【発明の詳細な説明】
懸濁された溶媒和粒子を含む極性液体廃物
の精製プロセス及びそのための凝集組成物
本発明は溶媒和された粒子のコロイド状分散物を含む極性液体廃物を精製する
ためのプロセス及び該プロセスに使用される凝集組成物に関する。該プロセスか
ら生ずる液体は該溶媒和粒子からは全く精製されており、それ故環境中に再導入
されるか、又はそれ以上の処理を経ることなしに工業的プロセス中にリサイクル
され得る。
農業、土木及び工業の目的に対しての水の使用に結びつく主たる課題は、水の
巨大な消費に存し、この水は使用された後その中に含まれる不純物の故に再使用
され得ないか、又はさもなくば、環境に放置される時いくつかの汚染の問題をつ
くり出す。
現在の国際的及びヨーロッパユニオンの水消費についてのガイドラインは農業
、土木及び工業的使用に対する水資源の思い切った削減を規定し、水が使用され
る一次的作業サイクルから生ずる廃水の部分的又は全部のリサイクルを課してい
る。
液体コロイド状分散物は均質な液体中への固体、液体又はガスの分散物により
特徴づけられる。二つの安定性因子が異なる物質の粒子が分散物中に止まること
そして液体のコロイド状分散物を形成する様に分離することを可能にする:即ち
電荷又は溶媒和である。
電荷は粒子の反発を惹起し、それらの表面上へのイオンの吸収に
より決定される。
溶媒和は多くの物質の、それらが懸濁されている極性液体の分子がそれらの上
に強く吸着する様にさせ、それらが結合したり又濃厚化することを防止するコー
ティングを形成する傾向により決定される。
電気的に負荷された粒子により特徴づけられる液体コロイド状分散物の処理は
、電解質の添加が分散された不純物の凝集を惹起して分散物を減少させることに
特別な困難を含まない。
溶媒和された粒子により惹起される課題は代わりにより解決困難である。それ
は溶媒和がコロイドに対し電荷よりも遙かにより高い安定性を付与するからであ
る。溶媒和された粒子は実際上電解質の作用に対し不感性であり、更に、極性液
体は安定な懸濁液が又比較的大きな粒子を以て形成されるのを許容する(ベント
ナイト、クレー、カオリン及び同種物のエマルション及び/又は懸濁液)。
このため、溶媒和された不純物をそのコロイド状分散物を含む極性液体廃物か
ら有効に分離し、得られる透明な液体が何らの汚染の課題なしにその自然の環境
中に排出されるのを許容する様にする、単純且つ経済的プロセスに対する満足さ
れていない要求が存在する。多くの一次的作業プロセスが大量の新鮮な水を使用
するから、このタイプのプロセスは新鮮な水の消費を思い切って減少するという
可なりの利益を提供する;事実、分散された不純物が除かれればそれはしばしば
一次的プロセスに最初に使用された水をリサイクルすることを可能にする。好ま
しくは、かかる不純物は容易に除去される
様に非液体形状へと分離さるべきである。
かかるプロセスは明らかに、溶媒和された不純物の性質からは独立にその普遍
的使用の可能性がより高いほど、より有利であるだろう。
本発明者は、溶媒和された粒子のコロイド状分散物を含む極性液体廃物から透
明な液体を得る事を許容し、このタイプのコロイド状分散物を含む広範囲の液体
廃物に実施されて、最も異種の(disparate)溶媒和された物質について最高の信
頼性を提供することを許容する精製プロセスを探究するために深い研究に携わっ
てきた。該プロセスにおいて対面せざるを得ないもう一つの課題は、そこでは精
製される廃水中の塩及び/又は不純物含量を増加しない様な添加物のみを使用す
ることである;更にかかる添加物は好ましくは食品グレードのものであるべきで
ある。それは多くの廃水は食品工業から生じ、そこでは一次的作業サイクル中へ
精製された廃水をリサイクルするために、精製プロセスに使用される添加物は無
害であることを要するからである。
その研究の終りにおいて、本発明者は驚くべきことに、モンモリロナイト(mon
tmorillonite)―商業的に濃化剤として知られ、凝集剤と組み合わせて既に形成
されたフロックの重量及び容積を増加し、それらの沈殿を助けるのに使用される
―が、その代わりにそれ自体溶媒和された粒子についてフロックの形成を生じさ
せる能力を有することを見出した。選択された条件において、該凝集は例外的に
有効で且つ速い結果を生ずる。
かかる発見を基にして、本発明者はこれまでに引用した凡ての課題を解決させ
る、溶媒和された粒子のコロイド状分散物を含む極性液体廃物を精製するための
プロセスを提供する本発明を知見したのであって、このプロセスは次のものを含
むことにより特徴づけられる:
凝集組成物が次のものにより調製される第1ステップ:
― モンモリロナイトを極性液体中に分散させて、均質な懸濁液を形成する;
― 該懸濁液のpHを5及び9の間の範囲内に保持乃至調整する;
― 該懸濁液を、可能ならば温和な攪拌下に、モンモリロナイトの“選択的活性
化”のために要求される予定の時間の間放置反応させる;
及び次のものにより完全な液体/固体分離が得られる第2ステップ:
― 該極性液体廃物に対して該凝集組成物を添加し、20ppmより少なくない最終
モンモリロナイト濃度を有する混合物を得るまで十分にこれを混合する;
― かくして得られた混合物のpHを2.5より上の範囲内に保持乃至調整する;
― 混合物を予定された接触時間の間攪拌する;
― 混合物を濾過する。
本発明は又5及び9の間の範囲内のpHを有する極性液体中の均質なモンモリ
ロナイト懸濁液を含み、モンモリロナイトの“選択的活性化”の予定された期間
熟成された、該プロセスにおいて使用さ
れる凝集組成物に関する。
本発明は以下の記載からより明らかに理解されるであろうが、これは単に説明
のために与えられ、その範囲を限定するものと見做さるべきでない幾つかの例を
同伴している。
本発明の精製プロセスは、処理さるべき極性液体廃物に対して添加さるべき凝
集組成物を調製することからなる第1ステップを含む。該組成物はモンモリロナ
イトを極性液体中に0.5%及び15%の間の濃度において懸濁することにより調製
される;該懸濁液は5及び9の間のpHを有するか―又は、を得る様に調整され
るであろう。この極性液体は好ましくは処理さるべき極性液体廃物の一部分であ
るか、又は液体廃物中に存在する同じ溶媒和された物質を有するコロイド状分散
物を含む極性液体である。凝集速度の点で最良の結果を達成するためには、かく
して得られた懸濁液は少なくとも1時間出来れば温和な攪拌下に反応放置され、
かくしてモンモリロナイトが完全な程度に“選択的に活性化”されている好まし
い凝集組成物を得る。
新しい極性液体中にモンモリロナイトが懸濁されている場合と、その代わりに
好ましくは処理さるべき極性液体廃物の一部分中に又は同じ溶媒和された物質を
含む極性液体中にそれが懸濁されている場合との両者において、何らの凝集も又
沈殿もモンモリロナイト又は溶媒和された物質の何れについても起こらないから
、それ故、凝集組成物は変えられることなしに長い期間でさえ保存され得ること
に注目するのが重要である。この結果を得るために、モンモリロナ
イトは溶媒和された粒子に関しては大過剰で添加され、それにより沈降するに十
分大きい寸法を有するフロックの形成の可能性がない様にせねばならない。かく
して、極性液体中の溶媒和された粒子の含量がより大きいほど上記に指示した範
囲内のモンモリロナイト濃度値が高いことは明らかである。
モンモリロナイトは膨張する網状構造により特徴づけられる粘土状鉱物である
;それは異なる程度ではあるが、同一の特性を有する一群の鉱物(バイデライト(
beidellite)、ノントロナイト(nontronite)、ヘクトライト(hectorite)及びサポ
ナイト(saponite))を含む。構造上の置換をもたないモンモリロナイトの理論式
は(OH)4Si8Al4O20・nH2Oである。
モンモリロナイトは三つの層をもつ鉱物である;それは事実四面体のSiO4―中
央にSi原子をもつ―の二つの層及び八面体―中央にAl原子をもつ―の一つの中間
層を含む詰めこまれた(packed)層により形成される。
シリカ−アルミナ−シリカ単位は結晶学的方向“a”及び“b”において連続
であり、それらは“c”方向に重ねられている;この配置を以て、隣りの単位の
酸素レベルは近接する様になる;これは単位間の弱い結合の存在及び薄葉化(fol
iation)の存在を決定する。
層の間の軸“c”の長さは可なり変化し得る:即ち9.5Åから21.4Åまで。通
常は軸“c”の延伸は―鉱物の単層の間の―水又は他の極性分子の吸収により起
こり、これはモンモリロナイトの特徴である非常に弱い結合力により助けられる
。
実際には、該鉱物は常に理論的なものからは異なる組成物を有する。四面体層
においてシリカはしばしばアルミニウム及び燐により置換され得るし、一方、中
間層の八面体の中央にあるアルミニウムはMg、Fe、Liにより置換され得る
。
一方、上記凝集組成物がモンモリロナイトの“選択的活性化”を完了して使用
のため準備されると、本発明のプロセスは第2ステップへと連続し、そこで該組
成物は攪拌下に処理さるべき極性液体廃物に対し添加され、それは2.5より高い
pHを有するか―又はそれを得る様に調整され―20ppmより少なくない最終モン
モリロナイト濃度、好ましくは凡ての溶媒和された粒子を凝集するに適した化学
量論的濃度より少なくとも20ppm高い濃度に達するまで行われる;僅か数分間だ
け攪拌を続けることにより、モンモリロナイトへ凝塊された溶媒和物質の急速な
沈殿を得る。濾過することにより―例えば―モンモリロナイトへと凝塊した溶媒
和された不純物からなる残渣から透明な均質な液体を急速に分離することがそこ
で可能である。
この現象に対する一つの可能な説明が―しかしながら本発明はこれには限定さ
るべきではないが―以下に与えられる。
乾燥モンモリロナイトは、比較的高い濃度において、溶媒和された粒子の液体
コロイド状分散物を含む極性液体廃物中に分散される時、モンモリロナイト粒子
の残留電荷の一部が、例えば水により(水素結合を通じて)中和される;この様
にして、又溶媒和された粒子も(水に包囲されて)モンモリロナイト粒子により
引き寄せられ、それはその結晶学的軸“c”を溶媒和された粒子(不純物)の
鉱物中への進入を許すまで延伸し、それはモンモリロナイトに対し親液性を付与
するであろう。
一度凝集組成物の調製を完了すると、即ちモンモリロナイトへの溶媒和された
粒子の大部分の集合(aggregation)を完了すると、所謂“選択的に活性化された
”モンモリロナイトを得る;この同じものが攪拌下に、軸“c”の選択的延伸を
許容した同じ溶媒和された粒子を含む極性液体廃物へ添加される時、これらの最
後のものは:一部は―プロセスの第1ステップにおける如く―“選択的に活性化
された”モンモリロナイトの粒子の残留電荷により引き寄せられて、それにより
その中に浸透し且つモンモリロナイト表面の親液性を増加する;そして一部は定
常攪拌により親液性モンモリロナイト粒子と衝突する様にされ、そのため溶媒和
された粒子内に含まれる親液性物質がモンモリロナイト表面を更に一層豊富に蔽
う親液層中に拡散する様にされる。この現象は極性液体廃物中に存在する溶媒和
されたコロイド中に含まれる親液性不純物の完全な集合を決定し、これは高い容
量及び重量のフロックでなされ、それによりその容易且つ急速な沈殿を許容する
。例えば濾過により次で透明な均質の液体をモンモリロナイトと集合された不純
物により形成された残渣から急速に分離することが可能である。
本発明のプロセス対象はそれ故その全体において、極めて単純で且つ急速であ
る。事実、それは強い攪拌の下に(溶媒和された物質の濃度に比例する)凝集組
成物の予め決定された量の添加を要するのみである;モンモリロナイト及び不純
物により形成された集塊の
沈殿は非常に短い期間の時間―数秒及び何分かの間の範囲内―で起こり、そして
透明な液体の分離が例えば濾過により急速に得られる。
本発明のプロセスは又処理された液体が決して化学的に変えられないという事
実により、又モンモリロナイトが全く不溶であり、それ故濾過及び/又は他の公
知の液体/固体分離の技術により全く除去されることにおいて特徴づけられる;
この特性は本発明のプロセスで得られた透明な液体を、それから液体廃物が流出
してきた第1次サイクルにおいて再使用することを許容する。
本発明は溶媒和された粒子を含む凡ての極性液体廃物に対して、含まれる精製
プロセスが本質的に物理タイプのものであることから見て、粒子の化学的性質か
らは独立に、有効に適用され得る。
例として、工業的車両洗滌機等の下水管の、動物飼育の及び一般に工業の廃水
を形成する極性液体廃物を成功裡に処理し得る。食物等級(food grade)のモンモ
リロナイトを用いて、本発明のプロセスは食品工業の廃水に対しても又成功裡に
適用され得る。更に非常に興味深い応用は完全に透明な液体を得るため船底の汚
水(bilge)を処理することからなる。
市民及び工業の廃水の完全処理におけると同様に、本発明のプロセスは又逆浸
透、限外濾過を経ねばならない様な廃水の第1次処理において特に有用であるこ
とがわかった。それは関与する膜の性能を増加し、又その寿命を長くすることを
許容するからである。
“選択的に活性化された”モンモリロナイトは凡ての上記に引用した応用分野
において、最大の効率及び有効性を以て使用され得る。
最良の結果を示した鉱物の一つは次の主たる物理的パラメータにより特徴づけら
れる:
水 分 :最大10%
液体状態の限界:450−500%
膨 潤 :30−35ml/2g
粒子性 :75ミクロンより下90%
本発明のプロセスから結果として生ずる透明液体が未だ油の痕跡―懸濁されて
いるか又は乳化されている―を示す時は、これらは本出願人により出願された特
許出願PCT/EP93/01053中に述べられた油分離装置及びそれぞれの
装置により完全に除去され得る。本出願人が本発明によるプロセス及び組成物を
思いついたのはただ該システムから最良の結果を得るためである。
実施例
本発明は溶媒和粒子を含む極性液体廃物の、それらがどこから来たものでも、
その精製において及び船底汚水の清澄化において適当な応用を見出すけれども、
―記載を単純化するため―以下の実施例においては、工業用車両洗滌機及び船底
汚水(遊離オイルの重力的除去後)についてのみ言及されるであろうが、これは
しかしながら本発明の範囲をこれらの分野に限定することを希望しない。
実施例1−車両洗滌廃水の浄化
車両洗滌廃水を処理してそれを再び引き続く洗滌サイクルに使用することを可
能な様にするため用いられる本発明の好ましい凝集組成物は処理さるべき極性液
体廃物の一部中への10%モンモリロナイ
ト懸濁液からなり、室温で調製され、そして約6.5のpHを有する様に―もし必
要なら―調整される;モンモリロナイトは3時間温和な攪拌下に“選択的に活性
化される”様放置される。該懸濁液はモンモリロナイトを液体廃物―強い攪拌下
に保持されている―に対してゆるやかに加えることにより、そして鉱物のかけら
(crumb)が全部消失するまで攪拌を続けることにより調製される。
本発明のプロセスによれば、該組成物の100gが、攪拌下に、―高度に利用さ
れた車両洗滌プラントからの―次の特性を有する廃水50リットルの試料に対し添
加された:
pH :6.8
懸濁された固形分 :118mg/l
COD :222mg/l
界面活性剤(MBAS):5.25mg/l
総オイル分 :18.3mg/l
“選択的に活性化された”モンモリロナイトの200ppmに等しい最終濃度に到達
する様にする。
かくして得られた混合物の5リットルの試料が急速濾過紙フィルターで濾過さ
れた;濾液は完全に透明で、次の特性を示した。
懸濁された固形分 :なし
COD :85mg/l
界面活性剤(MBAS):1.50mg/l
総オイル分 :痕跡
前記の実施例1に報告された結果を調べると、車両洗滌廃水の浄
化プロセスは―イタリア法No.319/76の表Aにより負課された限界内にあり余る
ほど入っている他に―次の洗滌サイクルで有利に再使用されるのを許容する水を
与えることが注目され得る。
洗滌プラントについての更に次のテストは本発明のプロセス急速性と次の洗滌
サイクルに再使用されるべきそこから出てくる水の適合性を確認した。
実施例2−船底汚水(BILGE WATERS)の清澄化
船底汚水―就中―溶媒和粒子により形成されたコロイド状分散液を含んだもの
は、遊離オイルの重力的分離にかけられ、オイルは分離器の上部に層状化しそし
て回収された。残りの廃水の20mlの試料は―むしろ濁っていて6.4のpHを有し
―新しい水の75mlと混合されて電解質、典型的には海水のそれの高濃度を減小す
る様にする;乾燥モンモリロナイトの5gが該溶液に対し、ゆっくりと且つ強い
攪拌下に添加された。モンモリロナイトは次いで3時間“選択的に活性化”する
ため放置され、懸濁液を始終時々攪拌し、次で凝集組成物を製造する。
重力的にオイルを除かれた廃水の5リットルに対して、攪拌下に、上記組成物
の50mlが加えられ、“選択的に活性化”されたモンモリロナイトが500ppmに等し
い最終濃度に達する様にする。濾過―急速濾過紙フィルターでの―の後、完全に
透明な濾液が得られ、その表面は遊離オイルの痕跡を示したが、これは先に引用
した特許出願PCT/EP93/01053中に述べられたシステムを通して全
部分離された。
実施例3及び4
実施例1及び2が連続的作業プロセスにおいて繰り返され、機械的ミキサーを
用い、その中に処理さるべき極性液体廃物により形成された主フロー、及び本発
明による凝集組成物により形成された二次フローとが所望の流速において流れ且
つ混合された。濾過作業の終わりにおいて、得られた濾液は実施例1及び2にお
いて得られたものと同じ特性を有し、一方、濾過前の接触時間は2及び20秒の間
の範囲内に減少された。
本発明は応用のある特定例に言及して記載されたが、その保護範囲は、以下の
請求項に規定される如く、溶媒和された粒子のコロイド状分散液に対する凝集剤
としてのモンモリロナイトの使用に、完全に一般的やり方で延長さるべきである
ことは明らかである。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年11月15日
【補正内容】
そこでは一次的作業サイクル中へ精製された廃水をリサイクルするために、精製
プロセスに使用される添加物は無害であることを要するからである。
その研究の終りにおいて、本発明者は驚くべきことに、モンモリロナイト(mon
tmorillonite)―商業的に濃化剤として知られ、例えばFR-A-2640613中に開示
される如く、凝集剤と組み合わせて既に形成されたフロックの重量及び容積を増
加し、それらの沈殿を助けるのに使用される―が、その代わりにそれ自体溶媒和
された粒子についてフロックの形成を生じさせる能力を有することを見出した。
選択された条件において、該凝集は例外的に有効で且つ速い結果を生ずる。
かかる発見を基にして、本発明者はこれまでに引用した凡ての課題を解決させ
る、溶媒和された粒子のコロイド状分散物を含む極性液体廃物を精製するための
プロセスを提供する本発明を知見したのであって、このプロセスは次のものを含
むことにより特徴づけられる:
凝集組成物が次のものにより調製される第1ステップ:
― モンモリロナイトを極性液体中に分散させて、均質な懸濁液を形成する;
― 該懸濁液のpHを5及び9の間の範囲内に保持乃至調整する;
― 該懸濁液を、可能ならば温和な攪拌下に、モンモリロナイトへの該極性液体
の溶媒和された粒子の大部分の集合を得るために十分で、且つ、如何なる場合も
少なくとも1時間の期間放置反応させる;
及び次のものにより完全な液体/固体分離が得られる第2ステップ:
― 該極性液体廃物に対して該凝集組成物を、任意の追加の凝集剤なしに添加し
、20ppmより少なくない最終モンモリロナイト濃度を有する混合物を得るまで十
分にこれを混合する;
― かくして得られた混合物のpHを2.5より上の範囲内に保持乃至調整する;
― 混合物を予定された接触時間の期間攪拌する;
― 混合物を濾過する。
本発明は又任意の追加の凝集剤なしに、5及び9の間の範囲内のpHを有する
極性液体中の均質なモンモリロナイト懸濁液を含み、モンモリロナイトへの該極
性液体の溶媒和された粒子の大部分の集合を得るために十分で、且つ、如何なる
場合も、少なくとも1時間の予定の期間熟成された、該プロセスにおいて使用さ
れる凝集組成物に関する。
本発明は以下の記載からより明らかに理解されるであろうが、これは単に説明
のために与えられ、その範囲を限定するものと見做さるべきでない幾つかの例を
同伴している。
本発明の精製プロセスは、処理さるべき極性液体廃物に対して添加さるべき凝
集組成物を調製することからなる第1ステップを含む。該組成物はモンモリロナ
イトを極性液体中に0.5%及び15%の間の濃度において懸濁することにより調製
される;該懸濁液は5及び9の間のpHを有するか―又は、を得る様に調整され
るであろう。この極性液体は好ましくは処理さるべき極性液体廃物の一部分であ
る
か、又は液体廃物中に存在する同じ溶媒和された物質を有するコロイド状分散物
を含む極性液体である。凝集速度の点で最良の結果を達成するためには、かくし
て得られた懸濁液は少なくとも1時間出来れば温和な攪拌下に反応放置され、か
くしてモンモリロナイトが完全な程度に“選択的に活性化”されている好ましい
凝集組成物を得る。
新しい極性液体中にモンモリロナイトが懸濁されている場合と、その代わりに
好ましくは処理さるべき極性液体廃物の一部分中に又は同じ溶媒和された物質を
含む極性液体中にそれが懸濁されている場合との両者において、何らの凝集も又
沈殿もモンモリロナイト又は溶媒和された物質の何れについても起こらないから
、それ故、凝集組成物は変えられることなしに長い期間でさえ保存され得ること
に注目するのが重要である。この結果を得るために、モンモリロナイトは溶媒和
された粒子に関しては大過剰で添加され、それにより沈降するに十分大きい寸法
を有するフロックの形成の可能性がない様にせねばならない。かくして、極性液
体中の溶媒和された粒子の含量がより大きいほど上記に指示した範囲内のモンモ
リロナイト濃度値が高いことは明らかである。
請求の範囲
1)凝集組成物が次のものにより調製される第1ステップ:
― モンモリロナイトを極性液体中に分散させて、均質な懸濁液を形成する;
― 該懸濁液のpHを5及び9の間の範囲内に保持乃至調整する;
― 該懸濁液を、可能ならば温和な攪拌下に、モンモリロナイトへの該極性液
体の溶媒和された粒子の大部分の集合を得るために十分で、且つ、如何なる場合
も少なくとも1時間の期間放置反応させる;
及び次のものにより完全な液体/固体分離が得られる第2ステップ:
― 該極性液体廃物に対して該凝集組成物を任意の追加の凝集剤なしに添加し
、20ppmより少なくない最終モンモリロナイト濃度を有する混合物を得るまで十
分にこれを混合する;
― かくして得られた混合物のpHを2.5より上の範囲内に保持乃至調整する
;
― 混合物を予定された接触時間の間攪拌する;
― 混合物を濾過する。
を含むことにより特徴づけられる、溶媒和された粒子のコロイド状分散物を含
む極性液体廃物を精製するためのプロセス。
2)該凝集組成物が0.5及び15%の間の範囲内の最終モンモリロナイト濃度を有
する請求項1)のプロセス。
3)該極性液体が処理されねばならない同じ極性液体廃物の一部である請求項1
)又は2)のプロセス。
4)該極性液体が極性液体廃物中に存在するものと同じ溶媒和物質を有するコロ
イド状分散物を含む、請求項1)又は2)のプロセス。
5)処理さるべき極性液体廃物中のモンモリロナイトの最終濃度が凡ての溶媒和
粒子を凝集させるために化学量論的に要求される濃度より少なくとも20ppm高い
上記請求項の何れか1つのプロセス。
6)該接触時間がある秒数と数分の間の範囲内にある上記請求項の何れか1つの
プロセス。
7)該接触時間が2秒及び10分の間である請求項6)のプロセス。
8)該濾過が液体/固体分離の任意の技術により遂行される上記請求項の何れか
1つのプロセス。
9)非連続のやり方で遂行される上記請求項の何れか1つのプロセス。
10)連続のやり方で遂行される上記請求項の何れか1つのプロセス。
11)任意の追加の凝集剤なしに、5及び9の間の範囲内のpHを有する極性液体
中の均質なモンモリロナイト懸濁液であって、モンモリロナイトへの該極性液体
の溶媒和された粒子の大部分の集合を得るために十分で、且つ、如何なる場合も
、少なくとも1時間の予定の期間熟成されたものを含むことを特徴とする、溶媒
和された粒子のコロイド状分散物を含む極性液体廃物を精製するためのプロセス
に使用される凝集組成物。
12)0.5及び15%の間の範囲内の最終モンモリロナイト濃度を有する請求項11)
の組成物。
13)該極性液体が処理さるべき同じ極性液体廃物の一部である請求項11)又は12
)の組成物。
14)該極性液体が極性液体廃物中に存在するものと同じ溶媒和された物質を有す
るコロイド状分散物を含む請求項11)又は12)の組成物。
15)溶媒和された粒子のコロイド状分散物に対するモンモリロナイトの凝集剤と
しての使用。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
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,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
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,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
UA,UG,US,UZ,VN