JPH1050677A - プラズマエッチング用電極板 - Google Patents

プラズマエッチング用電極板

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JPH1050677A
JPH1050677A JP21922296A JP21922296A JPH1050677A JP H1050677 A JPH1050677 A JP H1050677A JP 21922296 A JP21922296 A JP 21922296A JP 21922296 A JP21922296 A JP 21922296A JP H1050677 A JPH1050677 A JP H1050677A
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JP
Japan
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electrode plate
plasma etching
carbon
holes
hole
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Application number
JP21922296A
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English (en)
Inventor
Taishin Horio
泰臣 堀尾
Takashi Hirose
敬司 広瀬
Seiji Minoura
誠司 箕浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応ガスの透過をも行えるようにして効率の
良いプラズマエッチング処理が施せるとともに、粒体脱
落をなくすことにより、長寿命でウエハを汚染すること
のないプラズマエッチング用電極板を提供すること。 【解決手段】 熱分解炭素からなり、厚さ方向と平行に
貫通細孔13が設けられているプラズマエッチング用電
極板において、上記貫通細孔13内部の表面粗度がRm
ax=20μm以下であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICやLSI等の
半導体集積回路をプラズマエッチング処理によって形成
する際に使用するプラズマエッチング用電極板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラズマエッチング装置は、図9に示す
ように、円板形状の陽極板10と、これと対向する陰極
板20とを反応チャンバー30内に備え、電極板10・
20間に数十ボルトから数百ボルトの電位差の電場をつ
くり、反応チャンバー30内にCF4等の反応ガス31
を供給してプラズマ状態とし、陰極板20上に載置した
ウエハ40にエッチング処理を施す構造となっている。
【0003】従来、このようなプラズマエッチング装置
に用いられる電極としては、一般に高密度黒鉛よりなる
円板が使用されている。高密度黒鉛は、優れた導電性と
化学的安定性を備え、高密度化も容易であることから、
プラズマエッチング用電極としては特性的に極めて好適
な電極材料である。
【0004】しかしながら、この高密度黒鉛は、コーク
スあるいはカーボンの微粉をタールピッチなどのバイン
ダー成分と共に高密度に形成したのち焼成することによ
り黒鉛化したものであり、巨視的には黒鉛の粒体集合に
よる組織構造を有しているため、プラズマエッチングの
ような高エネルギーを発生させるところでは、粒体脱落
による消耗が激しく、また、脱落した黒鉛粒子がウエハ
上面を汚染して所定パターンの形成を阻害する等の欠点
を招く不都合がある。この不都合を解消するものとし
て、特開昭62−252942号公報に開示されている
ガラス状カーボンがあるが、このガラス状カーボンは、
高密度黒鉛に比べ加工が困難であり、コスト高となると
いう問題があった。
【0005】また、この種のプラズマエッチング電極板
として良好なものとするためには、印加された電圧が、
電極面(図9において陽極板10と陰極板20とが互い
に対向する面)において均等に掛かることが必要であ
り、そのためには少なくとも電極面において優れた導電
性を有した材料で形成する必要のあるものである。これ
に関して、前記特開昭62−252942号公報に示さ
れているガラス状カーボンは、その非結晶性のために、
電気や熱の伝導性が良好ではなく、電極として用いるに
は不適当な材料である。
【0006】一方、プラズマエッチング装置は、上述し
たように、互いに対向する円板形状の陽極板10・陰極
板20を反応チャンバー30内に備え、反応チャンバー
30内にCF4等の反応ガス31を供給してプラズマ状
態とするものであるが、このプラズマ化された反応ガス
31を陰極板20に載置したウエハ40上に均等に注ぐ
ために、特に、陽極側の電極板10について反応ガス3
1を透過させるための貫通細孔13を多数形成すること
が行われている。
【0007】これらの貫通細孔13は、特開平8−13
4667号公報の発明も問題としているように、カーボ
ン、アモルファスカーボン、シリコン、炭化シリコン、
窒化シリコン、あるいは単結晶シリコンを材料とした板
に、ドリル等で穴明けしてそのまま使用するところか
ら、その開口端部に形成された直角のエッジ部を有した
ものとなっているのが一般的である。そして、上記特開
平8−134667号公報の発明が問題にしているの
は、直角のエッジ部に局所的な集電部分が生成すること
から、このエッジ部からシリコンウエハ40の不純物と
なる粒子が脱落することなのである。
【0008】ところが、エッチング時の局所的な集電部
分の発生については、電極の少なくとも表面部分を熱分
解炭素被膜で被覆してやれば解消することを本発明者等
は既に気付いているのであり、この点を具体化した特許
出願を出願人は既に行っているところである。しかしな
がら、このような局所的な集電部分の発生を材料の面か
ら抑えたとしても、貫通細孔13からの脱落粒子の発生
そのものは、完全には抑えることができない実状にあ
る。
【0009】そこで、本発明者は、この種のプラズマエ
ッチング用電極板における上記実情を改善するにはどう
したらよいかについて種々検討を重ねてきた結果、本発
明を完成したのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に鑑みなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、反応ガスの透過をも行えるようにして効率の良い
プラズマエッチング処理が施せるとともに、粒体脱落を
なくすことにより、長寿命でウエハを汚染することのな
いプラズマエッチング用電極板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、まず請求項1に係る本発明が採った手段は、以下の
実施形態の説明中において使用する符号を付して説明す
ると、「熱分解炭素からなり、厚さ方向と平行に貫通細
孔13が設けられているプラズマエッチング用電極板に
おいて、上記貫通細孔13内部の表面粗度がRmax=
20μm以下であることを特徴とするプラズマエッチン
グ用電極板10」である。ここで、「Rmax」とは、
JIS−B−0601に定義されている値である。
【0012】すなわち、この請求項1に係るプラズマエ
ッチング用電極板10は、熱分解炭素によってその全体
を形成し、これに厚さ方向と平行に多数の貫通細孔13
を形成したものであるが、まずその全体を熱分解炭素に
よって形成しなければならない。その形成方法として
は、各種の化学蒸着法により行なうことができるが、通
常は、黒鉛基材を加熱し、メタン、プロパン等の炭化水
素ガスを高温(2000℃〜2200℃)の黒鉛基材に
接触させることにより反応させ、黒鉛基材の表面に熱分
解炭素を生成させる方法による。この場合、炭化水素ガ
スの濃度調整、あるいはキャリアガスには水素ガスが適
している。また、反応は常圧もしくは減圧下で行なわれ
るが、被膜の均一性、平滑性を得るため減圧下で行なう
のが好ましく、300Torr以下で行なうのが望まし
い。
【0013】以上のように、黒鉛基材上に積層させた熱
分解炭素を独立して取り出すためには、その全体を常温
にもどせばよい。黒鉛基材と熱分解炭素との熱膨張係数
は、それぞれ3〜5×10-6/℃、及び1.7×10-6
/℃であるから、両者の熱膨張係数の差によって、両者
を剥すことができるのである。
【0014】勿論、以上のように形成した熱分解炭素そ
れ自体は高純度であるが、これを黒鉛基材の上に厚く積
層させて熱分解炭素単味の電極板10として用いる場
合、使用した黒鉛基材中に種々な不純物、例えば、鉄、
ニッケル、コバルト、バナジウムが混入していることが
あり、これらが熱分解炭素側に残留していることがあ
る。これらの不純物が残留していると、プラズマエッチ
ングすべきウエハ40の表面を汚染することがあるから
取り除かなければならないが、これらは黒鉛基材中に含
有されていたものであるため、熱分解炭素の黒鉛基材が
接触していた側の面を研磨等によって取り除くことによ
り容易に除去できるものである。また、熱分解炭素中に
不純物が混入する経路として考えられるのは、前述した
黒鉛基材中の不純物が、熱分解炭素形成中に飛散するこ
と、及び供給ガス中に不純物が混入していることがあげ
られる。これらの不純物は、供給ガスの純度や供給速度
等を制御することにより、熱分解炭素中に混入しないよ
うにすることができるものである。
【0015】このような方法によって、当該熱分解炭素
からなるプラズマエッチング用電極板10の全灰分(鉄
等の不純物)の量を10ppm以下とすることができる
のであり、これによってもウエハ40の汚染が防止され
るのである。
【0016】ところで、全体を熱分解炭素によって形成
したプラズマエッチング用電極板10においては、その
熱分解炭素の層方向と一致する方向に配置することによ
り、両者を構成している熱分解炭素の層方向がプラズマ
エッチングガスの流れる方向と直交している。すなわ
ち、陽極側電極板10の対向面方向と平行に熱分解炭素
の層が位置しているため、両電極板10及び20に電圧
を印加した場合に、両者はその対向面全体において均等
に帯電するのである。これにより、特に陽極側の電極板
10においては、多数の貫通細孔13を有したものであ
っても、局所的な集電部分の発生がなくなって、その熱
分解炭素の破壊は全くなされず、しかもプラズマガスが
均等に流動し、ウエハ40に不純物を落下させることな
く効率良くエッチングを行なうのである。
【0017】また、全体を熱分解炭素によって構成した
電極板10は、粒体集合系からなる高密度黒鉛とは異な
って緻密組織のものとなっており、プラズマエッチング
のように高エネルギーを発生させたとしても、これによ
っては粒体脱落を生じることはない。従って、この電極
板10によってウエハ40を汚染することがないことは
いうまでもない。
【0018】そして、この電極板10の貫通細孔13
は、図2の(イ)に示すように、熱分解炭素によって形
成した板状のものに、以下の実施形態の項で詳述するよ
うに、ドリル等により穿孔して形成すればよい。この場
合、各貫通細孔13内の表面粗度をRmax=20μm
以下とすることが必要である。その理由は、各貫通細孔
13内の表面粗度がこれより大きいと、熱分解炭素が反
応ガス31の通過によって脱落する虞が出てくるからで
ある。中でも、これらの各貫通細孔13内の表面粗度
は、Rmax=10μm以下であることが好適である。
【0019】また、上記課題を解決するため、請求項2
に係る本発明が採った手段は、以下の実施形態の説明中
において使用する符号を付して説明すると、「高純度黒
鉛材、または炭素結合炭素繊維複合材料からなり、厚さ
方向と平行に貫通細孔13が設けられている基材11の
表面に、熱分解炭素からなる被膜12を形成したプラズ
マエッチング用電極板において、上記貫通細孔13内部
の表面粗度がRmax=20μm以下であることを特徴
とするプラズマエッチング用電極板10」である。
【0020】つまり、この請求項2に係る発明のプラズ
マエッチング用電極板10は、これを構成している基材
11として、高純度黒鉛材、または炭素結合炭素繊維複
合材料(C/Cコンポジットとも称される)のいずれか
を採用して形成したものであり、この基材11にその厚
さ方向と平行で反応ガス31を通過させることのできる
多数の貫通細孔13を設けたものである。そして、この
基材11の表面及び各貫通細孔13内表面は、熱分解炭
素からなる被膜12によって覆うものであり、これによ
り、各貫通細孔13からの粒体脱落を被膜12によって
防止しようとするものである。
【0021】ここで、高純度黒鉛材とは、全灰分量が2
0ppm以下のものをいうが、さらに好ましくは10p
pm以下にすることである。
【0022】この基材11を炭素結合炭素繊維複合材料
によって構成する場合には、この炭素結合炭素繊維複合
材料は、炭素繊維をフィラメントワインディング法等に
よって一方向を強化したもの、炭素繊維で編んだ布、不
織布を重ね合わせて二方向を強化したもの、あるいは多
方向に編み込むことによって多方向に強化したものなど
があり、一次元構造、二次元構造あるいは三次元構造に
組み立てられ、必要に応じて黒鉛化して作成されるもの
である。
【0023】すなわち、この炭素結合炭素繊維複合材料
の出発材料である炭素繊維は、ポリアクリルニトリル、
レーヨン、フェノール樹脂等の合成高分子材料、あるい
は石油ピッチ、石炭ピッチ等の高分子材料を原料として
形成されるものであり、この炭素繊維によってプレ構造
体を形成しておくものである。そして、この炭素繊維に
よって形成したプレ構造体に、フェノール樹脂やフラン
樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはタール、ピッチ等を含
浸して、これらの硬化後に焼成し、必要に応じて黒鉛化
して作製するものである。
【0024】また、この基材11としては、黒鉛材料の
表面に炭素繊維をフィラメントワインディング法によっ
て巻回したり、炭素繊維からなる布や不織布を巻き付け
ておき、これに前述した熱硬化性合成樹脂、タール、あ
るいはピッチを含浸して黒鉛化することにより形成して
もよい。さらには、炭素繊維の巻回等と、これに含浸さ
れた熱硬化性合成樹脂、タール、あるいはピッチの黒鉛
化を複数回繰り返して基材11としてもよいものであ
る。この炭素結合炭素繊維複合材料は、全灰分量が10
ppm以下になるように調整される。
【0025】そして、このプラズマエッチング用電極板
10においては、上記のように形成した基材11に複数
の貫通細孔13を形成しなければならないのであるが、
これら各貫通細孔13は、プラズマエッチング用電極板
自体にドリル等により直接形成すればよい。この場合、
基材11は、高純度黒鉛材、または炭素結合炭素繊維複
合材料からなるものであるため、機械的加工が非常に行
い易くなっており、例えば特開昭62−252942号
公報に開示されているガラス状カーボンに比較すれば、
加工が非常に容易で、製造コストを低く抑えることがで
きるものとなっている。
【0026】基材11の表面の被膜12は、上述した請
求項1の電極板10の形成と同様に行えばよい。すなわ
ち、被膜12は、基材11を加熱し、メタン、プロパン
等の炭化水素ガスを高温(2000℃〜2200℃)の
黒鉛基材に接触させることにより反応させ、基材11の
表面に生成させる方法による。これにより、各貫通細孔
13内表面にも、図2の(ロ)に示すように、熱分解炭
素からなる被膜12が形成されるのであり、また被膜1
2の全灰分(鉄等の不純物)の量を10ppm以下とす
ることができるのである。このような熱分解炭素からな
る被膜12を、基材11の表面及び各貫通細孔13内表
面に形成することによっても、ウエハ40の汚染を防止
することができるのである。
【0027】そして、この電極板10では、その少なく
とも各貫通細孔13内に存在している熱分解炭素からな
る被膜12の表面粗度をRmax=20μm以下とする
ことが必要である。その理由は、各貫通細孔13内の被
膜12の表面粗度がこれより大きいと、熱分解炭素が反
応ガス31の通過によって脱落する虞が出てくるからで
ある。中でも、これらの各貫通細孔13内の被膜12の
表面粗度は、Rmax=18μm以下であることが最適
である。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、以上のようなプラズマエッ
チング用電極板10を、その製造方法を中心にした実施
例に従って説明する。なお、各例における面粗度の測定
は、株式会社東京精密製の、機種名が「サーフコム40
4B」である面粗度計により行ったものであり、この面
粗度計のダイヤモンドからなる測定子先端形状は5μm
Rの円錐であった。また、この面粗度計の測定倍率は、
20,000倍であった。
【0029】(実施例1)図1及び図2の(イ)に示す
ごとく、本実施例1のプラズマエッチング用電極10
は、上述した方法により形成した熱分解炭素からなる板
状体のものであり、その全体に多数の貫通細孔13を形
成したものである。そして、この熱分解炭素からなる板
状体を、厚さが3mmで、縦×横が30mm×30mm
のテストピースとした。このテストピースに、10,0
00rpmで回転される直径0.81mmのドリルを用
いて、送りスピードを10mm/分として多数の貫通細
孔13を形成した。
【0030】このようにした得られたプラズマエッチン
グ用電極板10の全面、及び各貫通細孔13内の表面粗
度は、Rmax=6μmであり、プラズマエッチング用
電極板10として十分な平滑性を有したものとなってい
た。
【0031】この実施例での貫通細孔13内の表面を電
子顕微鏡で観察してみたところ、図3に示す通りであっ
た。また、この電極板10を実際に使用してプラズマエ
ッチング処理を行った場合の、0.3μm以上の大きさ
のパーティクル(脱落粒子)発生量は、以下の表1に示
す通りであった。
【0032】(実施例2)実施例1と同様にして形成し
たテストピースに、10,000rpmで回転される直
径0.81mmのドリルを用いて、送りスピードを50
mm/分として多数の貫通細孔13を形成した。
【0033】得られたプラズマエッチング用電極板の全
面、及び各貫通細孔13内の表面粗度は、Rmax=1
8μmであり、プラズマエッチング用電極板10として
十分な平滑性を有したものとなっていた。
【0034】この実施例での貫通細孔13内の表面を電
子顕微鏡で観察してみたところ、図4に示す通りであっ
た。また、この電極板10を実際に使用してプラズマエ
ッチング処理を行った場合の、0.3μm以上の大きさ
のパーティクル(脱落粒子)発生量は、以下の表1に示
す通りであった。
【0035】(実施例3)実施例1と同様にして基材1
1を作成し、これに直径が0.78mmのドリルで下穴
を形成しておき、この下穴に対して、今度は直径が0.
81mmのドリルで、送りスピードを10mm/分の速
度で多数の貫通細孔13を形成した。
【0036】得られた電極板の表面粗度は、Rmax=
4μmであり、プラズマエッチング用の電極板として十
分な平滑性を有したものとなっていた。この実施例での
貫通細孔13内の表面を電子顕微鏡で観察してみたとこ
ろ、図5に示す通りで、パーティクル発生量は、以下の
表1に示す通りであった。
【0037】(実施例4)実施例1と同様にして基材1
1を作成し、これに直径が0.78mmのドリルで下穴
を形成しておき、この下穴に対して、今度は直径が0.
81mmのドリルで、送りスピードを50mm/分の速
度で多数の貫通細孔13を形成した。
【0038】得られた電極板の表面粗度は、Rmax=
8μmであり、プラズマエッチング用の電極板として十
分な平滑性を有したものとなっていた。この実施例での
貫通細孔13内の表面を電子顕微鏡で観察してみたとこ
ろ、図6に示す通りで、パーティクル発生量は、以下の
表1に示す通りであった。 (実施例5)本例のプラズマエッチング用電極10は、
一般的な製法によって形成した全灰分量が10ppmの
高純度黒鉛材からなる基材11と、この基材11の表面
に被覆した熱分解炭素からなる被膜12と、全体に形成
した多数の貫通細孔13よりなる。そして、この基材1
1を、厚さが3mmで、縦×横が30mm×30mmで
あるテストピースとした。このテストピースに、10,
000rpmで回転される直径0.81mmのドリルを
用いて、送りスピードを50mm/分として多数の貫通
細孔13を形成した。
【0039】次に、このテストピース(基材11)の表
面及び各貫通細孔13の内表面に熱分解炭素からなる被
膜12を形成しなければならないが、20Torrに減
圧されて2000℃に加熱された反応炉内に封入する。
この炉内にキャリアガスとして水素ガスを使用し、プロ
パンを供給する。炉内の熱により、プロパンから熱分解
炭素が発生し、これが基材11の表面に膜を形成する。
【0040】得られたプラズマエッチング用電極板の全
面、及び各貫通細孔13内の表面粗度は、Rmax=1
8μmであり、プラズマエッチング用電極板10として
十分な平滑性を有したものとなっていた。また、この電
極板10を実際に使用してプラズマエッチング処理を行
った場合の、0.3μm以上の大きさのパーティクル
(脱落粒子)発生量は、以下の表1に示す通りであっ
た。 (実施例6)本例のプラズマエッチング用電極10は、
炭素結合炭素繊維複合材料からなる基材11と、この基
材11の表面に被覆した熱分解炭素からなる被膜12
と、全体に形成した多数の貫通細孔13よりなる。
【0041】まず、基材11を形成しなければならない
が、この実施例における基材11の形成は次の2通りの
方法によって行った。第1の方法は、炭素繊維フィラメ
ントを用いて円板状体を作成し、これにフェノール樹脂
含浸、硬化、焼成を2回繰り返して全体を黒鉛化し、炭
素結合炭素繊維複合材料からなる円板状体、すなわち基
材11を得た。第2の方法は、炭素繊維で編んだ布を用
いてプラズマエッチング用電極となるべき円板状体を作
成し、これにフェノール樹脂を含浸して、硬化後に90
0℃で焼成した。さらに、フェノール樹脂含浸、硬化、
焼成を2回繰り返し、これを黒鉛化して、炭素結合炭素
繊維複合材料からなる基材11を得た。そして、この基
材11を、厚さが3mmで、縦×横が30mm×30m
mであるテストピースとした。このテストピースに、1
0,000rpmで回転される直径0.81mmのドリ
ルを用いて、送りスピードを10mm/分として多数の
貫通細孔13を形成した。
【0042】次に、このテストピース(基材11)の表
面及び各貫通細孔13の内表面に熱分解炭素からなる被
膜12を形成しなければならないが、20Torrに減
圧されて2000℃に加熱された反応炉内に封入する。
この炉内にキャリアガスとして水素ガスを使用し、プロ
パンを供給する。炉内の熱により、プロパンから熱分解
炭素が発生し、これが基材11の表面に膜を形成する。
これにより、炭素結合炭素繊維複合材料からなる基材1
1の全面、及び各貫通細孔13内が熱分解炭素の被膜1
2で覆われたプラズマエッチング用電極10を得る。
【0043】得られたプラズマエッチング用電極板の全
面、及び各貫通細孔13内の表面粗度は、Rmax=2
0μmであり、プラズマエッチング用電極板10として
十分な平滑性を有したものとなっていた。また、この電
極板10を実際に使用してプラズマエッチング処理を行
った場合の、0.3μm以上の大きさのパーティクル
(脱落粒子)発生量は、以下の表1に示す通りであっ
た。
【0044】(比較例1)実施例2と同様にして基材1
1を作成し、これに回転数が7000rpmで直径が
0.81mmのドリルで、送りスピードを100mm/
分の速度で多数の貫通細孔13を形成し、この基材11
の表面に、熱分解炭素からなる被膜12を前述した方法
により形成した。
【0045】得られたプラズマエッチング用電極板の表
面粗度は、Rmax=32μmであり、プラズマエッチ
ング用電極板としては不十分な平滑性を有したものとな
っていた。
【0046】この比較例での貫通細孔13内の表面を電
子顕微鏡で観察してみたところ、図6に示す通りで、パ
ーティクル発生量は、以下の表1に示す通りであった。
【0047】(比較例2)実施例2と同様にして基材1
1を作成し、これに直径が0.78mmのドリルで下穴
を形成しておき、この下穴に対して、今度は回転数が7
000rpmで直径が0.81mmのドリルで、送りス
ピードを50mm/分の速度で多数の貫通細孔13を形
成し、この基材11の表面に、熱分解炭素からなる被膜
12を前述した方法により形成した。
【0048】得られたプラズマエッチング用電極板の表
面粗度は、Rmax=23μmであり、プラズマエッチ
ング用電極板としては不十分な平滑性を有したものとな
っていた。
【0049】この比較例での貫通細孔13内の表面を電
子顕微鏡で観察してみたところ、図7に示す通りで、パ
ーティクル発生量は、以下の表1に示す通りであった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】以上、説明した通り、先ず請求項1に係
る発明においては、上記実施例にて例示した如く、「熱
分解炭素からなり、厚さ方向と平行に貫通細孔13が設
けられているプラズマエッチング用電極板において、上
記貫通細孔13内部の表面粗度がRmax=20μm以
下であること」にその特徴があり、また、請求項2に係
る発明にいプラズマエッチング用電極板おいては、「高
純度黒鉛材、または炭素結合炭素繊維複合材料からな
り、厚さ方向と平行に貫通細孔13が設けられている基
材11の表面に、熱分解炭素からなる被膜12を形成し
たプラズマエッチング用電極板において、上記貫通細孔
13内部の表面粗度がRmax=20μm以下であるこ
と」にその特徴があり、これにより、反応ガスの透過を
も行えるようにして効率の良いプラズマエッチング処理
が施せるとともに、粒体脱落をなくすことにより、長寿
命でウエハを汚染することのないプラズマエッチング用
電極板を提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るプラズマエッチング用電極板の
斜視図である。
【図2】 図1の1−1線にそって見たプラズマエッチ
ング用電極板の部分拡大断面図であり、(イ)は基材上
に被膜を形成した後に各貫通細孔を形成した場合、
(ロ)は基材に各貫通細孔を形成してから全体に被膜を
形成した場合、そして(ハ)は熱分解炭素によって基材
及び被膜を一体的に形成しておきこれに貫通細孔を形成
した場合をそれぞれ示している。
【図3】実施例1のプラズマエッチング用電極板におけ
る各貫通細孔内の顕微鏡で観測した状態を示すもので、
(イ)は100倍、(ロ)は500倍での顕微鏡写真で
ある。
【図4】実施例2のプラズマエッチング用電極板におけ
る各貫通細孔内の顕微鏡で観測した状態を示すもので、
(イ)は100倍、(ロ)は500倍での顕微鏡写真で
ある。
【図5】実施例3のプラズマエッチング用電極板におけ
る各貫通細孔内の顕微鏡で観測した状態を示すもので、
(イ)は100倍、(ロ)は500倍での顕微鏡写真で
ある。
【図6】実施例4のプラズマエッチング用電極板におけ
る各貫通細孔内の顕微鏡で観測した状態を示すもので、
(イ)は100倍、(ロ)は500倍での顕微鏡写真で
ある。
【図7】比較例1のプラズマエッチング用電極板におけ
る各貫通細孔内の顕微鏡で観測した状態を示すもので、
(イ)は100倍、(ロ)は500倍での顕微鏡写真で
ある。
【図8】比較例2のプラズマエッチング用電極板におけ
る各貫通細孔内の顕微鏡で観測した状態を示すもので、
(イ)は100倍、(ロ)は500倍での顕微鏡写真で
ある。
【図9】 プラズマエッチング装置の概要を示す断面図
である。
【符号の説明】
10 プラズマエッチング用電極板(陽極板) 11 基材 12 被膜 13 貫通細孔 20 プラズマエッチング用電極板(陰極板) 30 反応チャンバー 31 反応ガス 40 ウエハ
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】 図1の1−1線にそって見たプラズマエッチ
ング用電極板の部分拡大断面図であり、(イ)は熱分解
炭素によって基材及び被膜を一体的に形成しておきこれ
に貫通細孔を形成した場合、(ロ)は基材に各貫通細孔
を形成してから全体に被膜を形成した場合をそれぞれ示
している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱分解炭素からなり、厚さ方向と平行に貫
    通細孔が設けられているプラズマエッチング用電極板に
    おいて、 上記貫通細孔内部の表面粗度がRmax=20μm以下
    であることを特徴とするプラズマエッチング用電極板。
  2. 【請求項2】高純度黒鉛材、または炭素結合炭素繊維複
    合材料からなり、厚さ方向と平行に貫通細孔が設けられ
    ている基材の表面に、熱分解炭素からなる被膜を形成し
    たプラズマエッチング用電極板において、 上記貫通細孔内部の表面粗度がRmax=20μm以下
    であることを特徴とするプラズマエッチング用電極板。
JP21922296A 1996-07-31 1996-07-31 プラズマエッチング用電極板 Pending JPH1050677A (ja)

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