JPH1050412A - 外部導体付き電線の接続構造及びその接続部材 - Google Patents

外部導体付き電線の接続構造及びその接続部材

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JPH1050412A
JPH1050412A JP20488796A JP20488796A JPH1050412A JP H1050412 A JPH1050412 A JP H1050412A JP 20488796 A JP20488796 A JP 20488796A JP 20488796 A JP20488796 A JP 20488796A JP H1050412 A JPH1050412 A JP H1050412A
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正 宮崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールド構造の接触信頼性を高める。 【解決手段】 シールド電線10のシールド層13とシ
ールドシェル(シールド部材)20との間は導電性を有
するシールド用導通部材30によって導通可能に接続さ
れる。シールド用導通部材30は導電性ゴム材料からな
っているため、弾性変形することによりシールド層13
とシールドシェル20の接触面形状に柔軟に追従するこ
とができる。したがって、シールド用導通部材30とシ
ールド層13及びシールドシェル20との接触が接触領
域の全体に亘って均一に行われ、接触信頼性の高いシー
ルド構造とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シールド電線等の
外部導体付き電線を相手側導電部材と導通可能に接続さ
せるための外部導体付き電線の接続構造及びその接続部
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シールド電線のシールド層と、シ
ールド電線における非シールド領域を囲むシールドカバ
ーとを接続するための手段として、導電性を有する金属
材料からなる筒状のシールド用導通部材を用い、このシ
ールド用導通部材の内周面をシールド層に接触させると
ともに、シールド用導通部材の外周面をシールドカバー
に接触させるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
シールド用導通部材が金属製であるため、そのシールド
用導通部材の接触部分の形状をシールド層の形状及びシ
ールドカバーの形状に対して高い精度で一致させること
は容易ではない。したがって、シールド用導通部材とシ
ールド層及びシールドカバーとの接触領域の全体に亘っ
て均一に接触が行われるようにすることは困難であっ
た。本願発明は上記事情に鑑みて創案されたものであっ
て、接触信頼性の高い外部導体付き電線の接続構造及び
その接続部材を提供することことを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、外部
導体付き電線の外部導体を相手側導電部材に導通可能に
接続させるための接続部材であって、導電性ゴム材料か
らなり、前記外部導体と前記相手側導電部材に対して弾
性的な接触を可能とされているところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、外部導体
付き電線における外部導体を覆う樹脂被覆層の外周面と
前記外部導体付き電線が挿通される筒状部材の内周面と
に対して弾性的に密着することにより、その外部導体付
き電線と筒状部材との間を水密状態に保持可能とされて
いるところに特徴を有する。
【0005】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の発明において、外部導体付き電線の外周とパネルに形
成した貫通孔の内周との間に介装されることにより前記
外部導体付き電線を前記貫通孔の孔縁と非干渉の状態に
保持するようになっているところに特徴を有する。請求
項4の発明は、外部導体付き電線の外部導体と相手側導
電部材との間を導電性を有する接続部材によって導通可
能に接続するようにした外部導体付き電線の接続構造で
あって、前記接続部材が導電性ゴム材料からなり、その
接続部材が前記外部導体と前記相手側導電部材に対して
弾性的に接触されるようになっているところに特徴を有
する。
【0006】
【発明の作用及び効果】請求項1及び請求項4の発明に
おいては、接続部材が導電性ゴム材料からなるので、接
続部材は弾性変形することにより外部導体と相手側導電
部材の接触面形状に柔軟に追従することができる。した
がって、接続部材と外部導体及び相手側導電部材との接
触が接触領域の全体に亘って均一に行われ、接触信頼性
の高い接続構造を実現することができる。
【0007】請求項2の発明においては、接続部材がゴ
ム製であるという特性を利用してその接続部材に防水機
能を持たせたから、別のシール専用部材を用いなくても
外部導体付き電線と筒状部材との間の防水を図ることが
できるようになる。請求項3の発明においては、接続部
材が外部導体付き電線を貫通孔の孔縁に対して非干渉の
状態に保持するようになっているから、外部導体付き電
線が貫通孔の孔縁に当たって損傷することを防止でき
る。
【0008】
【発明の実施の形態】
<実施形態1>以下、本発明を具体化したシールド電線
に適用した実施形態1を図1及び図2を参照して説明す
る。シールド電線(本発明の構成要件である外部導体付
き電線)10は、複数本の撚り線からなる導体11と、
この導体11を覆うように設けた樹脂製のコア12と、
このコア12を囲むように導電性金属細線を筒形網状に
編んだシールド層(本発明の構成要件である外部導体)
13と、このシールド層13を囲むように設けた樹脂製
のシース(本発明の構成要件である樹脂被覆層)14と
からなる。このシールド電線10は、後述するシールド
シェル20との取付けのために、シース14を剥いてシ
ールド層13を露出させた状態に準備されている。尚、
シース14の外周面は、後述するシールド用導通部材
(本発明の構成要件である接続部材)30のリップ部3
1との密着性を高めるために滑らかな円周面となってい
る。
【0009】シールド電線10は、導電性金属材料から
なる円筒形をなすシールドシェル(本発明の構成要件で
ある相手側導電部材及び筒状部材に相当する)20内に
挿通されている。シールドシェル20は、シールド電線
10のシールド層13から露出した非シールド領域(図
1におけるシールド層13の端末よりも左側の領域)を
囲むことによってシールド層13と同様にシールド機能
を発揮するものである。このシールドシェル20は、非
シールド領域だけでなく、シールド電線10のシールド
層13及びシース14の端末部を囲むように位置してい
る。シールドシェル20の端末部内周にはリテーナ40
を保持するための係止溝21が形成されている。さら
に、シールドシェル20の内周における係止溝21より
も奥側の部分には、奥側へ向かって次第に径が小さくな
っていくテーパ状縮径部22が形成されている。このテ
ーパ状縮径部22はシールド層13と対応している。
【0010】かかるシールドシェル20と上記シールド
層13とはシールド用導通部材30によって導通可能に
接続されており、これによりシールド電線10の導体1
1がシールド層13とシールドシェル20により連続的
にシールドされるようになっている。次に、シールド用
導通部材30について説明する。シールド用導通部材3
0は導電性ゴム材料からなり、したがって通電作用を発
揮するとともに弾性変形が可能となっている。シールド
用導通部材30は全体として筒状をなし、その内周には
シールド電線10のシース14と密着するリップ部31
が形成されている。このリップ部31の内径寸法はシー
ス14の外径よりも小さく設定されている。シールド用
導通部材30の外周にはシールドシェル20の内周面と
密着するリップ部32が形成されている。このリップ部
32の外径はシールドシェル20の内径よりも大きく設
定されている。シールド用導通部材30の後端面(図1
及び図2における右側の端面)には同心円形状に楔溝3
3が形成されており、この楔溝33にはリテーナ40の
楔部42が嵌入されるようになっている。シールド用導
通部材30の前端面からは、先端側に向かって次第に径
が小さくなるテーパ筒部34が一体に形成されており、
このテーパ筒部34の外周面はシールドシェル20のテ
ーパ状縮径部22に密着可能となっている。テーパ筒部
34の先端には、シールド層13の外周に対して接触可
能なリング状の接触部35が形成されている。この接触
部35の厚さはテーパ筒部34よりも厚くなっている。
また、接触部35の内径寸法はシールド層13の外径寸
法よりも小さく設定されている。
【0011】シールドシェル20の端末部には、シール
ド用導通部材30をシールドシェル20内に嵌合した状
態に保持するための円環形をなすリテーナ40が取り付
けられており、リテーナ40は、その外周の係止突起4
1をシールドシェル20の係止溝21に係合させること
により軸方向の移動を規制されている。さらに、リテー
ナ40の前端面(シールド用導通部材30と対向する端
面)には、シールド用導通部材30の楔溝33に嵌入さ
れる楔部42が同心円状に形成されている。
【0012】次に、本実施形態の作用について説明す
る。シールド層13の外周にはシールド用導通部材30
の接触部35の内周が接触し、接触部35の外周、テー
パ筒部34の外周及びリップ部32がシールドシェル2
0の内周に密着接触しており、これによってシールド層
13とシールドシェル20とがシールド用導通部材30
を介して導通可能に接続されている。接触部35の内径
はシールド層13の外径よりも小さく設定されているた
め、接触部35は弾性的に拡径変形することによりシー
ルド層13に対してその編み目形状に柔軟に追従した状
態で密着している。しかも、接触部35の厚さをテーパ
筒部34よりも厚くすることによって弾性を強めてい
る。これにより、シールド層13と接触部35は全周に
亘って均一に且つ強く密着接触している。
【0013】また、シールド用導通部材30のテーパ筒
部34はシールドシェル20のテーパ状縮径部22に対
して楔のように食い込んだ状態となっているため、テー
パ筒部34とテーパ状縮径部22は全体に亘って均一に
接触している。尚、このテーパ筒部34とテーパ状縮径
部22の楔作用は接触部35のシールド層13に対する
接触圧の向上にも寄与している。さらに、リップ部32
の外径はシールドシェル20の内径よりも大きく設定さ
れているため、リップ部32は弾性的に縮径変形するこ
とによりシールドシェル20に対して全周に亘って均一
に強く密着接触している。
【0014】即ち、本実施形態においてはシールド層1
3とシールドシェル20とを導通可能に接続する部材と
して弾性変形可能な導電性ゴム材料からなるシールド用
導通部材30を用いているから、接触領域全体に亘って
均一な接触が行われるとともに高い接触圧が確保され、
接触信頼性の高いシールド構造となっている。また、シ
ールド電線10とシールドシェル20との間はシールド
用導通部材30によって防水されている。即ち、シール
ド電線10とシールド用導通部材30の間においては、
リップ部31の内径がシールド電線10のシース14の
外径よりも小さく設定されていることから、リップ部3
1は弾性的に拡径変形することによりシース14に対し
て全周に亘って均一に且つ強く密着接触し、両者の間が
水密状態に保たれている。一方、シールド用導通部材3
0とシールドシェル20との間においては、上記のよう
にリップ部32とシールドシェル20が全周に亘って均
一に強く密着し、両者の間が水密状態に保たれている。
これにより、シールド電線10とシールド用導通部材3
0との間における水の浸入が防止されている。
【0015】しかも、リテーナ40の楔部42がシール
ド用導通部材30の楔溝33に押し込まれているため、
その楔作用によって双方のリップ部31、32が径方向
に広げられている。これにより、リップ部31とシース
14との間及びリップ部32とシールドシェル20との
間の密着圧力が高められ、防水機能の向上が図られてい
る。また、シールド用導通部材30の図1における左方
向への遊動は、テーパ状縮径部22に対するテーパ筒部
34の係合によって規制され、図1の右方向への遊動は
リテーナ40の楔部42に対する楔溝33の係合によっ
て規制されており、これによりシールド用導通部材30
は軸方向への遊動不能に保持されている。
【0016】さらに、本実施形態では、ゴムの弾性を利
用してシールド層13とシールドシェル20との接続を
行うようにしているため、金属製のシールド用導通部材
を用いた場合のようなかしめや圧着などの固着作業が不
要であり、組付けの作業性に優れている。また、かしめ
や圧着等の作業が不要であることにより、シールド層1
3とシールド用導通部材30とシールドシェル20を軸
方向に並べるのではなく径方向に重なり合うように配置
することができるようになった。かかる構成としたこと
により、シールド層とシールド用導通部材とシールドシ
ェルを軸方向に順に並べて配した場合に比べると、軸方
向の寸法が小さく抑えられている。
【0017】<実施形態2>次に、本発明を具体化した
実施形態2を図3を参照して説明する。シールド電線1
0については上記実施形態1と同じ構成であるため、詳
しい説明は省略する。シールド電線10は、導電性金属
材料からなるパネル(本発明の構成要件である請求項1
のシールド部材と請求項2の筒状部材を兼用している)
50の貫通孔51に貫通されている。パネル50は、シ
ールド電線10の端末が接続されている機器(図示せ
ず)のケースの一部を構成している。シールド電線10
の導体11におけるシールド層13から露出した非シー
ルド領域はカバーの内部(図3における右側の領域)に
収容されることによりシールドされた状態となる。
【0018】かかるパネル50とシールド電線10のシ
ールド層13とはシールド用導通部材60によって導通
可能に接続されている。本実施形態のシールド用導通部
材60は、パネル50とシールド層13を接続するとと
もに、パネル50とシールド電線10の間の防水を図
り、さらに、シールド電線10が貫通孔51の孔縁と干
渉することを防止するためのグロメットの機能も兼ね備
えている。本実施形態2のシールド用導通部材60は実
施形態1のシールド用導通部材30と同じく導電性ゴム
材料からなり、したがって通電作用を発揮するとともに
弾性変形が可能となっている。シールド用導通部材60
は全体として筒状をなし、その内周における右端側領域
にはシールド層13と対応するリップ部61が形成され
ている。このリップ部61の内径はシールド層13の外
径よりも小さく設定されている。シールド用導通部材6
0の内周における左端側領域にはシース14と対応する
リップ部62が形成されている。このリップ部62の内
径はシース14の外径よりも小さく設定されている。シ
ールド用導通部材60の外周における右端部には、軸方
向に間隔を空けた一対のフランジ63が一体に形成され
ている。この一対のフランジ63はパネル50を両側か
ら挟み付けるようになり、もってシールド用導通部材6
0の軸方向(左右方向)への遊動が規制されている。一
対のフランジ63の互いに対向する面には、互いに同じ
径の円形をなすリップ部64が複数対形成されており、
この各対のリップ部64同士の軸方向の間隔はパネル5
0の厚さよりも小さく設定されている。また、両フラン
ジ63の間におけるシールド用導通部材60の外径は貫
通孔51の内径とほぼ同じに設定されている。
【0019】本実施形態では、シールド層13の外周に
はシールド用導通部材60の内周が接触し、パネル50
にはシールド用導通部材60外周とフランジ63が接触
しており、これによってシールド層13とパネル50と
がシールド用導通部材60を介して導通可能に接続され
ている。リップ部61の内径はシールド層13の外径よ
りも小さく設定されているため、リップ部61は弾性的
に拡径変形することによりシールド層13に対してその
編み目形状に柔軟に追従した状態で全周に亘って均一に
且つ強く密着接触している。また、一対のフランジ63
の対をなすリップ部64の間隔はパネル50の厚さより
も小さく設定されているため、リップ部64は弾性的に
軸方向へ潰れ変形することによりパネル50に対して均
一に強く密着接触している。即ち、本実施形態において
はシールド層13とパネル50とを導通可能に接続する
ための部材として弾性変形可能な導電性ゴム材料からな
るシールド用導通部材60を用いているから、接触領域
全体に亘って均一な接触が行われるとともに高い接触圧
が確保され、接触信頼性の高いシールド構造となってい
る。
【0020】また、シールド用導通部材60のリップ部
62の内径はシールド電線10のシース14の外径より
も小さく設定されていることから、リップ部62は弾性
的に拡径変形することによりシース14に対して全周に
亘って均一に且つ強く密着接触し、両者の間が水密状態
に保たれている。一方、シールド用導通部材60とパネ
ル50との間においては、上記のようにリップ部64と
パネル50が全周に亘って均一に強く密着しているた
め、両者の間が水密状態に保たれている。これにより、
シールド電線10とパネル50の貫通孔51との間にお
ける水の浸入が防止されている。
【0021】さらに、シールド電線10と貫通孔51と
の間においてはシールド用導通部材60が全周に亘って
介在してグロメットの機能を発揮しているため、このシ
ールド用導通部材60によりシールド電線10は貫通孔
51の孔縁に対して非干渉の状態に保持されている。し
たがって、シールド電線10が貫通孔51の孔縁に当た
って損傷することが防止されている。しかも、シールド
用導通部材60はゴム製であるから、シールド電線10
が軸線を傾けるように変位してもシールド用導通部材6
0が弾性変形してそのシールド電線10の変位に柔軟に
追従するようになる。したがって、シールド用導通部材
60とシールド電線10との密着状態及びシールド用導
通部材60とパネル50との密着状態が保たれ、シール
ド機能と防水機能が維持されるようになっている。
【0022】<実施形態3>次に、本発明を具体化した
実施形態3を図4を参照して説明する。本実施形態は、
上記実施形態2においてシールド用導通部材の構成を異
ならせたものである。その他の構成については上記実施
形態2と同じであるため、同じ構成については、同一符
号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。本実
施形態3ではパネル50にはシールド機能を持たせてお
らず、これに替わるシールド部材として、パネル50と
は別部品のシールドシェル(本発明の構成要件である請
求項1のシールド部材と請求項2の筒状部材に相当す
る)55が用いられている。
【0023】本実施形態のシールド用導通部材70は、
実施形態2のシールド用導通部材60と同じく導電性ゴ
ム材料からなり、したがって通電作用を発揮するととも
に弾性変形が可能である。シールド用導通部材70は全
体として筒状をなし、その内周には、シールド層13と
シース14に対して弾性的に拡径変形することにより均
一に密着するリップ部71、72が形成され、外周には
リップ部74を介してパネル50に弾性的に密着接触す
る一対のフランジ73が形成されている。
【0024】さらに、シールド用導通部材70の外周に
おけるフランジ73よりも右側の領域にはリップ部75
が形成されており、このリップ部75はシールドシェル
55の内周に対して弾性的に縮径変形することにより密
着されている。このシールドシェル55に密着するリッ
プ部75は、シールド層13に密着する内周側のリップ
部71と対応するように配されている。本実施形態で
は、シールド層13とシールドシェル55の間ではシー
ルド用導通部材70が径方向に挟み付けられた状態で接
触しており、これによってシールド層13とシールドシ
ェル55とがシールド用導通部材70を介して導通可能
に接続されている。これらの接触部分では、リップ部7
1、75がシールド層13とシールドシェル55に対し
て弾性的に密着しているため、接触領域全体に亘って均
一な接触が行われるとともに高い接触圧が確保され、接
触信頼性の高いシールド構造となっている。
【0025】また、シールド電線10とパネル50との
間においては、リップ部72がシース14に対して密着
しているとともにリップ部74がパネル50に対して密
着していることにより防水されている。さらに、シール
ド電線10と貫通孔51との間においては、シールド用
導通部材70のグロメット機能によりシールド電線10
の貫通孔51の孔縁に対する干渉が防止されている。ま
た、シールド用導通部材70はゴム製であるから、シー
ルド電線10が軸線を傾けるように変位してもシールド
用導通部材70がその変位に追従するように弾性変形す
ることによりシールド機能と防水機能が維持される。
【0026】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 (1)上記実施形態ではシールド層が複数の細線を網状
に編んだ編組である場合について説明したが、本発明に
よれば、編組以外にも例えば、導電性金属箔や螺旋巻き
した導電性金属線を用いたり、蒸着、メッキ、プラズマ
溶射により金属コーティングを施すことなどによってシ
ールド層が構成されている場合にも適用することができ
る。
【0027】(2)実施形態1においてはテーパ状縮径
部を全周に亘って連続して形成したが、これに代えて周
方向に間隔を空けて複数の補記リブを設けるようにして
もよい。 (3)実施形態1においてシールドシェルにテーパ状縮
径部を設けない構成としてもよい。この場合には、シー
ルド用導通部材の接触部の内径とシールド層の外径との
寸法差を大きくして接触部のシールド層に対する接触圧
を高くする等の補強手段を講じることが望ましい。
【0028】(4)実施形態1においてはシールドシェ
ルとシールド用導通部材との間が防水される場合につい
て説明したが、本発明によれば、シールドシェルとシー
ルド用導通部材との間を非防水とすることもできる。こ
の場合には、シールドシェルとは別に筒状部材を設け、
その筒状部材とシールド用導通部材との間で防水機能が
発揮されるようにすることもできる。 (5)実施形態2の変形例として、パネルとシールド用
導通部材との間及びシールド用導通部材とシールド電線
との間を非防水としてもよい。
【0029】(6)実施形態3の変形例として、シール
ドシェルとシールド用導通部材との間及びシールド用導
通部材とシールド電線との間を非防水としてもよい。 (7)上記実施形態では単に外被覆層を剥いてシールド
層を露出させただけとなっているが、シールド層を折り
返して外被覆層の外周面に重ね合わせるようにしてもよ
い。 (8)上記実施形態では外部導体付き電線がシールド電
線である場合について説明したが、本発明は、内部導
体、コア、外部導体及びシースを同心状に順に配した同
軸ケーブルにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の断面図
【図2】実施形態1のシールド用導通部材の断面図
【図3】実施形態2の断面図
【図4】実施形態3の断面図
【符号の説明】
10…シールド電線(外部導体付き電線) 13…シールド層(外部導体) 14…外被覆層(樹脂被覆層) 20…シールドシェル(相手側導電部材、筒状部材) 30…シールド用導通部材(接続部材) 50…パネル(相手側導電部材) 51…貫通孔 55…シールドシェル(相手側導電部材、筒状部材) 60、70…シールド用導通部材(接続部材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部導体付き電線の外部導体を相手側導
    電部材に導通可能に接続させるための接続部材であっ
    て、導電性ゴム材料からなり、前記外部導体と前記相手
    側導電部材に対して弾性的な接触を可能とされているこ
    とを特徴とする接続部材。
  2. 【請求項2】 外部導体付き電線における外部導体を覆
    う樹脂被覆層の外周面と前記外部導体付き電線が挿通さ
    れる筒状部材の内周面とに対して弾性的に密着すること
    により、その外部導体付き電線と筒状部材との間を水密
    状態に保持可能とされていることを特徴とする請求項1
    記載の接続部材。
  3. 【請求項3】 外部導体付き電線の外周とパネルに形成
    した貫通孔の内周との間に介装されることにより前記外
    部導体付き電線を前記貫通孔の孔縁と非干渉の状態に保
    持するようになっていることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の接続部材。
  4. 【請求項4】 外部導体付き電線の外部導体と相手側導
    電部材との間を導電性を有する接続部材によって導通可
    能に接続するようにした外部導体付き電線の接続構造で
    あって、 前記接続部材が導電性ゴム材料からなり、その接続部材
    が前記外部導体と前記相手側導電部材に対して弾性的に
    接触されるようになっていることを特徴とする外部導体
    付き電線の接続構造。
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