類を含んだジヌクレオシド二量体を提供すること及びそれを用いた腫瘍性疾患の治療法である。
Description
【発明の詳細な説明】
発明の名称 L−ヌクレオシド二量体組成物およびその治療
目的の使用
発明の分野
本発明はジヌクレオシド二量体およびそうした二量体の合成において有益なそ
の中間物又は誘導物、その調製のためのプロセス、それらを含む医薬品組成物、
および種々の疾病、特に哺乳動物における癌を措置するためにそうした組成物を
取り扱うための方法に関するものである。より具体的には、本発明はそれらヌク
レオシドの少なくとも一つの糖成分がL構成を有しているL−デオキシリボフラ
ノシル・ヌクレオシド・ホスホジエステル二量体に関連している。
発明の背景
修飾ヌクレオシド類似物は利用可能な抗腫瘍および抗ウィルス薬品としては重
要なものである。現在、これらヌクレオシド類似物の二量体に基づいた治療用組
成物は存在していない。自然発生的なD−デオキシリボフラノシル・ヌクレオシ
ドの二量体は良く知られているが、一つ又は両方のヌクレオシドが天然のL構成
のものである二量体はそれほど知られておらず、腫瘍およびウィルス性疾患の治
療におけるその使用は知られていない。
DNAに関連したオリゴマーの合成において、ヌクレオシド二量体の種々のタ
イプは全体的なプロセスの一部として合成される。これらの二量体は通常自然発
生するDNAおよびRNA配列からの塩基を含んでいる。ヌクレオシド・モノフ
ォスフェート二量体についてはこの技術分野ではずっと良く知られている。これ
らの組成物の多くは合成されており、市販もされている。しかしながら、これら
の二量体はD構成の糖成分を含んだヌクレオシドからつくられている。
Reese,C.B.,Tetrahedron 34(1978)3143はホスホトリエステル方式で十分
に保護されたジヌクレオシド・モノホスフェートの合成について述べている。
Littauer,U.Z.,およびSoreg,H.(1982)のThe Enzyme,Vol XV,Academic
Press,NY,p.517はジヌクレオシドの酵素合成について述べた標準的な参考文
献である。
hyaya,S.,Acta Chem.Scand.B 39(1985)657−669は種々のApGヌクレオ
シド・ホスフェート二量体の合成において用いられる方法の一例を提供してくれ
る。3′→5′ホスフェートおよび2′→5′ホスフェートを溶液相化学反応に
よって合成することに関する参考文献および方法を本明細書に示す。
Gait,M.,“Oligonucleotide Synthesis”,IRL Press,Ltd.,Oxford,Engl
and,1984は一般的な参考文献であり、オリゴヌクレオチド合成に関する概要書
としては有益である。これらの方法は溶液相および固体相法の両方で二量体を合
成するのに適用することができる。ヌクレオシドを結合させるためのホスフィテ
トリエステル法およびホスホトリエステル法の両方について述べている。この固
体相法は二量体を合成
する上で有益である。
Gulyawa,V.およびHoly,A.,Coll.Czec.Chem.Commun 44 613(1979)は
2′,−3′循環ホスフェート・ドナーとリボヌクレオシド受容体との反応によ
る一連の二量体の酵素を用いた合成について述べている。この反応は非固有RNas
eによって触媒される。ドナーが5′位置でホスホリル化されると、以下の化合
物がつくりだされる:ドナー・ヌクレオシド−(3′→5′)受容体ヌクレオシ
ド−(3′→5′)受容体ヌクレオシド。二量体は受容体、β−L−シチジン、
β−L−アデノシン、および9(α−L−リキソフラノシル)アデニンでつくっ
た。また、受容体5′−位置にD−ヌクレオシドを有する多数の二量体もつくら
れた。
Holy,A.,Sorm,F.,Collect.Czech.Chem.Commun.,34,3383(1969)は
β−D−グアニリル−(3′→5′)−β−L−アデノシンおよびβ−D−グア
ニリル−(3′→5′)−β−L−シチジンの酵素による合成について述べてい
る。
Schirmeister,HおよびPfleiderer,W.,Helv.Chim.Acta 77,10(1994)は
すべてβ−D−ヌクレオシドからのトリマー合成および中間体二量体について述
べている。彼らはホスホルアミダイト法を用いているが、収量は非常に高い。
したがって、いずれかの位置にL−デオキシリボフラノシル成分を有する二量
体は、ホスフェートヌクレオチド間結合の3′位置に結合したL−リボフラノシ
ル成分を有する二量体と同様、新しいものである。
修飾ヌクレオシド類似物は抗腫瘍および抗ウイルス薬の供給源としては重要な
種類である。抗癌剤5−フルオロデオキシウリジン(フロキシウリジン)、シタ
ラビン、およびデオキシコフォルミシンおよび抗ウィルス薬3′−アジドデオキ
シチミジン(AZT)、ジオキシシチジン(ddC)、ジデオキシイノシン(ddI
)、アシクロビル、5−イオドデオキシウリジン(イドキシウリジン)フラダラ
ビン・ホスフェートおよびヴィダラビン(アデニン・アラビノシド/アラA)は
治療的に用いられているこの種のタイプの単量体ヌクレオシド誘導化合物の代表
である。
より最近、修飾塩基および/又はホスホジエステル骨核を有する『アンチセン
ス』オリゴヌクレオチド類似物は抗ウィルス性および抗腫瘍剤として積極的に研
究されている。この種類の化合物から臨床的に認められた薬品はまだ出てきてい
ないが、現在でも依然として活発な研究領域である。最近、正反対のL−糖類に
基づくヌクレオシドも強力な抗ウィルス薬として使われ始めているが、これはそ
れらが哺乳動物の酵素に影響を及ぼさずにウィルス性酵素を抑止し、同時併発的
な哺乳動物に対する細胞毒性を発揮せずに選択的な抗ウィルス活性を示す薬剤を
もたらすからである。
ほとんどの天然発生的なヌクレオシドは糖成分にD構成を有している。L−ヌ
クレオシドの化学的な特性はそのβ−D−鏡像異性体の特性と類似しているが、
それらは哺乳動物の細胞に非常に異なった生物学的特性を示し、正常なD−ヌク
レオシドの輸送には干渉しない。例えば、β−L−ウリジンは鏡像異性体β−D
−ウリジンを簡単にホスホリル化するヒト前立腺ホスホトランスフェラーゼによ
って5′位置でホスホリル化されない。一見したところ、L−ヌクレオシドは正
常なヒト細胞キナーゼの基質ではないが、それらはウィルス性および癌性酵素に
よってホスホリル化することができ、それらを選択的な抗ウィルスおよび抗癌剤
の設計に用いることを可能にしている。
L−ヌクレオシドに基づくオリゴヌクレオチドはこれまでにも研究されている
。α−およびβ−L−チミジンから誘導されたオクタマーは菌性ヌクレアーゼお
よび対応するβ−D−オリゴヌクレオチドを簡単に劣化させてしまう仔ウシ脾臓
ホスホジエステラーゼに対して抵抗性があることが認められている。Fujimoryら
、S.Fujimory,K.Shudo,Y.Hashimoto,J.Am Chem.Soc.,112,7436は鏡像
異性体ポリ−α−DNAが相補的RNAを識別するが相補的DNAは識別しない
ことを示した。この原理は治療的応用の可能性を有するヌクレアーゼに抵抗性を
示すアンチセンス・オリゴヌクレオチドの設計に用いられている。
したがって、L−ヌクレオシドに基づく化合物は腫瘍およびウィルス性疾病に
対する薬品としての可能性を有している。L−糖誘導ヌクレオシドおよびそれら
のオリゴヌクレオチドのそうした活性については幅広く評価が行われているが、
L−ヌクレオシド置換によって得られた二量体などのより短い
オリゴマーの生物学的活性に関してはほとんど知られていない。
本発明は新しいL−ヌクレオシド誘導治療用抗腫瘍剤を内容としている。L−
α−5−フルオロ−2′−デオキシウリジンに基づく新しいL−α−5−フルオ
ロ誘導ジヌクレオシド・モノホスフェートはイン・ビトロでの抗癌アッセイで高
い効力活性特性を示し、テロメラーゼの抑制を含む独特の作用メカニズムを示唆
した。したがって、L−ヌクレオシドは低毒性という具体的な利点を有する新し
い薬剤を作成するための土台として役立つことができる。
発明の概要
本発明の目的は少なくとも一つのL−糖類を含んだジヌクレオシド二量体を提
供することにある。
本発明の別の目的は少なくとも一つのL−糖類を含んだジヌクレオシド二量体
を用いて腫瘍性疾患を措置するための方法である。
本発明のさらに別の目的は少なくとも一つのL−糖類を有するジヌクレオシド
二量体を含有する医薬品組成物を提供することである。
したがって、上に述べるような目的の達成において、本発明の一つの側面に従
って以下のような式を有する化合物:
又は、薬学的に受け入れ可能なその塩類が提供され、ここでAおよびBはβ−
D,β−L、およびα−Lヌクレオシドで構成されるグループから選択され、こ
こでA又はBの少なくとも一つはβ−L又はα−Lヌクレオシド又はα−L又は
β−Lフラノーズ糖類でなければならず、R1およびR2はシトシン、チミン、ウ
ラシル、アデニン、グアニン、又はイノシン、5−フルオロウリジンおよびその
他の5−ハロ・ウリジンで構成される塩基グループから選択され、R1およびR2
は同じ、又は異なった塩基あるいはメトキシなどのアルコキシ基であってもよく
、A又はBがヌクレオチド間結合剤(I
BA)と5′位置に結合されており、該A又はBがβ−L又はα−Lであり、そ
の場合該A又はBに結合したR1又はR2はシトシンであることはできず、そして
IBAはホスホジエステル、メトキシ・ホスホ−トリエステル、メチルホスホネ
ート、ホスホロジチオエート、ホスホロチオエート、シリル・エステル、スルホ
ネート、およびエチレンジオキシ・エーテルなどで構成されるグループから選択
される。
有効な本発明による具体的な化合物としては、3′−O−(α−L−5−フル
オロ−2′−デオキシウリジル)−(3′→5′)−β−D−5−フルオロ−2
′−デオキシウリジン(L−102)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′
−デオキシウリジル)−(3′→5′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキ
シウリジン、(L−103)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキ
シウリジニル)−(3′→5′)−α−L−2′−デオキシウリジン、(L−10
7)、3′−O−(α−L−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→
5′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−108)、3′
−O−(α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′)
−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−109)、3′−O−
(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′)−β−
L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−110)、3′−O−(β−
D−S−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(3′→5′)−α−L−2
′−デオキ
シシチジン、(L−111)、5′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキ
シウルジニル)−(5′→5′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリ
ジン、(L−112)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウル
ジニル)−(3′→5′)−2′−デオキシ−β−L−シチジン、(L−113)
、3′−O−2′−デオキシ−β−L−シチジニル)−(3′→5′)−β−D
−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(L−114)、3′−O−(2′−デ
オキシ−α−L−シチジニル)−(3′→5′)−β−D−5−フルオロ−2′
−デオキシウリジン(L−115)、3−O−β−D−5−フルオロ−2′−デオ
キシウルジニル)−(3′→5′)−β−L−2′−デオキシウリジン(L−11
7)、3′−O−(β−L−2′、3′−デオキシ−シチジニル)−(3′→5
′)−β−D−5−フルオロ−デオキシウリジン(L−118)、3′−O−5−
フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(3′→5′)−α−L−2′、3′
−ジデオキシシチジン(L−120)、3′−O−(β−L−5−フルオロ−2′
−デオキシウルジニル)−(3′→5′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオ
キシウリジン(L−119)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキ
シウルジニル)−(3′→3′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウル
ジニル(L−122)、3′−O−(β−L−2′−デオキシウルジニル)−(3
′→5′)−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(L−124)、3
′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシ
ウルジニル)−(3′→5′)−α−L−2′−デオキシウリジン(L−125)
、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(3′→
5′)−α−L−チミジン(L−126)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−
2′−デオキシウルジニル)−(3′→5′)−β−L−5−フルオロ−2′−
デオキシウリジン・ホスホロチオネート(L−128)、3′−O−(β−D−5
−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(3′→5′)−β−L−2′−デ
オキシグアノシン(L−133)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デ
オキシウルジニル)−(3′→5′)−α−L−2′−デオキシグアノシン(L
−134)、3′−O−(β−L−5−フルオロ−2′−(デオキシウルジニル)
−(3′→5′)−メトキシ−2−デオキシリボース(L−136)、3−O−(
β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(3′→5′)−α−L
−2′−デオキシグアノシン(L−138)、および3′−O−(β−D−5−フ
ルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(3′→5′)−β−L−1−メトキシ
−2−デオキシリボース(L−142)などである。
さらに具体的に、L−103,L−110およびL−117は好ましい化合物であるこ
とが分かっている。
本発明の別の実施形態は、薬学的に受け入れ可能な基質と治療上有効な量の少
なくとも一つの本発明の組成物で構成された医薬品化合物である。
本発明のさらに別の実施形態は癌およびウィルス性感染症
を措置するために本発明による化合物を治療上有効な量だけ投与することである
。
他の、さらなる目的、特徴、および利点は開示の目的のために本発明の現段階
での以下の説明と、添付図面を参照することにより明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
図1は本発明によるジヌクレオチド二量体の概要図である。
図2A,2B,および3−8は本発明による合成方式の概要を示したものであ
る。図2Aは本発明による化合物(2′−デオキシ−α−L−5−フルオロウリ
ジン化合物)の合成方式の一部を示している。図2Bは化合物N4−ベンゾイル
−2′−デオキシ−α−L−シチジン、上記二量体の合成における中間物の合成
方式の一部を示している。
図3はアルファ−ベータあるいはベータ−アルファ二量体の合成を示している
。
図4はα−L−5−フルオロウラシル−β−D−5フルオロウラシルの具体的
合成を示している。
図5は二量体化合物合成の別の経路を示している。
図6は二量体化合物合成の別の経路を示している。
図7Aおよび図7Bはメトキシホスホトリエステルおよびメチル・ホスフェー
トを含む別の核を含むジヌクレオシド二量体を図式的に示したものである。
図8A,8B,8Cおよび8Dは実例で用いられたジヌクレオシド・ホスフェ
ート二量体を図式的に示している。図8
Aはジヌクレオチド二量体L−102,L−103,L−107およびL−109を図式的に
示している。図8Bは二量体L−110,L−113およびL−115を図式的に示して
いる。図8Cは二量体L−117,L−119およびL−112を図式的に示したもので
あり、図8Dは二量体L−115およびL−116を図式的に示したものである。
これらの図は必ずしも実寸を示すものではなく、発明のいくつかの特徴は寸法
を拡大したり、明瞭性および簡潔さのために図式的な形態で示してある。
発明の詳細な説明
本発明の範囲及び精神を逸脱せずに種々の置換や修飾が可能であることは当業
者には明らかであろう。
ここで用いられる『二量体』という用語は図1の構造で定義されている。これ
らの化合物はL−ヌクレオシド誘導ジヌクレオシド・モノホスフェート類である
。B1およびB2はβ−D,β−L、あるいはα−Lヌクレオシドで構成され、B1
およびB2の少なくとも一つはβ−L又はα−Lである。R1およびR2はピリミ
ジン塩基シトシン、チミン、ウラシル、または5−フルオロウリジン(5−FU
dR)、その他の5−ハロ化合物、又はプリン塩基、アデノシン、グアノシン、
又はイノシンである。図1からも分かるように、これらの二量体は5′→3′,
3′→5′,3′→3′,あるいは5′→5′の結合である。
有効な本発明による具体的な化合物としては、3′−O−
(α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジル)−(3′→5′)−β−D
−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(L−102)、3′−O−(β−D−
5−フルオロ−2′−デオキシウリジル)−(3′→5′)−α−L−5−フル
オロ−2′−デオキシウリジン、(L−103)、3′−O−(β−D−5−フル
オロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′)−α−L−2′−デオキシ
ウリジン、(L−107)、3′−O−(α−L−フルオロ−2′−デオキシウリ
ジニル)−(3′→5′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、
(L−108)、3′−O−(α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル
)−(3′→5′)−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−
109)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(
3′→5′)−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−110)
、3′−O−(β−D−S−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(3′→
5′)−α−L−2′−デオキシシチジン、(L−111)、5′−O−(β−D
−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(5′→5′)−α−L−5−
フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−112)、3′−O−(β−D−5−
フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(3′→5′)−2′−デオキシ−β
−L−シチジン、(L−113)、3′−O−2′−デオキシ−β−L−シチジニ
ル)−(3′→5′)−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(L−
114)、3′−O−(2′−デオキシ−α−L−
シチジニル)−(3′→5′)−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジ
ン(L−115)、3−O−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)
−(3′→5′)−β−L2′−デオキシウリジン(L−117)、3′−O−(
β−L−2′,3′−デオキシ−シチジニル)−(3′→5′)−β−D−5−
フルオロ−デオキシウリジン(L−118)、3′−O−5−フルオロ−2′−デ
オキシウルジニル)−(3′→5′)−α−L−2′,3′−ジデオキシシチジ
ン(L−120)、3′−O−(β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニ
ル)−(3′→5′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(L−
119)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(
3′→3′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル(L−122)
、3′−O−(β−L−2′−デオキシウルジニル)−(3′→5′)−β−D
−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(L−124)、3′−O−(β−D−
5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(3′→5′)−α−L−2′−
デオキシウリジン(L−125)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−
デオキシウルジニル)−(3′→5′)−α−L−チミジン(L−126)、3′
−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(3′→5′)
−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン・ホスホロチオネート(L−
128)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(
3′→5′)−β−L−2′−デオキシグアノシン(L−
133)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−(
3′→5′)−α−L−2′−デオキシグアノシン(L−134)、3′−O−(
β−L−5−フルオロ−2′−(デオキシウルジニル)−(3′→5′)−メト
キシ−2−デオキシリボース(L−136)、3−O−(β−D−5−フルオロ−
2′−デオキシウルジニル)−(3′→5′)−α−L−2′−デオキシグアノ
シン(L−138)、および3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシ
ウルジニル)−(3′→5′)−β−L−1−メトキシ−2−デオキシリボース
(L−142)などである。
『ヌクレオチド間結合剤』あるいは『IBA』という用語はヌクレオシド類を
結合させる基本結合を意味している。当業者なら種々の他の基本化合物を本発明
において用いることができ、有益であることが分かるであろう。例えば、図7で
、メトキシ・ホスホルトリエステル、メチルホスホネート、およびホスホロチオ
ネートが示されている。図式的に3′→5′として示されているが、IBAは糖
類5′→3′,3′→5′,3′→3′,あるいは5′→5′を結合させるため
に用いることもできる。好ましい実施形態においては、化合物のIBAはホスホ
ジエステル又はホスホロシオエートのいずれかである。
ここで用いられている『抗疾患』という用語は抗腫瘍、抗癌、抗寄生虫、およ
び抗ウィルス活性を含む病状に影響を及ぼす本発明による化合物のいずれかの活
性を意味している。
化合物又は組成物は、その投与が受容哺乳動物によって許
容される場合に『薬学的に受け入れ可能』とされる。こうした薬剤は、投与され
た量が生理学的に有意義であれば、『治療上有効な量』で投与されると表現され
る。その存在が受容哺乳動物の生理において技術的な変化をもたらした場合、そ
の薬剤は生理学的に有意である。例えば、癌または腫瘍性疾患の措置において、
腫瘍の成長を抑制したり、腫瘍のサイズを減少させたりする化合物は治療上有効
であり、ウィルス性疾患の措置において、その疾患の進行を遅らせたり、その疾
患を完全に治癒させる薬剤は治療的に有効であると考えられる。投与量および調製
本発明による抗疾患性化合物(活性成分)をその活性成分が哺乳動物の体内で
その薬剤の作用部位と接触するような方法で種々の疾病状態(腫瘍、癌、寄生虫
、およびウィルス性疾患を含む)を抑制するために調製、投与することができる
。それらは個別的な治療用活性成分としても、あるいは複数の治療用活性成分の
組み合わせとしてでも、医薬品との組み合わせで使用し得る従来のどの方法でで
も投与することができる。単独ででも投与することはできるが、一般的には選ば
れた投与ルートおよび標準医薬品処方基準に基づいて選ばれた基剤と共に投与さ
れる。
以下に示す投与量は腫瘍、腫瘍性疾患、および癌の治療に通常用いられる投与
量である。抗寄生虫および抗ウィルス性応用の場合の投与量は、一般的には抗癌
的使用の場合の10〜
50%である。
投与される量は治療上有効な活性成分の量であり、もちろん、特定の活性成分
の薬力学的特性やそのモード、およびその投与経路;年齢、性別、受容者の健康
状態や体重;同時並行的に行われる治療のタイプ、治療の頻度、そして望まれる
効果など、知られているファクターによって変化する。通常、活性成分の一日分
の投与量(治療上有効な量)は体重1キログラムあたり5〜400ミリグラムであ
る。また通常、1日当たり体重1キログラムあたり10〜200ミリグラム、そして
好ましくは10〜50ミリグラムを2回から4回に分けて、あるいは持続的な放出形
態で投与するのが望ましい結果を得る上で有効である。
体内投与に適した投与形態(組成物)は1単位当たり1.0〜500ミリグラムの活
性成分を含んでいる。これらの医薬品組成物で、活性成分は通常その組成物の総
重量に対して0.05〜95%の割合で存在している。
活性成分はカプセルや錠剤、あるいは粉末などの固体投与形態、あるいはエリ
キシル、シロップ、乳剤、および懸濁液などの液体で投与しても差し支えない。
活性成分はまた注射、静脈注射、鼻腔粘膜吸収、あるいは皮膚吸収など皮膚を経
由した投与のために調製することもできる。またこの薬剤は皮下、静脈注射、あ
るいは坐薬などの形で投与することもできる。
ゼラチン・カプセルは活性成分とラクトース、サクロース、
マンニトール、澱粉、セルロース誘導物、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸などの粉末化された基剤とを含んでいる。圧縮された錠剤をつくるために同
様の希釈剤を使うこともできる。錠剤とカプセルの両方とも数時間にわたって薬
が持続的に放出されるように製造することができる。圧縮された錠剤は不快な味
を隠すために、あるいは錠剤を空気から護ったりするために糖やフィルムでコー
ティングしたり、あるいは胃腸管内で選択的に遊離させるために腸内でコーティ
ングすることができる。
経口投与のための液体形態は患者が受け入れやすくするために色剤や香料を添
加することができる。
一般的に、水、適切な油、食塩、水性デキストロース(グルコース)、および
関連糖溶液およびプロピレン・グリコールやポリエチレン・グリコールなどのグ
リコールが経皮投与のための適切な基剤である。経皮投与のための溶液は好まし
くは活性成分の水溶性塩、適切な安定剤、そして必要であれば緩衝剤を含んでい
る。硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸エステル単独
又はそれらの組み合わせが適切な安定剤である。クエン酸およびその塩類、そし
てナトリウムEDTAなども用いられている。加えて、経皮溶液は塩化ベンズア
ルコニウム、メチル−又はプロピル−パラベンおよびクロロブタノールなどの保
存剤を含むこともできる。適切な医薬用基剤はこの分野の標準的な参考文献であ
るRemington's Pharmaceutical Sciencesに述べてある。
さらに、作用の持続時間を制御するために標準的な薬学的方法を用いることが
できる。これらはこの分野では良く知られており制御放出製剤を含み、適切なマ
クロ分子、例えばポリマー、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリビニル、ピロリ
ドン、エチレンビニルアセテート、メチル・セルロース、カルボキシメチル・セ
ルロース、又は硫酸プロタミンなどを含むことができる。これらマクロ分子の濃
度およびそれらを組み込む方法は放出をコントロールするために調節することが
できる。さらに、薬剤はポリエステル、ポリアミノ酸、ヒドロゲル、ポリ(乳酸
)又はエチレンビニルアセテート・コポリマーなどの重合物の分子に組み込むこ
ともできる。組み込まれるばかりでなく、これらの薬剤はマイクロカプセル内の
化合物を捕まえるために用いることもできる。
本発明の化合物の投与のための有用な医薬品投与形態は以下に示す通りである
。
カプセル:カプセルはそれぞれ粉末化された活性成分100ミリグラム、ラクト
ース175ミリグラム、タルク24ミリグラム、そしてステアリン酸マグネシウム6
ミリグラムを標準的な2個の固いゼラチン・カプセルそれぞれに充填することに
よってつくられる。
柔らかいゼラチン・カプセル:大豆油に活性成分を入れた混合物をつくりピス
トン式ポンプを用いてゼラチン内に注入し100ミリグラムの活性成分を含む柔ら
かいゼラチン・カプセルをつくる。これらのカプセルは洗浄したり、乾燥させた
りすることができる。
錠剤:錠剤は投与単位が活性成分100ミリグラムとなるように通常の手順でつ
くられる。コロイド状二酸化珪素0.2ミリグラム、ステアリン酸マグネシウム5
ミリグラム、マイクロクリスタリン・セルロース275ミリグラム、コーンスター
チ11ミリグラム、およびラクトース98.8ミリグラム。味をよくしたり、吸収を遅
らせたりするために適切なコーティング剤を用いてもよい。
注射剤:注射によって投与するのに適した経皮組成物は水に10%のポリプロピ
レン・グリコールを解かしたものに中に活性成分を1.5重量%入れて攪拌するこ
とによりつくられる。この溶液は塩化ナトリウムによって等張性にし、滅菌され
る。
懸濁液:水溶液は経口投与のために各5ミリメートルが最終的に分割された活
性成分100ミリグラム、ナトリウム・カルボキシメチル・セルロース200ミリグラ
ム、ナトリウム・ベンゾエート5ミリグラム、ソルビトール溶液U.S.P.1.0
グラム、およびバニリン0.025ミリメートルを含むようにつくられる。
ここで述べられている研究のためにつくられた二量体は図1および図6に示し
てある。これら二量体の具体的な組み合わせは表1に示す。
図2〜6までに示す合成手順はこれら二量体の一般的な合成経路を示す。具体
的な合成経路は実施例で詳細に説明する。
以下のような式を有する化合物:
又は、薬学的に受け入れ可能なその塩類、ここでB1およびB2はβ−D,β−
L、およびα−Lヌクレオシドで構成されるグループから選択され、ここでB1
又はB2の少なくともひとつはβ−L又はα−Lヌクレオシド又はα−L又はβ
−Lフラノーズ糖類でなければならず、R1およびR2はシトシン(C)、チミン(
T)、ウラシル(U)、アデニン(A)、グアニン(G)、又はイノシン(I)、5−フ
ルオロウリジン(5FUdR)およびその他の5−ハロ塩基で構成される塩基グル
ープから選択され、R1およびR2は同じ、又は異なった塩基あるいはメトキシな
どのアルコキシ基であってもよく、A又はBがヌクレオチド間結合剤(IBA)
と5′位置に結合され
ており、該A又はBがβ−L又はα−Lであり、その場合該A又はBに結合した
R1又はR2はシトシンであることはできず、そしてIBAはホスホジエステル、
メトキシ・ホスホ−トリエステル、メチルホスホネート、およびホスホロジチオ
エートなどで構成されるグループから選択される。
有効な本発明による具体的な化合物としては、3′−O−(α−L−5−フル
オロ−2′−デオキシウリジル)−(3′−5′)−β−D−5−フルオロ−2
′−デオキシウリジン(L−102)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′
−デオキシウリジル)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L
−103)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−
α−L−2′−デオキシウリジン、(L−107)、3′−O−(α−L−フルオ
ロ−2′−デオキシウリジニル)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリ
ジン、(L−108)、3′−O−(α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリ
ジニル)−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−109)、3
′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−β−L−5−
フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−110)、3′−O−(β−D−S−
フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−α−L−2′−デオキシシチジン、(
L−111)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)
−−2′−デオキシ−β−L−シチジン、(L−113)、3′−O−2′−デオ
キシ−β−L−シチジニル)−β−D−5−
フルオロ−2′−デオキシウリジン(L−114)、3′−O−(2′−デオキシ
−α−L−シチジニル)−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(L
−115)、3′−O−(β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−
α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(L−119)、3′−O−(β
−D−5−フルオロ−2′−デオキシウルジニル)−α−L−5−フルオロ−2
′−デオキシウルジニル(L−122)などがある。
より具体的には、L−103,L−110およびL−117が好ましい化合物であるこ
とが分かっている。
本発明の別の実施形態は、薬学的に受け入れ可能な基質と治療上有効な量の少
なくともひとつの本発明の化合物で構成された医薬品化合物である。
本発明のさらに別の実施形態は癌およびウィルス性感染症を措置するために本
発明による化合物を治療上有効な量だけ投与することである。
以下の実施例は説明のために提供されるものであって、いかなる方法でも発明
の範囲を限定することは意図していない。実施例で述べられる合成ヌクレオシド
および二量体は前に述べた置換基のいずれかを含んでいてもよい。骨核および塩
基修飾基をつけ加えてもよい。置換基はその親和性、化学的安定性、および特定
の二量体治療のカプセル摂取特性を増大させる。
実施例1
2′−デオキシ−α−L−5−フルオロウリジンの合成
β−D−5−フルオロ−デオキシウリジンは市販されており、α−L−アイソ
マ 2′−デオキシ−α−L−5−フルオロウリジンは市販されていないので、
上記二量体のこの成分はL−アラビノースから合成した。1−(2′,3′,5′−トリ−O−ベンゾイル−α−L−アラビノフラノシル )−5−フルオロウラシル(3)
5−フルオロウラシル(4.01g,30.87mmol)および化合物2(15.57g,30.8
7mmol)を無水MeCNに入れた混合物にHMDS(5.20ml,24.69mmol)、ClS
iNe3(3.10ml,24.69mmol)、およびSnCl4(4.30ml,37.04mmol)を連続的に
加えた。結果として得られる澄んだ溶液を1時間リフラックスさせた。その後溶
剤を蒸発させて残留物をEtOAc(750ml)に溶かし、H2Oおよび飽和NaHC
O3溶液で洗浄した。EtOAc層は硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過、蒸発さ
せて原製品をつくった。この原製品を40〜50%EtOAc/石油エーテルを用いて
シリカ・ゲル・カラムを用いて精製したところ白色フォームとして純粋な化合物
3(11.7g,66.0%イールド)が得られた。NMR
:(CDCl3)δ=4.65(dd,1H),4.78(dd,1H),4.97(dd,
1H),5.75〜5.88(2t,2H),6.27(d,1H),7.36〜7.62および8.00
〜8.10(m,5H),8.94(d,1H)。1−α−L−アラビノフラノシル−5−フルオロウラシル(4)
化合物3(11.7g,20.37mmol)をNaOH(300ml)に入れた混合物に、Na
OMe(メタノール25%w/v溶液4.2ml)に加え、その溶液を反応が終了するま
で攪拌した。その後この溶液を蒸発させて残留物を水(200ml)に溶かし、エー
テルで洗浄してDowex50イオン交換樹脂で中和した。樹脂上でろ過後、この水溶
液を蒸発させたところ、化合物4(4.92g,92%イールド)が白色フォームとし
て得られた。NMR
:(DMSO−d6)δ=3.48(m,2H),3.93〜4.00(2t,2H)
,4.16(q,1H),5.69(dd,1H),8.03(d,1H)。1−[3′,5′−O−(1,1,3,4−テトライソプロピルジシロキサン− 1,3−ジイル)−α−L−アラビノウラシル]−5−フルオロウラシル(5)
ピリジン(20ml)に化合物4(6.43g,24.53mmol)を入れて攪拌した懸濁液
に1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン(10.3
ml,29.43mmol)を加えた。これを反応が完了するまで(5時間)、室温で攪拌
した。溶剤を蒸発させて、残留物をEtOAc内に溶解し、H2O、5%HCl、
飽和NaHCO3及び塩水で連続的に洗浄した。EtOAc部分をNa2SO4上で乾
燥させた後、溶液をろ過し、蒸発させたところ、原製品5が得られ、これを次の
ステップでさらに精製することなく用いた。1−[2′−O−フェノキシチオカルボニル−3′,5′−O−(1,1,3, 3−テトライソプロピルジシロキサン−13−ジイル)−α−L−アラビノフラ ノシル]−5−フルオロウラノシル(6)
無水MeCN(300ml)に化合物5(24.52mmol)に入れた溶液に4−ジメチル
アミノピリジン(DMAP)(5.80g,47.58mmol)、およびフェニルクロロチ
オノフォルメート(3.85ml,26.98mmol)を加えた。この溶液を室温で24時間攪
拌した。次に溶剤を蒸発させて、残留物をEtOAcに溶かし、H2O、5%HC
l、H2O、飽和NaHCO3、および塩水で連続的に洗浄した。Na2SO4上で
EtOAc部分を乾燥させた後、溶液をろ過して蒸発させ、オイルを得た。このオ
イルをシリカ・ゲル・カラム上で30%EtOAcエーテルを用いて精製したところ
、純粋な化合物6(8.9g,56.7%イールド)が黄色フォームとして得られた。NMR
:(CDCl3)δ=4.02(m,2H),4.32(m,1H),4.76(dd,
1H),6.10(dd,1H),6.18(dd,1H),7.07〜7.48(m,6H),8.41
(br s,1H)。3′,5′−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3 −ジイル)−α−L−2′−デオキシ−5−フルオロウリジン(7)
化合物6(8.92g,13.91mmol)を乾燥トルエン(300ml)に入れた溶液にAI
BN(0.46g,2.78mmol)を加え、その後Bu3SnH(20.0ml,69.53mmol)を加
えた。この溶液をア
ルゴンで脱酸素して75℃の温度で4時間加熱した。溶剤を蒸発させ、残留物をシ
リカ・ゲル・カラム上で30%EtOAc/石油エーテルを用いて精製し、純粋な化
合物7(5.44g,80%イールド)を白色フォームとして得た。NMR
:(CDCl3)δ=2.16(m,1H),2.84(m,1H),3.78(m,
1H),4.07(m,1H),4.60(m,1H),6.19(ddd,1H),7.92(m
,1H)。2′−デオキシ−α−L−5−フルオロウリジン(8)
化合物7(5.44g,11.13mmol)およびNH4F(4.12g,111.3mmol)をMeO
Hに入れた溶液を油槽内で60℃の温度で3時間撹拌した。シリカ・ゲル(3g)
を加えてから、その混合物を蒸発させて乾燥粉末を得た。この粉末をシリカ・カ
ラムに入れて10〜15%MeOH/CHCl3で溶出させ、純粋な化合物8(2.4g,8
7.6%イールド)を白色フォームとして得た。NMR
:(DMSO−d6)δ=1.90(m,1H),2.55(m,1H),3.33(
m,2H),4.19(m,2H),4.86(br s,1H),5.43(br s,1H),6.
10(dd,1H),8.15(d,1H),11.78(br s,1H)。
実施例2
2′−デオキシ−α−L−ウリジンの合成 1−(2′,3′,5′−トリ−O−ベンゾイル−α−L−アラビノフラノシル )ウラシル(9)
無水MeCHにウラシル(7.06g,62.98mmol)と化合物2
(31.7g,62.98mmol)を入れた混合物にHMDS(10.6ml,50.38mmol)、Cl
SiMe3(6.4ml,50.38mmol)、およびSnCl4(8.8ml,75.57mmol)を連続的に
加えた。その結果得られた澄んだ溶液を1時間リフラックスさせた。その後溶剤
を蒸発させ、残留物をEtOAc(1.21ml)に溶かして、H2Oおよび飽和NaHC
O3溶液で洗浄した。EtOAc層をNA2SO4上で蒸発させ、原製品を得た。こ
の原製品をシリカ・ゲル・カラム上でEtOAc/石油エーテルを用いて精製し、
純粋な化合物2(20.2g,57.7%イールド)を白色フォームとして得た。NMR
:(CDCl3)δ=4.65(m,2H),4.95(m,1H),5.79(dd,
1H),5.94(t,1H),6.20(d,1H),7.35〜7.63(m,10H),7.98
〜8.10(m,6H),8.58(br s,1H)。1−α−L−アラビノフラノシル−ウラシル(10)
MeOH(400ml)に化合物8(17.83g,32.03mmol)を入れた溶液に、NaO
Me(メタノリック25%w/v溶液5.0ml)を加えて、その溶液を反応が完了する
まで撹拌した。その後溶剤を蒸発させて、残留物をH2O(250ml)に溶かし、エ
ーテルで洗浄してから、Dowex50イオン交換樹脂で中和した。これを次のステッ
プでさらに精製したすることなく用いた。1−[3′,5′−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン− 1,3−ジイル)−α−L−アラビノウラシル]−ウラシル(11)
ピリジン内に化合物10(7.4g,30.3mmol)を入れて撹拌した懸濁液に1,3
−ジクロロ−1,1,3−3−テトライソプロピルジシロキサン(12.74ml,36.
36mmol)を加えた。これを反応が完了するまで室温で撹拌した(5時間)。溶剤
を蒸発させて、残留物をEtOAc(500ml)溶解かして、H2O、5%HCl、飽
和NaHCO3、および塩水で連続的に洗浄した。Na2SO4上でEtOAc部分を
乾燥させた後、溶液をろ過して、蒸発させたところ、原製品11が得られ、これを
次のステップでさらに精製することなく用いた。1−[2′−O−フェノキシチオカルボニル−3′,5′−O−(1,1,3, 3−テトライソプロピルジシロキサン−13−ジイル)−α−L−L−アラビノ フラノシル]−ウラシル(12)
無水MeCNに化合物11(30.3mmol)を溶かした溶液に4−ジメチルアミノピ
リジン(DMAP)(7.2g,58.78mmol)、およびフェニルクロロチオノフォルメ
ート(4.7ml,33.33mmol)を加えた。この溶液を室温で24時間撹拌した。次に、
溶剤を蒸発させて残留物をEtOAc(750ml)に溶解し、H2O、5%HCl、H2
O、飽和NaHCO3、および塩水で連続的に洗浄した。Na2SO4上でEtOAc
部分を乾燥した後、溶液をろ過、蒸発させてオイルを得た。このオイルをシリカ
・
ゲル・カラム上で30%EtOAc/石油エーテルを用いて精製し、純粋な化合物12
(13.14g,74.5%イールド)を白色フォームとして得た。NMR
:(CDCl3)δ=4.04(m,2H),4.38(m,1H),4.73(dd,
1H),5.79(dd,1H),5.93(d,1H),6.31(dd,1H),7.08〜7.33
(m,6H),9.2(br s,1H)。3′,5′−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3 −ジイル)−α−L−2′−デオキシウリジン(13)
乾燥トルエン(300ml)に化合物12(13.14g,21.09mmol)を加えた混合物に
AIBN(0.69g,4.2mmol)、そして次にBu3SnH(28.4ml,105.4mmol)を
加えた。この溶液をアルゴンで脱酸素して、75℃の温度で4時間加熱した。溶剤
を蒸発させ、残留物をシリカ・ゲル・カラム上で30%EtOAc/石油エーテルを
用いて精製し、純粋な化合物13(9.29g,88.4%イールド)が白色フォームとし
て得られた。NMR
:(CDCl3)δ=2.15(2t,1H),2.81(m,1H),3.82(dd
,1H),4.05(m,2H),4.56(q,1H),5.75(dd,1H),6.16(t
,1H),7.69(d,1H),9.38(br s,1H)。2′−デオキシ−α−L−ウリジン(14)
化合物13(9.2g,18.63mmol)とNH4F(6.9g,186.3mmol)をMeOH(20
0ml)に入れた混合物を油槽内で60℃の
温度で3時間拡販した。シリカ・ゲル(5g)を加えて、この混合物を蒸発させ
、乾燥粉末を得た。この粉末をシリカ・カラムに加えて、10〜15%MeOH/CH
Cl3で溶出させ、純粋な化合物(3.70g,83%イールド)を白色フォームとして
得た。NMR
:(DMSO−d6)δ=1.87(m,1H),2.56(m,1H),3.41(
m,2H),4.15(m,1H),4.22(m,1H),4.44(t,1H),4.92(
t,1H),5.38(d,1H),5.62(d,1H),6.09(dd,1H)。
実施例3
2′−デオキシ−α−L−シチジンの合成 3′,5′−ジ−O−ベンゾイル−2′−デオキシ−α−L−ウリジン(15)
MeCN(10ml)内にBzCN(0.61g,4.67mmol)を入れた溶液を化合物14(
0.43g,1.87mmol)を入れた懸濁液に滴下させ、その後、Et3N(0.1ml)を加
えた。この反応物を室温で3時間撹拌して蒸発させ、その後溶剤を蒸発させて乾
燥させた。原製品をシリカ・ゲル・カラム上で50%EtOAc/石油エーテルを用
いて精製し、純粋な化合物15(0.57g,70%イールド)を黄色フォームとして得
た。NMR
:(CDCl3)δ=2.55(d,1H),2.96(dt,1H),4.56(m,
2H),4.86(t,1H),5.61(d,1H),5.73(dd,1H),6.31(dd,
1H),7.40〜7.63(m,7H),7.87〜8.06(m,4H),8.82(br s,1
H)。3′,5′−ジ−O−ベンゾイル−2′−デオキシ−4−チオ−α−L−ウリジ ン(16)
無水ジオキサンに化合物15(0.54g,1.25mmol)を入れた沸騰溶液をP2S5(
0.61g,2.75mmol)で措置し、その混合物を窒素雰囲気下で1時間リフラックス
させた。残留固形物を熱い溶液からろ過して、フィルター上で追加ジオキサンで
洗浄した。ろ液を蒸発させて乾燥させ、原製品をシリカ・ゲル・カラム上で30%
EtOAc/石油エーテルを用いて精製し、純粋な化合物16(0.42g,74%イール
ド)を黄色フォームとして得た。NMR
:(CDCl3)δ=2.59(d,1H),2.93(dt,1H),4.58(m,
2H),4.89(t,1H),5.63(d,1H),6.26(dd,1H),6.41(dd,
1H),7.40〜8.10(m,11H),9.54(br s,1H)。2′−デオキシ−α−L−シチジン(17)
化合物16(0.42g,9.28mmol)をスチール製ボンベ内でNH3/MeOH(50ml
)で100℃の温度下で10時間措置した。冷却後、溶剤を蒸発、乾燥させ、残留物
を水(50ml)に溶解させて、エーテル(3×50ml)で洗浄した。水層を木炭で処
理し、セライトでろ過し、EtOHとの共蒸発で乾燥するまで蒸発させた。得ら
れた準固体をEtOH/エーテルから結晶化させ、化合物17(0.18g,85.7%イ
ールド)を得た。NMR
:(DMSO−d6)δ=1.86(d,H),2.50(m,
1H),3.40(m,1H),4.12(m,1H),4.15(m,1H),4.86(t,
1H),5.21(d,1H),5.69(d,1H),6.03(dd,1H),7.02(br d
,1H),7.74(d,1H)。N4−ベンゾイル−デオキシ−α−L−シチジン(18)
ピリジン(50ml)に化合物17(0.82g,3.61mmol)に入れて撹拌した懸濁液を
氷槽で冷却したものにClSiMe3(2.3ml,18.05mmol)を30分間滴下した。次に
ベンジルクロリド(2.1ml,18.05mmol)を滴下して、その反応混合物を室温で2
時間冷却させた。この反応混合物を氷槽内で再度冷やしてから、冷たい水(10ml
)を滴下した。15分後に、濃縮したNH4OHを加えて2H程度の溶液アンモニ
ア濃度を得た。アンモニア溶液を加えてから30分後、溶剤を蒸発させ、水に溶か
してエーテルで洗浄した。この水溶液を蒸発させて、原製品(18)を得、これを次
のステップでさらに精製することなく用いた。N4−ベンゾイル−5′−O−(ジ−O−メトキシトリチル)−2′−α−L− シチジン(19)
乾燥ピリジンに化合物18を溶かした溶液に4,4′−塩化ジメトキシトリチル
(1.34g,3.96mmol)、DMAP(0.888g,0.72mmol)、およびトリエチルアミ
ン(0.8ml,5.54mmol)を加えた。反応混合物を室温で一昼夜撹拌した。EtOA
c溶液を水、飽和NaHCO3および塩水で洗浄した。この溶液をNa2SO4上で乾
燥させ、ろ過、蒸発させて乾燥させた。こ
の原製品をシリカ・ゲル・カラム上で5%MeOH/CHCl3を用いて精製し、純
粋な化合物19(1.08g,47%イールド)を得た。開始物質18の一部は回収、再使
用された。NMR
:(CDCl3)β=2.60(d,1H),2.82(m,1H),3.18(dd,
1H),3.30(dd,1H),3.80(s,1H),4.50(d,1H),4.55(t,
1H),6.18(d,1H),6.82(d,4H),7.20〜7.65(m,14),7.90(
d,1H),8.12(d,1H)。10%MeOH/CHCl3内に0.46。
この化合物をピリジン(10ml)内に再び溶解した。酢酸無水物(2ml)を加え
て、その混合物を室温で3.5時間撹拌した。ピリジンを取り出し残留物をEtOA
cおよび0.1N HCl間で分けた。次に、有機層を飽和NaHCO3と塩水で連続
的に洗浄した。EtOAc溶液をNa2SO4上で乾燥、蒸発させて無色のフォーム
(754mg)を得た。NMR
:(DMSO−d6)β=1.95(s,3H),2.36(m,1H),3.75〜3
.85(m,2H),4.08(m,1H),4.45(m,1H),6.26(t,1H),8
.05(d,1H)。
実施例4
二量体の合成
方式2に示している一般的な方式で単量体物質から二量体をつくった。
A. α−L,β−D 5FUdR二量体(L−103)5′−O−ジメトキシトリチル−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジ ン(20a)
α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(19a)を乾燥した蒸留ピリ
ジン10ml内に溶解した。この溶液に4,4′−塩化ジメトキシトリチル(813mg
,2.4mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(50mg,0.4mmol)を加
えた。この混合物をアルゴン雰囲気下で16時間撹拌した。この後、ピリジンを真
空内でストリッピングした。残留物をジクロロメタン(50ml)内に溶解した。有
機層を0.3N HCl、塩水、飽和NaHCO3、水、そして再度塩水で洗浄した。
この有機層をNa2SO4上で乾燥し、ろ過後、真空内で蒸発させて、残留物をシ
リカ・ゲル・カラム上で10%MeOH/CHCl3を用いて精製した。純粋な画分を
プールして蒸発させたところ、純粋な製品がやや白色フォーム(679mg,86%イ
ールド)として得られた。Rf=10%MeOH/CHCl3内に0.48。NMR
:(DMSO−d6)δ=2.3(dd,1H),2.72〜2.81(m,1H),3.
15〜3.26(m,2H),3.75(s,6H),4.45(m,2H),6.23(dd,1H
),6.92(d,1H),7.2〜7.3(m,13H),7.94(d,1H)。5′−O−ジメトキシトリチル−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジ ン−3′−N,N−ジイソプロピルメトキシ−ホスホルアミジト(21a)
5′−O−ジメトキシトリチル−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリ
ジン(20a,548mg,1mmol)を無水ジクロロメタン(20ml)に溶解した。N,
N−ジイソプロピルエチルアミン(518mg,700,μl)を隔壁を介して加え、そ
の後、クロロ−N,N−ジイソプロピルメトキシホスフィン(297mg)をアルゴ
ン雰囲気下で加えた。反応物を30分間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残留物を50%
EtOAc/トリエチルアミン混合物と塩水との間で分割した。有機性残留物を蒸
発させて乾燥させ、残留物をシリカ・ゲル・カラム上でジクロロメタン、EtO
Ac、トリエチルアミンの混合物(45:45:10;Rf=0.69)を用いて精製した。
生成物(390mg)を黄色フォームとして分離し、これを次のステップでさらに精
製することなしに用いた。3′−O−アセトキシ 5′−ジメトキシトリチル β−D−5−フルオロ−2 ′−デオキシウリジン(23b)
β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(22b,492mg,2mmol)を
乾燥、蒸留ピリジン10mlに溶解した。この溶液に4,4′−塩化ジメトキシトリ
チル(813mg,2.4mmol)とDMAP(50mg,0.4mmol)を加えた。この混合物をア
ルゴン雰囲気下で16時間撹拌した。その後、ピリジンを真空内でストリッピング
した。残留物をジクロロメタン(50ml)に
溶解した。有機層を0.3N HCl、塩水、飽和NaHCO3、そして再度塩水で洗
浄した。この有機層をNa2SO4上で乾燥させ、ろ過、真空内蒸発させて、残留
物をシリカ・ゲル・カラム上で10%MeOH/CHCl3を用いて精製した。純粋な
画分をプールして蒸発させ、純粋な生成物をやや白色のフォーム(694mg,88%
イールド)として得た。Rf=10%NaOH/CHCl3内に0.46。
この化合物をピリジン(10)に再度溶解した。無水酢酸(2ml)を加えて、その
混合物を室温で3.5時間撹拌した。ピリジンを真空内で取り除いて、残留物をEl
OAcと0.1N HClとの間に分けた。その後、有機層を飽和NaHCO3および
塩水で連続的に洗浄した。EtOAc溶液をNa2SO4上で蒸発させ無色のフォー
ム(754mg)を得た。NMR
:(DMSO−d6)δ=1.95(s,3H),2.36(m,1H),3.75〜3
.85(m,2H),4.08(m,1H),4.45(m,1H),6.26(t,1H),8
.05(d,1H)。5′−O−ジメトキシトリチル−3′−[O−(3′−O−アセチル)−β−D −5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル]−α−L−5−フルオロ−2′− デオキシウリジン メチル・ホスファイト・エステル(25a)
3′−アセチル−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(355mg、0
.62mmol)を乾燥アセトニトリル(5ml)内に溶解した。昇華させた1H−テト
ラソル(80mg)を加えて、その混合物をアルゴン雰囲気下で15分間撹拌した。化
合
物21a(380mg,0.6mmol)を乾燥アセトニトリル5mlに溶解した溶液を注射器を
用いて反応溶液に5分間かけて加えた。その混合物を室温で3時間撹拌した。ア
セトニトリルを真空内で蒸発させて残留物を得た。この残留物を70%EtOAc混
合物とともに粉末化した。溶けなかったテトラソルはろ過除去して、ろ液を蒸発
させたところ乾燥した黄色フォームが得られた(468mg)。このフォームを次の
ステップでさらに精製することなく用いた。(3′−アセトキシ−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−α −L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン・メチル・ホスフェート・エステ ル(26a)
二量体25a(504mg)をTHF8mgと0.2mlの水を含んだ2,6ルチジンとの溶
液に溶解した。ヨード結晶(26mg)を加えて、ゆるやかに栓をしたフラスコの中
味を2.5時間撹拌した。過剰のヨードを1、2滴の飽和ナトリウム・チオスルフ
ェートを加えて除去した。この反応混合物を蒸発させて乾燥した。残留物(530m
g)を80%酢酸と水の溶液に溶かして、3時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残留
物をシリカ・ゲル・カラム上で20%MeOH/CHCl3を用いて精製した。TLC
(10%MeOH/CHCl3、Rf=0.35)による1スポットを含んだ画分をプール
して蒸発させたところ、純粋な生成物(316mg)が得られた。NMR
:(DMSO−d6)δ=1.96(s,3H),2.2〜2.4(m,2H),2.6
5〜2.72(m,1H),3.54〜3.85
(m,4H),4.02(m,1H),4.45(m,2H),6.08(dd,1H),6.26
(dt,1H),8.05(d,1H),8.08(d,1H)。
P31 NMR:(CD3OD)δ=0.77(s),1.16(s)。3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−α−L−5 −フルオロ−2′−デオキシウリジン(27a)[α−L,β−D、5FUdR二 量体−3′→5′−1037
O−保護二量体26a(280mg)を飽和メタノール性アンモニア20mlを用いて室
温で16時間措置した。溶剤を真空でストリッピングして、残留物をクロロフォル
ム(3×20ml)を用いて粉末化させた。この粉末をデカント・オフして残留物を
シリカ・ゲル・クロマトグラフィーで30%MeOH/CHCl3を用いて精製した。
純粋な画分を蒸発、乾燥させて純粋な生成物(162mg)を得た。NMR
:(D2O)δ=2.2〜2.4(m,2H),2.65〜2.71(m,1H),3.54
〜3.85(m,5H),4.05(t,1H),4.42(m,2H),6.06(dd,1H)
,6.24(dt,1H),8.04(d,1H),8.06(d,1H)。
P31 NMR:(CD7OD)δ=0.04(s)。5′−O−ジメトキシトリチル−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジ ン−3′−N,N−ジイソプロピルメトキシ・ホスホラミジト(21b)
5′−O−ジメトキシトリチル−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリ
ジン(20a,548mg,1mmol)を無水ジク
ロロメタン(20ml)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(518mg,700ml)を
隔膜を介して加え、その後クロロ−N,N−ジイソプロピルメトキシホスフェー
ト(297mg)をアルゴン雰囲気下で加えた。この反応物を蒸発させ、残留物を80
%EtOAc/トリエチルアミン混合物および塩水間で分けた。有機層を0.1N H
Cl。飽和NaHCO3溶液および塩水で洗浄した。有機残留物を蒸発乾燥させ、
残留物をシリカ・ゲル・カラム上でジクロロメタン、EtOAc、およびトリエチ
ルアミン(45:45:10、Rf=0.62)の混合物を用いて精製した。生成物(431mg
)を黄色フォームとして分離し、次のステップでさらに精製することなく用いた
。
B. β−D,α−L,5FUdR二量体 5′−O−ジメトキシトリチル−3′−[O−(3′−O−アセチル)−α−L −5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル]−β−D−5−フルオロ−2′− デオキシウリジン・メチル・ホスフェート・エステル(25b)
3′−O−アセチル−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、化合
物24(355mg,0.62mmol)を乾燥アセトニトリル(5ml)に溶解した。昇華させ
た1H−テトラゾル(80mg)を加えて、その混合物をアルゴン雰囲気下で15分間
撹拌した。化合物21(380mg,0.6mmol)を乾燥アセトニトリル5ml内に溶かした
溶液を注射器を用いてこの反応溶液に5分間かけて加えた。この混合物を室温で
3時間撹拌した。アセトニトリルを真空内で蒸発させて残留物を得た。この残留
物を70%EtOAc/エーテル混合物と共に粉末化した。溶けなかったテトラゾル
をろ過除去して、ろ液を蒸発させ黄色フォーム(484mg)を得た。このフォーム
を次のステップでさらに精製することなしに用いた。(3′−アセトキシ−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−β −D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン・メチル・ホスフェート・エステ ル(26b)
還元形態の二量体、化合物25b(526mg)をTHF8ml及び0.2mlの水を含む2.
6ルチジンに溶かした。ヨード結晶(26mg)を加え、ゆるく栓をしたフラスコの
中味を2.5時間撹拌した。過剰なヨードを飽和ナトリウム・トリスルフェートを
加えて除去した。この反応混合物を蒸発乾燥させた。残留物(578mg)を80%酢
酸/水溶液に解かして、3時間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残留物をシリカ・ゲ
ル・カラム上で20%MeOH/CHCl3を用いて精製した。TLCで1スポット含
んだ画分(10%MeOH/CHCl3、Rf−0.35)をプールして、乾燥させ、純粋
な生成物(342mg)を得た。NMR
:(DMSO−d6)δ=1.98(s,3H),2.2〜2.4(m,2H),2.6
2〜2.71(m,1H),3.5〜3.8(m,4H),4.02(m,1H),4.42(m,
2H),6.10(dd,1H),6.26(dt,1H),8.00(d,1H),8.04(d,
1H)。3′−O−(α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)(3′→5′ )−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン[β−D,α−L 5FU dR二量体],L−102(27b)
O−保護二量体、化合物26b(170mg)を飽和メタノール性アンモニア20mlを
用いて室温で16時間措置した。溶剤を真空内でストリッピングして、残留物をク
ロロフォルム(3×20ml)で粉末化した。この粉末をデカント・オフして、その
残留物をシリカ・ゲル・クロマトグラフィーで、30%MeOH/CHCl3を用いて
精製した。純粋な画分を蒸発乾燥させ、純粋な化合物(89mg)を得た。NMR
:(D2O)δ=2.2〜2.4(m,2H),2.65〜2.71(m,1H),3.54
〜3.85(m,5H),4.05(t,1H),4.42(m,2H),6.06(dd,1H)
,6.23(dt,1H),8.00(d,1H),8.04(d,1H)。
C. α−L dU,β−D 5FUdR二量体(L−107) 5′−O−(ジメトキシトリチル)−2′−デオキシ−α−L−ウリジン(20c )
α−L−2′−デオキシウリジン(1.5g,6.57mmol)を乾燥した蒸留ピリジ
ン25mlに溶解した。この溶液に4,4′−塩化ジメトキシトリシル(2.9g,7.8
9mmol)及び4−ジメチルアミノ・ピリジン(DMAP)(160mg,1.31mmol)を
加えた。混合物をアルゴン雰囲気下で16時間撹拌した。その後、ピリジンを真空
内でストリッピングした。この残留物を
ジクロロメタン(50ml)に溶解した。有機層を0.3N HCl、塩水、飽和NaHC
O3、および再度塩水で洗浄した。この有機層をNa2SO4上で乾燥、ろ過させ、
真空内で蒸発させ、残留物をシリカ・ゲル・カラム上で5%MeOH/CHCl3を
用いて精製した。純粋な画分をプールし、蒸発させたところ、純粋な生成物をや
や白色のフォーム(2.84g,81%イールド)として得た。NMR
:(DMSO−d6)δ=2.29(d,1H),2.70(m,2H),3.17(
m,2H),3.78(s,6H),4.44(m,2H),5.63(d,1H),6.19(
d,1H),6.83(d,4H),7.28(m,9H),7.68(d,1H),9.30(
br s,1H)。5′−O−(ジメトキシトリチル)−α−L−2′−デオキシウリジン−3′− N,N−ジイソプロピルメトキシ・ホスホルアミジト(21c)
5′−O−ジメトキシトリチル−α−L−2′−デオキシウリジン(2.35g,
4.43mmol)を無水ジクロロメタン(50ml)に溶解した。N,N−ジイソプロピル
エチルアミン(3.1ml,17.72mmol)を隔膜を介して付加し、その後クロロ−n,
N−ジイソプロピルメトキシホスフィン(1.3ml,6.64mmol)をアルゴン雰囲気
下で加えた。この反応物を30分間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残留物を80%Et
OAc/トリエチルアミン混合物および塩水間に分けた。有機層を0.01N HCl
、飽和NaHCO3溶液、そして塩水で洗浄した。この有機残留物を
蒸発乾燥させて、その残留物をシリカ・ゲル・カラム上でジクロロメタン、Et
OAc、およびトリエチルアミンの混合物(40:50:10;Rf=0.69)を用いて精
製した。生成物を定量的に黄色フォームとして単離し、次のステップでさらに精
製することなく用いた。3′−アセトキシ−5′−O−ジメトキシトリチル−3′−[O−5−β−D− フルオロ−2′−デオキシウリジニル]−2′−デオキシ−α−L−ウリジン・ メチル・ホスフェート・エステル(25c)
3′−O−アセチル−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(0.95
g,3.29mmol)を乾燥アセトニトリル(125ml)に溶解した。昇華させた1H−
テトラゾル(350mg,4.91)を付加し、混合物をアルゴン雰囲気下で15分間撹拌
した。化合物21c(4.91mmol)を乾燥アセトニトリル5ml内に溶かした溶液を注
射器で反応物溶液に5分間かけて加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。
アセトニトリルを真空内で還元して残留物を得た。この残留物を70%EtOAc/
エーテル混合物と共に粉末化した。溶けなかったテトラゾルをろ過除去して、ろ
過物を蒸発させ、乾燥した黄色フォームを得た。この化合物をシリカ・ゲル・カ
ラム上で5%MeOH/CHCl3を用いてさらに精製し、純粋な生成物(2.81g,
97%イールド)を得た。3′−アセトキシ−β−D−5′−フルオロ−2′−デオキシウリジニル−α− L−2′−デオキシウリジン・メチル/ホスフェート・エステル(26c)
還元形態の二量体、化合物25c(2.81g,3.2mmol)をTHF:ルチジン:水
(25:6:0.6)の混合物に溶解した。ヨード結晶(150mg)を加え、緩く栓をし
たフラスコの中味を2.5時間撹拌した。過剰なヨードを飽和ナトリウム・トリス
ルフェートを数滴滴下付加して取り除いた。この反応物混合物を蒸発乾燥させた
。残留物(1.48g)を80%酢酸/水溶液25mlに溶解して、3時間撹拌した。溶剤
を蒸発させ、残留物をシリカ・ゲル・カラム上で10%MeOH/CHCl3を用いて
精製した。TLCで1スポットを含む画分(10%MeOH/CHCl3、Rf=0.35
)をプールし、蒸発させて、純粋な生成物(0.465g,25%イールド)を得た。NMR
:(CD3OD)δ=2.09(d,3H),2.40(m,3H),2.80(m,
1H),3.78(dd,3H),4.30(m,3H),4.63(m,1H),5.05(m,
1H),5.23(m,1H),5.70(d,1H),6.13(m,1H),6.20(m,
1H),7.73(d,1H),7.82(d,1H)。
P31 NMR:(CD3OD)δ=0.56(s),0.84(s)。3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)(3′→5′ )−α−L−2′−デオキシウリジン(L−107)(27c)
O−保護二量体、化合物26c(465mg,0.78mmol)を室温
で飽和メタノール性アンモニア50mlで処理した。溶剤を真空内でストリッピング
して、残留物をクロロフォルム(3×20ml)と共に粉末化した。この粉末をデカ
ント・オフして残留物をシリカ・ゲル・クロマトグラフィーで30%MeOH/CH
Cl3を用いて精製した。純粋な画分を蒸発乾燥して、純粋な生成物(370mg,87.
7%イールド)を得た。NMR
:(CD3OD)δ=2.23(m,2H),2.29(d,1H),2.73(m,
1H),4.0(d,2H),4.42(m,1H),4.56(m,1H),4.81(m,
1H),5.69(d,1H),6.24(m,2H),7.85(d,1H),8.02(d,
1H)。P31 NMR
:(CD3OD)δ=1.25(s)
D. (L−109)β−L,β−L 5FUdR二量体 5′−O−ジメトキシトリチル−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジ ン(20d)
β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(19d,1.42g,5.77mmol)
を乾燥した蒸留ピリジン25ml内に溶解した。この溶液に4,4′−塩化ジメトキ
シトリチル(2.34g,6.92mmol)と4−ジメチルアミノ・ピリジン(DMAP)
(140mg,1.15mmol)を加えた。この混合物をアルゴン雰囲気下で16時間撹拌し
た。その後、ピリジンを真空内でストリッピングした。残留物をジクロロメタン
(50ml)内に溶解した。有機層を0.3N HCl、塩水、飽和NaHCO3、そして
再度塩水で洗浄した。この有機層をNa2SO4上で乾燥して、
ろ過し、真空内で蒸発させて、残留物をシリカ・ゲル・カラム上で5%MeOH/
CHCl3を用いて精製した。純粋な画分をプールし、蒸発させて純粋な生成物を
やや白色フォーム(2.88g,88.7%イールド)として得た。NMR
:(CDCl3)δ=2.25(m,1H),2.50(m,1H),3.50(m,
2H),3.80(s,6H),4.08(m,1H),4.58(m,1H),6.30(t,
1H),6.84(d,4H),7.28(m,9H),7.82(d,1H),8.58(br s
,1H)。3′−O−アセトキシ−5′−O−ジメトキシトリチル−β−D−5−フルオロ −2′−デオキシウリジン(23d)
β−L−5−フルオロ−2′デオキシウリジン(20d,800mg,1.46mmol)を
乾燥した蒸留ピリジン30ml内に溶解した。この溶液に4,4′−塩化ジメトキシ
トリチル(813mg,2.4mmol)およびDMAP(40mg,0.29mmol)を加えた。この
混合物をアルゴン雰囲気下で16時間撹拌した。その後、ピリジンを真空内でスト
リッピングした。残留物をジクロロメタン(50ml)内に溶解した。有機層を0.3
N HCl、飽和NaHCO3、及び塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥
して、ろ過し、真空内で蒸発させて、残留物をシリカ・ゲル・カラム上で10%M
eOH/CHCl3を用いて精製した。純粋な画分をプールして蒸発させ、純粋な生
成物をやや白色のフォーム(694mg,88%イールド)として得た。Rf=10%Me
OH/CHCl3内で0.46。
この化合物をピリジン(10ml)に再溶解した。酢酸無水物(2ml)を加え、混
合物を室温で3.5時間撹拌した。ピリジンを真空内で除去して、残留物をEtOA
cと0.1N HCl間で分けた。その後、有機層を飽和NaHCO3および塩水で連続
的に洗浄した。EtOAcをNa2SO4上で乾燥して、蒸発させ、無色のフォーム
を得た。
このフォームを80%HOAc20ml内に溶解して、3時間撹拌した。溶剤を真空
内で蒸発させ、残留物をシリカ・ゲル・カラム上で10%MeOH/CHCl3で精製
して、(340mg、80%イールド)を得た。5′−O−ジメトキシトリチル−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジ ン−3′−N,N−ジイソプロピルメトキシ・ホスホルアミジト(21d)
5′−O−ジメトキシトリチル−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリ
ジン(20d,840mg,1.53mmol)を無水ジクロロメタン(50ml)に溶解した。N
,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.1ml,6.13mmol)を隔壁を介して加え、
その後、クロロ−N,N−ジイソプロピルメトキシホスフィン(0.42ml,2.3mmo
l)をアルゴン雰囲気下で加えた。この反応物を30分間撹拌した。溶剤を蒸発さ
せ、残留物を80%EtOAc/トリエチルアミン混合物、及び塩水間で分けた。有
機層を0.1N HCl、飽和NaHCO3溶液、および塩水で洗浄した。有機性残留
物を蒸発乾燥し、残留物をシリカ・ゲル・カラム上でジクロロメタン、EtOAc
、およびトリエチルア
ミン(45:45:10;Rf=0.69)の混合物を用いて精製した。生成物(700mg,65
%)を黄色フォームとして単離し、次のステップでさらに精製せずに用いた。5′−O−ジメトキシトリチル−3′−[O−(3′−O−アセチル)−β−L −5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル]−β−L−5−フルオロ−2′− デオキシウリジン・メチル・ホスファイト・エステル(25d)
3′−アセチル−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、化合物24
d(330mg,1.15mmol)を乾燥アセトニトリル(50ml)に溶解した。昇華させた
1H−テトラゾル(120mg,1.77mmol)を加えて、その混合物をアルゴン雰囲気
下で15分間撹拌した。化合物21d(950mg,1.36mmol)を乾燥アセトニトリルに
解かした溶液を注射器で反応物混合物に5分間かけて加えた。この混合物を室温
で3時間撹拌した。アセトニトリルを真空内で蒸発して、残留物を得た。この残
留物を70%EtOAc/エーテル混合物で粉末化した。溶けなかったテトラゾルを
ろ過除去して、ろ液を蒸発させ、乾燥した黄色フォームを得た。このフォームを
シリカ・ゲル・カラム上で5%MeOH/CHCl3を用いて精製し、純粋な生成物
(960mg,93%イールド)を得た。NMR
:(CDCl3)δ=2.10(d,3H),2.28(m,2H),2.49(m,2
H),3.42(m,3H),3.51(dd,3H),3.76(s,6H),4.07(m,1
H),4.55(m,1H),4.87(m,1H),5.23(m,1H),6.30(m,2
H),6.84(d,4H),7.30(m,9H),7.82(m,2H)。(3′−アセトキシ−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−α −L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン・メチル・ホスフェート・エステ ル(26d)
還元形態の二量体、化合物25d(960mg,1.07mmol)をTHF:ルチジン:水
(12:3:0.3)を含んでいる混合物に溶解した。ヨード結晶(50mg)を加えて
、緩く栓をしたフラスコの中味を2.5時間撹拌した。過剰なヨードは1,2滴の
飽和ナトリウム・チオスルフェートを加えて取り除いた。この反応混合物を蒸発
乾燥した。残留物(530mg)を80%酢酸/水溶液に溶かして、3時間撹拌した。
溶剤を蒸発して、残留物をシリカ・ゲル・カラム上で、10%MeOH/CHCl3を
用いて精製した。TLC(10%MeOH/CHCl3;Rf=0.35)で1スポットを
含んでいる画分をプールして、純粋な生成物(310mg,46%イールド)を得た。NMR
:(CD3OD)δ=2.08(s,3H),2.35〜2.54(m,4H),3.79
(m,2H),3.83(dd,3H),4.18(m,2H),5.08(m,1H),5.29
(m,1H),6.24(m,1H),7.86(dd,1H),8.19(dd,1H)。P31 NMR
:(CD3OD)δ=0.82(s),1.03(s)。3′−O−(β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5 ′)−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(27d)[L−109]
O−保護二量体、化合物26d(300mg,0.49mmol)を飽和メタノール性アンモ
ニアを用いて16時間室温で処理した。溶剤を真空内でストリッピングして、残留
物をクロロフォルム(3×20ml)で粉末化した。この粉末をデカント・オフして
残留物をシリカ・ゲル・クロマトグラフィー上で30%MeOH/CHCl3を用いて
精製した。純粋な画分を蒸発乾燥させ、純粋な生成物(240mg,85%イールド)
を得た。NMR
:(CD3OD)δ=2.25(m,3H),2.50(m,1H),3.79(d,
2H),4.03(m,1H),4.08(m,2H),4.18(m,1H),4.44(m,
1H),4.90(m,1H),6.25(t,1H),8.01(d,1H),8.24(d,
1H)。P31 NMR
:(CD3OD)δ=0.18(s)
E. β−L,β−D−5FUdR二量体L−110 5′−O−ジメトキシトリチル−3′−[O−(3′−O−アセチル)−β−D −5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル]−β−D−5−フルオロ−2′− デオキシウリジン・メチル・ホスファイト・エステル(25e)
3′−O−アセチル−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(250m
g,0.97mmol)を乾燥アセトニトリル(50ml)に溶解した。昇華させた1H−テ
トラゾル(100mg,1.46mmol)を加えて、その混合物をアルゴン雰囲気下で15分
間撹拌した。化合物21a(1.02g,1.46mmol)の溶液を注射器を介して反応溶液
に5分間かけて加えた。この混合物を室
温で3時間撹拌した。アセトニトリルを真空内で蒸発して、残留物を得た。この
残留物を70%EtOAc/エーテル混合物を使って粉末化した。溶解しなかったテ
トラゾルをろ過して、ろ液を蒸発し、乾燥した黄色フォームを得た。このフォー
ムをシリカ・ゲル・カラム上で5%MeOH/CHCl3を用いて精製し、純粋な生
成物を定量的に得た。(3′−アセトキシ−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−β −D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン・メチル・ホスフェート・エステ ル(26e)
還元形態の二量体、化合物25e(700mg,0.78mmol)をTHF:ルチジン:水
(25:6:0.6)を含んだ混合物に溶解した。ヨード結晶(100mg)を加えて、緩
く栓をしたフラスコの中味を2.5時間撹拌した。過剰のヨードは1,2滴の飽和
ナトリウム・チオスルフェートを滴下して取り除いた。この反応混合物を蒸発乾
燥した。残留物を80%酢酸/水溶液に溶解して、3時間撹拌した。溶剤を蒸発さ
せ、残留物をシリカ・ゲル・カラム上で10%MeOH/CHCl3を用いて精製した
。TLC(10%MeOH/CHCl3;Rf=0.35)を含んでいる画分をプールして
、蒸発させ、純粋な生成物(340mg,71.4%イールド)を得た。NMR
:(DMSO−d6)δ=2.06(s,3H),2.37(m,4H),3.45(
m,2H),3.65(d,3H),4.20(m,3H),4.95(m,1H),5.30(
m,1H),5.96(m,1H),6.15(t,2H),7.99(d,1H),8.16
(d,1H),11.90(br s,2H)。P31 NMR
:(DMSO−d6)δ=1.93(s),2.01(s)。3′−O−(β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5 ′)−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(27e)[L−110]
O−保護二量体、化合物26e(340mg,0.57mmol)を飽和メタノール性アンモ
ニア100mlで16時間室温で処理した。溶剤を真空内でストリッピングし、残留物
をクロロフォルム(3×20ml)で粉末化した。この粉末をデカント・オフして、
残留物をシリカ・ゲル・クロマトグラフィーで30%MeOH/CHCl3で精製した
。純粋な画分を蒸発乾燥させ、純粋な生成物(200mg,66.9%イールド)を得た
。NMR
:(CD3OD)δ=2.20(m,3H),2.53(m,1H),3.79(d,
2H),4.05(m,3H),4.16(m,1H),4.45(m,1H),6.27(t,
2H),8.01(d,1H),8.04(d,1H),8.26(d,1H)。
F. α−L,β−D−5FUdR二量体(3′→3′)(L−122)5′−O−(ジメトキシトリチル)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウ リジン−3′−N,N−ジイソプロピルシアノエチル・ホスホルアミジト(21f )
5′−O−ジメトキシトリチル−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリ
ジン(1.48g,2.71mmol)を無水ジクロ
ロメタン(50ml)に溶解した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.9ml,1
0.84mmol)を隔壁を通じて加え、その後、アルゴン雰囲気下で2′−シアノエチ
ル−N,N−ジイソプロピルクロロホルムアミジト(0.78ml,3.52mmol)を加え
た。反応物を30分間撹拌した。溶剤を蒸発させ、残留物を80%EtOAc/トリエ
チルアミン混合物および塩水間で分けた。有機層を飽和NaHCO3溶液、および
塩水で洗浄した。この有機性残留物を蒸発乾燥させ、残留物をシリカ・ゲル・カ
ラム上で、ジクロロメタン、EtOAc、およびトリエチルアミン(45:45:10;
Rf=0.7)の混合物を用いて精製した。生成物を黄色フォームとして定量的に単
離し、次のステップでさらに精製せずに用いた。5′−O−ジメトキシトリチル−3′−[O−(5′−O−ジメチトキシトリチ ル)−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル−α−L−5−フルオ ロ−2′−デオキシウリジン・シアノエチル・ホスファイト・エステル(25f)
5′−O−ジメトキシトリチル−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリ
ジン(0.44g,0.81mmol)を乾燥アセトニトリル(20ml)に溶解した。昇華1H
−テトラゾル(90mg)を加えて、その混合物をアルゴン雰囲気下で15分間撹拌し
た。化合物21f(0.51mg,0.67mmol)を乾燥アセトニトリル10mlに溶解した溶液
を注射器で反応溶液に5分間をかけて加えた。この混合物を室温で3時間撹拌し
た。アセトニトリルを真空内で蒸発させて残留物を得た。この残留物を70%Et
OAc/
エーテル混合物で粉末化した。溶解しなかったテトラゾルをろ過で除去して、ろ
液を蒸発させ、乾燥した黄色フォーム(970mg)を得た。このフォームを次のス
テップでさらに精製せずに用いた。(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−α−L−5−フルオロ −2′−デオキシウリジン・シアノエチル・ホスフェート・エステル(26f)
二量体、化合物25f(970mg)をTHF16mlおよび水0.4mlを含むピリジン4ml
に溶解した。ヨード結晶(50mg)を加えて、緩く栓をしたフラスコの中味を1時
間撹拌した。過剰なヨードは飽和ナトリウム・チオスルフェートを数滴滴下して
取り除いた。この反応混合物を蒸発乾燥した。粗生成物をEtOAc内で飽和Na
HCO3溶液および塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥、ろ過し、その
後真空内で蒸発させた。残留物を80%酢酸/水溶液の20mlに溶解して、反応が終
了するまで撹拌した。溶剤を蒸発させ、残留物をシリカ・ゲル・カラム上で、10
〜15%MeOH/CHCl3を用いて精製した。TLC(10%MeOH/CHCl3;R
f=0.35)で1スポットを含む画分をプールして蒸発させ、純粋な生成物を得た(
330mg)。3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→3 ′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(27f)[L−122]
O−保護二量体、化合物26f(200mg)を反応が終了する
まで濃縮アンモニア溶液20mlで処理した。溶剤を真空内でストリッピングし、残
留物をDEAEセルロース・イオン交換樹脂カラム上で0.02〜0.2MのNH4CO3
緩衝液の勾配を用いて精製した。純粋な画分を高度の真空内で40℃の温度で蒸
発乾燥して、純粋な生成物(79mg)を得た。NMR
:(CD3OD)δ=2.45(m,3H),2.69(m,1H),3.67(m,
2H),3.76(m,2H),4.13(t,1H),4.65(m,2H),6.19(m,
2H),7.96(td,2H)。P31 NMR
:(D2O)δ=−1.0(s)5′−O−ジメトキシトリチル−3′−[O−(3′−O−アセチル)−β−L −5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル]−α−L−5−フルオロ−2′− デオキシウリジン(25g)
3′−O−アセチル−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(0.19
g,0.67mmol)を乾燥アセトニトリル(20ml)に溶解した。昇華させた1H−テ
トラゾル(70mg)を加えて、その混合物をアルゴン雰囲気下で15分間攪拌した。
化合物21f(0.51mg,0.67mmol)を乾燥アセトニトリルに溶かした溶液を注射器
で反応溶液に5分間かけて加えた。この混合物を室温で3時間攪拌した。アセト
ニトリルを真空内で蒸発させて、残留物を得た。この残留物を70%EtOAc/エ
ーテル混合物で粉末化した。溶けなかったテトラゾルはろ過除去して、ろ液を蒸
発させ、乾燥した黄色フォーム(611mg)
を得た。このフォームを次のステップでさらに精製することなく用いた。(3′−アセトキシ−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−α −L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン・シアノエチル・ホスフェート・ エステル(26g)
二量体、化合物25g(611mg)をTHF8mlと0.2mlの水を含むピリジン2mlに
溶解した。ヨード結晶(30mg)を加えて、緩く栓をしたフラスコの中味を室温で
1時間撹拌した。過剰のヨードは飽和ナトリウム・チオスルフェートを数滴滴下
して取り除いた。反応混合物を蒸発乾燥させた。粗生成物をEtOAc内で飽和N
aHCO3溶液および塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥、ろ過し、真
空内で蒸発させた。残留物を80%酢酸/水溶液20ml内に溶かし、反応が完了する
まで攪拌した。溶剤を蒸発させ、残留物をシリカ・ゲル・カラム上で10〜15%M
eOH/CHCl3を用いて精製した。TLC(10%MeOH/CHCl3 Rf=0.35
)で1スポットを含む画分をプールして、蒸発させ、純水の精製物(200mg)を
得た。3′−O−(β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5 ′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(27g)[α−L,β− L5FUdR二量体、L−119]
O−保護二量体、化合物26g(200mg)を濃縮アンモニア溶液で反応が終了す
るまで処理した。溶液を真空内でストリ
ッピングして、残留物をDEAEセルロース・イオン交換樹脂上で0.02〜0.2M
の範囲のNH4CO3緩衝液の勾配を用いて精製した。純粋な画分を高度の真空内
で40℃で蒸発乾燥させ、純粋な生成物(134mg)を得た。NMR
:(D2O)δ=2.30(m,3H),2.71(m,1H),3.65(m,2H
),4.03(m,2H),4.08(t,1H),4.47(m,1H),4.68(m,2H
),6.13(d,1H),6.24(td,1H),7.89(d,1H),7.95(d,1H
)。5′−O−(ジメトキシトリチル)−β−L−2′−デオキシウリジン−3′− N,N−ジイソプロピルメトキシ・ホスホルアミジト(21h)
5′−O−ジメトキシトリチル−α−L−2′−デオキシウリジン(1.0g,1
.88mmol)を無水ジクロロメタン(50ml)に溶解した。N,N−ジイソプロピル
エチルアミン(1.31ml,7.55mmol)を隔壁を介して加え、その後、クロロ−N,
N−ジイソプロピルメトキシホスフイン(0.55ml,2.83mmol)をアルゴン雰囲気
下で加えた。この反応物を30分間攪拌した。溶剤を蒸発させ、残留物を80%Et
OAc/トリエチルアミンおよび塩水間で分けた。有機層を飽和NaHCO3溶液
および塩水で洗浄した。有機性残留物を蒸発乾燥して、残留物をシリカ・ゲル・
カラム上でジクロロメタン、EtOAc、及びトリメチルアミン(50:40:10;R
f=0.8)の混合物を用いて精製した。この生成物を黄色フォームとして定量的に
単離し、それを次のステップでさらに精製することなく用いた。
ッピングして、残留物をDEAEセルロース・イオン交換樹脂上で0.02〜0.2M
の範囲のNH4CO3緩衝液の勾配を用いて精製した。純粋な画分を高度の真空内
で40℃で蒸発乾燥させ、純粋な生成物(134mg)を得た。NMR
:(D2O)δ=2.30(m,3H),2.71(m,1H),3.65(m,2H
),4.03(m,2H),4.08(t,1H),4.47(m,1H),4.68(m,2H
),6.13(d,1H),6.24(td,1H),7.89(d,1H),7.95(d,1H
)。5′−O−(ジメトキシトリチル)−β−L−2′−デオキシウリジン−3′− N,N−ジイソプロピルメトキシ・ホスホルアミジト(21h)
5′−O−ジメトキシトリチル−α−L−2′−デオキシウリジン(1.0g,1
.88mmol)を無水ジクロロメタン(50ml)に溶解した。N,N−ジイソプロピル
エチルアミン(1.31ml,7.55mmol)を隔壁を介して加え、その後、クロロ−N,
N−ジイソプロピルメトキシホスフィン(0.55ml,2.83mmol)をアルゴン雰囲気
下で加えた。この反応物を30分間攪拌した。溶剤を蒸発させ、残留物を80%Et
OAc/トリエチルアミンおよび塩水間で分けた。有機層を飽和NaHCO3溶液
および塩水で洗浄した。有機性残留物を蒸発乾燥して、残留物をシリカ・ゲル・
カラム上でジクロロメタン、EtOAc、及びトリメチルアミン(50:40:10;R
f=0.8)の混合物を用いて精製した。この生成物を黄色フォームとして定量的に
単離し、それを次のステップでさらに精製することなく用いた。5′−O−ジメトキシトリチル−3′−[O−(3′−アセチル)−β−D−5 −フルオロ−2′−デオキシウルジニル]−L−2′−デオキシウリジン・メチ ル・ホスファイト・エステル(25h)
3′−O−アセチル−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(0.54
g,1.88mmol)を乾燥アセトニトリル(50ml)内に溶解した。昇華させた1H−
テトラゾル(200mg)を加えて、その混合物をアルゴン雰囲気下で15分間攪拌し
た。化合物21h(1.88mmol)を乾燥アセトニトリル15mlに解かした溶液を注射器
で反応溶液に5分間かけて加えた。この混合物を室温で3時間攪拌した。アセト
ニトリルを真空内で蒸発させて残留物を得た。この残留物を70%EtOAc/エー
テル混合物を用いて粉末化した。溶けなかったテトラゾルはろ過除去して、ろ液
を蒸発させ、黄色フォーム(1.08g)を得た。このフォームを次のステップでさ
らに精製することなく用いた。(3′−アセトキシ−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−β −L−2′−デオキシウリジン・メチル・ホスフェート・エステル(26h)
二量体、化合物25h(1.08g)をTHF15mlおよび0.3mlの水を含むピリジン
3ml内に溶解した。ヨード結晶(100mg)を加えて、緩く栓をしたフラスコの中
味を1時間攪拌した。過剰なヨードは飽和ナトリウム・チオスルフェート数滴を
滴下させて除去した。この反応混合物を蒸発乾燥させた。粗生
I. β−L−dC,β−D−5FUdR二量体(L−113)5′−O−ジメトキシトリチル−N4−ベンゾイル−2′−デオキシ−β−L− シチジン(20i)
N4−ベンゾイル−2′−デオキシ−β−L−シチジン(0.8g,2.42)を乾燥
した蒸留ピリジン50ml内に溶解した。この溶液に4,4′−塩化ジメトキシトリ
チル(3.0g,8.85mmol)及び4−ジメチルアミノ/ピリジン(DMAP)(60m
g,0.48mmol)を加えた。この混合物をアルゴン雰囲気下で16時間攪拌した。そ
の後、ピリジンを真空内でストリッピングした。残留物をEtOAc(100ml)に
溶かした。有機層を水、飽和NaHCO3、及び塩水で洗浄した。この有機層をN
a2SO4上で乾燥、ろ過し、真空内で蒸発して、残留物をシリカ・ゲル・カラム
上で10%MeOH/CHCl3を用いて精製した。純粋な画分をプールして、蒸発さ
せ、純粋な生成物をやや白色のフォーム(1.49g,97%イールド)を得た。Rf
=10%MeOH/CHCl3中で0.48。NMR
:(CDCl3−d6)δ=2.3(m,1H),2.75(m,1H),3.42(d
d,2H),3.80(s,6H),4.15(q,2H),4.52(m,1H),6.30(
t,1H),6.82(dd,4H),7.2〜7.6(m,Ar),7.85(d,2H),8.3
2(d,1H),8.76(bs s,1H)。5′−O−(ジメトキシトリチル)−N4−ベンゾイル−デオキシ−β−L−シ チジン−3′−N,N−ジイソプロピルメチル・ホスホルアミジト(21i)
5′−O−ジメトキシトリチル−N4−ベンゾイル−2′−デオキシ−β−L
−シチジン(0.6g,0.95mmol)を無水ジクロロメタン(50ml)に溶解した。N
,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.66ml,3.79mmol)を隔壁を介して加え、
その後クロロ−N,N−ジイソプロピルメトキシホスフィン(0.28ml,1.42mmol
)をアルゴン雰囲気下で加えた。この反応物を30分間攪拌した。溶剤を蒸発させ
、残留物を80%EtOAc/トリエチルアミン混合物および塩水間で分けた。有機
層を飽和NaHCO3溶液および塩水で洗浄した。有機性残留物を蒸発乾燥し、残
留物をシリカ・ゲル・カラム上で、ジクロロメタン、EtOAc、及びトリエチル
アミン(60:30:10;Rf=0.8)の混合物を精製した。生成物は黄色フォームと
して定量的に単離し、それを次のステップでさらに精製することなく用いた。5′−O−ジメトキシトリチル−3′−[O−(3′−O−アセチル)−β−D −5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル]−N4−2′−デオキシ−β−L −シチジン・メチル・ホスファイト・エステル(25i)
3′−O−アセチル−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(0.23
g,0.78mmol)を乾燥アセトニトリル(30ml)に溶解した。昇華させた1H−テ
トラゾル(110mg)を
加えて、その混合物をアルゴン雰囲気下で15分聞攪拌した。化合物21i(0.94mm
ol)を乾燥したアセトニトリル15mlに溶かした溶液を注射器でこの反応溶液に5
分間かけて加えた。この混合物を室温で3時間攪拌した。アセトニトリルを真空
内で蒸発させて残留物を得た。この残留物を70%EtOAc/エーテルで粉末化し
た。溶けなかったテトラゾルをろ過除去して、ろ液を蒸発させ、乾燥した黄色フ
ォーム(0.73g)を得た。このフォームを次のステップでさらに精製することな
く用いた。(3′−アセトキシ−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−N 4−ベンゾイル−2′−デオキシ−β−L−シチジン・メチル・ホスフェート・ エステル(26i)
二量体、化合物25i(0.73g)をTHF20mlおよび0.4mlの水を含んだピリジ
ン4mlに溶解した。ヨード結晶(100mg)を加えて、緩く栓をしたフラスコの中
味を1時間攪拌した。過剰なヨードは飽和ナトリウム・チオスルフェート数滴を
滴下させて除去した。この反応混合物を蒸発乾燥させた。粗生成物をEtOAc内
で飽和NaHCO3溶液および塩水を用いて洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾
燥、ろ過し、真空内で蒸発させた。残留物を80%酢酸/水溶液25mlに溶かして、
反応が完了するまで攪拌した。溶剤を蒸発させ、残留物をシリカ・ゲル・カラム
上で10〜15%MeOH/CHCl3を用いて精製した。TLC(10%MeOH/CHC
l3;Rf=0.4)で1スポットを含む画分をプールし、蒸発させて、純粋な生成物
(108mg)を得た。3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5 ′)−2′−デオキシ−β−L−シチジン(27i)(L−113)
O−保護二量体、化合物26i(108mg)をメタノール性アンモニア溶液で反応
が完了するまで処理した。溶剤を真空内でストリッピングして、残留物をDEA
Eセルロース・イオン交換樹脂上で0.02〜0.2MのNH4CO3緩衝液の勾配を用
いて精製した。純粋な画分を高度の真空内で40℃の温度で蒸発乾燥させ、純粋な
生成物(56mg)を得た。
NMR:(D2O)δ=P31 NMR
:(D2O)δ=0.05(s)
J. β−D−5FUdR,β−L−dC二量体(L−114)5′−O−ジメトキシトリチル−3′−[O−(3′−O−アセチル)−N4− ベンゾイル−2′−デオキシ−β−L−シチジニル]−β−D−5−フルオロ− 2′−デオキシウリジン・シアノエチル・ホスファイト・エステル(25i)
3′−O−アセチル−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(0.25g
,0.67mmol)を乾燥アセトニトリル(30ml)に溶解した。昇華させた1H−テト
ラゾル(94mg)を加えて、その混合物をアルゴン雰囲気下で15分間攪拌した。化
合物21j(0.51g,0.67mmol)を乾燥したアセトニトリル15mlに解かした溶液を
注射器でこの反応溶液に5分間かけて加えた。この混合物を室温で3時間撹拌し
た。アセトニトリルを真空
内で蒸発させて残留物を得た。この残留物を70%EtOAc/エーテルで粉末化し
た。解けなかったテトラゾルをろ過除去して、ろ液を蒸発させ、乾燥した黄色フ
ォーム(0.49g)を得た。このフォームを次のステップでさらに精製することな
く用いた。(3′−アセトキシ−N4−ベンゾイル−2′デオキシ−β−L−シチジニル) −β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル・シアノエチル・ホスフェ ート・エステル(26i)
二量体、化合物25j(0.49g)をTHF8mlおよび0.2mlの水を含んだピリジ
ン2mlに溶解した。ヨード結晶(30mg)を加えて、緩く栓をしたフラスコの中味
を1時間攪拌した。過剰なヨードは飽和ナトリウム・チオスルフェート数滴を滴
下させて除去した。この反応混合物を蒸発乾燥させた。粗生成物をEtOAc内で
飽和NaHCO3溶液および塩水を用いて洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥
、ろ過し、真空内で蒸発させた。残留物を80%酢酸/水溶液25mlに溶かして、反
応が完了するまで攪拌した。溶剤を蒸発させ、残留物をシリカ・ゲル・カラム上
で10〜15%MeOH/CHCl3を用いて精製した。TLC(10%MeOH/CHCl3
;Rf=0.4)で1スポットを含む画分をプールし、蒸発させて、純粋な生成物(
188mg)を得た。3′−O−(2′−デオキシ−β−L−シチジニル)−(3′→5′)−β−D −5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(27j)(L−114)
O−保護二量体、化合物26j(188mg)を濃縮アンモニア溶液100mlで反応が終
了するまで処理した。溶液を真空内でストリッピングして、残留物をDEAEセ
ルロース・イオン交換樹脂上で0.02〜0.2Mの範囲のNH4CO3緩衝液の勾配を
用いて精製した。純粋な画分を高度の真空内で40℃で蒸発乾燥させ、純粋な生成
物(105g)を得た。NMR
:(D2O)δ=2.30(m,3H),2.50(m,1H),3.80(m,2H
),4.05(m,2H),4.10(m,2H),4.20(m,1H),4.52(m,1H
),4.75(m,1H),6.05(d,1H),6.29(q,2H),7.89(d,1H
),9.03(d,1H)。P31 NMR
:(D2O)δ=0.05(s)
K. β−D 5FUdR,α−L−DC二量体(L−115)5′−O−ジメトキシトリチル−3′−[O−(3′−O−アセチル)−N4ベ ンゾイル−2′−デオキシ−α−L−シチジニル]−β−D−5−フルオロ−2 ′−デオキシウリジン・シアノエチル・ホスファイト・エステル(25k)
3′−O−アセチル−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(0.19
g,0.51mmol)を乾燥アセトニトリル(30ml)に溶解した。昇華させた1H−テ
トラゾル(80mg)を加えて、その混合物をアルゴン雰囲気下で15分間攪拌した。
化
合物21k(0.45g,0.61mmol)を乾燥したアセトニトリル15mlに溶かした溶液を
注射器でこの反応溶液に5分間かけて加えた。この混合物を室温で3時間攪拌し
た。アセトニトリルを真空内で蒸発させて残留物を得た。この残留物を70%Et
OAc/エーテル混合物で粉砕した。溶けなかったテトラゾルをろ過除去して、
ろ液を蒸発させ、乾燥した黄色フォーム(0.42g)を得た。このフォームを次の
ステップでさらに精製することなく用いた。(3′−アセトキシ−N4−ベンゾイル−2′−デオキシ−α−L−シチジニル )−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル・シアノエチル・ホスフ ェート・エステル(26k)
二量体、化合物25k(0.42g)をTHF10mlおよび0.2mlの水を含んだピリジ
ン2mlに溶解した。ヨード結晶(45mg)を加えて、緩く栓をしたフラスコの中味
を1時間攪拌した。過剰なヨードは飽和ナトリウム・チオスルフェート数滴を滴
下させて除去した。この反応混合物を蒸発乾燥させた。粗生成物をEtOAc内で
飽和NaHCO3溶液および塩水を用いて洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥
、ろ過し、真空内で蒸発させた。残留物を80%酢酸/水溶液25ml内に溶かして、
反応が完了するまで攪拌した。溶剤を蒸発させ、残留物をシリカ・ゲル・カラム
上で10〜15%MeOH/CHCl3を用いて精製した。TLC(10%MeOH/CH
Cl3;Rf=0.4)で1スポットを含む画分をプールし、蒸発させて、純粋な生成
物(125mg)を得た。3′−O−(2′−デオキシ−α−L−シチジニル)−3′→5′−β−D−5 −フルオロ−2′−デオキシウリジン(27K)
O−保護二量体、化合物26k(125mg)を濃縮アンモニア溶液100mlで反応が終
了するまで処理した。溶液を真空内でストリッピングして、残留物をDEAEセ
ルロース・イオン交換樹脂上で0.02〜0.2Mの範囲のNH4CO3緩衝液の勾配を
用いて精製した。純粋な画分を高度の真空内で40℃で蒸発乾燥させ、純粋な生成
物(40g)を得た。NMR
:(D2O)δ=2.15(m,1H),2.35(m,1H),2.60(m,1H
),2.71(m,1H),3.81(m,2H),3.97(m,1H),4.22(m,1H
),4.52(m,1H),6.02(d,1H),6.15(q,2H),6.28(t,1H
),7.87(d,1H),8.03(d,1H)。P31 NMR
:(D2O)δ=−0.12(s)
実施例5
B16メラトーマおよびP388白血病および
293 進行性テロメラーゼに関する抑止アッセイ
における二量体のインビトロ・テスト
上記二量体の生物学的効果をP388白血病およびB16黒色腫細胞株に対するお
よび293進行性テロメラーゼに対する抑止アッセイにおける単量体5−FUdRの
生物学的効果と比較した。テロメラーゼ(telomerase)は正常な体細胞において
は表現されず、通常、生殖細胞系および胎児細胞でだけ表
現されるDNA進行性酵素である。多くのタイプの癌細胞で、酵素活性は再活性
化され、その他のテロメラーゼ抑制因子は貴重な新しいタイプの抗腫瘍薬として
役立つことができる。
この結果は、プロトタイプ二量体がマウス培養白血病P388およびメラノーマ
B16細胞の成長を非常に大きな抗ウィルス性化合物(1nM以下のいくつかのIC50
値)を抑制することを示している。このIC50値はFuDRより何倍も強力で
ある。これらの結果は予期されないもので、したがって、これらの化合物は非常
にユニークなものである。
テロメラーゼ抑制に関する予備的な結果は非常に興味深い。α−L,β−D二
量体は比較対照と比較して84%酵素を抑止した。
これらのデータはL糖類を含んでいる二量体は非常に興味
深い特性を有しており、新しいタイプの強力な抗腫瘍薬を示している。これらL
−二量体の活性特性は元の単量体薬品β−D−5FUdRとは異なっている。
これら二量体の生物学的効果をP388白血病およびB16メラノーマ細胞株に対
する単量体5−FUdRの効果と比較した。これらの結果を表3に示す。
これらのデータはα−Lまたはβ−L−ヌクレオシドと結合したβ−D−5F
UdRを含んでいるジヌクレオシド・モノホスフェート化合物が、低IC50値に
よって証拠づけられているようにマウスP388白血病およびB16メラノーマ細胞
株に対してインビトロでの優れた作用を発揮することを示している。このことは
、こうしたヌクレオシド二量体が実際に5−FUdRの作用とは異なったメカニ
ズムによって示され、あるいは5−FUdRとは異なった形で代謝および/また
は輸送されることを示唆している。
実施例6
チミジレート・シンセターゼ活性の測定とインビトロ
での完全なL1210白血病細胞におけるその抑止
マウス白血病L1210細胞を細胞培養フラスコから取り出して、その細胞濃度を
測定する。次にそれらの細胞を望ましい量の培養液内に再懸濁させて、細胞濃度
5×107細胞/mLを得る。テスト対象の化合物のストック溶液の一連の希釈液を調
製する(濃度は108Mから10-8Mの範囲)。望ましい濃度のテスト対象化合物の
溶液を微小遠心分離チューブに入れて37℃の温度でシェーキング・ウォーター・
バスを用いて培養した。反応は80μlの細胞懸濁液を30または60分間予備培養し
て、シェーキング・ウーォーター・バス内で37℃の温度で30分間撹拌してから[
5−3H]−2’−デオキシシチジン(10μL、ストック溶液の濃度−10-5M)を
加えることによって開始される。また反応は4%HClO4に10%木炭を加
えたもの100μLを加えることによって終了される。チューブは渦巻きを発生さ
せることによって活発に撹拌してから、Beckman Microfuge内で10分間遠心分離
をかける。各チューブから取った上澄液画分の100μLの放射活性をトルエン系シ
ンチレーション混合物を用いてPackard Tri-Carb(モデル2450または3255)液体
シンチレーション分光計でカウントした。トリチウムの放出は加えられた放射能
の総量の割合として表現される。ドーズ応答曲線から判定されたIC50値はトリ
チウムの放出を50%抑止するのに必要な抑止因子の濃度を示している。以下の表
4はトリチウム放出の分析およびIC50判定の分析結果を示している。
実施例7
P388白血病B16メラノーマにおける
二量体のインビボ・テスト
A.実 験
1. P388白血病
腫瘍化B6D2F1マウスからP388細胞を含んだ腹水液を取り出して、その
細胞を遠心分離し、その後食塩水に白血病細胞を再懸濁させることで調製したP
388マウス白血病細胞をB6D2F1マウスに接種した。マウスには1×106個の
P388細胞が日0に接種された。日1に、腫瘍化されたマウスを上記二量体およ
び比較対象薬で措置した。薬品投与のルートは生殖腺経由であり、選択された投
与スケジュールは1日5回であった。最大許容投与量(MTD)は各二量体につ
いて200mg/kgで、これは腫瘍を形成していないマウスにおける初回投与実験で判
定された。実際の実験ではL−103は100mg/kg及び50mg/kgの割合で投与された。
2. B16メラノーマ
マウス体内で成長しているB16腫瘍から調製されたB16マウス黒色腫を生殖腺
経由でB6D2F1マウスに接種した(日0)。日1に、腫瘍を形成したマウス
を上記二量体と比較対象薬で措置した。薬品投与のルートは生殖腺経由で、選択
された投与スケジュールは1日5回であった。最大許容投与量(MTD)は各二
量体について200mg/kgで、これは腫瘍を形成していないマウスにおける初回投与
実験で測定された。
実際の実験ではL−103は100mg/kg及び50mg/kgの割合で投与された。
3. 生存基準
すべてのグループの平均生存時間を計算し、その結果を措置されたマウス/比
較対象群の平均生き残り(T/C)×100%で示す。T/C値が150の場合、措置
されたグループのマウスが比較対象群のマウスより50%以上長く生きたことを示
しており、これは寿命、あるいはILS値の増加と表現される場合もある。
P388に関する研究では、30日間の生き残りは長期の生存または治癒とみなさ
れ、B16の場合は、60日間生き延びるマウスは長期生存または治癒とみなされる
。NCIで長年にわたって用いられている両方のモデルでの作用に関する一般的
に受け入れられているカット・オフはT/C=125である。長年にわたるB16お
よびP388のこれまでの使用で、以下の作用レベルが設定されている:T/C<1
25:非活性;T/C=125〜150、弱い活性;T/C150〜200、中程度の活性;T
/C=200〜300、高い活性;T/C>300、長期生存;優れた治療活性。
B.結 果
1. P388白血病
L−103はすべてのテストされたマウスでのP388白血病において中程度の活性
を示した(表5)。L−103を生殖腺経由で1日5回100mg/kgおよび50mg/kgの割
合で投与した場合、
T/C値はそれぞれ149と144であった。フルオリデオキシウリジン(FUdR)
をこの研究で比較対象薬として用いたが、FUdRはP388テストではT/C=1
64であった(表5)。すべての薬剤はこの実験では高い許容性を示し、体重の減
少はほとんど、あるいはまったくなく、毒による死亡の事例は記録されなかった
。
2. B16メラノーマ
L−103はB16メラノーマを接種されたマウスで中程度の活性を示した(表6
)。L−103(生殖腺経由;1日5回)はそれぞれT/C値が139および134であ
った。比較対象薬FudRの場合、B16テストの場合中程度の効力を示し、135の
T/C値が得られた(表6)。すべての薬品はすべてすぐれた許容性を示し、体
重の減少はほとんど、あるいはまったく起こらなかった。そして薬に関連した死
亡は起きなかった。
L−103は2つの投与量でテストされたP388およびB16実験マウス腫瘍の両方
に対して中程度の活性を示した。L−103はB16テストでは比較対象薬FUdRと
同程度の活性を示し、P388テストではFUdRよりやや低い活性を示した。
上に述べたことから、L糖に基づくαおよびβ−反転ヌクレオシド、ヌクレオ
チド、および多様な高度に効果的な化学治療剤などその類似物の重要性は明らか
である。5−FUdRの誘導物に関する我々の実験結果はアイソマーを含んでい
るL−5−FUdRはβ−D−5FUdRを含んでいるものより毒性が低く、その
理由はおそらくそれらがホスホリル化されておらず、あるいは後者として輸送さ
れるからである。我々は、α−L−5FUdRから設計および調製された二量体
誘導体はP388白血病細胞およびB16メラノーマ細胞株に対して、β−D−5F
UdRを上回る非常に強力な活性を示すことを確認した。それらはテロメラーゼ
を含む通常ではない
作用メカニズムを持っているようである。
実施例8
腫瘍における二量体の効果
本明細書に述べられたすべての特許および出版物は本発明が関連する分野の当
業者のレベルに対応するものである。すべての特許および出版物は、本明細書に
おいては、個々の出版物が具体的、個別的に参照によって組み込まれるのと同じ
程度の本明細書に組み込まれている。
当業者であれば、本発明が上に述べた、およびそれと本質的に付随した目的を
実行し、課題、および利点を達成するのによく適していることは容易に理解でき
るであろう。ここで述べられている二量体、医薬品組成物、措置、方法、手順、
および技術は好ましい実施形態を現段階で代表するものであり、説明として提示
されるものであって、本発明の範囲を限定することは意図していない。本発明の
、あるいは添付特許請求の範囲によって定義された精神の範囲内で変更やその他
の使用法は当業者には想起されるであろう。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK
,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,
MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R
U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR
,TT,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 グッドヒュー,チャールス テイー.
アメリカ合衆国 78250 テキサス,サン
アントニオ,ソレル プレイス ドライ
ブ 4番地
(72)発明者 プレンシラン,キルパセヴイ
アメリカ合衆国 78240 テキサス,サン
アントニオ,ヴィラージ パークウエイ
2514番地
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.以下の式を有する化合物: または、薬学的に受け入れ可能なその塩類において、 ここで、B1およびB2はβ−D,β−L,およびα−Lの各ヌクレオシドで 構成されるグループからそれぞれ選択され、B1またはB2の少なくともひとつは β−Lまたはα−Lヌクレオシドでなければならない。 R1およびR2はシトシン、チミン、ウラシル、アデニン、グアニン、または イノシン、5−フルオロウリジンおよびその他の5−ハロ塩基で構成されるピリ ミジン塩基グループから選択され、R1およびR2は同じ、または異なった塩基あ るいはアルコキシ基であってもよく、B1またはB2がヌクレオチド間結合剤(I BA)と5′ 位置に結合されており、該B1またはB2がβ−Lまたはα−Lであり、その場合 該塩基に結合したR1またはR2はシトシンであることはできず、そして、 IBAはホスホジエステル、ホスホロチオエート、メトキシ・ホスホトリエ ステル、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、ホスホロチオエート、シ リル・エステル、スルホネート、およびエチレンジオキシ・エーテルで構成され るグループから選択されることを特徴とする上記式を有する化合物、または、薬 学的に受け入れ可能なその塩類。 2.該化合物は、3′−O−(α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニ ル)−(3′→5′)−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(L− 102)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−( 3′→5′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−103) 、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→ 5′)−α−L−2′−デオキシウリジン、(L−107)、3′−O−(α−L −5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′)−α−L−5− フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−108)、3′−O−(α−L−5− フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′)−β−L−5−フルオ ロ−2′−デオキシウリジン、(L−109)、3′−O−(β−D−5−フルオ ロ−2′ −デオキシウリジニル)−(3′→5′)−β−L−5−フルオロ−2′−デオ キシウリジン、(L−110)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオ キシウリジニル)−(3′→5′)−α−L−2′−デオキシシチジン、(L− 111)、5′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−( 5′→5′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−112) 、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→ 5′)−2′−デオキシ−β−L−シチジン、(L−113)、3′−O−(2′ −デオキシ−β−L−シチジニル)−(3′→5′)−β−D−5−フルオロ− 2′−デオキシウリジン(L−114)、3′−O−(2′−デオキシ−α−L− シチジニル)−(3′→5′)−β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジ ン(L−115)、3−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル )−(3′→5′)−β−L−2′−デオキシウリジン(L−117)、3′−O −(β−L−2′,3′−デオキシシチジニル)−(3′→5′)−β−D−5 −フルオロ−2′−デオキシウリジン(L−118)、3′−O−(β−D−5− フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′)−α−L−2′,3′ −ジデオキシシチジン(L−120)、3′−O−(β−L−5−フルオロ−2′ −デオキシウリジニル)−(3′→5′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキ シウリジン(L−119)、 3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→3 ′)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン(L−122)、3′−O −(β−L−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′)−β−D−5−フル オロ−2′−デオキシウリジン(L−124)、3′−O−(β−D−5−フルオ ロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′)−α−L−2′−デオキシア デノシン(L−125)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウ リジニル)−(3′→5′)−α−L−チミジン(L−126)、3′−O−(β −D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′)−β−L− 5−フルオロ−2′−デオキシウリジン・ホスホロチオエート(L−128)、3 ′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′ )−β−L−2′−デオキシグアノシン(L−133)、3′−O−(β−D−5 −フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′)−α−L−2′−デ オキシグアノシン(L−134)、3′−O−(β−L−5−フルオロ−2′−デ オキシウリジニル)−(3′→5′)−メトキシ−2−デオキシリボース(L− 136)、3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−( 3′→5′)−α−L−2′−デオキシアデノシン(L−138)、および3′− O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニル)−(3′→5′)− β−L− 1−メトキシ−2−デオキシリボース(L−142)、または、治療的に受け入れ 可能なその塩類で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項1 に記載の化合物。 3.上記化合物において、上記式はI,B1はβ−D,B2はα−L,R1とR2は 5FUdR、およびIBAはホスホジエステルであることを特徴とする請求項1 に記載の化合物。 4.上記化合物において、上記式はII,B1はα−L,B2はβ−D,R1とR2は 5−FUdR、およびINBはホスホジエステルであることを特徴とする請求項 1に記載の化合物。 5.上記化合物が3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニ ル)−α−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L−103)であるこ とを特徴とする請求項1に記載の化合物。 6.上記化合物が3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニ ル)−(3′→5′)−β−L−5−フルオロ−2′−デオキシウリジン、(L −110)であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。 7.上記化合物が3′−O−(β−D−5−フルオロ−2′−デオキシウリジニ ル)−(3′→5′)−β−L−2′−デオキシウリジン、(L−117)である ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。 8.薬学的に受け入れ可能なキャリアと、請求項1または2のうちの少なくとも 一つの化合物について治療上の効果的な量とで構成されることを特徴とする医薬 品組成物。 9.癌疾患を持つ哺乳動物に対して、請求項1または2のうちの少なくとも一つ の化合物について治療上効果的な量を与える措置を含んでいることを特徴とする 哺乳動物における癌の治療方法。 10.癌疾患を持つ哺乳動物に対して、請求項1または2のうちの少なくとも一つ の化合物について癌抑止に必要な量を与える措置を含んでいることを特徴とする 哺乳動物における癌の治療方法。 11.寄生虫やウィルス性疾患を持つ哺乳動物に対して、請求項1または2のうち の少なくとも一つの化合物について治療上効果的な量を与える措置を含んでいる ことを特徴とする哺乳動物における寄生虫やウィルス性疾患の治療方法。
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