JP4187201B2 - 凝集方法 - Google Patents
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Description
本発明は、汚濁水中の懸濁物質の凝集方法に関するものである。
【従来の技術】
染色排水、土木排水、下水、あるいは工場廃液に大量に含まれるSSと称される微細浮遊物質は水中浮遊物となって河川や海に廃棄されて公害の原因となっている。そこで最近では上記工場廃液等は該水中浮遊物や溶解物質が基準の濃度以下になるように処理してから廃棄されているが、その処理に要する時間と費用は莫大なものとなっている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、染色工場の排水は、溶解色素の除去が非常に困難であり、現在のところ、排水を一旦貯水槽に溜めて、活性炭、バイオ処理で脱色すると共に、BOD、CODが基準値以下になるように処理して排水するようにしている。
製紙工場よりの排水には紙表面を滑らかにするために汎用されている酸化チタンの微粒粉あるいは、パルプ繊維の微粒粉が含まれている。これらの微粒粉を除去するために、一旦貯水槽に溜めて有機系あるいは無機系の凝集剤を添加し、凝集、沈澱させてから排水するようにしている。
下水処理では被処理液に有機凝集剤を投入し、大容量の沈殿槽に長時間滞留させて懸濁物質を沈殿させ、必要に応じて活性炭処理、バイオ処理を付加してSS、BOD、COD値が所定の値以下になるように処理した後、廃棄するようにしている。
土木排水の処理においては処理後の排水に含まれる鉄分の濃度を下げることが懸案となっている。
又、海底や河川を浚渫したときに排出されるヘドロは含水率が非常に多く、このまま固化しようとすると莫大なセメント量を必要とする。そこで、大容量の沈殿槽にヘドロを導いて、有機凝集剤を添加して沈澱処理をした後、凝固処理を行うようにしている。
このため、莫大な面積の沈殿槽を必要とし、処理装置が大がかりなものとなり、広い設置面積を必要とし、処理時間が長くかかり、コスト高になるのものであった。
又、上記凝集処理に使用される凝集剤としては、種々のものが開発されている。例えば無機系では、アルミニウム塩(硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、アンモニウムミョウバン、カリミョウバン、アルミン酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム)、鉄塩(塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等)、有機系では、低分子塩、界面活性剤、天然あるいは合成高分子物質等が開発使用されている。
更に、本出願人は、特公平08-018016にて、▲1▼可溶性のアルミニウム塩と▲2▼アルカリ金属塩と上記▲1▼剤と▲2▼剤の直接の接触密度を小さくするための第三物質とよりなる凝集剤を提案し、多大な効果を上げている。
上記のように種々の凝集剤が開発され使用されているが、染色排水、製紙排水等を固液分離することは困難である。また下水処理に至っては莫大な面積の沈殿槽を必要とし、また処理時間も膨大となっているのが現状である。更に、有機凝集剤を大量に使用すると、コストが高くなるとともに、上記固液分離の困難性が増大する。
特に、下水に含まれる汚泥等は、現在のところ、これを直接短時間に凝集させることはできないと考えられており、また、上記のように沈殿槽で沈殿された余剰濃縮汚泥は、水分と固形物を遠心分離機で分離しようとしても、これ以上の分離はできない難処理廃液である。
【特許文献1】
特開平09−192679号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、迅速な凝集効果を発揮し、現在技術では水と固形分の分離が不可能な難処理液の処理が可能であり、しかも安価な凝集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、アルカリ金属の珪酸塩を予め海水に添加してゲル化させ、フロック状となった珪酸塩が水中に散在する程度のゲル化水を得る。このようにして得られたゲル化水を被処理液に添加することにより、上記珪酸塩のフロックが核となって上記被処理液中の微小な固形物が凝集し、更に大きなフロックを形成する。このように大きなフロックが形成されると、固水分離機(コンベアプレス式、遠心分離式)での固水分離機能は飛躍的に高まることになる。
上記の更に大きなフロックを形成した後に、更に、従来から使用されている凝集剤を使用することは、この発明の効果を高める上で好ましい。
また、カルシウム化合物を上記ゲル化水に所定量添加すると、被処理液から窒素及びリンを除去する効果をさらに高めることができる。
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
本発明に係る凝集方法は、まず、アルカリ金属の珪酸塩を、予め海水に所定量加えてゲル化して、珪酸塩をフロック状となしたゲル化水を得る。このゲル化水を被処理液に添加すると、上記フロックを核に被処理液中の微小な固形物が凝集して、さらに大きなフロックを形成することになる。
このようにして形成されたフロックは、無機物のみで形成されているので水抜けが著しく優れ、固水分離機で分離すると、80%までの水分を除去することができることになる。
アルカリ金属の珪酸塩としては、例えばメタ珪酸ナトリウム、二珪酸ナトリウム、四珪酸ナトリウム、オルト珪酸ナトリウム、及びこれらの種々の割合の水和物、さらにカリウムの珪酸塩を一部混合させてもよい。ただし、経済的には市販の水ガラスを使用するのが最も好ましい。
アルカリ金属の珪酸塩の添加量は、海水1Lに対して、0.01 〜100g、好ましくは0.1〜50gである。0.01gより少ないと当該珪酸塩のゲル化に伴って形成されるフロックの数が少なく、被処理液に添加したときの凝集能力が小さくなる。また、100gより多くすると添加したアルカリ金属の珪酸塩が、フロックを形成しないで溶媒たる海水に沈澱し、不経済となるからである。前記ゲル化水(すなわち、ゲル化された珪酸塩の入っている水)の被処理液に添加するべき量は、このゲル化水の濃度、及び被処理液が含有する固形物の濃度等の特性(含有固形物の種類、大きさ、液のPH等)によって異なるので一概に限定することはできないが、例えば、被処理液1Lに対して1〜50、好ましくは5〜10重量%の添加で処理が行えるように、上記ゲル化水の濃度を前実験により定めるとよい。
1重量%より少ないと、添加したフロックが十分に被処理液中に分散しないため固形物を凝集させる力が弱く、凝集速度、固水分離性に満足する結果を得ることはできない。又、50重量%より多いと処理に必要となる容積が大きくなるため処理効率が下がり不経済となる。
また、従来から使用されている凝集剤を添加して、本発明の効果をより高めることができる。この凝集剤には、上述の無機凝集剤や有機凝集剤を用いることができるが、本願出願人が特公平08-018016にて開示している凝集剤を用いるのが好ましい。
さらに、窒素及びリンの除去効果をより高めるために、カルシウム化合物を添加することも効果的である。
このカルシウム化合物には、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、酸化カルシウム等を用いることができる。カルシウム化合物の被処理液への添加量は、被処理液の窒素及びリンの含有量によって異なるため、一概に限定することはできないが、例えば、硫酸カルシウムを用いる場合は、被処理液1Lに対して、0.01〜1重量%とするのが好ましい。添加量が、0.01重量%より少ないと窒素及びリンの除去効果を高める効果が得られないためであり、1重量%より多いと、コスト高になり対費用効果が上がらないためである。
(実施例1)
海水1Lに対して、水ガラス(珪酸ナトリウム)0.3gを、よく攪拌しながら添加してゲル化水を作り、このゲル化水を被処理液(兵庫県姫路市を流れる天の川の浚渫ヘドロ)1Lに対して10重量%添加した。この後、有機凝集剤(ポリアクリルアミド系)を極微量(1パーセント水溶液0.8g)被処理液に添加し、ろ過する。この場合例えば1Lの処理液をろ紙でろ過するのに要する時間は10分程度であった。
比較として、上記と同じ原水1Lに対して有機凝集剤(1パーセント水溶液0.8g)を添加して、ろ紙でろ過させた場合を挙げる。この場合はろ過に1時間以上かけても充分でなかったが、1時間経過した時点のものと比較した。
このように本願の方法による方が処理時間は短く、従来では極めて低い脱水率であった状態を高い脱水率(70%以上)に高めることができ、固液分離率も高く、優れた効果を有するものである。
また、被処理液として、下水汚泥を使用した場合でも、上記ヘドロに対する効果とほぼ同じであった。ただし、被処理液が下水汚泥の場合、有機凝集剤のみを使用する従来の方法では、多大な時間をかけてもろ紙を水分はわずかしか(脱水率20%)通過することはなかった。
(実施例2)
上記実施例1とゲル化水の濃度を変え、被処理液も他のサンプルを用いて凝集効果を確認した。本実施例では、海水1Lに対して、水ガラス50gを添加してゲル化水を作り、このゲル化水をSSが16000mg/lである被処理水(鳥取市にある湖山池の浚渫ヘドロ)に対して20g(約2重量%)添加した。この後、濃度0.1%の有機凝集剤30g、硫酸カルシウム0.5gをそれぞれ被処理液に添加し、この液をろ紙でろ過したところ、下記の結果を得た。この場合も、1Lの処理液をろ紙でろ過するのに要する時間は10分程度であった。
このように本願の方法は、被処理液中の各種汚濁原因物質を除去しやすいフロックに短時間で凝集させることができるとともに、優れた浄化効果を有するものである。また、添加する薬剤の量は僅かであり、その処理費用も安価である。特に、海浜、海上など海水の入手が容易な場所での処理を行う場合は、その場で溶媒である海水を得ることができるため、溶媒の輸送コストが不要となる。
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明に係る凝集方法は、以下に列挙する実用上の様々の優れた効果を有する。
本発明に係る凝集方法は、予め珪酸塩を海水でゲル化して微細なフロックを形成したゲル化水を使用するため、上記フロックを核として被処理液の微小固形物が凝集し、迅速な凝集効果を発揮する。
特に、海浜、海上等、海水を容易に入手できる環境で処理を行う場合は、輸送に最も容積が必要となる海水を処理現場にて調達できるため、輸送費用が削減でき低コストでの処理が可能となる。
更に、ここで得られたフロックは無機物が核になっているので、高い水抜け特性を持っており、有機凝集剤を使用する場合や、他の無機凝集剤を使用する場合に比較して著しく迅速に固液の分離が可能となる。
Claims (2)
- アルカリ金属の珪酸塩を海水に加え、ゲル化した珪酸塩がフロック状となったゲル化水を被処理液に添加して処理する凝集方法。
- 更に、カルシウム化合物を添加する請求項1に記載の凝集方法。
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