JPH10506541A - Hla−dr型別判定の実施を可能するプローブ系および該プローブを用いる型別判定法 - Google Patents

Hla−dr型別判定の実施を可能するプローブ系および該プローブを用いる型別判定法

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Abstract

(57)【要約】

Description

【発明の詳細な説明】 HLA‐DR型別判定の実施を可能にするプローブ系 および該プローブを用いる型別判定法 本発明は、個人のクラスIIHLA遺伝子型を決定するための方法に関し、特に 多形性HLA‐DR遺伝子の検出に関係する。この方法は、特に、移植における HLA型別判定、医療診断、法医学などに適用できる。 HLA(ヒトリンパ細胞抗原)系は、ヒトにおいて主要組織適合複合体により エンコードされる。それは、自己と非自己を区別することによって、個人間の器 官移植の間の極めて本質的な制限をもたらす。更に、HLA因子は、多数の病気 に対する素因に関与する。HLA系の抗原は従って、器官移植における提供者と 被移植者の間の特性(F.H.バッハ及びJ.J.ファン ロート、N.Engl. J.Med.、295、806〜13頁、1976)ならびに或る病気に対する個人の素因を決 定する型別判定法において用いられてきた。 遺伝子的観点からHLA系は十分に特徴づけられ、そして第6染色体の短腕上 の約2センチモーガン(cM)の間隔内にある多かれ少なかれ多形性の一組の座 よりなる。この系中の三つの座(HLA‐A、‐B及び‐C)は、相互複性的に (codominantly)表現される同種抗原のクラス(クラスI)をコードする。事実 いくつかの遺伝子を含む 他の領域(HLA‐D)は、かなりの程度の多形性を伴なって相互複性的に表現 される同種抗原の第二のクラス(クラスII)をコードする。特に補体カスケード の成分C2、C4及び因子Bfを制御するいくつかの他の座はまた、HLA系( クラスIII)に属する。器官移植の成功は、被移植者と提供者の間のHLA同一 性(クラスI及びII)に大きく依存する。従って、HLA型別判定は、出来るだ け正確でなければならない。この要求は主に、腎臓移植(P.J.モリス及びA .ティン(1982)Immunol.Rev66、103-G.オペルツ(1989) Transpl Pro c.21、609-E.L.ラガーイ、P.H.ヘンネマン、M.ルイクロクら(1985)N ew Engl.J.Med.321,701)および骨髄移植(P.G.ビーティ、R.A. クリフト、E.M.ミケルソンら(1985)Ncw Engl.J.Med.313,765-J.M .ホウ及びB.A.ブラドリー(1990) British J.Hematol.76、1)に関 係する。骨髄移植においては、クラスIIHLA抗原に関する完全な同一性は、移 植の成功、すなわち移植片の拒絶又は移植片対宿主の疾病の進展を妨げるための 決定的因子を表わす(P.G.ビーティ、J.ハンセン、G.M.ロングトンら (1991)Transplantation 51、443-R.C.アシュ、J.T.キャスパー、C. R.チタンバーら(1990)New Engl.J.Med.322、485-C.アナセッティ、D .アモス、P.G.ビーティら(1989)New Engl.J,Med.320,197)。 HLA‐D領域の遺伝子の表現産生物の多形性は、細胞 の表面で表現されたHLA遺伝子産生物の同種抗血清での分析に基づく血清学的 手法により通常決定される(J.J.ファン ロード及びA.ファン リューウ ェン(1963)J.Clin.Invest,42、1382-J.J.ファン ロード、A.ファン リューウェン、J.J.コニング、A.B.ファン ウド アブラス(1975)T issue Antigens 5、73)。正確性及び再現性は、利用できる血清のバッチに依 存する。しかし、最良の条件下でさえ、極めて多数の存在する対立遺伝子がこれ らの血清学的手法により検出不能である。血清学的分析の限界は主に、単一特異 的な同種抗血清の不存在、極めて密接に関連する特異性たとえばDR3とDRw1 3の間の交叉反応性の不完全な区別、あるいは細胞たとえば白血病細胞の表面に おけるクラスIIHLA分子の変更された表現に起因する。 分子生物学を用いて、従来予想されていたよりもはるかに多数のHLA遺伝子 、特に多くのより異なる対立遺伝子が存在することが今は知られている。この多 様性は今は、種々の遺伝子及び対立遺伝子のDNA配列によって特徴づけられる 。HLA命名委員会の最近のレポートによると(HLA系の因子のためのWHO 命名委員会(1990)Immunogenetics 31、131-及びJ.G.ボドマー、S.G,E .マーシュー、E.D.アルバート、W.F.ボドマー、B.デュポン、H.A .アーリッヒ、B.マッハ、W.R.メイア、P.パラム、T.ササズキ、G. M.T.シュロイダー、J.L.ストロミンガー、A.スビガード 及びP.I.テラサキ(1991)Tissue Antigens37、97参照)、クラスIIHLA 多形性は、下記のように分布される。DRB1座:47の対立遺伝子、DRB3座 :4の対立遺伝子、DRB4座:1の対立遺伝子、DRB5座:4の対立遺伝子 、DQB1座:17の対立遺伝子、DQA1座:13の対立遺伝子、DPB1座:21 の対立遺伝子、DPA1座:4の対立遺伝子。 これら対立遺伝子の多くは、血清学的分析を逃れ、DNAの点でのみ同定しう る。血清学的型別判定の限界は、DR4血清学的特異性により例示されうる。こ れは今は、DNA配列の点でのみ同定できる11のサブタイプ(DRB1*0401‐0 411)に細分される(J.G.ボドマー、S.G.E.マーシュー、E.D.ア ルバート、W.F.ボドマー、B.デュポン、H.A.アーリッヒ、B.マッハ 、W.R.メイア、P.パラム、T.ササズキ、G.M.T.シュロイダー、J .L.ストロミンガー、A.スビガード及びP.I.テラサキ(1991)Tissue A ntigens 37、97参照) 同様にいくつかの同種抗血清によりDRw 13及びDRw 14に細分されうるDR w 6特異性は10の対立遺伝子配列(DRB1*1301‐1305及びDRB1*1401‐ 1405)を含み(上記のJ.G.ボドマーの文献参照)、これはまたDNA配列の 点での遺伝子型分析によってのみ区別されうる。 遺伝子型分析は、クラスIIHLA系の多様性を遺伝子の点で直接に分析するこ とを可能にする新しいアプローチで ある。遺伝子型分析は分子ハイブリッド化の原理に基づいており、提案された最 初のアプローチは、いわゆる「RFLP」法であり、これは制限酵素を用いてD NAを切断し、これら酵素により発生された特定のDNAフラグメントのサイズ を分析することにある(C.T.ウェイク、E.O.ロング及びB.マッハ(198 2)Nature300、372‐J.ビーメ、M.アンダーソン、G.アンダーソン、E. ミラー、P.A.ペターソン及びL.ラスク(1985) J.Immunol.135、2149 ‐J.L.ビドウェル、E.A.ビドウェル、D.A.ザベージ、D.ミドルト ン、P.T.クロウダ及びB.A.ブラトレィ(1988)Transplantation 45、640 参照)。 RFLP分析は、血清学により検出できない対立遺伝子的差異のいくつかのみ を認識することを可能にし、この方法はまだ制限がある。実際、異なる配列を持 つ一つの対立遺伝子は、異なるヌクレオチドが分析に用いられた制限酵素の認識 部位にある場合にのみ同定可能である。従って、多数のクラスIIHLA対立遺伝 子がこの分析により認識されないであろう。また、RFLP分析は、コード配列 における変更をまれにしか検出せず、変更の正確な性質について情報を与えない 。最後に、この方法は、いくつかの制限酵素により消化されるべき比較的多量の 核酸の使用、電気泳動及びフィルターへの移動を含むので、長たらしく、冗長で ある。 RFLP法の限界を例示するために、DR1、DR4、 DRw 8、DRw 11又はDRw 13特異性のサブタイプがRFLPにより検出でき ないことが述べられる。 クラスIIHLAの遺伝子型分析の新しい方法が提案され、これは、「オリゴヌ クレオチドによる型別判定」と呼ばれる方法である。[クラスIIHLA遺伝子、 及び特に、はるかに最も多形性であるDRβ遺伝子のDNA配列の知識の結果、 遺伝子の配列中の所与の場所に特異的なオリゴヌクレオチドが、ハイブリッド化 による多形性の分析のためのトレーサーとして用いられうる。これらオリゴヌク レオチドは、出来るだけ最も情報を与えるよう、及び配列におけるそれらの差に 基づいて異なる対立遺伝子の同定を可能にするように選ばれる。実際に、配列に おける何らかの差異、単一のヌクレオチドさえも検出されうる。 オリゴヌクレオチドによる型別判定の該手法は、アンゲリニら、Proc.Natl Acad.Sci.USA Vol.83、4489〜4493頁(1986)に記載されるようにDNA に、及びRNAに等しく適用されうる(C.ウクラ、J.J.ファンロード、J .ゴルスキ及びB.マッハ(1987)J.Clin.Invest、80、1155参照)。 この新しいアプローチは、水素結合を介して相補的配列と相互作用し、それに よって公知の対合の法則すなわちDNAにおけるA‐T、G‐CおよびRNAに おけるA‐U、G‐Cに従って安定なハイブリッドを形成する可能性がある核酸 の特徴的性質を用いる分子ハイブリッド化の原理に基づく。すなわち、既知の対 立遺伝子のDNA又はRNA 配列に対応する合成オリゴヌクレオチドがプローブとして、試料中の該プローブ の配列に相補的な配列を含む標的核酸配列を同定するために用いられうる。標的 とプローブの間で形成されたハイブリッドのラベリングは、試料中の標的の検出 及び定量化を可能にする。このラベリングは、任意の公知のラベルたとえば酵素 的、化学的又は放射性ラベルにより行われる。これら原理に基づいて、クラスII HLAのためのオリゴヌクレオチドによる型別判定の最初の適用は、いわゆるサ ザーン法を用いてアンゲリニらにより上記の文献中に示され、それによると標的 DNAがナイロン膜上に沈着され、検出はラベルされたオリゴヌクレオチドプロ ーブを用いて行われる。該方法は次に、通常の血清学により同定できないクラス IIHLA対立遺伝子の検出に適用された(J.M.チェルシー、J.ゴルスキ、 M.ジャネット及びB.マッハ(1988)Proc.Natl.Acad.Sci,USA85、198 ‐J.M.チェルシー、J.ゴルスキ、H.ベツェル、A.C.フレイデル、L .ゲプアーラー、M.ジャネット及びB.マッハ(1989)Human Immunol.24、 1参照)。クラスIIHLA型別判定への別の直接的適用は、PCT特許出願WO 89/11547号に記載されるものであり、いわゆるドットブロット法を用いる。こ れら手法の変更は、いわゆる逆ドットブロット法により示され、これはヌクレオ チドプローブを紙、ニトロセルロース又は両者の混合の膜に結合し、ハイブリッ ド化の検出をラベルされた標的により行うことにある。この手法は、HLA‐D QA型別判 定及び地中海β‐タラセミアの突然変異の検出に適用された(R.K.サイキら 、Proc.Natl Acad.Sci.USA、Vol.86、6230〜6234頁(1989))。 上述したように、及び上記刊行物ならびに特許明細書に説明されているように 、細胞型別判定は、ゲノムにおける点突然変異の検出を必要とし、単一ヌクレオ チドに関する以外相同な配列を検出し、区別するのに十分に敏感であるプローブ の開発を含む。また、良好な感度を保持しながら大きな特異性をテストに与える 短いプローブ、一般に30未満のヌクレオチドのプローブを用いることが必要であ ることが見い出された。短いオリゴヌクレオチドの使用は、広いスペクトルの選 択性を利用可能にすることを可能とする。 固体支持体へのプローブの結合を含むテストが用いられる場合、そのような固 体支持体に30未満のヌクレオチドの短いプローブを固定化することに結びつく問 題が残されている。R.K.サイキらは上記刊行物中で、15〜20の塩基より成る プローブの3′未満に400の塩基のポリ(dT)尾をカップリングし、そして紫 外線光に曝露してナイロン中に存在する第一アミンにチミン塩基を共有結合的に 結合することによってナイロンフィルターに上記尾を介してプローブを固定化す ることより成る方法を提案した。 しかし、この方法は、完全に満足なものではない。なぜなら、それは特異性の 問題を示すからである。事実、プローブのチミン塩基もまた、UV照射下で支持 体と反応でき、それによりハイブリッド化の効率の減少をもたらす。 また、産業化の理由から、大きな特異性及び良好な感度を有し、しかしまた実 施が簡単であり、迅速に実行され、安価であり、自動化でき、かつ個人の型別判 定のために用いうるところの型別判定法を開発することが望ましい。 今、個人のHLA‐DR遺伝子型を決定するための新規方法が見い出され、こ れは、単一ヌクレオチドに関する以外相同である配列を検出しかつ区別すること を可能にしながら、上記欠点を克服する。 本発明法は、最小数のプローブで型別判定を可能にするように選ばれた一組の ヌクレオチドプローブを用いて行われる。このプローブの組は、特に、単一の温 度、特に37℃で行うことを可能にする利点を持つ(但し、下記の実験の部から判 るように他の温度で実施することも可能である)。そのような一組のプローブは また、本発明の一部を成す。 下記で定義される本発明のプローブの組は、サザーン形式の手法において(標 準的トレーサー剤でラベルされた)検出プローブの形で、あるいは好ましくは固 体支持体上に固定化された(サンドイッチ又は逆ドットブロット法)捕捉プロー ブの形で、直接にまたはリガンドを介して受身結合(吸着)によりたとえば疎水 性リガンドにより(たとえばヨーロッパ特許出願第0,405,913号参照)、あるい は、ここでもまた直接に作られうるあるいは支持体に共有結合的に結合しうるリ ガンドを介して作られうる少くとも一つの共有結合の設立により(たとえばPC T特許出願WO88/01,302号参照)用いられうる。プローブの固定化は、公 知法を用いて、又は後述の他の方法を用いて行われうる。 本発明のプローブ(ヌクレオチドプローブ)は、主にヌクレオチド配列の形で 記述されるであろう。所与の温度で点突然変異を検出することを意図されるプロ ーブの場合においてさえ、ハイブリッド化複合体の安定性に多かれ少なかれ好都 合な溶液、緩衝液の使用によって特に、種々の長さ(ヌクレオチドの数)のプロ ーブの使用をもくろむことがある程度可能であることが、当業者には明らかであ る。従って、本発明のプローブは、最大であると一般に考えられる(特に、もし 比較的低い温度たとえば37℃での実施が望まれるなら)配列により定義され、か つ更に、該温度でなお使用可能でありかつ点突然変異にさえ感受性であるであろ う最小の配列の表示を伴なう。 夫々の特定のヌクレオチドプローブが、その対応する相補性プローブを有し、 それは当然、捕捉又は検出プローブとして同じ役割を演じうることが当業者には 明らかである。従って、本発明は、後述されるであろう配列に相補性の配列を持 つプローブを包含する。 また、一組のプローブにおいて一般に、ある特定の特異性Xを認識する一つの プローブを、二つのプローブの系(その一つが特異性X及びYを認識し、他方が 特異性X及びZを認識する)で置き代えうることが当業者には明らかである。こ の場合、XYプローブ及びXZプローブの両者による陽の応答は、特異性Xの存 在を推論するこをと可能 にする。従って、本発明は、後述するように、一又は二以上のプローブが二つの プローブまたはいくつかのプローブの均等な系により置き代えられたプローブ系 を包含する。当然に、そのような組合せ系は、2より多い多数の特異性に適用さ れうる。 本発明は、HLA DRタイプを決定するためにオリゴヌクレオチドでの型別 判定法において用いられうるヌクレオチドプローブに関し、該プローブは下記の ものから選択される: 直上の4つの配列は、夫々、引用番号101,102,103および104で 呼ばれる。 プローブ101は、DRB1*01タイプを同定することを可能にする。 プローブ102は、DRB1*02タイプを同定することを可能にする。 プローブ103は、DRB4*01タイプを同定することを可能にし、プロー ブ104は、DRB1*1305タイプを同定するために有用である。 本発明はまた、プローブ101〜104から選択された少なくとも1つのプロ ーブを含む1セットのヌクレオチドプローブまたはHLAタイプキットに関する 。 本発明はまた、下記より選択される少なくとも1つのプローブを更に含む、そ のような1セットのヌクレオチドプローブに関する: 下線部分は、最小配列に対応する。 直上の13の配列は、夫々、引用番号105〜117で呼ばれる。 好ましい実施態様において、プローブ111は、3′末端の下線を付されてい ない2つのTを含む完全な形で用いられる。その特異性は、プローブ45のそれ と同じである。 プローブ115は好ましくは、下線を付された配列プラス5′末端の下線を付 されていない2つのAの形で用いられる。その特異性は、プローブ28のそれと 同じである。 プローブ105〜110、112〜114、116および117は好ましくは 、下記の実験の部において引用番号43、9、10、14、17、44、46、 48、47、24および27を付されているそれらのプローブの形で用いられる 。 特に本発明は、上記で定義した1セットのプローブであって、それが更に下記 のプローブ(下記部分は最適配列に対応する)の少なくとも1つを含む事実を特 徴とする1セットのプローブに関する: 直上の5つの配列は、夫々、引用番号118〜122で呼ばれる。これら配列 は、特に、配列番号42、42a,52,37および55を持つそれらプローブ の形で用いられる。 上記の特定のプローブは、特に、捕捉プローブまたは検出プローブとして用い られる。それらは好ましくは、固体支持体上に固定化されたまたは固定化されう る捕捉プローブの形で用いられる。 本発明の主体はまた、オリゴヌクレオチドでの型別判定の標準的手法に従い個 人のHLA‐DRβ型別判定を行う方法において、上記のプローブの組のプロー ブの少なくとも一部が、遂次的に又は同時的に捕捉又は検出プローブとして用い られることを特徴とする方法である。 自動化された方法において、該プローブの組が用いられ るであろう。他の場合には、それらを次々と用い、集められた情報が型別判定の ために十分である時に方法を止めることができることが明白である。 従って、本発明の方法は、下記の工程を本質的に含む: −個人のHLA‐DR遺伝子の多形性領域を含む標的核酸の試料を、上記定義 したプローブの組の少なくとも一部と、選択された特定の手法に従い接触させる 、 −標的が該プローブの配列と十分に相補性である配列を含む場合にのみ、各プ ローブとのハイブリッド化が起るように予め決めた条件下で公知法に従いインキ ュベートする、そして −用いられた各プローブとのハイブリッド化またはハイブリッド化の不存在を 標準的検出手法に従い決定する。 集められた情報は次に、用いられたプローブ及びリストされたHLA‐DRタ イプ及び/又は関連するザブタイプの知識を考慮に入れて、予め設定した型別判 定計画に従い型別を決定するために用いられる。この仕事は、型別判定計画、す なわち、実際には観察された陽応答(ハイブリッド化)に従い直接にタイプ及び /又はサブタイプを与える表の使用により単純化される。本発明のプローブの組 のために、そのような表は下記の実験の部で与えられる(表6を見よ)。 本発明は特に、上記プローブが捕捉プローブとして用いられ、方法が下記の工 程を含む事により区別されうるところの上記方法に関する: (a) 各捕捉プローブを固体支持体上に固定化する、 (b) 各固定化捕捉プローブを、少なくとも一つの標的核酸フラグメントを含 む液体媒体と、プローブの配列と相補性の配列が標的中に存在するならばハイブ リッド化を許す予め決めた条件下で接触させる、そして (c) 形成されるハイブリッドの存在を検出する。 当然に、本発明のプローブは、RNA標的フラグメント及びDNA標的フラグ メントの両者を検出しうる。また、上記プローブとは別に、総ての適当なプロー ブ、特に実施例5で後述するプローブの一つを検出プローブとして用いることが 明らかに可能である。 捕捉プローブが非常に短い、すなわち20のヌクレオチドより小さい、特に17の ヌクレオチドより小さい場合、固体支持体へのプローブの結合を改善できる手段 を用いることが必要になる。ならば、支持体へのプローブの結合は、固体支持体 への結合を容易にするリガンドとプローブの共有結合的カップリングから生じる 誘導体の形で行われる。リガンド(これは疎水性部分を含みうる)は特に、少な くとも一つの極性官能基たとえばアミノ基を含むリガンドである。該官能基は、 共有結合の設立により固体支持体にプローブを結合すべく働きうる。極性官能基 が支持体と反応しない場合、それは、たとえ支持体が疎水性であるとしても、支 持体への吸着により結合を改善する。 リガンドはたとえば、夫々下記式I及びIIにより示される蛋白質及び化合物か ら選ばれる: ここでZは、2〜12個の炭素原子を有し、非置換の又はヒドロキシル及び/又 はアミノ基から選ばれた一以上の基により置換された、直鎖又は分枝したアルキ ルまたはアルケニル残基を示し、M+は特にアルカリ金属またはアンモニウムイ オンを示す。 このリガンドは好ましくは、捕捉プローブのヌクレオチド配列の5′末端に結 合される。 ここで、nは1〜4で変わりうる整数であり、好ましくはn=1又は4である 。 このリガンドは好ましくは、捕捉プローブのヌクレオチド配列の3′末端に結 合される。 リガンドが蛋白質である場合、たとえばアルブミン、好ましくはウシ血清アル ブミンが選ばれ、これは捕捉プローブのヌクレオチド配列の5′または3′末端 に結合されうる。 本発明の支持体は、受身吸着又は共有結合によって、本 発明に従いヌクレオチド配列又は誘導体を固定化できる任意の支持であることが できる。支持体は、通常用いられる任意の物質、たとえばニトロセルロース、ナ イロン、紙又は好ましくは疎水性物質たとえばスチレンポリマーまたは少なくと も10重量%のスチレン単位を含む、スチレンに基づくコポリマーにより作られう る。 本発明に従う固定支持体は、限定されないが、微小滴定プレート、シート、管 、コーン、くぼみ等の形であることができる。 本発明の方法に従い、核酸を含む試料は、そのHLA‐DR遺伝子型が決定さ れるべき個人から得られる。本発明の文脈において、HLA‐DR核酸を含む任 意のタイプの組織を用いうる。すなわち、化学的、酵素的又は同様の手段による 個人試料中に存在する核酸の開裂の後に得られる核酸(DNA又はRNA)フラ ブメントを用いることができる。 しかし、標的DNA又はRNAの増幅の前工程を入れると、本発明のオリゴヌ クレオチドでの型別判定のための方法を容易にできる。配列特異的なオリゴヌク レオチドのハイブリッド化によるHLA多形性の分析の原理は同じままであるが 、選択的増幅工程は標的の配列の富化を可能にし、それによって手法を単純化す る(R.K.サイキ、T.L.ブガワン、G.T.ホーン、K.B.ムリス及び H.A.アーリッヒ(1986)Nature 324、163-J.M.チェルシー、M.ジャネ ット及びB.マッハ(1990)Eur.J. Immunol.20,237)。 増幅は、DNAまたはRNAから得ることができる。試料中のHLA‐DR標 的の配列の増幅が、プローブへの核酸のハイブリッド化により標的の配列を検出 することを可能にすべく十分な増幅を達成できる任意の公知法により実施されう ることは、当業者に明らかである。 一般に、試料中の核酸はDNAであり、特にゲノムDNAであろう。しかし、 本発明はまた他の核酸たとえばメッセンジャーRNA又はクローン化DNAを用 いても実施でき、個人試料中の核酸は一重鎖又は二重鎖形であってもよい。もち ろん、核酸が二重鎖形である場合、一重鎖核酸を得るために変性工程を行う必要 がある。 本発明で用いられるプローブは、適当な条件下でその相補性配列に特異的に結 合しうる配列特異的オリゴヌクレオチド(SSO)である。もし特定のプローブ が対立遺伝子を一義的に同定するために用いられうるなら、プローブはASOす なわち対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドと呼ばれる。単一のプローブが単独 で、種々のDRβ対立遺伝子間の異なる性質の故にDRβ特異的対立遺伝子を同 定できないことがありうる。 本発明の方法に従い、対立遺伝子の同定は、一組のプローブの結合のモデルか ら演繹され、ここで一組のプローブの個々のプローブはHLA‐DR遺伝子の異 なる部分に特異的である。既知の対立遺伝子のDNA配列に対応する多数のプロ ーブの選択の結果として、本発明のオリゴヌク レオチドによる型別判定法の特異性は、DRB1、DRB3及びDRB5座の総 ての対立遺伝子を同定することを可能にする。もちろん、本発明の方法は、曲の 極端に多形性の座、たとえばDQB1及びDPB1の対立遺伝子を同定するため に用いうる。対立遺伝子的差異は本質的に、HLA分子の初めのドメインをコー ドするエキソン(aa5‐94)中に局在するので、プローブはこの領域中に局在す る特定の配列に相補性であるように選択される。新しい対立遺伝子が発見される かも知れない場合には、それはクラスIIHLA配列の登録に直ちにリストされ、 これは、情報を与えるトレーサーのコレクションを更新し、従って方法論を何ら かの新しい対立遺伝子の検出に適合させることを可能にする。 完全なクラスIIHLA型別判定を合理化するために、初めに、主なHLA‐D R特異性すなわちHLA‐DR1‐DRw 18を限られた数のプローブで認識しう る包括的なDR型別判定の第一工程を導入することが提案されている。この工程 は、多数の臨床適用のために十分である(B.マッハ及びJ.M.チェルシー(1 991)Human Immunol.30、278参照)。 この第一工程の結果に基づいて、DQB1多形性を検出し、そしてもし必要な らDPB1対立遺伝子を特徴づけるために、第二段階でDRβミクロ多形性を作 るのに必要な特異的なプローブを選択することができる。 オリゴヌクレオチドによる型別判定の手法によるHLA ‐DR1‐DRw 18の分析は、DR血清学に代って常用のDR型別判定のための 組織適合性テストにおいて、特に、腎臓移植の待機リストに乗っている患者のD R型別判定、可能性ある腎臓提供者の型別判定、骨髄移植が意図される白血病患 者ならびにその家族又は非血縁の可能性ある提供者のDR型別判定、骨髄提供ボ ランディアの登録の編集のための大規模なDR型別判定を行うために、たとえば インスリン依存性糖尿病の場合に疾病とHLA系の間の関係を調べるために、予 防的医薬での利用のために、あるいは父親及び他の法医学的特定のためのテスト のために用いることができる。 本明細書で用いられる言葉のいくつかの定義を下記に示す。 「遺伝子型」は、個人の遺伝子型の特徴のセット(組)を言い、遺伝子の表現 産生物とくに蛋白質の分析から明らかになる個人の特徴である「表現型」の対語 である。 「対立遺伝子」は、核酸配列において相異を示す同じ遺伝子の異なる選択形で ある。これら相異は、DNA、RNA及び蛋白質に、おいて現われる。 「多形性」は、同じ遺伝子に関し異なる対立遺伝子の存在により個体群中に導 入される多様性を特徴づける。 「オリゴヌクレオチド」は、本明細書において、プライマー、プローブ及び検 出されるべき核酸フラグメントなどを指す。オリゴヌクレオチドは、任意の公知 の適当な方法で調製されうる。 「ヌクレオチドプローブ」は、天然のDNA又はRNAフラグメントまたは天 然あるいは合成のオリゴヌクレオチド、又は合成のDNA又はRNAフラグメン トを表わし、未修飾であるか、あるいは一以上の修飾塩基たとえばイノシン(文 字Iで示される)、5‐メチルデオキシシチジン、5‐(ジメチルアミノ)‐デ オキシウリジン、デオキシウリジン、2,6‐ジアミノプリン、5−ブロモデオ キシウリジンまたはハイブリッド化を許す任意の他の修飾塩基を含む。 また、本明細書において捕捉プローブの配列がアンダーラインを付されている 場合には、これは本発明に従う型別判定のための最適配列を表わす。当然に、こ れら最適配列は、少なくとも一つの塩基により3′及び/又は5′末端で延長さ れうる。この場合、任意的に追加されうるいくつかの塩基は、たとえば下記の文 から判るように、カッコ内に示される。最後に、使用される配列の長さを、実施 条件(たとえばハイブリッド化及び洗滌の温度、ハイブリッド化及び又は洗滌緩 衝液の性質)及び型別判定計画に従って変更することは、当業者にとって可能で ある。 本発明のより良い理解は、本発明の方法の好ましい実施態様を示す非限定的な 実施例に言及して書かれた以下の詳細な説明を読むことによって得られるであろ う。 実施例1 本発明で用いられ、ここで例として示されるリガンドは、下記の表1に示すよ うに市販入手可能な化合物でありうる。 オリゴヌクレオチドへのホスホルアミダイトリガンドのカップリングは、下記 の一般的プロトコールに従って行われる。 アプライド バイオシステムズ社の自動装置381Aで、該製造者のプロトコー ルに従うホスホルアミダイト化学を用いてオリゴヌクレオチドが合成される。0. 2Mの濃度で無水アセトニトリルに溶解されたホスホルアミダイトリガンドが合 成装置の位置Xに置かれ、リガンドの付加は、オリゴヌクレオチドの合成が完了 した時に自動合成の標準プロトコールに従いオリゴヌクレオチドの5′末端で起 る。 リガンドがジメトキシトリチル保護基を有する場合、たとえば化合物dの場合 には、合成の最後にトリクロル酢酸でトリチル基を脱保護する追加的工程を行う ことが必要である。 33%NH4OH中で55℃での一夜の脱保護及び続く−20℃でエタノール中での 析出の後に、オリゴヌクレオチドは真空乾燥され、1mlの水に溶解される。 化合物b及びcの場合、モノメトキシトリチル基の開裂の追加的工程が、脱保 護の後に製造者(夫々、クロンテク及びグレンリサーチ)のプロトコールに従っ て行われる。 化合物e及びfの場合、自動合成は、標準プロトコールに従いリガンドをグラ フトされたシリカから始まる。リガンドとオリゴヌクレオチドとのカップリング は、後者の3′末端を介して起る。 総ての場合に、5′又は3′末端で修飾されたオリゴヌ クレオチドが、ブラウンリー RP18カラム(10mm×25cm)上で逆相高圧液体 クロマトグラフィ(HPLC)により精製される。 条件:流速、4.6ml/分 勾配、30分間の経過中に緩衝液Bの10%〜35%。 3分間の経過中に緩衝液bの35%〜100%。 緩衝液A及びBの特徴は下記の通りである。 緩衝液A:0.1モル濃度トリエチルアンモニウム アセ テート(TEAA)、pH7.00 緩衝液B:50%緩衝液A+50%CH3CN。 実施例2 ウシ血清アルブミン(BSA)へのオリゴヌクレオチドのカップリング。 アミノリンクの2アームを有し、表1で記号aを付されたオリゴヌクレオチド が実施例1記載のように合成される:3×10-8モルのオリゴヌクレオチドが真空 乾燥され、0.1Mホウ酸ナトリウム緩衝液pH9.3の25μlに溶解される。DMF中 に30mg/mlのDITC(1,4‐フェニレンジイソチオシアネート、Fluka7848 0)を含む溶液500μlを加える。水3mlを加える前に、この混合物を室温で1.5時 間撹拌する。溶液をブタノール(3×3ml)で抽出後に、残った水性相(500μl )を真空乾燥し、次にホウ酸塩緩衝液(0.1M、pH 9.3)400μl中のBSA(Pi evce 30444)の1×10-7モル(6.6mg)で溶解する。室温で一夜撹拌後に、接合 体をNaCl勾配(表1)を有するAX300カラ ム(BOWNLEE 4.6×100 mm)でHPLCを用いてイオン交換により精製 する。接合体ピークは水(2×1リットル)に対して透析され、真空下で濃縮さ れ、1mlの水で溶解され、−20℃で貯蔵される。 クロマトグラフ条件: 勾配:25分間の経過中に15%B′〜56%B′。 2分間の経過中に56%B′〜100%B′。 緩衝液A′及びB′の特徴は下記の通りである。 緩衝液A′:20mMリン酸ナトリウム、pH7.00;20% CH3CN。 緩衝液B′:緩衝液A′+1M NaCl又は 2M NaCl。 実施例3 表2は、選択された一致配列(DR CONSと呼ぶ)に相対的な突然変異さ れたアミノ酸の位置を定義する目的をもってDRβ遺伝子の種々の対立遺伝子に ついてのアミノ酸配置を示す。これら突然変異は、DNAにおける不顕ではない 突然変異、すなわちアミノ酸における変化を起すであろう突然変異に対応する。 実際に、アミノ酸は、塩基の三連符によりDNA中でエンコードされていると知 られている。第三位置での突然変異は一般に、アミノ酸における変化をもたらな いであろう。対照的に、第二塩基における変化は、極めてしばしばアミノ酸にお ける変化を起す。最後に、第一塩基での突然変異は常に、アミノ酸の修飾をもた らすであろう。 種々の対立遺伝子の型別判定の場合に、非不顕突然変異に対応するDNA上の 突然変異が従って、最もしばしば用いられる。しかし、不顕イプの突然変異を、 たとえば2つの極めて密接に関係する対立遺伝子を区別する目的で検出すること が可能である。 表3は、今日まで既知の及び刊行物に発表された総ての対立遺伝子に関しDR β遺伝子のヌクレオチドの配置を、表2におけると同じ一致配列に相対的に示す 。 組織適合性についての第5回会議(オランダ、ライデン、1991)で提案された 表記法が、種々の対立遺伝子を指名するために用いられる。表2中のカッコ内の 指名は、従来の表記を示す。 実施例4 上記の二つのプロトコールを用いて、実施例1に記載されかつ表4にまとめて 示したリガンドを有するか、又は実施例2に記載されかつ表5にまとめて示した BSAにカップリングされたオリゴヌクレオチドが合成された。 この実施例において、リガンドなしで、又はリガンドを用いて、あるいはたと えばBSAへカップリングして合成されることができる捕捉オリゴヌクレオチド が定義された。合成されるオリゴヌクレオチトの配列の選択は、実施例3の表3 に記載される種々の対立遺伝子のDNA配列の配置(アラインメント)を考慮す る。選択され、たとえば捕捉プローブとして用いられるオリゴヌクレオチドは、 表6に記載のように型別判定計画を立てることを可能にする。他の型別判定計画 が別のオリゴヌクレオチドを用いて規定されうることが当業者には全く明らかで ある。 表6において、カッコの間の指名は、DRB5対立遺伝 子のサブタイプのために、組織適合についての会議(1991)の以前に用いられた 命名法を示す。 記号+は、表6中の問題の系統のサブタイプが対応する欄中のプローブとハイ ブリッド化を与えることを意味する。 表6を用いて、種々のプローブで得られた結果(ハイブリッド化またはハイブ リッド化の欠如)を簡便に解釈できる。たとえば、プローブ43、14、28及び37と の陽の応答を与える標的は、タイプ DRB1*0301/DRB1*07に相当する。 実施例5:検出プローブの調製 実施例2に従い、活性化され真空乾燥されたオリゴヌクレオチドが、0.1Mホ ウ酸ナトリウム緩衝液pH9.3の200μl中のホースラデッシュ パーオキシダーゼ (ベーリンガー マンハイム 413470)の1.25×10-7モル(5mg)に溶解される 。 精製プロトコールは同じである:接合体は、50mM Tris‐HCl緩衝液pH7. 0、40%グリセロール中で−20℃で貯蔵される。 表7は、HLA‐DR検出のために用いられた種々の接合体をまとめて示す。 実施例6:遺伝子物質の調製 全血からの核酸の抽出は、下記のプロトコールに従いアプライド バイオシス テムズの装置で行われる:2〜6mlの全血をTE緩衝液(10mM Tris‐HC l、pH8.00、1mM EDTA)(6mlのために十分な量の)中に溶解し、30ml 抽出ロートに入れる。蛋白質分解酵素Kの溶液(20mM Tris‐HCl、pH8.5 中の840単位)を加える。全体を撹拌下に55℃で1時間インキュベートする。存 在する過剰の蛋白質を、フェノール/クロロホルム混合物での2回の同時的抽出 (8.5ml)により除去する。全体を60℃で20分間撹拌する。有機相の除去後に、 更にフェノール抽出を行う。過剰のフェノールを、クロロホルム(9.5ml)によ る37℃で10分間の抽出により除去する。水性相中のDNA含量は、3M酢酸ナト リウムpH5.5の0.5ml及びイソプロパノール13.5mlを加えることにより析出され、 次にフィルター上で回収される。次にDNAは、1mlの蒸留水中に取り上げられ 、その後、260nmで分光光学により アッセイされる。 実施例7:DNAの増幅 酵素的増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)手法(ムリスとファローナ、 Meth,in Enzymol.vol.155、335〜350頁)により下記のプロトコールに従っ て行われる: 下記の緩衝液の合計100μl中の精製された又はされないDNAの0.1〜2μgを 、エッペンドルフ型管に入れる: − 10倍濃度のPCR緩衝液(500mM KCl、100mM Tris‐HCl、pH8.3 (20℃)、15mM MgCl2、0.1%ゼラチン)の10μl、 − 0.5μM dNTP(dATP、dCTD,dGTP、TTP)の2μl、 − 25ピコモルに対応する各プライマーの2μl、 − Taq ポリメラーゼ(パーキン エルマー セタス)の1.5単位、 − 蒸留水(100μlとするのに十分な量)、 − パラフィン油の50μl。 該管をサーモサイクラー(パーキン エルマー セタス)中に置き、その中で 下記の35回の温度サイクルが行われる。 − 95℃での変性の0.5分間、 − 55℃でのハイブリッド化の0.5分間、 − 72℃での延長化の0.5分間。 用いたプライマーは、下記の配列を持つ。 プライマー1=5′‐CCGGATCCTTCGTGT CCCCACAGCACG‐3′ プライマー2=5′‐TCGCCGCTGCACTGTGAAG−3′ 実施例8 3×PBS(0.45M NaCl、0.15M リン酸ナトリウム、pH7.0)中の0.15 μMの濃度の所与のDR特異性の捕捉オリゴヌクレオチドの溶液100μlを、ポリ スチレン微小滴定プレート(Nunc 439454)のくぼみ中に置く。充填されたくぼ みの数は、型別判定のために必要な数に等しい。 総ての場合に、増幅工程及び検出工程の有効性をチェックするために、正の対 照が加えられなければならない。正の対照として用いられる捕捉プローブは、今 日知られる総ての対立遺伝子上に存在し、下記の配列を持つ。 5′‐GGGGAGTACCGGGCGGTGACGGAGCTGGGGCG GCCT−3′ プレートは、PBS/Tween(0.15M NaCl、0.05M リン酸ナトリウム、 pH7.0;0.5% Tween20(Merck 822184))の300μlで3回洗われる。実施例7で 記載されるような増幅生成物(100μl)が、2N NaOHの2μlにより室温 で撹拌下で5分間変性される。10μlの2N酢酸、そして次にn×50μl(nは型 別判定のために必要な捕捉プローブの数である)に等しい体積のPEG緩街液( 0.1M リン酸ナトリウム、pH7.0、0.5M NaCl、0.65% Tween 20、0.14mg /ml サケ精子DNA(Sigma D 9156)、2% PEG 4000(Merck 8074 90)) が順次、上記溶液に加えられる。この溶液50μlを各くぼみに配り、次にPEG 緩街液中の15nMの濃度の検出プローブ(オリゴヌクレオチド‐パーオキシダー ゼ接合体)の50μlを配る。プレートを37℃で1時間インキュベートし、PBS /Tweenの3×300μlで洗う。濃度4mg/mlでOPD緩衝液(0.05M クエン酸 、0.1M Na2HPO4、pH4.93)中のOPD培質(オルトフェニレンジアミン、 ケンブリッジ メディカル バイオテクノロジー 参照456)の100μlに、使用 直前に1/1000希釈の30体積のH22を加えたものを、くぼみごとに加える。20 分間の反応後に、酵素活性を1N H2SO4の100μlでブロックし、そして492n mでAxia マイクロリーダー(ビオ メリウ)を用いて読みを行う。 実施例9 実施例6に記載された方法に従って作られた6つのDNAが、実施例7記載の 方法に従って増幅される。 型別判定プロトコールは、下記の捕捉プローブを含む: 5′a‐GATACTTCTATCACC3′=5′末端にリガンドを有する 特異性DR3のオリゴヌクレオチド(参照番号 545) 5′GATACTTCTATCACC3′=同じ配列であるが、リガンドを有 さないオリゴヌクレオチド(参照番号545 nu) 5′a‐TGGACAACTACTG3′=5′末端にリガンドを有する特異 性DR4のオリゴヌクレオチド(参 照番号 546) 5′TGGACAACTACTG3′=同じ配列であるが、リガンドを有さな いオリゴヌクレオチド(参照番号546 nu) 型別判定プロトコールは、実施例8記載の一般的プロトコールに従う。 プローブD1及びD2(表7)が、50%/50%混合物で検出プローブとして用 いられる。 結果を下記の表8に示す。 リガンドのない2つの捕捉プローブは、DNAの特異性を区別せず、一方、リ カンドaを有する同じ配列はDNAのDR2及びDR4特異性を同定できる。 実施例10 実施例6記載の方法に従って作られた24のDNAが、実 施例7記載の方法に従って増幅される。 型別判定プロトコールは、実施例8記載の一般的プロトコールに従う。 プローブD1及びD2(表7)が50%/50%混合物で検出プローブとして用い られる。 型別判定プロトコールは、下記の表9にまとめた捕捉プローブを含む。 型別判定の結果を表10に示す。 記述した方法は、テストされた24のDNAを曖昧でなく型別判定することを可 能にする。 実施例11 本発明で記述されるHLA‐DR型別判定のための好ましいハイブリッド化温 度は、37℃である。しかし、このハイブリッド化温度を変えることができる。 下記の実施例は、ハイブリッド化温度が37℃から45℃に変えられた他は、実施 例10と同じである。型別判定は、11のDNAについて行われる。 用いられた捕捉プローブを、下記の表11に示す。 型別判定の結果を下記の表12に示す。 実施例12 実施例8で記載したようにHLA‐DR型別判定のために用いられた好ましい ハイブリッド化緩衝液(PEG緩衝液と呼ばれる)は、下記の組成を持つ:0.1 M リン酸ナトリウム、pH7.0、0.5M NaCl、0.65% Tween 20、0.14mg/m lサケ精子DNA(Sigma D 9156)、2%PEG 4000(Merck 807490)。 ホルムアミドを含む(最終10%)同じ緩衝液が用いられた。ホルムアミドは、 ハイブリッド化温度を下げることができると知られている。 もしハイブリッド化がホルムアミドの存在下でなお37℃で行われるなら、従っ て検出の特異性は増大されるはずである。 型別判定は、実施例10で用いられた24のDNAについて行われる。 用いられた捕捉プローブ及び得られた値を下記の表13に示す。 好ましいハイブリッド化温度は37℃であり、好ましいハイブリッド化緩衝液は PEG緩衝液である。しかし、実施例11と12の結果が示すように、ハイブリ ッド化温度とハイブリッド化緩衝液の両者を変えることをが可能であることが判 る。 上述の記載から明らかなように、本発明の方法は、下記の実際的利点を結合す る。総ての対立遺伝子の区別の可能性を伴なう最適な特異性、 血清学的分析に比べて実施の単純さと低減されたコスト、 増幅後約90分間で結果が得られる迅速な実施、12時間未満の合計期間に等しい (これは腎臓提供者にとって重要である)、 個人の型別判定との両立性(これは緊急の型別判定及び小さな実験室での使用 にとって重要である)、 光学密度の測定及び適当な場合には単純なコンピュータ化システムを用いる結 果の処理により定量化できる信号、及び自動化システムへの適合性。 実施例13 上記と同様の方法で、引用番号101、102、103、104、115およ び111を付されたそれらオリゴヌクレオチドに対応する捕捉プローブが調製さ れた。 これらプローブは、捕捉プローブとして用いられるとき、本明細書で示したよ うにそれらの特異性を同定する。 また、下記の検出プローブと共に本発明の捕捉プローブを用いることができる :
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マンドランド,ベルナルド,ファビアン フランス国 69100,ビリュルバン,リュ デ ラ ドウア 21 (72)発明者 ティエルシー,ジャン−マリエ スイス国 1224,シェン−ブジェリス,ア ブニュ ガスパリン 6

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記 またはその相補的配列から選ばれるヌクレオチドプローブ。 2.下記 またはその相補的配列から選ばれた少なくとも1つのプローブを含む、HL A DR型別判定を行うことを可能にするオリゴヌクレオチドプローブのセット 。 3.下記 (下線部は最小配列に対応する)またはその相補的配列から選ばれた少なくとも 1つのプローブを更に含む、請求項2のプローブのセット。 4.下記 またはその相補的配列から選ばれた少なくとも1つのプローブを含む、請求項 3のプローブのセット。 5.下記 またその相補的配列から選ばれた少なくとも1つのプローブを更に含む、請求 項2または3のプローブのセット。 6.下記 またはその相補的配列から選ばれた少なくとも1つのプローブを含む、請求項 5のプローブのセット。 7.下記のプローブ またはその相補的配列を含む、請求項2〜6のいずれか1つに記載のプローブ のセット。 8.下記プローブ またはその相補的配列を含む、請求項2〜7のいずれか1つに記載のプローブ のセット。 9.オリゴヌクレオチドでの型別判定の標準的手法に従って、個人からの試料か ら出発して個人のHLA‐DR型別を判定する方法において、請求項2〜8のい ずれか1つに記載されるプローブのセットの少なくとも1つのサブセットを、捕 捉プローブまたは検出プローブとして用いることを特徴とする方法。 10.プローブが請求項2〜7のいずれか1つに記載のものから選ばれる、請求項 9の方法。 11.プローブが捕捉プローブとして用いられる請求項10の方法。 12.方法が、 −各捕捉プローブを固体支持体上に固定化する、 −各固定化捕捉プローブを、少なくとも一つの核酸フラグメント標的を含む液体 媒体と、プローブの配列と相補性の配列が標的中に存在するならばハイブリッド 化を許す予め決めた条件下で接触させる、そして −形成されるハイブリッドの存在を検出する より成る工程を含む請求項11の方法。 13.各固定化捕捉プローブを、核酸標的の少なくとも1つのフラグメントを含む 液体媒体と接触させる工程が、37℃で行われる請求項12の方法。
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