JPH10504400A - 動的に変化する液晶表示時計装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電子時計又は他のデザイナ装飾品用の動的に変化する多色液晶表示装置が提供される。電子時計又はデザイナ装飾品に組み込まれた液晶表示装置は、幾何学像や、アニメーション像や、カスタマイズされた像や、デザイナラベルや、ロゴ等の種々の着色像を着色された背景に形成したり、或いは審美的に楽しいファッショナブルなカラー変化機能を発揮したりすることができる。更に、動的に変化する時計又は他のデザイナ装飾品は、液晶表示装置のカラーの見掛けを電子的に制御すると共に、１日の時刻に一般に関わりない液晶表示装置の像を電子的に制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 動的に変化する液晶表示時計装置発明の分野 本発明は一般に電子式の時計装置に係り、より詳細には、液晶表示素子を電子 的に制御してカラー変化させることのできる動的に変化する液晶表示装置をもつ 電子式の時計装置に係る。更に、本発明は、多色液晶表示像を電子的に制御する こともでき、このような像は、１日の時刻に一般に関わりないものであるか又は １日の時刻の多色指示をアナログ表示で与えるものである。先行技術の説明 時刻表示に液晶表示素子を用いた種々様々な電子時計が開発され、商業的にか なりの成功を収めている。これら電子時計の多くは、数字形態即ちデジタル時刻 表示としばしば称される形態で時刻を指示する。最近、関連分野では、アナログ 即ち従来の形態で時刻を表示する電子ウオッチのための液晶表示装置がファッシ ョンとなっている。 液晶表示装置をもつ電子式時計装置の分野でのこの関連技術の多くは、１日の 時刻を指示するために動的に変化する種々のデザイン及び構成の液晶表示素子を 提供している。例えば、フクモト氏の米国特許第３，９６９，８８７号（１９７ ６年７月２０日）は、多数の液晶表示素子が時間及び分の指示区分に配列され、 これらが種々の表示パターンで選択的に作動されて、時刻をアナログ形態で指示 するような電子時計を開示している。 別の例は、ノーベル氏等の米国特許第４，２１２，１５９号（１９８０年７月 １５日）であり、これは、従来の機械的なアナログ時計を模擬する液晶表示装置 をもつ電子時計を開示している。ノーベル氏等の開示にある液晶材料は、アナロ グ時計における針の動きを模擬するように表示の見掛けを変化させるために選択 された領域において作動される。 フリーマン氏の米国特許第４，２１３，２９４号（１９８０年７月２２日）は 作動時にアナログ時計の時間及び分針の位置を模擬する多数の液晶表示素子より 成る電子時計を開示している。フリーマン氏は、１２又は２４時間表示素子と組 み合わされる形状にされた２４又は６０の個々の分表示素子を使用し、これらは 指示時刻をアナログ形態で表示するように選択されに作動される。 他の関連技術は、ワイズナー氏の米国特許第４，３８５，８４２号（１９８３ 年５月３１日）を含み、これは、時計面をまわる時間、分及び秒針の従来の表示 で時刻をアナログ指示する液晶表示装置を有した電子ウオッチを開示している。 又、ニシムラ氏の米国特許第４，４３５，０４６号（１９８４年４月６日）は、 従来の機械的な時間及び分針より成るアナログ表示装置を液晶表示装置と一緒に 使用するものであって、この場合、液晶表示装置の作動されるセグメントは、ア ナログ表示領域から隔離又は分離される。 更に別の構成は、ハーべル氏の米国特許第４，６４７，２１７号（１９８７年 ３月３日）及び第４，７０７，１４１号に開示されたように時刻の指示を与える カラー変化する機構を導入するもので、各々可変カラーのデジタル及びアナログ 時計を開示している。又、ビク氏の米国特許第５，２２８，０１３号（１９９３ 年７月１３日）は、従来にはない形態で時刻を指示するようにカラーを変化する 多数の液晶表示素子を使用するものである。 時計に使用される多数の既存の液晶表示装置は、一般に灰色の上に黒の見掛け をした従来のねじれネマチック（ＴＮ）表示装置を使用している。更に、このよ うな装置には、通常、外部及び反射性の偏光フィルムが組み込まれ、表示の輝度 を減少すると共に、表示が明確に見える視野角を制限する。液晶表示装置のカラ ーの見掛けは、着色フィルタ及び着色背景照明等を使用することにより与えられ る。しかしながら、このような時計装置にカラーの見掛けが組み込まれるときに は、カラーが予め選択され、静的であることがほとんどである。 上記の関連参照文献は、一般に、静的背景の表示素子を活性な即ち動的な時刻 指示の表示素子に接続して含む液晶表示装置を使用している。従って、液晶表示 装置の審美性は、装置の機能的な特徴により制限される。 液晶表示装置の最近の進歩により、液晶材料内にゲスト（寄生）染料を使用し てカラー変調を与えることが示されている。例えば、ある不可能な仕方でカラー 変調液晶表示装置を腕時計に使用する広い概念を示唆した発明者−出願人ドナル ド・ブリューワ氏の米国特許第５，２８９，３０１号を参照されたい。発明の要旨 本発明は、電子時計及びその他のデザイナ装飾品のための動的に変化する多色 液晶表示装置であって、内側を向いた面を有する２つの一般的に平行な基板と、 これら基板の上記内面に配置されて液晶表示セグメントを画成する複数の透明な 電極とを備えた液晶表示装置を提供する。本発明に使用される液晶材料は、着色 染料の組み合わせを含み、２つの基板間に一般的に配置される。又、本発明は、 選択された液晶表示セグメントにまたがって規定の電圧を印加することにより、 第１カラーと第２カラーとの間で変化すると共に、それらの間のカラーの色合い （濃淡）を変化させるように液晶表示セグメントを電子的に制御するための駆動 手段も含む。時計又はデザイナ装飾品に組み込まれる液晶表示装置は、更に、適 当な液晶表示セグメントを適切に画成することにより、幾何学的な像、アニメー ション像及び特殊な像等を着色背景上に形成するよう適応させることができる。 動的に変化する多色液晶表示装置は、時計に組み込まれるときには、時刻指示針 をもつ従来のアナログ時計に使用して、液晶表示装置が１日の時刻とは独立した ものにすることができる。 従って、本発明の目的は、時計及び同様のデザイナ装飾品に使用するための多 色の動的に変化する液晶表示装置を提供することである。 本発明の別の目的は、１つ以上の液晶表示のカラーの見掛けを電子的に制御す ると共に、一般的に１日の時刻とは独立した多色液晶表示像を電子的に制御する 動的に変化する液晶表示時計文字盤又はその他のデザイナ装飾品を提供すること である。 本発明の重要な効果は、時計文字盤又はデザイナ装飾品に組み込まれる液晶表 示装置が、着色背景上に着色セグメントを形成し、又はあるカラーから別のカラ ーへのカラー変化を形成することである。このようなカラー変化能力は、２つの 原色間の色の組み合わせの色合いも形成する。この特徴は、各個人が液晶表示の カラーの見掛けをカスタマイズ（特注）できるようにする。 本発明の別の重要な効果は、時計の文字盤又はデザイナ装飾品に組み込まれる 液晶表示装置をセグメント化して適切に駆動し、液晶表示像が種々様々な多色の カスタマイズ像を含むことができるようにすることである。本発明では、アニメ ーション像、カスタマイズされた像、デザイナラベル及びロゴ等の多色液晶表示 装置が可能となる。 ウオッチ又は他の時計内に実施される本発明の更に別の効果は、従来の機械的 な時間及び分針を用いて、指示時刻をアナログ形態で表す多色の動的に変化する 液晶表示装置を提供することである。或いは又、本発明の実施形態は、指示時刻 をアナログ形態で表すように電子的に作動される多色液晶表示素子を使用する。 本発明の別の効果は、従来のねじれネマチック表示装置とは異なり、外部偏光 器を使用する必要がないことである。これは、現在の多色液晶装置の耐久性を高 め、視野角を広げ、そして輝度を向上させる。 本発明の重要な特徴は、審美的な効果を得るように、負の秩序パラメータ染料 と正の秩序パラメータ染料、又は負の秩序パラメータ染料とゼロの秩序パラメー タ染料、又は正の秩序パラメータ染料とゼロの秩序パラメータ染料より成る液晶 ゲスト−ホスト（寄生−宿主）混合物を使用することである。更に、本発明は、 多数の既存の液晶表示装置に使用される従来の駆動機構に適用できる。 本発明の更に別の特徴は、時計文字盤又は他のデザイナ装飾品に現れるカラー 及び像を更にカスタマイズするように単一チャンバの液晶表示装置又は多チャン バの液晶表示装置を任意に使用できることである。多チャンバの液晶表示装置は 多数の刺激的カラーを伴う審美的に満足な見掛けを与える。 本発明の幾つかの実施形態に見られる別の特徴は、従来のアナログ時計におけ る時間及び分針を受け入れるように、多色の動的に変化する液晶表示装置に穴を 形成できることである。 本発明の上記及び他の目的、特徴及び効果は、本発明の実施形態を示す添付図 面に関連した以下の詳細な説明から当業者に明らかとなろう。図面の簡単な説明 図１は、本発明により第１カラーから第２カラーへ動的に変化する単一チャン バ液晶表示装置を有する動的に変化する多色時計の実施形態を示す図である。 図２は、本発明による動的に変化する多色液晶表示装置を有する図１の時計の 分解斜視図である。 図３は、本発明の別の実施形態を示す図で、作動時にカラーの背景上に予め選 択されたカラーのカスタマイズされた像を動的に形成する単一チャンバ液晶表示 装置を有する従来型アナログ時計を示す図である。 図４は、図３に示す実施形態のブロック図で、動的に変化する多色液晶表示装 置に関連した複数の電気的接続部及び駆動手段を一般的に示す図である。 図５は、単一チャンバ液晶表示装置及び複数の電極セグメントを有し、指示時 刻をアナログ形態で動的に模擬する本発明による電子時計を示す図である。 図６は、本発明の更に別の実施形態を示す図で、各チャンバがあるカラーから 別のカラーへと動的に変化する多チャンバ液晶表示装置を有する従来型アナログ 時計を示す図である。好ましい実施形態の詳細な説明 本発明を実施するために現在意図される最良の態様を以下に説明する。この説 明は、本発明を何ら限定するものではなく、本発明の一般的な原理を単に説明す るものに過ぎない。本発明の範囲は、請求の範囲に規定する。 図１及び２は、動的に変化する多色液晶表示時計１０を示し、これは、時計ケ ース１２と、時計カバープレート１３と、従来型のアナログ時計の形態で使用さ れる液晶表示時計文字盤１５とを備え、動的に変化する多色時計文字盤は、新規 な独特のファッション要素として働く。時計１０は、更に、時計制御電子装置２ ４を備え、これは、この技術で一般的に知られたように、従来型の機械的な時計 針１６のアナログ移動を１日の時刻の関数として制御する。機械的な針１６は、 液晶表示装置１５のシール保護穴１８を経てムーブメントに取り付けられる。液 晶表示装置の制御電子装置は、液晶表示装置１５の真下でそれに電気的に接続し て配置される大きさのプリント回路板２６に配置されたマイクロプロセッサ２５ を備えている。バッテリ２７のような通常の電源は、時計機能（即ち針の移動） 及び液晶表示装置１５の制御マイクロプロセッサ２５の両方に使用される。 多数の異なるカラー変化液晶表示装置が本発明に使用するよう意図されるが、 負の秩序パラメータ染料と正の秩序パラメータ染料、又は負の秩序パラメータ染 料とゼロの秩序パラメータ染料、又は正の秩序パラメータ染料とゼロの秩序パラ メータ染料の組み合わせを用いたゲスト−ホスト液晶表示系が好ましい。秩序パ ラメータは、染料の偏光軸が入射光に対してどこに位置するかを指示する。この ような表示装置は、参考としてここに取り上げる発明者−出願人ドナルド・ブリ ューワ氏の米国特許第５，２８９，３０１号に詳細に説明されている。更に、そ こに開示されたゲスト−ホスト液晶表示装置は、とりわけ、その優れた輝度によ りカラー変化を達成する現在使用できる最良の方法であり、且つ外部偏光器の使 用を必要としないという固有の効果を奏する。 液晶表示装置のゲスト−ホスト混合物において正の秩序パラメータをもつゲス ト染料は、表示装置に印加される電圧を最小スレッシュホールド電圧から上げた ときに発色から比較的無色へのカラー変化を示す。逆に、液晶表示装置のゲスト −ホスト混合物において負の秩序パラメータをもつゲスト染料は、表示装置に印 加される電圧を最小スレッシュホールド電圧から上げたときに比較的無色から発 色へのカラー変化を示す。更に、ゼロの秩序パラメータをもつゲスト染料は、表 示装置に印加される電圧を変化させてもカラー変化を示さず、印加電圧の変化に 関わりなく一定のカラーを保持する。 使用する染料の特定の組み合わせに基づいて広い範囲の異なるカラー変化が考 えられる。好ましい染料の組み合わせは、ミツイＳＩ−４２６のような赤色の正 のアゾ染料と、黄色の負のアントラキノン染料、１、８ビス−（４−ブチルベン ザミド）−４、５−ビス−（４−ブチルベンゾイルオキシ）−３−メチルアント ラキノンとを使用するもので、これは、「オン」状態で黄色の着色表示をそして 「オフ」状態で赤色の着色背景を形成する。好ましい染料の幾つかは、参考とし てここに取り上げる米国特許第４，９３３，１０４号に開示されている。光シャ ッターの用途については、選択された染料の組み合わせによりあるカラーから他 のカラーへのカラー変化を形成できる一方、それら２つのカラーの色合成も形成 できる。例えば、好ましい染料を用いた液晶表示装置は、赤色から黄色へと変化 し、そしてそれらの間のオレンジの種々の色合いを形成する。他の意図された例 では、緑の色合いを形成する青色及び黄色染料、或いは赤か、青か、又は紫色の 種々の色合いを形成する赤色及び青色染料の組み合わせが使用される。 本発明のこの実施形態は、特定の装備をもつ時計文字盤をカスタムカラー整合 したり、又は種々の他の基準に基づいてカラーをカスタマイズしたりする能力を 提供する。例えば、青色−赤色液晶表示時計の所有者は、操作可能な電圧調整ダ イヤルにより、時計文字盤のカラーを青色から紫色の種々の色合いへそして赤色 へとカスタマイズすることができる。同様に、青色−黄色の時計は、顧客により 青色、黄色、又は緑色の種々の色合いを表示するようにカスタマイズし即ち制御 することができる。或いは又、現在の２色の液晶表示時計は、ユーザにより、そ の２つの色の間を所定の頻度で行き来するようにカスタマイズし即ち制御するこ とができる。 上記のように、図１及び２の時計は、時計ケース１２及び多色液晶表示装置１ ５を備えている。ここに示す実施形態は、液晶表示装置１５を経て形成された穴 又は孔１８も有し、これを通して機械的な時間及び分針１６が延びて時刻の指示 をアナログ形態で与える。穴又は孔１８は、液晶表示装置１５の中心に配置され た少量のエポキシ２２を経て開けることもできるが、好ましくは、穴１６は、表 示装置に形成された小さな空のチャンバを経て開けられる。この小さな空のチャ ンバは、全表示装置の非常に小さな割合である。次いで、液晶表示装置１５は、 アナログ時計１０に配置され、液晶表示装置１５は時計文字盤として働き、そし てアナログ時計１０の針１６は、液晶表示装置１５の穴１６を経て延びる。 図１及び２の液晶表示装置１５の動作において、ユーザは、駆動電圧又は動作 電圧と一般に称する全液晶表示装置１５にかかる電圧の大きさを調整する可変ポ テンショメータを有効に制御する。このポテンショメータは、液晶制御ユニット ２９内に含まれ、これは、液晶表示駆動装置の他のパラメータも制御する。ここ に示す実施形態では、液晶材料は、Ｅ．Ｍ．インダストリーから商業的に入手で きるＺＬＩ−１８４０であり、これは、好ましくは１ボルト以下（オフ状態）と ２ボルト（オン状態）との間の動作電圧を使用する。液晶ゲスト−ホスト混合物 の染料が正及び負の秩序パラメータ染料であるときには、１ボルトにおいて、負 の秩序パラメータ染料が比較的無色で、正の秩序パラメータ染料が全色となり、 ２ボルトにおいて、負の秩序パラメータ染料が全色で、正の秩序パラメータ染料 が比較的無色となり、そして１ボルトと２ボルトの中間の電圧において、正及び 負の両秩序パラメータ染料は同時に部分的に着色され（無色と全色との間で）、 それにより液晶表示装置で示されるカラーは、部分的に着色した染料の組み合わ せとなる。例えば、一方の染料の全色が青色で、他方の染料の全色が黄色である 場合には、１ボルトと２ボルトの中間の電圧において緑色の種々の色合いが生じ る。 液晶ゲスト−ホスト混合物の染料が正及びゼロの秩序パラメータ染料であると きには、１ボルトにおいて、正の秩序パラメータ染料が全色で、ゼロの秩序パラ メータ染料が一定の全色となる。これにより表示セルで示されるカラーは、正の 秩序パラメータ染料の全色とゼロの秩序パラメータ染料の一定色の組み合わせと なる。従って、正の秩序パラメータ染料の全色が青色でありそしてゼロの秩序パ ラメータ染料の一定色が黄色の場合には、１ボルト以下の印加電圧において、示 されるカラーは、青色と黄色の組み合わせ、即ち緑色となる。表示セルの印加電 圧が増加するにつれて、緑色は明度が増し、即ちより黄色っぽくなり、そして表 示セルの全電圧において、そのカラーは黄色となる。 液晶ゲスト−ホスト混合物の染料が負及びゼロの秩序パラメータ染料であると きには、１ボルトにおいて、負の秩序パラメータ染料が比較的無色で、ゼロの秩 序パラメータ染料が一定の全値となる。これにより表示セルで示されるカラーは ゼロの秩序パラメータ染料のカラーとなる。表示セルの印加電圧が全動作値まで 増加されると、それによって表示セルで示されるカラーは、負の秩序パラメータ 染料の全色と、ゼロの秩序パラメータ染料の一定色との組み合わせとなる。従っ て、負の秩序パラメータ染料の全色が青色でありそしてゼロの秩序パラメータ染 料の一定色が黄色である場合には、１ボルトの印加電圧において、示されるカラ ーは黄色となる。表示セルの印加電圧が全電圧まで増加されると、黄色のカラー は、緑色の色合いの深みが増すように変化する。 又、ユーザは、液晶制御ユニット２９内に含まれた別の可変ポテンショメータ を調整することにより、液晶表示装置１５に印加される電圧に対して電圧振動の 頻度を選択することもできる。表示セルにかかる電圧の１ボルトと２ボルトとの 間の振動は、一方の染料の全色と他方の染料の全色との間で、これら２つの全色 間の混合色にわたるカラーの振動を生じさせる。このように、ユーザは、液晶表 示装置１５においてカラー変化の頻度を選択し、所望の審美的効果を得ることが できる。 上記及び他の実施形態の別の特徴は、液晶表示装置の応答時間にある。従来の 液晶の応答時間は、動作温度に基づいて著しく変化するが、ここに述べる液晶表 示装置の典型的な応答時間は、好ましくは、液晶表示装置を「オン」状態に切り 換えるのに約１０ないし４０ミリ秒であり、そして液晶表示装置を「オフ」状態 に切り換えるのに約２０ないし５０ミリ秒である。 図３には、作動時に、カラーの背景に、図示された同心円のような予め選択さ れたカラーのカスタマイズされた像を動的に形成する従来型アナログ時計１０を 示す本発明の別の実施形態が示されている。時計１０は、時計ケース１２と、液 晶時計文字盤１５と、機械的な針１６と、アナログ時計制御ボタン１７と、液晶 表示モード制御ボタン１９と、制御ユニット２９とを備えている。この実施形態 の時計文字盤は、単一チャンバ液晶表示装置１５であり、これは、上記のように 作動時に好ましくは赤色から黄色へと変化する正の秩序パラメータ染料及び負の 秩序パラメータ染料の組み合わせを含む。図３の時計１０は、３つの同心リング ３０、４０、５０の各々に８個の同一セグメントＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｇ、 Ｈを有している。同心リング３０、４０、５０の８個のセグメントＡないしＨの 各々は、円形の時計文字盤の４５°の弧を表す。 この実施形態では、例えば、順次に作動される黄色のセグメント（セグメント ３０Ａないし３０Ｈの後にセグメント４０Ａないし４０Ｈ及び５０Ａないし５０ Ｈが続く）を赤色の背景上に形成するように、染料の好ましい組み合わせが使用 される。或いは、同心リング内の全てのセグメント（ＡないしＨ）が同時に作動 される場合には、同心リング３０、４０、５０のいずれかを赤色から黄色に変化 させることができる。ここに示す実施形態、及び本発明の他の実施形態において は、液晶表示装置の各々は、好ましくはガラスの透明基板と、該基板の内面上に 規定の方向に配置される好ましくはインジウム−スズ−酸化物（ＩＴＯ）である １つ以上の透明電極とを有している。 同時の像及びカラー変化を行う能力により、液晶表示時計の面は、種々様々な 楽しいそして目で捕らえられる動的な像を発生するための実用的で且つ安価な形 態を形成する。これらは、万華鏡効果、アニメーション像、幾何学像、デザイナ ロゴ、或いは他の認識できる像又は文字を含むことができる。 好ましい液晶材料は、上記ＺＬＩ−１８４０のような正の誘電体非等方性をも つ従来のねじれネマチック液晶材料である。液晶表示装置は、好ましくは、典型 的なねじれネマチック液晶表示装置の用途に対し、非散乱カラーから異なる非散 乱カラーへと変化する。又、本発明は、参考としてここに取り上げる１９９３年 ３月１８日付けの米国特許出願第０８／０３３，４９４号に詳細に説明されたよ うに、ゲスト−ホストポリマー分散液晶（ＰＤＬＣ）表示装置又はカプセル化液 晶（ＮＣＡＰ）表示装置の使用も意図する。 更に、ここに示す全ての実施形態の液晶表示装置は、バックライトを伴ったり 伴わなかったりして、反射モード、半反射・半透過(trans-reflective)又は透過 モードで動作することができる。ウオッチ又はクロックのようなほとんどの時計 の用途では、反射表示システムが好ましい。反射表示システムは、反射面をその 下の表示装置の基板上に組み込むのが好ましい。高い反射性の面は、通常、アル ミナム、銀、金又は他の反射性材料の薄い膜で構成される。或いは又、エレクト ロルミネッセンス表示装置のようなバックライト手段をもつ半反射・半透過表示 システムは、非常に魅力のある審美的効果をもたらす。 図４は、図３に示す実施形態のブロック図で、液晶表示装置に関連した複数の 電気的接続部及び駆動手段を一般的に示している。この実施形態においては、表 示されるべき所望の像（１つ又は複数）に対応する２４個の電極セグメントが液 晶表示装置の上部基板に配置される。更に、下部基板に配置される時計文字盤の 形状に一般的に合致する１つの共通の電極がある。上部基板の各々の透明電極と 下部基板の単一電極との間に配置される液晶材料の部分は、複数の液晶表示セグ メントを画成する。 ２４個の電極セグメント３０Ａないし３０Ｈ、４０Ａないし４０Ｈ、及び５０ Ａないし５０Ｈは、図示されたように、電気的接続３１ないし３８、４１ないし ４８及び５１ないし５８によりマイクロプロセッサに個々に接続される。共通の 電極は、電気的接続５９によりマイクロプロセッサに接続される。マイクロプロ セッサへの入力コマンド即ち信号は、液晶表示モード制御ボタン１９及び液晶表 示制御ユニット２９から発せられる。バッテリ２７は、電子式時計回路２４（ク オーツのムーブメント）及び液晶表示装置１５の制御マイクロプロセッサ２５の 両方に対する好ましい電源である。液晶表示装置１５の上部基板上の複数の電極 セグメント３０Ａないし３０Ｈ、４０Ａないし４０Ｈ、及び５０Ａないし５０Ｈ と、下部基板上の共通の電極セグメント（図示せず）は、各液晶表示セグメント を活性状態と不活性状態との間で変化させる可変の大きさの電界を確立するよう にマイクロプロセッサ２５によって選択的に作動される。種々の電極に印加され る規定の電圧は、所定のシーケンスで生じてもよいし、もし所望ならば、よりラ ンダムな形態で生じてもよい。駆動機構に関わりなく、各々の液晶表示セグメン トは、その液晶表示セグメントが不活性状態に入れられたときには第１カラーを 発生し、そしてその液晶表示セグメントが活性状態に入れられたときには第２カ ラーを発生する。液晶表示セグメント及び表示される像は、１日の時刻と独立し ているのが好都合である。 駆動電子装置は、この技術で一般的に知られた内蔵の液晶駆動機構を有する４ 又は８ビットマイクロプロセッサである。動的に変化する多色の液晶表示装置の 実施形態は、静的な即ち単一レベルマルチプレクシング（即ち、全デューティサ イクル）、２レベルマルチプレクシング（１／２デューティサイクル）、３レベ ルマルチプレクシング（１／３デューティサイクル）、又は４レベルマルチプレ クシング（１／４デューティサイクル）で動作するように適応できる。更に複雑 な表示装置の場合には、液晶表示装置の動的特性に対して調整されたアーキテク チャー指向の集積回路を形成することが望まれる。 図５は、時計ケース１２と、時刻表示を実質的に従来のフォーマットで与える 多色液晶表示装置１５とを備えた本発明の実施形態を示す。上記の実施形態と同 様に、時計１０は、時計ケース１２と、液晶時計文字盤１５と、時計制御ボタン １７と、液晶表示制御ユニット２９とを備えている。又、多色液晶表示装置１５ は、６０個の液晶表示セグメント２０１ないし２６０を液晶表示装置１５の外周 に含み、分の指示を形成する。更に、液晶表示装置１５は、１２個の表示素子１ ０１ないし１１２の内円を含み、これは、現在時間の適切な指示を与える。この 実施形態では、表示された時刻は２：４０であり、これは、内側の液晶表示素子 １０１及び１０２を作動する（即ち「オン」状態にする）一方、残りの内側の液 晶表示素子１０３ないし１１２を「オフ」状態に維持することにより特徴付けさ れる。外周においては、表示素子２０１ないし２４０が不活性である一方、表 示素子２４１ないし２６０が活性にされる。上記のような染料の組み合わせを使 用することにより、ここに示す実施形態の活性素子は、第１カラー好ましくは赤 色で表示され、一方、不活性な表示素子は、黄色のような第２カラーとして見え るようにされる。 内円及び外周の表示素子の厳密な数は、種々の時計デザインに対して調整する ことができる。例えば、軍用時刻を通常使用する者には、内側が２４素子の表示 装置が適している。同様に、厳密な分表示が特に重要でない場合には、外周を２ ０又は１２の表示素子に限定することができる。又、この実施形態は、現在時刻 表示、与えられるカラーの色合い等の液晶表示装置のある観点を制御するために 各個人が操作する適当な制御器も有している。 図６に一般的に示す他の実施形態においては、ゲスト−ホスト液晶表示方法の 使用が非常に独特な見掛けを与える。というのは、複数の個々のチャンバ６０、 ７０、８０を有する１つの液晶表示装置に多数の異なるゲスト−ホスト液晶混合 物を充填することができるからである。チャンバ６０、７０、８０は、液晶表示 装置１５内に配置されたエポキシ材料６５で互いにシールされる。上記の実施形 態と同様に、この時計１０は、時計ケース１２と、液晶時計文字盤１５と、機械 的な針１６と、アナログ時計制御ボタン１７と、液晶表示制御ボタン１９とを備 え、これらは、内部に配置された電子時計回路及び液晶表示マイクロプロセッサ に各々作動的に関連している。個々のチャンバ６０、７０、８０の各々は、各チ ャンバの外周に個々の充填ポート６２、７２、８２を有する。異なる特性（即ち 異なるカラー及び正の秩序、ゼロの秩序又は負の秩序パラメータ）の染料を含む 異なるゲスト−ホスト混合物が個々のチャンバ６０、７０、８０の各々を満たす のが好ましい。それにより得られる効果として、液晶表示装置１５は、液晶表示 装置の各チャンバ内の種々の電極に電圧を印加することにより多数の異なるカラ ーが他のカラーへと変化するような審美的に楽しい見掛けを形成する。 観察される効果として、例えば、液晶表示装置は、１つのチャンバ６０が青色 から黄色へと変化する流体を含み、別のチャンバ７０が赤色から青色へと変化す る流体を含み、そして更に別のチャンバ８０が黄色から紫色へと変化する流体を 含む。単一の液晶表示装置内にこれらの異なる混合物を組み合わせると共に、適 当な電子式駆動方法を用いることにより、他の既存の低コスト液晶表示技術では 成し得ない独特の審美的な見掛けが生じる。 以上の説明から、本発明及びその効果が理解されよう。又、本発明の精神及び 範囲から逸脱せずに又はその実質的な全ての効果を犠牲にすることなく、部品の 形態、構造及び配列に種々の変更がなされ得ることが明らかであろう。以上に述 べた形態は、本発明を単に説明するものに過ぎない。例えば、多色の動的に変化 する液晶表示装置は、多数のデザイナ装飾品、斬新な物品、計器ディスプレイ、 タッチパネル、光フィルタ、カラーシャッター、玩具、及びその他の消費者製品 に使用されるよう意図される。 このため、本発明の範囲は、上記した特定の実施形態に限定されるものではな い。むしろ、本発明の範囲は、請求の範囲及びその等効物によって決定されるも のとする。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｄ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．多色液晶表示装置を備え、該表示装置は、 内側を向いた面を有する２つの一般的に平行な基板と、 これら基板の上記内面に配置されて少なくとも１つの液晶表示セグメントを 画成する複数の透明電極と、 上記２つの基板間に配置された液晶材料とを含み、そして更に、 各々の液晶表示セグメントの透明電極にまたがって規定電圧を印加すること により活性状態と不活性状態との間を切り換わるように液晶表示セグメントを電 子的に制御するための制御ユニットを備え、 上記液晶表示セグメントは、その液晶表示セグメントが不活性状態に入れら れたときに第１カラーを発生し、そして液晶表示セグメントが活性状態に入れら れたときに第２カラーを発生し、更に、上記液晶表示セグメントは、規定の頻度 で活性状態と不活性状態との間を切り換わることを特徴とする動的に変化する装 飾品。 ２．上記装飾品は電子時計であり、そして上記液晶表示装置は時計文字盤である 請求項１に記載の動的に変化する装飾品。 ３．上記装飾品は貴金属製品である請求項１に記載の動的に変化する装飾品。 ４．上記液晶表示セグメントを電子的に制御する制御ユニットは、更に、各液晶 表示セグメントの透明電極にまたがって規定電圧を印加することにより、完全活 性状態と、部分的活性状態と、不活性状態との間で液晶表示セグメントを切り換 え、上記液晶表示セグメントは、それらが部分的活性状態に入れられたときには 第１カラーと第２カラーとの間のカラーの色合いを形成する請求項１ないし３に 記載の動的に変化する装飾品。 ５．上記多色液晶表示装置は、更に、第１カラーと第２カラーとの間で選択され たカラー変化を示すように液晶材料に組み込まれた染料の組み合わせを含む請求 項１及び４に記載の動的に変化する装飾品。 ６．上記染料の組み合わせは、正の秩序パラメータ染料と負の秩序パラメータ染 料とを含む請求項５に記載の動的に変化する装飾品。 ７．上記染料の組み合わせは、正の秩序パラメータ染料とゼロの秩序パラメータ 染料とを含む請求項５に記載の動的に変化する装飾品。 ８．上記染料の組み合わせは、負の秩序パラメータ染料とゼロの秩序パラメータ 染料とを含む請求項５に記載の動的に変化する装飾品。 ９．上記多色液晶表示装置は、更に、その液晶表示装置をシール可能に貫通する 中央に配置された孔を含み、上記電子時計は、更に、液晶表示装置の片側に配置 された時計機構と、液晶表示装置の他側に配置された時刻をアナログ表示する時 刻指示針とを含み、この時刻指示針は、上記時計機構に作動的に関連されそして 上記孔を経てそこに接続される請求項２に記載の動的に変化する電子時計。 10．上記複数の透明電極は、１日の時刻に一般的に関わりない像を表すように規 定の向きに配置される請求項２及び９に記載の動的に変化する電子時計。 11．上記多色液晶表示装置は、複数のシールされたチャンバを有する多チャンバ 液晶表示装置より成り、各チャンバ内の液晶表示セグメントは、その隣接チャン バの液晶表示セグメントとは異なるカラー変化を形成する請求項１、４及び１０ に記載の動的に変化する装飾品。 12．上記制御ユニットは、ランダムな頻度で上記液晶表示セグメントを種々の状 態間で変化させる請求項１、４及び１０に記載の動的に変化する装飾品。 13．上記制御ユニットは、ユーザが選択できる頻度で上記液晶表示セグメントを 種々の状態間で変化させる請求項１、４及び１０に記載の動的に変化する装飾品 。 14．上記制御ユニットは、選択されたカラーを形成するように液晶表示装置をカ スタマイズし、上記選択されたカラーは、第１カラーと第２カラーとの間の範囲 である請求項１、４及び１０に記載の動的に変化する装飾品。 15．上記複数の透明電極は、幾何学像、アニメーション像、カスタマイズされた 像、ロゴ、又は他の認識し得る像を表すように規定の向きに配置される請求項１ 、４及び１０に記載の動的に変化する装飾品。