【発明の詳細な説明】
17−ベータ−置換アンドロスタ−3,5−ジエン−3−カルボン酸の製法
発明の分野
本発明は置換ステロイド3−ハロゲン−3,5−ジエン誘導体を置換ステロイ
ド3,5−ジエン−3−カルボン酸誘導体に変換する改良方法に関する。このよ
うな化合物は、1991年5月21日付けでホルト(Holt)らに発行された、米
国特許第5,1017,568号および、国際出願番号:PCT/US93/11
241−1994年5月26日に公開された国際公開番号WO94/11386
にて、ステロイド5−α−レダクターゼを阻害するのに有用であると記載されて
いる。
発明の背景
置換ステロイド3−ハロゲン−3,5−ジエン中間体から置換ステロイド3,5
−ジエン−3−カルボン酸誘導体を製造する方法は以前に記載されている。特に
、ステロイド3,5−ジエン−3−カルボン酸誘導体を得るのにステロイド3−
ブロモ−3,5−ジエン中間体の接触またはアルキルリチウム媒介のカルボキシ
ル化\加水分解の使用(N−ブチルリチウムを用いた場合に、収率15%)が、
米国特許第5,017,568号に報告されている。脱ハロゲン化試薬を加える前
に、前記した反応にて臭素化中間体の酸性水素原子を選択的に脱プロトン化する
ために、適用できるならば、塩基性媒体を使用することが、1993年7月22
日公開の国際公開番号WO93/14106において、得られるステロイド3,
5−ジエン−3−カルボン酸誘導体の収率を増加させることが示されている(N
−t−ブチル−アンドロスト−3,5−ジエン−3−ブロモ−17β−カルボキ
シアミドからN−t−ブチル−アンドロスト−3,5−ジエン−17β−カルボ
キシアミド−3−カルボン酸を製造する場合で63%)。その塩基性媒体を調製
するのに利用される好ましい塩基としてそこに開示されている塩基は、臭化エチ
ルマ
グネシウムおよび塩化エチルマグネシウムである。加えて、ステロイド3−ブロ
モ−3,5−ジエン中間体をシアン化し、その後、ケン化してステロイド3,5−
ジエン−3−カルボン酸誘導体を得ることが、1993年8月19日公開の国際
公開番号WO93/16097に記載されている。
全収率が一般に低いことに加えて、これら開示の主な欠点は、N−ブチルリチ
ウムおよび臭化エチルマグネシウムまたは塩化エチルマグネシウムが、工業的プ
ロセスに有意なコストを付加する高価な試薬であることである。さらには、N−
ブチルリチウムは可燃性であり、カルボキシル化反応は希釈濃度でなされること
である。シアン化複合体は溶媒回収系にて危険な廃棄物となるため、シアン化試
薬の使用は環境問題を引き起こす。かくして、当該分野において、置換ステロイ
ド3−ハロゲン−3,5−ジエン誘導体を置換ステロイド3,5−ジエン−3−カ
ルボン酸誘導体に変換するのに、安全で、経済的で、信頼できる環境にやさしい
方法に対する要求がある。
発明の要約
本発明はステロイド3−ハロゲン−3,5−ジエン誘導体をステロイド3,5−
ジエン−3−カルボン酸誘導体に変換する改良方法に関する。
本発明は、詳細には、N−t−ブチル−アンドロスト−3,5−ジエン−17
β−カルボキシアミド−3−カルボン酸を製造するための改良方法に関する。
本発明は、詳細には、17β−(フェニルエチルカルボニル)−アンドロスタ
−3,5−ジエン−3−カルボン酸を製造するための改良方法に関する。
発明の詳細な記載
本願明細書および請求の範囲の全体を通して用いる場合、ステロイド核の炭素
は以下のように番号付け、その環を以下のように文字化する:
式(I)の化合物の医薬上許容される塩、水和物および溶媒和物は、当業者に
周知の方法により、適宜、形成される。
特に断らない限り、本願明細書および請求の範囲にて用いる「ハロゲン」なる
語は、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
好ましくは、本願明細書にて用いる「ハロゲン」なる語は、臭素またはヨウ素
を意味する。
本発明は、式(I):
[式中、
R1は
(i)−C(O)NR2R3であり、ここにR2およびR3は、各々、独立して水素
、C1-8アルキル、C3-6シクロアルキルおよびフェニルから選択されるか、また
はR2およびR3は、それらが結合する窒素と一緒になって、酸素および窒素より
選択される1個までの他のヘテロ原子を含有してなる5−6員の飽和環を表すか
;
(ii)−C(O)−A−R4であり、ここにAは存在しないか、または1ないし
4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖状、飽和または不飽和炭化水素鎖と
して存在し、R4は
a)CF3、
b)C5ないしC7シクロアルキル、または
c)ハロゲン、チオ、メチルスルホニル、メチルスルホキシル、メチルチオ
、カルボキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、フェノキシおよびメトキシか
らなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望により置換されていて
もよいC6ないしC12アリール
であるか;または
(iii)(i)または(ii)の基に化学的に変換できる基、例えば、−C≡N
、−COOHまたは−COOC1-6アルキルを意味する]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩、水和物または溶媒和物の製法
であって、式(II):
[式中、R1は前記と同意義であり、Xはハロゲンを意味する]
で示される化合物を、金属触媒のカルボニル化反応にて反応させて式(I)の化
合物を形成させ、その後、所望により医薬上許容される塩、水和物または溶媒和
物を形成することからなる方法を提供する。
R1が(i)−C(O)NR2R3(ここに、R2およびR3が、各々、独立して水
素、C1-8アルキル、C3-6シクロアルキルおよびフェニルから選択されるか、ま
たはR2およびR3がそれらが結合する窒素と一緒になって酸素および窒素より選
択される1個までの他のヘテロ原子を含有してなる5−6員の飽和環を表す)で
ある式(II)の化合物は、国際出願番号:PCT/US93/00079−19
93年7月22日に公開された国際公開番号WO93/14106に記載されて
いるように調製できる。
R1が(ii)−C(O)−A−R4(ここに、Aが存在しないか、または1ないし
4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖状、飽和または不飽和炭化水素鎖と
して存在し、R4が
a)CF3、
b)C5ないしC7シクロアルキル、または
c)ハロゲン、チオ、メチルスルホニル、メチルスルホキシル、メチルチオ
、
カルボキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、フェノキシおよびメトキシから
なる群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望により置換されていても
よいC6ないしC12アリール
である)である式(II)の化合物は、国際出願番号:PCT/US93/112
41−1994年5月26日に公開された国際公開番号WO94/11386に
記載されているように調製できる。
R1が前記の(i)または(ii)の基に化学的に変換できる基である式(II)
の化合物は、1991年5月21日付けでホルトらに発行された米国特許第5,
017,568号に記載されているような容易に利用可能な出発物質より公知方
法で調製できる。
好ましくは、前記の方法にて用いられるR1は;
(i)−C(O)NR2R3であり、ここにR2およびR3が、各々、独立して水素
、C1-8アルキル、C3-6シクロアルキルおよびフェニルから選択されるか;
(ii)−C(O)−A−R4であり、ここにAが存在しないか、または1ないし
4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖状、飽和または不飽和炭化水素鎖と
して存在し、R4が
a)CF3、
b)C5ないしC7シクロアルキル、または
c)ハロゲン、チオ、メチルスルホニル、メチルスルホキシル、メチルチオ
、カルボキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、フェノキシおよびメトキシか
らなる群より選択される1またはそれ以上の置換基で所望により置換されていて
もよいC6アリール
であるか;または
(iii)−C≡N、−COOHまたは−COOC1-6アノレキルである。
最も好ましくは、前記方法にて用いられるR1は、−C(O)NR2R3であり、
ここにR2およびR3が、各々、独立して水素、C1-8アルキル、C3-6シクロアル
キルおよびフェニルから選択されるか、または−C(O)−A−R4であり、ここ
にAが存在しないか、または1ないし4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝
鎖状、飽和または不飽和炭化水素鎖として存在し、R4がフェニルである。
式(I)の化合物は、R1が本発明の方法を不能とするような基を全く含有し
ない場合、R1またはデレック・バルトンおよびユー・ディ・オルリス(Derek B
artonおよびU.D.Ollis)、Comprehensive Organic Chemistry:The Synthesis a
nd Reactions of Organic Compounds.Pub:Pergamon Press(1979)に記載され
るように、公知の化学反応によりR1基に化学的に変換できる基を含有してなる
。該基をR1に変換する反応は、本願明細書に開示されている合成経路の生成物
に対して、または適用できるかもしくは好ましければ、これらの合成経路のある
種の中間体に対して実施される。例えば、カルボン酸置換基は、酸ハロゲン化物
に変換し、つづいてその物をアミンと反応させることでカルボキシアミドに変換
できる。エステルを酸に変換し、前記のように処理することができる。酸性触媒
下、アルキル化剤、例えば、t−ブチルアセテートまたはt−ブタノールとの反
応により、ニトリルをカルボキシアミドに変換できる。さらには、加水分解し、
前記のように処理することにより、ニトリルを−CO2Hに変換できる。
好ましくは、式IIの化合物を式Iの化合物に変換する反応は、25℃ないし1
50℃の温度でなされる。特に好ましい温度範囲は50℃〜110℃である。
本願明細書および請求の範囲にて用いられる「金属触媒のカルボニル化反応」
なる語は、
a)ステロイド3−ハロゲン−3,5−ジエン中間体を、適当な有機溶媒また
はその組み合わせ、好ましくはジメチルスルホキシド、トルエン、ジメチルホル
ムアミドまたはテトラヒドロフランあるいはその組み合わせ中、ホスフィン、例
えば、ビス(ジフェニルホスフィノ)アルカン、好ましくは1,3−ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)プロパン、またはトリアリールホスフィン、例えばトリ−o
−トリルホスフィン、金属触媒、好ましくはパラジウム触媒、例えば酢酸パラジ
ウム(II)または塩化パラジウム(II)、一酸化炭素およびカップリング剤と反
応させ、それにより中間体を形成させ、それを後処理してカルボン酸に加水分解
するか、または
b)ステロイド3−ハロゲン−3,5−ジエン中間体を、適当な水不混和性有
機溶媒またはその組み合わせ、好ましくはN−アミルアルコール、n−ブチルア
ルコール、4−メチル−2−ペンタノンまたはその組み合わせ中、ホスフィン、
例えば1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、トリ−o−トリルホス
フィンまたは好ましくはトリフェニルホスフィン、金属触媒、好ましくはパラジ
ウムまたはニッケル触媒、例えば酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)
、Ni(CN)2またはニッケルカルボニル、一酸化炭素、強水性塩基、例えばNa
OH、KOH、K2CO3またはLiOHおよび相間移動触媒、例えば臭化セチル
トリメチルアンモニウムまたは塩化テトラブチルアンモニウムと反応させ、カル
ボン酸を得る、ことを意味する。
出発する式(II)の化合物のR1の置換基が強塩基性媒体中の置換と相溶しな
い場合、前記のa)下の条件が好ましい。
本願明細書および請求の範囲にて用いる「カップリング剤」なる語は、後処理
して加水分解し、−COOH置換基を生成する中間体として得る金属化アシル複
合体への挿入能を有する化合物または化合物類を意味する。本願明細書にて用い
るのに好ましいカップリング剤は、ギ酸、酢酸またはそれらのカルボン酸塩、好
ましくはギ酸カルシウム、酢酸カリウムまたは酢酸カルシウムである。
本願明細書にて用いる「C6ないしC12アリール」なる語は、特に限定しない
限り、フェニル、ナフチル、3,4−メチレンジオキシフェニル、ピリジルまた
はビフェニルを意味する。
本願発明の方法は、本願明細書に開示されている引用文献に比べていくつかの
優れた利点を開示する。特に、特許請求した試薬および条件は、3−ハロゲンス
テロイド3,5−ジエンをステロイド3,5−ジエン3−酸化合物に直接変換し、
それによりエステルが形成される場合の別の加水分解工程の必要性が排除される
。さらには、特許請求される方法は、溶媒回収系にて危険廃棄物の問題となるシ
アン化試薬の使用を排除する。
加えて、前記した工程a)におけるような温和な条件の使用は、強塩基の存在
下、式(II)の化合物を式(I)の化合物に変換することに伴う合成の心配事、
すなわち、i)17β−ケトンの異性化、ii)17β−カルボキシアミドのケン
化およびiii)3,5−ジエン二重結合の保持を排除する。
3−ハロゲンステロイド3,5−ジエンをステロイド3,5−ジエン3−カルボ
ン酸に変換する本願発明にて使用する試薬および条件は、安全で、経済的であり
、所望の化合物が高収率で得られ、該方法が工業的規模の利用に適するようにな
る。
したがって、好ましくは、本願発明の方法は、構造式(IIA):
の化合物を、以下の構造式(IA):
の化合物に変換するのに特に有用である。
したがって、好ましくは、本願発明の方法は、構造式(IIB):
の化合物を、以下の構造式(IB):
の化合物に変換するのに特に有用である。
置換基が本願発明を無効としない場合の医薬上許容される置換基、および該置
換基に化学的に変換できる基は、式(I)および(II)におけるR1の等価物で
あると考えられる。
さらに工夫することなく、当業者であれば、前の記載にしたがって、本願発明
をその最大限まで利用できると考える。したがって、以下の実施例は、単なる例
示であり、如何なる場合も本願発明の範囲を限定するものではない。
実施例
ギ酸カルシウムはイーストマン・ファイン・ケミカル・カンパニー(Eastman
Fine Chemical Co.)、ニューヨーク州、ロチェスターより購入した。本願発明
で用いる他の試薬は、アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical
Co.)、ウィスコンシン州、ミルフォーキーより入手可能である。N−t−ブチ
ル−アンドロスト−3,5−ジエン−3−ブロモ−17β−カルボキシアミドは
、国際出願番号:PCT/US93/00079−国際公開番号WO93/14
106(1993年7月22日公開)の記載に従って調製できる。17β−(フ
ェネチルカルボニル)−アンドロスタ−3−ブロモ−3,5−ジエンは、国際出
願番号:PCT/US93/11241−国際公開番号WO94/11386(
1994年5月26日公開)の記載に従って調製できる。
実施例1 N−t−ブチル−アンドロスト−3,5−ジエン−17β−カルボキシアミド−
3−カルボン酸
ジメチルスルホキシド(100ml)、トルエン(50ml)およびN−t−
ブチル−アンドロスト−3,5−ジエン−3−ブロモ−17β−カルボキシアミ
ド(12.38g、28.5ミリモル)を充填した容器を80℃で加熱し、一酸化
炭素を30分間通気しながら飽和させた。酢酸パラジウムII(127mg、0.
57ミリモル)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(235mg
、0.57ミリモル)およびギ酸カルシウム(2.22g、17.1ミリモル)を
加え、反応物を2ポンドの一酸化炭素下に保持しながら、20時間、80℃で撹
拌した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチル(800ml)で希釈し、1.0M
HCl(2x300ml)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濃縮し、
固体生成物を濾過により収集して、所望の生成物、N−t−ブチル−アンドロス
ト−3,5−ジエン−17β−カルボキシアミド−3−カルボン酸(8.36g、
73%収率)を得た。
実施例2
17β−(フェネチルカルボニル)−アンドロスタ−3,5−ジエン−
3−カルボン酸
一酸化炭素で1時間フラッシュし、ジメチルホルムアミド(10ml)、トル
エン(10ml)、17β−(フェネチルカルボニル)−アンドロスタ−3−ブ
ロモ−3,5−ジエン(1.0g、2.20ミリモル)、ギ酸カルシウム(286
mg、2.20ミリモル)、酢酸パラジウムII(12mg、0.55ミリモル)お
よびトリフェニルホスフィン(29mg、0.11ミリモル)を充填した容器を
、一酸化炭素を30分間通気して飽和させた。一酸化炭素を連続して該混合物に
14時間通気しながら、反応物を110℃で撹拌した。その反応物を室温に冷却
し、酢酸エチル(100ml)で希釈し、1.0M HCl(75ml)で洗浄し
た。有機層を乾燥(MgSO4)し、濃縮して固体生成物を濾過により収集し、所
望の生成物、N−t−(フェネチルカルボニル)−アンドロスタ−3,5−ジエ
ン−17β−カルボン酸(517mg、56%収率)を得た。
実施例3 N−t−ブチル−アンドロスト−3,5−ジエン−17β−カルボキシアミド−
3−カルボン酸
6N NaOH(20ml)、N−アミルアルコール(10.0ml)、臭化セ
チルトリメチルアンモニウム(20mg、0.054ミリモル)およびトリフェ
ニルホスフィン(40.0mg、0.153ミリモル)を容器に充填した。反応混
合物をアスピレーター真空(12mm)下で脱気し、一酸化炭素(1.0atm
)を充填した。これを3回繰り返した。酢酸パラジウム(20.0mg、0.08
9ミリモル)を加え、混合物を、1.0atmのCO下、50℃に0.5時間加熱
した。分離容器中、ステロイドN−t−ブチル−アンドロスト−3,5−ジエン
−3−ブロモ−17β−カルボキシアミド(2.0g、4.6ミリモル)を加温ア
ミルアルコール(35°、10.0ml)に溶かし、脱気し、一酸化炭素でフラ
ッシュした。ステロイド混合物を触媒混合物に50℃で5分間にわたって添加し
た。ついで反応混合物を80℃で18時間加熱した。その混合物を熱濾過し、ア
ミルアルコールを真空蒸留により除去した。反応混合物をHCl(12.0N)で
pH1.0にした。酸混合物を塩化メチレン(2x40ml)で抽出し、有機層を
MgSO4で乾燥させて濾過した。溶媒を真空蒸留により除去した。粗生成物を熱
アセトニトリル(50ml)から再結晶し、白色結晶固体として、所望の生成物
、N−t−ブチル−アンドロスト−3,5−ジエン−17β−カルボキシアミド
−3−カルボン酸(1.41g、77%)を得た。
実施例4 N−t−ブチル−アンドロスト−3,5−ジエン−17β−カルボキシアミド−
3−カルボン酸
n−ブタノール(20ml)、20%NaOH(20ml)およびNi(CN)2
・4H2O(131mg、0.72ミリモル)を容器に充填した。反応混合物を
真空下(12mm)で脱気し(3x)、一酸化炭素(1.0atm)でフラッシ
ュし
た。混合物を、激しく撹拌しながら、一酸化炭素1.0atmの下、80℃に0.
5時間加熱した。臭化セチルトリメチルアンモニウム(100mg、0.266
ミリモル)を加え、混合物を5分間撹拌した。N−t−ブチル−アンドロスト−
3,5−ジエン−3−ブロモ−17β−カルボキシアミド(2.0g、4.6ミリ
モル)を直ちにすべて添加し、その混合物を1.0atmの一酸化炭素の下、8
7℃で18時間加熱した。混合物を濾過し、真空蒸留により有機溶媒を除去した
。塩基性溶液を1.0NHClでpH2にし、塩化メチレン(2x20ml)で抽
出した。塩化メチレン層をMgSO4で乾燥させ、濾過した。溶媒を真空下で除去
した。粗生成物を熱アセトニトリル(50ml)より再結晶し、白色結晶固体と
して、所望の生成物、N−t−ブチル−アンドロスト−3,5−ジエン−17β
−カルボキシアミド−3−カルボン酸(1.10g、60%)を得た。
本発明の好ましい具体例を前記にて説明するが、本発明はこの明細書中に開示
されている記載そのものに限定されるものではなく、以下の請求の範囲にあるす
べての修飾する権利も保有されていることがわかる。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C07J 43/00 C07J 43/00
// A61K 31/56 AED A61K 31/56 AED
31/575 31/575
C07J 75/00 C07J 75/00
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AM,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CN,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,J
P,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT
,LV,MD,MG,MN,MX,NO,NZ,PL,
PT,RO,RU,SD,SG,SI,SK,TJ,T
T,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 ユー,マービン・スンファン
アメリカ合衆国19406ペンシルベニア州
キング・オブ・プルシア、ウェイン・ドラ
イブ・ナンバー315、550番