JPH10508867A - シリコーンオイルとシリカを含有する口紅被覆用組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、口紅組成物の上に適用したときに、唇に触れるカップ、ガラスその他の食卓用品に口紅が転移するのを防止する組成物に関するものである。この組成物はしたがって、口紅を塗る時間間隔を長くすることができる。本組成物はさらに唇につやと輝きを与え、使用者にも快い皮膚感覚を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 シリコーンオイルとシリカを含有する口紅被覆用組成物 技術分野 本発明は、口紅組成物の上に適用したときに、唇に触れるカップ、ガラスその 他の食卓用品に口紅が転移するのを防止する組成物に関するものである。この発 明はしたがって、口紅を塗る時間間隔を長くすることができる。本発明はさらに 唇につやと輝きを与え、使用者にも快い皮膚感覚を提供する。 発明の背景 口紅処理用製品は、その主たる目的は耐久性を延ばし、汚れを移すことへの耐 性を改善し、口紅の光沢を増すことであり、当業者にはよく知られている。これ らの口紅製品は、以下被覆物（over coat）ともいうが、種々の重合液体や皮膜 形成性技術を利用している。例えば、ＣＳＩ社の「シールド ウイズ キス（Seal ed with Kiss）」のような被覆物に含まれるアクリル系フィルム形成剤は、口紅 の上に広がる揮発性のベヒクル、アルコールなどの中に入れられて流通している 。これらの製品は基本性質は固体であり、唇の表面に乾いてさっぱりしない感触 を与える。さらにこれらの重合被覆物は、使用後揮発性のベヒクルが蒸発する時 に数分間は粘着質の感じを与える。 上記した以外の代わりの被覆物は、特願平５−（１９９３）−２２１８２９（ 公開１９９３年８月３１日）に記載されている。この被覆物は、メーキャップ効 果の持続、色の転移の抑制等を改善し、適用性も改善すると評されている。この 被覆物は、０．２〜２５％のシリカ粉末および／またはアルミナ粉末、ならびに ７５〜９９．８％の下記一般式のパーフルオロポリエーテルを含有する： ここに、Ｒ¹〜Ｒ⁵は独立にフッ素原子、パーフルオロアルキル基またはオキシ パーフルオロアルキル基であり；ｐ、ｑおよびｒはすくなくともゼロであり、 ポリフルオロポリエーテルの分子量は約５００〜約１０,０００であり、Ｐ、Ｑ およびＲは等しくてもよいがゼロではない。ここに開示された好ましいパーフル オロポリエーテルは、ミラノのモンテフルオス社から得られるフォンブリン（fo mblin）HC-04、HC-25およびHC-Rである。これらを使用したときは、快くスムー ズで滑らかであるといわれている。いかしながら、その低い表面エネルギーの故 に、唾液、コーヒー、飲料水等に唇が触れると、フッ素化流体は急速に唇から離 脱する。だんだんパーフルオロポリエーテルが唇から離脱するにつれて、上記の 不快な感触は急速に増加する。さらに、このパーフルオロポリエーテルは非常に 高価であり、最終製品の小売価格を非常に高くする。 最近、日本でコーセーおよび資生堂から上市された新しい製品は、シリコーン と炭化水素を含み、この組成物は唇の上に適用され、口紅の持続性を延ばし、唇 を保護するシール効果を提供する。しかしながら、この２つの製品は皮膚の感覚 が良くなく、著しい長期持続性はないことがわかった。 発明の要約 本発明は、約１０ｃｓ〜約１０００ｃｓの粘度の不揮発性シリコーン流体を約 ７５％〜約９９％および増粘剤を約１％〜２５％含有する組成物である。 上記の不揮発性シリコーン流体は下記の一般式に相当するものである。 ここに、Ｒ¹およびＲ⁶は、独立に末端水酸基、炭素数約１〜約６の炭素鎖長の 低級アルキル末端基あるいはこれらの混合物からなる群から選ばれるものであり 、Ｒ²およびＲ⁵は独立に炭素数約１〜約６の炭素鎖長の低級アルキル基、フルオ ロアルキル基、フェニル基、アミノアルキル基およびこれらの混合物からなる群 から選ばれる。 そこで、本発明の１つの目的は 本発明は、口紅組成物の上に適用したときに、唇に触れる物体に紅が転移する のを防止する被覆組成物を提供することにある。 本発明の他の目的は、口紅を塗る時間間隔を長くすることにある。本発明はさ らに、適用のし易さと消費者が求める使用感を改善し、唇適用した際につやと輝 きを与えることを目的とする。これらの全ての目的は、従来知られている比較製 品よりもズーット安価な製品で達成される。 発明の詳細な記載 Ａ． 不揮発性シリコーン流体 上記の不揮発性シリコーン流体は下記の一般式に相当するものである。 ここに、Ｒ¹およびＲ⁶は、独立に末端水酸基、炭素数約１〜約６の炭素鎖長の 低級アルキル末端基あるいはこれらの混合物からなる群から選ばれるもの、好ま しくはメチル基である。末端でないＲ²、Ｒ³、Ｒ⁴およびＲは独立に⁵炭素数約１ 〜約６の炭素鎖長の低級アルキル基、フルオロアルキル基、フェニル基、アミノ アルキル基およびこれらの混合物からなる群から選ばれる。該不揮発性のシリコ ーン流体は、２５℃１気圧で、粘度が１０〜１,０００ＣＳ、好ましくは５０〜 ５００ＣＳである。この組成物は、約７５〜９９％、好ましくは約９０〜９９％ 、そして最も好ましくは約９０〜９５％の不揮発性シリコーン流体である。 炭素数１〜６の分岐または直鎖のアルキル基を有する非末端基（non-end grou p）（Ｒ²、Ｒ³、Ｒ⁴およびＲ⁵）を有するシリコーン流体は当業界で知られてい る。本発明においては、最終製品に比較的に親油性を付与するために、炭素数１ 〜６の鎖の長さはできるだけ短いのが好ましい。そこで、本発明においてはメチ ル基がもっとも好ましい非末端基である。このような非末端基を有する非揮発性 のシリコーン流体で商業的に得られるものには、ダウコーニング社の２００Flui dや、ジェネラルエレクトリック社のＳＦ−９６シリーズ等がある。 フルオロアルキル基の非末端基を有するシリコーン流体もまた有用である。し かしながら、フッ素原子は炭素数３〜８の鎖長を有するアルキル基に結合し、そ こではフッ素原子はシリコン−炭素結合から３番目の炭素よりも近くないアルキ ル基に結合しているのが好ましい。このような非末端基を有する非揮発性のシリ コーン流体で商業的に得られるものには、ダウコーニング社の１２６５Fluidシ リーズや、ジェネラルエレクトリック社のＳＦ−１１５３シリーズ等があり、最 も好ましくは、１００ｃｓ〜３５０ｃｓの粘度を有するものである。 アリル基の非末端基を有するシリコーン流体もまた、本発明で有用である。本 発明でとくに有用なアリル基はフェニル基である。とくに有用なアリル置換シリ コーン流体で商業的に得られるものは、ダウコーニング社の５５６シリーズであ る。 上記した非末端基にはまた、メチルシリコーンのようにアミノ−官能シリコー ンを作るアミノアルキル基があり、次の式で表される： ここに、ｘはポリマー鎖の繰り返し単位の数であり、ｙはアルキル基の長さであ り、ｙは約２より大きく、約１０より小さい；（２＜ｙ＜１０）。 とくに有用なシリコーン流体の１つは、ダウコーニング社のアミノプロピルメチ ルシリコーンである。 本発明で使用される好ましい非揮発性シリコーン流体は、ジメチコーン、フェ ニルジメチコーン、フェニルトリメチコーン、フルオロシリコーン、アミノシリ コーンおよびそれらの混合物である。 Ｂ．濃厚化剤（Thickning Agent） 本発明においては、被覆物組成物に十分な粘度を与えて唇に適用してすぐに流 れ落ちないようにするために、上記の非揮発性シリコーン流体には濃厚化剤が組 み合わされる。この濃厚化剤は、組成物の約１％〜約２５％、好ましくは約１％ 〜１０％、そして最も好ましくは約５％〜１０％のレベルで使用される。好まし い濃厚化剤は、有機、無機の濃厚化剤、ヒュウムドシリカ、ヒュウムドチタニア 、ヒュウムドアルミナ、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる。好まし くはヒュウムドシリカである。 ヒュウムドシリカは、それ自身でまたは組成物中に存在するシリコーンポリマ ー鎖とともに水素結合が関与する網状構造を形成するので、化粧品組成物には通 常用いられる。これらのシリカは、非揮発性のシリコーン流体と混合されたとき 、 唇に適用するとザラザラしたりこすれたりするような感じを排除し、皮膚に快い 感覚を与えるような形状と粒子サイズを有している。本発明に有用なヒュウムド シリカは、疎水性シリカ、親水性シリカおよびこれらの混合物からなる群から選 ばれる。最も好ましい親水性ヒュウムドシリカは、デグッサ社のアエロゾルシリ ーズである。これは、供給者の情報に記載されており、ここに参照として取り込 まれる。最も好ましい疎水性ヒュウムドシリカは、またデグッサ社から供給され 有機物で処理されたアエロゾルであり、上記の供給者情報に記載されている。最 も好ましい疎水性ヒュウムドシリカはアエロゾルＲ９７４である。 Ｃ．任意成分 本発明の組成物は、上記の組成物に加えて任意の成分を添加して、製品に消費 者の望む種々の性質を付与することができる。この任意成分には、望ましいとさ れる特別の化粧品的な効果をだすために化粧品業界で通常使用される成分が含ま れる。他の成分、たとえば製品の物理的特質を維持する保存剤、安定剤等も使用 される。これらの任意成分には、保湿剤、封止剤、香料、芳香剤、着色剤および その他の通常使用される成分が含まれる。 揮発性の液体はとくに有用な任意成分である。これらはゲル化したシリコーン 被覆物の初期粘度を低下し、これを口紅の上に適用するのを容易にする。適用の 後に揮発性の液体が蒸発するにつれて、組成物の粘度は急速に増加し、唇に快い 滑らかな感じを与える。この揮発性液体は揮発性の炭化水素、揮発性シリコーン およびこれらの混合物からなる群から選ばれる。本発明の組成物は、約１％〜約 ５０％、好ましくは１％〜２５％、最も好ましくは１％〜１０％の揮発性液体を 含有する。好ましい揮発性炭化水素液体は、イソドデカンであり、パーメチル社 から得られるパーメチル９９Ａであり、次の式に相当する： ＣＨ₃（ＣＨ₂）₁₀ＣＨ₃ 好ましい揮発性シリコーン流体は、次式に相当する３、４および５員の環状構 造のシクロメチコーンである： ここに、ｘは約３〜約６である。この揮発性シリコーン流体には、ダウコーニン グ社の２４４Fluid、３４４Fluid、３４５Fluidがある。揮発性のシリコーンは その中で、好ましくはヒュウムドシリカ粉末とともにゲル化される。 Ｄ．実施例 Ｅ．製造方法 撹拌機を備えた容器の中でシリコーン流体と濃厚化剤を混合する。混合物が均 一になるまで撹拌し、３本ロールミルに少なくとも４回通して成分を十分ブレン ドし、凝集物を破壊する。この混合物を包装し、好ましくは気密条件で保存する 。 Ｆ．使用の方法 本発明の組成物は口紅で少なくとも１層覆われた唇の上に適用する。この製品 は、唇どうしを重ねる動作や、使用者の指先を使ったり、典型的な口紅アプリケ ーターを使ったりして、この唇の表面上に均一に展げる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．次の成分からなる唇に適用される組成物： ａ） 粘度が１０ｃｓ〜１０００ｃｓ、好ましくは５０ｃｓ〜５００ｃｓの非 揮発性のシリコーン流体を７５〜９９％、好ましくは９０〜９９％、最も好まし くは９０〜９５％；および ｂ） ヒュウムドシリカを１〜２５％、好ましくは１〜１０％、最も好ましく は５〜１０％。 ２．非揮発性のシリコーン流体が次式に相当する請求の範囲１に記載の組成物: ここに、Ｒ¹およびＲ⁶は、独立に末端水酸基、炭素数約１〜約６の炭素鎖長の低 級アルキル末端基あるいはこれらの混合物からなる群から選ばれるものであり、 好ましくはメチル基であり、Ｒ²およびＲ⁵は独立に炭素数約１〜約６の炭素鎖長 の低級アルキル基、フルオロアルキル基、フェニル基、アミノアルキル基および これらの混合物からなる群から選ばれ、好ましくは炭素数１〜６の炭素鎖長を有 する低級アルキル末端基である。 ３．非揮発性のシリコーン流体が、ジメチコーン、フェニルジメチコーン、フェ ニルトリメチコーン、フルオロシリコーン、アミノシリコーンおよびこれらの混 合物から選ばれ、好ましくはジメチコーンである請求の範囲２に記載の組成物。 ４．ヒュウムドシリカが疎水性シリカ、親水性シリカおよびこれらの混合物から なる群から選ばれる、請求の範囲１に記載の組成物。 ５．揮発性炭化水素、揮発性シリコーンおよびこれらの混合物からなる群から選 ばれる揮発性流体を１〜５０％追加的に含有する、請求の範囲１に記載の組成物 。 ６．次式んい相当する３、４および５員の環状構造のシクロメチコーンからなる 群から選ばれる揮発性シリコーンを１〜２５％含有する、請求の範囲５に記載の 組成物： ここに、ｘは３〜６である。 ７．シクロメチコーンを１〜１０％含有する請求の範囲６に記載の組成物。 ８．次の成分を含有する組成物： ａ．粘度が１０ｃｓ〜１０００ｃｓのジメチコーンを７５〜９９％； ｂ．疎水性ヒュウムドシリカを１〜２５％；および ｃ．シクロメチコーンを１〜１０％。