JPH10509226A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 噴射開始時点調節のための噴射開始調節ピストン（１６）が設けられている燃料噴射ポンプが提案されており、前記噴射開始調節ピストン（１６）が、燃料噴射ポンプ内に配置された制御スライダ（２８）の従動ピストンとして構成されており、該噴射開始調節ピストン（１６）は、その一方側で作業室（２０）を形成していて、戻しばね（２３）のばね力に抗して負荷されるようになっていて、燃料噴射ポンプのカム駆動装置のほぼ定置の部分に接続されている。制御スライダ（２８）及びその調節を介して生じる、作業室（２０）からの反発力を避けるために、制御スライダは、袋孔（４８）内に侵入する別個のピン（４６）によって効果的に減衰されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】 燃料噴射ポンプ 従来の技術 本発明は、請求項の上位概念に記載した燃料噴射ポンプに関する。このような 、ＤＥ３５３２７１９号明細書により公知の燃料噴射ポンプにおいては、シリン ダ孔への圧力媒体流入は逆止弁を介して行われ、一方、圧力媒体流出は、戻しば ねを収容する室を介して行われる。制御圧にさらされる、制御スライダの端面は 、シリンダ孔の全直径に亙ってこのシリンダ孔内で制御室を制限しており、この 制御室は他方では絞りを介して制御圧流入口に接続されている。このような噴射 調節装置は、制御圧の変化に対して非常に敏感であって、制御スライダが噴射調 節装置に対して相対的に振動運動を行う傾向があり、これによって噴射調節装置 の不安定な作業特性が生ぜしめられることになる。絞り孔は、燃料噴射ポンプの 作業形式から生じる制御圧供給側において、可能な限りわずかな反動力が働くよ うにする作用を有してはいるが、制御室内で有効な、補償された平均的な作業圧 は不完全にしか得られない。 発明の利点 これに対して、請求項１の特徴部に記載された特徴を有する本発明による燃料 噴射ポンプは、制御スライ ダの運動は付加的に減衰されるので、制御室内にまだ生じている圧力変化は、制 御スライダに直接衝撃的に作用することはない。制御ピストンが、圧力衝撃によ って振動せしめられると、ピンによって袋孔内に閉じこめられた液体は、まず絞 りギャップによって押しやられる。これによって生じた絞り作用は、制御ピスト ンの振動傾向を効果的に抑制する。 図面 本発明の実施例が図面に示されていて、以下に詳しく説明されている。 実施例の説明 分配型の燃料噴射ポンプは分配器としてもプランジャとしても使用される、軸 方向で駆動されるプランジャを備えたポンプとして構成されるか、又は分配器内 に配置されたフィードポンプ内に半径方向で供給する半径方向ピストンを設ける こともできる。このような公知の構造のいわゆる半径方向プランジャポンプは、 図１に断面図で示されている。図示の実施例では４つのプランジャ１が設けられ ており、これらのプランジャ１は、共通の半径方向平面内で分配器２の軸線に対 して同じ角度間隔を保って、分配器２の半径方向孔３内で気密に摺動可能に支承 されている。これらのプランジャ１は、一方の端面側で共通のポンプ作業室４を 閉鎖し、このポンプ作業室４には、ここでは図示していない公知の形式で、プラ ンジャ１の半径方向外方の ストロークにおいて、調量装置を介して燃料が満たされ、またプランジャ１の半 径方向内方のストロークにおいて、ポンプ作業室４は、同様に図示していない圧 力ラインを介して、分配器２の外周面に設けられた分配開口に接続される。この 場合、分配器の外周面に設けられた分配開口から延びる噴射ラインを制御する。 これらの噴射ラインのうちのそれぞれ１つに、プランジャが内方に移動する際に 、噴射圧にもたらされた燃料が供給される。分配器は、詳しく図示していない手 段によって、駆動軸によって回転駆動せしめられて、一方では分配器開口はその 制御機能を行い、他方では、プランジャが周方向で移動することができるように なっている。この場合、ポンプ作業室４に向き合った側でローラシャフト６が当 接する。これらのローラシャフト６は、カム軌道７に追従する。このカム軌道７ は、カムリング８の、分配器に向けられた内向きの環状面に配置されている。カ ムリング８は、プランジャのカム駆動装置のほぼ停止している部分を形成してい る。一方、プランジャを移動させる装置は、カムリング駆動装置の部分を形成し ている。この装置は、例えばローラシャフト６をガイドするリング９であって、 このリング９は駆動軸に連結されている。円筒形の外周壁が、燃料噴射ポンプの ポンプケーシング１１の対応する円筒形の切欠１０内でガイドされているカムリ ングを調節すると、各カム１３でローラシャフト６のロー ラ１２が早めに又は遅めに転動するようになる。これらのカム１３は、すべての ローラシャフトが、同じストロークだけ同期的に内方又は外方に移動するように 配置されている。これによって、プランジャのフィードストロークの開始時点及 びひいては噴射時点が、燃料噴射ポンプの駆動に関連して変えられる。 調節のために、カムリング８は突起１４を有しており、この突起１４は、噴射 調節ピストン１６内に形成された切欠１５の円筒形の内周面に係合する。噴射調 節ピストンは、シリンダ１７内で気密に摺動可能であって、その一方の端面側１ ８がシリンダ１７の閉鎖した端部と共に作業室２０を形成していて、一方の端面 側とは反対側の他方の端面側２１が、同様に閉鎖したシリンダ内でばね室２２を 形成している。このばね室２２内には戻しばね２３が配置されており、この戻し ばね２３は、一方ではシリンダ１７を閉鎖する壁部で支えられ、また他方では調 節ピストン１６の端面側２１で支えれていて、これによって緊締されて、噴射調 節ピストン１６の一方の端面側１８を、シリンダ１７の反対側を閉鎖する壁部２ ５に当接させるように働く。 噴射調節ピストン１６にはさらに、制御スライダ２８をガイドするシリンダ孔 ２７としての軸方向の袋孔が設けられており、この袋孔はばね室２２に向かって 開放している。ここに挿入された制御スライダ２８は、一方の端面２９が、シリ ンダ孔の閉鎖した端部と共に 制御室を形成していて、その他方の端部が自由室３０内に突入しており、ここで この制御スライダ２８は、制御ばね３１によって負荷される。この制御ばね３１ は他方側が同様に壁部２４で支えられている。シリンダ孔２７に対して平行に、 調節ピストン内には、一方の端面側１８から延びる接続ライン３２が延びている 。この接続ライン３２は、制御スライダと重なる領域でシリンダ孔内に半径方向 で開口している。この開口部は、第１の環状溝３４と第２の環状溝３５とによっ て制限されており、第１の環状溝３４は絞り３６を介して制御室３０に接続され ていて、第２の環状溝３５は、圧力媒体出口としての軸方向の袋孔３７を介して ばね室２２に接続されており、このばね室２２は、放圧ライン３８を介して放圧 されている。環状つばを制限する環状縁部は、制御縁であって、この制御縁によ って、制御スライダが相対移動する際に、接続ライン３２が、第１の環状溝３４ を介して圧力媒体入口３９に接続されるか、または第２の環状溝３５を介してば ね室２２に接続される。この場合、第１の環状溝３４は、常に圧力媒体入口３９ に接続されており、この圧力媒体入口３９には、圧力貯蔵室４０から圧力媒体が 供給される。貯蔵室に供給するために、並列接続された圧力制御弁４２を備えた 燃料ポンプ４１が使用される。この燃料ポンプ４１によって、圧力貯蔵室に公知 の形式で圧力が供給される。この圧力は、ほぼ回転数に関連し て、燃料噴射ポンプ若しくは所属の内燃機関の回転数が上昇するに伴って高くな る。この圧力は制御室３０内で常に形成され、この圧力の変化に応じて制御スラ イダがその制御ばねに対して相対的にずらされ、それに応じてこの制御ばねを圧 縮又は負荷軽減するようになっている。この場合、環状つば３３を制御する機能 は次のように設計されている。つまり、圧力が上昇して、制御スライダが右方向 へずれた時に、次いで調節ピストンがばね２３のばね力に抗して運動することに よって、以前は開放していた接続ライン３２が再び閉鎖されるまで、作業室２０ 内に圧力媒体が供給される。それとは逆に、制御室３０内の圧力が低くなると、 作業室２０は、接続ラインが再び閉鎖されるまで放圧される。この場合、制御室 ３０内の圧力は、放圧ライン４３（この放圧ライン内に電気制御される弁４４が 挿入されている）によって放圧若しくは調節される。 噴射開始時点調節のための公知の装置においては、プランジャの駆動時に生じ る反動力がローラ１２を介してカムリング８に伝達されるという問題が生じる。 この力はさらに噴射調節ピストン１６に伝達されて、作業室２０内の圧力が、こ の作業室内に存在する燃料（圧力媒体として働く）の圧縮可能な範囲内で衝撃的 に上昇する。次いでこの圧力は、環状つば３３に働き、この環状つば３３を介し て、漏れ流による燃料が制御室３０内に達し、ここで制御スライダの位置を戻す よ うに働く圧力上昇が生じる。往復運動と同時に回転運動で駆動されるプランジャ を備えた別の構造形式においては、燃料供給は、制御室のための制御圧が取り出 される圧力貯蔵室４０から行われる。このポンプにおいては、圧力貯蔵室４０は 同様に、高圧部分の放圧室として及び燃料供給室として使用されるので、特に圧 送ストロークの最後における減少制御過程は、制御圧の一定性に対して不都合に 作用する。このことは、その都度、噴射調節ピストン若しくは噴射開始時点調節 装置の不安定な特性を生ぜしめることになる。 本発明による構成においては、制御スライダ２８の端面２９を備えた端面側に ピン４６が突き出ており、このピン４６が、従来技術における制御スライダの円 形の端面から突き出る環状端面２９を形成している。このピンは、制御室３０を 貫通して突き出ていて、シリンダ孔２７の端部から同軸的に延びる袋孔４８内に 侵入し、ここで端面側で緩衝室４９を形成している。ピンの外径及び袋孔の内径 は、袋孔の壁部とピンの外周面との間に絞りギャップ５０が形成され、この絞り ギャップ５０を介して、制御スライダ若しくはピン４６が袋孔４８内に摺動する 際に、燃料が緩衝室４９から制御室３０内に溢流することができる。これによっ て、制御スライダ運動が強く緩衝され、制御室３０内にまだ圧力変動がある場合 に又は制御スライダ２８にその他の力働く場合に、これに基づいて生ぜしめられ る運動は強く制動され、緩衝されるか又は完全に阻止される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．燃料噴射ポンプであって、噴射開始時点調節を行う噴射調節ピストン（１ ６）を有しており、該噴射調節ピストン（１６）がシリンダ（１７）内で作業室 （２０）を形成していて、該作業室（２０）が、制御可能な圧力媒体によって負 荷可能であって、該圧力媒体が戻しばね（２３）のばね力に抗して前記噴射調節 ピストンを調節するようになっており、噴射調節ピストン（１６）の、一方側が 閉鎖されたシリンダ孔（２７）内で噴射調節ピストン（１６）の軸方向で調節可 能に配置された制御スライダ（２８）を有しており、該制御スライダ（２８）が 、制御スライダの一方の端面に作用し、かつ、シリンダ孔内で制御スライダによ って閉鎖された制御室（３０）内で生じる制御圧によって、制御ばね（３１）の ばね力に抗して調節可能であって、前記制御スライダ（２８）が、制御縁部を備 えたシリンダ孔（２７）内で、シリンダ孔（２７）内への圧力媒体入口（３９） と、シリンダ孔からの圧力媒体出口（３７）と、シリンダ孔（２７）から作業室 （２０）に通じる接続ライン（３２）とを制御し、前記圧力媒体入口が絞り（３ ６）を介して、端面（２９）によって制限された制御室（３０）に接続されてい る形式のものにおいて、 前記端面（２９）が環状端面として構成されていて、 該環状端面（２９）が、制御スライダから突き出るピン（４６）を取り囲み、こ のピン（４６）が、シリンダ孔（２７）と同軸的にこのシリンダ孔（２７）の内 側の端部に接続された袋孔（４８）内に侵入して、袋孔の壁部とピンの外周面と の間で絞りギャップ（５０）を形成することを特徴とする、燃料噴射ポンプ。