JPH10505580A - ムラミルペプチド化合物の使用 - Google Patents

ムラミルペプチド化合物の使用

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JPH10505580A
JPH10505580A JP8504191A JP50419196A JPH10505580A JP H10505580 A JPH10505580 A JP H10505580A JP 8504191 A JP8504191 A JP 8504191A JP 50419196 A JP50419196 A JP 50419196A JP H10505580 A JPH10505580 A JP H10505580A
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Abstract

(57)【要約】 ムラミルペプチド化合物、特にN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(GMDP)は、乾癬等の炎症性の皮膚疾患の処置または予防および皮膚及び粘膜の免疫が関連する病気の処置または予防に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 ムラミルペプチド化合物の使用 本発明は、炎症性の皮膚疾患(inflammatory dermatological condition)の治 療に、特に乾癬の治療に関するものである。 乾癬は、人口の約2%で生じる非感染性の、一般的に慢性の炎症性の皮膚病で ある。乾癬は、臨床上多くの症状を発現させ、これらのうち最も一般的なものは 銀白色の鱗片で覆われた隆起した赤いざらざたしたプラークである。爪は、症状 の約50%で関係し、関節炎の併発が起こる。皮膚の外因性の変化は表皮の性質 の組織学的な変化、および表皮下の組織の血管新生に関連する。リンパ球の浸潤 が一般的に起こる。乾癬の発生は環境的な及び遺伝的な因子の組み合わせにより 生じる。多くの研究により、表皮の機能性及び乾癬の免疫システムの変化の範囲 が示されたが、観察されるすべての異常性を説明できる包括的な理論は依然とし て存在しない。 乾癬に関する一般的な治療法は、局所的な(ステロイド、コールタール、ジト ラノール、ビタミンD3誘導体を含む)、経口(レチノイド、メトトレキセート 、サイクロスポリンを含む)または光線療法(UVB単独、若しくはUVAとソ ラレンとの併用)があり得る。不幸なことに、より効果的な製剤(例えば、ステ ロイド、メトトレキセート、サイクロスポリン)は重篤な副作用を引き起こす可 能性がある。危険性はより少ないが局所的であることが多い、より効果の低い対 症的な製剤は、手間がかかる場合が多く、使用するのに不便である。 したがって、乾癬に対する有効で、安全な経口治療法が非常に望ましい薬物治 療処置であり、高い利用可能性を有するであろうことは明らか である。 ここで、様々なムラミルペプチド誘導体(muramyl peptide derivative)が乾癬 の処置に有用であることを発見した。 免疫システムの非特異的な刺激が細菌、または細菌の細胞壁から抽出された成 分と接触することによって起こることはすでに知られている。上記活性に応答す る特異的な成分は細胞壁の糖含有ペプチドとして同定されており、さらにこのペ プチドの生化学的な分析によってこれらが細胞壁のペプチドグリカン成分である ことが同定された。最小の有効合成分子がN−アセチル−ムラミル−L−アラニ ル−D−イソグルタミン(N-acetyl-muramyl-L-alanyl-D-isoglutamine)であるこ とが分かった[マーサー(Merser)ら、バイオケム バイオフィズ レス コム(B iochem.Biophys.Res.Comm.)、66巻、頁1316(1975年)]。この化 合物(現在、「プロトタイプムラミルジペプチド(prototype muramyl dipeptide )」または「プロトタイプMDP(prototype MDP)」と称されることが多い)が細 菌の感染(クレブシエラ ノイモニア(Klebsiella pneumonia))に対してマウス を保護できることが報告された(チェディド(Chedid)ら、プロック ナショル アカデ サイ ユーエスエー(Proc.Nat′l.Acad.Sci.USA)、74巻、頁20 89(1977年))。 さらに、プロトタイプムラミルジペプチドの広範な類似体は合成され、これら の一部は免疫機能の修復または免疫システムの非特異的な刺激に対する処置物質 として報告されている。これらの類似体、及びプロトタイプMDP自体はムラミ ルペプチド化合物である。 MDPが組換えワクチン(recombinant vaccine) またはコンポーネントワクチ ン(component vaccine)の抗原性の増強を目的とした免疫アジュバントとして有 効に使用できることを示唆するアズマ(Azuma) ら(アジュバ エックスプ メド バイオル(Adv.Exp.Med.Biol.)、319 巻、頁253〜263(1992年))等の、様々な著者がムラミルペプチド(m uramyl peptide)やその類似体をアジュバントとして使用することを研究してき た。 アリソン(Allison)ら(セミン イムノル(Semin.Immunol.)、2(5)、頁3 69〜374(1990年))は、スクアレン−プルロニックポリマーエマルジ ョンにおける合成MDP類似体から構成されるアジュバント配合物は細胞が介在 する免疫性及び防御イソタイプ(protective isotype)の抗体を誘発し、様々な抗 原に対する応答性を促進することを示唆する。 ブルケ(Burke)(レブ インフェクト ディス(Rev.Infect.Dis.)、13巻、 追補11版、頁S906〜911、1991年11〜12月)は、MTP−PE がヘルペス シンプレックス ウィルス(Herpes simplex virus)のサブユニット ワクチンを用いたアジュバントとして特に有用であることが分かったことを報告 している。 アリソン(Allison) ら(モル イムノル(Mol.Immunol.)、28(3)、頁2 79〜284(1991年))は、インフルエンザ、B型肝炎ウィルス、ヘルペ ス シンプレックス ウィルス、レンチウィルス及び腫瘍ワクチンの細胞が介在 する免疫性を誘導するのへの抗原とのMDP類似体の使用に関するものである。 ムラミルペプチドはまた、抗ウィルス剤として(イケダ(Ikeda) ら、アンチヴ ィラル レス(Antiviral Res.)、5巻、頁207〜15(1985年))および 癌の治療(フィリップス エヌシー(Phillips NC)及びサオ,エム−エス(Tsao, M-S)、カンサー イムノル イムノザー(Cancer Immunol Immunother.)、33巻 、頁85〜90(1991年))に使用されることをも報告されている。 これらの文献の報告では、皮膚の病気に対するムラミルペプチド化合 物の使用に関する報告はほとんどなく、これらのうち乾癬または他の炎症性の疾 患に関するものはない。ほとんどの皮膚の用途は、このような化合物の強力な抗 癌の利点を伴うものであった。例えば、タルマッジジェーイー(Talmadge,JE)ら 、(カンサー レス(Cancer Res.)、46巻、頁1160〜3(1986年)) は、ムラミルペプチド類似体であるMTP−PEが初期の皮膚癌の成長を遅延さ せることができることを発見した。他の研究(グリーンハル ディ(Greenhalgh D)及びガメリ アールエル(Gamelli,RL)、ジャーナル オブ トラウマ(Journa l of Trauma)、27巻、頁510〜4(1987年))では、傷の治癒における MDPの使用が試験された。しかしながら、この場合では、有益なまたは不利益 な効果が見られなかった。また、抗原とのMDPの局所注射は、抗原に対する後 の皮膚の「遅延型の過敏性(delayed type hypersensitivity)」応答を促進する ことが示された(ツジモト エム(Tsujimoto,M)ら、ミクロバイオル イムノル (Microbiol.Immunol.)、23巻、頁933〜936(1979年))。 US−A−4357322号は、様々なムラミル及びデスメチルムラミル(des methylmuramyl)ジペプチドが炎症を処置するのに使用されることを開示している 。しかしながら、GMDPまたは乾癬には何等注意が払われていない。 本発明の第一の概念によると、炎症性の皮膚疾患の処置または予防を目的とし た薬剤の調製におけるムラミルペプチド化合物の使用を提供するものである。 本発明に使用される数多くのムラミルペプチド化合物は、プロトタイプムラミ ルジペプチド(prototype muramyl dipeptide)及びデスメチルムラミル(desmethy lmuramyl)ジペプチド以外の、下記一般式Iによって表わされる: ただし: R1は水素原子または炭素数1から22のアシル基を表わし; R2は水素原子または炭素数1から22のアシル基を表わし; R3は水素原子または炭素数1から6のアルキル基を表わし; R4は炭素数1から21のアルキル基または炭素数6若しくは炭素数10のア リール基を表わし; R5は水素原子を表わし;および Rはアミノ酸残基または2から6個のアミノ酸残基から構成される直鎖のペプ チドを表わし、少なくとも1つの残基は必要であれば親油性基で置換されてもよ い。 R1及びR2に関するアシル基はアセチル等の炭素数1から5のアシル基である ことが好ましい;アシル基中の炭素数にはカルボニル部分を含まないと考える。 R3に関するアルキル基はメチル及びエチル等の炭素数1から4のアルキル基で あることが好ましい。R4に関する好ましいアルキル基は、炭素数1から6のア ルキル基、特にメチルまたはエチル等の炭素数1から4のアルキル基である;フ ェニルが好ましいアリール基である。 Rは、好ましくは、モノ−、ジ−またはトリ−ペプチドを表わす。近位の(pro ximal)ペプチド残基(またはたった一つである際には、唯一のペプチド残基)は L−アミノ酸残基であることが好ましい。例えば、以下のものが挙げられる: L−アラニル、 L−トリプトファニル、 L−バリル、 L−リシル、 L−ロイシル、 L−オルニチル、 L−イソロイシル、 L−アルギニル、 L−α−アミノブチリル、 L−ヒスチジル、 L−セリル、 L−グルタミル、 L−トレオニル、 L−グルタミニル、 L−メチオニル、 L−アスパルチル、 L−システイニル、 L−アスパラギニル、 L−フェニルアラニル、 L−プロリル、 L−チロシル、 L−ヒドロキシプロリル。 L−アラニル、さらにはL−トレオニルが好ましい。 ペプチドの近位端から二番目のアミノ酸はD−立体配置のものであることが好 ましい。また、酸性であることが好ましく、D−グルタミン酸若しくはD−アス パラギン酸またはそのモノ−、ジ−若しくは混合炭素数1から22(好ましくは 炭素数1から6)のアルキルエステル、アミド若しくは炭素数1から4のアルキ ルアミドである。(「混合」という表現は1つのカルボキシル基がアミド化し他 はエステル化する場合を示す。)D−イソグルタミン及びD−グルタメートが好 ましい。 上記鎖の近位端から3番目のアミノ酸残基は、一つである際には、近位のアミ ノ酸残基に関する上記記載と同様、L−立体配置のものであることが好ましい。 L−アラニル及びL−リシルが好ましい。 アミノ酸残基または直鎖のペプチドは必要であれば少なくとも一つの親油性基 で置換される。親油性基は、ステアロイル等の炭素数10から22のアシル基ま たはジ−(炭素数10から22のアシル)−sn−グ リセロ−3’−ヒドロキシ−ホスフェリルオキシ基[di-(C10-C22 acyl)-sn-glyc ero-3'-hydroxy-phospheryloxy-group][但し、例えば各炭素数10から22の アシル基がパルミトイル基であってもよい]である。親油性基は、炭素数2から 6のエステル基等の、炭素数1から10のエステル基であってもよく(またはさ らに、一つ以上の置換が存在していてもよい);ブチルエステルが一例である。 一般式Iの概念に含まれるムラミルジペプチドの例としては以下が挙げられる : MDP−Lys(L18)として既知である、ムロクタシン(muroctailn)[N2 −(N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル)−N6−ス テアロイル−L−リシン[N2-(N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isoglutaminyl)-N6- stearoyl-L-lysine]; MTP−PE[N−アセチル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニ ル−L−アラニル−2−(1’,2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3’ −ヒドロキシ−ホスホリルオキシ)エチルアミド一ナトリウム[N-acetyl-muramy l-L-alanyl-D-isoglutaminyl-L-alanyl-2-(1',2'-dipalmitoyl-sn-glycero-3'-h ydroxy-phosphoryloxy)ethylamide,monosodium]]; ムラブチド(murabutide)(N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタ ミン−α−N−ブチル エステル(N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-glutamine-α-N -butyl ester));及び t−MDP(N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(N -acetylmuramyl-L-threonyl-D-isoglutamine))。 ムロクタシン(muroctasin)の調製は、EP−A−0021367号及びUS− A−4317771号に開示されている。MTP−PEの調製は、EP−A−0 025495号に開示されている。ムラブチド(murab utide)の調製は、レフランシャー(Lefrancier)ら、ジェー メド ケム(J.Med .Chem.)、25巻、頁87(1982年)に記載されている。t−MDPの調製 は、既知の方法によって調製できる。ムラミルペプチド化合物の調製を詳細に記 載している特許公報としては、通常、BE−A−0834753号、BE−A− 0834754号、BE−A−0847103号、BE−A−0849214号 、DE−A−2710455号、DE−A−2922533号、DE−A−27 47379号、DE−A−2912865号、FR−A−2355505号、F R−A−2358159号、FR−A−2375249号、EP−A−0004 512号、EP−A−0002677号、JP−A−54063016号、JP −A−54073729号、JP−A−55019236号、US−A−408 2735号、及びUS−A−4082736号が挙げられる。(プロトタイプム ラミルジペプチドの調製はDE−A−2450355号及びUS−A−4235 771号に開示される。)本明細書で引用された文献はすべて引用によって挿入 されている。 本発明に使用できるすべてのムラミルジペプチドが一般式Iで表わされるわけ ではない。数多くが下記一般式IIで表わされ、これらは本発明で使用される化 合物の非常に好ましいグループである: ただし: Rはアミノ酸残基または2から6個のアミノ酸残基から構成される直 鎖のペプチドを表わし、少なくとも1つの残基は必要であれば親油性基で置換さ れてもよい;及び nは1または2である。 Rに関する好ましい値は一般式Iに関する記載と同様である。ペプチドRがプ ロトタイプMDP(L−Ala−D−isoGln)におけるペプチドに相当す ることが特に好ましい。または、他の好ましい実施態様によると、RはL−Al a−D−Gluを表わす。 nに関する好ましい値は1である。 一般式IIの化合物はUS−A−4395399号に開示されており、上記文 献に列挙された好ましい態様が本発明おいても同様に好ましい。さらに、本発明 においては、基Rは上記したように親油性基で置換されてもよい。 本発明において使用される最も好ましい化合物の一つとしては一般式IIで表 わされるものがあり、例えば、N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4 )−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン[N-acetyl-D-gl ucosaminyl-(β1-4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isoglutamine](GMDP) があり、その構造は以下に示される通りである: 上記化合物(US−A−4395399号における化合物II)は、グリコピ ン(glycopin)としても知られているが、USSR(その時の実情では)において 臨床使用するための認可に必要な前臨床による毒性試 験及び薬物動態学的な研究がすでに行われている。LD50試験によって測定され たマウスの急性毒性は7g/kgである。これにより、上記化合物は、マウスの LD50値が625mg/kgであるムロクタシンより1オーダー低い毒性値を有 することが示された。 GMDPの発熱性は本発明において適当に使用され、さらに他を目的とした臨 床評価を妨げないくらい十分低いが、より発熱性の低い類似体を使用することが 好ましい場合がある。このような類似体も使用でき、例えば、N−アセチル−D −グルコサミニル−(β1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D− グルタミン酸[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1-4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D- isoglutamic acid](GMDP−A)があり、これはUS−A−4395399 号では化合物IIIに相当し、その構造は以下に示される通りである: 一般式IIの概念に含まれる他の好ましい化合物としては下記のものが挙げら れる: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−ア セチルムラミル−L−アラニル−L−イソグルタミン[N-acetyl-D-glucosaminyl -(β1-4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-L-isoglutamine](GMDP−LL): 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−ア セチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン n−ブチルエステル[N-acety l-D-glucosaminyl-(β1-4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-glutamine n-butyl es ter](GMDP−OBu): 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−ア セチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−リシン[N-acetyl- D-glucosaminyl-(β1-4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isoglutaminyl-L-lysine ](GMDP−Lys): 下記構造を有するNα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β 1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル]−Nε −ステアロイル−L−リシン{Nα-[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1-4)-N-acet ylmuramyl-L-alanyl-D-isoglutaminyl]-Nε-stearoyl-L-lysine}(GMDP−L ys(St)): 他の有用な化合物としては以下のものが挙げられる: 下記構造を有するNα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4 )−N−アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−グルタミル]−Nε−ステ アロイル−L−リシン{Nα-[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetyl-mura myl-L-alanyl-γ-D-glutamyl]-Nε-stearoyl-L-lysine}: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン酸 ジベンジルエステル[N-a cetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-glutamic acid d ibenzyl ester]: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−N−メチル−L−アラニル−D−イソグルタミン[N-acetyl- D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-N-methyl-L-alanyl-D-isoglutamine ]: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β 1−−4)−N−アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−イソグルタミ ン)[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-(β1--4)-N-acetyl- D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-bis-(L-alanyl-D-isoglutamine)]: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β 1−−4)−N−アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−グルタミン酸 )[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-(β1--4)-N-acetyl-D- glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-bis-(L-alanyl-D-glutamic acid)]: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−− 4)−N−アセチルムラミル−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミ ニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−イ ソグルタミニル−L−リシン)[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmu ramyl -(β1--4)-N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-bis-(L- alanyl-D-isoglutaminyl-L-lysine)]: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β 1−−4)−N−アセチルムラミル−ビス−[L−アラニル−D−イソグルタミ ニル−Nε−ステアロイル−L−リシン]{N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)- N-acetylmuramyl-(β1--4)-N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramy l-bis-[L-alanyl-D-isoglutaminyl-Nε-stearoyl-L-lysine]}: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン 1−アダマンチルエス テル[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isoglut amine 1-adamantyl ester]: 下記構造を有するL−トレオニル−Nε−[N−アセチル−D−グルコサミニ ル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグル タミニル]−L−リシル−L−プロリル−L−アルギニン{L-threonyl-Nε-[N-a cetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetyl-muramyl-L-alanyl-γ-D-isoglutamin yl]-L-lysyl-L-prolyl-L-arginine}: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル−L−トレオニル −L−リシル−L−プロリル−L−アルギニン[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1- -4)-N-acetyl-muramyl-L-alanyl-γ-D-isoglutaminyl-L-threonyl-L-lysyl-L-pr olyl-L-arginine]: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−L−アラニル−α−D−グルタミル−L−リシル−L−トレ オニル−Nε−ステアロイル−L−リシル−L−プロリル−L−アルギニン[N-a cetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-α-D-glutamyl-L-l ysyl-L-threonyl-Nε-stearoyl-L-lysyl-L-prolyl-L-arginine]: 下記構造を有するNε−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4 )−N−アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル]−L− リシル−L−ヒスチジル−L−グリシン アミド{Nε-[N-acetyl-D-glucosaminy l -(β1--4)-N-acetyl-muramyl-L-alanyl-γ-D-isoglutaminyl]-L-lysyl-L-hist idyl-L-glycine amide}: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−グルタミル−L −トリプトファン[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-L-alan yl-D-isoglutaminyl-L-glutamyl-L-tryptophan]: 下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−ε−アミノヘキサノ イル−L−グルタミル−L−トリプトファン[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4 )-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isoglutaminyl-ε-aminohexanoyl-L-glutamyl-L -tryptophan]: 下記構造を有するNα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4 )−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル]−Nε−ス テアロイル−L−リシル−L−グルタミル−L−トリプトファン{Nα-[N-acetyl -D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetyl-muramyl-L-alanyl-D-isoglutaminyl]-Nε- stearoyl-L-lysyl-L-glutamyl-L-tryptophan]: 下記構造を有するN−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミ ン(N-acetylmuramyl-L-threonyl-D-isoglutamine): 下記構造を有するN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン n −ブチルエステル(N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-glutamine n-butyl ester): 上記構造において、以下の略称を用いる: Bzl ベンジル; Me メチル; Ahx ε−アミノヘキサノイル。 最も好ましい化合物は、GMDP、GMDP−A、及びムラブチド(m urabutide)である。 一般式IIの概念に含まれるグルコサミニル−ムラミルジペプチド(glucosami nyl-muramyl dipeptide)は、US−A−4395399号に開示された方法によ って比較的安価にかつ適度に大量に調製できる。開示された調製方法は、細菌ミ クロコッカス リソデクティカス(Micrococcus lysodecticus)由来の二糖成分 の抽出及び精製、さらには例えば公知のペプチド化学によって合成されるジペプ チドへの化学的な連結(linkage)を基礎とするものである。しかしながら、二糖 は標準的な糖化学を用いて化学的に合成されていてもよい。 本発明の手段によって処置可能であるまたは予防可能である炎症性の皮膚疾患 としては、円板状若しくはプラーク状乾癬、屈曲性乾癬(flexural psoriasis)、 頭皮の乾癬(scalp psoriasis)、手掌の/足底の乾癬、滴状乾癬、紅皮症性乾癬( erythrodermic psoriasis)及び膿疱性乾癬(pustular psoriasis)及び関節症性乾 癬(psoriatic arthritis)および乾癬により生じる爪の変化等の、すべての型の 乾癬が挙げられる。 乾癬におけるGMDPの効果は臨床試験において研究されており、これらは下 記実施例1でより詳細に記載されている。処置された患者のPASI(乾癬の領 域及び重篤度指数(psoriasis area and severity index))は処置中に下がる傾 向にあり、多くの患者は病変が完全にきれいになってさえいた。関節症性乾癬(p soriatic arthritis) の関節の症状もGMDPによって改善された。偽薬の錠剤 を投与された患者は、最小限の改善を示す、場合によっては悪くなったまたは変 化が見られなかった。 乾癬に対する多くの処置と同様、本発明で使用される化合物が改善を起こす正 確な機構は不明である。事実、ムラミルペプチドは前炎症性(pro-inflammatory) 免疫刺激物質であると通常考えられ、炎症を起こした 病変の退縮は抗炎症的な処置が必要であると通常考えられるので、ムラミルペプ チド化合物がこのような利点を有することは非常に驚くべきことである。他の「 免疫刺激剤」であるインターフェロンによる処置が実際に乾癬を悪化させること ができることが文献で報告されている(ファンク ジェー(Funk J);ランゲラン ド ティ(Langeland T);シュランフ イー(Schrumpf E);ハンセン エルイー( Hanssen LE);ビーアール ジェー デルマトロジー(Br J Dermatology)、12 5巻、頁463〜5(1991年)、パウルッチィー ピー(Pauluzzi P)、コケ ルジ,エフ(Kokelj,F)、ペルカン,ブイ(Perkan,V)、ポザット,ジー(Pozzato ,G)、モレッティー,エム(Moretti,M)、アクタ デルマトル ヴェネレオル(A cta Dematol Venereol)、73巻、頁395(1993年))。 皮膚におけるムラミルペプチド化合物、特にGMDPの可能性のある作用機序 を洞察し、さらに本発明の概念を調べる実験研究が行なわれた。しかしながら、 本発明の有効性はこれらの実験の妥当性または解釈の正確性によっては影響を受 けない。 したがって、下記実施例2において詳細に記載されるように、ムラミルペプチ ド化合物であるGMDPをエタノール溶液でマウスの皮膚に塗布した。コントロ ール部位には、エタノール単独を塗布した。動物群によって、紫外線(UVB) を照射したり、またはシスウロカニン酸(cUCA)を塗布した。これらの処置 は皮膚の免疫システムの変化を刺激することが知られている。 UVB及びcUCAと同様に、GMDP処置は、免疫学的な機能の欠如と通常 関連のある、ATPase染色を失わせ、表皮の樹状細胞の樹状進化(dentritic process) を取り消す。すなわち、GMDPは皮膚の潜在的な免疫反応性を減退 させる。上記点に関しては、UVB光線療法 のみが乾癬に対する処置であることが観察されることから、本発明におけるムラ ミルペプチド化合物の有効性が示唆される。 他の実験では、UVBとは異なり、GMDPは表皮由来の樹状細胞を排出リン パ節(draining lymph node)に移動させないことが分かった。 これらの実験から、GMDPは、表皮の初期の免疫成分である、樹状ランゲル ハンス細胞に基本的な効果を有していることが結論付けられる。乾癬の病因にお いてランゲルハンス細胞が役割を果たすことは明らかである(プラセク(Placek) ら、アクタ デルム ヴェネレオル(ストックホルム)(Acta Dematol Venereol (Stockh))、68巻、頁369〜77(1988年))ので、これらの細胞の活 性のダウンレギュレーションが病気の重篤度を減少させることができると考えら れる。マウスを用いた実験をGMDPを局所的に塗布することにより行ったが、 GMDPは経口により生物学的に利用可能であることが知られているため、臨床 上の試みでは、経口投与されたGMDPが皮膚に効果を奏すると予想できる。 一方で皮膚の免疫システムに関するおよび他方で免疫システムが関連するヒト の皮膚病(乾癬)に関する効果が示されるため、ムラミルペプチドが従来報告さ れなかった免疫学的に基づく炎症性の皮膚病の範囲の処置に使用できるであろう と予想できる。さらに、口腔前庭をライニングする粘膜と同様、膣や子宮頸もラ ンゲルハンス細胞を含み、これらもまたムラミルペプチドによる処置の標的器官 である。 本発明の第二の概念によると、皮膚及び粘膜の免疫が関連する病気の処置また は予防を目的とする薬剤の調製におけるムラミルペプチド化合物の使用を提供す るものである。これらの病気としては、下記に制限されないが、内因性湿疹(ア トピー性湿疹またはアトピー性皮膚炎として知られている)、脂漏性湿疹、汗疱 、接触皮膚炎、蕁麻疹、紅斑症、扁 平苔癬、白斑及び円形脱毛症が挙げられる。 本発明におけるムラミルペプチド化合物の有効性は経口投与を用いて示された 。このような場合の配合物は、製薬上許容できる賦形剤、即ち、ラクトース、ス ターチ、ポリビドン、ステアリン酸マグネシウム及びタルクを含む錠剤から構成 された。ムラミルペプチド化合物は、必要であれば、一定のおよび/または遅延 したデリバリーを目的として配合されてもよい。胃溶性被覆(gastric coating) を施してもよい。 投与を目的とした正確な経口投与量は、通常、臨床医(clinician) または医師 (physician) によって適当と判断される量である。上記を条件とすると、0.1 〜100mg/日(または/単位投与量)の範囲の1日当たりの経口投与量が許 容できることが分かり、0.5〜50mgの範囲が好ましい。上記好ましい範囲 内で、最適な1日当たりの投与量は2〜30mgまたは2〜20mgの範囲であ る。 さらに、投与期間は様々である。期間は、当然、ある程度、投与レベルによっ て異なり、すなわち、投与量がより低いと必要な投与期間がより長くなる。一般 的には、投与期間は1〜60日、好ましくは1〜30日、最も好ましくは1〜1 4日の範囲である。 ムラミルペプチド化合物は、局所的に投与された後皮膚の免疫システムに影響 を及ぼすことが示された。したがって、経口投与形態が好ましいが、特殊な場合 によっては、例えば、患者の胃腸管の機能が病気または外科手術によって損なわ れた際に、またはムラミルペプチド化合物の特に高い局所的な濃度が望ましいよ うな手に負えない皮膚病の場合に、ムラミルペプチド化合物の局所用の配合物が 好ましいことが分かった。 本発明の第三の概念によると、ムラミルペプチド化合物の局所用の配合物を提 供するものである。 軟膏、ローションまたはクリームとして表される、配合物は、配合物 が効果的に皮膚にムラミルペプチドを放出できることを考慮して、製薬上許容で きる賦形剤または担体を含んでいてもよい。また、該配合物は、いわゆる浸透促 進剤(permeation enhancer)を導入することによって当該ムラミルペプチドの浸 透(passage)を促進させてもよい。 ムラミルペプチド化合物は、本発明において、単独で使用されてもあるいは相 互に組み合わせて使用されてもよい。また、ムラミルペプチド化合物は、一緒に あるいは別々に配合されて、他の化合物と組み合わせて使用されもよい;例えば 、ムラミルペプチド化合物を経口投与して、他の化合物は局所的に投与されても よい。相互にまたは他の化合物と組み合わせて使用する場合には、投与は、同時 であっても、別々であってもあるいは経時的であってもよい。 最後の概念によると、本発明は、患者にムラミルペプチド化合物を投与するこ とからなる、炎症性の皮膚疾患の予防または処置方法を提供するものである。 本発明の各概念の好ましい態様は、必要であれば変更を加えて、各他の概念と 同様である。 本発明を下記実施例及び図面により詳細に説明するが、下記実施例は本発明の 概念を制限するものではない: 図1は、GMDPまたは偽薬による処置中の乾癬の重篤度及び領域指数(psori asis severity and area index)(PASI)の変化を示すプロットである。実施例1 乾癬の処置におけるGMDPの使用 A.オープンラベルトライアル(Open label trial) 乾癬にGMDPを使用した予備試験を、9〜18日間10または20mgの投 与量でGMDPを投与した8人の患者で行った。通常、乾癬の 皮膚の症状の有効的な抑制を観察した。患者の1人は関節症性乾癬(psoriatic a rthritis)として既知の乾癬の変異型を患っており、この患者は関節の痛み及び 関節の朝の硬直が軽減された。 B.偽薬によるコントロール試験(placebo controlled trial)方法 19人の乾癬(プラーク状乾癬(plaque psoriasis)、膿疱性乾癬(pustular ps oriasis)または紅皮症性乾癬(erythrodermic psoriasis))を患った患者を、任 意に選び、10日間20mg/日の投与量でさらに10日間毎日20mgの投与 量でGMDP錠剤による経口処置(即ち、1、2、3、4、5、6、7、8、9 、10、12、14、16、18及び20日目に処置)、または同量の偽薬錠剤 による経口処置のいずれかを施した。試験は、患者や調査者にどちらの製剤(G MDPまたは偽薬)を特定の患者に投与したかを知らせない、「ダブルブライド (double blind)」で行った。現在の臨床試験の一般的な方法である、上記ダブル ブライド(double blinding)は、強力な生理学的な因子により可能性のある処置 を受けていることを「知っている」患者では改善され得る乾癬試験では特に重要 である。 すべての患者における乾癬の重篤度及び領域を、国際的に認められているPA SI(乾癬領域及び重篤度(psoriasis area and severity index))システム( フレデリックソン(Frederiksson)及びピーターソン(Pettersson)、デルマトロジ カ(Dermatologica)、157巻、頁238〜244(1978年))に従って試 験開始時及び約20日までに間隔をあけて測定した。個々の患者の変化を図1に 示す。このグラフにおいて、患者の始めの症状を「100%」として標準化し、 その後の試験時におけるPASIの評点を始めの評点に対する割合(%)として 示す。処置された患者のPASIは処置中に下がる傾向にあることは明らかであ り、 多くの患者が病変が完全にきれいになってさえいたことが示された。偽薬錠剤を 投与された患者は、最小限の改善を示す、場合によっては悪くなったまたは変化 が見られなかった。最終試験時では、処置された患者の平均評点は6.0であり 、コントロールの患者の平均評点は約2倍の11.7であった。実施例2 他の乾癬処置を経時的に併用した乾癬の処置におけるGMDPの使用 GMDPのダブルブラインドの、偽薬をコントロールとした臨床試験において 、14人の患者に活性型の(GMDP)処置(30mg/日で10日間)を施し た。これらのうち、1人を除いたすべての患者がPASIの評点が減少して測定 され、改善が示された。 GMDPによる10日間の処置中の初期の改善後、様々な患者にGMDP以外 の乾癬療法をさらに施した。この療法としては、UV照射、局所的なサリチル酸 、経口による硫酸マグネシウム及びビタミンA誘導体が挙げられる。改善がこれ らの患者で継続したことから、GMDP処置は、診断を受けている医師により好 ましいと考えられる際には、他の処置をその後に安全にかつ有効に行うことがで きることが明らかである。実施例3 マウスにおける表皮の樹状細胞によるATPaseの発現に関するGMDPの効 果方法 本実験に使用される方法はノーヴァル(Norval)ら(ノーヴァル,エム(Norval ,M)、ギルモル,ジェーダブリュー(Gilmour,J W)及びシンプソン,ティジェー (Simpson,T J)、ホトデルマトル ホトイムノル ホトメド(Photodermatol Pho toimmunol Photomed)、7巻、頁243〜8(1990年))により詳細に報告 されている。 GMDPを1mg/ml及び0.1mg/mlでエタノールに溶解した。20 μlの上記溶液、またはビヒクル(エタノール)コントロールを、予め粘着テー プで「はがして(strip)」表面のバリア層(barrier layer)を除去したマウスの耳 の背側に塗った。他のマウスは、ランゲルハンス細胞(LC)のATPaseの 発現に影響を与えることが知られているUVBの照射量(144mJ/cm2) で照射した。このようなタイプの他の実験では、陽性のコントロールが、UVB の影響下で表皮中に生成する物質である、シスウロカニン酸(cUCA)であり 、これはLC機能のUVBで誘導される変化の仲介に関係すると考えられた。 24時間後、マウスを殺し、表皮を耳の背側表面から除去し、染色したところ 、ATPase活性が現れた。染色を示した細胞を計測し、細胞数/mm2とし て示した。細胞の形態をも観察した。結果およびディスカッション 結果を表2及び3に要約する。研究された2種類の投与量でのGMDPは、ビ ヒクルコントロールと比べると、ATPase陽性細胞の数を有為に減少させた 。陽性のコントロール処置(UVB照射及びcUCA)もまた、予想された通り 、細胞数を減少させた。 実施例4 排出リンパ節への表皮の樹状細胞の移動に関するGMDPの効果 本実施例において、GMDPの樹状表皮細胞の移動促進能を調べた。 マウスをエタノール、GMDPのエタノール溶液(1mg/ml)、または9 6mJ/cm2のUVBで処置した。48時間後、マウスを殺し、耳の(「排出( draining)」)リンパ節を切除し、樹状細胞を精製し、計測した。結果およびディスカッション 結果を表4に要約した。 UVBはリンパ節における樹状細胞数を有意に増加させた。GMDP は有意の効果を示さなかった。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年7月18日 【補正内容】 ムラミルペプチド類似体であるMTP−PEが初期の皮膚癌の成長を遅延させる ことができることを発見した。他の研究(グリーンハル ディ(Greenhalgh D)及 びガメリ アールエル(Gamelli,RL)、ジャーナルオブ トラウマ(Journal of T rauma)、27巻、頁510〜4(1987年))では、傷の治癒におけるMDP の使用が試験された。しかしながら、この場合では、有益なまたは不利益な効果 が見られなかった。また、抗原とのMDPの局所注射は、抗原に対する後の皮膚 の「遅延型の過敏性(delayed type hypersensitivity)」応答を促進することが 示された(ツジモト エム(Tsujimoto,M)ら、ミクロバイオル イムノル(Micro biol.Immunol.)、23巻、頁933〜936(1979年))。 US−A−4357322号は、様々なムラミル及びデスメチルムラミル(des methylmuramyl)ジペプチドが炎症を処置するのに使用されることを開示している 。しかしながら、GMDPまたは乾癬には何等注意が払われていない。 アズナイミッテル フォルシュング ドラッグ リサーチ(Azneimittel Forsc hung Drug Research)、38,7A、頁1002〜1009(1988年)には 、ムロクタシン(Muroctasin)の生理学的な性質の概説が記載されている。 EP−A−0406175号には、化合物、3−O−[N−アセチルムラミル −L−トレオニル−D−イソグルタミニル]−1,2−ジ−O−パルミトイル− sn−グリセロール(3-O-[N-acetyl-muramyl-L-threonyl-D-isoglutaminyl]-1,2 -di-O-palmitoyl-sn-glycerol)が開示されており、この物質は免疫促進活性を有 すると開示されている。 DE−A−3129759号には、抗炎症剤としてのある種のムラミルペプチ ド化合物の使用が開示されている。 WO−A−93/10148号には、敗血症性ショックの処置におけ るムラミルペプチド化合物の使用が開示されている。 本発明の第一の概念によると、炎症性の皮膚疾患の処置または予防を目的とし た薬剤の調製におけるムラミルペプチド化合物の使用を提供するものである。 本発明に使用される数多くのムラミルペプチド化合物は下記一般式Iによって 表わされる: ただし: R1は水素原子または炭素数1から22のアシル基を表わし; 請求の範囲 1.炎症性の皮膚疾患の処置または予防を目的とした薬剤の調製における、3− O−[N−アセチルムラミル−L−リシル−D−イソグルタミニル]−1,2− ジ−O−パルミトイル−sn−グリセロール以外のムラミルペプチド化合物の使 用。 2.該ムラミルペプチド化合物が下記一般式Iの化合物である、請求の範囲第1 項に記載の使用: ただし: R1は水素原子または炭素数1から22のアシル基を表わし; R2は水素原子または炭素数1から22のアシル基を表わし; R3は水素原子または炭素数1から6のアルキル基を表わし; R4は炭素数1から21のアルキル基または炭素数6若しくは炭素数10のア リール基を表わし; R5は水素原子を表わし;および Rはアミノ酸残基または2から6個のアミノ酸残基から構成される直鎖のペプ チドを表わし、少なくとも1つの残基は必要であれば親油性基で置換されてもよ い。 3.該ムラミルペプチド化合物が下記である、請求の範囲第2項に記載の使用: Nε−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチル ムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル]−L−リシル−L−ヒス チジル−L−グリシン アミド(GMDPA−ブルシン); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−グルタミル−L−トリプトファン (GMDP−チモーゲンI); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −L−アラニル−D−イソグルタミニル−ε−アミノヘキサノイル−L−グルタ ミル−L−トリプトファン(GMDP−チモーゲンII); Nα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチル ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル]−Nε−ステアロイル−L− リシル−L−グルタミル−L−トリプトファン(GMDP−チモーゲンIII) ; N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(Thr−MD P);または N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン n−ブチルエステル (ムラブチド)。 9.該炎症性の皮膚疾患が乾癬である、請求の範囲第1から8項のいずれかに記 載の使用。 10.該乾癬が円板状若しくはプラーク状乾癬、屈曲性乾癬、頭皮の乾癬、手掌 の/足底の乾癬、滴状乾癬、紅皮症性乾癬若しくは膿疱性乾癬、関節症性乾癬で ある、または乾癬により生じる爪の変化を伴う、請求の範囲第9項に記載の使用 。 11.皮膚及び粘膜の免疫が関連する病気の処置または予防を目的とす る薬剤の調製における、3−O−[N−アセチルムラミル−L−リシル−D−イ ソグルタミニル]−1,2−ジ−O−パルミトイル−sn−グリセロール以外の ムラミルペプチド化合物の使用。 12.該ムラミルペプチド化合物が請求の範囲第2から8項のいずれかに規定さ れたものである、請求の範囲第11項に記載の使用。 13.該免疫が関連する病気が内因性湿疹(アトピー性湿疹またはアトピー性皮 膚炎として知られている)、脂漏性湿疹、汗疱、接触皮膚炎、蕁麻疹、紅斑症、 扁平苔癬、白斑または円形脱毛症である、請求の範囲第11項に記載の使用。 14.該薬剤が局所投与用である、請求の範囲第1から13項のいずれかに記載 の使用。 15.該薬剤が軟膏、ローションまたはクリームである、請求の範囲第14項に 記載の使用。 16.患者に3−O−[N−アセチルムラミル−L−リシル−D−イソグルタミ ニル]−1,2−ジ−O−パルミトイル−sn−グリセロール以外のムラミルペ プチド化合物を投与することからなる、炎症性の皮膚疾患の予防または処置方法 。 17.該ムラミルペプチド化合物が請求の範囲第2から8項のいずれかに規定さ れたものである、請求の範囲第16項に記載の方法。 18.該炎症性の皮膚疾患が乾癬である、請求の範囲第16または17項に記載 の方法。 19.該乾癬が円板状若しくはプラーク状乾癬、屈曲性乾癬、頭皮の乾癬、手掌 の/足底の乾癬、滴状乾癬、紅皮症性乾癬若しくは膿疱性乾癬、関節症性乾癬で ある、または乾癬により生じる爪の変化を伴う、請求の範囲第18項に記載の方 法。 20.該ムラミル化合物が1日当たり0.1〜100mgの投与量で投 与される、請求の範囲第16から19項のいずれかに記載の方法。 21.該1日当たりの投与量が0.5〜50mgである、請求の範囲第20項に 記載の方法。 22.該1日当たりの投与量が2〜30mgである、請求の範囲第21項に記載 の方法。 23.該1日当たりの投与量が2〜20mgである、請求の範囲第22項に記載 の方法。 24.該ムラミルペプチド化合物が1〜60日間投与される、請求の範囲第16 から23項のいずれかに記載の方法。 25.該ムラミルペプチド化合物が1〜30日間投与される、請求の範囲第24 項に記載の方法。 26.該ムラミルペプチド化合物が1〜14日間投与される、請求の範囲第25 項に記載の方法。 27.該ムラミルペプチド化合物が炎症性の皮膚疾患の処置または予防に使用さ れる少なくとも1種の他の治療剤と共に投与される、請求の範囲第16から26 項のいずれかに記載の方法。 28.該2種の薬剤が同時に、別々にまたは経時的に投与される、請求の範囲第 27項に記載の方法。 29.炎症性の疾患の処置または予防に同時に、別々にまたは経時的に使用され る、3−O−[N−アセチルムラミル−L−リシル−D−イソグルタミニル]− 1,2−ジ−O−パルミトイル−sn−グリセロール以外のムラミルペプチド化 合物および炎症性の皮膚疾患の処置または予防に使用される少なくとも1種の他 の治療剤からなる薬剤組成物。 30.請求の範囲第2から10項の態様の1つまたはそれ以上により、修飾され る、請求の範囲第29項に記載の薬剤組成物。 31.該他の治療剤がサリチル酸、硫酸マグネシウムまたはビタミンA 誘導体である、請求の範囲第29または30項に記載の薬剤組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 33/06 A61K 33/06 38/00 ABA C07K 5/06 ABE 5/08 C07K 5/06 5/10 5/08 7/06 5/10 A61K 37/02 ABA 7/06 ABE (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.炎症性の皮膚疾患の処置または予防を目的とした薬剤の調製におけるムラミ ルペプチド化合物の使用。 2.該ムラミルペプチド化合物が下記一般式Iの化合物である、請求の範囲第1 項に記載の使用: ただし: R1は水素原子または炭素数1から22のアシル基を表わし; R2は水素原子または炭素数1から22のアシル基を表わし; R3は水素原子または炭素数1から6のアルキル基を表わし; R4は炭素数1から21のアルキル基または炭素数6若しくは炭素数10のア リール基を表わし; R5は水素原子を表わし;および Rはアミノ酸残基または2から6個のアミノ酸残基から構成される直鎖のペプ チドを表わし、少なくとも1つの残基は必要であれば親油性基で置換されてもよ い。 3.該ムラミルペプチド化合物が下記である、請求の範囲第2項に記載の使用: MDP−Lys(L18)として既知である、ムロクタシン[N2−(N−ア セチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル)−N6−ステアロイル −L−リシン]; MTP−PE[N−アセチル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニ ル−L−アラニル−2−(1’,2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3’ −ヒドロキシ−ホスホリルオキシ)エチルアミド,一ナトリウム]; ムラブチド(N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン−α−N −ブチル エステル);または t−MDP(N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン) 。 4.該ムラミルペプチド化合物が下記である、請求の範囲第1項に記載の使用: ただし: Rはアミノ酸残基または2から6個のアミノ酸残基から構成される直鎖のペプ チドを表わし、少なくとも1つの残基は必要であれば親油性基で置換されてもよ い;及び nは1または2である。 5.該ムラミルペプチド化合物がN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1− 4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(GMDP) である、請求の範囲第1項に記載の使用。 6.該ムラミルペプチド化合物がN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1− 4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン 酸(GMDP−A)である、請求の範囲第1項に記載の使用。 7.該ムラミルペプチド化合物が下記である、請求の範囲第1項に記載の使用: N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−アセチルムラミル− L−アラニル−L−イソグルタミン(GMDP−LL); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−アセチルムラミル− L−アラニル−D−グルタミン n−ブチルエステル(GMDp−OBu); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−アセチルムラミル− L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−リシン(GMDP−Lys);また は Nα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−アセチルム ラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル]−Nε−ステアロイル−L−リ シン(GMDP−Lys(St))。 8.該ムラミルペプチド化合物が下記である、請求の範囲第1項に記載の使用: Nα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチル ムラミル−L−アラニル−γ−D−グルタミル]−Nε−ステアロイル−L−リ シン(GMDPA−Lys(St)); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −L−アラニル−D−グルタミン酸 ジベンジルエステル(GMDPA(OBz l)2); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −N−メチル−L−アラニル−D−イソグルタミン(Me−GMDP); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチル ムラミル−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4 )−N−アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−イソグルタミン)(( GMDP)2); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−グルタミン酸)((GMDPA )2); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−リシン )((GMDP Lys)2); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N− アセチルムラミル−ビス−[L−アラニル−D−イソグルタミニル−Nε−ステ アロイル−L−リシン]([GMDP−Lys(st)]2); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −L−アラニル−D−イソグルタミン 1−アダマンチルエステル(GMDP− Ad); L−トレオニル−Nε−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4 )−N−アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル]−L− リシル−L−プロリル−L−アルギニン(GMDP−ツフトシンE); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル−L−トレオニル−L−リシル−L −プロリル−L−アルギニン(GMDP−ツフトシン A); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −L−アラニル−α−D−グルタミル−L−リシル−L−トレオニル−Nε−ス テアロイル−L−リシル−L−プロリル−L−アルギニン(GMDPA−ツフト シン親油性); Nε−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチル ムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル]−L−リシル−L−ヒス チジル−L−グリシン アミド(GMDPA−ブルシン); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−グルタミル−L−トリプトファン (GMDP−チモーゲンI); N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル −L−アラニル−D−イソグルタミニル−ε−アミノヘキサノイル−L−グルタ ミル−L−トリプトファン(GMDP−チモーゲンII); Nα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチル ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル]−Nε−ステアロイル−L− リシル−L−グルタミル−L−トリプトファン(GMDP−チモーゲンIII) ; N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(Thr−MD P);または N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン n−ブチルエステル (ムラブチド)。 9.該炎症性の皮膚疾患が乾癬である、請求の範囲第1から8項のいずれかに記 載の使用。 10.該乾癬が円板状若しくはプラーク状乾癬、屈曲性乾癬、頭皮の乾癬、手掌 の/足底の乾癬、滴状乾癬、紅皮症性乾癬若しくは膿疱性乾癬、関節症性乾癬で ある、または乾癬により生じる爪の変化を伴う、請求の範囲第9項に記載の使用 。 11.皮膚及び粘膜の免疫が関連する病気の処置または予防を目的とする薬剤の 調製におけるムラミルペプチド化合物の使用。 12.該ムラミルペプチド化合物が請求の範囲第2から8項のいずれかに規定さ れたものである、請求の範囲第11項に記載の使用。 13.該免疫が関連する病気が内因性湿疹(アトピー性湿疹またはアトピー性皮 膚炎として知られている)、脂漏性湿疹、汗疱、接触皮膚炎、蕁麻疹、紅斑症、 扁平苔癬、白斑または円形脱毛症である、請求の範囲第11項に記載の使用。 14.ムラミルペプチド化合物の局所用配合物。 15.軟膏、ローションまたはクリームである請求の範囲第14項に記載の配合 物。 16.患者にムラミルペプチド化合物を投与することからなる、炎症性の皮膚疾 患の予防または処置方法。 17.該ムラミルペプチド化合物が請求の範囲第2から8項のいずれかに規定さ れたものである、請求の範囲第16項に記載の方法。 18.該炎症性の皮膚疾患が乾癬である、請求の範囲第16または17項に記載 の方法。 19.該乾癬が円板状若しくはプラーク状乾癬、屈曲乾癬、頭皮の乾癬、手掌の /足底の乾癬、滴状乾癬、紅皮症性乾癬若しくは膿疱性乾癬、関節症性乾癬であ る、または乾癬により生じる爪の変化を伴う、請求の範囲第18項に記載の方法 。 20.該ムラミル化合物が1日当たり0.1〜100mgの投与量で投 与される、請求の範囲第16から19項のいずれかに記載の方法。 21.該1日当たりの投与量が0.5〜50mgである、請求の範囲第20項に 記載の方法。 22.該1日当たりの投与量が2〜30mgである、請求の範囲第21項に記載 の方法。 23.該1日当たりの投与量が2〜20mgである、請求の範囲第22項に記載 の方法。 24.該ムラミルペプチド化合物が1〜60日間投与される、請求の範囲第16 から23項のいずれかに記載の方法。 25.該ムラミルペプチド化合物が1〜30日間投与される、請求の範囲第24 項に記載の方法。 26.該ムラミルペプチド化合物が1〜14日間投与される、請求の範囲第25 項に記載の方法。 27.該ムラミルペプチド化合物が炎症性の皮膚疾患の処置または予防に使用さ れる少なくとも1種の他の治療剤と共に投与される、請求の範囲第16から26 項のいずれかに記載の方法。 28.該2種の薬剤が同時に、別々にまたは経時的に投与される、請求の範囲第 27項に記載の方法。 29.炎症性の疾患の処置または予防に同時に、別々にまたは経時的に使用され る、ムラミルペプチド化合物および炎症性の皮膚疾患の処置または予防に使用さ れる少なくとも1種の他の治療剤からなる薬剤組成物。 30.請求の範囲第2から10項の態様の1つまたはそれ以上により、修飾され る、請求の範囲第29項に記載の薬剤組成物。 31.該他の治療剤がサリチル酸、硫酸マグネシウムまたはビタミンA誘導体で ある、請求の範囲第29または30項に記載の薬剤組成物。
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