JPH10507216A - ポリエーテル、ポリエステル及びポリエーテルエステルからヘテロポリ化合物を除去する方法 - Google Patents

ポリエーテル、ポリエステル及びポリエーテルエステルからヘテロポリ化合物を除去する方法

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JPH10507216A JP8512331A JP51233195A JPH10507216A JP H10507216 A JPH10507216 A JP H10507216A JP 8512331 A JP8512331 A JP 8512331A JP 51233195 A JP51233195 A JP 51233195A JP H10507216 A JPH10507216 A JP H10507216A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヘテロポリ化合物で汚染されたポリマー、つまりポリエーテル、ポリエステルもしくはポリエーテルエステルからヘテロポリ化合物を除去する方法において、このポリマー又はポリマーの溶液に、添加により別の相の形でヘテロポリ化合物の析出を生じる程度に僅かな極性を有するエーテルを添加し、沈殿したヘテロポリ化合物相を分離する方法に関する。残留したポリマー相は、有利に、固体吸着剤を用いてさらに精製される。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリエーテル、ポリエステル及びポリエーテル エステルからヘテロポリ化合物を除去する方法 本発明は、ヘテロポリ化合物を含有するポリエーテル、ポリエステル及びポリ エーテルエステル又はこれらの溶液を、エーテルの添加がポリマー相中に存在す るヘテロポリ化合物を別の相に析出させる程度の僅かな極性を有するエーテルと 混合させることにより、ヘテロポリ化合物を含有するポリエーテル、ポリエステ ル及びポリエーテルエステル又はこれらの溶液からヘテロポリ化合物を除去する 方法に関する。 ポリエーテル、ポリエステル及びポリエーテルエステルは多方面で使用される 、例えば圧媒油中での使用又はポリウレタンの製造の際のジオール成分としての 使用が挙げられる。これらの化合物は、ブレンステッド酸触媒又はルイス酸触媒 を用いて相応するモノマー、例えば環状エーテル、アセタール、ポリアルコール 又はラクトンのカチオン性重合又は共重合により製造される。開環重合のための 特に有利な触媒としてヘテロポリ酸及びヘテロポリ酸塩(以後へあわせて「テロ ポリ化合物」又は「HPA」と表す)が挙げられる。所望のポリマー分子量の調 節及び/又は特別な末端基変性された誘導体の製造のために、この重合の際に、 通常、物質を存在させ、この物質の組み込みが直接的又は間接的に連鎖停止反応 を引き起こす。この物質は例えばカルボン酸誘導体、アルコール又は水である。 日本国特許出願公開(JP−A)第83028/1983明細書は、例えばカ ルボン酸無水物又はカルボン酸ハロゲン化物の存在で、ポリ−THFジエステル の形成下でのテトラヒドロフラン(THF)の重合を記載しており、その際ヘテ ロポリ酸を触媒として利用している。 欧州特許(EP)第126471号明細書は、水の存在で、ポリエーテルグリ コールの形成下での、THFのHPA接触重合及びTHFと多様な他の環状エー テルとの共重合を教示している。欧州特許(EP)第158229号明細書は、 環状エーテルと二官能性又はより高い官能性のアルコールとの共重合によるポリ エーテルグリコールの製造を記載している。 日本国特許(JP)61−200120号明細書によると、ラクトンを又はラ クトンと環状エーテルと一緒に、ヒドロキシル基含有の化合物の存在で、触媒と してヘテロポリ酸を用いて重合させることができる。 ポリエーテルグリコールモノエーテル及びポリエーテルグリコールモノエステ ルは、欧州特許(EP)第503393号明細書及び欧州特許(EP)第503 394号明細書によると、モノアルコール又はモノカルボン酸の存在で、HPA −触媒を用いて環状エーテ ルの重合により製造することができる。 ポリエーテル、ポリエステル及びポリエーテルエステルの製造のためのこれら の重合方法の際に、ポリマー相が生じ、このポリマー相は不完全な反応に基づき 、なお残留量のモノマー、残留量の連鎖停止反応を生じさせる化合物、場合によ り使用した溶剤並びに溶解したヘテロポリ化合物を含有する。ポリマー相中に溶 解したHPA触媒のパーセンテージは、この反応の場合に著しく、ポリマー相に 対して1重量%以上までになる。溶解した触媒は、単に未反応のモノマー、連鎖 停止試薬及び場合により使用された溶剤をこの相から留去することよりなる分離 工程の際に沈殿せず、溶解した形でポリマー中に残留する。一方で、これは品質 の理由から回避しなければならず、他方で、ヘテロポリ酸は著しく高価なため、 コストの理由から触媒の大部分は回収しなければならない。 さらに、ヘテロポリ化合物は時間の経過において分解し、熱的負荷の際に著し く分解することは公知である。このことは特に加水分解により相応する酸化物の 形成下に生じる。ヘテロポリ化合物の分解は、例えばA.Aoshima,S.Yamamatsu 及び T.Yamaguchi in Nippon Kagaku Kaishi(1990)233に記載されているよ うに、特にエーテルの添加により延長させることができるか、又は完全に阻止す ることができる。 ヘテロポリ化合物の分離の問題を解決するために、 欧州特許(EP)第181621号明細書に、ポリマー相に炭化水素又はハロゲ ン化炭化水素を添加し、それにより大部分の溶解したヘテロポリ酸を沈殿させる か及び/又は別の相として析出させることが提案されている。分離された炭化水 素/ポリマー相は引き続き固体吸着剤で処理される。しかしながらヘテロポリ化 合物の安定化は、炭化水素(場合によりハロゲン化された炭化水素)を用いて沈 殿を行うことによるこの方法においては達成されない。 ソビエト連邦共和国特許(SU−A1)第1754732号明細書においては 、ポリマー相を50〜90%のポリマーまで濃縮した後で、同様に1〜15個の C原子を有する炭化水素をヘテロポリ化合物の沈殿のために添加している。しか し、次に吸着による更なる生成の代わりに、なお存在するヘテロポリ化合物(こ の場合このヘテロポリ化合物は酸でなれなければらないが)と不溶性の塩を形成 する液状の有機窒素塩基を添加し、沈殿させ、通常の方法で分離することができ る。ポリマー中のヘテロポリ化合物の約50×10-6%のこうして達成されるべ き純度は、たいていの目的のためには不十分である。 従って、本発明の課題は、ヘテロポリ化合物を分離し、かつ同時に使用したH PAの安定化のために利用することができる、ヘテロポリ化合物を含有するポリ エーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエス テル又はこれらの溶液の精製方法を見出すことであった。 この課題は、請求項1に定義されたように、ヘテロポリ化合物で汚染されたポ リマー、つまりポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエステルか ら、ヘテロポリ化合物を除去する方法において、前記のポリマー又はその溶液に 、ポリマー層からヘテロポリ化合物が別の相の形で析出する程度に僅かな極性の エーテルを添加することを特徴とする方法により解決された。 本発明による方法により、ヘテロポリ化合物を有するポリエーテル、ポリエス テル及び/又はポリエーテルエステルを精製することができる。その際、この記 載された精製方法はHPA及び前記のポリマーを含有する全ての混合物に対して 使用することができる。 前記のポリマーの化合物は、例えば環状エーテル、アセタール、ジオール、高 級アルコール及びラクトンのグループのモノマーから構成されることができる。 同様に、他のモノマーからなるポリマーの化合物から、本発明による方法により 溶解したヘテロポリ化合物を除去することができる。精製すべきポリエーテル、 ポリエステル及び/又はポリエーテルエステルの分子量の制限はないが、500 0を下回るのが有利である。 ヘテロポリ化合物を含有するポリエーテル、ポリエ ステル及び/又はポリエーテルエステルはそれ自体又は溶解した形で、例えば有 利に重合の際に生じたその溶液の形で使用される。本願明細書及び請求の範囲中 では、「ポリマー相」又は「(ポリマー)混合物」は、少なくとも1種の上記の ポリマーを含有する相を表し、「ポリマー溶液」としてはさらに加えて溶剤とし て作用する低分子量の有機成分を含有する相を表す。 この重合方法自体は、ポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエ ステルの本発明による精製に対して重要ではない。この重合は、連続的又は不連 続的に実施することができ、重合系は例えば1相、2相又は不均一であってもよ い。 一般に、重合の際に形成されたポリマー溶液は、なお著しい量のモノマー、最 初に添加された連鎖停止試薬の大部分並びに溶解したヘテロポリ化合物を含有す る。重合を溶剤の存在で実施するのが有利であるため、重合系は場合によりこの ような溶剤を含有することもある。 HPA触媒を用いた有利な重合方法において、2液相を有する重合混合物が生 じるように作業され、その際、一方は触媒相で他方がモノマー/ポリマー相であ る。例えば水の存在で触媒としてH3PW1240を用いてTHFからポリテトラ ヒドロフラン(ポリTHF)への開環重合の際に2相の重合系が生じるような典 型的なモノマー/ポリマー相は、次のような組成である (重量%で表示):THF77.3%、ポリTHF21.2%、H3PW1240 1.2%、水0.3%。 本発明による方法にとって使用されるポリマー相の組成は、触媒、モノマー、 連鎖停止試薬の種類及び場合により使用された溶剤の含有量に依存するが、この 方法にとって重要ではない。 本発明による方法により、HPA含有ポリマー相の精製のためにエーテルが添 加され、このエーテルは、HPAで汚染されたポリマー相へのこのエーテルの添 加が、この相からHPAの沈殿を生じさせる程度に僅かな極性を有している。有 利には、双極モーメント(Dipolmoment)が1.4Dよりも小さいエーテルが使 用される。 エーテルの他の性質は任意である。例えば単純なエーテルは同じ又は異なる炭 素含有基を有することができ、その際、この基は相互に結合して1個の環を形成 することができる。炭素含有基は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル 基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基であり、これらの基は、場 合によりハロゲン(F、Cl、Br、I)により、又は1個以上のヘテロ原子( N、O、S)を含有する基により置換されていることができる。例としては、ジ エチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、ジブ チルエーテル、ジオクチルエーテル、ジシクロヘキシルエーテル、ジベンジルエ ーテル又はアニソールが挙げられる。 適当な炭素含有基の選択により、HPA−沈殿のために用いられるエーテルは それぞれ精製すべきポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエステ ルに関して最適に調製することができる。 本発明による方法を簡素化するために、室温で液状であり、反応条件下で安定 でかつ容易に取り扱うことができるエーテルを使用するのが有利である。 使用すべきエーテルの量は、精製すべきポリマー相中のHPA−含有量及び他 の低分子量の化合物、例えばモノマー、連鎖停止試薬、溶剤などの含有量に依存 するが、通常は少なくとも他の低分子量の化合物の重量と同量、頻繁には2倍ま での量である。ポリエーテル量、ポリエステル量及び/又はポリエーテルエステ ル量に対して、ヘテロ元素化合物の量は一般に50重量%以上、有利には100 重量%以上であるのが好ましい。 大量の低分子量の化合物が精製すべきポリマーと一緒に存在する場合、HPA の沈殿のために同様に大量のエーテルを添加しなければならない。従って、ポリ マー含有の混合物は、沈殿のために使用したエーテルの添加の前に、少なくとも 10重量%、有利に少なくとも50重量%以上のポリマー割合にまで濃縮するの が有利である。 エーテルの本発明による添加の際に、ポリマー相中 に溶解するHPAの大部分は沈殿する。この場合ポリマー相は適当な方法で、例 えば通常の撹拌により混合するのが有利である。HPA−除去のために、この方 法が簡単に実施できるような温度及び圧力が選択される。使用された温度が高す ぎるのは好ましくない、それというのもポリマー相中でのHPAの溶解性は温度 上昇と共に向上するためである;通常、25〜60℃の温度が選択される。この 混合物は、沈殿を完全にするために、0.1〜200時間放置することができ、 この場合、通常0.5時間で十分である。頻繁にエマルションの形成が観察され る。この場合、相分離は適当な手段(例えばコアレッサーフィルターの使用)に より促進することができる。 本発明による方法により、ポリエーテル相、ポリエステル相及び/又はポリエ ーテルエステル相中に溶解したHPAの大部分は分離される。HPAはたいてい は液相の形で析出し、この液相は重合工程へ直接返送することができる。分離さ れたHPA相中に沈殿のために使用したエーテルの少量が存在することにより、 この相は安定化される。 例えば前記した、THF重合の場合に、水及び触媒としてH3PW1240の存 在で得られたTHF/ポリTHF相は、2倍の量のジオクチルエーテルが添加さ れ、溶解したHPAの大部分は液相の形で析出する。THF/ポリTHF/ジオ クチルエーテル相中のHP A残留量は、この場合5ppmにまで低下した。 エーテルの添加によるHPA沈殿の際に進行する工程は、全部は詳細に説明し ない。この作用方式は、比較的僅かな極性を有するエーテルの添加が、極性を減 少させることにより、ポリマー相中のヘテロポリ化合物の溶解性を著しく低下さ せ、このヘテロポリ化合物がポリマー相から沈殿することにある。 ヘテロポリ酸とは本発明の範囲内で、少なくとも2種の異なる中心原子を有す る無機酸であると解釈され、これは金属の弱い多塩基性の酸素酸から、有利にク ロム、モリブデン、バナジウム及びタングステンの酸素酸及び/又はこれらの金 属の相応する酸化物、例えばCrO3、MoO3、V25又はWO3から、及び他 のもう一つの金属又は非金属、例えばヒ素、ホウ素、要素、リン、セレン、ケイ 素、ゲルマニウム又はテルルの酸化物から、混合した部分的無水物として生じる 。一般に、これらのヘテロポリ酸中の最初に挙げられた元素と最後に挙げられた 元素との間の原子比は、2.5〜12の値にあり、有利に9又は12の原子比で ある。 本発明による方法において除去することができるヘテロポリ酸の例として、次 の化合物が挙げられる: ドデカモリブダトリン酸(H3PMo1240×nH2O)、 ドデカモリブダトケイ酸(H4SiMo1240×nH2 O)、 ドデカモリブダトセリウム(IV)酸(H8CeMo1242×nH2O)、 ドデカモリブダトヒ(V)酸(H3AsMo1240×nH2O)、 ヘキサモリブダトクロム(III)酸(H3CrMo6246×nH2O)、 ヘキサモリブダトニッケル(II)酸(H4NiMo6246×5H2O)、 ヘキサモリブダトヨウ素酸(H5IMo624×nH2O)、 オクタデカモリブダト二リン酸(H62Mo1862×11H2O)、 オクタデカモリブダト二ヒ(V)酸(H6As2Mo1862×25H2O)、 ノナモリブダトマンガン(IV)酸(H6MnMo932×nH2O)、 ウンデカモリブダトバナダトリン酸(H4PMo11VO40×nH2O)、 デカモリブダトジバナダトリン酸(H5PMo10240×nH2O)、 ドデカバナダトリン酸(H7PV1236×nH2O)、 ドデカウォルフラマトケイ酸(H4SiW1240×7H2O)、 ドデカウォルフラマトリン酸(H3PW1240×nH2 O)、 ドデカウォルフラマトホウ酸(H5BW1240×nH2O)、 オクタデカウォルフラマト二リン酸(H621862×14H2O)、 オクタデカウォルフラマト二ヒ(V)酸(H6As21862×14H2O)、 ヘキサモリブダトヘキサウォルフラマトリン酸(H3PMo6640×nH2O) 。 もちろんヘテロポリ酸の混合物も除去できる。頻繁に、本発明による方法はド デカウォルフラマトリン酸、ドデカウォルフラマトケイ酸及び/又はドデカモリ ブダトケイ酸の除去のために用いられる、それというのもその良好な入手可能性 に基づき有利な触媒として使用されるためである。 本発明による方法は、特に有利に、触媒として遊離ヘテロポリ酸を使用する方 法で製造されたポリマーの精製のために使用される。しかし、ヘテロポリ酸のア ルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を分離することも可能である。 前記したような低減されたHPA含有量を有するポリエーテル、ポリエステル 及びポリエーテルエステルは、さらに、固体吸着剤と接触させることにより精製 することができる。この場合、このポリマーは直接又は溶解した形で固体吸着剤 で処理することができる。 場合によりなお溶剤含有のモノマー/ポリマー混合物の使用が有利である。この 場合、HPA沈殿の際に生じるような混合物でも、濃縮した形又は希釈した形で も使用することができる。ポリマー相中に有利に含まれるモノマー量は、少なく とも10重量%、有利に50重量%以上であるのが好ましい。 固体吸着剤の種類はヘテロポリ化合物を吸着できるかぎり制限はない。活性炭 、酸化アルミニウム、アルカリ土類金属及び希土類金属の酸化物、水酸化物及び 炭酸塩ならびに塩基性イオン交換体が有利である。吸着剤の量はHPA含有量に 依存して、溶解したHPAに対して2倍〜5000倍、有利に10倍〜1000 倍であることができる。一般に大量の吸着剤の使用は処理後の僅かなHPA残留 量を生じさせる。 この精製工程の際の温度は、特に制限はないが、処理すべき溶液が適当な粘度 を有するように選択するのが好ましい。純粋な形で1000の平均分子量を有す るポリエーテルを使用する場合、適当な温度は通常20〜150℃、有利に30 〜100℃である。 精製されたポリマーが固体吸着剤を用いた処理の後になおモノマー又は溶剤を 含有する場合、これらを例えば常圧で又は真空中での蒸留により除去し、その際 、著しく僅かなHPA含有量を有するポリマーを得ることができ、この含有量は 、純粋なポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエステルに関して 1ppmを下回ることができる。従って、本発明による方法により、ポリエーテ ル、ポリエステル及び/又はポリエーテルエステルは経済的により高い純度で得 ることができる。 次に記載する実施例の全ての濃度表示は、重量%で示す。この試験は全て窒素 下で実施した。ヘテロポリ酸の定量分析はX線回折及び原子吸光分析により実施 した。 例1 テトラヒドロフラン(THF)のポリテトラヒドロフラン(ポリTHF)への 重合の際に、水の存在で、H3PW1240を触媒として用いて生じるポリマー相 を使用し、このポリマー相は次の組成を有していた: THF(77.3%)、ポリTHF(21.2%)、H3PW1240(1.2% )、水(0.3%)。 この混合物100gに、ジオクチルエーテル200gを添加した。30時間後 に、あらかじめ溶かしたH3PW1240の大部分は液体混合物の形で沈殿し、分 離することができた。THF/ポリTHF/ジオクチルエーテル−相は、なお5 ppmのH3PW1240の残留量を有していた。引き続き、この有機相に活性炭 (Merck)20gを添加し、室温で4時間振出した。活性炭の分離及び真空中で の濃縮の後に得られたポリTHFは、1ppmを下回るH3PW1240含有量を 有していた。 例2〜6 例2〜6について、THF/ポリTHF/HPA溶液それぞれ100gを使用 し、この組成は表1に示した。この混合物にエーテル(「精製化合物」)を添加 し、50時間後に混合物中のHPA残留量を測定した。引き続き、全ての試料に 活性炭20gを添加し、室温で4時間振出し、10mbar/140℃で濃縮し た。こうして得られたポリTHFの分析は、1ppmより少ないHPA残留量で あった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ヘテロポリ化合物で汚染されたポリマー、つまりポリエーテル、ポリエス テルもしくはポリエーテルエステルからヘテロポリ化合物を除去する方法におい て、このポリマー又はポリマーの溶液に、添加により別の相の形でヘテロポリ化 合物の析出を生じる程度に僅かな極性を有するエーテルを添加し、沈殿したヘテ ロポリ化合物相を分離することを特徴とするポリエーテル、ポリエステル及びポ リエーテルエステルからヘテロポリ化合物を除去する方法。 2. 式:R1−O−R2のエーテルを使用し、その際、R1及びR2は同じ又は異 なる置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シク ロアルケニル基、アリール基及びアラルキル基であることができるか、相互に結 合して環式基であることができる、請求項1記載の方法。 3. エーテルがジアルキルエーテルである、請求項1又は2記載の方法。 4. エーテルが分枝鎖ジアルキルエーテルである、請求項1から3までのいず れか1項記載の方法。 5. エーテルが通常の条件下で液体として存在する、請求項1から4までのい ずれか1項記載の方法。 6. 存在する他の低分子量化合物の重量と少なくとも同量であるか又は存在す るポリマーの重量の少な くとも50%のエーテル重量を添加する、請求項1から5までのいずれか1項記 載の方法。 7. エーテルを添加する前に、少なくとも10重量%、有利に少なくとも50 重量%のポリマー含有量のポリマー溶液を使用する、請求項1から6までのいず れか1項記載の方法。 8. ポリマーをヘテロポリ化合物相の分離後に、ヘテロポリ化合物を吸着する ことができる固体吸着剤と接触させる、請求項1から7までのいずれか1項記載 の方法。 9. 固体吸着剤として、活性炭、酸化アルミニウム、アルカリ土類金属及び希 土類金属の酸化物、その水酸化物及びその炭酸塩及び塩基性イオン交換体のグル ープからの1種又は複数の混合物を使用する、請求項1から8までのいずれか1 項記載の方法。 10. ヘテロポリ化合物の除去後に、モノマー、連鎖停止化合物、場合により 添加された溶剤及び他の低沸点化合物の分離によりポリマーを得る、請求項1か ら9までのいずれか1項記載の方法。 11. ポリオキシテトラメチレン基を含有するポリエーテルを使用する、請求 項1から10までのいずれか1項記載の方法。 12. 分離したヘテロポリ化合物相を重合触媒として再使用する、請求項1か ら11までのいずれか1項記載の方法。
JP8512331A 1994-10-07 1995-10-06 ポリエーテル、ポリエステル及びポリエーテルエステルからヘテロポリ化合物を除去する方法 Pending JPH10507216A (ja)

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