【発明の詳細な説明】
ムラミルペプチド化合物の使用
技術分野
本発明は、眼の症状の処置、特に細菌性またはウイルス性の眼の感染と関連す
る角膜瘢痕化(scarring)の処置または予防に関する。
背景技術
眼は相対的に複雑な器官であり、多くのタイプの細菌性やウイルス性の感染を
受けやすく、また非感染の症状を受けやすい。例として、結膜の感染であり、細
菌、ウイルス、クラミジア(Chlamydia)などのその他の微生物、またはアレルギ
ーによって生ずる結膜炎が挙げられる。角膜の障害には、スタフィロコッカス(s
taphylococcus)、ストレプトコッカス(streptococcus)、シュードモナス(pseudo
monas)若しくはエンテロバクテリア(ennterobacteria)などの細菌またはヘルペ
スシンプレックス(Herpres simplex)などのウイルスによって生ずる角膜炎が含
まれる。麻疹、おたふくかぜや水痘などの全身性ウイルス疾患は角膜炎の原因と
なるが、それはまた単にドライアイ(dryness of the eyes)からも生ずる。特に
角膜炎などの角膜のある症状やその他の角膜の症状、眼瞼の損傷または感染は、
角膜の瘢痕化の原因となって視力を損ね、眼瞼の動きを制限することとなる。
眼の多くの症状は公知の抗菌性または抗ウイルス性の薬剤で処置でき、それら
は有効であるが、角膜瘢痕化はいまだに生ずる。このことは、リンパ球や大食細
胞の角膜への移動によると考えられる。リンパ球や大食細胞の活性には、シトキ
ンス(cytokines)の分泌が含まれており、それにより線維芽細胞の活性化が不適
当な方法でコラーゲンを犠牲にし、さ
らに角膜瘢痕化が引き起こされる。しかしながら、各種のムラミル(muramyl)ペ
プチド誘導体が眼の症状の処置に有効であり、特に角膜瘢痕化の処置または予防
に役立つことが今まさに発見された。
長い間、免疫系の非特異的な刺激は細菌または細菌細胞から抽出された成分に
暴露することにより引き起こすことができることが知られていた。この活性に責
任がある特異な成分は細胞壁の糖含有ペプチドとして同定され、さらにペプチド
のバイオ化学分析により細胞壁のペプチドグリカン成分であると同定された。少
ないが有効な合成分子はN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタ
ミンであることが見出だされた。(Merser et al,Biochem.Biophys.Res.Comm
.66 1316(1975))。細菌感染(Klebsiella pneumonia)からマウスを保護する
この化合物(今後しばしば「プロトタイプ ムラミル ジペプチド」または「プ
ロトタイプMDP」と称する)の活性は、次の文献に記載されている(Chedid e
t al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74 2089(1977))。
その後、プロトタイプ ムラミル ジペプチドの広範な類縁体が合成され、そ
の中には免疫機能の修復や免疫系の非特異な刺激の処置剤として提案されたもの
もある。これらの類縁体、プロトタイプMDP自体はムラミル ペプチド化合物
である。
各種の先行技術文献では、ムラミルペプチドやその類縁体がアジュバントとし
て使用されている。アズマ(Azuma et al)によれば、MDPは組換え型または
成分ワクチンの抗原性の相乗作用ようの免疫アジュバントとしての使用に有効で
あることが記載されている(Adv.Exp.Med.Biol.319,253-263(1992))。
アリソンらは、スクアラン−プルロニック(Squalane-Pluronic)ポリマーエマ
ルジョン中で合成MDP類縁体からなるアジュバント組成物が細胞媒介免疫性や
保護アイソタイプの抗体や各種の抗原に対する増大し
た応答性を引き出すことを教示する(Semin.Immunol.2(5)369-374(1990))。
MTP−PEは、ヘルペス シンプレックス(Herpes simplex)ウイルス サブ
ユニット ワクチンを備えてアジュバントとして特に有効であることが見出ださ
れた(Burke,Rev.Infect.Dis.,13,Suppl.11,pS906-911,Nov-Dec 1991)。
アリソン(Allison et al)らは、MDP類縁体と抗原を使用して、インフルエ
ンザ中に細胞媒介免疫性、ヘパティティスBウイルス、ヘルペス シンプレック
ス ウイルス、レンティウイルスや腫瘍ワクチンを引き出すことに関して示す(M
ol.Immunol.,28(3)279-284(1991)。
ブリンスタッドらは、脂肪酸担体と組み合わせたペプチド由来のヘルペス シ
ンプレックスを使用すると、マウスについて高揚された免疫抗原性、特にリポソ
ーム(liposome)に組み込まれ、免疫モジュレーターとしてMDP類縁体を伴うと
きに示す(Brynestad et al,J.Viro1.,64(2),680-685(1990))。
イシハラらは、MDP−Lysがシクロホスファミド処置マウスにおいてヘル
ペス シンプレックス ウイルス タイプ1感染に対する抵抗が回復したことを
示した(Ishihara et al,Vaccine,7(4),309-313,(1989))。
イケダらは、MDPやMDP−Lysがウイルス感染に対する非特異な抵抗を
高揚できることを示した(Ikeda et al,Antiviral Res.,5(4),207-215(1985))
。
その他の多くの文献は、各種のムラミル ペプチド誘導体をアジュバントとし
て使用することを開示する。
さらに、先行技術にはムラミル ペプチド誘導体、特にMTP−PEがある抗
ウイルス剤の抗ウイルス活性を高揚することを示唆するものが
ある。
ガァンゲミらは、MTP−PEが広範なスペクトル抗ウイルス剤リバビリンの
治療剤を改良することを開示する(Gangemi et al,J.Infect.Dis.,155(3),5
10-517)。その効果は、特にリポソームカプセル化MTP−PEの場合にいえる
。
しかしながら、これらの文献にはムラミルペプチド化合物が眼の症状の処置に
特に有効であることは何等の教示もなく、実際にはムラミルジペプチド類縁体を
使用すると眼に有害であるということが先行技術には示唆されているものがある
。例えば、ローレンスらは、MDPにより引き出された炎症中に眼の前方セグメ
ントと血流との間の解剖的バリヤーの分解について議論している(Lawrence et a
l in Exp.Eye Res.,54(4),105-107(1992))。クホイらも、MDPによる血液
水性バリアーのモジュレーションについて研究し(Kufoy et al(Eep.Eye Res.,
50(2),189-195(1990))、ウオーターらは、MDPによりラビットに生じた眼内
炎症について述べている(Water et al: Infect.Immun.,51(3),816-825(1986
)。このように、ムラミルジペプチドは眼に有害であることが知られており、同
じことがその誘導体にも予想される。しかし、眼の症状を処置する方法、すなわ
ち、有効量のムラミルペプチド誘導体を眼の症状を被る患者に投与する方法に予
想できない利益があることが今まさに見付け出された。
発明の開示
本発明の第1の態様において、ムラミルペプチド化合物は目の病気または症状
の治療用の薬剤の調製への使用を提供できる。
「ムラミルペプチド化合物」は、当業者には明らかである。特に、これは1若
しくはそれ以上の糖残基を含む化合物であって、糖残基、それ
はしばしばムラミン酸残基であるが、その少なくとも1つが少なくとも1若しく
はそれ以上(通常2若しくはそれ以上)のアミノ酸残基と置換されている。ムラ
ミルペプチド化合物はペプチドグリカンであって、哺乳類の細胞性抗原性応答性
を高揚でき、プロトタイプムラミルジペプチド(MDP)またはそれらの類縁体
またはそれらの誘導体である。
ムラミルペプチド化合物が有用である眼の症状には、結膜炎;角膜炎などの角
膜の障害;眼瞼の障害;ドライアイおよび眼の損傷が含まれる。
ムラミルペプチド化合物は、角膜炎やケラトウベイティス(keratouveitis)な
どの症状の処置、特にウイルス、細菌またはクラミジアの感染により引き起こさ
れたときに特に有効であることが見出された。ある相対的に普通の形態の角膜炎
は、ヘルペス シンプレックスにより引き起こされるものであり、ヘルペス性間
質角膜炎として公知である。ヘルペス性ケラトウベイティスもヘルペス シンプ
レックス ウイルスにより引き起こされ、ムラミルペプチド化合物がこれらの症
状の双方の処置に特に有効であることが示された。
上記のように、プロトタイプ ムラミル ペプチドがブドウ膜炎を引き起こす
ことが公知であるため、ムラミルペプチド化合物がケラトウペイティスの処置に
有効であることは、特に、驚くべきことである。
ヘルペス性間質角膜炎などの症状の処置においてムラミルペプチド化合物が有
効な理由の1つは、それらが抗ウイルス剤として有効であるためである。しかし
、その他の利益は、しばしば症状を伴う角膜瘢痕化の程度の予防または減少がで
きることにある。ヘルペス性間質角膜炎を患う患者に投与されると、ムラミルペ
プチド化合物は間質との関わりあいの消散を高め、視力の回復速度を増加させこ
とが見出された。
ムラミルペプチド化合物が驚くべき利益のある効果を与える機構は全く明らか
でない。一つの示唆は、ウイルス性感染細胞のより急速なクリ
アランスが感染期間やそれによる瘢痕化ポテンシャルを減少できるため、化合物
の抗ウイルス効果から生ずるというものである。その他の理論は、ムラミルペプ
チド化合物が炎症シトキンスの活性を低めに調整でき、そのため線維芽細胞の刺
激やかさぶた組織の沈積を抑制できるというものである。しかしながら、本発明
の有効性は、これらの理論の精度またはこれらの理論のいずれかにより影響を受
けるものではない。
したがって、ムラミルペプチド誘導体は、眼の病気と関連する角膜瘢痕化の処
置または予防する方法、すなわち眼の病気を患う患者に有効量のムラミルペプチ
ド化合物を投与する方法にも有効であろう。
本発明の第2の態様において、ムラミルペプチド化合物は眼の病気と関連する
角膜瘢痕化の処置または予防用の薬剤の調製への使用を提供できる。
ムラミルペプチド化合物を使用すると、眼のいかなる症状、すなわち瘢痕化が
生じやすいが、上記の眼の病気はムラミルペプチド化合物が瘢痕化の予防に特に
有効なものである症状の処置を補助するであろう。
眼の種々の症状の瘢痕化を予防する能力のため、ムラミルペプチド化合物は、
その症状の処置に使用されるがムラミルペプチドがするような方法では瘢痕化を
減少または予防することができない第2薬剤と組み合わせて用いるときに特に有
効である。
本発明の第3の態様において、眼の病気または症状の処置に同時、別々、連続
使用する組み合わせ製剤としてムラミルジペプチドと第2薬剤とを含む生成物を
提供できる。
第2薬剤は、眼の症状の処置に有効ないかなるものでもよい:かかる材料は眼
薬の分野の当業者には公知であり、抗ウイルス剤、抗菌剤、ステロイドおよび非
ステロイド抗炎症剤を例示できる。
この態様に特に有効な症状は、本発明の第1および第2の態様に関連
する上記のものである。
したがって、本発明は眼の症状の処置方法、すなわち眼の症状を患う患者に有
効量のムラミルペプチド化合物とそれと有効量の第2薬剤を組み合わせたものを
投与する方法が有効であることがわかる。
上記のように、第2薬剤は、抗ウイルス剤、抗菌剤、ステロイドおよび非ステ
ロイド抗炎症剤からなる群より選ばれるのが好ましい。
本発明のこの態様に特に好適な試薬には、アシクロビル、イドクスウリジン、
クロラムフェニコール、クロルテトラサイクリン、フシジン酸、ゲンタマイシン
、ネオマイシン、オフロキサシン(oflaxacin)、ポリミキシン(polymixin)、テト
ラサイクリン、トブラマイシン、ベタメタゾン、クロベタゾン(clobetasone)、
デキサメタゾン、フルオロメトロン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロンおよび
フルルビプロフェン(flurbiprofen)が含まれる。中でも、アシクロビルまたはイ
ドクスウリジンが好ましい。
本発明に有効な多くのムラミルペプチド化合物は、次式Iの範囲に入る:
ここで、R1は水素原子または炭素数1〜22のアシル基;
R2は水素原子または炭素数1〜22のアシル基;
R3は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基;
R4は炭素数1〜21のアルキル基または炭素数6若しくは10のア
リール基;
R5は水素原子;および
Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する直鎖状のペ
プチド、ここでかかる残基の少なくとも1つが任意に親油性基と置換されている
。
R1とR2用の好ましいアシル基はアセチル基などの炭素数1〜5のアシル基;
アシル基中の炭素数はカルボニル成分を含まないことを理解出来るであろう。R3
用の好ましいアルキル基は、メチル、エチルなどの炭素数1〜4のアルキル基
である。R4用の好ましいアルキル基は炭素数1〜6のアルキル基、特にメチル
またはエチルなどの炭素数1〜4のアルキル基である。フェニルは好ましいアリ
ール基である。
Rはモノ、ジ、トリのペプチドを表すことが好ましい。近位端ペプチド残基(
または唯一つだけの場合にはペプチド残基だけ)は、L−アミノ酸の残基が好ま
しい。
次のものが例示できる:
L−アラニル L−トリプトファニル
L−バリル L−リシル
L−ロイシル L−オルニチル
L−イソロイシル L−アルギニル
L−α−アミノブチリル L−ヒスチジル
L−セリル L−グルタミル
L−トレオニル L−グルタミニル
L−メチオニル L−アスパルチル
L−システイニル L−アスパラギニル
L−フェニルアラニル L−プロリル
L−チロシル L−ヒドロキシプロリル。
L−トレオニルが好ましいのでL−アラニルも好ましい。
ペプチドの近位端の次のアミノ酸はD−配位が好ましい。これは酸性であり、
D−グルタミン酸またはD−アスパルチン酸またはそれらのモノ、ジ、または混
合した炭素数1〜22(好ましくは炭素数1〜6)のアルキルエステル、アミド
または炭素数1〜4のアルキルアミドが好ましい。(「混合した」とは、1カル
ボキシル基がアミド化されその他のものがエステル化されるときを示す。)D−
イソグルタミンやD−グルタメートが好ましい。
分子鎖の近位端から3番目のアミノ酸残基は、それが1の場合に、近位アミノ
酸残基に関して上記したように、L−配位体が好ましい。L−アラニルやL−リ
シルが好ましい。
アミノ酸残基または直線状ペプチドは、任意に、少なくとも1つの親油性基と
置換される。親油性基には、ステアロイル基またはジ−(C10〜C22アシル)−
sn−グリセロ−3´−ヒドロキシ−フォスフェリロキシ基などのC10〜C22ア
シル基が好ましい(ここで、例えばC10〜C22アシル基の各々はパルミトイル基
であってもよい)。また、親油性基には(また、それに加えて、一以上の置換基
が存在するときに)、炭素数2〜6のエステル基などの炭素数1〜10のエステ
ル基が好ましい:ブチルエステルを例示できる。
式Iの範囲内のムラミルジペプチドには、次のものが含まれる:
ムロクタシン(muroctasin)、若しくはMDP−Lys(L−18)(N2−(
N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニ
ル)−N6−ステアロイル−L−リシン;
MTP−PE(N−アセチル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミル
−L−アラニル−2−(1´,2´−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3´−
ヒドロキシ−フォスフォリロキシ)エチルアミン、モノナトリウム);
ムラブチド(murabutide)(N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グル
タミン−α−N−ブチルエステル);および
t−MDP(N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン)
。
ムロクタシンの調製法はEP−A−0021367やUS−A−431777
1に開示されている。MTP−PEの調製法はEP−A−0025495に記載
されている。ムラブチドの調製法は次の文献に記載されている(Lefrancier et a
l,J.Med.Chem.,25 87(1982))。t−MDPの製剤は、その分野で公知の方法
で調製できる。ムラミルペプチド化合物の詳細な調製法を文献には、一般に次の
ものが挙げられる:BE−A−0834753、BE−A−0834754、B
E−A−0847103、BE−A−0849214、DE−A−271045
5、DE−A−2922533、DE−A−2747379、DE−A−291
2865、FR−A−2355505、FR−A−2358159、FR−A−
2375249、EP−A−0004512、EP−A−0002677、JP
−A−54063016、JP−A−54073729、JP−A−55019
236、US−A−4082735およびUS−A−4082736。(プロト
タイプ ムラミル ジペプチドの調製法はDE−A−2450355やUS−A
−4235771に開示されている。)。この明細書に引用されている文献のす
べては、ここに参照文献として組み込まれている。
本発明において有効なムラミルジペプチドの全てが式Iに含まれるわけではな
い。大部分は式IIに含まれ、この式IIは本発明の用途に向く化合物のより好
適な群を示す:
ここで、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状ペプチ
ド、ここで、かかる残基の少なくとも1つは任意に親油性基と置換されている、
nは1または2である。
Rの好ましい値は、式Iに関して上記したようである。ペプチドRはプロトタ
イプMDP(L−Ala−D−isoGln)中のペプチドに対応することが特
に好ましい。若しくは、その他の好適な実施態様においてRはL−Ala−D−
Gluを示す。
nの好ましい値は1である。
式IIの化合物はUS−A−4395399に開示されおり、その文献で好ま
しいものは本発明においても好ましい。さらに本発明ではRは、上記のように、
親油性に置換されてもよい。
本発明において使用される最も好ましい化合物の一つとしては式IIに含まれ
るものであり、例えば、N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N
−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン[N-acetyl-D-glucosam
inyl-(β1-4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isoglutamine](GMDP)があり
、その構造は以下に示される通りで
ある:
上記化合物(US−A−4395399号における化合物II)は、グリコピ
ン(glycopin)としても知られているが、USSR(その時の実情では)において
臨床使用するための認可に必要な前臨床による毒性試験及び薬物動態学的な研究
がすでに行われている。LD50試験によって測定されたマウスの急性毒性は7g
/kgである。これにより、上記化合物は、マウスのLD50値が625mg/k
gであるムロクタシンよりほぼ1オーダー低い毒性値を有することが示された。
GMDPの発熱性は十分に低いて本発明において適当に使用され、さらに他を
目的とする臨床評価を妨げないが、より発熱性の低い類縁体を使用することが好
ましい場合がある。このような類縁体も使用でき、例えば、N−アセチル−D−
グルコサミニル−(β1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グ
ルタミン酸[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1-4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-is
oglutamic acid](GMDP−A)があり、これはUS−A−4395399号
では化合物IIIに相当し、その構造は以下に示される通りである:
式IIの範囲に含まれる他の好ましい化合物としては下記のものが挙げられる
:
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−ア
セチルムラミル−L−アラニル−L−イソグルタミン[N-acetyl-D-glucosaminyl
-(β1-4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-L-isoglutamine](GMDP−LL):
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−ア
セチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン n−ブチルエステル[N-acety
l-D-glucosaminyl-(β1-4)-N-acetylmura myl-L-alanyl-D-glutamine n-butyl e
ster](GMDP−OBu):
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−ア
セチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−リシン[N-acetyl-
D-glucosaminyl-(β1-4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isoglutaminyl-L-lysine
](GMDP−Lys):
下記構造を有するNα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)
−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル]−Nε−ステ
アロイル−L−リシン{Nα-[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1-4)-N-acetylmuramy
l-L-alanyl-D-isoglutaminyl]-Nε-stearoyl-L-lysine}(GMDP−Lys(S
t)):
他の有用な化合物としては以下のものが挙げられる:
下記構造を有するNα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4
)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−グルタミル]−Nε−ステ
アロイル−L−リシン{Nα-[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetyl-mura
myl-L-alanyl-γ-D-glutamyl]-Nε-stearoyl-L-lysine}:
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン酸 ジベンジルエステル[N-a
cetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-L-al
anyl-D-glutamic acid dibenzyl ester]:
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−N−メチル−L−アラニル−D−イソグルタミン[N-acetyl-
D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-N-methyl-L-alanyl-D-isoglutamine
]:
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β
1−−4)−N−アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−イソグルタミ
ン)[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-(β1--4)-N-acetyl-
D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-bis-(L-alanyl-D-isoglutamine)]:
下記構造を有するN−アセチル-D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β
1−−4)−N−アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−グルタミン酸
)[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-(β1--4)-N-acetyl-D-
glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-bis-(L-alanyl-D-glutamicacid)]:
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β
1−−4)−N−アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−イソグルタミ
ニル−L−リシン)[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-(β1
--4)-N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-bis-(L-alanyl-D-is
oglutaminyl-L-lysine)]:
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β
1−−4)−N−アセチルムラミル−ビス−[L−アラニル−D−イソグルタミ
ニル−Nε−ステアロイル−L−リシン]{N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-
N-acetylmuramyl-(β1--4)-N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramy
l-b is-[L-alanyl-D-isoglutaminyl-Nε-stearoyl-L-lysine]}:
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン 1−アダマンチルエス
テル[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isoglut
amine 1-adamantyl ester]:
下記構造を有するL−トレオニル-Nε−[N−アセチル−D−グルコサミニ
ル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグル
タミニル]−L−リシル−L−プロリル−L−アルギニン{L-threonyl-Nε-[N-a
cetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetyl-muramyl-L-alanyl-γ-D-isoglutamin
yl]-L-lysyl-L-prolyl-L-argin
ine}:
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル−L−トレオニル
−L−リシル−L−プロリル−L−アルギニン[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1-
4)-N-acetyl-muramyl-L-alan yl-γ-D-isoglutaminyl-L-threonyl-L-lysyl-L-pr
olyl-L-arginine]:
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−L−アラニル−α−D−グルタミル−L−リシル−L−トレ
オニル−Nε−ステアロイル−L−リシル−L−プロリル−L−アルギニン[N-a
cetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-α-D-glutamyl-L-l
ysyl-L-threonyl-Nε-stearoyl-L-ly
syl-L-prolyl-L-arginine]:
下記構造を有するNε−[N−アセチル-D−グルコサミニル−(β1−−4
)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル]−L−
リシル−L−ヒスチジル−L−グリシン アミド{Nε-[N-acetyl-D-glucosaminy
l-(β1--4)-N-acetyl-muramyl-L-alanyl-γ-D-isoglutaminyl]-L-lysyl-L-histi
dyl-L-glycine amide}:
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−グルタミル−L
−トリプトファン[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetylmuramyl-L-alan
yl-D-isoglutaminyl-L-glutamyl-L-tryptophan]:
下記構造を有するN−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−ε−アミノヘキサノ
イル−L−グルタミル−L−トリプトファン[N-acetyl-D-glucosaminyl-(β1--4
)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isoglutaminyl-ε-aminohexanoyl-L-glutamyl-L
-tryptophan]:
下記構造を有するNα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4
)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル]−Nε−ス
テアロイル−L−リシル−L−グルタミル−L−トリプトファン{Nα-[N-acetyl
-D-glucosaminyl-(β1--4)-N-acetyl-muramyl-L-alanyl-D-isoglutaminyl]-Nε-
stearoyl-L-lysyl-L-glutamyl-L-tryptophan]:
下記構造を有するN−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミ
ン(N-acetylmuramyl-L-threonyl-D-isoglutamine):
下記構造を有するN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン n
−ブチルエステル(N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-glu tamine n-butyl ester):
上記構造において、以下の略称を用いる:
Bzl ベンジル;
Me メチル;
Ahx ε−アミノヘキサノイル。
最も好ましい化合物は、GMDP、GMDP−A、及びムラブチド(murabutid
e)である。
一般式IIの概念に含まれるグルコサミニル−ムラミルジペプチド(glucosami
nyl-muramyl dipeptide)は、US−A−4395399号に開示された方法によ
り比較的安価にかつ適度に大量に調製できる。開示された調製方法は、細菌ミク
ロコッカス リソデクティカス(Micrococcus lysodecticus)由来の二糖成分の抽
出及び精製、さらには例えば公知のペプチド化学により合成されるジペプチドへ
の化学的な連結(linkage)を基礎とするものである。しかしながら、二糖は標準
的な糖化学を用いて化学的に合成されていてもよい。
本発明のムラミルペプチド化合物の有効性は経口投与法を用いて示されている
。この例の処方は、製薬上許容される賦形剤、すなわちラクトース、澱粉、ポリ
ビドン、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを含む錠剤からなる。ムラミル
ペプチド化合物は、必要により、維持および/または遅延のデリバリー用に処方
できる。胃の被覆はその他のオプションである。
正確な経口投与量は、常に、臨床家または医師によることが好ましいと思われ
る。それを条件として、日々の経口投与量は一日当り0.1〜50mg(または
ユニット量)、好ましくは0.5〜50mgが許容できることが見出された。1
〜20mgの日々の投与量が最適だと考えられる。
さらに、投与期間は変化させてもよい。もちろん、その期間はある程
度投与レベルに依存する、すなわち投与量が少ない場合には投与を必要とする期
間は長くなる。一般に、投与期間は1〜60日、好ましくは1〜30日、さらに
好ましくは1〜14日である。そのうえ、投与は毎日である必要はない:実施例
2は、処方計画、すなわち3日間一日当り一度GMDP、3日間GMDPの投与
なし、その後さらに3日間一日当り一度のGMDPを示した。その他の変形、例
えば毎日も可能である。
ムラミルペプチド化合物は目の症状を処置することを目的とするものであるの
で、目に対して局所投与用に処方することもできる。かかる処方は、一般に、通
常かかる処方に見出される製薬上許容される賦形剤などを含んでいる。
かかる処方は新規であり、それ故、本発明の第4の態様において、ムラミルペ
プチド化合物と製薬上許容される賦形剤またはキャリアーを含む製薬組成物を提
供できる;かかる組成物は目に局所的に投与するように処方されることを特徴と
する。
目に局所投与するように処方される際に、かかる組成物は1若しくはそれ以上
のムラミルペプチドを製薬上許容できる軟膏やクリーム中に含むことができる。
また、かかる処方は、当業界において普通であって当業者に公知である緩衝液や
保存薬を適宜含むドロップの形態でもよい。
正確な局所投与量は、常に、臨床家または医師によることが好ましいと思われ
る。それを条件として、日々の局所投与量は一日当り0.1〜100mg(また
はユニット量)、好ましくは0.5〜50mg(またはユニット量)が許容でき
ることが見出された。1〜20mgの日々の投与量が最適だと考えられる。
本発明は、次の非制限的な実施例や図面を用いて示される:
図1:目のヘルペス性感染の症状の消散に関するムラミルペプチド化合物GMD
Pとプラシーボとの効果の比較を示す図面である。
図2:樹状突起性角膜炎を患う患者の上皮治癒に関するムラミルペプチド化合物
GMDPとプラシーボとの効果の比較を示す図面である。
図3:ヘルペス性間質角膜炎の患者の臨床症状の完全な明化の発生率に関するム
ラミルペプチド化合物GMDPとプラシーボとの効果の比較を示す図面である。実施例1 眼のヘルペスの処置におけるGMDPの使用
試験はヘルペス性の目の病気を有する患者に対して行われた。16〜60才の
患者25人がこの試験に加わった。男16人、女9人であった(表1)。
患者は2グループに分けられた。第1のグループの患者は、間質損傷を備える
樹状ヘルペス性角膜炎(DK)を示し(13患者)、他方、第2のグループはヘ
ルペス性ケラトウベイティス(keratouveitis)(KU)を示した(12患者)。
間質損傷の樹状突起角膜炎の患者の感染は、目瞼や球状結膜炎の巻き込み、角
膜における上皮の潰瘍化の存在および枝別れ(branching)する病巣周辺の間質湿
潤の形態の表面間質層を伴う。ある患者には、デスメ膜炎や紅彩炎の症状が観察
された。
試験の開始前に、ケラトウベイティスを有する患者の支配的な症状は間質炎症
であり、水腫、湿潤や目の血管膜の炎症を伴う。病気の激烈性の程度は14から
21ポイントに変化した。
対照やGMDPに割り当てられた患者の試験前の臨床評点は表1に示される。
試験はプラシーボ制御で、二重ブラインドであり、患者は10日間一日当り1
mgのGMDPかまたは同じプラシーボ錠のいずれかを受けた。この試験に参加
した患者の全ては、病気の激烈性や臨床性に適する局所
や全身の治療を受けた。
試験前に次の工程を実施した:ケース歴史データの収集;臨床検査;温度;臨
床分析用の血液サンプル(ヘモグロビン、完全細胞計数、ESR);細菌学上の
分析用の感染した目の結膜炎からのサンプリング。
眼の検査には、視覚明瞭度の試験、フルオレセイン染色後の目の生体顕微鏡検
査法、眼内検査、マクロコーフ(Maklokov)の眼圧計による眼内圧力、眼の症状に
より不可能でなければ触診によるものが含まれる。
免疫学的な検査には次のものが含まれる:感染した眼の結膜炎から切屑の採取
;感染や非感染の涙の採取;血液サンプル。
臨床や免疫学的な検査が全て終了した後(診療所に入所第1及び第2日)、患
者は試みに入り、薬剤を投与された。
処置や観察の工程において、患者の治療状態や体温の日々の監視やフルオレセ
イン染色後に眼の生体顕微鏡検査を行った。3日ごとに、視覚明瞭度を試験し、
眼圧計法を実施した。試験中に薬剤の投与後、ヘモグロビンや免疫学的な検査を
3〜4日間繰り返した。結膜炎嚢(包)の内容の細菌学的な分析およびその他の
別の検査を、指示にしたがって行った。眼の病気の激烈性の評価
病気の激烈性を評価するために、臨床症状を3点法にしたがって評価した:重
度(severe)3、中程度(medium)2、軽度(light)1。病気の各症状は点で
評価し、炎症の全強度を決定した。
臨床評価は、視覚明瞭度評価に加えて患者に対して日々記録した。薬剤の安全性および耐性
これは臨床検査、すなわち患者の自覚観察、アレルギー副反応の制御、内部器
官、体温、血液学的な結果の条件に関する客観的なデータに基づいて評価された
。
臨床効能の評価は次の判断基準に基づいて行った:
・上皮症の程度や角膜上皮形成の完成する時間
・紅彩炎症状の消失
・間質湿潤の消散
・炎症プロセス中の合併症やその特性
・視覚明瞭度の変化。結果
(i)安全性と耐性
薬剤に帰する自覚病訴や副反応は観察されなかった。一般に健丈な状態が維持
され、臨床血液試験において発熱や顕著な変化は観察されなかった。
(ii)有効性および活性
2つのサブグループにおいて処置およびプラシーボの患者の臨床成果は表2で
比較される。大部分のパラメーターに対し、より急速治癒の傾向がGMDP処置
グループ、特にDKやKUの結果がプールされるときに観察された。しかしなが
ら、これらの結果は十分に顕著ではなかった。多くのパラメーターに対し、KU
患者のGMDP処置グループにおいて好ましくない消散が観察された。これらの
結果は、特に徐々に回復した単一固体により大きな程度に影響を受けるように思
われた。視覚明瞭度においてより大きな増加が、プラシーボグループよりも処置
グループにおいて観察された。これはKDの患者やKUの患者の双方に適用した
。
時間に対する臨床パラメーターの進行は図1と図2とに示される。GMDP処
置グループにおける急速治癒に向かう一貫した傾向は、再度、観察された。結論
i)臨床試験は、樹状態突起ヘルペス角膜炎の患者の処置においてGM
DPの明確な利益を示した。
ii)免疫学的な制御の結果は、試験中に薬剤の有効性に関する関係を有するこ
とができる一貫した傾向を示さなかった。しかしながら、HSVについてのリン
パ球反応性の消失は、GMDPを投与された患者のグループにおいて明確に調べ
られた。感染した眼の結膜炎においてHSV抗原を示す試験にしたがって、GM
DPを投与された患者において一定の利益に気付く。
iii)次の因子に気付いた:GMDPとプラシーボの優れた耐性;副アレルギ
ー反応の不存在とともに一般的な治療状態における変化の不存在;体温と臨床血
液指数。
実施例2 ヘルペス性間質角膜炎の処置におけるGMDPの使用
第2の臨床的試みは、実施例1に記載と類似の方法で行った。ヘルペス性間質
角膜炎を患う60人の患者は登録し、GMDPまたは同一のプラシーボでランダ
ムに処理した(30人の2グループ)。
投与量は一日当り20mgのGMDPであり、投与は次のスケジュールにした
がって行った:3日間一日当り一度のGMDPもしくはプラシーボ、3日間の休
息(GMDP/プラシーボなし)、3日間一日当り一度のGMDPもしくはプラ
シーボ。
さらに、患者は通常の方法に適応して付随処置(抗ウイルス性アシクロビル、
抗生物質など)を受けた。
処置の評価は、次のパラメーターを調べるスコアー法で行った:間質関係(皮
相の、深層の、角膜水腫、デスメ膜炎)、角膜潰瘍化(斑点状、領)、眼内関係
(網膜沈着、ハイポピオン(hypopion)、紅彩炎)、過剰気圧症(hyperaemia)(結
膜炎性や角膜周囲)。
結果によれば、GMDP処置は大部分の臨床症状の消散を高揚し、視力明瞭度
を回復することを示した。例えば、間質関係の50%消散の平均期間は、プラシ
ーボグループでは7.3日、GMDPグループでは5.8日であった。完全に消
散する期間は、それぞれ、14.9日、10.6日であった。完全に明化する時
間経過は図3に示される。連続時間ポイント(カイ自乗試験)における明化の発
生率の分析によれば、8日と14日(この日を含む)の間にGMDPを受ける患
者は、プラシーボグループと比較して顕著(<0.05)な明化を示すことが示
された。GMDPグループの視覚明瞭度は10日で平均0.60に達し、一方、
プラシーボグループはたった0.49であった。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年9月25日
【補正内容】
請求の範囲
1. 眼の病気または症状の処置用の薬剤調製における式IIで表されるムラ
ミルペプチド化合物の使用:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基と置換されており
;さらにnは1または2である。
2. 眼の病気または症状に関連する角膜瘢痕化の処置または予防用の薬剤調
製における式IIで表されるムラミルペプチド化合物の使用:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基と置換されており
;さらにnは1または2である。
3. 式IIで表されるムラミルジペプチド:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基と置換されており
;さらにnは1または2である、および抗ウイルス剤とを含む眼の病気または症
状の処置の同時、別々または連続的に使用する組み合わせ製剤としての生成物。
4. 前記第2薬剤は、抗ウイルス剤、抗菌剤、ステロイドまたは非ステロイ
ド抗炎症剤である請求項3に記載の生成物。
5. 前記第2薬剤は、アシクロビル、イドクスウリジン、クロラムフェニコ
ール、クロルテトラサイクリン、フシジン酸、ゲンタマイシン、ネオマイシン、
オフロキサシン、ポリミキシン、テトラサイクリン、トブラマイシン、ベタメタ
ゾン、クロベタゾン、デキサメタゾン、フルオロメトロン、ヒドロコルチゾン、
プレドニゾロンまたはフルルビプロフェンである請求項4に記載の生成物。
6. 前記第2薬剤はアシクロビルまたはイドクスウリジンである請求項5に
記載の生成物。
7. 前記眼の病気または症状は、結膜炎、角膜炎などの角膜の障害、眼瞼の
障害、ドライアイ、または眼の損傷である請求項1または請求項2に記載の使用
または請求項3〜6のいずれか1項に記載の生成物。
8. 前記症状はヘルペス性間質角膜炎である請求項7に記載の使用または生
成物。
9. 前記nは1である請求項1〜8のいずれ1項に記載の使用または生成物
。
10. 前記近位アミノ酸残基はL−アミノ酸残基である請求項9に記載の使
用または生成物。
11. 前記近位アミノ酸残基(またはそれが1つであればただ一つのアミノ
酸残基)はL−アラニン残基である請求項10に記載の使用または生成物。
12. ペプチドの近位端からの第2アミノ酸残基は、それが存在すれば、D
−配位である請求項9〜11のいずれか1項に記載の使用または生成物。
13. 前記第2アミノ酸残基は、D−グルタミン酸またはD−アスパルチン
酸またはそれらのモノ、ジまたは混合した炭素数1〜22(好ましくは炭素数1
〜6)のアルキルエステル、アミドまたは炭素数1〜4のアルキルアミドである
請求項12に記載の使用または生成物。
14. 第2アミノ酸残基はD−イソグルタミニルまたはD−グルタミルであ
る請求項11〜13に記載の使用または生成物。
15. ペプチドの近位端からの第3アミノ酸残基は、それが存在すれば、L
−配位である請求項9〜14のいずれか1項に記載の使用または生成物。
16. 第3アミノ酸残基はL−アラニルまたはL−リシルである請求項15
に記載の使用または生成物。
17. 前記アミノ酸残基または線状ペップチドが任意に少なくとも1つの親
油性基と置換されてなる請求項9〜16のいずれか1項に記載の使用または生成
物。
18. 前記化合物はN−アセチル−グルコサミニル−N−アセチル−ムラミ
ル−L−アラニル−D−イソグルタミン(GMDP)である請
求項9に記載の使用または生成物。
19. 前記化合物は
N−アセチル−D−グルコサミニル−N−アセチル−ムラミル−L−アラニル
−D−イソグルタミン酸(GMDP−A);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−アセチルムラミル−
L−アラニル−D−グルタミン n−ブチルエステル(GMDP−OBu);
Nα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−アセチルム
ラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル]−Nε−ステアロイル−L−リ
シン(GMDP−Lys(St);
Nα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチル
ムラミル−L−アラニル−γ−D−グルタミル]−Nε−ステアロイル−L−リ
シン(GMDPA−Lys(St));
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−D−グルタミン酸 ジベンジルエステル(GMDPA(OBZ
L)2);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−N−メチル−L−アラニル−D−イソグルタミン(Me−GMDP);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−イソグルタミン)((GMDP
)2);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−グル
タミン酸)((GMDPA)2);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−リシン
)((GMDPLys)2);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−ビス−[L−アラニル−D−イソグルタミニル−Nε−ステ
アロイル−L−リシン]([GMDP−Lys(St)]2);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−D−イソグルタミン 1−アダマンチルエステル(GMDP−
Ad);
L−トレオニル−Nε−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4
)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル]−L−
リシル−L−プロリル−L−アルギニン(GMDP−タフトシンE);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル−L−トレオニル−L−リシル−L
−プロリル−L−アルギニン(GMDP−タフトシンA);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−α−D−グルタミル−L−リシル−L−トレオニル−Nε−ス
テアロイル−L−リシル−L−プロリル−L−アルギニン(GMDP−タフトシ
ン親油性);
Nε−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル]−L−リシル−
L−ヒスチジル−L−グリシン アミド(GMDP−ブルシン);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−グルタミル−L−トリプトファン
(GMDP−チモゲン(thymogen)I);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−D−イソグルタミニル−ε−アミノヘキサノイル−L−グルタ
ミル−L−トリプトファン(GMDP−チモゲン(thymogen)II);
Nα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチル
ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル]−Nε−ステアロイル−L−
リシル−L−グルタミル−L−トリプトファン(GMDP−チモゲン(thymogen)
III);
N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(Thr−MD
P);または
N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン n−ブチルエステル
(ムラブチド(Murabutide))である請求項7に記載の使用または生成物。
20. 眼の症状を患う患者に有効量の式IIのムラミルペプチド:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基と置換されており
;さらにnは1または2である、を投与することを特徴とする眼の症状を処置す
る方法。
21. 眼の病気を患う患者に有効量の式IIのムラミルペプチド化合物:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基と置換されており
;さらにnは1または2である、を投与することを特徴とする眼の病気と関連し
た角膜瘢痕化を処置または予防する方法。
22. 眼の症状を患う患者に有効量の式IIのムラミルペプチド化合物:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基
と置換されており;さらにnは1または2である、と有効量の第2薬剤と組み合
わせて投与することを特徴とする眼の症状を処置する方法。
23. 投与される前記ムラミルペプチド化合物はGMDPである請求項20
〜22のいずれか1項に記載の方法。
24. 一日当り0.1〜50mgのGMDPが投与される請求項23に記載
の方法。
25. 一日当り0.5〜50mgのGMDPが投与される請求項24に記載
の方法。
26. 一日当り1〜20mgのGMDPが投与される請求項25に記載の方
法。
27. 投与期間は1〜60日である請求項20〜26項のいずれか1項に記
載の方法。
28. 投与期間は1〜30日である請求項27に記載の方法。
29. 投与期間は1〜14日である請求項28に記載の方法。
30. 前記化合物は次のように投与される:
(i)3日間投与;
(ii)3日間投与せず;
(iii)3日間投与
請求項20〜26のいずれか1項に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】1997年3月27日
【補正内容】
請求の範囲
1. 眼の病気または症状の処置用の薬剤調製における式IIで表されるムラ
ミルペプチド化合物の使用:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基と置換されており
;さらにnは1または2である。
2. 眼の病気または症状に関連する角膜瘢痕化の処置または予防用の薬剤調
製における式IIで表されるムラミルペプチド化合物の使用:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基
と置換されており;さらにnは1または2である。
3. 式IIで表されるムラミルジペプチド:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基と置換されており
;さらにnは1または2である、および抗ウイルス剤とを含む眼の病気または症
状の処置の同時、別々または連続的に使用する組み合わせ製剤としての生成物。
4. 前記抗ウイルス剤はアシクロビルまたはイドクスウリジンである請求項
3に記載の生成物。
5. 前記眼の病気または症状は、結膜炎、角膜炎などの角膜の障害、眼瞼の
障害、ドライアイ、または眼の損傷である請求項1または請求項2の使用または
請求項3または請求項4に記載の生成物。
6. 前記症状はヘルペス性間質角膜炎である請求項5に記載の使用または生
成物。
7. 前記nは1である請求項1〜6のいずれ1項に記載の使用または生成物
。
8. 前記近位アミノ酸残基はL−アミノ酸残基である請求項7に記載の使用
または生成物。
9. 前記近位アミノ酸残基(またはそれが1つであればただ一つの
アミノ酸残基)はL−アラニン残基である請求項8に記載の使用または生成物。
10. ペプチドの近位端からの第2アミノ酸残基は、それが存在すれば、D
−配位である請求項7〜9のいずれか1項に記載の使用または生成物。
11. 前記第2アミノ酸残基は、D−グルタミン酸またはD−アスパルチン
酸またはそれらのモノ、ジまたは混合した炭素数1〜22(好ましくは炭素数1
〜6)のアルキルエステル、アミドまたは炭素数1〜4のアルキルアミドである
請求項10に記載の使用または生成物。
12. 第2アミノ酸残基はD−イソグルタミニルまたはD−グルタミルであ
る請求項9〜11に記載の使用または生成物。
13. ペプチドの近位端からの第3アミノ酸残基は、それが存在すれば、L
−配位である請求項7〜12のいずれか1項に記載の使用または生成物。
14. 第3アミノ酸残基はL−アラニルまたはL−リシルである請求項13
に記載の使用または生成物。
15. 前記アミノ酸残基または線状ペップチドが任意に少なくとも1つの親
油性基と置換されてなる請求項7〜14のいずれか1項に記載の使用または生成
物。
16. 前記化合物はN−アセチル−グルコサミニル−N−アセチル−ムラミ
ル−L−アラニル−D−イソグルタミン(GMDP)である請求項7に記載の使
用または生成物。
17. 前記化合物は
N−アセチル−D−グルコサミニル−N−アセチル−ムラミル−L−アラニル
−D−イソグルタミン酸(GMDP−A);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−アセチルム
ラミル−L−アラニル−D−グルタミン n−ブチルエステル(GMDp−OB
u);
Nα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−4)−N−アセチルム
ラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル]−Nε−ステアロイル−L−リ
シン(GMDP−Lys(St);
Nα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチル
ムラミル−L−アラニル−γ−D−グルタミル]−Nε−ステアロイル−L−リ
シン(GMDPA−Lys(St));
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−D−グルタミン酸 ジベンジルエステル(GMDPA(OBZ
L)2);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−N−メチル−L−アラニル−D−イソグルタミン(Me−GMDP);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−イソグルタミン)((GMDP
)2);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−グルタミン酸)((GMDPA
)2);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−ビス−(L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−リシン
)((GMDPLys)2);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−(β1−−4)−N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−
アセチルムラミル−ビス−[L−アラニル−D−イソグルタミニル−Nε−ステ
アロイル−L−リシン]([GMDP−Lys(St)]2);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−D−イソグルタミン 1−アダマンチルエステル(GMDP−
Ad);
L−トレオニル−Nε−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4
)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル]−L−
リシル−L−プロリル−L−アルギニン(GMDP−タフトシンE);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル−L−トレオニル−L−リシル−L
−プロリル−L−アルギニン(GMDP−タフトシンA);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−α−D−グルタミル−L−リシル−L−トレオニル−Nε−ス
テアロイル−L−リシル−L−プロリル−L−アルギニン(GMDP−タフトシ
ン親油性);
Nε−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチル
ムラミル−L−アラニル−γ−D−イソグルタミニル]−L−リシル−L−ヒス
チジル−L−グリシン アミド(GMDP−ブルシン);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−グルタミル−L
−トリプトファン(GMDP−チモゲン(thymogen)I);
N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチルムラミル
−L−アラニル−D−イソグルタミニル−ε−アミノヘキサノイル−L−グルタ
ミル−L−トリプトファン(GMDP−チモゲン(thymogen)II);
Nα−[N−アセチル−D−グルコサミニル−(β1−−4)−N−アセチル
ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル]−Nε−ステアロイル−L−
リシル−L−グルタミル−L−トリプトファン(GMDP−チモゲン(thymogen)
III);
N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(Thr−MD
P);または
N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン n−ブチルエステル
(ムラブチド(Murabutide))である請求項7に記載の使用または生成物。
18. 眼の症状を患う患者に有効量の式IIのムラミルペプチド:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基と置換されており
;さらにnは1または2である、を投与することを特徴とする眼の症状を処置す
る方法。
19. 眼の病気を患う患者に有効量の式IIのムラミルペプチド化合物:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基と置換されており
;さらにnは1または2である、を投与することを特徴とする眼の病気と関連し
た角膜瘢痕化を処置または予防する方法。
20. 眼の症状を患う患者に有効量の式IIのムラミルペプチド化合物:
ただし、式中、Rはアミノ酸残基または2〜6のアミノ酸残基を構成する線状
ペプチドであり、前記残基の少なくとも1つが任意に親油性基と置換されており
;さらにnは1または2である、と有効量の第2薬剤と組み合わせて投与するこ
とを特徴とする眼の症状を処置する方法。
21. 投与される前記ムラミルペプチド化合物はGMDPである請求項18
〜20のいずれか1項に記載の方法。
22. 一日当り0.1〜50mgのGMDPが投与される請求項21に記載
の方法。
23. 一日当り0.5〜50mgのGMDPが投与される請求項22に記載
の方法。
24. 一日当り1〜20mgのGMDPが投与される請求項23に記載の方
法。
25. 投与期間は1〜60日である請求項18〜24項のいずれか1項に記
載の方法。
26. 投与期間は1〜30日である請求項25に記載の方法。
27. 投与期間は1〜14日である請求項26に記載の方法。
28. 前記化合物は次のように投与される:
(i)3日間投与;
(ii)3日間投与せず;
(iii)3日間投与
請求項18〜24のいずれか1項に記載の方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/65 A61K 31/65
38/00 ABL C07K 14/47
C07K 14/47 C07H 15/04 F
// C07H 15/04 A61K 37/02 ABL
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 マイチョーク,イオウリ
ロシア連邦,103064,モスクワ,14/10,
サドバジャ−ケルノグリアズザージャ,モ
スクワ ヘルムホルツ インステチューテ
オブ オフ タルモルジー(番地なし)
(72)発明者 アンドロノーフ,タチャナ ミクハイロー
フナ
ロシア連邦,117871,モスクワ,16/10,
ユー1 ミクルクホ−マクラヤ,ルシアン
アカデミー オブ サイエンス,シェミ
アキン アンド オブヒンコーフ インス
テチューテ オブ バイオオーガニック
ケミストリー(番地なし)