【発明の詳細な説明】
平滑筋細胞増殖の阻害薬としてのアシル化ベンジルグリコシド
本発明はアシル化ベンジルグリコシドに関する。さらに詳しくは、本発明は、
新規なアシル化ベンジルグリコシド、ならびに、それらの平滑筋細胞増殖阻害薬
として、および、過剰な平滑筋増殖によって特徴付けられる疾患および状態(例
えば、再狭窄)を治療するための治療組成物としての使用に関する。
発明の背景
すべての形態の血管再構築(例えば、血管形成術および動脈バイパス法)は、
最終的に平滑筋細胞(SMC)増殖および引き続いて多量の細胞外基質の沈着を
もたらす損傷に対する応答を起こす(クロウズ,エイ・ダブリュー(Clowes,A.
W.);レイディ,エム・エイ(Reidy,M.A.)、ジャーナル・オブ・バスキュラ
ー・サージェリー(J.Vasc.Surg.)1991年,13巻,885頁)。これらの事象は
、アテローム性の動脈硬化症(ライネス,イー・ダブリュー(Raines E.W.);
ロス,アール(Ross R.)、ブリティッシュ・ハート・ジャーナル(Br.Heart J
.)1993年,69巻(補遺),S30頁)ならびに移植時の動脈硬化症(アイシック,
エフ・エフ(Isik,F.F.);マクドナルド,ティー・オー(McDonald,T.0.);
ファーガソン,エム(Ferguson,M.);ヤマナカ,イー(Yamanaka,E.);ゴー
ドン(Gordon)、アメリカン・ジャーナル・オブ・パソロジー(Am.J.Pathol.
),1992年,141巻,1139頁)の発症における主要な過程でもある。血管形成術
に続く再狭窄の場合、薬理学的な干渉によってSMC増殖を制御するための臨床
上適切な解決法は、今日まで、依然として見い出されていない(ヘルマン,ジェ
イ・ピー・アール(Herrman,J.P.R.);ヘルマンズ,ダブリュー・アール・エ
ム(Hermans,W.R.M.);ヴォス,ジェイ(Vos,J.);サールイズ,ピー・ダブ
リュー(Serruys P.W.)、ドラッグズ(Drugs)1993年,4巻,18および249頁)
。SMC増殖を選択的に首尾よく阻害するアプローチは、内皮細胞の修復または
他の細胞の正常な増殖および機能に支障をきたしてはならない(ワイスベルグ,
ピー・エル(Weissberg,P.L.);グレインガー,ディー・ジェイ(Grainger,D
.J.);シャナハン,シー・エム(Shanahan,C.M.);メトカルフェ,ジェイ・
シー(Metcalfe,J.C.)、カーディオバスキュラー・リサーチ(Cardiovascular
Res.)1993年,27巻,1191頁)。
グリコサミノグリカンヘパリンおよびヘパラン硫酸は、SMC増殖の内因性阻
害薬であるが、内皮細胞の増殖を促進させることができる(カステロット,ジェ
イ・ジェイ・ジュニア(Castellot,J.J.Jr.);ライト,ティー・シー(Wright
,T.C.);カルノフスキー,エム・ジェイ(Karnovsky,M.J.)、セミナーズ・
イン・トロンボシス・アンド・ヘモスタシス(Seminars in Thrombosis and Hem
o-stasis)1987年,13巻,489頁)。しかし、ヘパリン、ヘパリン断片、化学的
に修飾されたヘパリン、低分子量ヘパリン、および他のヘパリン類似のアニオン
多糖類が有する臨床上のすべての利益は、様々な調製物の不均一性と共に他の薬
理学的に不利な点(特に、抗凝血効果から生じる過剰な出血)によって損なわれ
ることがある(ボーマン,エス(Borman,S.)、ケミカル・アンド・エンジニア
リング・ニューズ(Chemical and Engineering News),1993年6月28日号,27頁
)。これら薬剤の多くが有する抗凝結効果はSMC抗増殖活性とは無関係である
ので、より均一な組成と、より明確な分子構造を有する薬剤は、上記のアニオン
多糖類に関連した副作用をほとんど伴わずに、より望ましいプロフィールを示す
であろうと期待される。本発明の化合物の場合、硫酸基の除去は、抗凝結効果を
低下させるが、抗増殖活性には影響を与えないことが見い出されている。
従来の技術
β−シクロデキストリンテトラデカスルフェートは、平滑筋細胞増殖の阻害薬
および再狭窄の有効な阻害薬として報告されている(レイリー,シー・エフ(Rei
lly,C.F.);フジタ,ティー(Fujita,T.);マックフォール,アール・シー
(McFall,R.C.);スタビリト,アイ・アイ(Stabilito,I.I.);ワイーシィ
・イー(Wai-si E.);ジョンソン,アール・ジー(Johnson,R.G.)、ドラッグ
・デベロップメント・リサーチ(Drug Development Research)1993年,29巻,
137頁)。US 5019562は、有害な細胞または組織の増殖に関連する病的状態を治療
するためのシクロデキストリンのアニオン誘導体を開示している。WO 93/09790
は、糖残基あたり少なくとも2個のアニオン残基を有する、シクロデキストリン
の抗増殖性ポリアニオン誘導体を開示している。マイネッツベルガー(Meinets-b
erger)(EP 312087 A2およびEP 312086 A2)は、硫酸化されたビス−アルドン酸ア
ミドの抗血栓性および抗凝血性を記載している。US 4431637は、ポリ硫酸化され
たフェノールグリコシドを補体系の調節薬として開示している。本発明の化合物
は、これらの化合物が(a)ヘパリン、硫酸化シクロデキストリン、または硫酸
化ラクトビオン酸二量体に対する構造類似性を有しないベンジルグリコシドであ
り、(b)わずか2個の連続した糖残基(二量体)を含有し、(c)明確な構造を有
し、(d)硫酸化されていない点で、これら従来の技術のいずれとも異なる。
ゼハヴィ,ユー(Zehavi,U.);ヘルヒマン,エム(Herchman,M.)、カーボ
ハイドレート・リサーチ(Carbohyd.Res.),1986年,151巻,371頁は、グリコ
ーゲンシンターゼ反応における受容体として研究するためにポリマーに結合され
る4−カルボキシ−2−ニトロベンジル4−O−α−D−グルコピラノシル−β
−D−グルコピラノシドを開示している。本発明の化合物は、(a)ベンジル基
上の置換基が異なり、(b)用途(平滑筋抗増殖)が異なる点で、ゼハヴィ(Ze
havi)に開示のものと異なる。
発明の説明
本発明は、式I
[式中、Xは、
R1は、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、ハロ、CF3、CN、NO2
、または1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ;
R2は、H、1〜6個の炭素原子を有するアシル基、フェニルスルホニル;ま
たはNO2で置換されたフェニルスルホニル;および
R3は、1〜8個の炭素原子を有するアシル基、ベンゾイル、置換ベンゾイル
、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル、フェニルスルホニルまたは
置換フェニルスルホニル、
R4、R5、R6、R7、R8、およびR9は、各々独立して、1〜6個の炭素原子
を有するアシル基;および
R10およびR11は、各々独立して、1〜6個の炭素原子を有するアシル基であ
るか、あるいは、マルトースの4'位および6'位またはグルコースの4位および
6位におけるR10およびR11基は、イソプロピリデン基を形成する]
で示されるアシル化ベンジルグリコシドまたはその医薬上許容される塩の組成物
および有用性を記載する。
好ましくは、R3は、H、1〜8個の炭素原子を有するアシル基、1〜6個の
炭素原子を有するアルキルスルホニル、ベンゾイル;NH2、NO2、CN、C1
−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C2−C15アシルアミノ、CF3、C1−C6
アルカンスルホニルアミノ、アセチル(メタンスルホニル)アミノ、ハロ、も
しくはOHで置換されたベンゾイル;フェニルスルホニル;またはC1−C6アル
キル、C1−C6アルコキシ、C2−C15アシルアミノ、NO2、CN、CF3、C1
−C6アルカンスルホニルアミノ、アセチル(メタンスルホニル)アミノ、OH
、もしくはハロで置換されたフェニルスルホニル(ここで、置換ベンゾイルまた
は
置換フェニルスルホニルは、1個またはそれ以上の同一または異なる上記置換基
で置換されていればよい)である。
R2の好ましい意義は、NO2で置換されたフェニルスルホニルである。
本発明のより好ましい態様または具体例は、式I:
[式中、Xは、
R1は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキル;
R2は、H、1〜6個の炭素原子を有するアシル基、フェニルスルホニル、ま
たは4−ニトロフェニルスルホニル;および
R3は、H、1〜8個の炭素原子を有するアシル基、ベンゾイル;ニトロ、ア
ミノ、アセトアミド、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
、シアノ、もしくはカルボメトキシ基で置換されたベンゾイル;1〜6個の炭素
原子を有するアルキルスルホニル;フェニルスルホニル;またはメタンスルホニ
ルアミノ、シアノ、トリフルオロメチル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキ
シ、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、クロロ、もしくはニトロ基で置換さ
れたフェニルスルホニル(ここで、置換ベンゾイルまたは置換フェニルスルホニ
ルは、1個またはそれ以上の同一または異なる上記置換基で置換されていればよ
い);
R4、R5、R6、R7、R8、およびR9は、各々独立して、1〜6個の炭素原子
を有するアシル基;および
R10およびR11は、各々独立して、1〜6個の炭素原子を有するアシル基であ
るか、あるいは、マルトースの4'位および6'位またはグルコースの4位および
6位におけるR10およびR11基は、イソプロピリデン基を形成する]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩である。
本発明の最も好ましい化合物は、
N−[2−メチル−5−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グ
ルコピラノシルオキシメチル)フェニル]−3−ニトロベンズアミドまたはその
医薬上許容される塩;
3−アミノ−N−[2−メチル−5−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル
−β−D−グルコピラノシルオキシメチル)フェニル]ベンズアミドまたは水和
物もしくはその医薬上許容される塩;
5−(ヘプタ−O−アセチル−β−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフ
ェニルアミンまたはその医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−3−ニトロベンズアミドまたはその医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−3−アミノベンズアミドまたはその医薬上許容される塩;
3−アセチルアミノ−N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシ
ルオキシメチル)−2−メチルフェニル]ベンズアミドまたはその医薬上許容さ
れる塩;
N−{3−[2−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル
)−6−メチルフェニルカルバモイル]フェニル}−3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシベンズアミドまたはその医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−3−シアノベンズアミドまたはその医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−5−ニトロイソフタルアミド酸メチルエステルまたはその
医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]アセトアミドまたはその医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]プロピオンアミドまたはその医薬上許容される塩;
ペンタン酸N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメ
チル)−2−メチルフェニル]アミドまたはその医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−2,2−ジメチルプロピオンアミドまたはその医薬上許容
される塩;
シクロプロパンカルボン酸N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マル
トシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]アミドまたはその医薬上許容され
る塩;
シクロペンタンカルボン酸N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マル
トシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]アミドまたはその医薬上許容され
る塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−3−シクロペンチルプロピオンアミドまたはその医薬上許
容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−4−(メタンスルホニルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
またはその医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−4−シアノベンゼンスルホンアミドまたはその医薬上許容
される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニル]−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミドまたは
その医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミドまたはそ
の医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミドまたはそ
の医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−3−(メタンスルホニルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
またはその医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−4−メトキシベンゼンスルホンアミドまたはその医薬上許
容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドまたはその医薬上許容
される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−4−クロロベンゼンスルホンアミドまたはその医薬上許容
される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホンアミドまたはそ
の医薬上許容される塩;
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]メタンスルホンアミドまたはその医薬上許容される塩;
ブタン−1−スルホン酸N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルト
シルオキシメチル)−2−メチルフェニル]アミドまたはその医薬上許容される
塩;
4−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチ
ルフェニルアミン塩酸塩またはその医薬上許容される塩;
N−[4−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−4−(メタンスルホニルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
またはその医薬上許容される塩;
N−[4−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2
−メチルフェニル]−4−ニトロ−N−(4−ニトロフェニルスルホニル)ベン
ゼンスルホンアミドまたはその医薬上許容される塩;
N−アセチル−4−[アセチル(メタンスルホニル)アミノ]−N−[5−(
4',6'−O−イソプロピリジン−2,2',3,3',6−ペンタ−O−アセチル−
β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]ベンゼンスルホンア
ミドまたはその医薬上許容される塩;
N−プロピオニル−4−[プロピオニル(メタンスルホニル)アミノ]−N−
[5−(ヘプタ−O−プロピオニル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]ベンゼンスルホンアミドまたはその医薬上許容される塩である
。
発明の方法
本発明の化合物は、下記のスキームに概説する一般的な反応経路に従って調製
することができる。
[式中、R1、R2、およびR3は上記と同意義]
このように、マルトシルブロミド1は、ジクロロメタン、エーテル、トルエン
、またはニトロメタンなどの非プロトン溶媒中、−40℃から還流までの温度に
て、臭化第二水銀、シアン化第二水銀、銀トリフラート、または過塩素酸銀など
の触媒の存在下で、ベンジルアルコール2とカップリングさせ、グリコシド3を
得る。3のニトロ基の還元は、酢酸エチルなどの極性非プロトン溶媒中、周囲温
度から
還流までの温度にて、塩化第一スズなどの還元剤を用いて、あるいは、パラジウ
ム/炭素などの触媒の存在下における接触還元によって達成し、アニリノ化合物
4を得ることができる。4と酸塩化物またはスルホニルクロリドとのカップリン
グは、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの非プロトン溶媒中、−2
0℃から周囲温度までの温度にて、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチ
ルアミンなどのアミン塩基の存在下で行い、目的化合物5を得ることができる。
ブロモグルコーステトラアセテートから出発して、同様の反応経路を用いれば、
5のグルコース類似体を得ることができる。
スキームII[式中、R1、R2およびR3は上記と同意義、R12は1〜6個の炭
素原子を有するアシル基]に示すように、5の酢酸基は、周囲温度から還流温度
までの温度にて、メタノール中のナトリウムメトキシドまたはメタノール中の水
酸化ナトリウム水溶液などの塩基で加水分解して6を得た後、0℃から周囲温度
までの温度、ピリジンなどのアミン塩基の存在下にて、アシル無水物で再びアシ
ル化して7を得ることによって、置換することができる。あるいは、酢酸基を加
水分解した後に、グルコースの4位および6位の水酸基またはマルトースの4'
位および6'位の水酸基を、周囲温度、アセトニトリルなどの極性非プロトン溶
媒中、カンフルスルホン酸などの酸触媒の存在下にて、ジメトキシプロパンと反
応させてイソプロピリデン誘導体8を得ることができる。
本発明は、単独または賦形剤(すなわち、薬理学的効果を有しない医薬上許容
される物質)と組み合わせたアシル化ベンジルグリコシドからなる医薬組成物に
も関する。このような組成物は、血管の再構築手術および移植(例えば、バルー
ン血管形成術、血管移植手術、冠動脈バイパス手術、および心臓移植)から最も
頻繁に生じる過剰な平滑筋細胞増殖によって特徴付けられる疾患または状態に有
用である。有害な血管増殖が存在する他の疾患状態としては、高血圧、喘息、お
よびうっ血性心不全が挙げられる。かくして、本発明の化合物は、これらの疾患
および状態を治療するのに有用である。
本発明の化合物は、例えば、典型的には5〜30日間にわたる0.1〜10m
g/kg/時の範囲内の静脈注射によって、または、静脈注射より低い用量の皮
下注射によって、静脈注射より高い用量の経口投与によって、全身的に投与すれ
ばよい。本発明の化合物の局所的な送達は、適用可能な場合には、支持マトリク
スなどの適当な連続放出デバイスを用いて、経膜的、経皮的、または他の局所投
与経路によって達成してもよい。本発明の組成物は、充填剤、崩壊剤、結合剤、
滑沢剤、香味剤などの従来の賦形剤を用いて処方すればよい。これらは、従来の
方法で処方される。本発明の化合物は、特定の受容体に対して有効な方法および
濃度で投与すればよいことが理解される。送達の方法ならびに薬用量の組成およ
び濃度は、個々の主成分について、その受容体を治療する医師または他の熟練し
た医学専門家によって決定される。
細胞増殖に対する効果
A.細胞の起源
本発明の化合物が平滑筋細胞の増殖を阻害する能力は、単離した大動脈細胞を
用いて確立した。ブタの大動脈は、地方の屠殺場から入手し、運送中は氷冷した
。この大動脈は、丁寧に脂肪組織を除去し、2%抗生物質/抗真菌薬(ギブコ(
Gibco)カタログ#600-5240AG)を含む滅菌リン酸緩衝食塩水ですすいだ。次いで
、I型コラゲナーゼ1、165U/mL;III型エラスターゼ、15U/mL;B
SA、2mg/mL;およびダイズトリプシンインヒビター、0.375mg/
mLを含有する10〜15mLの「酵素混合物」中で組織を消化させた後、5%
CO2下、37℃で10〜15分間インキュベートした。この処理後、外部表面
の外膜は、ピンセットで引きはがすことによって、容易に除去された。次いで、
この大動脈を縦方向に切開し、内皮層をけずって除去した。
内側の細胞層を酵素溶液中ですすいで、10mLの酵素溶液を含む新しい10
0mmの皿に入れた。この大動脈を小さいハサミで切り刻み、30mLの新鮮な
酵素溶液中、37℃で2〜3時間消化した。消化後、火炎処理チップを取り付け
た滅菌パスツールピペット、または、200〜1000μLの滅菌ピペットチッ
プを取り付けたエッペンドルフピペッターを用いて、組織をホモジネート化した
。次いで、この懸濁液を8000rpmで10分間遠心し、得られたペレットを
4〜6mLの新鮮な培地に懸濁し、4〜6個のベントキャップ付100mmフラ
スコにプレートした。集密になるまで細胞を増殖させ、0.25%トリプシンを
用いて分離した。SMCアクチンに対する抗体を用いて、細胞を純度および総合
的な品質について評価した。
B.3Hチミジン取込みを用いた細胞増殖に対する化合物の効果の試験
集密状態の前段階にある初期継代(一般的には3〜7継代)の細胞をアッセイ
した。10%ウシ胎児血清および2%抗生物質/抗真菌薬を補足した培地199
を含む16mm(24ウェル)マルチウェル培養皿で培養を行った。集密状態の
前段階で、これらの細胞は、実験プロトコルを開始する前に24〜48時間、所
定の無血清培地(AIM−V;ギブコ(Gibco))に入れた。
化合物はプレインキュベーションが長いほど有効であることが見い出されたが
、一般的には、化合物と3Hチミジンおよび血清/増殖因子を無血清下の同期細
胞に添加して実験を開始した。本発明の結果は、それに応じて報告する。
化合物は各ウェルに50倍の希釈率(20μL/ウェル)で添加し、これらの
プレートは5%CO2中、37℃で24〜36時間インキュベートした。化合物
は、まず50%エタノールに溶解した後、培地に系列希釈した。化合物は、1〜
100μMの濃度で慣例的にアッセイした。対照としては、シグマ(Sigma)か
ら入手したブタ腸粘膜ヘパリン(ナトリウム塩)II級品(H-7005)を、すべての
細胞調製物について、0.1〜100μg/mLの濃度で慣例的にアッセイした
。
実験が完了すれば、プレートを氷上に置き、氷冷したリン酸緩衝食塩水(PB
S)で3回洗浄し、氷冷した10%トリクロロ酢酸(TCA)中で30分間イン
キュベートして、酸可溶性タンパクを除去した。0.4N HCl(NaOHを中
和するために500μL/バイアル)を含むシンチレーションバイアルに溶液を
移し、各ウェルを水(500μL)で2回すすいで、全容量を2mL/バイアル
とした。
対照および実験試料の両方について、データを3通りに得た。対照(100%
)のデータは、増殖因子または血清刺激の結果として、最大限に刺激した細胞か
ら得た。実験データは、増殖因子または血清で最大限に刺激し、化合物で処理し
た細胞から得た。データは、対照の百分率として表し、それから%阻害またはI
C50を求めた。血清刺激アッセイにおける実施例1〜33の化合物の結果を下記
の表Iに示す。
C.細胞毒性
視覚的には、すべての細胞は高レベルの全化合物に対して全くよく耐えること
が見い出されたが、毒性が存在しないことを保証するために、MTT(3−[4
,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロ
ミド)アッセイの商業的変法を用いて、化合物の細胞毒性を調べた。簡単には、
細胞を24ウェルプレート中で集密度70〜80%まで再増殖させ、以前と同様
に、実験プロトコルを開始する前に24〜48時間、無血清とした。MTTアッ
セイが増殖よりむしろ毒性をモニターすることを保証するために、細胞は、加湿
CO2インキュベータ内、37℃で、新鮮な無血清培地中における100μg/
mLの薬物と共に、24時間インキュベートした。化合物処理が完了すれば、M
TT(3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテト
ラゾリウムブロミド)指示色素を37℃で4時間添加した。次いで、細胞を溶解
し、各ウェルからアリコート(分割量)を分析用の96ウェルプレートに移した
。ELISAプレート読み取り機を用いて、波長570nmにおける吸光度(参
照波長630nm)を記録した。結果は、薬物を用いず(100%生存可能)、
また、前可溶化(0%生存可能)標準を用いて、%生存率として求めた。実施例
3、6、11、12、14、15、16、および17の化合物は、100μg/
mLまで毒性を示さなかった。
抗凝血活性
本発明の化合物の抗凝血活性は、フェニチェル(Fenichel)ら(クリニカル・
ケミストリー(Clin.Chem.)1964年,10巻,69頁)の手順に従い、5人の供血
者から採取した正常なヒト血漿を用いた部分トロンボプラスチン時間(APTT
)アッセイで評価した。0.3mLのプローブを利用するBBLフィブロメータ
ー(Fibrometer)製の自動精密血液凝固時間測定器を採用した。これらの実験に
は、エラグ酸で活性化された部分トロンボプラスチンを用いた。この試薬を、血
液凝固時間測定器のプラスチックウェル中における37℃で平衡化したクエン酸
塩添加ヒト血漿に添加した。37℃でカルシウムを添加し、血液凝固時間測定器
を始動させ、フィブリン凝塊が形成する時間(秒単位)を記録した。12.5〜
200μg/mLの濃度で血漿に添加した化合物の効果を調べた。240秒後に
凝固しなかった血漿は、血液凝固時間を240秒とした。未分画ヘパリン比較物
を1.25〜10μg/mLの濃度範囲で用いた。全ての濃度における血液凝固
試験は、3通りに実施した。無作為ブロックデザインに対する分散分析を用いて
、血液凝固時間に観察される差の有意性を求めた。本発明の化合物は、200μ
g/mL
までの濃度では抗凝血活性を示さなかった。
実施例3、11、12および17の化合物は、抗凝血活性を示さなかった(A
PTTアッセイ)。
特定の手順は、以下の実施例に記載されている。これらの実施例は、本発明を
例示するために与えるものであって、添付の請求の範囲に記載された発明を限定
するものとして解釈すべきではない。
実施例1
N−[2−メチル−5−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル− β−D−グルコピラノシルオキシメチル)フェニル]−3−ニトロベンズアミド
工程1
N−(5−ヒドロキシメチル−2−メチルフェニル)−3−ニトロベンズアミ
ド
THF(100mL)中における3−アミノ−4−メチルベンジルアルコール
(10.0g、0.072モル)およびピリジン(5.8g、0.072モル)の撹
拌・冷却(0℃)混合物に、3−ニトロベンゾイルクロリド(13.5g、0.0
72モル)を添加した。2時間後、この混合物を濃縮し、水に懸濁し、濾過して
、褐色の固形物を得た。熱EtOHと共に摩砕して、18.8g(90%)の生
成物を白色の固形物として得た。融点198〜200℃;1H NMR(DMSO
−d6)δ2.20(s,3H),4.46(s,2H),7.12(dd,J=7
.8Hz,1.5Hz,1H),7.25(dd,J=7.8,1.5Hz,1H)
,7.82(m,1H),8.41(m,2H),8.78(s,1H),10.2
6(s,1H)。
工程2
N−[2−メチル−5−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グ
ルコピラノシルオキシメチル)フェニル]−3−ニトロベンズアミド
ニトロメタン(200mL)中におけるN−(5−ヒドロキシメチル−2−メ
チルフェニル)−3−ニトロベンズアミド(10.0g、0.034モル)、Hg
Br2(10.0g、0.041モル)、Hg(CN)2(15.0g、0.058モ
ル)、およびα−D−グルコピラノシルブロミドテトラアセテート(17.2g
、0.042モル)の混合物を4時間加熱還流した。2.0M KBrを添加し、
この混合物を30分間撹拌し、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を飽和N
aHCO3水溶液および食塩水で洗浄し、(MgSO4で)乾燥させ、濃縮して、
12.0g(56%)の生成物を褐色の発泡物として得た。1H NMR(DMS
O−d6)δ2.00(m,12H),2.21(s,3H),4.00(m,2H
),4.20(dd,J=12.4,5.0Hz,1H),4.58(d,J=12
.4Hz,1H),4.82(m,4H),5.27(t,J=9.3Hz,1H)
,7.10(d,J=7.8Hz,1H),7.24(d,J=7.8Hz,1H)
,7.25(s,1H),7.81(m,1H),8.42(m,2H),8.80
(s,1H),10.60(s,1H)。
実施例2 3−アミノ−N−[2−メチル−5−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−
β−D−グルコピラノシルオキシメチル)フェニル]ベンズアミド
MeOH(15mL)中における実施例1に記載のように調製したN−[2−
メチル−5−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシ
ルオキシメチル)フェニル]−3−ニトロベンズアミド(2.0g、3.244ミ
リモル)の溶液を、10%Pd/C(1.0g)上、大気圧で18時間水素化し
た。この混合物をソルカ・フロック(solka floc)で濾過し、濾液を濃縮した。
フラッシュクロマトグラフィー(1%MeOH/CH2Cl2)で精製して、1.
30g(68%)の生成物を白色の固形物として得た。融点94〜96℃;1H
NMR(DMSO−d6)δ2.00(m,12H),2.21(s,3H),4.
03(m,1H),4.06(d,J=2.3Hz,1H),4.20(dd,J
=12.4,5.0Hz,1H),4.55(d,J=12.4Hz,1H),4.
75(d,J=12.4Hz,1H),4.90(m,3H),5.27(t,J
=9.3Hz,1H),5.28(s,2H),6.72(m,1H),7.10(
m,4H),7.23(d,J=7.9Hz,1H),7.27(d,J=1.45
Hz,1H),9.63(s,1H)。
実施例3
5−(ヘプタ−O−アセチル−β−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニルアミン
工程1
5−(ヘプタ−O−アセチル−β−マルトシルオキシメチル)−2−メチル−
1−ニトロベンゼン
CH3NO2(60mL)中における4−メチル−3−ニトロベンジルアルコー
ル(4.0g、24.0ミリモル)およびアセトブロモ−α−マルトース(20.
0g、29.0ミリモル)の混合物に、Hg(CN)2(6.15g、24.0ミリ
モル)およびHgBr2(6.91g、19.0ミリモル)を添加した。周囲温度
で一晩撹拌した後、食塩水を添加し、この混合物を20分間撹拌した。この反応
混合物をCH2Cl2で抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、(MgSO4で)乾
燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(1:2および1:1 Et
OAc/石油エーテル)およびエーテル/石油エーテル(3:1、次いで4:1
、次いで100:0)を用いた再クロマトグラフィーで精製して、7.97gの
表題化合物を無色の固形物として得た。1H NMR(CDCl3)δ2.00(s
,3H),2.01(s,3H),2.03(s,6H),2.04(s,3H)
,2.11(s,3H),2.16(s,3H),2.60(s,3H),3.65
−3.71(m,1H),3.9−4.1(m,3H),4.2−4.3(m,2H
),4.54(dd,1H),4.62(d,1H),4.65(d,1H),4.
8−5.0(m,3H),5.06(t,1H),5.25(t,1H),5.25
(t,1H),5.36(t,1H),5.42(d,1H),5.42(d,1
H),7.32(d,1H),7.41(d,1H),7.92(s,1H)。
工程2
5−(ヘプタ−O−アセチル−β−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフ
ェニルアミン
手順A:EtOAc(100mL)中における5−(ヘプタ−O−アセチル−
β−マルトシルオキシメチル)−2−メチル−1−ニトロベンゼン(4.0g、
5.1ミリモル)およびSnCl2・H2O(8.00g、35.0ミリモル)の混
合物を2時間加熱還流した。この反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3
水溶液を添加した。15分間撹拌した後、この混合物をCH2Cl2(200mL
)で希釈し、ソルカ・フロック(solka floc)で濾過した。有機相を(MgSO4
で)乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/CH2
Cl2、1:5、次いで1:4、次いで1:2、次いで1:1)で精製して、3.
42g(89%)の5−(ヘプタ−O−アセチル−β−マルトシルオキシメチル
)−2−メチルフェニルアミンを無色の発泡物として得た。1H NMR(CDC
l3)δ1.99(s,6H),2.00(s,3H),2.03(s,6H),2
.11(s,3H),2.17(s,6H),3.63−3.67(m,1H),3
.95−4.01(m,3H),4.26(dd,2H),4.51(d,1H),
4.54(d,1H),4.75(d,1H),4.82−4.90(m,2H),
5.05(t,1H),5.20(t,1H),5.39(t,1H),5.41
(d,1H),6.62(d,1H),6.63(s,1H),7.01(d,1
H)。
塩酸塩は、エーテル(300mL)中における同様に調製した遊離塩基(5.
94g、7.86ミリモル)の溶液を飽和エーテル性HCl(100mL)で処
理することによって調製した。沈殿物を濾過によって採取して、4.83g(7
8%)の表題化合物・塩酸塩を白色の固形物として得た。融点124〜130℃
。
手順B:5−(ヘプタ−O−アセチル−β−マルトシルオキシメチル)−2−
メチル−1−ニトロベンゼン(31.1g、39.6ミリモル)の溶液を、10%
Pd/C(10.0g)上、50psiで1時間水素化した。触媒を濾過によっ
て除去し、濾液を濃縮して、白色の発泡物を得た。水と共に摩砕して、28.0
g(94%)の5−(ヘプタ−O−アセチル−β−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニルアミンを白色の固形物として得た。融点154〜156℃。
実施例4
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニル]−3−ニトロベンズアミド
CH2Cl2(10mL)中における実施例3に従って調製した5−(ヘプタ−
O−アセチル−β−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニルアミン(1
.90g、2.52ミリモル)およびピリジン(0.22g、2.77ミリモル)の
撹拌混合物に、3−ニトロベンゾイルクロリド(0.51g、2.77ミリモル)
を添加した。18時間後、この混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3
水溶液、H2O、および食塩水で洗浄し、(MgSO4で)乾燥させ、濃縮した。
フラッシュクロマトグラフィー(1:1 EtOAc/ヘキサン)で精製して、
2.00g(88%)の生成物を白色の発泡物として得た。1H NMR(DMS
O−d6)δ2.00(m,21H),2.20(s,3H),4.00(m,4H
),4.19(m,2H),4.40(dd,1H),4.56(d,1H),4.
75(m,2H),4.80(m,1H),4.85(d,1H),5.05(t
,1H),5.20(t,1H),5.30(m,2H),7.10(d,1H)
,7.25(s,1H),7.28(d,1H),7.84(m,1H),8.
42(d,1H),8.45(dd,1H),8.80(s,1H),10.28
(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C41H48N2O21として):C,54.
42;N,5.35;N,3.10。実測値:C,54.30;H,5.27;N,
3.10。
実施例5
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニル]−3−アミノベンズアミド
EtOAc(10mL)中における実施例4に記載のように調製したN−[5
−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフ
ェニル]−3−ニトロベンズアミド(0.55g、0.608ミリモル)の溶液を
、10%Pd/C(0.20g)上、大気圧で2時間水素化した。この混合物を
濾過し、濾液を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(50%EtOAc/
ヘキサン)で精製し、エーテル/ヘキサンと共に摩砕して、0.30g(56%
)の生成物を白色の固形物として得た。融点116〜118℃。
実施例6
3−アセチルアミノ−N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−
β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]ベンズアミド
THF(10mL)中における実施例5に記載のように調製した3−アミノ−
N−[2−メチル−5−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グル
コピラノシルオキシメチル)フェニル]ベンズアミド(0.85g、0.95ミリ
モル)およびピリジン(0.10g、1.15ミリモル)の混合物に、アセチルク
ロリド(0.10g、1.15ミリモル)を添加した。2時間後、この混合物を濃
縮し、水に懸濁し、濾過して、白色の固形物を得た。EtOAc/ヘキサンから
再結晶して、0.60g(71%)の生成物を白色の固形物として得た。融点1
30〜132℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.92(s,6H),1.9
4(s,3H),1.97(s,3H),2.05(s,9H),2.21(s,
3H),4.00(m,4H),4.20(m,2H),4.40(dd,J=1
2.2,1.9Hz,1H),4.54(d,J=12.2Hz,1H),4.73
(m,2H),4.86(dd,J=10.6,3.7Hz,2H),4.97(t
,J=9.9Hz,1H),5.21(t,J=9.9Hz,1H),5.27(t
,J=9.9Hz,1H),5.29(d,J=3.7Hz,1H),7.04(d
,J=7.9Hz,1H),7.06(dd,J=7.9,1.2Hz,1H),7
.09(s,1H),7.44(m,1H),7.61(d,J=7.9Hz,1H
),7.82(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),8.08(m,1H),9
.84(s,1H),10.11(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C43H52
N2O20として):C,56.33;H,5.72;N,3.05。実測値:C,
56.16;H,5.79;N,3.02。
実施例7
N−{3−[2−(ヘプタ−O−アセチル−
β−D−マルトシルオキシメチル)−6−メチルフェニルカルバモイル]−
フェニル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンズアミド
表題化合物を実施例4の手順に従って白色の固形物として調製した。融点15
8〜160℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.43(s,18H),1.9
4(s,3H),1.97(s,6H),1.98(s,6H),2.01(s,
3H),2.08(s,3H),2.22(s,3H),4.00(m,4H),
4.20(m,2H),4.39(dd,J=12.0,2.3Hz,1H),4.
48(d,J=12.4Hz,1H),4.69(d,J=12.0Hz,1H)
,4.72(t,J=12.4Hz,1H),4.82(d,J=8.1Hz,1H
),4.87(dd,J=10.6,3.9Hz,1H),4.98(t,J=9.
9Hz,1H),5.21(t,J=9.9Hz,1H),5.28(m,2H)
,7.11(dd,J=7.7,1.4Hz,1H),7.22(d,J=7.7H
z,1H),7.25(s,1H),7.49(t,J=7.9,1H),7.53
(s,1H),7.70(m,3H),8.00(d,J=7.9Hz,1H),
8.22(s,1H),9.89(s,1H),10.21(s,1H)。元素分
析の結果−計算値(C56H70N2O21として):C,60.75;H,6.37;
N,2.53。実測値:C,60.63;H,6.40;N,2.46。
実施例8
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニル]−3−シアノベンズアミド
表題化合物を実施例4の手順に従って白色の固形物として調製した。融点11
6〜118℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.91(s,3H),1.93
(s,3H),1.94(s,3H),1.97(s,6H),2.01(s,3
H),2.07(s,3H),2.22(s,3H),3.90(m,4H),4.
19(m,2H),4.38(dt,J=1.24,11.4Hz,1H),4.5
5(d,J=12.2Hz,1H),4.72(m,2H),4.84(t,J=
6.2Hz,1H),4.86(d,J=8.3Hz,1H),4.95(t,J=
9.9Hz,1H),5.21(t,J=9.9Hz,1H),5.26(d,J=
3.7Hz,1H),5.31(t,J=9.9Hz,1H),7.09(dd,J
=7.7,0.8Hz,1H),7.26(d,J=0.8Hz,1H),7.28
(d,J=7.7Hz,1H),7.75(m,1H),8.06(d,J=7.7
Hz,1H),8.25(d,J=7.9Hz,1H),8.38(s,1H),
10.08(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C42H48N2019として):
C,57.03;H,5.47;N,3.16。実測値:C,56.80;H,5.
45;N,3.06。
実施例9
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニル]−5−ニトロイソフタルアミド酸メチルエステル
表題化合物を実施例4の手順に従って白色の固形物として調製した。融点11
0〜112℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.94(s,3H),1.97
(s,6H),1.98(s,6H),2.01(s,3H),2.08(s,3
H),2.22(s,3H),4.00(m,7H),4.20(m,2H),4.
39(dd,J=12.0,2.3Hz,1H),4.48(d,J=12.4Hz
,1H),4.82(d,J=8.1Hz,1H),4.87(dd,J=10.6
,3.9Hz,1H),4.98(t,J=9.9Hz,1H),5.21(t,J
=
9.9Hz,1H),5.28(m,2H),7.13(dd,J=7.7,1.4
Hz,1H),7.26(s,1H),7.28(d,J=7.7Hz,1H),
8.79(m,1H),8.91(m,1H),9.03(m,1H),10.51
(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C43H50N2O23として);C,53.
64;H,5.23;N,2.91。実測値:C,53.70;H,5.16;N,
2.65。
実施例10
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニル]アセトアミド
CH2Cl2(20mL)中における実施例3に従って調製した5−(ヘプタ−
O−アセチル−β−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニルアミン(2
.00g、2.65ミリモル)およびトリエチルアミン(0.80g、7.94ミリ
モル)の混合物に、アセチルクロリドを滴下した。3時間後、水を添加し、層を
分離した。有機層を食塩水で洗浄し、(MgSO4で)乾燥させ、濃縮して、オ
フホワイト色の発泡物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(40%〜60%
EtOAc/ヘキサン)で精製して、白色の発泡物を得た。エーテル/ヘキサン
と共に摩砕して、1.79g(85%)の生成物を白色の固形物として得た。融
点90〜92℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.92(s,3H),1.9
3(s,3H),1.94(s,3H),1.97(s,6H),2.01(s,
3H),2.03(s,3H),2.09(s,3H),2.17(s,3H),
4.00(m,4H),4.20(m,2H),4.39(dd,J=11.4,1
.1Hz,1H),4.49(d,J=12.0Hz,1H),4.68(d,J=
12.0Hz,1H),4.70(t,J=9.8Hz,1H),4.82(d,J
=8.9Hz,1H),4.86(dd,J=10.6,3.9Hz,1H),4.
98(t,J=9.8Hz,1H),5.02(t,J=9.8Hz,1H),5.
26(m,2H),6.96(d,J=7.9Hz,1H),7.16(d,J=
7.9Hz,1H),7.32(s,1H),9.26(s,1H)。元素分析の
結果−計算値(C36H47NO19として):C,54.20;N,5.94;N,1
.
76。実測値:C,54.26;H,5.95;N,1.96。
実施例11
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニル]プロピオンアミド
表題化合物を実施例10の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.08(t,J=7.5Hz,3H),1.92(s,
3H),1.93(s,3H),1.94(s,3H),1.97(s,3H),
1.98(s,3H),2.02(s,3H),2.09(s,3H),2.16(
s,3H),2.32(q,J=7.5Hz,2H),3.96(m,4H),4.
18(m,2H),4.39(dd,J=12.0,1.9Hz,1H),4.49
(d,J=12.5Hz,1H),4.71(m,2H),4.83(m,2H)
,4.98(t,J=9.8Hz,1H),5.21(t,J=9.8Hz,1H)
,5.28(m,2H),6.97(d,J=8.1Hz,1H),7.17(d,
J=8.1Hz,1H),7.31(s,1H),9.19(s,1H)。元素分
析の結果−計算値(C37H49NO19として):C,54.74;H,6.08;N
,1.72。実測値:C,54.38;H,6.06;N,1.74。
実施例12
ペンタン酸N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−
β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]アミド
表題化合物を実施例10の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ0.90(t,J=7.3Hz,3H),1.33(m,
2H),1.57(m,2H),1.92(s,3H),1.93(s,3H),
1.94(s,3H),1.97(s,3H),1.98(s,3H),2.02(
s,3H),2.09(s,3H),2.19(s,3H),2.31(t,J=
7.3Hz,2H),3.94(m,4H),4.19(m,2H),4.39(d
,J=11.8Hz,1H),4.48(d,J=12.0Hz,1H),4.70
(m,2H),4.85(m,2H),4.98(t,J=9.8Hz,1H),
5.21(t,J=9.8Hz,1H),5.28(m,2H),6.97
(d,J=7.9Hz,1H),7.17(d,J=7.9Hz,1H),7.29
(s,1H),9.21(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C39H53NO1 9
として):C,55.76;H,6.36;N,1.67。実測値:C,55.7
2;H,6.39;N,1.60。
実施例13
N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニル]−2,2−ジメチルプロピオンアミド
表題化合物を実施例10の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.22(s,9H),1.93(s,3H),1.94
(s,3H),1.95(s,3H),1.97(s,3H),1.98(s,3
H),2.02(s,3H),2.09(s,3H),2.13(s,3H),3.
97(m,4H),4.18(m,2H),4.39(m,1H),4.51(d
,J=12.0Hz,1H),4.70(m,2H),4.84(m,2H),4.
98(t,J=9.8Hz,1H),5.21(t,J=9.8Hz,1H),5.
28(m,2H),7.02(dd,J=7.9,1.2Hz,1H),7.09(
d,J=1.2Hz,1H),7.19(d,J=7.9Hz,1H),8.88(
s,1H)。元素分析の結果−計算値(C39H53NO19として):C,55.7
6;H,6.36;N,1.67。実測値:C,55.53;H,6.56;N,1
.61。
実施例14
シクロプロパンカルボン酸N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−
β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]アミド
表題化合物を実施例10の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ0.76(d,J=6.0Hz,4H),1.86(m,
1H),1.92(s,3H),1.94(s,3H),1.96(s,6H),
1.97(s,6H),2.01(s,3H),2.08(s,3H),2.18(
s,3H),4.00(m,4H),4.21(m,2H),4.39(dd,J
=12.0,2.3Hz,1H),4.48(d,J=12.4Hz,1H),
4.67(d,J=12.0Hz,1H),4.71(t,J=9.9Hz,1H)
,4.82(d,J=8.1Hz,1H),4.86(dd,J=10.6,3.4
Hz,1H),4.98(t,J=9.9Hz,1H),5.21(t,J=9.9
Hz,1H),5.28(m,2H),6.96(dd,J=7.7,1.4Hz,
1H),7.17(d,J=7.7Hz,1H),7.28(d,J=1.4Hz,
1H),9.16(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C38H49NO19とし
て):C,55.40;H,6.00;N,1.70。実測値:C,55.25;H
,5.99;N,1.68。
実施例15
シクロペンタンカルボン酸N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−
β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]アミド
表題化合物を実施例10の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.58(m,2H),1.71(m,4H),1.85
(m,2H),1.92(s,3H),1.93(s,3H),1.94(s,3
H),1.97(s,6H),2.01(s,3H),2.08(s,3H),2.
15(s,3H),2.82(m,1H),4.00(m,4H),4.21(m
,2H),4.39(dd,J=12.0,2.3Hz,1H),4.48(d,J
=9.9Hz,1H),4.82(d,J=8.1Hz,1H),4.86(dd,
J=10.6,3.9Hz,1H),4.98(t,J=9.9Hz,1H),5.
21(t,J=9.9Hz,1H),5.28(m,2H),6.96(dd,J
=7.7,1.4Hz,1H),7.17(d,J=7.7Hz,1H),7.28
(dd,J=1.4Hz,1H),9.16(s,1H)。元素分析の結果−計算
値(C40H53NO19として):C,56.33;H,5.72;N,3.05。実
測値:C,56.16;H,5.79;N,3.02。
実施例16 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]−3−シクロペンチルプロピオンアミド
表題化合物を実施例10の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.10(m,2H),1.48(m,2H),1.60
(m,4H),1.78(m,2H),1.92(s,6H),1.94(s,3
H),1.95(m,1H),1.98(s,6H),2.01(s,3H),2.
10(s,3H),2.18(s,3H),2.32(t,J=7.7Hz,2H
),4.00(m,4H),4.21(m,2H),4.39(dd,J=12.0
,2.3Hz,1H),4.48(d,J=12.4Hz,1H),4.67(d,
J=12.0Hz,1H),4.71(t,J=9.9Hz,1H),5.28(m
,2H),6.96(dd,J=7.7,1.4Hz,1H),7.17(d,J=
7.7Hz,1H),7.28(d,J=1.4Hz,1H),9.21(s,1H
)。元素分析の結果−計算値(C42H57NO19として):C,57.33;H,
6.53;N,1.59。実測値:C,57.50;H,6.52;N,1.80。
実施例17 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]−4−(メタンスルホニルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
THF(10mL)中における実施例3に記載のように調製した5−(ヘプタ
−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニルアミ
ン(0.80g、1.06ミリモル)およびピリジン(0.09g、1.06ミリモ
ル)の混合物に、4−(メタンスルホニルアミノ)ベンゼンスルホニルクロリド
(0.29g、1.06ミリモル)を添加した。18時間後、この混合物をEtO
Acで希釈し、5%KHSO4水溶液、飽和NaHCO3水溶液、および食塩水で
洗浄し、(MgSO4で)乾燥させ、濾過した。フラッシュクロマトグラフィー
(2%MeOH/CH2Cl2)で精製して、白色の発泡物を得、エーテルと共に
摩砕して、0.80g(83%)の生成物を白色の固形物として得た。融点11
6〜118℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.94(s,6H),1.97
(s,12H),2.01(s,3H),2.09(s,3H),3.08(s,
3H),4.01(m,4H),4.19(m,2H),4.37(d,J=12.
2Hz,1H),4.41(d,J=12.2Hz,1H),4.70(m,2H
),4.80(d,J=8.1Hz,1H),4.86(dd,J=10.6,
3.7Hz,1H),4.98(t,J=9.9Hz),1H,5.21(t,J=
9.9Hz,1H),5.27(d,J=9.9Hz,1H),5.29(d,J=
3.7Hz,1H),7.00(dd,J=7.9,1.2Hz,1H),7.04
(d,J=1.2Hz,1H),7.09(d,J=7.9Hz,1H),7.27
(d,J=8.7Hz,2H),7.55(d,J=8.7Hz,2H),9.50
(s,1H),10.35(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C41H52N2
O22S2として):C,49.79;H,5.30;N,2.83。実測値:C,4
9.50;H,5.28;N,2.93。
実施例18 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]−4−シアノベンゼンスルホンアミド
表題化合物を実施例17の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.88(s,3H),1.93(s,3H),1.94
(s,3H),1.95(s,3H),1.97(s,3H),1.98(s,3
H),2.02(s,3H),2.09(s,3H),3.96(m,4H),4.
35(m,2H),4.38(d,J=10.6Hz,1H),4.46(d,J
=12.2Hz,1H),4.66(m,2H),4.81(d,J=7.9Hz,
1H),4.86(dd,J=10.4,3.7Hz,1H),4.98(t,J=
9.8Hz,1H),5.22(t,J=10.4Hz,1H),5.29(m,2
H),6.97(d,J=1.5Hz,1H),7.03(dd,J=7.9,1.
5Hz,1H),7.12(d,J=7.9Hz,1H),7.77(d,J=8.
7Hz,2H),8.03(d,J=8.7Hz,2H),9.94(s,1H)
。元素分析の結果−計算値(C41H48N2O20Sとして):C,53.48;H,
5.25;N,3.04。実測値:C,53.08;H,5.21;N,2.89。
実施例19 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド
表題化合物を実施例17の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.86(s,3H),1.93(s,3H),1.94
(s,3H),1.95(s,3H),1.97(s,3H),1.98(s,3
H),2.02(s,3H),2.08(s,3H),3.95(m,4H),4.
18(m,2H),4.38(m,1H),4.45(d,J=12.7Hz,1
H),4.65(m,2H),4.80(d,J=7.9Hz,1H),4.86(
dd,J=10.6,3.9Hz,1H),4.98(t,J=9.8Hz,1H)
,5.21(t,J=9.8Hz,1H),5.28(m,2H),7.00(s,
1H),7.03(d,J=7.9Hz,1H),7.12(d,J=7.9Hz,
1H),7.83(d,J=8.1Hz,2H),7.95(d,J=8.1Hz,
2H),9.90(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C41H48F3NO20S
として):C,51.09;H,5.02;N,1.45。実測値:C,50.87
;H,4.99;N,1.50。
実施例20 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]−3−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド
表題化合物を実施例17の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.86(s,3H),1.93(s,3H),1.94
(s,3H),1.95(s,3H),1.97(s,3H),1.98(s,3
H),2.02(s,3H),2.08(s,3H),3.95(m,4H),4.
18(m,2H),4.36(m,1H),4.44(d,J=12.7Hz,1
H),4.64(d,J=12.7Hz,1H),4.69(dd,J=9.5,8
.1Hz,1H),4.79(d,J=8.5Hz,1H),4.86(dd,J=
10.6,3.7Hz,1H),4.98(t,J=9.8Hz,1H),5.22
(dd,J=10.4,9.5Hz,1H),5.28(m,2H),6.96(d
,J=1.5Hz,1H),7.04(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7
.12(d,J=8.1Hz,1H),7.81(m,1H),7.86(s,1H
),7.90(d,J=8.5Hz,1H),8.05(d,J=7.9Hz,1H
),9.86(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C41H48F3NO20
Sとして):C,51.09;H,5.02;N,1.45。実測値:C,50.8
7;H,4.97;N,1.46。
実施例21 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド
表題化合物を実施例17の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.90(s,3H),1.92(s,3H),1.93
(s,3H),1.94(s,3H),1.98(s,3H),2.02(s,3
H),2.08(s,3H),3.95(m,4H),4.18(m,2H),4.
38(m,1H),4.44(d,J=12.2Hz,1H),4.63(d,J
=12.2Hz,1H),4.69(dd,J=9.5,8.1Hz,1H),4.
77(d,J=8.1Hz,1H),4.86(dd,J=10.6,3.9Hz,
1H),4.98(t,J=9.5Hz,1H),5.22(dd,J=10.4,
9.8Hz,1H),5.28(m,2H),7.02(m,2H),7.11(d
,J=7.9Hz,1H),7.80(m,3H),7.99(d,J=7.5Hz
,1H),9.79(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C41H48F3NO20
Sとして):C,51.09;H,5.02;N,1.45。実測値:C,50.8
5;H,4.89;N,1.45。
実施例22 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]−3−(メタンスルホニルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
表題化合物を実施例17の手順に従って白色の固形物として調製した。融点1
22〜124℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.84(s,3H),1.9
3(s,3H),1.94(s,6H),2.01(s,3H),2.09(s,
3H),2.93(s,3H),4.00(m,4H),4.20(m,2H),
4.40(d,J=12.0Hz,1H),4.43(d,J=12.4Hz,1H
),4.70(m,2H),4.79(d,J=7.9Hz,1H),4.86(d
d,J=10.6,3.9Hz,1H),4.97(t,J=9.9Hz,1
H),5.21(t,J=9.9Hz,1H),5.27(d,J=3.9Hz,1
H),5.29(t,J=9.9Hz,1H),7.01(d,J=7.7Hz,1
H),7.02(s,1H),7.09(d,J=7.7Hz,1H),7.28(
dd,J=7.9,1.9Hz,1H),7.40(dd,J=7.9,1.9Hz
,1H),7.47(m,1H),7.53(m,1H),9.66(s,1H)
,10.11(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C41H52N2O22S2とし
て):C,49.79;H,5.30;N,2.83。実測値:C,49.36;H
,5.31;N,2.95。
実施例23 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]−4−メトキシベンゼンスルホンアミド
表題化合物を実施例17の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.90(s,3H),1.93(s,3H),1.94
(s,3H),1.95(s,3H),1.98(s,3H),2.02(s,3
H),2.09(s,3H),3.81(s,3H),3.96(m,4H),4.
18(m,2H),4.38(m,1H),4.44(d,J=12.5Hz,1
H),4.63(d,J=12.5Hz,1H),4.70(dd,J=9.3,8
.1Hz,1H),4.77(d,J=7.9Hz,1H),4.86(dd,J=
10.6,3.9Hz,1H),4.98(t,J=9.8Hz,1H),5.22
(dd,J=10.4,9.8Hz,1H),5.28(m,2H),7.03(m
,5H),7.55(d,J=9.1Hz,1H),9.41(s,1H)。元素
分析の結果−計算値(C41H51NO21Sとして):C,53.19;H,5.55
;N,1.51。実測値:C,52.80;H,5.41;N,1.52。
実施例24 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド
表題化合物を実施例17の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.87(s,3H),1.94(s,6H),1.95
(s,3H),1.98(s,6H),2.02(s,3H),2.09(s,3
H),2.36(s,3H),3.95(m,4H),4.17(m,2H),4.
38(dd,J=11.8,1.0Hz,1H),4.43(d,J=12.2Hz
,1H),4.64(d,J=12.2Hz,1H),4.70(dd,J=9.3
,8.1Hz,1H),4.77(d,J=8.1Hz,1H),4.86(dd,
J=10.4,3.7HZ,1H),4.98(t,J=9.8Hz,1H),5.
22(t,J=10.1Hz,1H),5.28(m,2H),6.98(d,J
=8.1Hz,1H),7.03(s,1H),7.08(d,J=8.1Hz,1
H),7.33(d,J=8.1Hz,2H),7.51(d,J=8.1Hz,2
H),9.49(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C41H51NO20Sとし
て):C,54.12;H,5.65;N,1.54。実測値:C,53.79;H
,5.53;N,1.53。
実施例25 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]−4−クロロベンゼンスルホンアミド
表題化合物を実施例17の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.89(s,3H),1.94(s,6H),1.95
(s,3H),1.98(s,6H),2.02(s,3H),2.09(s,3
H),3.99(m,4H),4.16(dd,J=12.0,4.4Hz,1H)
,4.20(m,1H),4.39(dd,J=11.4,0.6Hz,1H),4
.45(d,J=12.2Hz,1H),4.65(d,J=12.2Hz,1H)
,4.71(dd,J=9.3,7.9Hz,1H),4.79(d,J=7.9H
z,1H),4.86(dd,J=10.4,3.7Hz,1H),4.98(t,
J=9.8Hz,1H),5.22(dd,J=10.2,9.5Hz,1H),5
.28(m,2H),7.01(m,2H),7.11(d,J=7.7Hz,1H
),7.62(s,4H),9.72(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C40
H48ClNO20Sとして):C,51.64;H,5.20;N,1.51。実
測値:C,51.47;H,5.10;N,1.58。
実施例26 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]−4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホンアミド
表題化合物を実施例17の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ1.92(s,3H),1.93(s,3H),1.94
(s,3H),1.97(s,6H),1.98(s,3H),2.01(s,3
H),2.07(s,3H),4.00(m,4H),4.20(m,2H),4.
39(dd,J=12.0,2.3Hz,1H),4.46(d,J=12.0Hz
,1H),4.68(m,2H),4.80(d,J=8.1Hz,1H),4.8
5(dd,J=10.6,3.7Hz,1H),4.98(t,J=9.9Hz,1
H),5.22(t,J=9.9Hz,1H),5.28(d,J=3.7Hz,1
H),5.30(m,1H),6.94(d,J=1.5Hz,1H),7.07(
dd,J=7.7,1.5Hz,1H),7.17(d,J=7.7Hz,1H),
7.86(dd,J=8.5,2.1Hz,1H),7.96(d,J=8.5Hz
,1H),8.29(d,J=2.1Hz,1H),10.02(s,1H)。元
素分析の結果−計算値(C40H47ClN2O22Sとして):C,49.26;H,
4.86;N,2.87。実測値:C,49.19;H,4.71;N,2.62。
実施例27 N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−
メチルフェニル]メタンスルホンアミド
表題化合物を実施例17の手順に従って白色の固形物として調製した。融点9
6〜98℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.93(s,6H),1.94(
s,3H),1.97(s,6H),2.01(s,3H),2.08(s,3H
),2.28(s,3H),2.96(s,3H),3.98(m,4H),4.1
9(m,2H),4.40(dd,J=12.0,2.3Hz,1H),4.71(
m,2H),4.85(m,2H),4.97(t,J=9.9Hz,1H),5.
21(t,J=9.9Hz,1H),5.27(d,J=3.7Hz,1H),5.
29(t,J=9.9Hz,1H),7.05(dd,J=7.7,1.2Hz,
1H),7.19(d,J=1.2Hz,1H),7.22(d,J=7.7Hz,
1H),9.05(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C35H47NO20Sと
して):C,50.42;H,5.68;N,1.68。実測値:C,50.29;
H,5.56;N,1.58。
実施例28
ブタン−1−スルホン酸N−[5−(ヘプタ−O−アセチル−
β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]アミド
表題化合物を実施例17の手順に従って白色の発泡物として調製した。1H N
MR(DMSO−d6)δ0.87(t,J=7.5Hz,3H),1.39(m,
2H),1.68(m,2H),1.93(s,3H),1.94(s,3H),
1.95(s,3H),1.97(s,6H),1.98(s,3H),2.02(
s,3H),2.09(s,3H),2.28(s,3H),3.05(dd,J
=7.7,6.6Hz,2H),3.95(m,4H),4.18(m,2H),4
.40(dd,J=11.8,1.2Hz,1H),4.51(d,J=12.2H
z,1H),4.71(m,2H),4.85(m,2H),4.98(t,J=
9.8Hz,1H),5.21(t,J=9.8Hz,1H),5.29(m,2H
),7.03(d,J=7.7Hz,1H),7.18(s,1H),7.21(d
,J=7.7Hz,1H),9.04(s,1H)。元素分析の結果−計算値(C38
H51NO20Sとして):C,52.23;H,5.88;N,1.60。実測値
:C,51.88;H,5.97;N,1.52。
実施例29
4−(ヘプタ−O−アセチル−
β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニルアミン
工程1
4−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチ
ル−1−ニトロベンゼン
THF(130mL)中における3−メチル−4−ニトロベンジルアルコール
(5.0g、0.030モル)、アセトブロモ−α−マルトース(25.1g、0.
036モル)、Hg(CN)2(9.2g、0.036モル)、およびHgBr2(
5.4g、0.015モル)の混合物を室温で48時間撹拌した。飽和NaCl水
溶液(100mL)を添加し、この混合物を20分間撹拌した。この反応混合物
をEtOAcで抽出し、有機相を飽和NaHCO3水溶液および飽和NaCl水
溶液で洗浄し、(MgSO4で)乾燥させ、濃縮して、黄色の発泡物を得た。エ
ーテルと共に摩砕して、6.9g(30%)の生成物を白色の固形物として得た
。融点138〜140℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.92(s,6H)
,1.95(s,6H),1.99(s,6H),2.05(s,3H),2.48
(s,3H),3.96(m,4H),4.15(m,2H),4.37(d,J
=11.7Hz,1H),4.81(m,6H),5.25(m,3H),7.30
(d,J=8.3Hz,1H),7.33(s,1H),7.98(d,J=8.3
Hz,1H)。
工程2
4−(ヘプタ−O−アセチル−β−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフ
ェニルアミン
EtOAc(80mL)中における4−(ヘプタ−O−アセチル−β−マルト
シルオキシメチル)−2−メチル−1−ニトロベンゼン(5.95g、7.57ミ
リモル)の溶液を、10%Pd/C(2.60g)上、50psiで30分間水
素化した。触媒を濾過によって除去し、濾液を濃縮して、白色の発泡物を得た。
40%EtOAc/ヘキサンと共に摩砕して、5.70g(100%)の生成物
を白色の固形物として得た。融点164〜166℃;1H NMR(DMSO−d6
)δ1.92(s,3H),1.94(s,3H),1.97(s,6H),1.
99(s,6H),2.01(s,3H),2.07(s,3H),3.98(m
,4H),4.17(m,2H),4.30(d,J=12.0Hz,1H),4.
37(d,J=12.0Hz,1H),4.50(d,J=12.0Hz,1H)
,4.62(d,J=10.6Hz,1H),4.75(d,J=8.1Hz,1H
),4.82(m,2H),4.97(t,J=9.9Hz,1H),5.25(m
,4H),6.58(d,J=8.3Hz,1H),6.78(d,J=8.3Hz
,1
H),6.81(s,1H)。
塩酸塩は、ジオキサン(1.5mL)中における遊離塩基(0.50g、0.6
6ミリモル)の溶液を飽和エーテル性HCl(25mL)で処理することによっ
て調製した。沈殿物を濾過によって採取して、0.35g(67%)の表題化合
物を白色の固形物・塩酸塩として得た。融点160℃(分解)。元素分析の結果
(C34H46NO18・HClとして)−計算値:C,51.55;H,5.85;N
,1.77。実測値:C,50.92;H,5.54;N,1.84。
実施例30 N−[4−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2− メチルフェニル]−4−(メタンスルホニルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
THF(8mL)中における実施例29に記載のように調製した4−(ヘプタ
−O−アセチル−β−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニルアミン(
0.80g、1.06ミリモル)およびEt3N(0.11g、1.11ミリモル)
の冷却(0℃)溶液に、4−(メチルスルホニルアミノ)ベンゼンスルホニルク
ロリド(0.30g、1.11ミリモル)を添加した。冷却浴を取り除き、室温で
24時間撹拌し続けた。EtOAcを添加し、この混合物を水および食塩水で洗
浄し、(MgSO4で)乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(
40%EtOAc/ヘキサン)で精製して、0.50g(48%)の生成物を白
色の固形物として得た。融点116〜118℃;1H NMR(DMSO−d6)
δ1.88(s,3H),1.92(s,3H),1.94(s,3H),1.97
(s,9H),2.01(s,3H),2.07(s,3H),3.10(s,3
H),3.98(m,4H),4.19(m,2H),4.37(dd,J=12.
0,2.3Hz,1H),4.48(d,J=12.4Hz,1H),4.82(d
,J=8.1Hz,1H),4.87(dd,J=10.6,3.9Hz,1H),
4.98(t,J=9.9Hz,1H),5.21(t,J=9.9Hz,1H),
5.25(d,J=3.7Hz,1H),5.28(t,J=9.9Hz,1H),
6.93(t,J=8.1Hz,1H),6.98(dd,J=8.1,1.4Hz
,1H),7.03(d,J=1.4Hz,1H),7.28(d,J=8.9Hz
,2
H),7.61(d,J=8.9Hz,2H),9.48(s,1H),10.36
(s,1H)。元素分析の結果(C41H52N2O22S2として)−計算値:C,4
9.79;H,5.30;N,2.83。実測値:C,49.66;H,5.44;
N,2.86。
実施例31
N−[4−(ヘプタ−O−アセチル−
β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]−
4−ニトロ−N−(4−ニトロフェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド
ジ−4−ニトロベンゼンスルホン化を行うこと以外は実施例30の工程3の手
順に従って、表題化合物を黄色の固形物として調製した。融点126〜128℃
;1H NMR(DMSO−d6)δ1.90(s,3H),1.94(s,3H)
,1.95(s,3H),1.97(s,3H),1.98(s,3H),2.02
(s,3H),2.07(s,3H),2.08(s,3H),4.00(m,4
H),4.20(m,2H),4.39(dd,J=12.0,2.3Hz,1H)
,4.67(d,J=12.0Hz,1H),4.78(m,2H),4.85(d
d,J=10.6,3.9Hz,1H),4.95(d,J=8.1Hz,1H),
5.01(d,J=9.9Hz,1H),5.21(t,J=9.9Hz,1H),
5.30(d,J=3.7Hz,1H),5.38(t,J=9.9Hz,1H),
6.95(d,J=8.1Hz,1H),7.18(dd,J=8.1,1.4Hz
,1H),7.28(d,J=1.4Hz,1H),8.08(d,J=8.9Hz
,4H),8.52(d,J=8.9Hz,4H)。元素分析の結果−計算値(C46
H51N3O26S2として):C,49.07;H,4.57;N,3.73。実測
値:C,48.77;H,4.59;N,3.56。
実施例32
N−アセチル−4−[アセチル(メタンスルホニル)アミノ]−
N−[5−(4',6'−O−イソプロピリデン−2,2',3,3',6−ペンタ−
O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニル]ベンゼンスルンアミド
工程1
N−[5−(β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]−4
−(メタンスルホニルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
MeOH(20mL)中における実施例17に記載のように調製したN−[5
−(ヘプタ−O−アセチル−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフ
ェニル]−4−(メタンスルホニルアミノ)ベンゼンスルホンアミド(2.08
g、2.10ミリモル)およびMeOH(4.82mL、21.0ミリモル)中の
25重量%NaOMeの混合物を室温で2時間撹拌した。pHが5〜6になるま
で、アンバーライト(Amberlite)IR−120(H+)を添加した。この混合物
を濾過し、濾液を濃縮して、1.50g(98%)の生成物をオフホワイト色の
発泡物として得た。この材料は、さらに精製することなく次の反応に直接用いた
。
工程2
N−アセチル−4−[アセチル(メタンスルホニル)アミノ]−N−[5−(
4',6'−O−イソプロピリデン−2,2',3,3',6−ペンタ−O−アセチル−
β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]ベンゼンスルホンア
ミド
CH3CN(20mL)中におけるN−[5−(β−D−マルトシルオキシメチ
ル)−2−メチルフェニル]−4−(メタンスルホニルアミノ)ベンゼンスルホ
ンアミド(0.79g、1.14ミリモル)の懸濁液に、ジメトキシプロパン(0
.36g、3.41ミリモル)およびカンフルスルホン酸(13mg、0.06ミ
リモル)を添加した。6時間後、この混合物を濃縮し、CH3CN(20mL)
に取り、ジメトキシプロパン(0.85g、8.13ミリモル)を添加した。2.
5日後、飽和NaHCO3水溶液(3mL)を添加し、この混合物を濾過した。
濾液を濃縮し、アセトンに取り、シリカゲルの短いプラグに通過させ、濃縮して
、0.83g(100%)のN−[5−(4',6'−O−イソプロピリデン−β−
D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]−4−(メタンスルホニ
ルアミノ)ベンゼンスルホンアミドを褐色の発泡物として得た。この材料は、さ
らに精製することなく次の反応に直接用いた。
ピリジン(2.3mL)中におけるN−[5−(4',6'−O−イソプロピリデ
ン−β−D−マルトシルオキシメチル)−2−メチルフェニル]−4−(メタン
スルホニルアミノ)ベンゼンスルホンアミド(0.83g、1.14ミリモル)の
冷却(0℃)溶液に、無水酢酸(2.2mL)を添加した。冷却浴を取り除き、
室温で2日間撹拌し続けた。この混合物を再度冷却し(0℃)、氷を添加した。
30分後、この混合物を濃縮し、EtOAcに取り、0.5N HCl、水、およ
び飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、(MgSO4で)乾燥させ、濃縮した。フラ
ッシュクロマトグラフィー(60%EtOAc/ヘキサン)で精製し、エーテル
と共に摩砕して、0.52g(44%)の生成物をオフホワイト色の固形物とし
て得た。融点159〜163℃;質量スペクトルm/z[M+H]+1029。
元素分析の結果−計算値(C44H56N2O22S2として):C,51.36;H,
5.49;N,2.72。実測値:C,51.10;H,5.53;N,2.72。
実施例33
N−プロピオニル−4−[プロピオニル(メタンスルホニル)アミノ]− N−[5−(ヘプタ−O−プロピオニル−β−D−マルトシルオキシメチル)−
2−メチルフェニル]ベンゼンスルホンアミド
実施例32の工程1に従って調製したN−[5−(β−D−マルトシルオキシ
メチル)−2−メチルフェニル]−4−(メタンスルホニルアミノ)ベンゼンス
ルホンアミド(0.195g、0.281ミリモル)、ピリジン(0.90g、1
1.23ミリモル)、および無水プロピオン酸(1.50g、11.23ミリモル
)の混合物を室温で3日間撹拌した。この混合物を濃縮し、EtOAcで希釈し
、水、10%KHSO4、飽和NaHCO3水溶液、および食塩水で洗浄し、(M
gSO4で)乾燥させ、濃縮して、黄色の発泡物を得た。ヘキサンと共に摩砕し
て、0.11g(33%)の生成物を白色の固形物として得た。融点98〜10
0℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.00(m,21H),2.20(m,
17H),3.60(s,3H),4.00(m,4H),4.20(m,2H)
,4.40(m,1H),4.62(m,1H),4.80(m,2H),4.88
(d
d,J=12.0,2.3Hz,1H),4.97(t,J=9.9Hz,1H),
5.02(t,J=9.9Hz,1H),5.26(m,2H),5.36(m,1
H),7.21(m,1H),7.34(m,1H),7.45(m,1H),7.
80(m,2H),8.13(m,2H)。元素分析の結果−計算値(C54H74
N2O24S2として):C,54.09;H,6.22;N,2.34。実測値:C
,53.93;H,6.11;N,2.40。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),AL,AM,AU,BB,BG,BR,BY,C
A,CN,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,JP
,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,
LV,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,P
L,RO,RU,SG,SI,SK,TJ,TM,TT
,UA,UZ,VN
(72)発明者 エリンボウ,ジョン・ワトソン
アメリカ合衆国07450ニュージャージー州
リッジウッド、ジョン・ストリート117
番
【要約の続き】