JPH10504528A - サブミクロンの粒子による歯の感覚過敏症の治癒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 カチオンチャージされたコロイド類を含む燐酸塩フリーの口内用組成物は、歯の感覚過敏症を治癒するのに有効なものである。

Description

【発明の詳細な説明】 名称 サブミクロンの粒子による 歯の感覚過敏症の治癒 発明の背景 １． 発明の分野 この発明は、感覚過敏性の歯を研磨性が少なくなっているマテリ アルを用いて治癒する組成物と方法とに関するものである。 ２． 関連の技術の記述 歯の感覚過敏性は、歯科医学において頻繁に遭遇する問題であり 、極めて厄介な臨床上の症状である。歯の感覚過敏症は，例えば、温度変化、圧 力変化、化学作用または浸透作用の変化などの種々の条件の結果として、痛みと 不快さとを感じさせる。歯の象牙質が露出すると、感覚過敏症になる場合が多い 。歯の象牙質は、すりへり、歯肉の落ち込み、摩耗、歯周病、不適切なデンタル ケアーなどにより露出してしまう。感覚過敏性の歯を治癒する方法としては、過 敏性を除く歯磨きまたは溶液が通常行われる。 歯の感覚過敏さをなくす一つの試みは、露出した歯細管をふさぐ ことである。これらの流体がつめられた細管は、歯髄から象牙質の表面に達して いる。歯の表面が侵食されると、歯細管が外側に現れるようになる。露出した象 牙質細管は、温度、圧力、イオン勾配などの変化などの外的剌激を歯髄神経へ直 接伝える道になり、神経ですごい痛みを感じてしまう。該細管をふさぐことで、 神経への外的剌激作用を減らし、これによって、神経で感じる痛みを減らしたり 、なくしたりする。 細管閉塞剤は、種々の方法で調剤できる。ペースト状およびゲル 状のものを含む歯磨剤が使用でき、マウスウオッシュや口腔内すすぎ剤が使用で き、歯科医が施すコーティングも使用されて細管閉塞剤を歯の象牙質へ付与する 。 敏感な歯を治癒するのに効果があるとされる治癒剤は、多くのも のが知られている。これらの治癒剤のいくつかのものは、歯の象牙質細管をふさ ぐことができる点を誇示している。例えば、１９６４年２月２５日にローゼンタ ール へ付与された米国特許第３，１２２，４８３号は、過敏性治癒剤としてスト ロンチウムイオンを使用することを 教示している。関連した特許には、１９９２年１０月１７日にショーレ他へ付与 された米国特許第３，６９９，２２１号；１９９１年２月５日にナイリンクスへ 付与された米国特許第４，９９０，３２７号；および１９９２年２月１１日にジ ャクソン他 へ付与された米国特許５，０８７，４４４号が含まれる。１９９２年 ９月２３日にシャーへ付与された米国特許第４，２２４，３１０号は、ストロン チウムＥＤＴＡに関するもので、これに対しヨーロッパ出願第３９０，４５６号 には、水溶性ストロンチウムとカリウム塩とを組み合わせたものが記載されてい る。１９９１年５月１４日にストローへ付与された米国特許第５，０１５，４６ ５号は、酢酸塩類、塩化物類、硝酸塩類、乳酸塩類および臭化物類のようなスト ロンチウム塩に触れている。１９７７年１１月８日にパシュレイ他へ交付された 米国特許第４，９５７，６２１号と１９８５年９月３日にこれもパシュレイヘ交 付された米国特許第４，５３８，９９０号は、アルカリ金属またはアンモニウム ・オキシレートの使用を記載している。１９７５年１月２８日にホドッシュへ交 付された米国特許第３，８６３，００６号アルカリ金属硝酸塩の使用を記載して いる。くえん酸と、くえん酸ナトリウムとは、１９７７年３月８日にラッツへ交 付された米国特許第４，０１１，３０９号に記載され、一方、塩化カルシウムニ 水和物、塩化マグネシウム六水和物、塩化ナトリウムおよび重炭酸カリウムは、 １９７２年９月５日にシャイダへ交付された米国特許第３，６８９，６３６号に 記載されている。カリウム硝酸塩とストロンチウム硝酸塩は、１９９０年６月１ ２日にブリストウ他へ交付された米国特許第４，９３３，１７１号に記載されて おり、歯細管をカバーする保護バリヤーを形成する共重合体の使用が１９９２年 ７月２８日にスウー他へ交付された米国特許第５，１３３，９５７号に記載され ている。英国特許第２２３９，６０１号は、アルカリ金属塩に塩化物、硝酸塩、 周期率表IIの金属又はアルミニウムまたは重合可能なモノマーの硫酸塩または酢 酸塩を組み合わせて、細管を覆う保護コーティングを形成することを教えている 。 感覚過敏症を治すものとして粒子状マテリアルを使用することも すでに知られている。かくて、１９９１年２月１２日にメイソンへ交付された米 国特許第４，９９２，２５８号は、歯髄のハイドロリック・コンダクタンス・チ ャンバーを用いて歯細管をブロックするのに有効なものとして粒径が２ミクロン 以下のモンモリロナイト粘土を使用することを記載している。１９８７年２月２ ４日にナカシマ他へ交付された米国特許第４，６４５，６２２号においては、約 １〜３ミクロンの範囲の直径をもつとしている歯細管 を、可溶性アルミニウム・カルボン酸塩コンパウンドを用いてふさぐか、または 、収縮している。該組成物の他の成分は、利用できるアルミニウムイオンの数を 減らさないように選ばれている。濃度５〜５０％のアルミナが研磨剤として示唆 されている。１９８７年１月６日にシェーラーへ交付された米国特許第４，６３ ４，５８９号は、粒径が８ミクロン以下、好ましくは、４ミクロン以下のアパタ イトを歯の象牙質細管をふさぐ感覚過敏性をなくす剤として使用することを記載 している。アパタイトは、燐酸カルシウム、燐酸カルシウムフッ化物および炭酸 カルシウム燐酸塩からなる。１９９１年８月６日にツンへ交付された米国特許第 ５，０３７，６３９号には、アモルファスのカルシウム化合物を使用し、これを 象牙質組織に施して、そこにアパタイトを急速に形成し、かくて歯を再無機質化 し、意図とおりに象牙質の感覚過敏性を抑えることが教示されている。 感覚過敏性をなくす目的以外の種々の目的のために、デンタルコ ンポジションに小さな粒子サイズにされたマテリアルを使用することは、知られ ている。例えば、１９８６年９月１６日にイエー他へ交付された米国特許第４， ６１２，１９１号は、粒径が１ミクロン以下である無水アルミニウム・シリケー ト（カオリンまたはカオポライトとして市販）とシリカ粒子とを組み合わせたも のをステインとり研磨システムに使用することが記載している。英国特許第１， ４４９，９８１号は、研磨度が低い歯磨剤に０．１〜５０ミクロンのポリマー粒 子を含むことを示している。同様に、１９８１年１月２２日にグレース他へ交付 された米国特許第４，９８６，９８１号は、歯垢、ムチンおよび歯石をとる低研 磨度であって、その研磨システムに１ミクロンのアルミナを含む練り歯みがきを 記載している。１〜１５ミクロンのハイドロキシアパタイトを口腔内感覚過敏性 消去剤コンポジションにおける研磨剤として使用することは、１９９０年６月１ ２日にブリストウ他へ交付された米国特許第４，９３３，１７１号に論じられて いる。 １９９３年９月１４日にカヤネへ交付された米国特許第５，２４ ４，６５１号は、感覚過敏性象牙質を過敏にさせない方法を記載している。この 方法は、多価金属と燐酸ポリオールとのコンビネーションで歯を治癒するもので ある。このコンビネーションは、金属水酸化物のコロイドを作る。明らかに、こ のコロイドは、燐酸塩コンパウンドで安定化される。このコンパウンドは、酸性 媒体または中性水性媒体において、塩化物、硫酸塩、またはマグネシウムの硝酸 塩、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、鉄チタン、アルミニウム、クロミウム、 マンガン、銅、ニッケル、コバルト、ビスマス、錫、バナジウ ム、ニオビウム、ジルコン、アンチモニー、インジウム、または燐酸ポリオール をもつランタノイドを組み合わせて調製される。この媒体は、ついでｐＨを中性 に調整される。好ましい燐酸塩には、燐酸グリセリンが含まれる。 デンタルコンポジションに磨き剤としてアルミナ粒子が伝統的に 使用されてはいるが、過敏症をなくす特性は、このマテリアルに直接よるもので はない。（Ｊ．Ｄｅｎｔ．Ｒｅｓ．１９８３；６２（Ｓｐｅｃ．Ｉｓｓｕｅ）： ４３３（Ａｂｓｔｒ．１６５），モスタファ他参照）。モスタファ他は、磨きマ テリアル（アルミナ、シリカ炭酸カルシウムなど）がＳＥＭフォトマイクログラ フに見られるように象牙質に作用していることを示し、磨き剤は、細管をふさい で歯の象牙質の感覚過敏性を減らすことに重要な役割を果たしていると結論して いる。しかし、出願人は、研磨およびポリッシンググレードのアルミナ、アルミ ニウム酸化物およびアルミニウム・シリケートは、象牙質円盤状組織を流れる象 牙質流体フローを減らすには、効果がないことを発見した。したがって、アルミ ナを含む陽イオンチャージのコロイド状粒子が象牙質細管をふさいで、象牙質の フローを減らすことに効果があるとする知見は、驚くべきものであり、予知でき ないものであることは過去のものである。 露出した歯の細管の面にミネラル類をデポジットさせる剤は、あ る程度のものが知られているが、場合によっては、ブラッシングによる磨き作用 が歯の表面全体にスミア層を作り、ふさがれていない細管をふさぐ。歯の細管を 流れる間隙をぬっての流体の流れで粒子状ものが蓄積されたり、細管内で再無機 質化されたりすることでも細管を自然にふさいぐことができる。 感覚過敏性の歯に、閉塞性の歯みがきを用いて治癒する点での一 つの難点は、歯をみがくブラッシング作用、特に、研磨性の歯みがきでブラッシ ングすると、閉塞性のマテリアルを、特に、細管の入り口に滞留することになる 新たに加えられたマテリアルを細管から取り除いてしまうことである。発明の概要 本発明の主たる目的は、したがって、新規の歯象牙質の感覚過敏 性を消去する治癒剤と、この剤を含む組成物を提供することにある。 この発明の付随の目的は、研磨度合いを低め、これによって、研 磨性が高い組成物による細管閉塞に及ぼす有害な作用を減らす組成物を提供する ことにある。 この発明の他の目的は、発明の感覚過敏性治癒剤により感覚過敏 性の歯を治癒する方法を提供することにある。 この発明の一つの利点は、発明の感覚過敏性治癒剤が摩耗度合い を少なくする低減剤として作用することでもある。 発明の付加的目的および利点は、以下の記述により、それらの一 部が明らかになり、そして、さらに一部は、この記述から明白になり、または、 発明を実施することで知ることができる。この発明の目的ならびに利点は、添付 の請求の範囲に特に指摘の手段ならびに組み合わせによって実現され、達成され る。 前記目的を達成するために、そして、この発明の目的に従って、 ここに具体化され、広く記載されたように、この発明は、感覚過敏症の歯の治癒 のために、陽イオンチャージされたコロイド状粒子を含む組成物を提供する。 前記目的をさらに達成するために、そして、この発明の目的に従 って、この発明は、さらに、歯の少なくとも過敏症になった領域に陽イオンチャ ージのコロイド状粒子を含む組成物を施すことで、感覚過敏症の歯を治癒する方 法を提供するものである。 この発明の他の特徴ならびに利点は、添付の図面を参照しての発 明の以下の記述により明らかになる。発明の実施例の詳細な記述 発明の現に好ましい実施例について、詳細に触れることにする。 この発明によれば、歯の感覚過敏症治癒剤としてカチオニックに チャージされたコロイド状粒子が使用される。これら粒子は、歯科的に許容され るキャリヤと共に用いられ、水性懸濁液、歯みがき、ゲル、マウスウオッシュ、 錠剤、口内粘着パッチ、ガムまたは他の口腔用組成物などのあらゆるタイプの口 腔用組成物物に仕上げられ、定期的に使用することで、感覚過敏症の歯の痛みと 不快さを和らげることができる。 発明の粒子は、周期率表ＩＢ、IIＡ、IIＢ、IIIＡ、IIIＢ、IVＢ 、ＶＡ、ＶＢ、VIIＢおよびVIIIＢからの金属からなる化合物から選ばれたもの であることが好ましく、ランタニド類が含まれる。経済的な理由から、前記金属 は、通常の閉塞コンパウンド、例えば、アルミナであることが好ましく、これら のコンパウンドは、毒性があってはならないものである。前記金属は、Ｙ，Ｔｉ ，Ｖ，Ｃｒ，Ｍｎ，Ｆｅ，Ｃｏ，Ｃｕ，Ｚｎ，Ａｌ ，Ｍｇ，Ｃａ，Ｓｒ，Ｂａ，Ｚｒ，Ａｇ，Ｓｎ，Ｂｉ，Ｗ，Ｃｅ，Ｌａ，Ｐｒ， ＮｄおよびＳｃからなるグループから選ばれることが好ましい。さらに好ましく は、前記マテリアルは、Ｙ，Ｃｅ，ＡｌおよびＺｒからなるグループから選ばれ る。最も好ましくは、前記金属は、アルミニウムまたはジルコニウムである。 前記コンパウンドは、水性環境のもとで単独に、または、適切な バッファーと共にコロイドを形成できるものでなければならない。これらのコン パウンドから形成されたコロイド類は、また、口腔キャビティ内で通常みられる 水性環境においてカチオンチャージを保持できるものでなければならない。好ま しくは、前記コンパウンドは、比較的安く、安定で、非毒性化合物であり、ハロ ゲン化物類、珪酸塩類、酢酸塩類、酸化物および水酸化物などのようなものであ る。最も好ましい化合物は、酸化物である。 これまで、カチオンチャージ（陽イオン電荷）されたコロイド状 のアルミナは、種々の形態、例えば、ガラスシステムおよびセラミックシステム におけるバインダー、触媒サポート、補強剤、防塵汚れ取り剤および防水剤など に幅広く使用されてきている。このタイプのアルミナは、商業的に入手できるも ので、通常、サブミクロンの粒子の表面が処理されて、表面が電荷されやすくな っている。これら市販のマテリアルは、当該コロイドが歯に問題が無い限り、ど のようなものでも本発明のプロセスならびに製品に使用できる。市販されている 製品の一つの例は、商標Ｎａｌｃo８６７６として市販されているものであって 、このアルミナは、平均粒径が約２ｎｍ（０．００２μｍ）のものである。この アルミナは、シリカのような他のマテリアルの上に被膜の形態で存在できるもの であって、この場合、粒子全体がサブミクロンのサイズであって、アルミナだけ がサブミクロンのサイズになるものではない。この一つの例は、商標Ｎａｌｃｏ １０５６として市販されているものであり、これは、アルミナがコーティング されたシリカ粒子であり、その平均サイズは、２０ｎｍ（０．０２μｍ）である 。前記ニつの名称で市販されている製品は、サブミクロンのアルミナ粒子が水性 コロイド状に分散しているものである。このような分散水様液は、本発明の歯用 組成物を構成するためのものとして多用でき、分散液からアルミナ粒子を分離す る必要がない。 一般的にいって、前記粒子サイズは、サブミクロンのものであり 、約０．１μｍ以下のものが通常である。コロイド粒子は、約０．００１μｍか ら約０．２μｍの範囲のものが多く、約０．００１μｍから約０．０２５μｍの ものが好ましい。 前記コンパウンドは、歯の感覚過敏性を取り除くに有効な量で、 デンタルコンポジションへ組み入れられる。この量は、口腔用コンポジションと 存在する他のマテリアルズのタイプ次第で種々変化するが、多くの場合、前記コ ンパウンドは、約０．１％から約１０％、通常、約１％から約５％、そして、最 も好ましくは、約３％から約５％の量である。このコンパウンドの量は、所望に 応じて増量できる。 前記コンパウンドは、前記歯の感覚過敏性治癒剤のカチオン面チ ャージが完全にニュートライズされない限り、どのようなタイプの経口デンタル ・コンポジションへ組み入れることができる。前記チャージの中性化の程度は、 最低であることが好ましいものである。歯に問題がない適切なキャリヤーに前記 コンパウンドを組み合わせることで、前記デンタル経口組成物は、歯みがき、マ ウスウオッシュ、錠剤、口内粘着パッチ、ゲルまたはガムその他の態様をとるこ とができる。このような組成物を構成するために用いられる他の成分および使用 される調製方法は、これらの経口組成物を調製するのに良く知られ、一般に使用 されているものである。したがって、例えば、経口組成物へフッ化物ソースを組 み入れることができ、また、補助的な感覚過敏性治癒剤と共に前記経口組成物を 調製することも可能である。このような補助的な感覚過敏性治癒剤には、限定す るものではないが、塩化ストロンチウムおよびコンパウンドを含む他のストロン チウム、硝酸カリウム、フッ化珪素ナトリウム、塩化亜鉛、塩化カリウム、重炭 酸カリウムおよびグリセリンなどが含まれる。練り歯みがきの組成にあっては、 この発明のサブミクロンのコンパウンドは、一般的にいって、研磨／磨きの効能 に優れているものではなく、したがって、より大径サイズの粒子のアルミナまた はシリカのような既知の研磨剤が前記コンポジションに併用されることになるで あろう。 しかしながら、驚くべきことに、カチオンチャージされたコロイ ド状アルミナは、それが存在することで、歯みがき類の研磨度合いをマテリアル 的に低下させることができる利点を有している。この研磨度合いが低下する点は 、歯みがきブラッシングしている間のゴシゴシ磨く作用で取り除かれてしまうか もしれない細管閉塞マテリアルが失せてしまうのを抑えるのに役立つ。かくして 、添加された研磨剤は、普通の歯みがき類におけるような歯の象牙質を擦り減ら してしまう直接的な作用をもたないものになる。 本発明をさらに説明するために、発明を限定するものではない種 々の実施例を以下に述べる。これらの実施例においては、明細書全体ならびに請 求の範囲全体と同 様に、特に別途ことわらない限り、すべての温度は、摂氏の温度であり、部なら びに百分率のすべては、重量部、重量％である。実施例 １〜４ ポテンシャルな歯感覚過敏症治癒剤の歯感覚過敏症治癒特性をテ ストするために、四種の異なるアルミニウムを含む粒子を水に混ぜ、これによっ てできた経口コンポジションをパシュレイ著“歯象牙質の浸透性：理論と実際” 、実験歯内治癒学、スパンバーグ、ＣＲＣプレス１９８９刊）に記載の方法を用 いてテストした。このテストは、スライスされた象牙質ディスクにおける流体の フローを測定するものである。該ディスクを流れるフローを減らすことになる処 置は、該処置をとった人の歯感覚過敏性を低下させる結果にもなるものである。 虫歯になっていない歯をスライスして、厚さが０．４ｍｍから０ ．６ｍｍの象牙質ディスクを作る。このディスクをジャーナル・オブ・デンタル ・リサーチ、５７：１８７、１９７８に記載されているようなスプリットチャン バー・デバイスの上にのせる。該ディスクを通して流れる流体の最初のフローを 測定し、ついで、該ディスクにヒトの唾液をつけ、歯感覚過敏性治癒剤の一つを ブラッシングでこすりつける。ブラッシングの後、フローレートを再び測定し、 これらの測定値からフローの減少度を計算する。該結果を表１に記載する。 これらの結果により、サブミクロンのアルミナにカチオンチャー ジが存在することで、３より大きなファクターで粒子の濃度が減少されていても 、細管内フローが激減することが確認される。実施例 ５〜１３ アルミナの濃度と水酸化ナトリウムでｐＨを調節して、実施例４ を繰り返した。結果を表２に記載する。 実施例 １４〜１８ ０．０２ミクロンのアルミナ被覆シリカ粒子で実施例５を繰り返 した。結果を表３に記載する。 歯感覚過敏性治癒溶液を以下の成分から作る： 成分 重量％（約） アルミナ（１０％）のコロイド分散液 ３０ ％ 塩化ナトリウム ０．６％ 水 ６９．４％実施例 ２０ 歯感覚過敏性治癒マウスウオッシュを以下の成分から作る： 成分 重量％（約） アルミナ（１０％）のコロイド分散液 ２５ ％ 硝酸カリウム ５ ％ 非イオン性界面活性剤（プルロニックＦ−１２７） ５ ％ エタノール １０ ％ グリセリン １０ ％ サッカリンナトリウム、フレーバー ０．１％ 防腐剤、染料実施例 ２１ 歯感覚過敏性治癒チューイングガムを以下の成分から作る： 成分 重量％（約） ５チューイングガムベース ２４．６４％ グリセリン １ ％ カルシウムサッカリン ０．０６％ ソルビトール（粉末） ５３．５ ％ ラザシン １３ ％ １０ レシチン ０．８ ％ フレーバー １ ％ アルミナ（１０％）コロイド分散液 ６ ％実施例 ２２ 歯感覚過敏性治癒錠剤を以下の成分から作る： 成分 重量％（約） ソルビトール ８６．５％ キシリトール ６ ％ くえん酸 ０．４％ アルミナ（１０％）コロイド分散液 ７ ％ フレーバー ０．１％実施例 ２３ 歯感覚過敏性治癒局所ゲルを以下の成分から作る： 成分 重量％（約） 水 ３３．４％ グリセリン ６ ％ ソルビトール ６ ％ アルミナ（１０％）コロイド分散液 ２４ ％ 硝酸カリウム ５．０％ Ｐｌｕｒｏｎｉｃ Ｆ−１２７ ２５ ％ フレーバーおよび防腐剤 ０．６％実施例 ２４ 歯感覚過敏性治癒歯みがきを以下の成分から作る： 成分 重量％（約） 水 ３８ ％ 硝酸カリウム ５．０％ Ｓｙｌｏｄｅｎｔ ７５０（水和シリカ） ０．２％ カルボキシメチル・セルロース ２．０％ グリセリンム ２０ ％ ＧＡＦＱＵＡＴ ７５５Ｎ（２０％） ４．０％ アルミナ（１０％）コロイド状分散液 ３０ ％ フレーバーと防腐剤 ０．６％実施例 ２５ コロイド状アルミナ粒子が擦り減らし度合いを少なくすることを 明らかにするために、種々の歯感覚過敏症治癒歯みがき組成を用いて、実験バッ チの歯みがきを六種類準備した。Rhone-Poulenc により製造されたシリカ研磨剤 であるTixocile研磨剤１０重量％を各バッチに添加し、歯みがきにおける研磨剤 の量を増やし、これによって、該システムに与えるコロイド状アルミナの作用を 強調させるようにした。１０重量％のNalcoビーズを前記バッチの内、３種類の ものに添加し、六種類のものすべてをスタンダードのテストを用いて、“放射性 象牙質研磨”（ＲＤＡ）測定した。この値を表４と表５とに“Ａ．Ｉ．”、即ち 、“研磨インデックス”としてリポートする。結果は、平均値の関連した標準誤 差と共にリポートする。 明確にするために、表４に記載のデータを表５にまとめ、Crest ブランドのレギュラーフレーバーの練り歯みがきについて行ったテストと比較し た。 実施例 ２６ 実施例１に記載のコロイド状アルミナについて行ったと同様な歯 象牙質フロー減少度の例証を粒径が５〜１０ｎｍのジルコニア、ZrO₂で行ったも ので、このジルコニアは、Ｐ．Ｑ．コーポレーションから得たもので、商標NYAC 0Lとして市販されているものである。これらの結果を表６に記載する。 実施例 ２７ 歯みがきを準備して、この発明の一実施例の有用性を明らかにし た。この歯みがきの組成を以下に記載するものであって、フロー減少度は、７４ ．２％であった。歯みがき組成 水％（約） 水 ３０．９ ％ 塩化カリウム ３．７５ ％ コロイド状酢酸ジルコニア溶液（３５％） １０．０ ％ グリシン １０．０ ％ ソルビトール溶液（７０％） １２．０ ％ フュームドシリカ １．０ ％ 水和シリカ １２．０ ％ グリセリン １２．０ ％ ヒドロキシルエチル・セルロース １．６ ％ コカミドプロピル・ベタイン ５．０ ％ フレーバー １．５ ％ フッ化ナトリウム ０．２４３％実施例 ２８ バッファーされたペーストを準備し、これを実施例１に述べた手 順によりテストした。このペーストは、９５％のフロー減少度を示した。バッフ ァーされたペーストの組成を以下に示す。バッファーされたペースト成分 重量％ コロイド状酢酸ジルコニア溶液（３５％） １０ ％ グリシン １０ ％ ソルビトール溶液（７０％） ４．３％ 両向性界面活性剤 ３ ％ カポライト １５ ％ 水和シリカ研磨剤 ２０ ％ 水 ３７．５％実施例 ２９ これもＰ．Ｑ．コーポレーションから得たNYAC0Lコロイド状イッ トリアを実施例１で述べた手順によりテストし、その細管閉塞能を測定した。準 備したコロイド状溶液は、以下の成分を含むものであった。成分 重量％ イットリア（酸化イットリウムY₂O₃） ４．２％ 硝酸カリウム ５．０％ 水 ９０ ％ このイットリアは、粒径が約５ｎｍで、７５．２％のフロー減少 度を示した。実施例 ３０ これもＰ．Ｑ．コーポレーションから得たNYAC0Lコロイド状セリ アを実施例１で述べた手順によりテストし、その細管閉塞能を測定した。準備し た緩衝コロイド状溶液は、以下の成分を含むものであった。成分 重量％ セリア（酸化セリウム CeO₂） ４．０ ％ グリシン １０．０ ％ 硝酸カリウム ５．０ ％ 水 ８０．７５％ このセリアは、約１５ｎｍの粒径のものであって、７５．６％の フロー減少度を示した。 上記の記述の目的は、限定するものではなしに、本発明のいくつ かの実施例を示すためのものである。この発明の範囲または真髄を逸脱すること なしに、発明の装置または方法について各種のモディフィケーションならびにバ リエーションを行うことは当業者にとり容易なことである。 本発明は、発明の特定の実施例に関して記載されているが、その 他の多くのバリエーションおよびモディフィケーション、さらには、他の用途は 、当業者に明らかになる。したがって、本発明は、ここに記載の特定の記述に限 定されるべきものではなく、添付の請求の範囲によってのみ限定されるを至当と する。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９６年７月１８日 【補正内容】 請求の範囲： １． 歯の感覚過敏症治癒剤と、そのキャリヤーとを含む感覚過敏症 の歯を治癒する組成物であって、前記組成物は、燐酸塩フリーであり、前記歯の 感覚過敏症治癒剤は、カチオンチャージされたコロイドであるもの。 ２． 前記コロイドは、周期率表ＩＢ、IIＡ、IIＢ、IIIＡ、IIIＢ、 IVＡ、IVＢ、ＶＡ、ＶＢ、VIＢ、VIIＢおよびVIIIＢの金属およびランタニド類 からなるグループから選ばれた金属化合物を含む請求項１の組成物。 ３． 前記コロイドは、Ｙ，Ｃｅ，ＡｌおよびＺｒ化合物からなるグ ループから選ばれた金属化合物を含む請求項２の組成物。 ４． 前記コロイドは、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化 物、金属珪酸塩または金属酢酸塩を含む請求項２の組成物。 ５． 前記組成物は、さらに、前記カチオンチャージされたコロイド に適切なキャリヤーを含み、このキャリヤーは、水性懸濁液、歯みがき類、ゲル 、マウスウオッシュ、錠剤、口内粘着パッチおよびチューイングガムからなるグ ループから選ばれるものである請求項１の組成物。 ６． 第２の歯感覚過敏症治癒剤を含む請求項５の組成物。 ７． 前記カチオンチャージされたコロイドの粒子サイズが約０．０ ０１μｍから約０．２μｍである請求項１の組成物。 ８． 前記カチオンチャージされたコロイドが前記組成物の約１０重 量％まで含まれる請求項７の組成物。 ９． 感覚過敏症の歯の面に、前記歯の感覚過敏性を少なくとも一部 緩和するに充分な量のカチオンチャージされたコロイドを含む組成物を施すステ ップからなる感覚過敏症の歯を治癒する方法。 １０． 前記カチオンチャージされたコロイドに適切なキャリヤーを含 み、このキャリヤーは、水性懸濁液、歯みがき類、ゲル、マウスウオッシュ、錠 剤、口内粘着パッチおよびチューイングガムからなるグループから選ばれるもの である前記組成物である請求項９の方法。 １１． さらに第２の歯感覚過敏症治癒剤を含む請求項９の方法。 １２． 前記カチオンチャージされたコロイドの粒子サイズが約０．０ ０１μｍから約０．２μｍである請求項９の方法。 １３． 歯感覚過敏症治癒剤と、そのためのキャリヤーとを含み、燐酸 塩フリーの適切なキャリヤーに、歯感覚過敏症治癒剤として、燐酸塩フリーのカ チオンチャージされたコロイドの歯感覚過敏症治癒に有効な量を懸濁させて、歯 感覚過敏症治癒剤を形成するステップを含む感覚過敏症の歯の治癒剤を製造する 方法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルコウィヅ，ケネス，ジェイ アメリカ合衆国 07023 ニュージャージ ー州 ファンウッド グレンウッド ロー ド 54 (72)発明者 イェー，クォーヘン アメリカ合衆国 07090 ニュージャージ ー州 ウエストフィールド ゴールド エ ッジ 210 (72)発明者 ブエロ，アドニス アメリカ合衆国 07304 ニュージャージ ー州 ジャージー シティ ボイド アベ ニュー 76 (72)発明者 ハームス，ジェームス，ケイ アメリカ合衆国 07302 ニュージャージ ー州 ジャージー シティ エイス スト リート 282 (72)発明者 シノディス，ジョセフ アメリカ合衆国 07901 ニュージャージ ー州 サミット ロータリー ドライブ 66

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． カチオンチャージされたコロイドを含む感覚過敏症の歯を治癒 する燐酸塩を含まない組成物。 ２． 前記コロイドは、周期率表ＩＢ、IIＡ、IIＢ、IIIＡ、IIIＢ、 IVＡ、IVＢ、ＶＡ、ＶＢ、VIＢ、VIIＢおよびVIIIＢの金属およびランタニド類 からなるグループから選ばれた金属化合物を含む請求項１の組成物。 ３． 前記コロイドは、Ｙ，Ｃｅ，ＡｌおよびＺｒ化合物からなるグ ループから選ばれた金属化合物を含む請求項２の組成物。 ４． 前記コロイドは、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化 物、金属珪酸塩または金属酢酸塩を含む請求項２の組成物。 ５． 前記組成物は、さらに、前記カチオンチャージされたコロイド に適切なキャリヤーを含み、このキャリヤーは、水性懸濁液、歯みがき類、ゲル 、マウスウオッシュ、錠剤、口内粘着パッチおよびチューイングガムからなるグ ループから選ばれるものである請求項１の組成物。 ６． 第２の歯感覚過敏症治癒剤を含む請求項５の組成物。 ７． 前記カチオンチャージされたコロイドの粒子サイズが約０．０ ０１μｍから約０．２μｍである請求項１の組成物。 ８． 前記カチオンチャージされたコロイドが前記組成物の約１０重 量％まで含まれる請求項７の組成物。 ９． 感覚過敏症の歯の面に、前記歯の感覚過敏性を少なくとも一部 緩和する に充分な量の燐酸塩を含まない組成物を施すステップからなる感覚過敏症の歯を 治癒する方法。 １０． 前記カチオンチャージされたコロイドに適切なキャリヤーを含 み、このキャリヤーは、水性懸濁液、歯みがき類、ゲル、マウスウオッシュ、錠 剤、口内粘着パッチおよびチューイングガムからなるグループから選ばれるもの である前記組成物である請求項９の方法。 １１． さらに第２の歯感覚過敏症治癒剤を含む請求項９の方法。 １２． 前記カチオンチャージされたコロイドの粒子サイズが約０．０ ０１μｍから約０．２μｍである請求項９の方法。 １３． 燐酸塩フリーの適切なキャリヤーに、カチオンチャージされた コロイドの有効量を懸濁させて、歯感覚過敏症治癒剤を形成するステップを含む 感覚過敏症の歯の治癒剤を製造する方法。 １４． 第２の歯感覚過敏症治癒剤を前記組成物へ組み入れるステップ をさらに含む請求項１３の方法。 １５． 前記カチオンチャージされたコロイドの粒子サイズが約０．０ ０１μｍから約０．２μｍである請求項１３の方法。 １６． カチオンチャージされたコロイドを含む燐酸塩フリーの組成物 の有効量を患者の感覚過敏症の少なくとも一つの歯へ投与して、該患者に効き目 があるようにする方法であって、前記有効量は、前記歯の感覚過敏症を少なくと も一部緩和させる量である方法。 １７． 前記カチオンチャージされたコロイドの粒子サイズが約０．０ ０１μｍから約０．２μｍである請求項１６の方法。 １８． 燐酸塩フリーのカチオンチャージのコロイドを研磨度合い減少 剤として使用する使用。 １９． 燐酸塩フリーのカチオンチャージのコロイドを含む歯みがき類 であって、前記コロイドがアルミナ、ジルコニア，セリアおよびイットリアから なるグループから選ばれたコンパウンドを含むもの。 ２０． カチオンチャージされたコロイドを含む燐酸塩フリーの口内リ ンス、マウスウオッシュまたは歯の感覚過敏性を封じ込むシーラントであって、 前記コロイドがアルミナ、ジルコニア，セリアおよびイットリアからなるグルー プから選ばれたコンパウンドを含むもの。