JPH10501420A - 副腎皮質刺激ホルモン放出因子▲下2▼レセプター - Google Patents

副腎皮質刺激ホルモン放出因子▲下2▼レセプター

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JPH10501420A
JPH10501420A JP8502539A JP50253996A JPH10501420A JP H10501420 A JPH10501420 A JP H10501420A JP 8502539 A JP8502539 A JP 8502539A JP 50253996 A JP50253996 A JP 50253996A JP H10501420 A JPH10501420 A JP H10501420A
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JP8502539A
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ダブリュ ローベンバーグ,ティモシー
オルターズドルフ,ティルマン
ワン リアウ,チェン
イー. グリゴリアディス,ディミトリ
サウザ,エロール ビー. デ
カルマーズ,デレク
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ニューロクライン バイオサイエンシズ,インコーポレイティド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、CRF2レセプターをコーディングする単離核酸分子、このようなレセプターを発現させるために好適な組換え発現ベクター及び宿主細胞、並びにこのようなレセプターを使用する組成物及び方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 副腎皮質刺激ホルモン放出因子2レセプター技術分野 本発明は、一般に、細胞表面レセプター、そしてより特に、副腎皮質刺激ホル モン放出因子2レセプター(Corticotropic Releasing Factor2レセプター)に関 する。本発明の背景 副腎皮質刺激ホルモン放出因子(“CRF ”)は、副腎皮質刺激ホルモン(adre nocorticotropic hormone(“ACTH”))及び下重体前葉(anterior pituitary )の他のプロオピオメラノコルチン(proopiomelanocortin(“POMC”))産物 の生産を刺激するその能力のために視床下部(hypothalamus)から元来単離され た41−アミノ酸のペプチドである(Vale et al.,Science 213:1394-1387,198 1)。簡単に言えば、CRF は、脳(DeSouza et al.,Science 224:1449-1451,19 84)、下重体(Wynn et al.,Bio chem.Biophys.Res.Comm.110.602-608,198 3)副腎(Udelsman et al.,Nature 319:147-150,1986)及び脾臓(Webster,E. L.,and E.B.DeSouza,Endocrinology 122:609-617,1988)の全体にわたり 分布する形質膜に結合することによりその生物学的効果を開始させると信じられ ている。このレセプターは、細胞内cAMPにおける CRF−刺激増加を仲介する(Bil ezikjian,L.M.,and W.W.Vale,Endocrinology 113:657-662,1983)、 GTP −結合性タンパク質に結合する(Perrin et al.,Endocrinology 118:1171-117 9,1986)。 ACTH及びPOMCの生産を刺激するその役割に加えて、CRF は、スト レスに対する内分泌の、自律的な、そして行動物応答の多くを協調させるとも信 じられており、そして情緒的失調の異常生理学にも関連することができる。その 上、CRF は、免疫、中枢神経、内分泌及び心臓血管系の間の連絡において主要な 媒介物であると信じられている(Crofford et al.,J.Clin.Invest.90:2555- 2564,1992;Sapolsky et al.,Science 238:522-524,1987;Tilders et al. ,Regul.Peptides 5:77-84,1982;Fisher et al.,Reg.Peptide 5:153-161 ,1983)。 CRF のためのレセプターは、ラット(Perrin et al.,Endo 133(6):3058-3061 ,1993)、及びヒト脳(Chen et al.,PNAS 90(19):8967-8971,1993;Vita et al.,FEBS 335(1):1-5,1993)からクローン化されている。このレセプターは 、7つの膜に広がるドメイン(membrane spanning domains)を含み、そして44,00 0ダルトンの推定分子量をもつ。ラットとヒトの配列の間の同一性の比較は、そ のアミノ酸レベルにおいて高い程度のホモロジー(97%)を示す。さらに、組換 えにより作り出されたヒト・レセプターのスキッチャード分析(Scatchard analy sis)は、CRF について高いアフィニティー(1.6±0.3nM のkd)をもつ単一成分の 部位を立証する。 本発明は、“副腎皮質刺激ホルモン放出因子-2”(“CRF2”)といわれる新規 の、従来未同定であったCRF レセプター、すなわち副腎皮質刺激ホルモン放出因 子レセプターを提供する。さらに、本発明は、このようなCRF2レセプターを利用 する組成物及び方法、並びに他の関連の利点を提供する。本発明の要約 簡単に言えば、本発明は、(“CRF2副腎皮質刺激ホルモン放出因子レセプター ”又は“CRF2R”ともいわれる)CRF2レセプターを利 用する組成物及び方法を提供する。本発明の1の側面においては、単離された核 酸分子であってCRF2レセプターをコードするものが提供される。1の態様におい ては、CRF2レセプター、例えば、アミノ酸番号1からアミノ酸番号411 まで配列 番号:4中に開示されるものをコードする核酸分子が提供される。他の態様にお いては、ヌクレオチド番号216 からヌクレオチド番号1449まで配列番号:3中の ヌクレオチドの配列を含んで成る核酸分子が提供される。他の態様においては、 CRF2レセプター、例えば、アミノ酸番号1からアミノ酸番号431 まで配列番号: 2中に開示されるものをコードする核酸分子が提供される。他の態様においては 、ヌクレオチド番号44からヌクレオチド番号1336まで配列番号:1中のヌクレオ チドを含んで成る核酸分子が提供される。本発明のCRF2レセプターをコードする 核酸分子を、例えば、ヒト、マカーク(ザル)、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、イ ヌ、ネコ、ラット及びマウスを含む事実上いずれの温血動物からも単離すること ができる。 本発明の他の側面においては、単離された核酸分子であって、CRF2レセプター の一部、例えばN−末端細胞外ドメインをコードするものが提供される。1の態 様においては、ヌクレオチド番号216 からヌクレオチド番号570 まで配列番号: 3中のヌクレオチドの配列を含んで成る単離された核酸分子が提供される。他の 態様においては、アミノ酸番号1からアミノ酸番号118 まで配列番号:4のアミ ノ酸配列をもつタンパク質をコードする単離核酸分子が提供される。他の態様に おいては、ヌクレオチド番号44からヌクレオチド番号451 まで配列番号1中のヌ クレオチドの配列を含んで成る単離核酸分子が提供される。他の態様においては 、アミノ酸番号1からアミノ酸番号138 までの配列番号:2のアミノ酸配列をも つタンパク質をコードする単離核酸分子が提供される。 本発明の他の側面においては、上記核酸分子を発現することができる発現ベク ターが提供される。他の側面においては、組換えウイルス・ベクターであって、 上記核酸分子の発現を指令することができるものが提供される。このようなウイ ルス・ベクターの代表例は、レトロウイルス・ベクター、アデノウイルス・ベク ター、及び単純ヘルペス・ウイルス・ベクターを含む。上記発現ベクター、並び に上記核酸分子によりコードされるレセプター又はその部分を含む宿主細胞も、 本発明により提供される。他の態様においては、例えば、細胞外ドメインの単離 された部分、例えはN−末端細胞外ドメインを含む、CRF2レセプターの単離部分 が提供される。 本発明の他の側面においては、上記CRF2レセプターに特異的に結合することが できる単離抗体が提供される。1の態様においては、それらの抗体は、ポリクロ ーナル抗体、モノクローナル抗体、及び抗体断片から成る群から選ばれることが できる。他の態様においては、CRF2レセプターへのCRF(又は他の基質、例えばソ ーバジン(sauvagine)又はウロテンジンI(urotensinI))の結合をブロッキング することができる抗体が提供される。好ましい態様においては、それらの抗体は 、ネズミ及びヒト抗体から成る群から選ばれることができる。本発明の好ましい 側面においては、上述の抗体は、ハイブリドーマにより産生される。 本発明のさらに他の側面においては、上記のCRF2レセプターのいずれかをコー ディングする核酸分子に特異的にハイブリダイズすることができる核酸分子が提 供される。このような分子は、少なくとも“y”ヌクレオチド長(ここで、“y ”は14と1230間のいずれかの整数である。)の間にあることができ、そしてそら に、以下に記載するプローブ又はプライマーとしての使用に好適であるものとし て選ばれることができる。特に好ましい本発明のプローブは、少な くとも18の長さのヌクレオチドである。 本発明の他の側面においては、CRF2レセプターに結合する化合物の存在の検出 方法であって、(a)その化合物がそのレセプターに結合することを許容するた めに十分な条件下又は時間にわたりCRF2レセプターを発現する細胞に1以上の化 合物を晒し、そして(b)CRF2レセプターに結合する化合物の存在を検出するこ とができるように、そのレセプターに結合する化合物を単離する、の段階を含む 方法が、提供される。他の側面においては、CRF2レセプターに結合する化合物の 存在の検出方法であって、(a)そのN−末端細胞外ドメインへの化合物の結合 を許容するために十分な条件下及び時間にわたりCRF2レセプターのN−末端細胞 外ドメインに1以上の化合物を晒し、そして(b)CRF2レセプターに結合する化 合物の存在を検出することができるように、そのCRF2レセプターのN−末端細胞 外ドメインに結合する化合物を単離する、の段階を含む方法が、提供される。1 の態様においては、これらの化合物は、蛍光分子、酵素、及び放射線核種から成 る群から選ばれた剤により標識される。 本発明の他の側面においては、選ばれた化合物が、CRF2レセプター・アゴニス ト又はアンタゴニストであるかどうかを決定するための方法であって、その化合 物の結合及びcAMPの細胞内レベルにおける関連応答を許容するために十分な条件 下及び時間にわたりCRF2レセプターを発現する細胞に、選ばれた化合物を晒し、 そして(b)細胞内cAMPのレベルにおける増加又は減少のいずれかを検出し、そ してそれにより、その選ばれた化合物がCRF2レセプター・アゴニスト又はアンタ ゴニストのいずれかであるかについて決定する、の段階を含む方法が提供される 。 他の側面においては、化合物のプールにおけるCRF2レセプター・アゴニスト又 はアンタゴニストの存在の検出方法であって、(a) その化合物の結合及びcAMPの細胞内レベルにおける関連応答を許容するために十 分な条件下及び時間にわたりCRF2レセプターを発現する細胞に化合物のプールを 晒し、そして(b)CRF2レセプター・アゴニスト又はアンタゴニストの存在を検 出することができるように、cAMPの細胞内レベルを増加させるか又は減少させる かのいずれかである化合物を単離する、の段階を含む方法が提供される。 他の側面においては、選ばれた化合物がCRF2レセプター・アンタゴニストであ るかどうかの決定方法であって、(a)そのレセプターへのその化合物の結合及 びその経路を通じての関連応答を許容するために十分な条件下及び時間にわたり 、応答経路に結合した組換えCRF2レセプターに、CRF2レセプター・アゴニストの 存在中選ばれた化合物を晒し、そして(b)CRF2レセプター・アゴニスト単独に よるその応答経路の刺激に対して、そのCRF2レセプターへのその化合物の結合か ら得られるその応答経路の刺激における減少を検出し、そしてそれからCRF2アン タゴニストの存在について決定する、の段階を含む方法が提供される。他の態様 においては、選ばれた化合物がCRF2レセプター・アゴニストであるかどうかの決 定方法であって、(a)そのレセプターへのその化合物の結合及びその経路を通 じての関連応答を許容するために十分な条件下及び時間にわたり、応答経路に結 合した組換えCRF2レセプターに選ばれた化合物を晒し、そして(b)そのCRF2レ セプターへのその化合物の結合から得られたその応答経路の刺激における増加を 検出し、そしてそれから、CRF2レセプター・アゴニストの存在について決定する 、の段階を含む方法が提供される。 本発明の他の側面においては、CRF2レセプター−関連疾患の治療方法であって 、CRF2レセプター応答経路の刺激を増加させるか又は減少させるかのいずれかで あることが望ましいような方法が、提供 される。例えば、1の側面においては、脳血管障害、例えば、発作、再灌流損傷 及び偏頭痛の治療方法であって、その障害が治療され又は軽減されるように、治 療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニストを患者に投与する段階を含む方法 が提供される。他の側面においては、学習又は記憶障害の治療方法であって、治 療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニストを患者に投与することを含む方法 が、提供される。さらに他の側面においては、アルツハイマー病の治療方法であ って、治療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニストを患者に投与することを 含む方法が提供される。好適なCRF2レセプター・アンタゴニストの代表的な例は 、α−ヘリカル。CRF(9−41)、又はd−Phe r/h CRF(12-41)を含む。 本発明の上記及び他の側面は、以下の詳細な説明及び添付図面を参照して明ら かになるであろう。さらに、さまざまな文献であって、より詳細な特定の手順又 は組成物(例えば、プラスミド、等)について記載するものを以下に挙げ、そし てそれ故、それらの全体として引用により取り込む。図面の簡単な説明 図1は、1の代表的なCRF2レセプター(CRF2β;配列番号:2)の構造を図示 する。 図2は、第2の代表的なCRF2レセプター(CRF2α;配列番号:4)の構造を図 示する。 図3は、CRF1レセプターによりトランスフェクトされた細胞内でのcAMP蓄積を 示すグラフである。 図4は、CRF2レセプターによりトランスフェクトされた細胞内でのcAMP蓄積を 示すグラフである。 図5は、CRF1トランスフェクト細胞内でのソーバジン(Sauvagin e)刺激cAMP生産に対するアンタゴニストα−ヘリカル及びd−Pheの効果を示す グラフである。 図6は、CRF2αトランスフェクト細胞内でのソーバジン刺激cAMP生産に対する アンタゴニストα−ヘリカル及びd−Phe の効果を示すグラフである。 図7は、2つのCRF2サブタイプ(CRF2αとCRF2β)のRNase保護アッセイの写 真である。Ts=精巣;Ht=心臓;Sk=骨格筋;Lv=肝臓;Kd=腎臓;Sp=脾臓; 01=嗅球(olfactory bulb);St=線条(striatum);Hy=視床下部;Pt=下垂 体;Cx=皮質;Hp=海馬。 図8A,A′,B,B′,C及びC′は、2つのCRF2サブタイプの解剖学的分布 を示す一連の写真である。8A,BとCは、CRF2αとCRF2βによりプローブされた ラット脳の冠状切片である。図8A′,B′とC′は、CRF2βアンチセンスcRNAに よりプローブされた隣接切片である。 図9は、それらのレセプターのコーディング領域を横切るCRF1とCRF2レセプタ ーの間のヌクレオチド配列ホモロジーを図示したものである。下のバーは、それ に対してCRF1とCRF2 cRNAプローブがデザインされたレセプターの領域を示す。 図10は、隣接する水平脳切片内でのCRF1とCRF2レセプターmRNA発現の2色コー ドされたディジタル化イメージである。高レベルのmRNA発現を示す領域は、赤及 びオレンジ色でコードされ、一方、最低レベルの発現は、青色でコードされる。 図11A,B,C,D及びEは、ディジタル化された冠状脳切片内でのCRF2レセ プターmRNA(左半球)及びCRF1レセプターmRNA(右半球)の吻−尾(rostro-cau dal)(A−E)分布を示す一連の写真である。Epy、嗅球の上衣(ependymal)層 ;Int Gr、嗅球の内部課粒細胞層;G1、嗅球の課粒細胞層;LSI 、外側中隔核( lateral sept al nucleus(中間部分));LSV 、外側中隔核(腹部);MS、内側中隔核(medi al septal nucleus);Fr Ctx 、前頭皮質;pir 、梨状皮質(piriform cortex );CA1,CA1野(アモンズ角(Ammons horn));CA3,CA3野(アモンズ角);DG 、歯状回;Chp、脈絡叢;MeA 、内側扁桃核;VMH 、視床下部腹内側核;Cling C tx 、帯状皮質;BLA 、基底外側扁桃核;RN、赤核;Oc、後頭皮質;MG、内側膝 状核;PDTg、後背蓋核;Trg Nuc、三叉核;Pn、橋グレイ(pontine gray)。 図12AとBは、中間(LSI)と腹(LSV)外側中隔核内での(35S)cRNA CRF2プロ ーブとハイブリダイズした2つの暗野顕微鏡写真である。高分解能(B)におい て、腹外側中隔内の細胞内で高レベルのCRF2レセプターが注目される。Cau 、尾 状;LV、側脳室。 図13A,BとCは、分界系(stria terminalis)の床核(BNST)を通る隣接冠 状切片内での(A)(35S)cRNA CRFプローブ、(B)(35S)cRNA CRF2プロ ーブ及び(C)(35S)cRNA CRF1プローブとハイブリダイズした細胞の一連の 暗野顕微鏡写真である。(A)において、後外側領域(BNSTpl)内に高濃度の C RF−発現細胞が在り、一方、(B)において、CRF2レセプター発現は、その核( BNSTpm)の内側面に優先的に局在化することに注目のこと。(C)において、CR F1レセプターmRNA発現は、核の内側と外側面の両方において明らかである。Fx、 脳弓。 図14AとBは、後頭皮質扁桃核(Aco)内での(A)(35S)cRNA CRF2プロー ブと(B)(35S)cRNA CRF1プローブとハイブリダイズする細胞の2つの暗野 顕微鏡写真である。(A)において、核全体にわたり高レベルのCRF2レセプター mRNA発現があり、一方、(B)において、CRF1レセプター発現が、背景シグナル に匹敵することに注目のこと。CRF2レセプターmRNA発現は、(A)における視索 上核(supraoptic nucleus)内、CRF1レセプター発現が検出されることができな い領域(B)においても明らかである。opt 、視索、(A)における矢印は切断 の端を示す。 図15A,BとCは、海馬形式内での(A)(35S)cRNA CRF1プローブ並びに (B)と(C)(35S)cRNA CRF2プローブとハイブリダイズした細胞の一連の 暗野顕微鏡写真である。背部海馬内では、CRF1とCRF2レセプター発現の両方が、 比較的低かった。しかしながら、腹部海馬内では(C)、高レベルのCRF2レセプ ターmRNAを発現する細胞が、歯状回及び鉤状回(subiculum)内で明らかであった 。*、エマルジョン人工産物。 図16AとBは、腹内側視床下部核(VMH)(A)及び(B)内で(35S)cRNA CRF2プローブとハイブリダイズした2つの暗野顕微鏡写真である。高分解能( B)において、核の背内側(DM)と腹外側(VL)面の両方における高レベルのCR F2レセプター発現に注目のこと。3V、第3脳室;opt 、視索。 図17A,B,CとDは、視索上核(SO)と上視交叉核(suprachiasmatic uncl eus(sch))を通る隣接切片内で(35S)cRNA CRF2プローブ(A)と(C)並 びに(35S)cRNA CRF1プローブ(B)と(D)とハイブリダイズした細胞の一 連の暗野顕微鏡写真である。核(B)と(D)のいずれにおいてもCRF1レセプタ ー発現が存在しないことに注目のこと。opt 、視索;*標識された細動脈。 図18A,BとCは、視床下部の室房核(paraventricular nucleus)を通る隣接 切片内で(A)(35S)cRNA CRFプローブ、(B)(35S)cRNA CRF2プローブ 及び(C)(35S)cRNA CRF1プローブとハイブリダイズした細胞の一連の暗野 顕微鏡写真である。(A)において、CRF 発現細胞は、室房核の内側及び背側面 の全体にわたり明らかである。(B)において、CRF2レセプター発現が、スキャ ッチード標識された細胞だけがその背側亜分割内で明らかでありながら、内側小 細胞領域(mpv)内で最も優勢であることに注目のこと。CRF1レセプター発現は、 両亜分割内(C)において顕著でない。3v、第3脳室;Fx、脳弓。 図19A,BとCは、(A)背側縫線(dorsal raphe(DR))及び中心グレイ( central gray(CG)),(B)中間縫線(median raphe(MnR))及び(C)脚間 核(inter peduncular nucleus(IPN))内で(35S)cRNA CRF2プローブとハイ ブリダイズする細胞の一連の暗野顕微鏡写真である。 図20Aは、脈絡叢(Chp)内でのCRF2レセプターmRNAの発現を示す顕微鏡写真で ある。図20Bは、隣接Nissl 染色切片を示す顕微鏡写真である。4v、第4脳室。 図21Aは、脳内細動脈内でのCRF2レセプターmRNA発現の高出力暗野イメージで ある。図21Bは、(A)中に示す細動脈の明野Nissl染色切片である。(B)に おける特徴的な筋細動脈壁に注目のこと。 図22A,B,CとDは、脳下重体腺の前葉(anterior lobe(AL))での、CRF1 レセプターmRNA発現(A)と(B)並びにCRF2レセプターmRNA発現(C)と(D )の一連の暗野顕微鏡写真である。(A)において、CRF1 mRNAを発現する細胞 のクラスター化(clustering)は、たぶんコルチコトロフの分布を反映しており 、一方、CRF2 mRNA発現は、播種性細胞内でのみ存在する(C)。高分解能にお いて、銀課粒のかなりの蓄積が、(35S)cRNA CRF1プローブとハイブリダイズ した前葉細胞上に明らかにあり、(B)中矢印、一方、銀課粒のほんの弱い蓄積 だけが(35S)cRNA CRF2プローブとハイブリダイズした細胞上に明らかにあっ た、(D)中矢印。本発明の詳細な説明 定義 本発明について述べる前に、以下に使用されるべき特定の用語の定義を述べる ことが本発明の理解のための助けとなることができる。 本明細書中に使用するとき、(“CRF2副腎皮質刺激ホルモン放出因子レセプタ ー”又は“CRF2R ”ともいう)“CRF2 レセプター”とは、副腎皮質刺激ホルモン 放出因子及び他のタンパク質、例えばウロテンジンI及びソーバジンに結合する レセプター・タンパク質をいう。CRF2レセプターは、基準、例えば、基質結合性 のアフィニティー、組織分布、及び配列相同性に基づき、他のレセプター、例え ば、副腎皮質刺激ホルモン放出因子レセプターから区別されることができる。例 えば、本発明のCRF2レセプターは、本明細書中に開示するCRF2レセプター(例え ば、配列番号:3)に対して、70%より大きなホモロジー、好ましくは、75%〜 80%より大きなホモロジー、より好ましくは、85%〜90%より大きなホモロジー 、そして最も好ましくは、92%,95%又は97%より大きなホモロジーをもたなけ ればならない。生来の立体形状においては、CRF2レセプターは、N−末端細胞外 ドメイン、3つの細胞内及び3つの細胞外ループにより分割された7つのトラン スメンブラン・ドメイン、並びにC−末端細胞内ドメインから成る膜結合タンパ ク質として存在すると信じられている(図1と2を参照のこと。)本発明の文脈 内で使用されるとき、CRF2レセプターは、本明細書中に開示するタンパク質だけ でなく(配列番号:2,4及び8を参照のこと。)、以下に討議するような実質 に類似の誘導体及び同族体(アナログ)を含むと理解されるべきである。 “核酸分子”とは、標準的な生化学的方法により、例えばクロー ニング・ベクターを使用してその配列及びその成分ヌクレオチド配列の同定、操 作及び回収を可能にする量又は濃度において、そして実質的に純粋な形態におい て、すなわち内因性材料の汚染を伴わないで、少なくとも一回単離された核酸か ら得られている、別個の断片の形態における又はより大きな核酸構築物の成分と しての、核酸配列をいう。このような配列は、好ましくは、真核生物の遺伝子内 に典型的に存在する内部非翻訳配列、又はイントロンにより中断されないオープ ン・リーディング・フレームの形態において提供される。これらの関連配列を含 むゲノム核酸を使用することもできる。翻訳されない核酸の配列は、同一物がそ のコーディング領域の操作又は発現を妨害しない場合、そのオープン・リーディ ング・フレームからの5′又は3′側に存在することができる。 “組換え発現ベクター”とは、CRF2レセプターをコードする核酸配列を増幅す るか又は発現するかのいずれかのために使用される複製可能な核酸をいう。この 構築物は、(1)遺伝子発現において調節的な役割をもつ遺伝子要素(単数又は 複数)、例えばプロモーター、(2)mRNAに転写され、そしてタンパク質に翻訳 される構成的又はコーディン配列、及び適当な転写及び翻訳開始及び終結配列、 のアセンブリーを含んで成る。 上述のように、本発明は、CRF2レセプターをコーディングする単離核酸分子を 提供する。簡単に言えば、CRF2レセプターは、基質(例えば、CRF 、又は他の基 質、例えば、ソーバジン及びウロテンジンI)に結合し、そしてその細胞にその 基質より提供されるシグナルを伝達することができるG−結合タンパク質レセプ ター(G−coupled protein receptors)である。このようなシグナル伝達は、典 型的には、応答経路が、一般的に、常にではないが、直接的に膜結合レセプター に結合された外部刺激により活性化されるときに、生 じる。応答経路は、一般に、細胞応答、例えば、応答性細胞系からの細胞外マト リックス分泌、ホルモン分泌、化学走性、分化、又は応答性細胞の細胞分裂の開 始又は抑制を引き起こす。本明細書中に使用するとき、応答経路へのレセプター のカップリングとは、応答経路の直接的活性化又は細胞応答経路を活性化させる ための第2メッセンジャー、例えばG−タンパク質を介してのシグナルの伝達を いう。 本明細書中に記載する方法(実施例1参照)を利用して得ることができる1の 代表的なCRF2レセプターを、図1中に図示する(図2も参照のこと。)。簡単に 言えば、このCRF2レセプターは、細胞外N−末端ドメイン(アミノ酸1−117) 、第1のトランスメンブラン・ドメイン(アミノ酸118−138)、第1の細胞内ドメ イン(139−147)、第2のトランスメンブラン・ドメイン(148−167)、第2細胞外 ドメイン(168−184)、第3トランスメンブラン・ドメイン(185−208)、第2細胞 内ドメイン(209−223)、第4トランスメンブラン・ドメイン(224−244)、第3細 胞外ドメイン(245−261)、第5トランスメンブラン・ドメイン(262−286)、第3 細胞内ドメイン(287−309)、第6トランスメンブラン・ドメイン(310−329)、第 4細胞外ドメイン(330−342)、第7トランスメンブラン・ドメイン(343−363)、 及びC−末端細胞内ドメイン(364−411)から成る。 上記CRF2レセプターは、説明の目的のために提供されたけれども(図2及び配 列番号:2をも参照のこと。)本発明は、そのように限定されるべきではない。 特に、本発明は、配列番号:1−4中に開示する配列に対して実質的な類似性を もつ多種多様な追加のCRF2レセプターを提供する。本発明の文脈中で使用すると き、CRF2レセプターをコードする核酸配列は、以下の場合に本明細書中に開示す るものと実質的に類似しているとみなす:(a)その核酸配列が( 例えば、本明細書中に開示する配列の対立遺伝子変種を含む)生来のCRF2レセプ ター遺伝子のコーディング領域から得られ;(b)その核酸配列が中程度の(例 えば、50%ホルムアミド、5×SSPE,5×Denhardt's,0.1% SDS,100μg/ml サケ精子核酸、及び42℃の温度)又は高ストリンジェンシー(Sambrook et al. ,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2d Ed.,Cold Spring Harbor Labo ratory Press,NY,1989を参照のこと。)のいずれかの条件下、本発明の核酸配 列(又はそれらの相補鎖)にハイブリダイズすることができ;又は(C)核酸配 列が、(a)又は(b)に定義した核酸配列にその遺伝子コードの結果として縮 重している。さらに、デオキシリボ核酸が本明細書中しばしば言及されるけれど も、本明細書中にその開示が提供されれば当業者にとって自明であるはずであろ うが、多種多様な関連核酸分子であって、例えば、RNA 、核酸アナログ、並びに 1以上のタイプの核酸から成ることができるキメラ核酸分子を含むものも、本明 細書中に記載される各種態様において使用されることができる。 さらに、上述のように、本発明の文脈中、“CRF2レセプター”は、上記のCRF2 レセプターの誘導体及びアナログを含むと理解されるべきである。このような誘 導体は、保存的アミノ酸置換及び/又はアミノ酸の僅かな付加、置換又は欠失で あってその正味の効果がCRF2レセプターの生物学的活性(例えば、シグナル伝達 )又は機能を実質的に変化させないものを含む、対立遺伝子変異体及び遺伝子操 作された変異体を含む。このような誘導体は、一般に、その対応の生来のCRF2レ セプターに対し、約70%〜75%より大きな類似性、好ましくは、80%〜85%より 大きな類似性、より好ましくは、90%〜95%より大きな類似性、そして最も好ま しくは、97%より大きな類似性をもつ。パーセント類似性は、例えば、Smith an d Waterman( Adv.Appl.Math.2:482,1981)により改訂されたようなNeedleman and Wuns ch(J.Mol.Biol.48.443,1970)の整列方法を使用する。GAP プログラムを 用いて配列情報を比較することにより、決定されることができる。簡単に言えば 、このGAP プログラムは、類似する整列したシンボル(すなわち、ヌクレオチド 又はアミノ酸)の数を、その2つの配列の短い方のシンボルの数で割ったものと して類似性を定める。GAP プログラムのための好ましい不足パラメーターは:( 1)(同一について1の値、そして非同一について0の値を含む)単一要素から 成る比較行列、及びSchwartz and Dayhoff(ed.Atlas of Protein Sequence and Stracture,National Biomedical Research Foundation,pp.353-358,1979) により記載されたような、Gribskov and Burgess(Nucl.Acid Res,14:6745,1 986)の加重比較行列;(2)各ギャップについて3.0 のペナルティー、そして各 ギャップ内の各シンボルについて追加の0.10のペナルティー;そして(3)末端 ギャップについてペナルティー無し、を含む。 CRF2レセプターの一次アミノ酸構造は、他の化学的部分、例えばグリコシル基 、脂質、ホスフェート、アセチル基その他と共有結合又は凝集結合体を形成する ことにより、又はアミノ酸配列突然変異体を創出することにより、修飾されるこ ともできる。共有結合誘導体は、そのN−又はC−末端において又はCRF2Rアミ ノ酸側鎖の特定の官能基に連絡することによって調製されることができる。本発 明の範囲内のCRF2R の他の誘導体は、例えば、N−末端又はC−末端融合物とし ての組換え培養における合成により、他のタンパク質又はポリペプチドとのCRF2 R 又はその断片の共有結合又は凝集結合体を含む。例えば、結合したペプチドは 、その合成部位から、細胞膜又は壁の内側又は外側のその作用部位へのそのタン パク質の輸送 を翻訳同時に又は翻訳後に指令するタンパク質のN−末端領域におけるシグナル (又はリーダー)ポリペプチド配列(例えば、酵母α−因子リーダー)であるこ とができる。CRF2R タンパク質融合は、CRF2R の精製又は同定を容易にするため に付加されるペプチド(例えば、NTA ニッケル・キレート化カラムを介してその タンパク質の精製を許容するポリ−His)、又はFLAG(Hopp et al.,Bio/Technolo gy 6:1204-1210,1988)を含むこともできる。他の有用な融合タンパク質は、ル シフェラーゼ、ベーターガラクトシダーゼ(Grey et al.,PNAS 79:6598,1982) 、trp E.(Itakura et al.,Science 98:1056,1977)、及びプロテインA(Uble n et al.,Gene 23:369,1983)を含む。好ましい態様においては、融合タンパ ク質は、例えば、(配列Pro-x-Gly-Pro(ここで、xは中性アミノ酸である)中 のxを解裂する:Keil et al.,FEBS Letters 56:292-296,1975を参照のこと 。)コラーゲナーゼ、又は(配列 Ile-Glu-Gly-Arg内のアルギニンの後を解裂す る:Nogai et al.,Methods Enzymol.153:461-481,1987を参照のこと。)因 子Xaにより、特異的に認識され、そして解裂される部位を含むことができる。 本発明は、関連の生来のパターンの糖付加を伴う又は伴わないCRF2R タンパク 質をも含む。要するに、酵母又は哺乳類発現系、例えば、 COS−7細胞内で発現 されるCRF2R は、その発現系に依存して、その生来の分子と分子量及び糖付加(g lycosylation)パターンにおいて類似してもかなり相違していてもよい。バクテ リア、例えば、大腸菌(E .coli)内でのCRF2R 核酸の発現は、非糖付加分子を提 供する。失活したN−糖付加部位をもつ哺乳類CRF2R の機能的突然変異体アナロ グは、オリゴヌクレオチド合成及びライゲーションにより又は部位特異的突然変 異誘発技術により作り出されることができる。これらのアナログ・タンパク質は 、酵母発現系を使用してよ い収率において同構造の減少された炭水化物の形態において作り出されることが できる。真核タンパク質におけるN−糖付加部位は、一般に、アミノ酸トリプレ ットAsn-A1-Z(ここで、A1はPro を除くいずれかのアミノ酸であり、そして又 はSer 又はThr である。)を特徴とする。この配列内では、アスパラギンは、炭 水化物の共有結合付着のための側鎖アミノ酸を提供する。このような部位は、As n 又は残基Zの代わりに他のアミノ酸を置換し、Asn 又はZを欠失し、又はA1 とZの間に非−Zアミノ酸を、又はAsn とA1の間にAsn 以外のアミノ酸を挿入 することにより除去されることができる。 生物学的に活性であり、そしてCRF2R タンパク質に実質的に類似するタンパク 質は、例えば、生物学的な活性のために必要でない残基又は配列のさまざまな置 換あるいは末端又は内部残基又は配列の欠失を行うことにより構築されることも できる。例えば、システイン残基は、復元の間の不正確な分子内ジスルフィド結 合の形成を防ぐために欠失又は置換されることができる。突然変異誘発に対する 他のアプローチは、KEX2プロテアーゼ活性が存在する酵母系における発現を高め るための、隣接2塩基性アミノ酸残基の修飾を含む。一般的に、置換は保存的に 行われるべきである。すなわち、最も好ましい置換アミノ酸は、置換されるべき 残基のものを真似る物理化学的特性をもつものである。 置換、欠失、又は挿入戦略が採用されるとき、生物学的活性に対する欠失又は 挿入の潜在的効果は、例えば、結合アッセイ、例えば、本実施例中に開示される ものを使用して考慮されるべきである。突然変異、欠失、置換、又は挿入が行わ れることができる特に好ましい領域は、そのリガンドへのそのレセプターの結合 に直接的に関連しないものを含む。このような領域は、そのN−末端細胞外ドメ イン、並びにTh5とTh6の間の第3の細胞内ループ(例えば、Kobilka,Ann.Re v.Neuro.15:87-114,1992 を参照のこと。)。 CRF2レセプターに実質的類似するタンパク質の発現のために構築されたヌクレ オチド配列内の突然変異は、好ましくは、そのコーディング配列のリーディング ・フレーム相を保存すべきである。さらに、これらの突然変異は、好ましくは、 レセプターmRNAの翻訳に悪影響を及ぼすであろう2次mRNA構造、例えば、ループ 又はヘアピンを作り出すようにハイブリダイズすることができるであろう相補領 域を創出すべきではない。突然変異部位は事前に決定されることができるけれど も、その突然変異の性質自体が事前決定されることは必要ではない。例えば、所 定の部位における突然変異の最適特性について選択するために、ランダム突然変 異誘発が、標的コドンにおいて、又は所定の部位を横切って行われることができ 、そしてその発現されたCRF2R 突然変異体がその生物学的活性についてスクリー ニングされる。 CRF2R をコードするヌクレオチド配列における全ての突然変異がその最終産物 内で発現されることはないであろう。例えば、ヌクレオチド置換は、主に、転写 されたmRNAにおける2次構造ループを回避するために、又は選ばれた宿主により 、より容易に翻訳されるコドン、例えば、よく知られた、E .coli 発現のための E.coli の好むコドン(E .coli preference codons)を提供するために、発現を 強化するように行われることができる。 突然変異は、生来の配列の断片へのライゲーションを可能にする制限部位に隣 接する、突然変異配列を含むオリゴヌクレオチドを合成することにより特定の座 において導入されることができる。ライゲーション後、得られた再構築された配 列は、所望のアミノ酸の挿入、置換、又は欠失をもつアナログをコードしている 。 あるいは、オリゴヌクレオチド−指定部位特異的突然変異誘発手順は、必要と された置換、欠失、又は挿入に従って変異された特定のコドンをもつ変更された 遺伝子を提供するために使用されることができる。上記の変更を行うための代表 的な方法は、Walder et al(Gene 42:133,1986);Bauer et al.(Gene 37: 73,1985);Craik,BioTechniques,January 1985,12-19);Smith et al.( Genetic Engineering:Principles and Methods,Plenum Press,1981);Sambr ook et al.(Molecular cloning:A Laboratory Manual,2d Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989);並びに米国特許第 4,518,584号及び同第 4, 737,462号により開示されている。 CRF2レセプター、及び実質的に類似の誘導体又はアナログは、治療用試薬、免 疫原、レセプター−ベースのイムノアッセイにおける試薬として、あるいはCRF 、ソーバジン、ウロテンジンI、他の関連分子、又は他の結合性リガンド、例え ば、抗−CRF2レセプター抗体のアフィニティー精製手順のための結合性剤として 、使用されることができる。その上、本発明のCRF2レセプターは、CRF2レセプタ ー・アゴニスト又はアンタゴニスト活性について化合物をスクリーニングするた めに使用されることができる。CRF2レセプター・タンパク質は、反応性側基を通 じて、共有結合的に、さまざまな不溶性支持体、例えば、臭化シアン活性化、ビ スオキシラン−活性化、カルボニルジイミダゾール−活性化、又はトシル−活性 化アガロース構造に、又は(グルタルアルデヒド架橋による又はよらない)ポリ オレフィン表面への吸着により、結合されることもできる。表面に一旦結合され れば、CRF2R は、(アッセイ又は精製の目的をもって)抗−CRF2R 抗体又はCRF に選択的に結合させるために使用されることができる。CRF2 レセプターcDNAクローンの単離 上述のように、本発明は、CRF2レセプターをコードする単離された核酸分子を 提供する。簡単に言えば、本発明のCRF2レセプターをコードする核酸分子は、例 えば、ヒト、マッカク(ザル)、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、ラッ ト及びマウスを含むさまざまな温血動物から容易に単離されることができる。CR F2レセプターをコードする核酸分子がそこから単離されるところの特に好ましい 組織は、脳及び神経組織、例えば、視床下部、海馬、及び前頭皮質、並びに他の 組織、例えば、肺、心臓、骨格筋、又は腎臓を含む。本発明のCRF2レセプターを コードする核酸分子は、慣用的に調製されたcDNAライブラリー(例えば、Sambro ok et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2d,Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,NY,1989を参照のこと。)から又は本明細書中に提 供する開示を使用して商業的に得られるライブラリー(例えば、Stratagene,La Jolla,Calif.を参照のこと。)から容易に単離されることができる。本発明の CRF2レセプターをコードする単離された核酸分子を得るための特に好ましい方法 を、以下実施例1中により詳細に記載する(配列番号:1と3をも参照のこと。 )。 上述のように、本発明の特に好ましい態様においては、単離された核酸分子で あって、ヒトCRF2レセプターをコードするものが提供される。簡単に言えば、こ のような核酸分子は、低ストリンジェンシーの条件下(例えば、35%ホルムアミ ド、5×SSC,5×Denharts,0.1% SDS,100μg/mlサケ精子核酸、42℃,12 時間)、以下の実施例1中に記載するような特定の配列又はラット配列(例えば 、配列番号:1又は3)のいずれかを用いてヒトcDNAライブラリーをプロービン グすることにより容易に得られることができる。この後に、50℃における0.2% SDSを含む2×SSC による十分な洗浄 が続くことができる。好適なcDNAライブラリーは、商業的源(例えば、Stratage ne,La Jolla,Calif.)から得られ、又は標準的な技術を使用して(例えば、Sa mbrook et al.,上掲を参照のこと。)調製されることができる。組換えCRF2レセプターの生産 上述のように、本発明は、哺乳類、細菌、ウイルス又は昆虫遺伝子から得られ る好適な転写又は翻訳調節要素に作用可能な状態で連結された、CRF2レセプター 又は実質的類似のタンパク質をコードする合成又はcDNA−誘導核酸断片を含む組 換え発現ベクターをも提供する。このような調節要素は、転写プロモーター、転 写を制御するための任意的なオペレーター配列、好適なmRNAリボソーム結合性部 位をコーディングする配列、そして好ましい態様においては、転写及び翻訳の終 結を制御する配列を含む。通常、複製起点、及び形質転換体の認識を容易にする ための選択遺伝子により付与される、宿主内での複製能力が、さらに取り込まれ ることができる。核酸領域は、それらが互いに機能的に関連するときに、作用可 能な状態で連結される。例えば、シグナル・ペプチド(分泌性リーダー)のため の核酸は、それがポリペプチドの分泌に参加する前駆体として発現される場合ポ リペプチドのための核酸に作用可能な状態で連絡される;プロモーターは、それ がその配列の転写を制御する場合コーディング配列に作用可能な状態で連絡され る;又はリボソーム結合部位は、それが翻訳を許容するように置かれる場合コー ディング配列に作用可能な状態で連絡されることができる。一般に、作用可能な 状態に連絡したとは、連続的であること、そして分泌性リーダーの場合において は、連続的であり、かつ、リーディング・フレーム内であることを意味する。 発現ベクターは、着目のポリペプチドの分泌を指令するのに必要 な核酸配列をも含むことができる。このような核酸配列は、少なくとも1の分泌 シグナル配列を含むことができる。分泌性シグナル(secretory signals)の代表 的な例は、アルファ因子シグナル配列(プレ−プロ配列;Kurjan and Herskowit z,Cell 30:933-943,1982;Kurjan et al.,米国特許第 4,546,082号;Brake 、欧州特許第 116,201号)、PHO5シグナル配列(Beck et al.,WO 86/00637)、BA R1分泌シグナル配列(Mackay et al.,米国特許第 4,613,572号;Mackay,WO 87/ 002670)、SUC2シグナル配列(Carlson et al.,Mol.Cell.Biol.3:439-447 ,1983)、α−1−アンチトリプシン・シグナル配列(Kurachi et al.,Proc.N atl.Acad.Sci.USA 78:6826-6830,1981)、β−2プラスミン・インヒビター ・シグナル配列(Tone et al.,J.Biochem.(Tokyo)102:1033-1042,1987) 、組織プラスミノーゲン・アクチベーター・シグナル配列(Pennica et al.,Nat ure 301 :214-221,1983), E .coli Pho Aシグナル配列(Yuan et al.,J.Bi ol.Chem.265:13528-13552,1990)又は例えば、Oliver(Ann.Rev.Microbiol .39:615-649,1985)によりレビューされたバクテリア・シグナル配列のいずれ かを含む。あるいは、分泌性シグナル配列は、例えば、von Heinje(Eur.J.Bi ochem.133:17-21,1983;J.Mol.Biol.184:99-105,1985;Nuc.Acids Res .14:4683-4690,1986)により確立されたルールに従って、合成されることが できる。 発現のために、CRF2レセプターをコーディングする核酸分子は、好適な発現ベ クター内に挿入され、これは今度は、発現のために適当な宿主細胞を形質転換又 はトランスフェクトするために使用される。本発明の実施における使用のための 宿主細胞は、哺乳類、鳥類、植物、昆虫、バクテリア及び真菌細胞を含む。好ま しい真核細胞は、培養された哺乳類細胞系(例えば、げっ歯類又はヒト細胞系) 及び酵母(例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)種、特にサッカロミセス・ セレビシエ(S .cerevisiae)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)種、又 はクルイベロミセス(Kluyveromyces)種)又は糸状菌(例えば、アスペルギルス(Aspergillus) 種、ニューロスポラ(Neurospora)種)の種を含む真菌細胞を含む。 酵母サッカロミセス・セレビシエの株が、特に好ましい。さまざまな原核及び真 核宿主細胞内での組換えタンパク質の製造方法は、一般的に本分野において知ら れている(“Gene Expression Technology,“Methods in Enzymology,Vol.18 5,Goeddel(ed.),Academic Press,San Diego,Calif.,1990を参照のこと;ま た、“Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology,“Methods in Enzymo logy,Guthrie and Fink(eds.)Academic Press,San Diego,Calif.,1991を 参照のこと。)。一般に、宿主細胞は、高レベルにおいて着目のタンパク質を作 り出すその能力又はそのタンパク質の生物学的活性のために必要なプロセッシン グ段階の少なくともいくつかを行うその能力に基づいて選ばれるであろう。この 方法で、その宿主細胞内にトランスフェクトされなければならないクローン化さ れた核酸配列の数が、最小化されることができ、そして生物学的に活性なタンパ ク質の総収率が最大化されることができる。 本発明における使用のために好適な酵母ベクターは、YRp7(Struhl et al.,Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA 76:1035-1039,1978), YEp13(Broach et al.,Gene 8:121-133,1979)、POTベクター(Kawasaki et al.,米国特許第 4,931,373号 、これを引用により本明細書中に取り込む。)、pJDB249 及びpJDB219(Beggs, Nature 275:104-108,1978)並びにそれらの誘導体を含む。このようなベクタ ーは、一般に、それについての表現型アッセイが、形質転換体が選択されること を可能にするために存在するところの優性な表現 型を示すいずれかの数の遺伝子の中の1であることができる選択マーカーを含む であろう。好ましい選択マーカーは、宿主細胞の栄養要求性を補完し、抗生物質 耐性を提供し又は細胞が特殊な炭素源を利用できるようにするものであり、そし てLEU2(Broach et al.,同書)、URA3(Botstein et al.,Gene 8:17,1979),H IS3(Struhl et al.,同書)又はPOT1(Kawasaki et al.,同書)を含む。他の好 適な選択マーカーは、酵母細胞に対してクロラムフェニコール耐性を付与するCA T 遺伝子である。 酵母における使用のために好適なプロモーターは、酵母解糖遺伝子(Hitzeman et al.,J.Biol.Chem.255:12073-12080,1980;Alber and Kawasaki,J.M ol.Appl.Genet.1:419-434,1982;Kawasaki 、米国特許第 4,599,311号) 又はアルコール・デヒドロゲナーゼ遺伝子(Young et al.,in Genetic Engineer ing of Micro organisms for Chemicals,Hollaender et al.(eds.),p355,Pl enum,New YorK,1982;Ammerer,Meth.Enzymol.101:192-201,1983)からの プロモーターを含む。これに観して、特に好ましいプロモーターは、TPI1プロモ ーター(Kawasaki、米国特許第 4,599,311号、1986)及びADH2-4cプロモーター (Russell et al.,Nature 304:652-654,1983;Irani and Kilgore、米国特許 出願逐次番号第07/784,653号、これを引用により本明細書中に取り込む。)であ る。これらの発現ユニットは、転写ターミネーター、例えば、TPI1ターミネータ ー(Alber and Kawasaki、同書)を含むことができる。 酵母に加えて、本発明のタンパク質は、糸状菌、例えば、真菌アスペルギルス の株内で発現されることができる(McKnight et al.,米国特許第 4,935,349号、 これを引用により本明細書中に取り込む。)。有用なプロモーターの例は、アス ペルギルス・ニジュランス (Aspergillus nidulaus)の解糖遺伝子から得られたもの、例えば、ADH3プロモ ーター(McKnight et al.,EMBO J.4:2093-2099,1985)及びtpiAプロモータ ーを含む。好適なターミネーターの例は、ADH3ターミネーター(McKnight et al .,同書、1985)である。このような成分を使用する発現ユニットが、アスペルギ ルスの染色体核酸内に挿入されることができるベクター内にクローン化される。 真菌を形質転換させるための技術は、文献中によく知られており、そして例え ば、Beggs(同書)、Hinnen et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1929-1 933,1978),Yelton et al(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81.1740-1747,1984 )、及びRussell(Nature 301:167-169,1983)により記載されている。宿主細胞 の遺伝子型は、一般に、その発現ベクター上に存在する選択マーカーにより補完 される遺伝子欠陥を含む。特定の宿主及び選択マーカーの選定は、十分に当業者 の技術水準内にある。例えば、酵母における異種タンパク質の生産を最適化する ために、その宿主株が、突然変異、例えば、減少されたタンパク質分解活性をも たらす酵母 pep−1突然変異(Jones,Genetics 85:23-33,1977)を担持する ことが好ましい。 真菌細胞に加えて、培養された哺乳類細胞が、本発明における宿主細胞として 使用されることができる。本発明における使用のために好ましい培養哺乳類細胞 は、COS−1(ATCC No.CRL 1650),COS−7(ATCC No.CRL 1651),BHK(ATCC No .CRL 1632)、及び293(ATCC No.CRL 1573;Graham et al.,J.Gen.Virol.3 6:59-72,1977)細胞系を含む。好ましいBHK 細胞系は、(受託番号CRL 10314の 下 American Type Culture Collection に寄託された)BHK 570 細胞系である。 さらに、多数の他の哺乳類細胞系であって、 Rat HepI(ATCC No.CRL 1600),R at HepII(ATCC No.CRL 154 8),TCMK(ATCC No.CCL 139)、ヒト肺(ATCC No.CCL 75.1)、ヒト肺癌(ATCC N o.HTB-52)、Hep G2(ATCC No.HB 8065)、マウス肝(ATCC No.CCL 29.1)、NCTC 1469(ATCC No.CCL 9.1),SP 2/0−Ag14(ATCC No.1581),HIT-T15(ATCC No.C RL 1777)、及びRINm 5AHT2B(Orskov and Nielson,FEBS 229(1):175-178,198 8)を含むものが使用されることができる。 本発明の実施における使用のための哺乳類発現ベクターは、クローン化された 遺伝子又はcDNAの転写を指令することができるプロモーターを含む。好ましいプ ロモーターは、ウイルス・プロモーター及び細胞プロモーターを含む。ウイルス ・プロモーターは、極初期(immediate early)サイトメガロウイルス・プロモー ター(Boshart et al.,Cell 41:521-530,1985)及びSV40プロモーター(Subram ani et al.,Mol.Cell.Biol.1:854-864,1981)を含む。細胞プロモーター は、マウス・メタロチオネイン−1プロモーター(Palmiter et al.,米国特許第 4,579,821号)、マウスVjプロモーター(Bergman et al.,Proc.Natl.Acad. Sci.USA 81:7041-7045,1983;Grant et al.,Nuc.Acids Res.15:5496,19 87)及びマウスVHプロモーター(Loh et al.,Cell 33:85-93,1983)を含む。特 に好ましいプロモーターは、アデノウイルス2からの主要後期プロモーターであ る(Kaufman and Sharp,Mol.Cell.Biol.2:1304-13199,1982)。このよう な発現ベクターは、そのプロモーターから下流に、そして着目のペプチド又はタ ンパク質をコーディングする核酸配列から上流に位置する1セットのRNA スプラ イス部位を含むこともできる。好ましいRNA スプライス部位は、SV40、アデノウ イルス及び/又は免疫グロブリン遺伝子から得られることができる。あるいは、 特定の態様においては、RNA スプライス部位は、着目のペプチド又はタンパク質 をコーディングする核酸配列 から下流に位置することができる。着目のコーディング配列の下流に置かれたポ リアデニレーション・シグナルも、発現ベクター内に含まれることができる。好 適なポリアデニレーション・シグナルは、SV40からの初期又は後期ポリアデニレ ーション・シグナル(Kaufman and Sharp、同書)、アデノウイルス5E1B領域か らのポリアデニレーション・シグナル及びヒト成長ホルモン遺伝子ターミネータ ー(DeNoto et al.,Nuc.Acids Res.9:3719-3730,1981)を含む。これらの発 現ベクターは、非コーディング・ウイルス・リーダー配列、例えば、上記プロモ ーターと上記スプライス部位の間に置かれた、アデノウイルス2の3分節系(tr ipartite)リーダーを含むことができる。好ましいベクターは、エンハンサー配 列、例えば、SV40エンハンサー及びマウスIエンハンサー(Gillies,Cell 33: 717-728,1983)を含むこともできる。発現ベクターは、アデノウイルスVA RNAs をコーディングする配列を含むこともできる。好適なベクターは、商業源(例 えば、Invitrogen,San Diego,CA;Stratagene,La Jolla,CA)から得られる ことができる。 クローン化された核酸配列は、例えば、リン酸カルシウム仲介トランスフェク ション(Wigler et al.,Cell 14:725,1978;Corsaro and Pearson,Somatic Cell Genetics 7:603,1981;Graham and Van der Eb,Virology 52:456,197 3)、エレクトロポレーション(Neumann et al.,EMBO J.1:841-845,1982)、 又はDEAE−デキストラン仲介トランスフェクション(Ausubel et al.(eds.),C urrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.,NY,19 87)、(これらを引用により本明細書中に取り込む。)により培養哺乳類細胞内 に導入されることができる。安定して組み込まれたクローン化された核酸をもつ 細胞を同定するために、選択マーカーが一般に、着目の遺伝子又はcDNAと一緒に 上記細 胞内に導入される。培養された哺乳類細胞内での使用のための好ましい選択マー カーは、薬物、例えば、ネオマイシン、ハイグロマイシン、及びメトトレキセー トに対する耐性を付与する遺伝子を含む。選択マーカーは、増幅性の選択マーカ ーであることができる。好ましい増幅性の選択マーカーは、DHFR遺伝子及びネオ マイシン耐性遺伝子である。選択マーカーは、Thilly(Mammalian Cell Technol ogy,Butterworth Publishers,Stoneham,MA 、これを引用により本明細書中に 取り込む。)によりレビューされている。選択マーカーの選定は、十分に当業者 の技術水準内にある。 選択マーカーは、CRF2レセプター配列と同時にその細胞内で別個のベクター上 に導入されることができ、又は、それらは、同一ベクター上に導入されることも できる。同一ベクター上にある場合、その選択マーカーとCRF2レセプター配列は 、異なるプロモーター又は同一プロモーターの制御下にあることができ、後の配 置は2シストロン性のメッセージを作り出す。このタイプの構築物は、本分野( 例えば、Levinson and Simonsen 、米国特許第 4,713,339号)においてよく知ら れている。“担体核酸”として知られる追加の核酸を、その細胞内に導入される 混合物に添加することが有利であることもできる。 トランスフェクトされた哺乳類細胞は、一定時間にわたり、典型的には1〜2 日間成長に供されて、着目の核酸を発現し始める。次に薬物選択が、安定したや り方で選択マーカーを発現している細胞の成長について選択するために適用され る。増幅性選択マーカーによりトランスフェクトされている細胞について、その 薬物濃度を段階的に増加させて増加したコピー数のクローン化された配列につい て選択し、それにより発現レベルを増加させることができる。導入された配列を 発現する細胞を、所望の形態で又は所望のレベルにお いて着目のタンパク質の生産について選択し、そしてスクリーニングする。上記 基準を満足する細胞を次にクローン化し、そして生産のためにスケール・アップ することができる。 本発明の実施における使用のために好ましい原核宿主細胞は、大腸菌(Escher ichia coli )(例えば、E.coli HB101,E.coli DH1,E.coli MRC1及びE.coli W3110)を含む。但し、バチルス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、 及びストレプトミセス(Streptomyces)及び他の属も有用である。これらの宿主 を形質転換させ、そしてその中でクローン化された外来核酸配列を発現させるた めの技術は、本分野においてよく知られている(例えば、Maniatis et al.,Mol ecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1982 ;又はSambrook et al.,上掲を参照のこと。)。バクテリア宿主内でクローン化 された核酸配列を発現させるために使用されるベクターは、一般に、選択マーカ ー、例えば、抗生物質耐性のための遺伝子、及びその宿主細胞内で機能するプロ モーターを含むであろう。適当なプロモーターは、trp(Nichols and Yanofsky, Meth.Enzymol.101:155-164,1983),lac(Casadaban et al.,J.Bacteriol .143:971-980,1980)、及びファージK(Queen,J.Mol.Appl.Genet.2:1 -10,1983)プロモーター系を含む。バクテリアを形質転換させるために有用な プラスミドは、pBR322(Bolivar et al.,Gene 2:95-113,1977),pUCプラスミ ド(Messing,Meth.Enzymol.101:20-78,1983;Vieira and Messing,Gene 19 :259-268,1982),pCQV2(Queen、同書)pMAL−2(New England Biolabs,Bev erly,MA)及びそれらの誘導体を含む。プラスミドは、ウイルスとバクテリア要 素の両方を含むことができる。 本明細書中に提供する教示を与えれば、植物、鳥類及び昆虫細胞 内に、本発明のCRF2レセプターをコーディングする発現ベクターを導入するため のプロモーター、ターミネーター及び方法は、当業者にとって自明であるであろ う。例えば、混虫細胞内で異種核酸を発現させるためのベクターとしてのバキュ ロウイルスの使用については、Atkinson et al.(Pestic.Sci.28:215-224, 1990)によりレビューされている。さらに、植物細胞内で遺伝子を発現させるた めのベクターとしてのアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizog enes )の使用は、Sinkar et al(J.Biosci.(Bangalore)11:47-58,1987)に よりレビューされている。 本発明の核酸分子を含む宿主細胞が、次に、CRF2レセプターをコーディングす る核酸分子を発現させるために培養される。これらの細胞は、選ばれた宿主細胞 の成長に必要な栄養を含む培養基中で標準的な方法に従って培養される。さまざ まな好適な培地が本分野において知られており、そして一般に、炭素源、窒素源 、必須アミノ酸、ビタミン類及びミネラル、並びに他の成分、例えば、特定の宿 主細胞により必要とされることができる成長因子又は血清を含む。成長培地は、 一般に、例えば、薬物選択又はその核酸構築物上で選択マーカーにより補完され 、そしてその核酸構築物で同時トランスフェクトされた必須栄養素における欠陥 により、その核酸分子を含む細胞について選択するであろう。 酵母細胞のために好適な成長条件は、例えば、非アミノ酸窒素源又は酵母エキ スであることができる窒素源、無機塩類、ビタミン及び必須アミノ酸補給物を含 んで成る化学的に規定された培地中で、4℃と37℃の間の温度において、特に好 ましくは30℃において、培養することを含む。この培地のpHは、好ましくは、2 よりも大きく、そして8未満のpHにおいて、より好ましくはpH5−6において維 持される。安定したpHを維持するための方法は、緩衝液化及び一定 のpH制御を含む。pH制御のための好ましい剤は、水酸化ナトリウムを含む。好ま しい緩衝液化剤は、コハク酸及び Bis−Tris(Sigma Chemical Co.,St.Louis, MO)を含む。異種タンパク質を超糖付加(hyperglycosylate)する酵母宿主細胞 の傾向のために、アスパラギン結合糖付加のために必要な遺伝子内に欠陥をもつ 酵母細胞内で本発明のCRF2レセプターを発現させることが好ましいかもしれない 。このような細胞は、好ましくは、浸透圧安定剤を含む培地中で培養される。好 ましい浸透圧安定剤は、 0.1Mと 1.5Mの間の濃度において、好ましくは 0.5M 又は 1.0Mにおいてその培地中に補給されるソルビトールである。培養された哺 乳類細胞は、一般に、商業的に入手可能な血清含有又は無血清培地中で培養され る。使用される特定の細胞系にとって適当な、培地の選定及び培養条件は、当業 者の技術水準内にある。 CRF2レセプターは、非ヒト・トランスジェニック動物、特にトランスジェニッ ク温血動物内で発現されることもできる。マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ及び ブタを含むトランスジェニック動物の作出方法は、本分野において知られており 、そして例えば、Hammer et al.(Nature 315:680-683,1985),Palmiter et a l.(Science 222 809-814,1983),Brinster et al.(Proc.Natl.Acad.Sci .USA 82:4438-4442,1985),Palmiter and Brinster(Cell 41:343-345,198 5)及び米国特許第 4,736,866号(これらを引用により本明細書中に取り込む。 )により開示されている。簡単に言えば、適切に配置された発現制御配列と一緒 に発現されるべき核酸配列を含む発現ユニットが、受精卵の前核中に導入される 。核酸の導入は、一般には、マイクロインジェクションにより行われる。注射さ れた核酸の組込みは、組織サンプル、典型的には、尾組織のサンプルからの核酸 のブロット分析により検出される。導入された核酸 が、それがその動物の子孫に受け継がれるようにその動物の性殖細胞系内に取り 込まれることが、一般には好ましい。 本発明の特に好ましい態様においては、“ノックアウト(Knockout)”動物は 、相同的組換え(Capecchi,Science 244:1288-1292,1989)又はアンチセンス・ オリゴヌクレオチド(Stein and Chen,Science 261(5124).1004-1012,1993 ;Milligan et al.,Semin.Conc.Biol.3(6):391-398,1992)の使用を通 じて胚幹細胞から顕出されることができる。 本発明の好ましい態様においては、トランスジェニック動物、例えば、マウス は、CRF2レセプター配列を破壊するように突然変異を標的化することにより顕出 される(Mansour et al.,“Disruption of the proto-oncogene int-2 in mous e embryo-derived stem cells:A general strategy for targeting mutations to non-selectable genes,”Nature 336:348-352,1988)。このような動物は 、代謝におけるCRF2レセプターの役割を研究するためのモデルとして容易に使用 されることができる。CRF2 レセプター・ペプチド 上述のように、本発明は、CRF2レセプター・ペプチドをも提供する。本発明の 文脈中、CRF2レセプター・ペプチドは、先に討議したCRF2レセプター又はそれら の誘導体の部分であって、トランスメンブラン・ドメインを含まず、そして長さ が少なくとも8の、そしてより好ましくは10以上のアミノ酸であるものを含むと 理解されるべきである。簡単に言えば、CRF2レセプター及び推定トランスメンブ ラン・ドメインの構造は、例えば、P/C Gene or Intelligenetics Suite(Intel ligenetics,Mt.View,CA)の疎水性プロット関数を使用して、又はKyte and D oolittle(J.Mol.Biol.157:105-132,1982)により記載された方法に従って、 その1次翻訳産物から予 想されることができる。この疎水性分析に基づく図示に拘束されることを欲しな いが、CRF2レセプターは、図1と2中に示す一般構造をもつと信じられている。 特に、これらのレセプターは、細胞外アミノ−末端ドメイン、各々トランスメン ブラン・ドメインにより分けられた3つの細胞外ループ・ドメイン及び4つの細 胞内ループ・ドメインを含んで成ると信じられている。 本発明の1の態様においては、単離されたCRF2レセプター・ペプチドであって 、CRF2レセプターの細胞外アミノ−末端ドメインを含むものが提供される。好ま しい態様においては、単離されたCRF2レセプター・ペプチドであって、アミノ酸 番号1からアミノ酸番号118 まで配列番号:4中に示すアミノ酸の配列を含むも のが提供される。他の態様においては、アミノ酸番号1からアミノ酸番号138 ま で配列番号:2中に示すアミノ酸の配列を含む単離CRF2レセプター・ペプチドが 提供される。 CRF2レセプター・ペプチドは、とりわけ、本発明の組換え翻訳産物を作り出す ために好適な宿主/ベクター系を培養することにより、調製されることができる 。このような細胞系からの上清は、次にCRF2レセプター・ペプチドを単離するた めのさまざまな精製手順により処理されることができる。例えば、上清は、商業 的に入手可能なタンパク質濃縮フィルター、例えば、Amicon又はMillipore Pell icon限外濾過装置を使用して第1に濃縮されることができる。濃縮後、その濃縮 物は、好適な精製マトリックス、例えば、好適な支持体に結合したCRF 又は抗− CRF2レセプター抗体に適用されることができる。あるいは、アニオン又はカチオ ン交換樹脂が、そのレセプター又はペプチドを精製するために使用されることが できる。最後に、1以上の逆相高性能クロマトグラフィー(RP−HPLC)段階が、 CRF2レセプター・ペプチドをさらに精製するために使用されること ができる。 あるいは、CRF2レセプター・ペプチドは、標準的なポリペプチド合成プロトコ ールを使用して調製され、そして上記手順を使用して精製されることもできる。 CRF2レセプター・ペプチドは、単一バンドだけが SDS−ポリアクリルアミド・ ゲル分析その後のCoomassie Brilliant Blue染色の後に検出される場合、本発明 の文脈中で、“単離され”又は精製されたとみなされる。CRF2 レセプターに対する抗体 本発明の1の側面においては、CRF2レセプターであって、それらの誘導体、上 記タンパク質、例えば、先に討議したCRF2レセプター・ペプチドの部分又は断片 が、CRF2レセプターに特異的に結合する抗体を調製するために使用されることが できる。本発明の文脈中、用語“抗体”は、ポリクローナル抗体、モノクローナ ル抗体、それらの断片、例えば、F(ab')2及びFab 断片、並びに組換えにより作 られた結合性パートナーを含む。これらの結合性パートナーは、特異的に結合す るモノクローナル抗体をコードする遺伝子からの可変領域を取り込む。それらが 107-1以上のKaをもってCRF2レセプターに結合する場合、その抗体は、特異的 に結合するものとして定義される。モノクローナル抗体又は結合性パートナーの アフィニティーは、当業者により容易に測定されることができる(Scatchard, A nn.N.Y.Acad.Sci.51:660-672,1949を参照のこと。)。 ポリクローナル抗体は、さまざまな温血動物、例えば、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒ ツジ、イヌ、ニワトリ、ウサギ、マウス又はラットから当業者により容易に生成 されることができる。簡単に言えば、CRF2レセプターは、腹腔内、筋中、眼内、 又は皮下注射を通じて上記動物を免疫感作させるために使用されることができる 。CRF2レセプ ター又はCRF2レセプター・ペプチドの免疫原性は、アジュバント、例えば、Freu nd's完全又は不完全アジュバントの使用を通じて増加されることができる。いく つかのブースター免疫感作の後、小さな血清サンプルが採取され、そしてCRF2レ セプターに対する反応性についてテストされる。さまざまなアッセイが、CRF2レ セプターに特異的に結合する抗体を検出するために使用されることができる。例 示的なアッセイは、Antibodies:A Laboratory Manual,Harlow and Lane(eds.) ,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1988中に詳細に記載されている。こ のようなアッセイの代表的な例は:向流免疫−電気泳動(Countercurrent Immo- Electro phoresis(CIEP))、ラジオイムノアッセイ、放射免疫沈降(Radioimm uno precipitations)、酵素結合イムノソルベント・アッセイ(Enzyme-Linked Immuno-Sorbent Assays(ELISA))、ドット・ブロット・アッセイ、阻害又は競 争アッセイ、及びサンドイッチ・アッセイを含む(米国特許第 4,376,110号及び 同第 4,486,530号参照;またAntibodies:A Laboratory Manual、上掲を参照の こと。)。特に好ましいポリクローナル抗血清は、背景よりも少なくとも3倍大 きいシグナルを与えるであろう。一旦、動物の力価が、CRF2レセプターに対する その反応性に関してプラトーに達すれば、より多量のポリクローナル抗血清が、 週毎の採血、又はその動物の全採血のいずれかにより容易に得られることができ る。 モノクローナル抗体も、よく知られた技術を使用して容易に生成されることが できる(米国特許第 RE 32,011号、同第 4,902,614号、同第 4,543,439号、及び 同第 4,411,993号参照;またMonoclonal Antibodies,Hybridomas:A New Dimen sion in Biological Analyses,Plenum Press,Kennett,McKearn,and Bechtol (eds.),1980及びAntibodies:A Laboratory Manual,Harlow and Lane(eds .),Cold Spring Harbor Laboratory Press,1988)。簡単に言えば、1の態様に おいては、被験動物、例えば、ラット又はマウスに、CRF2レセプターに対して免 疫応答を生成するために好適なCRF2レセプターの形態が注射される。好適な形態 の代表的なサンプルは、とりわけ、そのCRF2レセプター、又はそのCRF2レセプタ ー配列に基づくペプチドを発現する細胞を含む。さらに、例えば、そのレセプタ ー又はレセプター・ペプチドを他のタンパク質、例えば、卵白アルブミン又はKe yhole limpet hemocyanin(KLH)にカップリングすることによる、又はアジュバ ント、例えば、Freund's完全又は不完全アジュバントの使用を通しての、得られ た免疫応答を増加させるための多くの技術が本分野において知られている。最初 の免疫感作は、腹腔内、筋中、眼内、又は皮下経路を通じてのものであることが できる。 最初の免疫感作の1と3週間の間の後、その動物を、他のブースター免疫感作 により再免疫感作することができる。次にその動物は、テスト採血され、そして その血清は、上記のようなアッセイを使用してCRF2レセプターへの結合について テストされることができる。その動物がCRF2レセプターに対するその反応性にお いてプラトーになるまで、追加の免疫感作が行われることもできる。次にこの動 物は、CRF2レセプター又はCRF2レセプター・ペプチドの最後のブーストが与えら れることができ、そして3〜4日後に、殺される。このとき、この脾臓及びリン パ節が収穫され、そしてメッシュ・スクリーンを通してその臓器を通すことによ り、又はそれらの細胞を包む脾臓又はリンパ節膜を破壊することにより単一細胞 懸濁液に破壊されることができる。1の態様においては、赤細胞が、低張溶液の 添加、その後の等張まで直ちに復帰させることにより、その後に溶解される。 他の態様においては、モノクローナル抗体の調製に好適な細胞は、インビトロ 免疫感作技術の使用を通じて得られる。簡単に言えば、動物を殺し、そしてその 脾臓及びリンパ節細胞を、上記のように取り出す。単一細胞懸濁液を調製し、そ してそれらの細胞を、上記のような免疫応答を生成するために好適であるCRF2レ セプターの形態を含む培養物中に置く。その後、それらリンパ球を収穫し、そし て上記のように融合させる。 インビトロ免疫感作の使用を通じて又は上記のように免疫感作された動物から 得られた細胞は、ウイルス、例えば、エプスタイン−バール・ウイルス(EBVによ るトランスフェクションにより不死化されることができる(Glasky and Reading ,Hybridoma 8(4):377-389,1989 を参照のこと。)。あるいは、好ましい態 様においては、収穫された脾臓及び/又はリンパ節細胞懸濁液が、モノクローナ ル抗体を分泌する“ハイブリドーマ”を創出するために好適な骨髄腫細胞と融合 される。好適な骨髄細胞系は、好ましくは、抗体の構築又は発現において欠陥が あり、そして免疫感作された動物からの細胞とさらに同系である。多くのこのよ うな骨髄腫細胞系は本分野においてよく知られており、そして源、例えば、Amer ican Type Culture Collection(ATCC),Rockville,Maryland(Catalogue of Ce ll Lines & Hybridoma,6th ed.,ATCC,1988を参照のこと。)から得られるこ とができる。代表的な骨髄腫系は、例えば、ヒトについて、UC 729−6(ATCC No .CRL 8061),MC/CAR-Z2(ATCC No.CRL 8147)、及びSKO−007(ATCC No.CRL 8 033);マウスについて、SP2/0−Ag 14(ATCC No.CRL 1581)、及びP3×63 Ag 8(ATCC No.TIB 9);そしてラットについて、Y3−Ag1.2.3(ATCC No.CRL 1631)、及びYB2/0(ATCC No.CRL 1662)を含む。特に好ましい融合系は、NS− 1(ATCC No.TIB 18)及びP3×63−Ag 8.653( ATCC No.CRL 1580)であって、マウス、ラット、又はヒト細胞系のいずれかとの 融合のために使用されることができるものを含む。この骨髄腫細胞系と免疫感作 された動物からの細胞との間の融合は、ポリエチレン・グリコール(PEG)(Ant ibodies:A Laboratory Manual,Harlow and Lane(eds.),Cold Spring Harbor Laboratory Press,1988を参照のこと。)又はエレクトロフュージョン(Zimmer man and Vienken,J.Membrane Biol.67:165-182,1982 を参照のこと。)の 使用を含むさまざまな方法により達成されることができる。 融合後、これらの細胞を、好適な培地、例えば、RPMI1640又はDMEM(Dulbecco 's Modified Eagles Medium)(JRH Bio sciences,Lenexa,KS)を含む培養プ レート上にプレーティングする。この培地は、追加の成分、例えば胎児ウシ血清 (“FBS”、すなわち、Hyclone,Logan,Utah、又はJRH Bio sciencesからのも の)、免疫感作のために使用された同一種の赤ちゃん動物から収穫された胸腺細 胞、又はその培地を固化させるための寒天を含むこともできる。さらに、その培 地は、融合した脾臓と骨髄腫細胞の成長を選択的に許容する試薬を含まなければ ならない。特に好ましいのは、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミ ジン)(Sigma Chemical Co.,St.Louis,Mo)の使用である。約7日後、得られ た融合細胞又はハイブリドーマを、CRF2レセプターを認識する抗体の存在を決定 するためにスクリーニングすることができる。いくつかのクローン希釈及び再ア ッセイの後、CRF2レセプターに結合する抗体を産生するハイブリドーマを単離す ることができる。 他の技術をモノクローナル抗体を構築するために使用することもできる(Huse et al.,“Generation of a Large Combinational Library of the Immuno glo bulin Repertoire in Phage Lambda,“Sc ience 246:1275-1281,December 1989参照;またSastry et al.,“Cloning of the Immunological Repertoire in Escherichia coli for Generation of Monoc lonal Catalytic Antibodies:Construction of Heavy Chain Variable Region- Speciflc cDNA Library,“Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5728-5732,August 1989参照;またAlting-Mees et al.,“Monoclonal Antibody Expression Libr aries:A Rapid Alternative to Hybridomas,“Stnategies in Molecular Biol ogy 3:1-9,January 1990 参照;これらの文献は、組換え技術を通じて抗体の 産生を可能にする、Stratacyte,La Jolla,Californiaから入手可能な商業シス テムについて記載している。)。簡単に言えば、mRNAをB細胞集団から単離し、 そしてKIMMUNOZAP(H)及びKIMMUNOZAP(L)ベクター内で重鎖及び軽鎖免疫グロブリ ンcDNA発現ライブラリーを創出するために使用する。これらのベクターは、個々 にスクリーニングされ、又はFab 断片又は抗体を形成するように同時発現される ことができる(Huse et al.,上掲参照;またSastry et al上掲参照)。陽性プラ ークは、その後、大腸菌(E .coli)からのモノクローナル抗体の高レベル発現を 許容する非溶原性プラスミドに変換されることができる。 同様に、結合性パートナーは、特異的に結合する抗体をコードする遺伝子の可 変領域を取り込むための組換え核酸技術を使用して構築されることもできる。こ れらのタンパク質の構築は、当業者により容易になされることができる(Larric k et al.,“Polymerase Chain Reaction Using Mixed Primers:Cloning of Hu man Monoclonal Antibody Variable Region Genes From Single Hybridoma Cell s,”Biotechnology 7:934-938,September 1989;Riechmann et al.,“Resha ping Human Antibodies for Therapy,”Nature 332:323-327,1988;Roberts et al.,“Generation of an Antib ody with Enhanced Affinity and Specificity for its Antigen by Protein En gineering,”Nature 328:731-734,1987;Verhoeyen et al.,“Reshaping Hum an Antibodies:Grafting an Antilysozyme Activity,”Science 239:1534-15 36,1988;Chaudhary et al.,“A Recombinant Immunotoxin Consisting of Tw o Antibody Variable Domains Fused to Pseudomonas Exotoxin,”Nature 339: 394-397,1989;また、米国特許第 5,132,405号発明の名称“Biosynthetic Anti body Binding Sites”(この開示を本明細書中に提供する。)を参照のこと。) 。簡単に言えば、1の態様においては、CRF2レセプター特異的抗原結合性ドメイ ンをコーディングする核酸分子は、特異的に結合するモノクローナル抗体を産生 するハイブリドーマから増幅され、そしてヒト抗体を生産する細胞のゲノム内に 直接的に挿入される(Verhoeyen et al.,上掲参照;また、Reichmann et al., 上掲参照)。この技術は、特異的に結合するマウス又はラット・モノクローナル 抗体の抗原結合性部位がヒト抗体内に移されることを許容する。このような抗体 は、ヒトにおける治療的用途のために好ましい。なぜなら、それらは、ラット又 はマウスの抗体と同程度の抗原性をもたないからである。 あるいは、この抗原結合性部位(可変領域)は、他の全く異なるタンパク質に 連結又は挿入されるかのいずれかとされることができ(Chaudhary et al.,上掲 参照)、その抗体の抗原結合性部位及びその全く異なるタンパク質の機能的活性 をもつ新たなタンパク質をもたらす。当業者が認めるように、その抗体の抗原結 合性部位又はCRF2レセプター結合性ドメインは、その抗体の可変領域内にあるこ とができる。さらに、哺乳類CRF2レセプターに特異的に結合するその抗体のより 小さな部分又は可変領域をコードする核酸配列も、本発明の文脈中で使用するこ とができる。これらの部分は、以下に記 載するCRF2レセプターに対する結合特異性について容易にテストされることがで きる。 好ましい態様においては、着目のモノクローナル抗体を産生するハイブリドー マからの可変領域をコードする遺伝子は、その可変領域のためのオリゴヌクレオ チド・プライマーを使用して増幅される。これらのプライマーは、当業者により 合成されることができ、又は商業的に入手可能な源から購入されることができる 。Stratacyte(La Jolla,CA)は、とりわけ、VHa,VHb,VHc,VHd,VHlL とCL領域のためのプライマーを含むマウス及びヒト可変領域のためのプライマ ーを販売している。これらのプライマーは、重鎖又は軽鎖可変領域を増幅するた めに使用されることができ、これらは次に、それぞれ、ベクター、例えば、 IMM UNOZAP*(H)又はIMMUNOZAP*(L)(Stratacyte)内に挿入されることができる。 これらのベクターは次に、発現のために大腸菌(E .coli)内に導入されることが できる。これらの技術を使用して、上記VHとVLドメインの融合物を含む多量の 1本鎖タンパク質を製造することができる(Bird et al.,Science 242:423-42 6,1988参照)。 本明細書中に提供する開示を使用して同じく調製されることができ、そしてま たそれ故、本発明の範囲内にあるとみなされる他の“抗体”は、ヒト化抗体(例 えば、米国特許第 4,816,567号及びWO 94/10332)、ミクロボディー(microbodie s)(例えば、WO 94/09817)及びトランスジェニック抗体(例えば、GB 2 272 4 40)を含む。 一旦、好適な抗体が得られれば、それらは、当業者によく知られた多くの技術 により単離又は精製されることができる(Antibodies:A Laboratory Manual. 上掲参照)。好適な技術は、ペプチド又はタンパク質アフィニティー・カラム、 HPLC又はRP−HPLC、プロテインA又はプロテインG上での精製、あるいはこれら の技術のいず れかの組合せを含む。本発明の文脈中、用語“単離された”とは、抗体又は結合 性パートナーを定義するために使用するとき、“他の血液成分を実質的に含まな いこと”を意味する。 本発明の抗体は、多くの用途をもつ。例えば、抗体は、CRF2レセプター担持細 胞をソートするためのフロー・サイトメトリーにおいて、又はCRF2レセプター担 持組織を組織化学的に染色するために、使用されることができる。簡単に言えば 、細胞に対するCRF2レセプターを検出するために、その細胞(又は組織)を、CR F2レセプターに特異的に結合する標識された抗体と共にインキュベートし、その 後、結合した抗体の存在の検出を行う。これらの段階は、追加の段階、例えば、 非結合抗体を除去するための洗浄により達成されることもできる。好適な標識、 及び抗体をこのような標識と結合し又はカップリングさせるための方法を、以下 により詳細に説明する。 さらに、精製された抗体を、CRF 又は他のCRF2レセプター基質、例えば、ソー バジン又はウロテンジンIの、インビトロ又はインビボにおけるCRF2レセプター への結合を遮断するために治療的に使用することもできる。簡単に言えば、ブロ ッキング抗体は、CRF がそのレセプターに結合することを防止し、又はCRF がシ グナル伝達を行うことを防止するような方法で、CRF2レセプター・エピトープに 結合するような抗体である。上述のように、さまざまなアッセイであって、とり わけ、上述の阻害及び競争アッセイを含むものを、CRF の、CRF2レセプターへの 結合を遮断し又は抑制する抗体を検出するために使用することができる。1の態 様においては、(上記のように調製した)モノクローナル抗体が、CRF の非存在 中、及びCRFの変化濃度の存在中、CRF2レセプターへの結合について検定される 。ブロッキング抗体は、例えば、CRF2レセプターに結合し、そしてCRF の存在中 、CRF2レセプターへのCRF の結合を遮断し又は抑制す るものとして同定される。 本発明の抗体は、診断又は治療用途のいずれかのためにさまざまな他の化合物 にカップリングされ又は結合されることもできる。このような化合物は、例えば 、毒性分子、非毒性であるが第2化合物に晒される間に毒性になる分子、及び放 射性核種を含む。このような分子の代表的な例は、以下により詳細に記載される 。 治療的に使用されるであろう抗体は、好ましくは、その抗体又は結合性パート ナー及び生理学的に許容される担体又は希釈剤を含んで成る治療用組成物中に提 供される。好適な担体又は希釈剤は、とりわけ、中性の緩衝液化された生理食塩 水又は生理食塩水を含み、そして追加の賦形剤又は安定剤、例えばバッファー、 糖類、例えばグルコース、スクロース、又はデキストロース、キレート化剤、例 えばEDTA、及びさまざまな保存料を含むこともできる。アゴニスト及びアンタゴニストを含む、CRF2レセプターに結合する化合物の単離 及び使用 上述のように、本発明は、CRF2レセプターに結合する化合物の存在を検出する ためのさまざまな方法を提供する。例えば、本発明の1の態様においては、この ような化合物を検出するための方法であって、(a)それらの化合物がそのレセ プターに結合することを許容するのに十分な条件下及び時間にわたりCRF2レセプ ターを発現する細胞に1以上の化合物を晒し、そして(b)CRF2レセプターに結 合する化合物の存在が検出されることができるように、そのレセプターに結合す る化合物を単離する、の段階を含む方法を提供する。本明細書中に使用するとき 、化合物がCRF2レセプターを発現する細胞に結合することを許容するのに十分な 条件は、一般に、pH 6.8〜7.5 のレンジにあり、そしてウシ血清アルブミン(“ BSA”)を含むか又は含まない、好適なバッファー、例えば、Tris−HCl 又はPB S を含む。このようなバッファーは、5〜20mMの濃度においてマグネシウムを、 並びにプロテアーゼ阻害剤、例えば、バシトラシン(bacitracin)又はアプロチ ニン(aprotinin)を含むこともできる。CRF2レセプターを発現する細胞に化合物 が結合するために十分な時間は、一般に、暴露後30と 150分の間のレンジにある 。 本発明の他の側面においては、CRF2レセプターに結合する化合物の存在を検出 するための方法であって、(a)化合物がそのN−末端細胞外ドメインに結合す ることを許容するために十分な条件下及び時間にわたりCRF2レセプターN−末端 細胞外ドメインに1以上の化合物を晒し、そして(b)CRF2レセプターに結合す る化合物の存在が検出されることができるように、CRF2レセプターN−末端細胞 外ドメインに結合する化合物を単離する、の段階を含む方法を提供する。このよ うなアッセイは、例えば、酵素結合イムノソルベント・アッセイ(Enzyme Linke d Immuno Sorbent Assay)、“サンドイッチ”・アッセイその他を含むさまざま な形態を呈することができる。1の態様においては、それらの化合物は、蛍光分 子、酵素、及び放射性核種から成る群から選ばれた剤により標識される。 CRF2レセプターに結合する化合物の存在を検出するアッセイの提供に加えて、 本発明は、CRF2レセプター・アゴニストとCRF2レセプター・アンタゴニストの両 方を検出するための方法をも提供する。本発明の文脈中、CRF2レセプター・アゴ ニストは、細胞表面レセプターに結合することができ、それによりその細胞内で 応答経路を刺激する分子をいうものと理解されるべきである。これに反し、CRF2 レセプター・アンタゴニストは、CRF2レセプターに結合することができるが、そ の細胞内で応答経路の刺激を妨害し、又はかなり減少された刺激を示す分子をい うものと理解されるべきである。CRF アゴニスト及びアンタゴニストについてス クリーニングし又は選択す るためのさまざまなアッセイが使用されることができ、その開示が本明細書中に 与えられる。 例えば、本発明の1の側面においては、選ばれた化合物が、CRF2レセプター・ アゴニスト又はアンタゴニストであるかどうかを決定するための方法であって、 その化合物の結合及びcAMPの細胞内レベルにおける関連応答を許容するために十 分な条件下及び時間にわたりCRF2レセプターを発現する細胞に、選ばれた化合物 を晒し、そして(b)細胞内cAMPのレベルにおける増加又は減少のいずれかを検 出し、そしてそれにより、その選ばれた化合物がCRF2レセプター・アゴニスト又 はアンタゴニストのいずれかであるかについて決定する、の段階を含む方法を提 供する。 cAMPは、例えば、Salomon et al.(Anal.Biochem.58:541-548,1976)又はK rishna et al.(J.Pharmacol.Exp.Ther.163:379,1968)により記載され た方法を含む本分野においてよく知られた方法を使用して、又は好ましくは、商 業的に入手可能なキット、例えば、Amersham CorporationからのScintillation Proximity Assay Kit 、又はIncstar Corporation(Stillwater,Minnesota)か らの125I RIA cAMP 測定キットを使用して、容易に計測されることができる。 このScintillation Proximity Assay Kit は、抗−cAMP抗体とのヨウ素化された cAMPの競争によるcAMPの生産を計測する。 他の側面においては、化合物のプールにおけるCRF2レセプター・アゴニスト又 はアンタゴニストの存在の検出方法であって、(a)その化合物の結合及びcAMP の細胞内レベルにおける関連応答を許容するために十分な条件下及び時間にわた りCRF2レセプターを発現する細胞に化合物のプールを晒し、そして(b)CRF2レ セプター・アゴニスト又はアンタゴニストの存在を検出することができるように 、cAMPの細胞内レベルを増加させるか又は減少させるかのいずれかである化合物 を単離する、の段階を含む方法を提供する。 他の側面においては、選ばれた化合物がCRF2レセプター・アンタゴニストであ るかどうかの決定方法であって、(a)そのレセプターへのその化合物の結合及 びその経路を通じての関連応答を許容するために十分な条件下及び時間にわたり 、応答経路に結合した組換えCRF2レセプターに、CRF2レセプター・アゴニストの 存在中選ばれた化合物を晒し、そして(b)CRF2レセプター・アゴニスト単独に よるその応答経路の刺激に対して、そのCRF2レセプターへのその化合物の結合か ら得られるその応答経路の刺激における減少を検出し、そしてそれからCRF2アン タゴニストの存在について決定する、の段階を含む方法を提供する。 本発明の特に好ましい態様においては、その応答経路は、膜結合アデニレート ・シクラーゼ応答経路であり、そしてその検出段階は、膜結合アデニレート・シ クラーゼ応答経路によるcAMP生産における増加又は減少を計測することを含む。 アデニレート・シクラーゼ活性アッセイは、例えば、本実施例中に以下に記載す る方法を使用して、行われることができる。一般に、このような方法は、既知の アゴニスト(例えば、ソーバジン、ウロテンジンI又はCRF)に対する。cAMPの 刺激のレベルを計測し、そして一般に、放射標識されたATP の存在中、その選ば れた化合物に、生物学的に活性なCRF2レセプターを発現する細胞の調製物を晒す ことを含む。 本発明のさらなる態様においては、その応答経路は、リポーター系、例えば、 ルシフェラーゼ、又はβ−ガラクトシダーゼを含む(Konig et al.,Mol.and C ell.Neuro.2:331-337,1991参照)。例えば、本発明の1の態様においては、 発現ベクターであって、β−ガラクトシダーゼ又はルシフェラーゼcDNAに作用可 能な状態で 連絡されたサイクリックAMP 応答要素、例えば、プロエンケファリン・サイクリ ックAMP 応答要素を含むものが提供される。この発現ベクターは、次に、宿主細 胞に安定的にトランスフェクトされ、そしてその宿主細胞は、CRF2レセプターを 発現する第2の発現ベクターによりトランスフェクトされる。その応答経路の活 性化の間、高められたcAMPレベルは、リポーター生成物、例えば、β−ガラクト シダーゼ又はルシフェラーゼの発現を引き起こす。このリポーター生成物がルシ フェラーゼである場合、それは次にルシフェリンに晒され、そしてそのルシフェ ラーゼによるルシフェリンの酸化の間に放出される光子(photons)が計測される 。 さまざまな化合物がこのような方法を使用してスクリーニングされることがで きる。代表的な例は、先に討議したブロッキング抗体、CRF2レセプター・ペプチ ド、及び(ペプチド及び非ペプチド・リガンドを含む)CRF アナログを含む。さ らに、多数のCRF アナログが、CRF アナログをコーディングする核酸配列の飽和 突然変異誘発(例えば、Little,Gene 88:113-115,1990;Hembers et al.,Gen e 88:143-151,1989)により、セグメント指定突然変異誘発(例えば、Shortle e t al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77.5375-5379,1980)により、強制ヌクレ オチド誤取込み(forced nucleotide misincorporation)(例えば、Liao and W ise,Gene 88:107-111,1990)により、又はランダム突然変異オリゴヌクレオ チド(Hutchison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:710-714,1986)の使 用により、生成されることができる。 CRF2アナログを発現する個々の形質転換体を、次に先に討議されたようにクロ ーン化され、又はプールされることができる。 本発明の方法を使用して同じくスクリーニングされることができる他の化合物 は、知られており、そして(例えば、Sigma Chemical Co.,St.Louis,MOから)商業的に入手可能であるか又は当業者により容易に合 成されるかのいずれかである化学物質を含む。さらに、例えば、有機とタンパク 質又はペプチド・ライブラリーを含む、組合せライブラリー(combinatorial lib raries)中に提供される多くの新規の組成物も、本明細書中に記載する方法を使 用して容易にスクリーニングされることができる(例えば、Gold and Tuerk、米 国特許第 5,270,163号;及びLadner et al.,米国特許第 5,096,815号、同第 5,1 98,346号、及び同第 5,223,409号を参照のこと。)。 本発明の好ましい側面においては、(ペプチド、小さな有機分子又は組合せ化 学誘導化合物ライブラリーを含む)化学ライブラリーのスクリーニングを、その 発現されたCRF2レセプターを使用して高処理量フォーマットにおいて評価するこ とができる。より特に、本発明の1の態様においては、高処理量レセプター結合 性アッセイは、96−ウエル・プレート内で行われることができ、そしてBIOMEK 2 000(Beckman,Fullerton CA)を使用して自動化されている。簡単に言えば、CR F2レセプターによりトランスフェクトされた1×105細胞を、各ウェル内で培養 する。これに、非標識r/h CRF(最終濃度、1μM)を含むか又は含まない0. 05mlのアッセイ・バッファー(Dulbecco'sホスフェート緩衝液化生理食塩水、10 mM MgCl2,20μMバシトラシン)を、全結合及び非特異的結合を測定するために 2連で添加する。シングレットにおいて、0.05mlの化合物(1〜30の化合物の混 合物)を、0.05mlの、〔125I〕−oCRF又は〔125I〕−r/h CRFのいずれか( 最終濃度〜200pM)に加えて、各ウェルに添加する。この混合物を、2時間、22℃ においてインキュベートする。これらのトランスフェクトされた細胞が接着性で あるので、膜結合CRF を分離させるための遠心分離段階は、必要ではない。次 に、この液体を吸引し、そしてそれらの細胞を、約 0.9mlのPBS により3回洗浄 する。3回の洗浄及び吸収の後、 0.2mlの4Mグアニジン・チオシアネートを、 その組織を可溶化させるために各ウェルに添加する。その可溶化されたサンプル のアリコート(0.15ml)を、約80%の効率において放射能についてガンマ・カウ ンター内でモニターする。〔125I〕CRF 結合性の≧50%阻害を示す化合物を、C RF2レセプターにおけるこれらの化合物のアフィニティー(Ki値)を測定するた めに、十分な投与量の応答競争アッセイにおいてテストする。 一旦、部分的に、又は所望により同質(homegeneity)まで精製されれば、CRF2 レセプター・アゴニストとアンタゴニストの両方を治療的に使用することができ る。一般に、特に治療用途のためには、少なくとも約50%の同質性を有する実質 的に純粋な組換えCRF アンタゴニストが好ましく、少なくとも約70%〜80%の同 質性がより好ましく、そして95%〜99%以上の同質性が最も好ましい。一般に、 上記アンタゴニストは、皮膚内に(intradermally(“i.d.”))、頭蓋内に (intracranially(“i.c.”))、腹腔内に(“i.p.”)、クマ膜下腔 内に(intrathecally(“i.t.”))、静脈内に(intrarenously(“i.v. ”))、皮下に(“s.c.”)、筋中に(“i.m.”)又は腫瘍中に直接的 に投与されることができる。典型的には、これらのアンタゴニストは、遊離塩基 として又は酸塩として存在する。好適な塩は、医薬として許容されなければなら ない。代表的な例は、金属塩、アルカリ及びアルカリ土類金属塩、例えば、カリ ウム又はナトリウム塩を含む。他の医薬として許容される塩は、クエン酸、コハ ク酸、乳酸、塩化水素酸及び臭化水素酸を含む。非経口組成物は、pH5.6 と7.4 の間の水性等張性溶液中に配合されることができる。好適な等張性溶液は、塩化 ナトリウム、デキストロース、酒石酸ホウ素ナトリウム、及びポリエチレン・グ リコール溶液を含むことができる。標 識 本発明の、核酸分子、抗体、CRF2レセプター、並びにCRF2レセプター・アゴニ スト及びアンタゴニストは、例えば、蛍光マーカー、酵素マーカー、毒性分子、 非毒性であるが第2の化合物に晒される間に毒性になる分子、及び放射性核種を 含むさまざまな標識又は他の分子に(共有結合又は非共有結合手段のいずれかを 通じて)標識され又は結合されることができる。 本発明における使用に好適な蛍光標識の代表的な例は、例えば、フルオレセイ ン・イソチオシアネート(FITC)、ローダミン、テキサス・レッド(Texas Red) 、ルシフェラーゼ及びフィコエリトリン(Phycoerythrin(PE))を含む。フロー ・サイトメトリーにおける使用のために特に好ましいのは、“Conjugation of F luorescein Isothiocyanate to Antibodies.I.Experiments on the Condition s of Conjugation,”Immunology 18:865-873,1970中のKeltkampの方法に従っ て精製された抗体に結合されることができるFITCである。(また、Keltkamp,“ Conjugation of Fluorescein Isothiocyanate to Antibodies.II.A Reproducib le Method,”Immunology 18:875-881,1970;及びGoding,“Conjugation of A ntibodies with Fluorochromes:Modification to the Standard Methods, J.I mmunol.Methods 13:215-226,1970参照のこと。)組織化学的染色のために、 好ましいものであるHRP が、Nakane and Kawaoi の方法に従ってその精製抗体に 結合されることができる(“Peroxidase-Labeled Autibody:A New Method of C onjugation,”J.Histochem.Cytochem.22:1084-1091,1974;また、Tijssen and Kurstak,“Highly Efficient and Simple Methods for Preparatio n of Peroxidase and Active Peroxidase Antibody Conjugates for Enzyme Imm unoassays,“Anal.Biochem.136:451-457,1984を参照のこと。)。 酵素マーカー又は標識の代表的な例は、アルカリ性ホスファターゼ、西洋ワサ ビ・ペルオキシダーゼ、及びβ−ガラクトシダーゼを含む。毒性分子の代表的な 例は、リシン(ricin)、アブリン、ジフテリア毒素、コレラ毒素、ゲロニン、ヨ ウシュ〔アメリカ〕ヤマゴボウ(pokeweed)抗ウイルス・タンパク質、トリチン (tritin)、シゲラ(Shigella)毒素、及びシュードモナス(Pseudomonas)内毒 素Aを含む。非毒性であるが、第2化合物に晒される間に毒性になる分子の代表 的な例は、チミジン・キナーゼ、例えば、HSVTK 及びVZVTK を含む。放射性核種 の代表的な例は、Cu−64,Ga−67,Ga−68,Zr−89,Ru−97,Tc−99m,Rh−10 5 ,Pd−109 ,In−111 ,I−123 ,I−125 ,I−131 ,Re−186 ,Re−188 ,Au−198 ,Au−199 ,Pd−203 ,At−211 ,Pb−212 及びBi−212 を含む。 本明細書中に提供する開示を与えれば当業者にとって自明であろうように、上 記の核酸分子、抗体、CRF2レセプター、CRF2レセプター・ペプチド及びCRF2レセ プター・アゴニスト及びアンタゴニストは、他の分子、例えば、コロイド金、同 じく、高アフィニティー結合性対のいずれかのメンバー(例えば、アビジン−ビ オチン)によっても標識されることができる。CRF2 レセプター配列の診断的用途 本発明の他の側面においては、CRF2レセプター核酸又はRNA とハイブリダイズ することができるプローブが提供される。本発明の目的のために、それらが中又 は高ストリンジェンシー条件下で(Sambrook et al.,上掲参照)配列番号:1又 は3(又はそれらの相補鎖)にハイブリダイズする場合にCRF2レセプター核酸に “ハイブリダ イズすることができる”が;CRF レセプター核酸にハイブリダイズすることがで きない。好ましくは、プローブは、42℃において、50%ホルムアミド、5×SSPE ,5×Denhardt's,0.1% SDS及び 100μg/mlサケ精子核酸の存在中、好適な ヌクレオチド配列にハイブリダイズさせるために使用されることができ、その後 、42℃において2×SSC による第1洗浄、及び55〜60℃における 0.2×SSC によ る第2洗浄が行われる。 本発明のプローブは、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、核酸アナログ 、又はこれらのいずれかの組合せのいずれかから成ることができ、そして長さ約 12ヌクレオチド程小さく、通常、長さ約14〜18、そしてたぶんCRF2レセプターの 全配列と同程度の大きさであることができる。プローブ・サイズの選定は、その プローブの用途にいくぶん依存する。例えば、個体内のCRF2レセプターのさまざ まな多型の存在について決定するために、CRF2レセプター・コーディング配列の 事実上全長を含んで成るプローブが好ましい。CRF2レセプター・プローブは、CR F2レセプター遺伝子に関連した多型(polymorphisms)を同定するために使用され ることができる(例えば、Weber,Genomics 7:524-530,1990;及びWeber and May,Amer.J.Hum.Gen.44:388-396,1989を参照のこと。)。このような多 型は、遺伝子病、例えば糖尿病に関連付けられることができる。 プローブは、本分野においてよく知られた技術を使用して構築され、そして標 識されることができる。例えば、12又は14塩基のより短いプローブが、好ましく は、標識された前駆体、例えば、32P−dCTP、ジゴキシゲニン−dUTP、又はビオ チン−dATPの存在中でのPCR 増幅により生成される。 1.5kb以上のプローブは、 一般に、関連プローブを含むプラスミドにより細胞をトランスフェクトし、その トランスフェクトされた細胞を多量に培養し、そしてそのトランスフェクトされ た細胞からその関連配列を精製することにより最も容易に増幅される(Sambrook et al.,上掲参照)。 プローブは、例えば、放射性マーカー、蛍光マーカー、酵素マーカー、及び発 色団マーカーを含むさまざまなマーカーにより標識付けされることができる。32 Pの使用は、特定のプローブをマーキングし、又は標識付けするために特に好ま しい。 本発明のプローブは、サンプル中のCRF2レセプターmRNA又は核酸の存在を検出 するためにも使用されることができる。しかしながら、CRF2レセプターが限定さ れた数においてのみ存在する場合、又は限定された数においてのみ存在する選ば れた突然変異体配列を検出することが望ましい場合、又は選ばれた温血動物から CRF2レセプターをクローン化することが望ましい場合、それがより容易に検出さ れ又は得られることができるようにその関連配列を増幅することが有益であるこ とができる。 さまざまな方法が、例えば、RNA増幅(Lizardi et al.,Bio/Technology 6:1 197-1202,1988;Kramer et al.,Nature 339:401-402,1989;Lomeli et al. ,Clinical Chem.35(9):1826-1831,1989;米国特許第 4,786,600号を参照 のこと)、及びポリメラーゼ連鎖反応(“PCR”)を用いた核酸増幅(米国特許 第 4,683,195号、同第 4,683,202号、及び同第 4,800,159号を参照のこと。)を 含む選ばれた配列を増幅するために使用されることができる。(また、米国特許 第 4,876,187号、及び同第 5,011,769号を参照のこと。これは、切れ易い結合の 使用を含む他の検出/増幅システムについて記載する。) 特に好ましい態様においては、PCR 増幅は、CRF2レセプター核酸を検出し又は 得るために使用される。簡単に言えば、以下により詳 細に記載するように、核酸サンプルは、1本鎮核酸を生成するために95℃におい て変性される。以下に討議するように、特異的なプライマーが、次に、そのプラ イマーのAT/GCの比率に依存して、37℃〜70℃においてアニールされる。これら のプライマーは、その鋳型に対して向い合う鎖を生成するためにTag ポリメラー ゼにより72℃において伸長される。これらの段階が1サイクルを構成し、これが 、その選ばれた配列を増幅するために繰り返されることができる。 選ばれた配列の増幅のためのプライマーは、その標的配列に高く特異的であり 、そしてそれと安定した2本鎖を形成する配列から選ばれなければならない。こ れらのプライマーは、また、特にその3′末端において、非相補的でなければな らず、それ自体又は他のプライマーとダイマーを形成してはならず、そして核酸 の他の領域と2次構造又は2本鎖を形成してはならない。一般に、約18〜20のヌ クレオチドのプライマーが好ましく、そして本分野においてよく知られた技術を 使用して容易に合成されることができる。CRF2 レセプター及びCRF2レセプター・アンタゴニストの治療用途 CRF2レセプター(又はその部分)、CRF2レセプター・アゴニスト及びアンタゴ ニスト、並びにこれらの分子をコードする核酸配列は、さまざまな治療用途にお いて使用されることができる。例えば、本発明の1の態様においては、CRF2レセ プター(又は基質、例えば、CRF 、ソーバジン、又はウロテンジンIに結合する その部分)は、その基質の血管レベル又はその基質の過剰を原因とする高ACTHレ ベルを減少させるために、使用されることができる。従って、CRF2レセプターは 、高ユルチゾール・レベルに関連する疾患であって例えば、クッシング病(Cushi ng's Disease)、アルコール中毒症(alcoholism)、神経性無食欲症(anorexia nervosa)、及び他の関連疾患を含むものの治療において使用されることができ る。 同様に、CRF2レセプター、(又は、先に討議したような基質に結合するそれら の部分)は、高レベルの基質(例えば、CRF)を作り出す腫瘍、例えば、下垂体腫 瘍の治療において、並びに妊娠の間の異常、例えば増加したCRF レベルに関連す る子癇前症の治療のために、使用されることができる。同様に、それらは、低血 圧の治療のために、免疫系失調、例えば関接炎の効果を調節するためにそして下 垂体失調の効果を調節するために、使用されることができる。さらに、CRF2レセ プター、(又はその部分)は、例えば、飽満(satiety)、再生成長(reproduction growth)、不安(anxiety)、抑鬱症(depression)、発熱、代謝を含むさまざま な脳機能を調節するために、使用されることができる。 本発明のさらに他の側面においては、CRF2レセプター(又は突然変異体CRF2レ セプター)のいずれかが過剰発現され、又はCRF2レセプターが全く発現されない 疾患を治療するために使用されることができるウイルス・ベクターが提供される 。簡単に言えば、本発明の1の態様においては、CRF2レセプターの過剰発現、又 は突然変異体CRF2レセプターの発現を禁ずるために、アンチセンスCRF2レセプタ ーRNA の生産を指令するウイルス・ベクターが提供される。他の態様においては 、CRF2レセプターcDNAの発現を指令するウイルス・ベクターが提供される。本発 明における使用のために好適なウイルス・ベクターは、とりわけ、ヘルペス・ウ イルス・ベクター(例えば、米国特許第 5,288,641号)、レトロウイルス(例え ば、EP 0,415,731;WO 90/07936;WO 91/0285;WO 94/03622;WO 93/25698;WO 93/25234;米国特許第 5,219,740;WO 93/11230;WO 93/10218,Vile and Hart ,Cancer Res.53:3860-3864,1993;Vile and Hart,Cancer Res.53:962-96 7,1993;Ram et al.,Cancer Res.53:83-88,1993;Takamiya et al.,J.Ne urosci.Re s 33:493-503,1992;Baba et al.,J.Neurosurg 79:729-735,1993)、シュ ードタイプ・ウイルス(pseudotyped virus)、アデノウイルス・ベクター(例えば 、WO 94/26914,WO 93/9191,Kolls et al.,PNAS 91(1):215-219,1994;Ka ss-Eisler et al.,PNAS 90(24):11498-502,1993;Guzman et al.,Circula tion 88(6):2838-48,1993;Guzman et al.,Cir.Res.73(6):1202-1207 ,1993;Zabner et al.,Cell75(2):207-216,1993;Li et al.,Hum Gene T her.4(4):403-409,1993;Caillaud et al.,Eur.J.Neurosci.5(10: 1287-1291,1993;Vincent et al.,Nat.Genet.5(2):130-134,1993;Jaf fe et al.,Nat.Genet.1(5):372-378,1992;及びLevrero et al,Gene 1 01(2):195-202,1991)、アデノウイルス関連ウイルス・ベクター(Flotte et al.,PNAS 90(22):10613-10617,1993)、ポルボウイルス・ベクター(Koerin g et al.,Hum.Gene Therap.5:457-463,1994)、バキュロウイルス・ベクタ ー、及び瘡痘(pox)ウイルス・ベクター(Panicali and Paoletti,PNAS 79:492 7-4931,1982;及びOzaki et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.193(2):6 53-660,1993)を含む。さまざまな態様において、ウイルス・ベクター自体又は そのウイルス・ベクターを含むウイルス粒子のいずれかが、以下に記載する方法 及び組成物において使用されることができる。 本発明の他の態様においては、本発明の核酸分子、又はさらにその核酸分子自 体を含み又は発現するベクターが、例えば、直接核酸注入(Acsadi et al.,Nat ure 352:815-818,1991);リポソーム(Pickering et al.,Circ.89(1):1 3-21,1994;及びWang et al.,PNAS 84:7851-7855,1987);リポフェクショ ン(Felgner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413-7417,1989);マ イクロプロジェクタイル・ボンバードメント(microprojectile bombardment) (Williams et al.,PNAS 88:2726-2730,1991);核酸リガンド(Wu et al., J.of Biol.Chem.264:16985-16987,1989);死アデノウイルスに結合された 核酸の投与(Michael et al.,J.Biol.Chem.268(10):6866-6869,1993; 及びCuriel et al.,Hum.Gene Ther.3(2):147-154,1992);レトロトラ ンスポゾン、サイトフェクチン仲介導入(retrotransposons,cytofectin-media ted introduction)(DMRIE-DOPE,Vicol,Calif.)及びトランスフェリン−核酸 複合体(Zenke)を含むさまざまな他の技術により投与されることができる。学習及び記憶の改善 上述のように、本発明は、患者に治療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニ ストを投与することによる学習及び記憶の改良方法をも提供する。簡単に言えば 、このような患者は、痴呆又は学習及び記憶の喪失の徴候に基づく臨床診断を通 じて同定されることができる。例えば、健忘症(amnestic)障害をもつ個体は、 新しい情報を学習するそれらの能力が弱められており、又は光に学習した情報又 は過去の出来事を想起することができない。記憶欠陥は、自然的想起を必要とす る仕事に対して最も明白であり、そしてまた、その検査員が、その後にそのヒト が想起するための刺激を提供するときに明らかであることができる。記憶障害は 、社会的又は職業的な機能において顕著な弱化を引き起こすために十分に重度な ものでなければならず、そして前機能レベルからの有意な降下を提示しなければ ならない。 痴呆は、前機能レベルからの有意な変化を提示する認識力における多くの臨床 的に有意な欠陥を特徴とする。新しい事項を学習する不能力又は前に学習した事 項の忘却に関連する記憶弱化は、痴呆の 診断を行うために必要である。記憶は、そのヒトに、情報が記録され、保持され 、想起され、そして認識されていることを尋ねることにより公式にテストされる ことができる。また、痴呆の診断は、以下の認識力障害:失語症(aphasia)、失 行症(apraxia)、失認症(agnosia)又は遂行機能(executive functioning)におけ る障害の中の少なくとも1を必要とする。言語、行動能力、対象認識及び抽象思 考におけるこれらの欠陥は、それぞれ、職業又は社会的機能における弱化を引き 起こすために、上記記憶欠陥と共に十分に重度なものでなければならず、そして 前の高レベルの機能からの下降を提示しなければならない。 患者が学習及び記憶が弱化したかどうかを決定するために臨床医により使用さ れる標準的なテストは、Minimental Test for Learning and Memory(Folstein et al.,J.Psychiatric Res.12:185,1975)である。このテストは、多数の 単純作業及び文書による質問を含む。例えば、“対−会合(paired-associate) ”学習動力は、頭部損傷、Korsakoff's 病又は脳卒中(stroke)を患うものを含 むいくつかのタイプの健忘症患者において弱化されている(Squire,1987)。無 関係な言葉の10の対(例えば、軍隊−テーブル(army-table))を被験者に読ま せる。次に被験者に、各対の第1の言葉を与えるときに第2の言葉を思い出すよ うにたのむ。記憶弱化の計測は、対合の対照群に対する、思い出された対−会合 言葉の減少数である。これは、痴呆又は健忘障害の初期の段階において急激に悪 化する種類の短期間の作業記憶の指数として役立つ。 学習及び記憶における改良は、(a)偽薬群のメンバーに比較したときの、CR F2レセプター・アンタゴニスト処理患者の能力間の統計的に有意な差異;又は( b)その疾患モデルに直接関係のある尺度における正常な方向における能力にお ける統計的に有意な変化の いずれかを構成する。動物モデル又は疾患の臨床的な事例は、健常対照から区別 されることができる定義によるものである徴候を示す。従って、有効な薬理療法 の計測値は、必ずしも完全ではないが、徴候の有意な逆転となるであう。改良は 、記憶の仕事の能力を改善するのに役立つ臨床的に有効な“認識力強化(cogniti ve enhancing)”薬物により、記憶病理学の動物モデル及びヒト・モデルの両方 において、容易にされることができる。例えば、アルツハイマー型の痴呆及び記 憶喪失を患う患者におけるコリン様作用の(cholinomimetic)代替療法として働 く認識力エンハンサーは、上記対−会合仕事(Davidson and Stern,1991)のよ うなパラダイムにおける短期作業記憶を有意に改善する。記憶弱化に対する治療 介在のための他の有効な適用は、老化マウスにおける現在の記憶の長期的な研究 により有効にモデル化された能力における老化関連欠陥により示唆される(Forst er and Lal,1992)。 動物においては、学習及び記憶のいつくかの確立されたモデルは、 CRF−感受 性ニューロンの活性化の、有益な認識力強化効果及び有効な不安関連副作用を調 べるために利用されることができる。例えば、Morris迷路(Stewart and Morris ,in Behavioral Neuroscience,R.Saghal,Ed.(IRL Press,1993)p.107) とY−迷路(Y−maze)(Brits et al.,Brain Res.Bull.6,71(1981))テス トの両方が、認識力強化効果を計測する。不安関連効果は、上昇プラス迷路(el evated plus-maze)(Pellow et al.,J.Neurosci.Meth.14:149,1985)にお いて評価されることができる。 簡単に言えば、上記Morris水迷路は、学習及び記憶の最も有効なモデルの中の 1であり、そしてそれは、さまざまな薬理学的剤の認識力強化効果に対して感度 が高い(McNamara and Skelton,Brain Res.Rev.18:33,1993)。上記迷路内で 行われる仕事は、その脳 内の海馬、動物における空間的学習及びヒトにおける記憶の併合のために重要な 脳の領域、の操作に対し特に感度が高い。その上、Morris水迷路能力における改 善は、認識力エンハンサーとしての化合物の臨床的効力を予言する。例えば、コ リンエステラーゼ阻害剤又は選択的ムスカリン様のコリン作用性アゴニスト(mus carinic cholinergic agonists)による処置は、学習及び記憶のMorris迷路動物 モデル及び痴呆症をもつ臨床集団における学習欠陥を逆転させる(McNamara and Skelton,1993;Davidson and Stern,1991;McEntee and Crook,1992;Dawson et al.,1992)。さらに、この動物パラダイムは、年が進むにつれて弱化の程度 が増加することを正確に真似(Levy et al.,1994)、そしてその記憶の傷つき易 さは、健忘症患者に特徴的である予備試験の遅れ又は妨害をたどる(Stewart an d Morris,1993)。 このテストは、粉末乳の添加のために不透明であるなまぬるい水中にその動物 が入れられるところの簡単な空間的学習の仕事である。これらの動物は、その迷 路と試験室内に置かれた視覚的手掛かり(visual cues)に対するそのプラットフ ォーム(plat form)の位置を学習する;この学習は、場所学習といわれる。簡単 に言えば、各々1〜3日間にわたるトレーニングの15分前に、動物群が、対照溶 液又は 0.1,1,5、又は25μgのCRF2レセプター・アンタゴニストのICV 注射 を受容する。対照動物は典型的には、3日間のトレーニング後5〜10秒以内にそ のプラットフォームに達する。CRF2レセプター・アンタゴニストの記憶モジュレ ーター効果の計測は、この時間期間のシフトである。 視覚的識別に基づくY−迷路は、動物における学習及び記憶の他のアッセイで ある。この迷路においては、その迷路の2つのアームは、その裏に40−ワットの 電球がある半透明のプラスチック・パネ ル内に終る。その出発箱は、手動駆のギロチン・ドアにより第3アームから分か れている。第1の試験においては、全動物が5分間その迷路の探検に供され、そ して食品ペレットが各アーム内で入手可能である。2日目に、各動物は、そのド アが閉じられた出発箱内に入れられる。そのドアが開けられるとき、その動物は 、そのアームを移動することを許され、そして両アーム内に置かれた上記ペレッ トを食べる。3日目に、動物は、3つの群において6回の試験を受け、ここで、 1のアームは、その選択的において閉じられ、識別可能な刺激は全く存在せず、 そして2つの食品ペレットがその開ゴール箱内で入手可能である。4〜10日目に 、その食品ペレットを有するアームの端における光が照らされ、そして10回の試 験を、再び3群において行う。その動物が食品ペレットに達するのにかかる時間 を記録する。 Y−迷路における学習及び記憶を改善するための、CRF2レセプター・アンタゴ ニストの有効性を、以下のようにテストする。4〜10日間にわたるトレーニング 試験の各ブロックの15分前に、動物群に対照溶液又はCRF2レセプター・アンタゴ ニストの1,5、又は25μgの投与量のICV 注射を行う。記憶に対する処置の効 果の計測は、正応答における増加である。 上記上昇プラス迷路テストは、開放明空間対暗閉空間を含む接近−回避(appr oach-avoidance)状況における不安形成応答を計測する。両空間は、上昇してお り、そしてプラス・サインの形態において分断される2つの通路として設定され る。このタイプの接近−回避状況は、“感情(emotionality)”の分類テストで あり、そして脱抑制とストレスを作り出す処置にひじょうに感度が高い。簡単に 言えば、動物は、その迷路の中心に置かれ、そして5分間のテスト期間において 全4アームへの自由な接近を許される。各アーム内で 費された時間を記録する。 ヒトにおいては、学習及び記憶の改善の決定は、Wechsler Memory Scale 又は 対−会合記憶仕事のようなテストにより計測されることができる。このWeshsler Memory Scale は、認識力の働き及び記憶能力の広く使用される鉛筆と紙のテス トである。正常な集団においては、温やかな健忘症がそのスコアにおいて10〜15 ポイントの減少をもって、より重度の健忘症が20〜30ポイントの減少をもって、 など(Squire,1987)検出されることができるように、その正規化されたテスト は、100 の平均と15の標準偏差を作り出す。臨床的インタビューの間、非限定的 に、上記Minimentalテスト、上記Wechsler記憶スケール、又は対−会合学習を含 む一連のテストが、症候性の記憶喪失の診断のために適用される。これらのテス トは、一般的な認識力弱化と学習/記憶能力の特定の喪失の両方に対する一般的 な感度を提供する(Squire,1987)。痴呆と健忘失調の特定の診断は別にして、 これらの臨床的機器は、そのヒトの年齢に与えられた通常の限界内にある老化過 程に続く精神的機能における客観的減損を反映する年齢関連の認識力降下をも同 定する(DSM IV,1994)。上述のように、学習及び記憶における“改善”は、例 えば、偽薬群のメンバーに比較したときのCRF2レセプター・アンタゴニスト処置 患者の能力の間の、又は同一患者に与えられる一連のテストの間の、上記対−会 合テストにおける正常な方向における統計的に有意な差異が存在する場合に、本 発明の文脈中に存在する。アルツハイマー病 本発明は、患者への治療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニストの投与に よるアルツハイマー病(Alzheimer's disease(AD))の治療方法を提供する。簡 単に言えば、このような患者は、他の原因に帰されることができない痴呆の症候 又は学習及び記憶の喪失に 基づく臨床的診断を通じて同定されることができる。さらに、患者は、核磁気共 鳴により測定されるような脳の萎縮(brain atrophy)の診断を通じて同定され ることもできる。 コリン作用性欠損に焦点を合わせたアルツハイマー病のいくつかの確立された 動物モデルを、利用することができる。ADにおけるコリン作用性欠損の主な役割 は、十分に確立されている。ADにおいては、前頭、後頭、及び側頭葉(lobes)内 での、減少されたコリン・アセチルトランスフェラーゼ活性と減少されたCRF レ ベルとの間の有意な正の相関が存在する(De Souza et al.,1986)。同様に、こ れらの3つの皮質内での、減少されたコリン・アセチルトランスフェラーゼ活性 と増加数のCRF レセプターの間に負の相関が存在する(同書)。2つの他の神経 変性疾患においては、パーキンソン病におけるCRF とコリン・アセチルトランス フェラーゼ活性との間に高く有意な相関が存在するが、進行性核上麻痺(progre ssive supranuclear palsy)内で僅かな相関しかない(Whitehouse et al.,1987 )。 ラットにおいては、解剖学的及び行動学的研究は、CRF とコリン作用系の間の 相互作用を証明する。第1に、いくつかの脳幹核内では、CRF とアセチルコリン エステラーゼは、同じ位置にあり、そしていくつかのコリン作用性ニューロンも CRF を含む。第2に、CRFは、カルバコール誘導作動を抑制し(カルバコールは ムスカリン様コリン作用性レセプター・アンタゴニストである。)、CRF は、コ リン作用性系に対する効果をもつ(Crawley et al.,Peptides 6:891,1985) 。他のムスカリン様コリン作用性レセプター・アンタゴニストによる処置は、CR F レセプターにおける増加をもたらす(DeSouza and Battaglia,Brain Res.397 :401,1986)。一緒にすれば、これらのデータは、CRF とコリン作用性系はヒト と動物にお いて同様に相互作用する。 コリン作用性欠損に焦点を合せたアルツハイマー病の動物モデルは、アセチル コリンによるシナプル後レセプターの刺激を遮断する非選択的シナプス後ムスカ リン様レセプター、スコポラミン(scopolamine)の投与により作出される。これ らの動物においては、健忘症からの行動又は知覚的欠損又は実験的処置の認識力 強化効果を減ずる、受動的回避又は遅延−位置適用テスト(delayed-matching-t o-position tests)により計測されるとき、記憶欠損は、容易に現れる。従って 、スコポラミン誘導健忘症の後の上記Morris迷路及びY−迷路テストは、記憶の 弱化及びその後のCRF2レセプター・アンタゴニストの投与後の強化をテストする ために使用される。Morris迷路においては、その実験のデザインは、本質的に上 記のようなものであるが、スコポラミン臭化水素の腹腔内注射(0.3mg/Kg)によ る、各1〜3日間にわたるトレーニングの30分前の処置を含むように修飾される 。スコポラミンのこの健忘症投与量は、ラットにおける空間的及び回避学習パラ ダイムの取得及び保持を減ずる。1,5、又は25μgのCRF2レセプター・アンタ ゴニストの抗健忘症効果が、スコポラミンを受容し、又は受容しない同時対照群 に対して計測される。Y−迷路を使用するスコポラミン誘導健忘症の逆転に対す るCRF2レセプターの効果は、上記のY−迷路テストと同様に行われる。このテス トの修飾は、スコポラミン臭化水素の腹腔内注射(0.3mg/kg)による5〜10日間 にわたるトレーニングの30分前の処置を含む。ICV 、中枢に又は全身的に投与さ れた1,5、又は25μgのCRF2レセプター・アンタゴニストの抗健忘症効果を、 同時対照及びスコポラミン処置対照群に対して計測する。 また、ADにおける認識力行動を計測するいくつかのテストがデザインされてい る(Gershon et al.,Clinical Evaluation of Psych otropic Drugs:Principles and Guidelines,Prien and Robinson(eds.),Rave n Press,Ltd.,New YorK,1994,p.467.を参照のこと。)。これらのテストの 中の1,BCRSは、濃度、現在記憶、過去記憶、方向、及び機能及びセルフ・ケア (self−care)について計測する。このBCRSは、認識力機能だけを計測するよう にデザインされている。このテスト、並びに上記のWeschler Memory Scale 及び 上記のAlzheimer's Disease-Associated Scaleは、CRF2レセプター・アンタゴニ ストによる治療処置後の改善を決定するために使用されることができる。上述の ように、アルツハイマー病における“改善”は、例えば、偽薬群のメンバーに比 較したときCRF2レセプター・アンタゴニスト処置された患者の能力の間の、又は 同一患者に与えられるその後のテストの間の、上記Weschler Memory Scale テス トにおける正常な方向における統計的に有意な差異が存在する場合に、本発明の 文献中に存在する。さらに、ヒトにおけるスコポラミン誘導健忘症は、CRF2レセ プター・アンタゴニストの効力をテストするためのモデル系として使用されるこ とができる。脳血管疾患 上述のように、本発明は、患者に治療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニ ストを投与することによる、脳血管疾患、例えば、脳出血、再灌流損傷及び偏頭 痛の治療方法をも提供する。CRF2レセプター・アンタゴニストの投与が対照と比 較したとき、脳血管疾患の臨床的又は診断的指標の統計的に有意な有益性をもた らす場合に、患者は治療されたとみなされる。(例えば、Harrison's Principle s of Internal Medicine,McGraw-Hill Book Co.を参照のこと。)。脳血管疾患 に対するCRF2レセプター・アンタゴニストの効果をテストするための動物モデル 系の代表的な例は、NMDAアゴニスト(1−アミノ・シクロブタン−シス−1,3 −ジカルボン酸)の注入か らの病巣虚血損傷を含む。このような興奮毒性(excitotoxic)化合物は、脳の特 定の領域内に融合することができ、そしてテトラゾリウムのような化合物による その後の染色により、その毒性が計測される。神経保護の指標は、CRF2レセプタ ー・アンタゴニストにより処置された動物における梗塞の容積の減少により証明 されることができる。 CRF2レセプター・アンタゴニストの投与は、例えば、損傷又は疾患部位内への 直接的注射、他の頭蓋内、皮膚内、腹腔内、クモ膜下内、皮下、又は筋中経路を 含むさまざまな経路により、又はより好ましくは、経口又は静脈内に投与される ことができる。 以下の実施例を、限定のためでなく、説明のために提供する。実施例 実施例1 CRF2レセプターcDNAの単離 A.ラット脳cDNAライブラリーからのCRF2レセプターcDNAの単離 175〜250 グラムの間の体重の雄 Sprague−Dawleyラット(Madison,WI)を断頭 し、そしてその脳を摘出した。次に全RNA を製造者の指示に従ってPromega RNAg ents Total RNA Kit(カタログ#Z5110,Promega,Wisc.)を使用してその脳か ら単離し、その後、Promega Poly A Tractキット(カタログ#Z5420)を使用し てポリA+RNA の単離を行う。次にcDNAファージ・ライブラリーを製造者の指示 に従ってGiga−Pack Goldライブラリー構築キットを使用して調製し(カタログ# 237611,Stratagene,La Jolla,Calif)、そしてこれを次にプレートし、そして 、オリゴヌクレオチド5′−CCCGGATGCC TACAGAGAAT GCCTGGAGGA TGGGACCTGG GC CTCAAGGG−3′(配列番号:5)を用いて本質的にSambrook et al.,(Molecul ar Cloning)に記載されたようにスクリーニングする。このオリゴヌクレオチド は、図1中に示すラットCRF2レセプターcDNA配列のオリゴヌクレオチド 440−49 0 と相補的である。 単一の純粋なファージ単離物か得られるまで上記ファージ・ライブラリーを再 スクリーニングする。次にこのファージをバクテリア宿主XL1−ブルー(Strata gene,La Jolla,Calif.)上で増殖させ、そしてプラスミド核酸を、SOLR細胞内 のExAssistヘルパー・ファージ(Stratagene)により切除する。 これらSOLR細胞を次にプレートし、そしてプラスミド核酸を単離し、そしてサ ンガー・ジデオキシ・プロトコールを使用して配列決定する。 この手順を使用して得られることができるラットCRF2レセプターcDNA配列を、 以下、図2及び配列番号:1中に示す。 B.ラット視床下部cDNAライブラリーからのCRF2レセプターcDNAの単離 CRF2レセプターcDNAを、商業的に入手可能なラット視床下部cDNAライブラリー から単離することもできる。簡単に言えば、ラット視床下部ファージ・ライブラ リー(Stratagene、カタログ#936518)からの2百万のプラークを、その製造者 の指示に従ってプレートし、そして本質的に先に記載したようにオリゴヌクレオ チド配列番号:5を用いてスクリーニングする。 この手順を使用して得られることができるラットCRF2レセプターcDNA配列を、 以下、図1及び配列番号:3中に示す。 C.ヒトcDNAライブラリーからのCRF2レセプターcDNAの単離 CRF2レセプターcDNAを、商業的に入手可能なヒトcDNAライブラリーから単離す ることもできる。簡単に言えば、ヒト前頭皮質ファージ・ライブラリー(Strata gene、カタログ#936212)からの約2百万のプラークを、その製造者の指示に従 いプレートし、そして本質 的に先に記載したように、オリゴヌクレオチド5′−GATCAACTAC TCACAGTGTG AG CCCATTTT GGATGACAAG CAGAGGAAGT A−3′(配列番号:6)を用いてスクリーニ ングする。 この手順を使用して得られることができる1のヒトCRF2レセプターcDNA配列を 、以下、配列番号:7中に示す。簡単に言えば、ヒト配列は、上記ラットCRF2α レセプターの配列(配列番号:3)に対して、そのヌクレオチド・レベルにおい て89.1%同一であり、そしてそのアミノ酸レベルにおいて93.0%同一である。実施例2 CRF2レセプターcDNAの発現 pCDM7−Amp をアデノ複製起点、M13複製起点及び supF選択マーカーの欠失 により、pcDM8(Seed,Nature 329:840-842,1987;Seed and Aruffo,Proc. Natl.Acad.Sci.84:3365-3369,1987,Thomseu et al.,Cell 63:485-493, 1990,Bernot and Auffray,Proc.Natl.Acad.Sci.88:2550-2554,1991;Ha n et al.,Nature 349:697-700,1991)からまず構築する。アンピシリン耐性 マーカーを、そのプラスミドの選択を容易にするために付加する。 pBluescript SK−内の全長CRF2レセプター・クローンを、上記ファージ・クロ ーンから単離し、そしてEcoRVと XhoIにより切断し、その挿入物を放出させる 。次にその挿入物を単離し、そして同様に切断されているpCDM7−Amp にライゲ ートする。得られた生成物を、E .coli DH5αを形質転換させるために使用し、 これからより大量のプラスミド核酸を単離することができる。 次にCOS-7(ATCC No.CRL 1651)細胞を、400μg/mlのDEAE−Dextran 及び10 0μMクロロキン(chloroquine)を使用してCRF2レセプターcDNAを含むpCDM7−Am p を用いてトランスフェクトする (10μg核酸/10cmプレートの細胞)。これらの細胞を4時間トランスフェクト し、次に2分間10% DMSO によりショックを与える。次にこれらの細胞を洗浄し 、そして24−ウェル・プレート内に2日間10%胎児ウシ血清を含むDMEM中で培養 する。実施例3 CRF2レセプター結合性アッセイ材 料 125I−Tyr0−ヒツジCRF(125I−oCRF;比活性、2200Ci/mmol)をDu Pont− New England Nuclear(Boston,MA)から得る。非標識ラット/ヒト CRFをPeninsu la Laboratories(Balmont,CA)から購入する。全ての他の標準試薬をSigma Chem ical Co.(St.Louis,MO)から購入した。 A.細胞膜調製物 CRF2レセプターを発現するトランスフェクト細胞を収穫し、一度PBS 中で洗浄 し(22℃,pH7.0)、遠心分離によりペレット化し、そして使用まで−70℃におい て保存する。アッセイの日に、凍結したペレットを、50mM Tris,10mM MgCl2,2 mM EGTA pH7.0 を含む5mlの氷冷バッファー中で22℃において再懸濁し、そして 20秒間27,000においてPolytron(PT3000,Brinkmaun Instruments,Westbury,NY )を使用してホモジェナイズする。このホモジェネートを、4℃において10分間4 8,000×gにおいて遠心分離し、その上清を廃棄し、そしてそのペレットを、同 一容量のバッファー中で再ホモジェナイズし、そして4℃において10分間48,000 ×gにおいて再び遠心分離する。得られた膜を含むペレットを、上記バッファー 中に再懸濁させて、以下に記載するアッセイにおける使用のために 300mg/mlの 最終タンパク質濃度を作り出す。タンパク質決定を、標準としてウシ血清アルブ ミン(BSA)を使用してLowry et al.(J.Biol.Chem. 193:265-275,1951)の方法に従って行った。 B.CRF レセプター結合性アッセイ 100μlの膜懸濁液を、100μlの、インキュベーション・バッファー(50mM T ris,10mM MgCl2,2mM EGTA,1.5% BSA,0.15mMバシトラシン及び 1.5%アプロ チニン)中の(100−200pM)125I−oCRF及び 100μlの上記インキュベーション ・バッファーを含む1.5ml(ポリプロピレン・マイクロフュージ管)に添加する 。競合ペプチド(例えば、r/h CRF、ソーバジン、ウロテンジンI、ウロテン ジンII、ウシCRF(b−CRF)、及び脱アミド ウシCRF(b−CRF −OH))をも添 加する。インキュベーションを2時間室温(22℃)において行い、そして12,000 ×gにおいて5分間マイクロフュージ内での遠心分離により終了させる。得られ たペレットを、0.01% Triton X−100 を含む 1.0mlの氷冷ホスフェート緩衝液 化生理食塩水で緩やかに洗浄し、そして12,000×gにおいて5分間再遠心分離す る。このマイクロフュージ管を、そのペレットの直上で切断し、12×75mmポリス チレン管内に入れ、そして約80%の効率において Packard CobraIIガンマ・カウ ンター内で放射能についてモニターする。膜ホモジェネートへの125I−oCRFの 非特異的結合を、1mM非標識CRF の存在中で規定する。 C.飽和曲線分析 飽和試験のために、100μlの125I−oCRF(50pM-10nM最終濃度)、100μlの 検定バッファー(非特異的結合性を規定するために、1μM r/h CRF最終濃 度をもつか又はもたないもの)及び 100μlの(上記のような)膜懸濁液を、 1 .5mMポリプロピレン・マイクロフュージ管に順番に添加する。全ての反応を、22 ℃において2時間行い、そして12,000×gにおいて5分間の遠心分離により終了 させる。アリコートの上清を、非結合の放射リガンドの量を測 定するために集める。残った上清を吸引する。ペレットを氷冷PBSプラス0.01% Triton X−100 で緩やかに洗浄し、再び遠心分離し、そして結合した放射能に ついてモニターする。飽和曲線からデータを、非線形最小2乗曲線適合プログラ ムLIGAND(Munson and Rodbard,Anol.Biochem.107:220-229,1980)を使用して 分析する。非特異的結合性は、検査員の裁量により規定されないが、むしろ、そ の全データ・セットからの独立変数として推定される。 D.競合曲線分析 競合試験のために、100μlの125I−oCRF(最終濃度 200−300pM)を、(1pM 〜10mMの競合リガンドの存在中)100μlバッファー及び 100μlの、先に調製 されたような膜懸濁液と一緒にインキュベートする。この反応を22℃において2 時間進行せしめ、そして上記のように遠心分離により終了させる。競合曲線から のデータは、プログラムLIGANDによっても分析された。各競合曲線のために、CR F レセプター(125I−oCRF又は125I−r/h CRF)についての上記放射標識され たリガンドのアフィニティーの推定を、独立飽和実験において得る。これらの推 定を、テストされたさまざまな関連及び非関連ペプチドについての見掛け阻害定 数(Ki)の分析の間に束縛される。日常的には、これらのデータを、そのKiを正 確に測定するためにそれらのモデル間で“適合度(goodness of fit)”を比較す る1及び2部位モデルを使用して分析する。LIGANDにより提供される統計的分析 は、単一部位又は多−部位モデルが使用されるべきかどうかの決定を許容する。 CRF−関連ペプチドについては、全データが単一部位モデルに適合し、これは、 それらトランスフェクトされた細胞が、高いアフィニティーをもつ結合性部位を 有する単一同質集団を含むこと、そしてそのCRF レセプターの適当な薬理学的特 性を示唆する。実施例4 cAMPアッセイ トランスフェクトされた細胞におけるアデニレート・シクラーゼ活性に対する CRF 及び関連ペプチドの効果は、本質的に以下のように決定されることができる 。アゴニストの試験のために、化合物を、固有の活性をもつ化合物を同定するた めにバッファーだけを含むウェルに添加する。アンタゴニスト試験のために、化 合物を、そのアデニレート・シクラーゼ系を刺激するために1〜100nM CRFと一 緒に上記ウェル内に入れる。次に化合物を、トランスフェクトされた細胞内での CRF−刺激cAMP生産を阻止するそれらの能力について評価する。簡単に言えば、 細胞を、プレートし、そして37℃において24−ウエル・プレート内で2〜4日間 、10%胎児ウシ血清を含むDMEM中で培養する。アッセイの日に、その培地を、真 空吸引により除去し、 100μlの、DMEM,10mM MgCl2,1mMイソブチルメチルキ サンチン(生産されたcAMPの分解を阻止するホスホジェステラーゼ・インヒビタ ー)及び0.1% BSA(pH7.2)を各ウェルに添加する。CRF 、関連ペプチド及び有機 テスト分子を、個々のウェルに添加する。これらのプレートを1時間の期間にわ たり37℃においてインキュベートする。インキュベーション後、それらのウェル を吸引し、PBS で濯ぎ、そして再び吸引する。次に300μlの95%エタノールと2 0mM HCl(EtoH/HCl)を各ウェルに添加し、そしてそれらのプレートを−20℃にお いて一夜インキュベートして、生産されたcAMPを抽出する。EtoH/HCl を取り出 し、1.5mlポリプロピレン・エッペンドルフ管内に入れ、そしてそれらのウェル を、追加の 200μlのEtoH/HCl で洗浄し、そしてその最初のサンプルと共にプ ールする。全てのサンプルを Speed-Vac(Savant Instruments,Farmingdale NY) 内で乾燥させ、そして使用まで−20℃において保存するか又 は 500μlの酢酸ナトリウム・バッファーpH7.5 で再構築し、そして製造者の指 示に従ってBiomedical Technologies Inc.(Stoughton MA)からのラジオイム ノアッセイ・キットを使用してcAMP濃度について直ちにアッセイする。 図3は、CRF1レセプターによりトランスフェクトされ、そしてヒツジCRF(oCRF )、ラット/ヒトCRF(r/h CRF)、ソーバジン又はウロテンジンIにより刺激さ れた細胞内でのcAMPの蓄積を表す。簡単に言えば、この図は、これらの化合物に 対する応答におけるcAMPにおける投与量依存性の増加を示す。これらの化合物の 全てが、類似の効力を示した。図4中、ラットCRF2αレセプターが、細胞内にト ランスフェクトされており、そしてcAMP蓄積が、図3中に示すのと同一の薬物に 対する応答において計測される。図4中に示すように、ソーバジンとウロテンジ ンIは、cAMPの刺激においてoCRF又はr/h CRFのいずれかよりもより有効であ る。一緒にすると、これらの発見は、CRF1とCRF2レセプター間の明らかに区別さ れる薬理学的特性を示す。 図5と図6は、ソーバジン刺激cAMP生産に対する、アゴニストα−ヘリカルoR CF(9−41)(Rivier et al.,Science 224:889-891,1984参照)とd−Phe r/h CRF(12-41)(Rivier et al., J.Med.Chem.36:2851-2859,1993 参 照)の、それぞれ、CRF1とCRF2αトランスフェクト細胞における効果を示す。 以上の結果を以下の表I中に表す。表中、1/2最大アデニレート・シクラー ゼ刺激(EC50)の有効濃度を表す。 実施例5 CRF2α及びβレセプターの組織分布 上記2つのCRF2レセプター形態の解剖学的分布を測定するために、mRNA発現パ ターンを、本質的に以下に記載するように単離RNA(RNase保護アッセイ)並びに ラット脳及び末梢組織からの全組織切片(インサイチュー・ハイブリダイゼーシ ョン)内で分析した。 A.RNase 保護アッセイ ラットCRF2αレセプターに特異的な 258塩基のアンチセンス配列を含む 366塩 基のリボプローブと、CRF2βレセプターmRNAに特異的な 181塩基のアンチセンス 配列を含む 278塩基のリボプローブを、 30分間37℃において10μlの全容量における、40mM Tris-HCl(pH7.5),6mM M gCl,2mMスペルミジン、10mM NaCl,10mM DTT,1U/μlのRNasin(Promega) 、0.5mMの各ATP,CTP,TTP 、及び3μMの32P−UTP(DuPont,800Ci/mmol),0 .1μg/μlの鋳型DNA ,1U/μlのT3 RNAポリメラーゼ中で、T3 RNAポリメ ラーゼにより生成した。ラットβ−アクチンmRNAに特異的な 632塩基のアンチセ ンス配列を含む 712塩基のリボプローブを、T7 RNAポリメラーゼを使用すること を除き、同一条件において生成した。次にこれらのプローブ合成混合物を、37℃ において10分間1U/μlの濃度において DNaseIにより処理し、そして次に5 %変性アクリルアミド・ゲル上で電気泳動にかけた。予想サイズをもつ32P標識 RNA プローブを、RNA 精製キット、RNaid キット(Bio-101,La Jolla,CA)を用 いてそのゲルから回収した。RNA ハイブリダイゼーション、RNase消化及び保護 されたRNAsの分離を、Sambrook et al.,上掲により記載されたように行った。CR F2レセプターmRNAについてのアッセイにおいて、40μgの全RNA を各サンプルに おいて使用した。β−アクチンmRNAについてのアッセイにおいては、1μgの全 RNA を各サンプルのために使用した。 B.インサイチュー(Insitu)ハイブリダイゼーション 雄 Sprague−Dawleyラットを、断頭により殺し、そしてその脳を取り出し、そ して液体イソペンタン中で冷凍した(−42℃)。その後、−20℃に維持されたク リオスタット上で切片化し(15μm)、そしてポリリジン−コート顕微鏡スライ ド上に載せて解凍した。切片を、組織固定前に−80℃において保存した。 切片を−80℃における保存から取り出し、そして室温において4%緩衝液化パ ラホルムアルデヒド中に直接入れた。60分後、スライドを、等張ホスフェート緩 衝液化生理食塩水中で濯ぎ(10分間)、 そして37℃において10分間プロテイナーゼK(100mM Tris/HCl,pH8.0 中1μg /ml)により処理した。その後、切片を、10分間、水(1分間)、 0.1Mトリエ タノールアミン(pH8.0、プラス0.25%無水酢酸)、そして5分間、2×SSC(0.3mM NaCl,0.03mM クエン酸ナトリウムpH7.2)中での連続洗浄を経験させた。次に切 片を等級アルコールを通して脱水させ、そして風乾した。 (上記のような)RNA プローブを、Maxiscript RNA転写キット(Ambion,Aust in,TX)を使用して合成した。後固定した切片を、25μlの全容量において、75 %ホルムアミド、10%硫酸デキストラン、3×SSC 、50mMリン酸ナトリウム・バ ッファー(pH7.4)、IX Denhard's 溶液、0.1mg/ml酵母tRNA及び10mMジチオトレ イトールを含むハイブリダイゼーション・バッファー中で、1.0×106dpm の〔35 S〕UTP−標識リボプローブとハイブリダイズさせた。希釈されたプローブを、 ゴム・セメントを用いてその場にシールされたガラス・カバースリップ上の切片 に適用した。切片を、加湿環境において55℃で一夜ハイブリダイズさせた。 ハイブリダイゼーション後、そのゴム・セメントを除去し、そして切片を5分 間2×SSC中 で洗浄し、そして次に37℃において60分間RNase A(0.5M NaCl を 含む、10mM Tris/HCl,pH8.0中 の200μg/ml)により処理した。次に、切片を 、ハイブリダイゼーション温度において、5分間2×SSC ,5分間1×SSC ,60 分間 0.5×SSC 中で、室温において60分間 0.5×SSC 中で洗浄し、そして次に等 級アルコール中で脱水し、そして風乾した。シグナル検出のために、切片を Kod ak XAR−5 X−線フィルム上に置き、そして室温において7日間露出させた。 C.結果 図7中に示すように、RNase 保護アッセイに基づき、CRF2αとCR F2βレセプターmRNAs は、明らかに区別される組織分布をもつ。特に、CRF2αは 、主に、脳内、特に、視床下部、外側中隔及び嗅球内にあり、一方、CRF2β mRN A は、それに制限されないが、主に、心臓及び骨格筋内にある。これは、CRF1レ セプターの先に開示された分布(Potter et al.,PNAS 91:8777-8781,1994)と 全く反対である。 インサイチュー・ハイブリダイゼーション・アッセイの結果を、図8中に示す 。図8A,B,Cと8A′,B′,C′は、それぞれ、アンチセンスCRF2αとCRF2β プローブによりプローブされたラット脳の冠状切片を示す。外側中隔(A)内に CRF2αの明らかな発現が在り、一方、CRF2βは、脈絡叢(A′)内で発現される 。図8Bと8Cは、それぞれ、室房核と視床下部腹内側核内でのCRF2α発現を示す。 CRF2βは、これらの領域のいずれの内にも検出されない(図8B′と8C′)。CRF2 αは、視索上核内でも検出され(図8B)、一方、CRF2βは、その隣接細動脈内で 発現される(図8B′)。CRF2αは、たとえ低レベルにおいてもCRF2βを発現する (図示せず)脳内の細動脈の多くの上でも発現されることが判明した。心臓内で は、CRF2βは、発現される主要な形態ではなく、そして主に細動脈上にあった。実施例6 CRF1及びCRF2mRNA の解剖学的分布 A.材料及び方法 1.動物:雄Sprague Dawleyラット(200−220 g)を、マッピング試験のた めに使用した。殺す前に、食餌と水を適宜提供して12時間の明/暗サイクルにお いて飼養した。 2.リボプローブ・デザイン:CRF2cRNA リボプローブを、pBluescript SK+ (Stratagene,La Jolla)内にサブ−クローン化されたCRF2レセプターの460bp のcDNA断片から作り、そして XbaIによ り線状化した。CRF1プローブを、pBluescript SK+内の460bp の、CRF1のcDNA断 片から合成し、 XbaIにより線状化した。CRF2とCRF1リボプローブの両方が、そ の第3の推定トランスメンブラン領域までその配列をカバーする、それらのそれ ぞれのレセプターの5′領域に対して向けられた。これらの2つのプローブの間 の凡そのヌクレオチド・ホモロジーは、この領域内で65%である。重要には、予 備実験において、そのCRF2レセプターの3′領域に対して向けられたcRNAプロー ブは、CRF1とCRF2レセプターmRNA'sの両方を標識し、一方、この2つのmRNA種は 、同様のハイブリダイゼーション条件下、5′特異的プローブにより明らかに分 離されることができた。従って、サブタイプ特異的標識付けのために5′プロー ブを使用することが必要であるようである。両プローブについて、特異性を、セ ンス・プローブにより標識付けされた切片及びアンチセンス(cRNA)プローブと のハイブリダイゼーションの前にRNase により前処理された切片内でのシグナル の非存在により確認した。CRF cRNAアンチセンス・プローブを、pGEM3Zベクター (Dr.Robert Thompson,University of Michigan の好意による。)内にサブ− クローン化されたCRF cDNAの770bp 断片から合成した。リボプローブを、1μg 線状プラスミド、5×転写バッファー、125μCi 35S−UTP 又は33P−UTP,15 0μM NTP's,12.5mMジチオトレイトール、20U RNAse阻害剤及び6Uの適当な ポリメラーゼ、から成る標準的な標識付け反応混合物中のT3又はT7転写系のいず れかを使用して製造した。この反応物を、90分間37℃においてインキュベートし 、標識されたプローブを、Sephadex G−50スピン・カラム上で遊離のヌクレオ チドから分離した。 3.インサイチュー・ハイブリダイゼーション組織化学:切除した組織を、− 42℃まで冷却したイソペンタン中で冷凍し、そして次 に、クリオスタット上で切片化する前に−80℃において保存した。次にスライド に載せた組織切片を−80℃において保存した。切片を保存から取り出し、そして 室温において4%緩衝液化パラホルムアルデヒド中に直接入れた。60分後、スラ イドを等張ホスフェート緩衝液化生理食塩水中で濯ぎ(10分間)、そして37℃に おいて10分間プロテイナーゼK(100mM Tris/HCl,pH8.0 中1μg/ml)で処理 した。次に、切片は、10分間、水(1分間)、 0.1Mトリエタノールアミン(pH8 .0、プラス0.25%無水酢酸)、そして5分間、2×SSC(0.3mM NaCl,0.03mM クエ ン酸ナトリウム、pH7.2)中での連続洗浄を経験した。次に切片を等級アルコール を通して脱水し、そして風乾した。固定後切片を、30μlの全容量において、75 %ホルムアミド、10%硫酸デキストラン、3×SSC,50mMリン酸ナトリウム・バ ッファー(pH7.4)、1×Denhard's 溶液、0.1mg/ml酵母tRNA及び10mMジチオトレ イトールを含むハイブリダイゼーション・バッファー中、 1.0×106dpm〔35S〕 UTP−標識リボプローブとハイブリダイズさせた。希釈したプローブを、ガラス ・カバースリップ上の切片に適用し、そして加湿環境内で55℃において一夜ハイ ブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、切片を、5分間2×SSC 中で洗 浄し、そして次に、37℃において60分間 RNase A(0.5M NaClを含む、10mM T ris/HCl,pH8.0中 200μg/ml)により処理した。次に、切片を、70℃において 、5分間2×SSC ,5分間1×SSC ,60分間 0.1×SSC 中で、5分間室温におい て 0.5×SSC 中で洗浄し、そして次に、等級アルコール中で脱水し、そして風乾 した。シグナル検出のために、切片をKodak Bio Max X−線フィルム上に置き、 そして高分解能分析のために必要な時間長露出し、又は写真エマルジョン(Amers ham LM−1)中に浸漬した。オートラジオグラムを、自動画像分析(DAGEカメラ /MacII/IMAGE プログラム) を使用して分析した。簡単に言えば、着目の解剖学的領域を対話形式で選び、そ して少なくとも3つの冠状切片から測定した光学密度計測値の平均であった。背 景シグナルを、標識付けが検出されなかった切片の領域から測定した。浸漬した 切片を、Zeiss Axioscopeを使用して調べた。 B.結果 1.CRF2プローブ選択:図1に示すように、本発明において使用されるCRF2cR NA プローブを、CRF2cDNA の460bp 5′断片から合成した。(CRF1レセプターに 対する高いホモロジーを担持する)レセプターの3′部分を包含するcRNAプロー ブを使用した予備的なインサイチュー・ハイブリダイゼーション試験は、5′− 特異的リボプローブを使用して得られたものと矛盾した解剖学的分布を与えた。 しかしながら、標識付けのパターンは、CRF1とCRF2レセプターmRNA分布の両方と 矛盾しなかった。従って、CRF1とCRF2レポーターの間の高い配列ホモロジーは、 CRF2又はCRF1レセプター・サブタイプmRNAの特異的ハイブリダイゼーションのた めの5′−含有リボプローブの使用を必要とした。 2.解剖学的分布:CRF2とCRF1mRNA の比較解剖学的分布を、隣接冠状脳切片 において測定した。以下の表IIは、これらのデータの判定量的分析を要約する。 水平切片において示されるように(図10)、CRF2レセプターmRNAの分布は、CR F1のものと明らかに相違し、別個の亜皮質(sub-cortical)パターンを示す。CR F1mRNA 発現は、終脳構造のレンジ内で高かったけれども、CRF2レセプター発現 は、外側中隔領域(LS)、分界条の床核(BNST)、扁桃領域及び嗅球を含むより 解剖学的に特異なパターンを示した(図11、表I)。CRF レセプター・サブタイ プの間の発現パターンにおけるコントラストは、その中隔領域内で 特に明確であり:CRF2mRNA 発現は、外側中隔核内でひじょうに高かったが、そ の内側中隔、すなわち、CRF1mRNA 量が最も明確である中隔核、内でひじょうに 低かった(図11B)。しかしながら、そのLS内でのCRF2レセプターmRNAの分布は 、不均一であり;ひじょうに高レベルの発現が、中間及び腹部亜核の両方の内で 明確であり、たまに標識された細胞だけが、背側亜分割内で明確であった(図12 )。LSの中間と腹部領域の両方内では、CRF2レセプター発現のレベルは、明らか な吻−尾勾配を示し、標識された細胞のより小さなパーセンテージが、両領域の 尾側面内で検出された。このレベルにおいて、いくつかの散在したCRF2−発現細 胞が、その対角帯(diagonal band)の垂直及び水平脚の両方の内でも明確であっ た。再び、これらの領域内で見られたCRF1mRNA のより高いレベルを対比する( 図11)。CRF レセプター・サブタイプ発現の示差的パターンは嗅球内でも明確で あった(図11A)。ここで、CRF1レセプター発現は、内部課粒細胞及び僧帽細胞 層内で特に高く、より低いレベルが、外部課粒層及び上衣細胞内で検出されるこ とができた。しかしながら、CRF2レセプターを発現するほとんどの細胞は、上衣 領域及び内部課粒細胞層内の脳室に層化して見られた(図11A)。CRF1とCRF2レ セプターの両方が、副嗅核内にも発現された。 CRF2とCRF1レセプターmRNA発現の両方が、BNST内、特に内側面、及び扁桃領域 内で明確であった。BNST内では、CRF2レセプター発現は、 CRF−発現細胞の最高 量が発見された外側領域内で低いようであった(図13AとB)。CRF1レセプター 発現は、BNSTの内側及び外側分割の両方内で見られた(図13C)。その扁桃内で は、最高レベルのCRF2レセプター発現が、皮質及び内側扁桃核内で明確であり、 そしてより低い発現が基底外側核内で見られた(図11C)。補完的なやり方で、 CRF1レセプター発現は、その基底外側領域内でひじょ うに高かったが、その皮質扁挑内では低かった(図14)。CRF1とCRF2レセプター mRNA発現の両方は、その中心核内では顕著でなかった。海馬形式内では、CRF2レ セプターは、一般に、CA亜野の錐体細胞及び歯状回の課粒細胞内で低〜中レベル に発現された。しかしながら、高レベルのCRF2発現をもつ散在細胞が、腹部歯状 回内の非課粒細胞層内で明確であった(図15)。CRF1レセプター発現は、CA3/4 の錐体細胞層内で最も豊富であり、そしてCA1内で中程度のレベルで明確であっ た。しかしながら、CRF1レセプター発現は、背部歯状回内には明らかに存在しな かった(図15)。興味深いことに、より高いレベルのCRF2発現が、背部側面に比 較して腹部海馬内で明確であった(図11CとD)。CRF1とCRF2の両方を発現する 細胞が、内鼻(entorhinal)皮質の全体にわたり見られた。間脳構造内のCRF2レ セプター転写物の分布は、標識された細胞が、視索前、前頭及び隆起領域内で明 確である視床下部に主に制限されていた。腹内側視床下部核(VMH)内で見られたC RF2mRNA 発現のレベルは、脳内で最も高く検出されたものの中の1であった(図 16)。VMH の背側及び腹側面の両方が、他の脳領域に比較してより高いレベルの CRF2mRNAを示した。但し、CRF2mRNA 発現は、背内側分割内で最も明確であった 。しかしながら、このレベルにおいて、CRF1レセプター発現は、その背内側視床 下部核(DMH)に主に局在化し、そして標識された細胞のほんの限定された数がVMH 内に見られた。前視床下部内では、CRF2mRNA は、視索上核(SO)及び室房核(P NV)の内側領域内の高発現細胞に局在化した(図17、図18)。PVN 内では、CRF2m RNAは、内側小細胞(medial parvocellular cells)内で発現されるようであり 、CRF mRNA発現と部分的に一致する(図10A)。これは、CRF2レセプターがこの 核内の選択的細胞内での自己レセプターとして作用することができる面白い可能 性を提案する。上記SOとPVN の 両方において、CRF1mRNA を発現する細胞の数は、極めて低かった(図17、図18 )。CRF2mRNA を発現する細胞は、前及び外側視床下部領域、上視交叉核の全体 にわたり、そして内側視索前領域(MPA)内でも明確であった。 中脳内では、CRF2発現細胞は、セロトニン含有核として生化学的に特徴付けら れた核の全体にわたり明確であった。強くハイブリダイズする細胞が、背側縫線 核(DR)、尾状線状核、及び中心グレイの外側面内での中心線に沿って局在化し た(図19)。より腹部側には、CRF2レセプター発現は、中間縫線(MR)及び脚間 核(IPN)内でも、特に吻亜核内で検出されることができる(図19)。IPN を除き 、CRF1レセプターmRNAレベルは、一般に、これらの領域の全てにおいて低かった 。このレベルにおいて、CRF2発現細胞は、内部丘の外側及び背側領域内のクラス ター内でも明確であった。しかしながら、CRF1mRNA 発現のより高いレベルがそ の下丘内にも存在した。しかしながら、CRF1mRNA のより高いレベルが、CRF2レ セプター発現がひじょうに低い上丘の視覚知覚野内で見られた。この示差的な発 現パターンは、脳幹の他の知覚リレー(relay)構造においても繰り返された。従 って、CRF1レセプターmRNA量レベルは被蓋核及び感覚三叉領域内でひじょうに高 かったけれども、CRF2レセプター発現は、これらの構造内のいくつかの散在細胞 に限定された(表II)。同様に、小脳内では、CRF1レセプターmRNAレベルは、プ ルキーニュ(Purkinje)及び課粒細胞層内でひじょうに高かった。一方、CRF2レ セプターmRNAは、課粒細胞内でひじょうに限定されたレベルで存在した(図11E )。 非ニューロン構造においては、ひじょうに高レベルのCRF2レセプター発現が、 第3、第4及び外側脳室の脈絡叢内で明確であった(図20)。さらに、脳細動脈 は、調べられた全ての脳レベルにおいて 一貫してCRF2mRNA を示した(図21)。CRF1mRNA は、これらの構造内でほぼ背景 レベルにおいて検出されることができた。下垂体腺内では、CRF1発現は、前葉内 のクラスター内で特に高い発現を伴って前葉と中間葉の両方において検出される ことができた(図22)。前葉内では、CRF2レセプター発現は、散在した細胞内で のみ検出されることができた(図22)。 C.討議 本インサイチュー・ハイブリダイゼーション試験は、少なくとも2つのCRF レ セプター・サブタイプ、CRF1とCRF2が、哺乳類ラット脳内で発現されることを示 す。CRF1とCRF2mRNA 発現の不均一な解剖学的分布パターンは、CRF 関連CNS 回 路における各レセプターについての別個の機能的役割を示唆する。CRF1レセプタ ー発現は、新皮質、脳と感覚リレー構造内に最も豊富にあったけれども、CRF2レ セプター発現は、一般に、外側中隔とさまざまな視床下部核を含む特定の皮質下 構造に局在化した。 前脳内では、最高レベルのCRF2レセプター発現が外側中隔核内に見られた。脳 全体にわたって広がった反復性連結のために、外側中隔は、より高度の認識力機 能、例えば、学習及び記憶から食品及び水の摂取を含む自律調節までにわたる、 さまざまな生理学的過程に係わっている。さらに、この中隔は、古典的な辺緑系 の回路構成において中心的な役割を演じ、そしてそれ故、不安及び攻撃性を含む さまざまな感情的症状において重要である。外側中隔核は、吻視床下部領域、特 に前視床下部領域からCRF 含有求心性神経を受容する(Sakanaka et al.,J.Comp .Neurol.270:404-415,1988)。面白いことに、CRF 様免疫反応性繊維のほと んどが、LSV の最外側面内及びLSI 内に見られ(Sakanaka et al.,J.Comp.Neu rol.270:404-415,1988)、中隔亜核は、最高レベルのCRF2レセプターmRNA を示す(図12)。これらの核内におけるCRF1レセプター発現の欠如は、CRF2レセ プターのほとんどが、この領域へのCRF 入力のシナプス後作用を仲介することが できることを示唆する。外側中隔の主なGABA作用性(GABAergic)ニューロンは、 視床下部領域、並びに扁桃核への抑制性入力(Jakab et al.,1991,Calbindin-c ontaining samatospiny neurons of the rat loteral septol area project to the medial amygdala and the auterior hypothalamus,Third IBRO World Cong ress Neuroscience Abstracts,324)を提供し、そして海馬形式からの興奮性グ ルタメート作用性入力を受容する(Joels and Urban,Experimental Brain Resea rch 54:455-462,1984)。従って、外側中隔は、辺緑系回路構成のインテグレー ター及び終脳と間脳の間のインターフェースの両方として作用する。この領域内 での高レベルのCRF2レセプター発現は、CRF2レセプターが、中隔活動のレベルに おいて辺緑系回路構成を調節することができることを示唆する。 光のインサイチュー・ハイブリダイゼーション試験(Potter et al.,Proceedi ngs of the National Academy of Sciences 91:8777-8781,1994)に一致して、 視床下部核内でのCRF1レセプター発現の一般的欠如が認められた。本試験から、 CRF2レセプターmRNAが視床下部の吻−尾範囲の全体にわたり明確であり、一方、 CRF1レセプター発現が限定されていたことが明らかである。CRF レセプター・サ ブタイプ発現レベルにおける差異は、CRF2レセプター発現が容易に検出されるこ とができた室房核内で特に明確であり、一方、CRF1レセプターmRNAは、散在細胞 内にだけ存在した。PVN 内でCRF2レセプターmRNAを発現する細胞の分布は、CRF mRNAの細胞内分布と一致し(図18)、この核内でのCRF2レセプターについての自 己レセプター(autoreceptor)の役割を示す。PVN のCRF ニューロンは、脳下 垂体からのACTH放出の制御において古典的な下垂体刺激性の役割を演じ(Wiegan d and Price,J.Comp.Neurol.192:1-19,1980)そして、それ自体、哺乳類 の視床下部−脳下垂体−腺系の制御に対する中心である。このストレス軸関連の 役割に加えて、特に、背側小細胞性領域及び内側小細胞領域(mpv)の腹側面内のP VN CRF ニューロンの亜集団は、その脳幹及び脊髄内の自律細胞群に投射する(S amcheuko,Brain,Res.437,1987)。従って、mpv 内の高レベルのCRF2レセプ ター発現は、自律関連CRF 投射ニューロンの調節におけるCRF2レセプターのため のシナプス前の役割を示唆する。 CRF2レセプターmRNAの選択的発現は、視索上核の大型細胞の神経分泌性ニュー ロン内でも明確であった。PVN 内でのCRF ニューロンとCRF2レセプター発現の仮 定的関連の視点から、SOニューロンのサブセットがCRF をも合成することが適切 である(Kawata et al.,Cell Tissue Research 230:239-246,1983)。SOとPVN ニューロンの両方におけるCRF2レセプターの存在は、これらの部位が、脳下垂体 前葉と後葉の両方への視床下部入力に影響を及ぼすように作用することができる 。しかしながら、脳下垂体内では、CRF1レセプター発現は、中間と前葉の両方内 でのCRF2発現を超えるものである。従って、HPA 軸活性に関して、CRF2レセプタ ーは、視床下部のレベルにおけるCRF 効果を仲介することができ、一方、CRF1レ セプターは、脳下垂体コルチコトロフ内でのACTH放出におけるCRF 誘導変化の原 因である。 尾視床下部内では、CRF1及びCRF2レセプターは、mRNA分布の相互に排除的なパ ターンを示す:CRF1レセプターmRNAは、背内側核内で豊富であるがVMH 内で低く 、一方、CRF2レセプターmRNA発現は、VMH 内でひじょうに高いが、DMH 内で検出 されることができない。皮質内側扁頭及び鉤状回内で開始するCRF 含有繊維は、 VMH 内で終了 する(Sakanaka et al.,Brain Res.382:213-238,1986)。VMHからの求心性神経 は、次に、中隔、BNST及び扁桃、並びに脳幹領域に神経分布(innervate)する(S imerly,R.B.,Anatomical substrates of hypothalamic integration.In:Th e Rat Nervous System(Paxinos,G.,eds.)pp.353-376,Academic Press,19 95)。VMH 内へのCRF のマイクロインジェクションは、自律流出及び胃腸機能の 両方における変化に関連する(Brown and Fisher、副腎皮質刺激ホルモン放出因 子による自律神経系の調節。In副腎皮質刺激ホルモン放出因子:神経ペプチドの 基礎的及び臨床的研究(De Souza,E.B.,Nemeroff,C.B.,eds.)pp.291-29 8,Boca Raton,FL, CRC Press,Inc.,1990;Tache et al.,CRF;胃腸機能に 影響を及ぼす中枢神経系作用及びストレスに対する胃腸応答における役割。In: 副腎皮質刺激ホルモン放出因子:神経ペプチドの基礎的及び臨床的研究(De Souz a,E.B.,Nemeroff,C.B.,eds),pp.299-308,Boca Raton,FL,CRC Press ,Inc.,1990)。VMH 内での高レベルのCRF2レセプター発現は、これらのCRF 関 連生理学的機能の終末又は体樹状突起レギュレーターとしての、このCRF レセプ ターのサブタイプを含意する。その上、この座、又はPVN 内でのCRF2レセプター の調節不全は、肥満/無食欲症候群の顕出における中枢CRF系の提案された役割 に参加することができるCkrahn and Gosnell,Psychiatric Medicine 7:235-2 45,1989)。 摂食障害の顕出におけるCRF 関連に加えて、大きな証拠が、情動性疾患、例え ば、不安及び抑うつ性の異常生理学におけるこの神経ペプチドに関連して、存在 する。例えば、げっ歯類の座coeruleus 内に注射されたCRF は、不安性応答を作 り出し、一方、ビンゾジアゼピン不安解消薬は、同一核内でCRF 濃度を減少させ ることが示された(Owens et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.258:349-356, 1991)。主な抑うつ性の臨床的研究においては、患者は、CSF 内での増加したCR F 濃度、増加したHPA 活性、CRF に対する鈍いACTH応答、並びに脳下垂体及び腺 過栄養を含む、CRF 過剰分泌の徴候を示すことが発見されている(Owens and Ne meroff、情動性及び不安性障害の異常生理学における副腎皮質刺激ホルモン放出 因子の役割。In:Corticotropin Releasing Factor(Chadwick,D.J.,Marsh,J .,Ackrill,K.,eds.),pp.296-316,John Wiley and Sons,1993)。HAP 活 性におけるCRF の刺激性の役割の観点から、抑うつ症において観察された高コル チコイド血症(hypercortisolemia)が増加した中枢CRF ドライブ(drive)から生じ ることが、可能性として残る。脳CRF 回路の過活性が抑うつ性疾患の症候学に帰 されることができるという可能性は、げっ歯類及び非ヒト霊長類の両方における 臨床前試験により支持されている。両種において、CRF の中枢投与は、ヒト抑う つ性疾患を暗示する行動性応答のスペクトルを作り出す(Koob and Britton,Beh avioral effects of corticotropin-releasing factor。In:Corticotropin-rel easing factor:Basic and clinical studies neuropeptide(De Souza,B.,Nem eroff,C.B.,eds.),Boca Raton,FL,CRC Press,Inc.,1990;Kalin,Behav iral and endocrine studies of corticotropin-releasing hormone in primate s,In:Corticotropin-releasing factor:Basic and clinical studies of a n europeptide(De Souza,E.B.,Nemeroff,C.B.,eds.),pp.275-290,Boca R ator,FL,CRC Press,Inc.,1990)。CRF がこのような行動性応答を喚起すると この、特定の重要なメカニズムは、広く未規定のまま残るけれども、脳辺緑系回 路構成の調節及びCRF ニューロンの特定集団の参加が、関係するようである(Ra innie et al.,J.Pharm.Exp.Therap.263:846-858,1992)。これに関して 、本研究は、辺緑系CRF 効果 におけるCRF1とCRF2レセプターの両方の関連についての解剖学的基礎を提供する 。CRF2レセプターは、優性な視床下部CRF レセプターとして認められることがで きるけれども、CRF1とCRF2レセプターの両方が、古典的辺緑系構造、例えば、扁 桃複合体、海馬及び中隔核に局在化した。 神経内分泌異常に加えて、確信できるデータが、抑うつ性疾患における中枢セ ロトニン作用性活動における機能不全を示す。死後研究から、セロトニン代謝及 び特定のレセプター・サブタイプが抑うつ患者におけるいくつかの脳領域内で、 変更される(Meltzer,Br. J.Psychiat.155:25-31,1989;Yates et al.,Psy chiatry 27:489-496,1990)。セロトニン代謝を抑制し、シナプスからのセロト ニンの取り込みを抑制し、又はセロトニン・レセプターを直接的に刺激するよう に作用する薬物は、全て、有効な抗抑うつ薬である(Peroutka and snyder,Scie nce 210:88-90,1980;Traber and Glaser,Trends Pharmacol.Sci 8:432-43 7,1987)。従って、HPA 軸とセロトニン作用系の両方が情動性疾患に関係するの で、これらの2つの系は、抑うつ症の異常生理学及び薬理療法にとって適切であ ることができるであろう(Chalmers et al.,Clin.Neurosci.1:122-128,19 93)。この文脈中、本データは、中脳セロトニン作用性細胞体核内でのCRF2レセ プターmRNAの選択的発現を示す。背側及び中間縫線核の両方、並びに脚間核及び 中心グレイ(central grey)のセロトニン−会合領域内での細胞が、CRF2mRNA を示す(図19)。縫線核は、前脳領域からCRF 作用性入力を受容するので(Saw c hencko and Swanson,Organization of CRF immunoreactive cells and fibers in the rat brain:immunohistochemical studies.In:Corticotropin-releasi ng factor:Basic and clinical studies of a neuropeptide(De Souza,E.B. ,Nemeroff, C.B.,eds.),pp.29-52,Boca Raton,FL,CRC Press,Inc.,1990)、セロト ニン作用性活動のいずれのCRF 誘導調節も、CRF2レセプター仲介されるようであ る。このような相互作用は、セロトニン作用性機能の中枢“ストレス”関連調節 の解剖学的及び生化学的基礎並びにストレス誘導情動性障害の理論のための基礎 を提供する。 ニューロンの局在化に加えて、本研究は、脈絡叢及び脳細動脈の両方の内での 高レベルのCRF2レセプター発現をも示す。両構造内でのシグナルの存在は内皮細 胞局在化の指標であることができる。本研究において使用されるCRF2cRNAプロー ブは、CRF2レセプターの2つの明らかなスプライス形態、CRF2αとCRF2βの間を 区別しなかった(Lovenberg et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:836-840 ,1995)。しかしながら、予備的データは、そのレセプターのCRF2β形態が血管 内で優勢であることができることを示す。面白いことに、CRF2βレセプターは、 末梢組織、例えば、心臓、肺及び骨格筋であって、それがCRF の血管効果を仲介 するように作用することができるところの内でも発現される。 要約すると、CRF2とCRF1レセプターmRNAの示差的細胞分布は、ラット脳及び脳 下垂体腺内で同定されている。この分泌は、CRF1レセプターが、主な神経内分泌 脳下垂体CRF レセプターであり、脳内でのCRF の皮質、小脳及び感覚の役割にお いて主要な役割を演じているということを示唆する。CRF2レセプターmRNAの局所 的解剖学的分布は、視床下部神経内分泌、脳CRF の自律的及び行動的作用に関す るこのレセプターについての役割を示す。視床下部PVN 並びに内側及び皮質扁桃 領域内でのCRF2レセプターmRNAの存在は、選択的回路におけるこの部位について の自己レセプターの役割について示すことができる。 各解剖学的領域についてのCRF1とCRF2mRNA量を光学密度計測から測定した。各 パラメーターについての吸光度の値を、それらの対応の面分位数の分布に従って 表す:++++(>75%)、かなり高い;+++(<75%,>50%)、高い;++(<50 %,>25%)、中;+(<25%,>10%)、低;-/+(<10%)、散在細胞。 以上から、本発明の特定の態様を説明の目的をもって本明細書中に説明してき たけれども、さまざまな修正が本発明の本質と範囲から逸脱せずに行われること ができることは明らかであろう。従って、本発明は、添付クレームによる場合を 除き限定されない。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年5月22日 【補正内容】 請求の範囲 1.CRF2レセプター又はその変異体をコーディングする単離核酸分子であって 、そのCRF2レセプターが、 (a)配列番号:1,3、又は7のいずれか1のコーディング領域から得られ た核酸配列、 (b)高ストリンジェンシーの条件下、(a)の配列、又はそれらの相補鎖に ハイブリダイズすることができる核酸配列、又は (c)(a)又は(b)に規定する核酸配列に、その遺伝子コードの結果とし て縮重している核酸配列、 によりコードされる単離核酸分子。 2.請求項1に記載の単離核酸分子であって、ヌクレオチド番号216 からヌク レオチド番号1449までの、配列番号:3中のヌクレオチドの配列を含んで成る分 子。 3.請求項1に記載の単離核酸分子であって、その分子が、アミノ酸番号1か らアミノ酸番号411 までの、配列番号:4のアミノ酸配列をもつタンパク質をコ ードする分子。 4.請求項1に記載の単離核酸分子であって、その分子が、ラットCRF2レセプ ターをコードする分子。 5.請求項1に記載の単離核酸分子であって、その分子が、ヒトCRF2レセプタ ーをコードする分子。 6.CRF2N−末端細胞外ドメインをコーディングする単離核酸分子であって、 そのCRF2レセプターが、 (a)配列番号:1,3、又は7のいずれか1のコーディング領域から得られ た核酸配列、 (b)高ストリンジェンシーの条件下、(a)の配列、又はそれらの相補鎖に ハイブリダイズすることができる核酸配列、又は (c)(a)又は(b)に規定する核酸配列に、その遺伝子コードの結果とし て縮重している核酸配列、 によりコードされる単離核酸分子。 7.請求項6に記載の単離核酸分子であって、ヌクレオチド番号216 からヌク レオチド番号570 までの、配列番号:3中のヌクレオチドの配列を含んで成る分 子。 8.請求項6に記載の単離核酸分子であって、その分子が、アミノ酸番号1か らアミノ酸番号118 までの、配列番号:4のアミノ酸配列をもつタンパク質をコ ードする分子。 9.請求項1〜9のいずれか1項に記載の核酸分子に作用可能な状態で連結さ れたプロモーターを含んで成る、組換え発現ベクター。 10.請求項1〜9のいずれか1項に記載の核酸分子の発現を指令することがで きる組換えウイルス・ベクターであって、そのウイルス・ベクターが、レトロウ イルス・ベクター、アデノウイルス・ベクター及び単純ヘルペス・ウイルス・ベ クターから成る群から選ばれる組換えウイルス・ベクター。 11.請求項9又は10に記載の組換え発現ベクターを含む宿主細胞。 12.請求項1に記載の核酸配列によりコードされた単離されたCRF2レセプター 又はその変異体。 13.アミノ酸番号1からアミノ酸番号411 までの、配列番号:4のアミノ酸配 列をもつ、請求項12に記載の単離されたCRF2レセプター。 14.請求項6に記載の核酸配列によりコードされた単離されたCRF2レセプター N−末端細胞外ドメイン又はその変異体。 15.アミノ酸番号1からアミノ酸番号118 までの、配列番号:4 のアミノ酸をもつ、請求項14に記載の単離されたCRF2レセプター。 16.請求項1に記載の核酸配列によりコードされたCRF2レセプター又はその変 異体に特異的に結合することができる単離された抗体。 17.請求項6に記載の核酸配列によりコードされたCRF2レセプターN−末端細 胞外ドメインに特異的に結合することができる単離された抗体。 18.請求項16又は17に記載の抗体であって、その抗体が、モノクローナル抗体 及び抗体断片から成る群から選ばれる抗体。 19.請求項16又は17に記載の抗体であって、その抗体が、ポリクローナル抗体 であるもの。 20.請求項16又は17に記載の抗体であって、その抗体が、CRF2レセプターへの CRF の結合を遮断することができるもの。 21.請求項16又は17に記載の抗体であって、その抗体が、ネズミ抗体であるも の。 22.請求項16又は17に記載の抗体であって、その抗体が、ヒト抗体であるもの 。 23.請求項16〜18及び20〜22の中のいずれか1項に記載の抗体を産生するハイ ブリドーマ。 24.請求項1に記載の核酸配列によりコードされたCRF2レセプターをコーディ ングする核酸配列に特異的にハイブリダイズすることができる、長さ少なくとも 18ヌクレオチドの核酸プローブ。 25.CRF2レセプターに結合する化合物の存在の検出方法であって、 (a)その化合物がそのレセプターに結合することを許容するために十分な条 件下及び時間にわたり請求項1に記載の核酸配列によりコードされたCRF2レセプ ターを発現する細胞に1以上の化合物を 晒し;そして (b)CRF2レセプターに結合する化合物の存在を検出することができるように 、そのレセプターに結合する化合物を単離する、 を特徴とする方法。 26.CRF2レセプターに結合する化合物の存在の検出方法であって: (a)上記化合物が上記N−末端細胞外ドメインに結合することを許容するた めに十分な条件及び時間にわたり請求項6に記載の核酸配列によりコードされた CRF2レセプターN−末端細胞外ドメインに1以上の化合物を晒し;そして (b)CRF2レセプターに結合する化合物の存在を検出することができるように 、そのCRF2レセプターN−末端細胞外ドメインに結合する化合物を単離する、 を特徴とする方法。 27.請求項26に記載の方法であって、その化合物が、蛍光分子、酵素、及び放 射性核種から成る群から選ばれる剤により標識される方法。 28.選ばれた化合物がCRF2レセプター・アゴニスト又はアンタゴニストである かどうかの決定方法であって: (a)その化合物の結合及び応答経路を通じての関連応答を許容するために十 分な条件及び時間にわたり請求項1に記載の核酸配列によりコードされたCRF2レ セプターを発現する細胞に、その選ばれた化合物を晒し;そして (b)その応答経路の活動における増加又は減少のいずれかを検出し、そして それにより、その選ばれた化合物がCRF2レセプター・アゴニスト又はアンタゴニ ストであるかどうかについて決定する、 を特徴とする方法。 29.請求項28に記載の方法であって、CRF2レセプター・アゴニスト又はアンタ ゴニストの存在を検出することができるように、その応答経路の活動を増加され るか又は減少させるかのいずれかである化合物を単離する段階をさらに含む方法 。 30.請求項28に記載の方法であって、その検出段階が、CRF2レセプター・アゴ ニスト単独によるその応答経路の刺激に対して、そのCRF2レセプターへのその化 合物の結合から生じる応答経路の活動における減少を検出し、そしてそれから、 CRF2アンタゴニストの存在を決定することを含む方法。 31.請求項28に記載の方法であって、その検出段階が、CRF2レセプターへのそ の化合物の結合から生じるその応答経路の活動における増加を検出し、そしてそ れから、CRF2レセプター・アゴニストの存在を決定することを含む方法。 32.請求項28〜31のいずれか1項に記載の方法であって、その応答経路が、ア デニレート・シクラーゼ応答経路である方法。 33.患者に治療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニストを投与することを 特徴とする、脳血管障害の治療方法であって、そのCRF2レセプターが請求項1に 記載の核酸配列によりコードされる方法。 34.請求項33に記載の方法であって、その脳血管障害が、脳出血、再灌流損傷 及び扁頭痛から成る群から選ばれる方法。 35.請求項33に記載の方法であって、そのアンタゴニストが、α−ヘリカルoC RF(9−41)、又はd−Phe r/h CRF(12−41)である方法。 36.患者に治療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニストを投与することを 特徴とする、学習又は記憶障害の治療方法であって、そのCRF2レセプターが請求 項1に記載の核酸配列によりコードされ る方法。 37.請求項36に記載の方法であって、そのアンタゴニストが、α−ヘリカルoC RF(9−41)、又はd−Phe r/h CRF(12−41)である方法。 38.患者に治療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニストを投与することを 特徴とする、アルツハイマー病の治療方法であって、そのCRF2レセプターが請求 項1に記載の核酸配列によりコードされる方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/02 0276−2J G01N 33/53 D 21/08 9735−4B C12N 5/00 C C12Q 1/08 9051−4C A61K 37/02 AAM G01N 33/53 ABN //(C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91) (31)優先権主張番号 08/485,984 (32)優先日 1995年6月7日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD, MG,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TT,UA ,UG,UZ,VN (72)発明者 リアウ,チェン ワン アメリカ合衆国,カリフォルニア 92129, サン ディエゴ,サルクス プレイス 7668 (72)発明者 グリゴリアディス,ディミトリ イー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 92009, カールズバッド,ビスタ マリアナ 2831 (72)発明者 デ サウザ,エロール ビー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 92014, デル マー,サウス レーン 4507 (72)発明者 カルマーズ,デレク アメリカ合衆国,カリフォルニア 92075, ソレナ ビーチ,ロングドン レーン 347

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.CRF2レセプターをコーディングする単離核酸分子。 2.請求項1に記載の単離核酸分子であって、ヌクレオチド番号216 からヌク レオチド番号1449までの、配列番号:3中のヌクレオチドの配列を含んで成る核 酸分子。 3.請求項1に記載の単離核酸分子であって、その分子が、アミノ酸番号1か らアミノ酸番号411 までの、配列番号:4のアミノ酸配列をもつタンパク質をコ ードする分子。 4.請求項1に記載の単離核酸分子であって、その分子が、ラットCRF2レセプ ターをコードする分子。 5.請求項1に記載の単離核酸分子であって、その分子が、ヒトCRF2レセプタ ーをコードする分子。 6.CRF2N−末端細胞外ドメインをコーディングする単離核酸分子。 7.請求項6に記載の単離核酸分子であって、ヌクレオチド番号216 からヌク レオチド番号570 までの、配列番号:3中のヌクレオチドの配列を含んで成る核 酸分子。 8.請求項6に記載の単離核酸分子であって、その分子が、アミノ酸番号1か らアミノ酸番号118 までの、配列番号:4のアミノ酸配列をもつタンパク質をコ ードする核酸分子。 9.請求項1〜9のいずれか1項に記載の核酸分子に作用可能な状態で連結さ れたプロモーターを含んで成る、組換え発現ベクター。 10.請求項1〜9のいずれか1項に記載の核酸分子の発現を指令することがで きる組換えウイルス・ベクターであって、そのウイルス・ベクターが、レトロウ イルス・ベクター、アデノウイルス・ベ クター及び単純ヘルペス・ウイルス・ベクターから成る群から選ばれる組換えウ イルス・ベクター。 11.請求項9又は10に記載の組換え発現ベクターを含む宿主細胞。 12.単離されたCRF2レセプター。 13.アミノ酸番号1からアミノ酸番号411 までの、配列番号:4のアミノ酸配 列をもつ、請求項12に記載の単離されたCRF2レセプター。 14.単離されたCRF2レセプターN−末端細胞外ドメイン。 15.アミノ酸番号1からアミノ酸番号118 までの、配列番号:4のアミノ酸を もつ、請求項14に記載の単離されたCRF2レセプター。 16.CRF2レセプターに特異的に結合することができる単離された抗体。 17.CRF2レセプターN−末端細胞外ドメインに特異的に結合することができる 単離された抗体。 18.請求項16又は17に記載の抗体であって、その抗体が、モノクローナル抗体 及び抗体断片から成る群から選ばれる抗体。 19.請求項16又は17に記載の抗体であって、その抗体が、ポリクローナル抗体 であるもの。 20.請求項16又は17に記載の抗体であって、その抗体が、CRF2レセプターへの CRF の結合を遮断することができるもの。 21.請求項16又は17に記載の抗体であって、その抗体が、ネズミ抗体であるも の。 22.請求項16又は17に記載の抗体であって、その抗体が、ヒト抗体であるもの 。 23.請求項16〜18及び20〜22の中のいずれか1項に記載の抗体を産生するハイ ブリドーマ。 24.CRF2レセプターをコーディングする核酸配列に特異的にハイブリダイズす ることができる長さ少なくとも18ヌクレオチドの核酸プローブ。 25.CRF2レセプターに結合する化合物の存在の検出方法であって、 (a)その化合物がそのレセプターに結合することを許容するために十分な条 件下及び時間にわたりCRF2レセプターを発現する細胞に1以上の化合物を晒し; そして (b)CRF2レセプターに結合する化合物の存在を検出することができるように 、そのレセプターに結合する化合物を単離する、 を特徴とする方法。 26.CRF2レセプターに結合する化合物の存在の検出方法であって: (a)上記化合物が上記N−末端細胞外ドメインに結合することを許容するた めに十分な条件及び時間にわたりCRF2レセプターN−末端細胞外ドメインに1以 上の化合物を晒し;そして (b)CRF2レセプターに結合する化合物の存在を検出することができるように 、そのCRF2レセプターN−末端細胞外ドメインに結合する化合物を単離する、 を特徴とする方法。 27.請求項26に記載の方法であって、その化合物が、蛍光分子、酵素、及び放 射性核種から成る群から選ばれる剤により標識される方法。 28.選ばれた化合物がCRF2レセプター・アゴニスト又はアンタゴニストである かどうかの決定方法であって: (a)その化合物の結合及びcAMPの細胞内レベルにおける関連応答を許容する ために十分な条件及び時間にわたりCRF2レセプターを 発現する細胞に、その選ばれた化合物を晒し;そして (b)細胞内cAMPのレベルにおける増加又は減少のいずれかを検出し、そして それにより、その選ばれた化合物がCRF2レセプター・アゴニスト又はアンタゴニ ストであるかどうかについて決定する、 を特徴とする方法。 29.化合物のプール中のCRF2レセプター・アゴニスト又はアンタゴニストの存 在の検出方法であって: (a)その化合物の結合及びcAMPの細胞内レベルにおける関連応答を許容する ために十分な条件及び時間にわたりCRF2レセプターを発現する細胞に、その化合 物のプールを晒し;そして (b)CRF2レセプター・アゴニスト又はアンタゴニストの存在が検出されるこ とができるように、cAMPの細胞内レベルを増加又は減少させる化合物を単離する 、 を特徴とする方法。 30.選ばれた化合物がCRF2レセプター・アンタゴニストであるかどうかの決定 方法であって: (a)その化合物のそのレセプターへの結合及びその経路を通じての関連応答 を許容するために十分な条件及び時間にわたりその応答経路に結合した組換えCR F2レセプターに、CRF2レセプター・アゴニストの存在中、その選ばれた化合物を 晒し;そして (b)そのCRF2レセプター・アゴニスト単独によるその反応経路の刺激に対し て、そのCRF2レセプターへのその化合物の結合から生じる応答経路の刺激におけ る減少を検出し、そしてそれから、CRF2アンタゴニストの存在を決定する、 を特徴とする方法。 31.選ばれた化合物がCRF2レセプター・アゴニストであるかどうかの決定方法 であって: (a)そのレセプターへのその化合物の結合及びその経路を通じての関連応答 を許容するために十分な条件及び時間にわたり、その応答経路に結合する組換え CRF2レセプターにその選ばれた化合物を晒し;そして (b)そのCRF2レセプターへのその化合物の結合から生じる応答経路の刺激に おける増加を検出し、そしてそれからCRF2レセプター・アゴニストの存在を決定 する、 ことを特徴とする方法。 32.患者に治療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニストを投与することを 特徴とする、脳血管障害の治療方法。 33.請求項32に記載の方法であって、その脳血管障害が、脳出血、再灌流損傷 及び扁頭痛から成る群から選ばれる方法。 34.請求項32に記載の方法であって、そのアンタゴニストが、α−ヘリカルoC RF(9−41)、又はd−Phe r/h CRF(12−41)である方法。 35.患者に治療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニストを投与することを 特徴とする、学習又は記憶障害の治療方法。 36.請求項35に記載の方法であって、そのアンタゴニストが、α−ヘリカルoC RF(9−41)、又はd−Phe r/h CRF(12−41)である方法。 37.患者に治療的有効量のCRF2レセプター・アンタゴニストを投与することを 特徴とする、アルツハイマー病の治療方法。 38.請求項37に記載の方法であって、そのアンタゴニストが、α−ヘリカルoC RF(9−41)、又はd−Phe r/h CRF(12−41)である方法。 39.脳血管障害の治療のための医薬の製造における使用のためのCRF2レセプタ ー・アンタゴニスト。 40.学習又は記憶障害の治療のための医薬の製造における使用のためのCRF2レ セプター・アンタゴニスト。 41.アルツハイマー病の治療のための医薬の製造における使用のためのCRF2レ セプター・アンタゴニスト。 42.請求項39〜41のいずれか1項に記載のCRF2レセプター・アンタゴニストで あって、そのアンタゴニストが、α−ヘリカルoCRF(9−41)又はd−Phe r/ h CRF(12−41)であるもの。
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