JPH08511432A - Crf(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)レセプターのクローニングおよび組換体の産生 - Google Patents

Crf(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)レセプターのクローニングおよび組換体の産生

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JPH08511432A
JPH08511432A JP7502821A JP50282195A JPH08511432A JP H08511432 A JPH08511432 A JP H08511432A JP 7502821 A JP7502821 A JP 7502821A JP 50282195 A JP50282195 A JP 50282195A JP H08511432 A JPH08511432 A JP H08511432A
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エィチ. ペーリン,マリリン
チェン,ルオピング
エイ. ルイス,カシー
ダブリュ.,ジュニア ベイル,ウィリー
ジェイ. ドナルドソン,シンシア
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ザ ソールク インスチチュート フォア バイオロジカル スタディズ
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Abstract

(57)【要約】 本発明によれば、新規なG−タンパク質によってカップリングされたレセプタータンパク質(CRF−R)であって、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)に対して十分な結合親和性を有し、CRFの≦10nMの濃度が前記レセプタータンパク質の結合部位の≧50%を占めることを特徴とするタンパク質が提供される。このようなレセプターをコードする核酸配列、これを用いるアッセイ、並びにこれから誘導される抗体も開示される。本発明のCRF−Rは、例えばバイオアッセイ、このための抗体の生成、このようなタンパク質および/または抗体を含む治療組成物などの各種の方法で用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 CRF(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)レセプターのクローニングおよび組換 体の産生 謝辞 本発明は、国立衛生研究所によって供与された助成金番号DK26745で米 国政府によってなされたものである。米国政府は、本発明に一定の権利を有する ものである。 発明の分野 本発明はレセプタータンパク質、レセプタータンパク質をコードするDNA配 列、およびそれらの様々な使用に関する。 発明の背景 副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)は、下垂体の副腎皮質刺激ホルモン (ACTH)の分泌および生合成を刺激して、副腎の糖質コルチコイドの産生を 増加する41残基の視床下部ペプチドである。CRFは、この視床下部−下垂体 −副腎軸(HPA)におけるその役割に基づいて最初に単離され、特性決定され た[Valeら、Science,213:1394-1397(1981)]。しかしながら、更に近年、 CRFは中枢神経系内並びに神経外組織、例えば副腎および睾丸[Swansonら、N euroendocrinology,36:165-186(1983);Sudaら、J.Clin.Endocrinol.Met ab.,58:919-924(1984);FabbiおよびDufau,Endocrinology,127:1541-154 3(1990)]、および炎症部位に広く分布し、パラクリン制御因子または神経伝 達物質として作用することもあることが見いだされている。 HPA軸活性化の仲介におけるCRFの重要な役割に加えて、ストレス応答の 際に起こる自律神経性および行動の変化を調節することが示されている。これら の行動変化の多くは、これらがデキサメタゾン治療および下垂体切除に対して反 応しないという点において、HPA活性化とは独立に起こることが示されている [Brittonら、Life Sci.,38:211-126(1986);Brittonら、Life Sci.,39:1 281-1286(1986);BerridgeおよびDunn,Pharm.Bioch.Behav.,34:517-519 (1989)]。また、CRFのCNSへの直接輸液は、各種のストレス因子に対す る自律神経系および行動応答を模している[Suttonら、Nature,297:331-333( 1982);BrownおよびFisher,Brain Res.,280:75-79(1983);Stephensら、P eptides,9:1067-1070(1988);Butlerら、J.Neurosci.,10:176-183(1990 )]。更に、CRFまたはCRF拮抗薬であるα−ヘリックスCRF 9−41 を末梢投与したところ、これらの変化に影響しなかったので、これらの機能にお いてはCRFは直接的脳作用を有することを支持している。CRF拮抗薬を末梢 投与すると、ストレスによって介在されるACTH分泌の増加が減衰し、脳室中 に到達すると、自律神経作用および行動におけるストレスによって誘導される変 化を軽減することができる。 CRFの広汎な解剖学的分布および複合生物学的作用の結果として、この制御 ペプチドは多数の生物学的過程の制御に関与しているものと思われる。このペプ チドは、炎症反応の制御に関係していた。一方、CRFはある主の動物モデルで は前炎症作用(pro-inflammatory role)を演じ、他の動物モデルではCRFは 外傷によって誘導される脈管の透過性の増加を減少させることによって炎症を抑 制することができることが観察されていた。内分泌、中枢神経および免疫系内で のCRFの役割およびCRFとその同種のレセプターとの可能な相互作用を更に 詳細に検討するには、CRFレセプターの手近な入手源を利用し得るようにする ことが望ましいであろう。更に、組換えレセプターを利用できるならば、CRF およびCRF様化合物を分析し且つCRFを基剤とする治療薬を開発するための 費用のかからない、更に感度の高い且つ自動化された手段を開発することができ るであろう。 標的組織におけるCRFレセプターの量は、アルツハイマー病、鬱病、神経性 食欲不振、クッシング病、アルコール中毒などの様々な状況に応じて変化するこ とが(CRFに対する変化した感受性から)示されまたは予測されている。した がって、特定の抗−CRF−R抗体およびCRFレセプターに対する分子プロー ブの開発が、適当な診断法で使用するために望まれている。 発明の簡単な説明 本発明によれば、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)に対して高い結合 親和性を有する新規なG−タンパク質−カップリングレセプタータンパク質が提 供され、このタンパク質は以後CRF−レセプター(CRF−R)と呼ぶ。本発 明のレセプターは、視床下部−下垂体−副腎軸の主要な神経レギュレーターであ り、ストレスおよび免疫負荷に対する内分泌、自律神経および行動反応を調整す る重要な役割を演じている。CRF−Rは、CRFによって刺激された細胞内c AMPの蓄積に対するシグナルを形質導入するので、これはアデニレートシクラ ーゼと機能的に結合している。本発明のCRF−Rは、例えばそれに対する抗体 の産生についてのバイオアッセイ、このようなタンパク質および/または抗体を 含む治療組成物などの様々な方法で用いることができる。 本発明のもう一つの態様によれば、本発明のレセプターに結合することができ る化合物(例えば、作動薬および拮抗薬)を決定する目的で多数の化合物を速や かにスクリーニングするのに有用なCRF−Rを用いる結合分析法が提供される 。本発明の結合分析法は、(推定上の哺乳動物のサウバジン(sauvagine)また はウロテンシン(urotensin)など)のような新規なCRF様リガンドを同定する のに用いることもできる。(生物学的流体などの)試験試料で本発明の結合分析 法を行い、CRFまたはCRF様化合物の存在または不在を検出することもでき る。 本発明によれば、CRF−Rをコードする組換えDNA分子も提供される。C RF−Rおよび抗−CRF−R抗体は、腫瘍組織などの各種の組織試料における CRF−Rの濃度を測定するための診断分析法に有用である。抗−CRF−R抗 体を用いて、CRF−Rタンパク質を精製することもできる。更に、これらの抗 体を治療に用いて、イン・ビボでのCRF−Rの生物学的効果を中和しまたは補 足することができる。 各種の組織試料のCRF−Rの濃度および脈管流体試料のCRF−Rペプチド フラグメントおよびCRFの濃度を測定する方法および診断系も提供される。こ れらの診断法を用いて、例えば治療で投与したCRF−R(またはそのフラグメ ント)の濃度を観察して、治療上有効な量の保持を容易にすることができる。こ れらの診断法を用いて、CRFまたはCRF−Rの異常な濃度から生じる生理学 的疾患を診断することもできる。 CRF、CRFを結合するそのフラグメント、またはその類似体は、CRFの 効果を治療上調節することができる。例えば、CRF−Rフラグメントは、CR FのCRF−Rに対する結合を抑制することができ、且つ脳下垂体細胞によるイ ン・ビトロでのCRFによって誘導されるACTHの放出を抑制することができ る。したがって、CRF−Rを哺乳動物に治療的に投与して、過剰なCRFによ って引き起こされる高ACTH濃度を減少させることができる。このような治療 を、例えばクッシング病などに用いることができる。これらのCRF−Rは、C RFを産生する脳下垂体腫瘍の治療に用いることもできる。更に、これらを用い て脳下垂体のACTH分泌を減少させることによって、神経性食欲不振またはア ルコール中毒症などに罹っている患者において、例えば慢性ストレスなどの際に 異常に高い症状のコルチゾール濃度を減少させることができる。静脈内(IV) 投与したCRF−Rは、CRFによって誘導されるACTH放出を防止するのに 有効である。更に、CRF−RのIV投与により血圧を上昇させ、これにより低 血圧を治療することができる。 図面の簡単な説明 図1は、一時的にCOSM6細胞に発現されたプラスミドhctCRFR(「 ヒトクッシング腫瘍副腎皮質刺激ホルモン放出因子レセプター」、CRFレセプ ターサブタイプhCRF−RA1をコード)の薬理学的特徴を示す。図1は、o CRFがhctCRFレセプター(■)またはrGnRHR(□)でトランスフ ェクションしたCOSM6細胞から作成した膜に結合する際のr/hCRFによ る125I(Nle21、Tyr32)ヒツジCRF(oCRF)の移動の結果を表わ す。これらのデーターは、少なくとも4回繰り返した1つの代表的な実験から得 たものである。 図2Aは、図4に記載するように、CRF、hGRF(1〜40)OH、VI P、およびサケカルシトニンに暴露することによるCOSM6細胞(プラスミド hctCRFでトランスフェクション、CRFレセプターサブタイプCRF−R A1をコード)における細胞内cAMPの刺激を示す。 図2Bは、ホスホジエステラーゼ阻害剤であるIBMX(3−イソブチル−1 −メチルキサンチン)で前処理した(■)または未処理の(□)細胞におけるC RFの濃度を増加させることによるCOSM6細胞(プラスミドhctCRFで トランスフェクション、CRFレセプターサブタイプCRF−RA1をコード) におけるcAMPの用量−応答刺激を示す。 図2Cは、CRF拮抗薬α−ヘリックス(9〜41)CRFによるCRFで刺 激した細胞内cAMPの阻害を示す。それぞれの測定値は、少なくとも2回繰り 返した3回の実験で行った代表的な実験から得たものである。細胞はIBMXで 前処理した。ラット/ヒト(r/h)CRFを、2マイクロMのα−ヘリックス (9〜41)と共に(■)またはなしで(□)加えた。 発明の詳細な説明 本発明によれば、単離した哺乳動物のG−タンパク質結合CRF−Rタンパク 質の群において、CRFおよびCRF様リガンドに対して十分な結合親和性を有 し、CRFまたはCRF様リガンドの≦10nMの濃度が前記レセプタータンパ ク質約0.8nM(または約10〜20ピコモル/mg膜タンパク質)の結合部 位の≧50%を占めることを特徴とする群が提供される。 DNA、RNA、ポリペプチドまたはタンパク質の修飾語としての本明細書お よび請求の範囲において「単離した」という用語の使用は、このように命名した DNA、RNA、ポリペプチドまたはタンパク質をヒトの手によってそのような 形態で産生され、その天然のイン・ビボでの細胞環境から分離されることを意味 する。このヒトの介在の結果、本発明の組換え、単離しおよび/または実質的に 純粋なDNA、RNA、ポリペプチドおよびタンパク質を多量に産生することが でき、天然に存在するDNA、RNA、ポリペプチドまたはタンパク質ではない 選択的な薬剤または化合物の同定のような方法で用いることができる。 本明細書で用いられる「哺乳動物」とは、本発明のCRF−Rタンパク質が誘 導される動物の品種、例えばヒト、ラット、マウス、ウサギ、サル、ヒヒ、ニワ トリ、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコなどを指す。本発明のレセプターは、様 様な組織源、例えば脳下垂体細胞、胎盤細胞、脾臓細胞、副腎細胞、造血細胞、 脳細胞、生殖腺細胞、間葉細胞、腎細胞などの様々な組織源から誘導することが できる。 本明細書で用いられる、「CRF−R」という用語は、CRFおよびCRF様 リガンドに対する細胞のG−タンパク質に結合した応答に関与する単離されおよ び/または実質的に純粋なレセプタータンパク質サブタイプの群を指す。CRF ペプチドの例としては、r/hCRFおよびヒツジCRF(米国特許第4,41 5,558号明細書を参照されたい)などが挙げられる。本明細書で用いられる 「CRF様リガンド」という用語としては、天然に存在する哺乳動物のCRF、 並びに対立遺伝学、フラグメント、同族体、または哺乳動物のCRFと実質的に 同じ生物学的活性を有するそれらの誘導体のアミノ酸配列を有する実質的な程度 の相同性(少なくとも20%の相同性)を有する物質が挙げられる。好適なCR F様リガンドは、様々な種類の脊椎動物から得ることができ、スアバジン(例え ば、米国特許第4,605,642号明細書を参照されたい)、ウロテンシン( 例えば、米国特許第4,908,352号、第4,533,654号、および第 4,525,189号明細書を参照されたい)、米国特許第4,415,558 号、第4,489,163号、第4,594,329号、第4,605,642 号、第5,109,111号明細書に記載のCRF類似体などの化合物が挙げら れるが、前記特許明細書のそれぞれは、参考として本明細書に引用したものであ る。 これらのレセプターのサブタイプは、7個の推定上のトランスメンブランドメ インを有し、続いて典型的には大きな細胞外アミノ末端ドメインがあり且つ大き な細胞内カルボキシ末端ドメインを有することを特徴としている。(SEQ I D NOs:2および4に記載の)本発明のCRF−Rの例のハイドロパシー分 析では、約20アミノ酸の8個の疎水性領域であってN末端における可能なシグ ナルペプチドに相当するものと7個の推定上のトランスメンブランドメインとが 示されている。シグナルペプチドを除去した後、(例えば、SEQ ID NO 2に記載の)本発明のレセプターの例は、約40〜45キロダルトンの分子量を 有している。 例示用のCRF−Rアミノ酸構造は、後で示される配列リストのSEQ ID NO2、4、6および8に記載されている。SEQ ID NO:2に記載の CRF−Rは、アミノ酸位置38、45、78、90および98に5個の潜在的 なグリコシル化部位を有している(且つ本明細書ではCRF−RA1と表わされ る)。潜在的なタンパク質キナーゼCホスホリル化部位は、第一および第二の細 胞内ループおよび146、222、386および408位のC末端の尾に位置し ている。潜在的なカゼインキナーゼ11およびタンパク質キナーゼAのホスホリ ル化部位は、それぞれ301および302位に位置している。SEQ ID N O:2に記載の本発明のCRF−Rの第三の細胞内ループは、β2−アドレナリ ン作動性レセプターの第三の細胞内ループに見いだされるGs活性化領域に類似 のアミノ酸配列を含んでいる。 SEQ ID NO:2に記載の本発明のレセプターは適当な薬理学的特異性 を示し、すなわちヒト/ラットCRF、ヒツジCRF、CRF拮抗薬αヘリック ス(9〜41)CRF、ウロテンシン、サウバジンに対して高い親和性を有し、 且つ生物学的に無力な類似体、[Ala14]−oCRFに対する親和性が極めて 低い。一連の非関連ペプチド、例えば成長ホルモン放出因子、サケカルシトニン 、血管作用性の腸ポリペプチド、およびゴナドトロピン放出ホルモンは、図2C に示されるように、不活性である。 (会合定数、Ka、または解離定数、Kdによって表わすことができる)結合 親和性は、リガンドとレセプターとの相互作用の強さを表わし、レセプターの結 合部位の2分の1(50%)を占めるのに要するリガンドの濃度によって表わす ことができる。所定のリガンドに対して高い結合親和性を有するレセプターは、 少なくとも50%が結合するリガンドがほとんど存在する必要はなく(したがっ てKd値は小さな数になる)、反対に、所定のリガンドに対して結合親和性が低 いレセプターは50%が結合するリガンドが高濃度で存在する必要がある(した がって、Kd値は大きな数となる)。 「十分な結合親和性を有し、10nM以下(すなわち、≦10nM)のCRF の濃度が前記レセプタータンパク質の結合部位の≧50%(すなわち、2分の1 以上)を占める」レセプタータンパク質は、リガンドが前記レセプターの約0. 8nM(または約10〜20ピロモルレセプター/mg膜タンパク質)の活性部 位の少なくとも50%を占めるのに、リガンド(すなわち、CRF)の濃度が約 10nM以下である必要があり、典型的には極めて低いリガンド濃度が必要であ る。本発明の好ましいレセプターは、レセプター結合部位の少なくとも50%を 占める(または結合する)ためには、約1〜10nMだけの範囲のリガンド濃度 が必要となるような結合親和性を有するものである。 本発明の群のレセプターのメンバーは、特定のメンバーの類似性の程度に基づ いて各種のサブタイプに分割することができる。例えば、同じサブクラスのCR Fレセプターをコードするゲノム配列は、典型的には実質的に類似した制限地図 を有し、異なるサブクラスのCRFレセプターをコードするゲノム配列は典型的 には実質的に異なる制限地図を有する。また、同じサブクラスのレセプターのメ ンバーをコードする配列は、高緊縮条件下でハイブリダイゼーションし、異なる サブクラスのメンバーをコードする配列は低緊縮ハイブリダイゼーション条件下 でハイブリダイゼーションするが、高緊縮ハイブリダイゼーション条件下ではハ イブリダイゼーションしない。 所定のサブクラスのそれぞれのメンバーは、特定のメンバー間の高度の相同性 (例えば、>80%の総アミノ酸相同性)を有することにより、同じサブクラス の他のメンバーと関連しており、所定のサブクラスのメンバーは、異なるサブク ラスの特定のメンバーの間の相同性が低い(例えば、約30%〜80%までの総 アミノ酸相同性)ことにより、異なるサブクラスのメンバーとは異なる。 前記の基準に基づいて、本明細書に記載の種類のレセプターはCRF−RAま たはCRF−RBサブタイプと表わすことができる。したがって、SEQ ID NO:2に記載のレセプターCRF−RAサブタイプであり、本明細書ではh CRF−RA1(ヒトCRF−RについてのサブタイプA、変種1)と表わされ る。SEQ ID NO:4に記載のインサート配列を含むhCRF−RA1の 改質した形態は、本明細書ではhCRF−RA2と表わされる。同様に、SEQ ID NO:6に記載のレセプターは、本明細書ではrCRF−RA(ラット CRF−Rに対する、サブタイプA)と表わされ、SEQ ID NO:8に記 載のレセプターは、本明細書ではmCRF−RB(マウスCRF−Rに対する、 サブタイプB)と表わされる。 本発明の一つの態様では、本明細書で「hctCRFR」(以後このように記 載)と記載されるクローンによってコードされるCRF−Rは、r/hCRFに 対して高い結合親和性を有する[Kd=3.3±0.45nM(n=4)]、ヒ ツジCRF[Kd=8.3nM(n=1)]、および拮抗薬αhelCRF(9 〜41)[Kd=1.0±0.10nM(n=2)]。このレセプターは、生物 学的に無力な類似体に対する結合親和性は低い[Ala14]−ヒツジCRF[Kd >300nM(n=2)]。本発明のもう一つの態様では、SEQ ID N O:2に記載のCRF−Rはr/hCRFに対する結合親和性がKd=3.8± 0.20nM(n=1)である。本発明のCRF−Rに対するヒツジCRFの親 和性は、ヒト血清タンパク質「CRF−BP」[CRF−結合タンパク質、Pott erら、Nature,349:423-426(1991)を参照されたい]に対するヒツジCRFの 親和性の約100倍である。 本発明の好ましいレセプタータンパク質は、配列ID番号2、4、6および8 に記載の配列と実質的に同じアミノ酸配列、およびATCCに承認番号7547 4で寄託したクローンhctCRFRのCRF−RA1コード部分によってコー ドされるアミノ酸配列並びにその機能上改質した形態と実質的に同じアミノ酸配 列を有する。当業者であれば、前記配列の多数の残基は、生成する種類のレセプ ターの生物学的活性を実質的に変化させることなく他の化学的、立体的および/ または電子的に類似した残基で置換できることが判る。 htcCRFRクローンは、American Type Culture Collection(ATCC)、1 2301、パークローン・ドライブ、ロックビル、メリーランド州、米国、20 852に1993年6月2日に、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関す るブタペスト条約及びこの条約に基づく規則の条項に基づいて寄託された。寄託 された材料の試料は工業所有権事務局および条約および規則に基づいて、あるい はアメリカ合衆国およびこの出願またはこの出願の優先権を主張する出願が出願 されまたはこのような出願について付与される特許を付与する他の総ての国また は国際機関の特許法および規則に応じてそれらを受ける法的権利を有する第三者 にとって利用可能なものである。特に、所有権を主張するまたはこの出願を組み 込んでいるこのまたは任意の出願に基づいた米国特許が発行されると、寄託され た材料の利用可能性についての総ての制限は除かれ、これは変更不可能である。 本明細書に用いられる「実質的に同じアミノ酸配列」という用語は、参考アミ ノ酸配列に対して少なくとも約70%の同一性を有し且つ参考アミノ酸配列によ って定義されるタンパク質の匹敵できる機能的および生物学的特性を保持してい るアミノ酸配列を表わす。好ましくは、「実質的に同じアミノ酸配列」を有する タンパク質は、参考アミノ酸配列に対して少なくとも約80%、更に好ましくは 90%のアミノ酸の同一性を有し、約95%を上回るアミノ酸配列の同一性が特 に好ましい。 組換えCRF−Rタンパク質は、天然に存在するCRF−R(例えば、哺乳動 物の細胞からの粗製の抽出物に含まれる他のタンパク質を実質的に含まない)よ りかなり高純度の、後記する本発明の核酸を用いて日常的に得ることができる。 例えば、当該技術分野で周知の組換えDNA技術を用いて、天然に存在する膜タ ンパク質に関してかなり高純度の異種CRF−Rタンパク質を産生する生物また は細胞系を生成させることができる。次に、適当な単離手法を用いて、少なくと も約70%、好ましくは80%、更に好ましくは90%、最も好ましくは98% の純度(総タンパク質の重量による)であり且つ本明細書では実質的純粋である として表わされるCRF−Rタンパク質を日常的に得ることができる。 本発明のもう一つの態様によれば、本発明のレセプターを用いる結合分析法に より多数の化合物を速やかにスクリーニングして、本発明のレセプターに結合で きる化合物を決定することができる方法が提供される。続いて、更に詳細な分析 法を、最初に同定した化合物を用いて行い、これらの化合物が本発明のレセプタ ーの作動薬または拮抗薬として作用するかどうかを決定することができる。 本発明の結合分析法のもう一つの適用は、CRFの存在または不在についての 試料(例えば、生物学的流体)の分析法である。従って、例えばCRFの過剰ま たは過少産生に関連すると考えられる症状を示す患者から採取した血清を分析し て、観察された症状がCRF(またはCRFレセプター)の過剰または過少産生 によって実際に引き起こされるかどうかを決定することができる。 本発明によって行われる結合分析法は、当業者によって容易に同定されるよう に、各種の方法で行うことができる。例えば、競争的結合分析法、並びにラジオ イムノアッセイ、ELISA、ERMAなどを用いることができる。 本発明の更にもう一つの態様によれば、本発明のレセプター(またはその機能 上の改質形態)の作動薬または拮抗薬として作用することができるかどうかを評 価するためのバイオアッセイが提供される。 本発明のCRF−Rは異種トリマー性G−タンパク質によって各種の細胞内酵 素、イオンチャンネル、およびトランスポーターに結合している。G−タンパク 質は、血症膜の細胞内面において本発明のCRF−Rタンパク質と関連している 。CRF−Rに結合する作動薬は、α−サブユニット上でGTPをGDPと交換 し(G−タンパク質「活性化」)、各種のシグナルを形質導入する酵素およびチ ャンネルの一つ(以上)を解離および刺激する。異なるG−タンパク質α−サブ ユニットは、優先的に特定のエフェクターを刺激する。したがって、シグナル形 質導入の特異性は、G−タンパク質のカップリングの特異性によって決定するこ とができる。 本発明のCRF−Rタンパク質は、アデニレートシクラーゼの調節によってシ グナルの形質導入を媒介する。例えば、CRFがCRF−Rに結合するときには 、アデニレートシクラーゼは細胞内cAMPの濃度の上昇を引き起こす。したが って、本発明の一つの態様では、試験化合物が作動薬または拮抗薬として作用す ることができるかどうかを評価するバイオアッセイは、 (a)CRFレセプタータンパク質またはその機能上の改質形態を発現するD NAを含む細胞を培養し、この培養は、CRFレセプタータンパク質のシグナル 形質導入活性を調節する能力を検討して決定する少なくとも1種類の化合物の存 在下で行った後、 (b)細胞内cAMPの濃度の増加または減少について前記細胞を観察するこ とからなっている。 cAMPの細胞内濃度を測定するまたはシクラーゼ活性を測定する当該技術分 野で周知の方法を、本明細書に記載の結合分析法で用い、CRF−Rの作動薬ま たは拮抗薬を同定することができる。例えば、幾つかのG−タンパク質にカップ リングしたレセプターの活性化によりcAMPの増減が生じるため、細胞内cA MP濃度(例えば、例4を参照されたい)を測定するアッセイを用いて、哺乳動 物宿主細胞で発現される組換えCRF−Rを評価することができる。 本明細書で用いられる「CRFレセプタータンパク質のシグナル形質導入活性 を調節する能力」とは、CRFレセプタータンパク質のシグナル形質導入活性を 誘導または阻害する能力を有する化合物を表わす。 本発明のもう一つの態様では、試験化合物が作動薬として作用することができ るかどうかを評価するバイオアッセイは、 (a)CRFレセプタータンパク質またはその機能上の改質形態を発現するD NA レセプタータンパク質をコードするDNAであって、このDNAがCR F−Rが関与する転写要素に作用結合しているもの を含む細胞を培養し、 この培養は、CRFレセプタータンパク質のシグナル形質導入活性を調節する 能力を検討して決定する少なくとも1種類の化合物の存在下で行った後、 (b)前記リポータータンパク質の発現について前記細胞を観察する ことからなっている。 本発明のもう一つの態様では、試験化合物またはそのレセプターの機能上の改 質形態が拮抗薬として作用することができるかどうかを評価するバイオアッセイ は、 (a)CRFレセプタータンパク質またはその機能上の改質形態を発現するD NA、および レセプタータンパク質をコードするDNAであって、このDNAがCR F−Rに関与する転写要素に作用結合しているもの を含む細胞を培養し、 前記培養を CRFレセプタータンパク質のシグナル形質導入活性を抑制する能力を検 討して決定する少なくとも1種類の化合物の増加濃度、および CRFレセプタータンパク質またはその機能上の改質形態の少なくとも1 種類の作動薬の固定濃度の 存在下にて行った後、 (b)前記化合物の濃度の関数として前記リポータータンパク質の発現濃度を 前記細胞で観察することによって、シグナル形質導入活性を抑制する前記化合物 の能力を示す ことからなっている。 前記の拮抗薬のバイオアッセイの段階(a)において、培養は、 CRFレセプタータンパク質のシグナル形質導入活性を検討して決定する 少なくとも1種類の化合物の固定濃度、および CRFレセプタータンパク質またはその機能上の改質形態についての少な くとも1種類の作動薬の増加濃度 の存在下で行うこともできる。 CRF−Rの機能組換え発現の宿主細胞は、内因性または組換えグアニンヌク レオチド結合タンパク質(すなわち、G−タンパク質)を好ましく発現する。G −タンパク質は、α、βおよびγサブユニットからなる膜に関連したタンパク質 の高度に保存された群である。αサブユニットはGDPおよびGTPと結合し、 異なるG−タンパク質とは異なる。βおよびγサブユニットの結合した対はユニ ークであることもまたはユニークではないこともあり、異なるα鎖が同一のβγ 対に結合することができ、または異なる対に結合することもできる[Linderおよ びGilman、Sci.Am.,267:56-65(1992)]。G−タンパク質αサブユニットを コードする30を上回る数のcDNAがクローニングされた[Simonら、Science ,252:802(1991)]。少なくとも4種類の異なるβ−ポリペプチド配列が知ら れている[Simonら、Science,252:802(1991)]。G−タンパク質は、グアニ ンヌクレオチド交換およびGTP加水分解により、活性および不活性状態を切り 替える。不活性なGタンパク質は、リガンドで活性化したレセプターによって刺 激されて、GDPをGTPに交換する。活性形態では、GTPに結合したαサブ ユニットはβγ複合体から解離し、次にこのサブユニットは細胞エフェクター分 子と特異的に相互作用して、細胞応答を引き起こす。異なるG−タンパク質は異 なるエフェクター系(例えば、ホスホリパーゼC、アデニルシクラーゼ系)およ び異なるレセプターと相互作用することができるので、異なる組換えCRF−R レセプターサブタイプを発現させるため、異なる宿主細胞を検討することは有用 である。あるいは、宿主細胞を、G−タンパク質サブユニットコードDNAでト ランスフェクションして、異なるGタンパク質の異種発現を行うことができる。 本発明のバイオアッセイでの使用が考えられる宿主細胞としては、CV−1細 胞、COS細胞などが挙げられ、用いられるリポーターおよび発現プラスミドは 典型的にはSV−40の複製源も含み、用いられるリポーターおよび発現プラス ミドは典型的には選択可能なマーカーも含む。 本明細書で用いられる「CRF−Rが関与する転写要素」とは、例えば周知の G−タンパク質によって介在されるシグナル形質導入機構によって誘導され、C RFのようなCRF−R作動薬の結合した時点で転写を開始する任意のプロモー ター領域である。好ましいCRF−Rが関与する転写要素は、cAMPが関与す る転写要素である。本発明のバイオアッセイに用いられるサイクリックAMP( cAMP)が関与する転写要素は、当業者には周知である。cAMP応答要素は 、これに操作結合したDNA分子(すなわち、リポーター遺伝子)の転写を開始 することによって細胞内cAMPの増加に応答する。本発明で用いるのに好適な cAMP応答要素の例は、ヒトDNAβ−ポリメラーゼ遺伝子プロモーターであ る(Munulaら、DNA and Cell Bio.,11:61-70,1992を参照されたい)。 本発明で用いるのに好適なリポータータンパク質は、当該技術分野で周知であ る。宿主細胞を、例えば分光学的手段、例えば、(β−ガラクトシダーゼのよう な着色したリポーター生成物を用いる)比色法、(ルシフェラーゼのようなリポ ーター生成物を用いる)蛍光、酵素活性などの様々な方法でリポータータンパク 質をコードするリポーター遺伝子の発現の水準について観察することができる。 本発明のバイオアッセイによるスクリーニングに用いられる化合物としては、 CRFまたはCRF様リガンド、並びにCRFに対して特別な構造上または生物 学的関連性を持たない化合物が挙げられる。好適な化合物は、周知の入手源、例 えばペプチドライブラリー、化学的ライブラリー、細菌および酵母ブロス、植物 などから得ることができる。 CRFに対する特定の構造上または生物学的関連性を持たないが、本発明のバ イオアッセイによるスクリーニングに用いられる化合物の例としては、拮抗薬( すなわち、本発明のレセプターペプチドの作用を遮断することができる)または 作動薬(すなわち、本発明のレセプターペプチドの作用を促進することができる )である任意の化合物、例えば、アルカロイド、および他の複素環式有機化合物 などが挙げられる。 本発明で用いられる、「非CRF様」タンパク質は、(本明細書で広汎に定義 される)CRFと本質的に構造上の類似性をもたない任意の有機分子を表わす。 CRF−Rという用語は、その各種のサブタイプ(例えば(hCRF−RA1 およびhCRF−RA2のような)CRF−RA、CRF−RBなど)、並びに そのポリペプチドフラグメントまたは類似体も包含する。したがって、本発明に よって用いられるCRF−Rは、各種の変化、置換、挿入および欠失であって、 このような変化によりその使用にある種の利点が得られるものを受けやすい。例 えば、ペプチドフラグメントは、CRF−Rの天然の抗原性エピトープを免疫学 的に模倣することができ、または例えば、CRFに結合するまたはG−タンパク 質に結合するCRF−Rに特徴的なもう一つの生物学的特性を示すことができる 。 効率的なシグナル形質導入に要する特定のCRF−R残基または領域は、保存 されたG−タンパク質モチーフと相互作用することができる。また、G−タンパ ク質カップリングに必要なCRF−Rのある種の短鎖アミノ酸によっても、G− タンパク質相互作用の特異性が決定される。したがって、本発明のCRF−Rの ポリペプチドフラグメントは、各種G−タンパク質に対する制御された結合が所 望であるアッセイまたは治療法に有用である。「類似体」という用語は、本明細 書で具体的に示されている配列と実質的に同一のアミノ酸残基配列であって、1 以上の残基が機能上同様な残基で保存的に置換され且つ本明細書に記載のCRF −Rを模倣する能力を示す配列が挙げられる。保存的な置換の例としては、イソ ロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニンのような無極性(疎水性)残基を 別のものへの置換、極性(親水性)残基の別のものへの置換、例えばアルギニン とリシンとの間、グルタミンとアスパラギンとの間、グリシンとセリンとの間の 置換、リシン、アルギニンまたはヒスチジンのような一つの塩基残基のもう一つ のものでの置換、またはアスパラギン酸またはグルタミン酸のような一つの酸性 残基のもう一つのものでの置換が挙げられる。 「保存的な置換」という用語は、このポリペプチドが必須の結合活性を示すと いう条件で、誘導体形成されていない残基の代わりに化学的に誘導体形成された 残基を用いることも包含する。 「化学的誘導体」とは、官能性側基の反応によって化学的に誘導体形成された 1以上の残基を有する主題のポリペプチドを表わす。このような誘導体形成した 分子としては、例えば遊離のアミノ基が誘導体形成されて、アミン塩酸塩、p− トルエンスルホニル基、カルボベンズオキシ基、t−ブチルオキシカルボニル基 、クロロアセチル基、またはホルミル基を形成する分子が挙げられる。遊離のカ ルボキシル基は誘導体形成して、塩、メチルおよびエチルエステルまたは他の種 類のエステル、またはヒドラジドを形成することができる。遊離のヒドロキシル 基は、誘導体形成して、O−アシルまたはO−アルキル誘導体を形成することが できる。ヒスチジンのイミダゾール窒素を、誘導体形成してN−im−ベンジル ヒスチジンを形成することができる。化学的誘導体としては、20個の標準的ア ミノ酸の1以上の天然に存在するアミノ酸誘導体を含むペプチドも挙げられる。 例えば、4−ヒドロキシプロリンをプロリンの代わりに用いることができ、5− ヒドロキシリシンをリシンの代わりに用いることができ、3−メチルヒスチジン をヒスチジンの代わりに用いることができ、モノセリンをセリンの代わりに用い ることができ、オルニチンをリシンの代わりに用いることができる。また、本発 明のポリペプチドとしては、配列が本明細書に示されているポリペプチドの配列 に対して1以上の残基の付加および/または欠失を有する任意のポリペプチドで あって、必要な活性が保持されているものも挙げられる。 追加の残基をいずれかの末端に添加して「リンカー」を提供し、これにより本 発明のポリペプチドを好都合にラベルまたは固形マトリックス、またはキャリヤ ーに添付することができる場合には、リンカー残基はCRF−Rエピトープを形 成せず、すなわち構造はCRF−Rに類似していない。本発明のポリペプチドと 共に用いることができるラベル、固形マトリックスおよびキャリヤーを、下記に 説明する。 アミノ酸残基リンカーは、少なくとも1個の残基から40以上までの残基を含 む(更に頻繁にはそれらは1−10個の残基を含む)が、CRF−Rエピトープ を形成しない。結合に用いられる典型的なアミノ酸残基は、チロシン、システイ ン、リシン、グルタミン酸およびアスパラギン酸である。また、主題のポリペプ チドは、特に断らない限り、N−末端のアシル化、例えばアセチル化またはチオ グリコール酸アミド化、または例えばアンモニア、メチルアミンなどによるC− 末端のアミド化による配列の修飾により、配列がCRF−Rの天然配列とは異な ることがある。 本発明のCRF−Rポリペプチドは、CRF−Rと免疫反応する抗体を誘導す ることができる。免疫学的交差反応性の原理が詳細に確立されているため、本発 明はポリペプチドの抗原的に関連した変種を得ようとするものである。「抗原的 に関連した変種」とは、本明細書に記載のCRF−Rポリペプチドと免疫反応す る抗体分子を誘導することができる主題のポリペプチドである。 本発明のCRF−Rポリペプチドは、組換えDNA技術などのポリペプチド技 術に熟練した者に知られている手法のいずれかによって合成することができる。 固相Merrifield型合成のような合成化学的手法は、純度、抗原の特異性、望まし くない副生成物を含まないこと、生産の容易さなどの理由によりポリペプチドフ ラグメントを産生するのに好ましい。利用可能な多くの手法の優れたまとめは、 固相ペプチド合成については、J.M.StewardおよびJ.D.Young、「固相ペプチド 合成(Solid Phase Peptide Synthesis)」W.H.Freeman Co.,サン・フランシ スコ、1969年;M.Bodanskyら、「ペプチド合成(Peptide Synthesis)」、 John Wiley & Sons、第2版、1976年、およびJ.Meienhofer、「ホルモンタ ンパク質およびペプチド(Hormonal Proteins and Peptides)」、第2巻、46 頁、Academic Press(ニューヨーク)1983年に、また古典的な溶液合成につ いては、E.SchroderおよびK.Kubke、「ペプチド(The Peptides)」、第1巻、 Academic Press(New York)、1965年に見いだすことができ、これらの文献 のそれぞれは参照により本明細書に取込まれるものである。このような合成に用 いることができる適当な保護基は、前記成書およびJ.F.W.McOmie、「有機化学 における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」、Plenum Press )ニューヨーク、1973年に記載されており、後者の文献は参照により本明細 書に取込まれるものである。米国特許第5,055,396号明細書も参照され たい。この特許明細書は、参照により本明細書に取込まれるものである。 CRF−Rポリペプチドは、とりわけ本発明の診断法および系に用いて、身体 試料に含まれるCRF−R(またはそのフラグメント)の濃度を検出し、身体試 料中のCRFの濃度を検出し、またはCRF−R上でエピトープと免疫反応する 抗体の製造のため本明細書記載の方法で接種物を製造することができる。CRF −Rポリペプチドは、各種の細胞内G−タンパク質およびCRF様レセプター作 動薬/拮抗薬、例えば複素環式化合物などを結合し、検出し、精製するのに用い ることもできる。また、CRF−Rポリペプチドは、本明細書に記載の治療法に 用いて、例えばCRFによって誘導されるACTHの放出を抑制し、患者のAC THの濃度を減少させることもできる。 本発明の更にもう一つの態様によれば、前記のレセプタータンパク質に対して 生成される抗体が提供される。このような抗体は、診断用途、治療用途などに用 いることができる。好ましくは、治療用途には、用いられる抗体はモノクローン 性抗体である。 前記の抗体は、当業者に周知の標準的手法を用いて、抗体産生の抗原として本 発明のレセプタータンパク質またはそのフラグメントを用いて製造することがで きる。本発明の抗体は、典型的には哺乳動物をCRF−Rタンパク質またはその フラグメントを含む接種物で免疫することによって免疫感作剤に対して免疫特異 性を有する抗体分子の産生を誘導することによって産生される。 例えば、本発明のタンパク質の合成ペプチドフラグメントに対してウサギに生 じた抗体は、合成ペプチドおよび等モル量での対応する本発明のCRF−Rを認 識し、好ましくは天然のタンパク質の活性を抑制することができる。CRF−R に対する抗体は、3か月令の雄および雌の白色ニュージーランドウサギを、C末 端にTyrを添加した好適な合成ペプチドフラグメントで免疫し、これを抗原と して4℃で2時間反応させることによってビスジアゾ化したベンジジン(BDB )によってBSAにカップリングすることによって得ることができる。反応混合 物を透析して、低分子量物質を除去し、保持物(retentate)を液体窒素で凍結 し、−20℃で保存する。動物を、Benoitら、P.N.A.S.USA,79,917-921(198 2)の操作法にしたがってペプチド抗原1mgに相当する量で免疫する。4週間 の間隔で、抗原200μgを動物に注射して免疫感作し、10〜14日後に採血 する。第三の免疫感作の後、クロラミン−T法によって作成した放射性ヨウ素化 抗原ペプチドとの結合力について検討した後、CMC−イオン交換カラークロマ トグラフィによって精製する。次に、抗体分子を哺乳動物から集め、例えばDE AE Sephadexを用いることによるなどの周知の手法によって所望の程度まで 単離して、IgG画分を得る。 抗体の特異性を増大するために、固相免疫化ポリペプチドを用いるイムノアフ ィニティクロマトグラフィによって、抗体を精製することもできる。抗体を、ポ リペプチドが抗体分子と免疫反応して固相免疫複合体を形成するのに十分な時間 、固相免疫化ポリペプチドと接触させる。結合した抗体を、標準的な手法によっ て複合体から分離する。 このようにして生成した抗体は、とりわけ診断法および系に用いて、哺乳動物 、好ましくはヒトの身体試料、例えば組織または脈管流体などに含まれるCRF −Rの濃度を検出することができる。抗−CRF−R抗体を、CRF−Rの生物 学的材料のイムノアフィニティまたはアフィニティクロマトグラフィによる精製 に用いることもできる。また、本発明による抗−CRF−R抗体を、哺乳動物、 好ましくはヒトの治療法にCRF−R作動薬または拮抗薬として用いて、CRF −Rの効果を中和しまたは調節し、遊離CRF(例えば、CRF−Rと結合して いないCRF)の濃度を増加させ、CRFによって誘導されるACTH放出を増 加させ、患者のACTHによって誘導される糖質コルチコイドの濃度を増加させ ることなどもできる。 本発明のタンパク質および本発明の抗体を、例えば腹腔内、筋肉内、静脈内ま たは皮下注射などの標準的方法を用いて患者に投与することができる。移植およ び経皮投与による様式も適当である。また、本発明のタンパク質をコードするウ イルスまたはレトロウイルスベクターを用いるトランスフェクションにより、本 発明のタンパク質を送り込むこともできる。当業者であれば、用いる投与様式に よって投与形態、治療法(treatment regiments)などを容易に決定することが できる。 本発明のもう一つの態様によれば、前記レセプタータンパク質をコードする単 離されて精製された核酸分子(例えば、DNAまたはRNA)が提供される。こ れらの核酸を当業者に知られている各種のタンパク質発現系に取り込むときには 、本明細書に記載の核酸分子は本発明のCRF−Rタンパク質を産生するために 用いられる。また、このような核酸分子(またはそのフラグメント)は、容易に 検 出可能な置換基で標識し、ハイブリダイゼーションプローブとして用いて、所定 の試料中のCRF−R遺伝子またはmRNA転写物の存在および/または量を分 析することもできる。このような核酸分子(またはそのフラグメント)を、容易 に検出可能な置換基で標識すると、追加のCRF−R遺伝子を同定するためのハ イブリダイゼーションプローブとして用いることもできる。本明細書に記載の核 酸分子およびそのフラグメントは、本明細書に記載のCRF−Rタンパク質をコ ードする遺伝子を増幅するためのPCR反応のプライマーおよび/または鋳型と して用いることもできる。また、本明細書に記載の核酸分子およびそのフラグメ ントは、本明細書に記載のレセプタータンパク質の群の一部である追加のCRF −Rタンパク質をコードする遺伝子を同定するためのPCR反応のプライマーお よび/または鋳型としても有用である。 前記レセプターは、多数の核酸分子、例えば 配列ID No.1のヌクレオチド82〜1329、 配列ID No.1のヌクレオチド82〜1329であって、SEQ ID No.1のヌクレオチド516〜517の間にSEQ ID No.3の ヌクレオチド1〜87を挿入して含むもの、 配列ID No.5、 配列ID No.7、 承認番号75474でATCCに寄託されたクローンhctCRFRの CRF−RA1をコードする部分、または その変種であって、同じアミノ酸配列をコードするが、アミノ酸の幾つ かに対して異なるコドンを用いるもの、または そのスプライス変種cDNA配列 と実質的に同じ隣接ヌクレオチド配列を有する核酸分子によってコードすること ができる。 本明細書で用いられる「核酸」という用語は、リボ核酸(RNA)またはデオ キシリボ核酸(DNA)を表わす。DNAは、相補性DNA(cDNA)または ゲノムDNA、例えばCRF−Rをコードする遺伝子のいずれであってもよい。 本明細書で用いられる「実質的に同じ隣接ヌクレオチド配列」または「実質的 に同じヌクレオチド配列」とは、参照ポリヌクレオチドに対して十分な相同性を 有し、典型的な軽度の緊縮条件下で参照ヌクレオチドにハイブリダイゼーション するようなDNAを表わす。一つの態様では、参照ヌクレオチド配列と実質的に 同じヌクレオチド配列を有する核酸分子は、SEQ ID NO:2、4、6ま たは8と実質的に同じアミノ酸配列をコードする。もう一つの態様では、参照ヌ クレオチド配列と「実質的に同じヌクレオチド配列」を有するDNAは、参照ヌ クレオチド配列に対して少なくとも60%の相同性を有する。参照ヌクレオチド 配列に対して少なくとも70%、更に好ましくは80%、これより更に好ましく は90%の相同性を有するDNAが好ましい。 前記レセプターをコードする他のDNAは、配列ID 番号1、3、5、また は7に記載されているものと実質的に同じ隣接ヌクレオチド配列、または承認番 号75474でATCCに寄託されたクローンhctCRFRのCRF−RA1 をコードする部分を有するものである。 本発明のCRF−Rsをコードする「遺伝子」(すなわち、ゲノムDNA)は 、典型的には少なくとも2個のイントロンを含む。したがって、本発明のCRF −Rsをコードする代替のスプライシングされた変種cDNA配列が本発明で考 えられる(例えば、CRF−RA2)。例えば、SEQ ID NO:3には、 SEQ ID NO:1に記載されているCRF−RA1をコードするcDNA のヌクレオチド位置516〜517の間に挿入されている87bpのcDNAス プライス変種インサート配列が記載されている(これによりCRF−RA2を産 生する)。 本発明で用いられる「スプライス変種」または「代替のスプライシングされた 」という用語は、本発明のレセプターをコードする特定のヌクレオチド配列を記 載するのに用いられるときには、周知の真核性RNAスプライシング法から生じ るcDNA配列を表わす。RNAスプライシング法は、イントロンの除去および 真核性の一時RNA転写物からのエキソンの結合により、細胞質の成熟したRN A分子の生成を含んでいる。 スプライス変種ヌクレオチド配列の単離法は、当該技術分野で周知である。例 えば、当業者であれば、SEQ ID NO:1、3、5または7のCRF−R コードcDNAから誘導されるヌクレオチドプローブを用いて、例に記載のクッ シング腫瘍cDNAライブラリーまたはCRF−Rを発現すると考えられている 細胞、例えば脳、脳下垂体、免疫、生殖腺、副腎、胎盤、副腎皮質などから誘導 される他のcDNAライブラリーをスクリーニングすることができる。 好ましい態様では、本明細書に開示されているcDNAコードCRF−Rは、 SEQ ID NO:1のヌクレオチド82〜1329、SEQ ID NO: 1のヌクレオチド516〜517の間にSEQ ID NO:3のヌクレオチド 1〜87を挿入して含むSEQ ID NO:1のヌクレオチド82〜1329 、SEQ ID NO:5、またはSEQ ID NO:7と実質的に同じヌク レオチド配列を有する。CRF−Rをコードする本発明による最も好ましいcD NA分子は、SEQ ID NO:1のヌクレオチド82〜1329、SEQ ID NO:1のヌクレオチド516〜517の間にSEQ ID NO:3の ヌクレオチド1〜87を挿入して含むSEQ ID NO:1のヌクレオチド8 2〜1329、SEQ ID NO:5、またはSEQ ID NO:7と同じ ヌクレオチド配列を有する。 本発明のもう一つの態様によれば、CRF−Rをコードする単離され精製され た核酸は、 (a)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:8に記載のアミノ酸配列をコードするDNA、またはSEQ I D NO:2のアミノ酸は145〜146の間にSEQ ID NO:4に記載 のアミノ酸配列を挿入して含むSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列を コードするDNA、または (b)軽度の緊縮条件下で(a)のDNAにハイブリダイゼーションする DNAであって、このDNAが生物学的に活性なCRF−Rをコードするもの、 または (c)前記の(a)または(b)に対して縮重したDNAであって、この DNAが生物学的に活性なCRF−Rをコードするもの から選択することができる。 ハイブリダイゼーションは、染色体DNAに天然に存在する結合と類似してい る水素結合によって核酸の相補性鎖(すなわち、センス:アンチセンス鎖または プローブ:標的−DNA)を互いに結合することを表わす。所定のプローブを標 的DNAとハイブリダイゼーションするのに用いられる緊縮濃度は、当業者によ って容易に変化させることができる。 本明細書で用いられる、「軽度に緊縮した」ハイブリダイゼーションという用 語は、標的DNAに対する相同性が約60%、好ましくは約75%、更に好まし くは約85%の相補性核酸を標的DNAに結合させる条件を表わし、標的DNA に対する相同性が約90%を上回るのが特に好ましい。好ましくは、軽度に緊縮 した条件は、42℃で50%ホルムアミド、5Xデンハート溶液、5X SSP E、0.2%SDS中でハイブリダイゼーションした後、65℃で0.2X S SPE、0.2%SDSでの洗浄と同等な条件である。デンハート溶液およびS SPE(例えば、Sambrookら、「分子クローニング、実験の手引き(Molecular Cloning,A Laboratory Manual)」、Cold Spring Harbor Laboratory Press,1 989を参照されたい)は、他の好適なハイブリダイゼーション緩衝剤と同様に、 当業者には周知である。 「官能性」または「生物学的に活性な」という用語は、本発明のレセプタータ ンパク質の改質剤として本発明で用いられるときには、本明細書に記載のCRF −Rのいずれかによって示される官能特性の一つ、例えば抗原性を生成すること ができるポリペプチドを表わす。もう一つの態様では、前記レセプタータンパク 質に対するCRF様リガンド(例えば、CRF類似体、ウロテンシン、サウバジ ンなど)の結合によりG−タンパク質とのレセプター相互作用が改質され、この タンパク質が次に細胞内の第二のメッセンジャー、好ましくはcAMPの濃度に 影響を与え、様々な生理学的効果を生じるのである。換言すれば、「官能性」と は、レセプタータンパク質の作動薬の活性化の結果としてシグナルが形質導入さ れることを意味している。 本明細書で用いられる「縮重」という用語は、少なくとも1個のヌクレオチド が参照核酸、例えばSEQ ID NO:1と異なるが、参照核酸と同じアミノ 酸をコードするコドンを表わす。例えば、トリプレット「UCU」、「UCC」 、「UCA」および「UCG」によって表わされるコドンは、これらのコドンの 4 個総てがアミノ酸セリンをコードするので互いに縮重している。 本発明の核酸は、当該技術分野で周知の様々な方法、例えばSEQ ID N O:1、3、5および7の各種の領域からのオリゴヌクレオチドプライマーなど によるPCR増幅を用いる例1および5に記載の方法によって産生することがで きる。 本発明のレセプターをコードする核酸を単離し、クローニングするのに用いら れる一つの方法は、哺乳動物細胞中で、例えばCOSM6細胞などの好適な宿主 細胞でCRF(例えば、脳下垂体細胞、胎盤細胞、線維芽細胞など)に応答する と考えられる任意の細胞種類から作成されるcDNAライブラリーを発現するこ とを含んでいる。次に、生成する哺乳動物細胞が、標識されたレセプターリガン ド(すなわち、標識されたCRF類似体)を結合する能力を測定する。最後に、 所望なcDNAインサートを、哺乳動物細胞で発現したとき、標識したレセプタ ーリガンドを前記細胞に結合を誘導(または増大)する特定のcDNAの能力に 基づいて、回収する。 あるいは、DNAライブラリーを、目的とするタンパク質に対して生じた抗体 による免疫学的発現法を用いて、スクリーニングすることができる。目的とする タンパク質に対して生じた抗体による発現ライブラリーのスクリーニングは、単 独でまたはハイブリダイゼーション・プロービングと組み合わせて用いて、DN Aライブラリークローンにおける探索後の(sought-after)DNA配列の存在を 同定または確認することもできる。このような手法は、例えばManiatisら、Cold Spring Harbor Laboratory Manual、Cold Spring Harbor、ニューヨーク(19 82年)(以後、CSHと表わす)に教示されている。 本発明のもう一つの態様によれば、任意に標識されたレセプターをコードする cDNAまたはそのフラグメントを用いて、CRFレセプター群の新規な哺乳動 物のメンバーをコードする追加のヌクレオチド配列についてライブラリー(例え ば、cDNA、ゲノムなど)をプローブすることができる。このようなスクリー ニングは、最初は温度が約42.5℃未満、ホルムアミド濃度が約50%未満、 および中〜低塩濃度の低緊縮条件下で行われる。本発明の好ましいスクリーニン グ条件は、温度が約42.5℃、ホルムアミド濃度が約20%、塩濃度が約5× 標準生理食塩水クエン酸塩(standard saline citrate)(SSC;20×SS Cは、3M塩化ナトリウム、0.3Mクエン酸ナトリウムを含み、pH7.5で ある)である。このような条件によって、プローブ配列と実質的な程度の相似性 を有する配列が同定され、安定なハイブリッドの同定に対する完全な相同性を必 要としない。「実質的な相似性」という用語は、少なくとも50%の相同性を有 する配列を表わす。好ましくは、このプローブと少なくとも70%の相同性を有 する配列を同定することができ、このプローブとの相同性の程度が低い配列は区 別するハイブリダイゼーション条件が選択される。 本発明で用いられる核酸「プローブ」は、一本鎖DNAまたはRNA、または その類似体であり、SEQ ID NO:1、3、5または7のいずれかに記載 の任意の14以上の隣接塩基またはクローンhctCRFRのCRF−RA1コ ード部分と同じ(または相補性の)少なくとも14、好ましくは少なくとも20 、更に好ましくは少なくとも50の隣接塩基を含むヌクレオチドの配列を有する 。プローブを構築するのに好ましい領域としては、5′および/または3′コー ド配列、トランスメンブランドメインをコードすると思われるハイブリッド、細 胞質ループをコードすると思われる配列、シグナル配列、リガンド結合部位など が挙げられる。本発明のCRF−Rをコードする全cDNA分子を、プローブと して用いることもできる。プローブは、以下に記載するように、当該技術分野で 周知の方法によって標識して、各種の診断キットで用いることができる。 本発明の更にもう一つの態様によれば、前記の核酸配列を好適な宿主細胞で発 現することにより本発明のレセプターを組換え産生する方法が提供される。前記 ヌクレオチド配列をベクター中に組み込み、更に操作することができる。本発明 で用いられるベクター(またはプラスミド)は、細胞に異種DNA(例えば、S EQ ID NO:1、3、5または7)を導入して、それを発現または複製す るのに用いる別個な要素を表わす。このようなビヒクルの選択および使用は、当 業者の技術に含まれる。 発現ベクターは、このようなDNAフラグメントの発現を調節することができ る制御配列(例えばプロモーター領域)と操作結合しているDNAを発現させる ことができる要素を含む。したがって、発現ベクターは、組換えDNAまたはR NA構築物、例えばプラスミド、ファージ、組換えウイルス、または適当な宿主 細胞に導入したとき、クローニングしたDNAを発現する他のベクターを表わす 。適当な発現ベクターは当業者には周知であり、真核細胞および/または原核細 胞中で複製できるもの、およびエピソーム性のままであるもの、または宿主細胞 のゲノムに同化するものが挙げられる。真核宿主細胞、特に哺乳動物細胞で本発 明のCRF−Rの発現を行うための本発明の好ましいプラスミドとしては、サイ トメガロウイルス(CMV)プロモーター含有ベクター、SV40プロモーター 含有ベクター、MMTV LTRプロモーター含有ベクターなどが挙げられる。 本明細書で用いられるプロモーター領域は、操作結合するDNAの転写を制御 するDNAのセグメントを表わす。プロモーター領域は、RNAポリメラーゼの 認識、結合および転写開始に十分な特異的配列を包含する。このプロモーター領 域の部分は、プロモーターとして表わされる。また、このプロモーター領域は、 このRNAポリメラーゼの認識、結合および転写開始を調節する配列を含む。こ れらの配列はシス作用性であってもよく、またはトランス作用性因子に関与する こともできる。プロモーターは、制御の性質によっては、構造性であってもよく 、または調整することもできる。本発明の実施において使用が考えられるプロモ ーターの例としては、SV40初期プロモーター、サイトメガロウイルス(CM V)プロモーター、マウス乳房腫瘍ウイルス(MMTV)ステロイド誘発性プロ モーター、Moloneyネズミ白血病ウイルス(MMLV)プロモーターなど が挙げられる。 本明細書で用いられる「操作結合した」という用語は、DNAと、ヌクレオチ ドの制御およびエフェクター配列、例えばプロモーター、エンハンサー、転写お よび翻訳停止部位および他のシグナル配列との機能的関連性を表わす。例えば、 DNAのプロモーターに対する操作結合は、DNAとプロモーターとの物理的お よび機能的関連性であって、このようなDNAの転写が、DNAを特異的に認識 し、結合し且つ転写するRNAポリメラーゼによってプロモーターから開始され るようにすることを表わす。発現および/またはイン・ビトロでの転写を最適に するには、クローンの5′未翻訳部分を除去し、加えまたは変更して、余分な、 可能性のある、不適切な代替の翻訳開始(すなわち、出発)コドンまたは転写ま たは翻訳の水準のいずれでも発現を干渉しまたは減少させることがある他の配列 を除くことが必要なことがある。あるいは、コンセンサスリボソーム結合部位( 例えば、Kozak(1991)J.Biol.Chem.,266:19867-19870を参照されたい)を 出発コドンの5′に隣接して挿入することができ、発現を増大させることができ る。このような改質の望ましいこと(または必要性)は、経験的に決定すること ができる。 本明細書で用いられる発現とは、ポリ核酸をmRNAに転写して、ペプチド、 ポリペプチドまたはタンパク質に翻訳する過程を表わす。ポリ核酸がゲノムDN Aから誘導されると、適当な真核宿主細胞または生物が選択されるならば、発現 はmRNAのスプライシングを含むことがある。 原核性形質転換ベクターは当該技術分野で周知であり、pBlueskrip tおよびファージLambdaZAPベクター(Stratogene,LaJolla,カリフ ォルニア)などが挙げられる。E.coli細胞の形質転換に好適な他のベクターと しては、pET発現ベクター(Novagen、米国特許第4,952,496号明細 書を参照されたい)、例えばpET11aであって、T7プロモーター、T7タ ーミネーター、誘導性E.coli 1acオペレーター、および1acリプレッサー 遺伝子を含むもの、およびpET12a−cであって、T7プロモーター、T7 ターミネーター、およびE.coli ompT分泌シグナルを含むものが挙げられる 。もう一つの好適なベクターはpIN−IIIompA2(Duffaudら、Meth.i n Enzymology,153:492-507,1987を参照されたい)であって、1ppプロモー ター、1acUV5プロモーターオペレーター、ompA分泌シグナルおよび1 acリプレッサー遺伝子を含むものである。 哺乳動物細胞のトランスフェクションに特に好ましいベースベクターは、サイ トメガロウイルス(CMV)プロモーターを基剤とするベクター、例えばpcD NA1(Invitrogen,San Diego,カリフォルニア)、MMTVプロモーターを基 剤とするベクター、例えばpMAMNeo(Clontech,Palo Alto,カリフォルニ ア)、およびpMSG(カタログ番号27−4506−01、Pharmacia,Pisca taway,ニュージャージー)、およびSV40プロモーターを基剤とするベクタ ー、例えばpSVβ(Clontech,Palo Alto,カリフォルニア)などである。 広汎な種類の生物の使用が、タンパク質またはその生物学的に活性なフラグメ ントの組換え産生のために記載されている。当該技術分野の技術の一つによれば 、本発明のペプチドの組換え産生に用いるのに好適な宿主(および発現条件)を 容易に決定することができる。酵母宿主、細菌宿主、哺乳動物宿主などを、用い ることができる。 本発明のもう一つの態様によれば、本発明の核酸分子(すなわち、DNAまた はmRNA)を含む「組換え細胞」(例えば、SEQ ID NO:1、3、5 または7)が提供される。好適な宿主細胞を形質転換する方法並びに異種タンパ ク質をコードする遺伝子を含む前記細胞を培養するのに適用可能な方法は、当該 技術分野で一般に知られている。例えば、Sambrookら、「分子クローニング:実 験室の手引き(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」(第2版)、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,ニューヨーク、米国 (1989年)を参照されたい。 形質転換の方法の例としては、例えばプラスミド、ウイルスまたは細菌性ファ ージベクターを用いる形質転換、トランスフェクション、エレクトロポレーショ ン、リポフェクションなどが挙げられる。異種核酸は、場合によっては、その染 色体外で保持できる配列を含むことができ、またはこの異種核酸は(宿主におい て安定に保持できるもう一つの手段として)宿主のゲノムに同化させることがで きる。 本発明の実施に使用が考えられる宿主生物としては、異種タンパク質の組換え 生産が行われた生物が挙げられる。このような宿主生物の例としては、細菌(例 えば、E.coli)、酵母(例えば、Saccharomyces cerevisiae,Candida ropical is,Hanseula polymorphaおよびP.pastoris、例えば、米国特許第4,882, 279号、第4,837,148号、第4,929,555号および第4,85 5,231号明細書を参照されたい)、哺乳動物細胞(例えば、HEK293、 CHO、CV−1、およびLtk細胞)、昆虫細胞などが挙げられる。 本発明は、流体または組織試料中にCRF−Rタンパク質、CRF−Rポリペ プチドフラグメントまたは類似体、またはCRFペプチドの存在について分析す るための、好ましくはキットの形態での診断系も提供する。好適な診断系には、 少なくとも1回の分析に十分な量で、CRF−Rタンパク質(またはそのポリペ プチドフラグメント)および/または別個に包装された免疫化学的試薬としての 被験抗体を含んでいる。包装された試薬の使用についての使用説明書も、典型的 には含まれる。 「使用についての使用説明書」は、典型的には、試薬濃度、または少なくとも 1回の分析法パラメーター、例えば混合する試薬と試料との相対量、試薬/試料 混合物の保持時間、温度、緩衝条件などを記載している具体的な表現を含む。 一つの態様では、血液、血漿または血清のような脈管流体試料または組織試料 中のCRF−Rの存在または量について分析を行うための診断系は、本発明の少 なくとも1個のCRF−Rタンパク質またはそのポリペプチドフラグメントを含 むパッケージを含んでいる。また、少なくとも1個のCRF−R(またはそのポ リペプチドフラグメント)を含む診断系を用いて、脈管流体試料中に存在するC RFペプチドの濃度を検出しまたは細胞内G−タンパク質の存在を検出すること ができる。 もう一つの態様では、試料中のCRF−Rまたはそのフラグメントまたは類似 体の存在または量を分析するための本発明の診断系としては、本発明の抗−CR F−R抗体組成物が挙げられる。 更にもう一つの態様では、試料中におけるCRF−RまたはCRF−Rポリペ プチドの存在または量を分析するための本発明の診断系は、少なくとも1種のC RF−R(またはそのポリペプチドフラグメント)および本発明の抗−CRF− R抗体組成物を含んでいる。 好ましい態様では、本発明の診断系は、核酸プローブ、タンパク質ポリペプチ ド、または本発明の抗体分子を含む複合体の形成を表示することができる標識ま たは指示手段も包含する。 また、本明細書に記載の抗−CRF−R抗体を用いる、CRF−Rの存在につ いて哺乳動物組織試料の死後診断を行うための免疫組織化学診断系も、考えられ る。このような診断系についての詳細については、例えばPotterら、PNAS,89: 4192-4296(1992)を参照されたい。この文献は参照により本明細書に取込まれ るものである。 本明細書で用いられる「複合体」という用語は、抗体:抗原、レセプター:リ ガンド、タンパク質:タンパク質、または核酸プローブ:核酸標的反応のような 特異的結合反応の生成物を表わす。複合体の例は、免疫反応生成物およびCRF :CRF−R複合体である。 本明細書で用いられる様々な文法上の形態での「標識」および「指示手段」と いう用語は、検出可能な信号の生成に直接または間接に関与する単一原子および 分子を表わす。任意の標識または指示手段は、核酸プローブ、発現したタンパク 質、ポリペプチドフラグメント、または本発明の抗体またはモノクローン性抗体 組成物の部分である抗体分子に結合または組み込むことができ、または別個に用 いることもできる。これらの原子または分子は、単独でまた他の試薬と組み合わ せて用いることができる。このような標識は、臨床診断化学においてそれ自身周 知である。 標識手段は、抗体または抗原に化学的に結合し、変性することなく、有用な免 疫蛍光トレーサーである蛍光色素(染料)を形成する蛍光標識剤であることがで きる。好適な蛍光標識剤は、フルオレセインイソシアネート(FIC)、フルオ レセインイソチオシアネート(FITC)、5−ジメチルアミン−1−ナフタレ ンスルホニルクロリド(DANSC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネ ート(TRITC)、リスアミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート (TRITC)、リスアミン、ローダミン8200スルホニルクロリド(RB− 200−SC)などの蛍光色素である。免疫蛍光分析法の説明は、DeLuca、道具 としての抗体(Antibody As a Tool) における「免疫蛍光分析(Immunofluoresc ence Analysis)」、Marchalonisら監修、John Wiley & Sons,Ltd.pp.189-23 1(1982)に見いだされ、この文献は参考として本明細書に引用したものである 。 好ましい態様では、指示基は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、グル コースオキシダーゼなどの酵素である。主要な指示基が酵素である場合には、可 視シグナルを生成するには、追加の試薬を必要とする。HRP用の追加の試薬に は、過酸化水素およびジアミノベンジジンのような酸化染料前駆体が挙げられる 。グルコースオキシダーゼと共に用いられる追加の試薬は2,2′−アジノ−ジ − (2−エチル−ベンズチアゾリン−G−スルホン酸)(ABTS)である。 もう一つの態様では、放射性元素が標識剤として用いられる。放射能標識剤の 例はガンマー線を放射する放射性元素である。124I、125I、126I、131Iおよ び51Crのようなガンマー線を放射する元素は、放射性元素指示基の一つのクラ スを表わす。特に好ましいものは、125Iである。有用な標識手段のもう一つの 群は、陽電子を放射する11C、18F、15Oおよび13Nのような元素である。この ようにして放射された陽電子は、動物体内に存在する電子とであってガンマー線 を生成する。32P、111インジウムまたは3Hのようなβ線放射体も、有用である 。 標識の基質への結合、すなわち核酸プローブ、抗体、ポリペプチドおよびタン パク質の標識は、当該技術分野で周知である。例えば、抗体分子は、培地に供給 された放射能標識されたアミノ酸を代謝により組み込むことによって標識するこ とができる。例えば、Galfreら、Meth.Enzymol.,73:3-46(1981)を参照され たい。活性化した官能基によるタンパク質の抱合またはカップリングの通常の手 段は、特に適用可能である。例えば、Aurameasら、Scand.J.Immunol.,Vol.8 ,Suppl.7:7-23(1978);Rodwellら、Biotech.,3:889-894(1984)、および 米国特許第4,493,795号明細書を参照されたい。 診断系は、好ましくは別個のパッケージとして、特異的な結合剤を含むことも できる。「特異的な結合剤」は、本発明の試薬種を選択的に結合することができ る分子、またはこのような種を含む複合体であるが、それ自身は本発明のポリペ プチドまたは抗体分子組成物ではない。特異的な結合剤の例は、第二の抗体分子 (例えば、抗−Ig抗体)、補体タンパク質またはそのフラグメント、S.aureu s タンパク質Aなどである。好ましくは、特異的な結合剤は、この種が複合体の 一部として存在するときには試薬種に結合する。 好ましい態様では、特異的結合剤を標識する。しかしながら、診断系が、標識 されてない特異的な結合剤を含むときには、この薬剤は典型的には増幅手段また は試薬として用いられる。これらの態様では、増幅手段が試薬種を含む複合体に 結合しているときには、標識した特異的結合剤は増幅手段と特異的に結合するこ とができる。 診断キットを「ELISA」法で用いて、血液、血清または血漿のような脈管 流体試料または哺乳動物の組織試料中のCRF、CRF−RまたはCRF:CR F−Rの量を検出することができる。「ELISA」とは、固相に結合した抗体 または抗原、および酵素−抗原または酵素−抗体抱合体を用いて、試料中に存在 する抗原の量を検出し、定量するエンザイム・リンクト・イムノソーベント・ア ッセイ(enzyme-linked immunosorbent assay)を表わす。ELISA法の説明 は、D.P.Sitesら著、の基礎および臨床免疫学(Basic and Clinical Immunolog y)、第4版、第22章、Lange Medical Publications、Los Altos、カリフォル ニアより刊行、1982年、および米国特許第3,654,090号、第3,8 50,752号、および第4,016,043号明細書に見いだされ、これらの 文献は総て参照により本明細書に取込まれるものである。 したがって、好ましい態様では、CRF−Rタンパク質、そのCRF−Rポリ ペプチドフラグメント、ポリクローン性抗−CRF−R抗体、またはモノクロー ン性抗−CRF−R抗体を固形マトリックスに貼付して、主題の診断系において パッケージを含む固形支持体を形成する。試薬を典型的には水性媒質からの吸着 によって固形マトリックスに貼付するが、当業者に周知のタンパク質およびポリ ペプチドに適用可能な他の貼付法を用いることもできる。 有用な固形マトリックスも、当該技術分野で周知である。このような材料は、 水不溶性であり、架橋デキストラン(Pharmacia Fine Chemicals;Piscataway、 ニュージャージーより発売)、アガロース、直径が約1μm〜約5mmのポリス チレンのビーズ(Abbott Laboratories;North Chicago,イリノイから発売)、 ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、架橋ポリアクリルアミド、ニトロセルロース− またはナイロン−基剤のウェブ、例えばシート、ストリップまたはパドル、また はマイクロタイタープレートのチューブ、プレートまたはウェル、例えばポリス チレンまたはポリ塩化ビニルから作成されたものが挙げられる。 本明細書に記載の任意の診断系の試薬種、標識した特異的結合剤、または増幅 試薬は、溶液、分散液、または実質的に乾燥した粉末、例えば凍結乾燥した形態 で提供することができる。指示手段が酵素であるときには、酵素の基質は系の別 個のパッケージで提供することもできる。前記のマイクロタイタープレートのよ うな固形支持体および1以上の緩衝剤を、この診断分析系において別個にパッケ ージした要素として含めることもできる。 診断系に関して本明細書で考えられるパッケージ材料は、診断系で通常に用い られるものである。「パッケージ」という用語はガラス、プラスチック(例えば ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート)、紙、箔などの固形マ トリックスまたは材料であって、タンパク質、ポリペプチドフラグメント、本発 明の抗体またはモノクローン性抗体のような診断試薬を固定制限内に保持するこ とができるものを表わす。したがって、例えばパッケージは、診断試薬を含むの に用いられるボトル、バイアル、プラスチックまたはプラスチック−箔積層エン ベロープ容器などであることができる。あるいは、用いられる容器はマイクログ ラム量の診断試薬を操作貼付した、すなわち検出される抗体またはポリペプチド によって免疫学的に結合することができるように連結されているマイクロタイタ ープレートウェルであることができる。 正常な個体では、CRFの水準は、脈管流体1ml当たり約1〜28pgで変 化することができる。しかしながら、妊娠の最後の3か月間は、CRF濃度は早 産時に増加する傾向があることが認められている。この増加は、妊娠により誘導 される高血圧に関連していると考えられる。CRFの濃度の変化を観察すること により、早産の可能性の予知が容易になるので、適切な処置により早産を回避す ることができる。 したがって、CRFの濃度を観察することにより、妊娠における潜在的な病理 学的問題を指示する異常な増加を早期に検出することができる。通常の高血圧は 通常より大きなCRF/「CRF−結合タンパク質」の比率によって引き起こさ れる(または伴われる)ので、CRFの濃度を観察することによって、このよう な疾患に罹患しやすい特定の患者の予知を容易にし、例えばCRF−Rタンパク 質またはそのポリペプチドフラグメントを投与することによって治療介入を行う ことができる。CRF−Rまたはそのフラグメントを投与して妊娠に関連した疾 患を治療することによって、CRF濃度を正常に戻し、胎児の正常な成長を促進 することができる。 本発明は、免疫化学的試薬として本発明のCRF−R、そのポリペプチドフラ グメント、抗−CRF−Rポリクローン性またはモノクローン性抗体を用いて、 免疫反応生成物を形成させ、この量が直接または間接的に試料のCRF−Rの量 に関係するようにして、生物学的流体または組織試料中のCRF−Rの量を測定 する各種のイムノアッセイ法に関するものである。CRF−Rまたはそのポリペ プチドフラグメントを試薬として用いて、生成物であってその量が直接または間 接的に試料中のCRFの量に関係しているものを形成して、生物学的流体試料中 のCRFペプチドの量を測定するイムノアッセイ法にも関する。 各種の周知の雑多なおよび同種のプロトコールであって、競争的または非競争 的な、溶液相または固相を用いて、本発明のアッセイ法を行うことができる。当 業者であれば、多数の周知の臨床的な診断化学的操作法であって、本発明の免疫 化学的試薬を用いて、免疫反応生成物であってその量が身体試料中に含まれてい るCRF−RまたはCRFの量に関係している生成物を形成することができる操 作法があることを理解するであろう。 一つの態様では、身体試料中のCRF−Rタンパク質またはポリペプチドフラ グメントの検出は、本明細書に開示される治療法により治療目的で投与されたC RF−Rまたはポリペプチドフラグメントの運命を観察する手段として用いられ る。 また、標識を用いることなく免疫反応生成物の形成を検出することができる免 疫学的アッセイも考慮される。このような方法は「検出手段」を用いており、こ の手段はそれ自身臨床的診断化学において周知である。検出手段の例としては、 表面の反射率の変化、光学繊維によるエバネッセント波の吸収における変化、表 面の音響波動の伝播における変化などを検出することに基づくバイオセンシング (biosensing)法が挙げられる。 本発明は、本明細書に記載の治療法を実施するのに有用な治療組成物に関する ものである。本発明の治療組成物は、活性成分として溶解または分散された本明 細書に記載のCRF−Rタンパク質、CRF−Rポリペプチドフラグメント、ま たは抗−CRF−R抗体と共に生理学的に適合する担体を含んでいる。好ましい 態様では、治療目的で哺乳動物またはヒトの患者に投与するときには、治療組成 物は免疫原性ではない。 本明細書で用いられる「薬学上許容可能な」「生理学的に適合する」という用 語およびそれらの文法的なバリエーションは、これらが組成物、担体、希釈剤お よび試薬を表わすときには、相互変化可能に用いられ、これらの材料を、悪心、 眩暈感、胃の不調などの望ましくない生理学的効果を生じることなく哺乳動物に 投与することができる。 活性成分を溶解または分散させた薬理組成物の製造は、当該技術分野では周知 である。典型的には、このような組成物は、液体溶液または懸濁液のような注射 薬として調製されるが、使用前に液体に溶解または懸濁するのに好適な固形形態 を調製することもできる。この製剤は、乳化することもできる。 活性成分は、薬学上許容可能であり且つ本明細書に記載の治療法で用いるのに 好適な量の活性成分と適合性である賦形剤と混合することができる。好適な賦形 剤は、例えば水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、並 びにそれらの任意の2個以上の組み合わせである。また、所望ならば、組成物は 、少量の補助物質、例えば湿潤または乳化剤、pH緩衝剤など、活性成分の有効 性を増大するものを含むこともできる。 本発明の治療組成物は、その中に薬学上許容可能な成分の塩を含むことができ る。薬学上許容可能で、毒性を持たない塩としては、無機酸、例えば塩酸、臭化 水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、 グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸 フマル酸、アントラニル酸、桂皮酸、ナフタレンスルホン酸、スルファニル酸な どを用いて形成される酸付加塩(ポリペプチドの遊離のアミノ基で形成した)が 挙げられる。 遊離カルボニル基で形成した塩は、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸 化アンモニウム、水酸化カリウムなど、および有機塩基、例えばモノ−、ジ−お よびトリ−アルキルおよび−アリールアミン(例えば、トリエチルアミン、ジイ ソプロピルアミン、メチルアミン、ジメチルアミンなど)、および任意に置換さ れたエタノールアミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミンなど) から誘導することもできる。 生理学的に許容可能な担体は、当該技術分野で周知である。液体担体の例は、 無菌の水性溶液であり、活性成分と水の他に材料を含まないか、または生理学的 pHにおいてリン酸ナトリウムのような緩衝剤、生理学的食塩水または両方、例 えばリン酸で緩衝した食塩水を含む。更に、水性担体は2種類以上の緩衝塩、並 びに塩化ナトリウムおよびカリウムのような塩、デキストロース、ポリエチレン グリコール、および他の溶質を含むことができる。 液体組成物は、水の他に且つ水を除外して液相を含むこともできる。追加の液 相の例には、グリセリン、綿実油のような植物油、水/油エマルジョンが挙げら れる。 前記のように、CRF−Rまたはそのポリペプチドフラグメントの投与は、脈 管流体中のCRF濃度または過剰のCRFによって引き起こされる哺乳動物の高 濃度のACTHを減少するのに有効であり、これは本発明では「CRFによって 誘導されるACTHの放出」と呼ばれる。この方法では、CRF−Rは、高コル チゾール血症、クッシング病、アルコール中毒、神経性食欲不振、および同様な 疾患に関連している高コルチゾール(すなわち、糖質コルチコイド)濃度を治療 するのに有用である。同様に、これらのCRF−Rは、CRFを生成する脳下垂 体腫瘍の治療に、特にこのような腫瘍を外科手術により除去することができるよ うになるまで患者の安定性の保持に有用であると考えられる。 CRF−Rタンパク質およびそのフラグメントは、妊娠中に起こる子かん前症 (妊娠の毒血症)のような異常の治療にも有用であり、例えばこれらは妊娠によ って誘発される合併症および増加したCRF濃度であって、過剰なACTHの放 出を生じることがあるものを軽減するのに用いることができる。また、CRF− Rタンパク質またはそのフラグメントを投与して脈管流体からのCRFを分離す ることにより、脈管流体試料中の遊離CRF(すなわち、CRF−BPに結合し ていないCRF)の濃度を減少させることが有利な患者に存在するCRF/「C RF結合タンパク質」の比率を減少させることができる。CRF結合タンパク質 (CRF−BP)は、Potterら、上記文献に記載の細胞外血清タンパク質である 。血圧を調節することによって高血圧を治療する場合には、CRF−RのIV投 与を用いることもできる。 CRFは免疫系の既知の調節剤であるので、CRF−Rタンパク質またはその フラグメントの投与は、関節炎および他の同様な疾患を局部的に治療するのに、 すなわち犯された間接に直接注射することによって治療するのに有用であること がある。CRFは、下垂体に対して多数の生物学的作用を有することが知られて おり、したがって、CRF−Rタンパク質を用いて下垂体に対するCRFの作用 を調節することができる。更に、CRFは脳において多数の生物学的作用を有す ることが周知であるため、CRF−Rタンパク質を有効に用いて、脳に対するC RFの作用を、特に食欲、生殖、成長、不安、鬱病、熱および代謝の制御、並び に血圧、心拍数、血流などの制御に関して、調節することができる。 したがって、本発明は、哺乳動物におけるCRFの作用を調節する方法におい て、本発明のCRF−Rタンパク質またはポリペプチドフラグメントを含む生理 学的に許容可能な組成物の治療上有効な量を投与することを特徴とする方法を提 供する。更に、CRFによるACTH放出の刺激は、被検体を組織特異性のCR Fをコードする構造体でトランスフェクションすることによって増大させること ができる。 もう一つの態様では、本発明は、哺乳動物における妊娠に関係した病理学的異 常を治療する方法において、本発明のCRF−Rタンパク質またはポリペプチド フラグメントを含む生理学的に許容可能な組成物の治療上有効量を投与し、この 量はCRFを分離するのに有効であり、これにより妊娠した雌のCRF/「CR F結合タンパク質」の比率を清浄範囲内にすることを特徴とする方法を提供する 。 また、前記のように、本明細書に記載の抗−CRF−R抗体を投与することは 、イン・ビボで投与すると、CRF−Rの生物学的作用を調節するのに有効であ る。例えば、本発明の抗−CRF−R抗体を前記の哺乳動物の治療法に用いて、 CRF−Rの効果を中和しまたは相殺し、遊離CRF(例えば、CRF−Rによ って結合されていないCRF)の濃度を増加させ、CRFによって誘導されるA CTH放出を減少させ、または被検体におけるACTHによって誘導される糖質 コルチコイドの濃度を減少させることができる。遊離CRFの濃度が増加すると 、CRFによって誘導されるACTH放出の濃度が増加し、これにより糖質コル チコイドの生成が増加するので、これらの治療法は、患者の脈管流体中の糖質コ ルチコイドの濃度の増加が治療上有効なある種の生理学的症状、例えば炎症また はア ジソン病などの症状を治療するのに有用である。 この目的での抗体の投与は、当該技術分野で一般に知られているラインに沿っ て且つ量で行われ、更に詳細には、タンパク質自身の投与に関して本明細書に指 示されているラインに沿って行われる。 本明細書に記載されているように、治療上有効量は、所望な効果を達成するた め、例えば、CRF、ACTHの量を減少させ、または患者のCRF/「CRF 結合タンパク質」の比率を減少させるために算出された所定の量である。必要な 用量は、特定の治療および所望な治療の期間によって変化するが、体重1kg当 たり1日当たり約10μg〜約1mgの用量が治療に用いられることが予想され る。以下に記載するように、このような化合物を、貯蔵または長期継続する形態 で投与することが特に有利なことがある。治療上有効な量は、典型的には、CR F−Rタンパク質またはそのポリペプチドフラグメントの量であって、生理学的 に許容可能な組成物で投与するときには、血漿濃度を約0.1μg/ml〜約1 00μg/ml、好ましくは約1.0μg/ml〜約50μg/ml、更に好ま しくは少なくとも約2μg/mlであり、通常は5〜10μg/mlとするのに 十分な量である。抗体は、当該技術分野での既知の実施によれば、比例した適量 で投与される。 患者、特に血漿に含まれるACTHの濃度は、日常的な臨床分析によって容易 に測定することができる。また、治療中にACTH濃度の変化を観察して、投与 したCRF−Rタンパク質またはポリペプチドフラグメントの有効性を経時的に 測定することができる。 したがって、本発明の治療法は、高い血清ACTHの症状を示すか、または血 清ACTHの存在によって医学的危機にあり、ACTHの濃度を減少させること が有利である患者において、ACTH濃度を減少させるイン・ビボの手段を提供 する。また、本発明の治療法は、高血清コルチゾールの症状を示すヒト患者にお いてACTHによって誘導されるコルチゾール濃度(例えば、糖質コルチコイド )を減少させるためのイン・ビボの手段を提供する。 同様に、患者の、特に血漿中に存在するCRFの濃度は、本明細書に提供され た診断法およびキットによって容易に決定し、CRF−R、その類似体、または 抗−CRF−R抗体を投与することによって容易に処理することができる。 したがって、本発明の治療法は、高い血清CRF/CRF−BP濃度の症状を 示す、または高い血清CRF/CRF−BP比の存在によって医学的危機にあり 、脈管流体試料中の遊離CRF(すなわち、CRF−BPに結合していないCR F)の濃度を減少させることが有利である被験者において、CRF/CRF−B P比を減少させるイン・ビボの手段を提供する。 CRF−Rタンパク質(またはその官能性フラグメント)は、医師の指示によ って投与すべきである。医薬組成物は、通常は、従来の薬学上許容可能な担体と 組み合わせてタンパク質を含む。治療には、実質的に純粋な合成CRF−Rまた はその毒性のない塩であって、薬学上許容可能な担体と組み合わせて医薬組成物 を形成するものを、好ましくはヒトを含む哺乳動物に、静脈内、皮下、筋肉内、 経皮、例えば鼻内または脳室内などで非経口投与し、経口投与は適当な担体を用 いて可能である。 本発明のCRF−Rポリペプチドを含む治療組成物は、例えば単位投与量を注 射することによって静脈内投与するのが好ましい。「単位投与量」という用語を 、本発明の治療組成物に関して用いるときには、被験者に対して単一投与物とし て好適な物理的に不連続な単位を表わし、それぞれの単位は、必要な希釈剤、す なわち担体またはビヒクルと組み合わせて所望な治療効果を生じるように計算さ れた活性材料を所定量含んでいる。 組成物は、投与処方と適合する方法および治療上有効量で投与される。投与さ れる量は、治療を受ける被験者、活性成分を利用するための被験者の免疫系の容 量、および所望な治療効果の程度によって変化する。投与される必要な活性成分 の精確な量は実施者の判断によって変化し、各個人に特有のものである。しかし ながら、全身適用に好適な投与範囲は本明細書に開示され、投与経路によって変 化する。初期投与およびブースター投与に好適な状況も変化するが、初期投与の 後に続いて注射または他の投与法によって1以上の間隔で反復投与を行う。ある いは、イン・ビボ治療に明記された範囲で血液中の濃度を保持するのに十分な連 続的な静脈内輸液が考えられる。 CRF−Rポリペプチドの有効量の投与に対する補助として、被験者の血液中 にCRF−Rポリペプチドを検出するための本発明の診断法は、投与された治療 組成物の運命を特性決定するのに有用である。 CRF−Rを単一投与から、長期間に亙って、例えば1週間から1年間、送り 込むことが望ましいこともあり、徐放、デポット(depot)または移植投与形態 を用いることができる。例えば、投与形態は、体液中の溶解度が低い化合物の薬 学上許容可能な毒性のない塩、例えば、多塩基性酸との酸付加塩、多価金属カチ オンを有する塩、または2種類の塩の組み合わせを含むことができる。比較的不 溶性の塩は、ゲルで、例えばステアリン酸アルミニウムゲルで処方することもで きる。注射用の好適な徐放性のデポット処方は、例えば米国特許第3,773, 919号明細書に記載されているように、分解が遅く毒性のないまたは抗原性の ないポリマー、例えばポリ乳酸/ポリグリコール酸ポリマーに分散されまたはカ プセル化されたCRF−Rまたはその塩を含むこともできる。これらの化合物を 処方して、シラスティック・インプラントとすることもできる。 本発明の組成物の有用性の他の例としては、本発明の核酸、レセプターおよび /または抗体を、CRFに依存する腫瘍の診断および/または治療のような部分 で用いて、脳のニューロンの生存を増大し、家畜および他の飼育動物に流産を誘 発させ、家畜および他の飼育動物に双生児妊娠を誘発させることなどができる。 本発明を、下記の非制限的例に関して更に詳細に説明する。 特に断らない限り、本発明は、例えばManiatisら、「分子クローニング:実験 室の手引き(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」、Cold Spring Harb or Laboratory Press,Cold Spring Harbor,ニューヨーク、米国(1982年 );Sambrookら、「分子クローニング:実験室の手引き(第2版)(Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2ed.))、Cold Spring Harbor Laboratory Pr ess,Cold Spring Harbor,ニューヨーク、米国(1989年);Davisら、「分 子生物学の基本的方法(Basic Methods in Molecular Biology)」、Elsevier S cience Publishing,Inc.,ニューヨーク、米国(1986年);または「酵素 学の方法:分子クローニング法入門(Methods in Enzymology:Guide to Molecu lar Cloning Techniques)」、第152巻、S.L.Bergerおよび A.R.Kimmerl監修、Academic Press Inc.,サン・ディエゴ、米国(1987年 )に記載の標準的操作法を用いて行った。 二本鎖DNAは、US Biochemicals製のSequenase試薬を用いて、ジデ オキシ鎖停止法によって配列決定した。DNA配列のデーターベースへの比較は 、FASTAプログラムを用いて行った[PearsonおよびLipman,Proc.Natl.A cad.Sci.USA,85:2444-2448(1988)]。ヨウ素化に用いたチロビン(Tyrovi ne)CRFは、Peninsulaから購入した。 例1 ヒトCRF−RをコードするcDNAの単離 ヒト下垂体のコルチコトロープアデノーマ(クッシング腫瘍)細胞からの約1 .5×106の独立なクローンのcDNAラインを哺乳動物の発現ベクターpc DNA1で構築し、単一のトランスフェクションした細胞の標識した125I−T yr−ヒツジCRFを検出可能に結合する能力に基づいて発現クローニング法[ Gearingら、EMBO J.,8,3667-3676(1989)]を用いてスクリーニングした。結 合は、チャンバー付き顕微鏡のスライドで直接トランスフェクションと結合反応 を行い、次いでスライドを写真乳剤に浸漬し、3〜4日の露光の後スライドを現 像し、これを顕微鏡下で分析することによって評価した。真正のCRF−Rより もむしろ発現したCRF結合タンパク質、CRF−BPを検出する可能性を、C RF−BPに対する親和性が低いこと以外はレセプターに対する親和性が高いこ とが知られているヒツジCRFに関連したトレーサーの選択によって最小限にし た。CRFレセプターcDNAでトランスフェクションした細胞およびその結果 結合した放射性CRFを、銀粒子で被覆した。 ポリアデニル化RNAを、ヒト下垂体のコルチコトロープアデノーマ細胞から 調製した。対応するcDNAを合成して、非パリンドローム状BstXIリンカ ーを用いてプラスミドベクタ−pcDNA1に連結し、MC1061/P3細胞 を形質転換するのに用いて、約1.5×106の一次組換体のライブラリーを得 た。未増幅cDNAライブラリーを、100mmプレート当たり約5000のク ローンで培養した。次ぎに、細胞をプレートから削り落とし、グリセリンで凍結 して、−70℃で保存した。 mini−prepDNAを、アルカリ性リーシス法を用いて5000のクロ ーンのそれぞれのプールから調製した[Maniatisら、Molecular Cloning(Cold Spring Harbor Laboratory(1982)]。mini−prepからのDNAの約1 /10(100μlの10μl)をCOSM6細胞にトランスフェクションし、 細胞を、ヨウ素化したTyrヒツジCRFと結合する能力についてスクリーニン グした。 更に具体的には、2×105のCOS細胞を、20μg/mlポリ−D−リシ ンでコーティングしたチャンバー付き顕微鏡スライド(1チャンバー−Nunc )で培養し、DMEMおよび10%ウシ胎児血清(完全媒質)中で少なくとも3 時間接着させた。細胞を、下記のようにしてDEAE−デキストラン媒介トラン スフェクションに付した。100μMのクロロキンを含む無血清ダルベッコの改 質イーグル培地(DMEM)1.5mlを、細胞に加えた。DNAを、500μ g/mlのDEAE−デキストランを含む200μlのDMEM/クロロキンで 沈殿させた後、細胞に加えた。細胞を37℃で4時間インキュベーションした後 、培地を除き、細胞を10%DMSO/HEPES緩衝食塩水で2分間処理した 。10%DMSOを除去し、新鮮な完全培地を加え、細胞を2日後に結合につい て分析した。 前記のようにして調製したトランスフェクションした細胞を、0.1%オボア ルブミンを含むHEPES緩衝食塩水(HDB)で2回洗浄した後、22℃で0 .7mlHDB、106cpm125I−Tyr−ヒツジCRF(約1ng、300 pM)を含む0.1%オボアルブミン中で90分間インキュベーションした。次 ぎに、細胞を冷HDB、0.1%オボアルブミンで3回、冷HDBで2回洗浄し た後、2.5%グルタルアルデヒド/HDB中で22℃で15分間固定し、HD Bで2回洗浄した。次ぎに、チャンバーをスライドからはぎ取り、スライドを9 5%エタノールで脱水し、真空乾燥し、NTB2写真乳剤(Kodak)に浸漬し、 暗所にて4℃で3〜4日間露出した。乳剤の現像の後、スライドを95%エタノ ールで脱水し、エオシンで染色し、DPXマウンタント(mountant)(Electron Microscopy Sciences)でカバーグラスを乗せた。スライドをLeitz顕微鏡を用 いて暗視野照明下で分析した。 陽性プールを連続的に再分割したところ、COSM6細胞膜に存在するときに は高アフィニティCRF結合(Kd=3.3±0.45nM)を示す単一クロー ンを生じた。CRFレセプターをコードする配列を含むクローンは、本明細書で は「hctCRFR」と表わされ、承認番号75474でATCCに寄託されて おり、これによってコードされたレセプターは本明細書ではhCRF−RA1と 表わされる。 ファージλZzpIIライブラリーも、NotI/EcoRIアダプターを用 いて、前記と同じヒトクッシング腫瘍cDNAから合成した。クローン「hct CRFR」のCRF−Rコード領域における1.2kbのPstIフラグメント を用いて、標準的方法により高緊縮でのλZapIIライブラリーをスクリーニ ングした。同定された3個の陽性クローンのうち、2個は配列決定され、イント ロンのない完全な長さのCRF−RcDNAを含むことが見いだされた。これら のクローンは標識された「CRF−R1」(本明細書ではhCRF−RA1とも 表わされる)および「CRF−R2」(本明細書ではhCRF−RA2とも表わ される)であり、その部分はSEQ ID NO:1およびSEQ ID NO 3にそれぞれ記載されている。クローンCRF−R1(すなわち、hCRF−R A1)は2584bpのインサートを、415アミノ酸CRF−Rタンパク質を コードする1245bpのオープンリーディングフレームと共に含む。クローン CRF−R2(本明細書ではhCRF−RA2とも表わされる)は、CRF−R 1(すなわち、hCRF−RA1)の二者択一的にスプライシンク化た変種配列 であり、SEQ ID NO:2のアミノ酸145〜146の間に挿入されたS EQ ID NO:4に記載されている29アミノ酸を有する。 例2 CRFレセプタ−mRNAの発現 標識したCRFを各種の凍結した組織断面に結合するための周知のオートラジ オグラフィ法を用いて、天然のCRFレセプターを検出し、実験動物およびヒト での下垂体および各種の脳領域においてダイナミックに変化することが示され、 これはアルツハイマー病および重篤な鬱病などの病的症状で変化する。更に、レ セプターは、副腎、卵巣、胎盤、消化管、および赤脾髄のような器官の抹消部、 脾臓のマクロファージ濃度の高い部分、およびこれらの組織内でCRFの作用に 相当すると推定される炎症の部位に検出されている。 ノーザンブロット分析は変性ホルムアルデヒドアガロースゲル上で(ラット脳 、ラット下垂体、ラット心臓、およびマウスAtT20コルチコトロピン細胞か ら誘導される)ポリ(A)+−RNAをサイズ分画し、標準的方法を用いてRN Aをニトロセルロース紙に移すことによって行った。ニトロセルロース紙ブロッ トは、QuikHyb(商標)ハイブリダイゼーション溶液(Stratagene,La J olla,カリフォルニア)および100μg/mlサケ精子DNA中で68℃で1 5分間予備ハイブリダイゼーションを行った。次に、このブロットを68℃の同 じ溶液で30分間ハイブリダイゼーションして、CRF−R1(すなわち、hC RF−RA1)のcDNA領域の大半を含む「hctCRFR」から誘導され無 作為に感作した(Amersham,ARLINGTON Heights,イリノイ)1.3KbのPSt IcDNAフラグメントとした。このブロットを、21℃で2X SSPEおよ び0.15%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で2回15分間洗浄した。次に 、このブロットを、0.2X SSPEおよび0.1%SDSで60℃で2回3 0分間洗浄した。ニトロセルラーゼ紙ブロットのオートラジオグラムを、標準的 方法を用いて現像した。 ノーザンブロット分析の結果から、ラット脳、ラット下垂体、およびマウスAt T20コルチコトロピン細胞には2.7KbのCRF−RmRNA転写物が存在 することが明らかになった。CRF−R mRNAは、心臓組織試料では検出さ れなかった。 例3 COOSM6細胞で一時的に発現したhctCRFRの薬理学的特徴 約106のCOSM6細胞を、DEAE−デキストラン法でhctCRFRま たはrGnRHR(ラットゴナドトロピン放出ホルモンレセプター)を用いてト ランスフェクションし、150mmの組織培養皿で成長させた。トランスフェク ションから2日後、細胞を1mlHDBで2回洗浄し、HDB中0.5mM E DTAで室温にて15分間インキュベーションすることによって脱離した。ペレ ット化した後、細胞をHDBで2回洗浄し、次に5%スクロース(16ml/1 50mm皿)でホモゲナイズした。ホモゲネートを600×gで5分間遠心分離 し、生成する上清を40,000×gで20分間遠心分離した。生成するペレッ ト(粗製膜を含む)を10%スクロースに1〜4mg/mlで再懸濁し、競争的 ラジオレセプターアッセイで用いてPerrinら、Endoc.,118:1171(1986)に記載 の方法でCRF−Rに対する結合を測定した。 膜ホモゲネート(10〜24μg)を、室温で90分間、100,000cp mの125I−(Nle21,Tyr32)−ヒツジCRF(1μgのCRFをクロラ ミンT酸化によってヨウ素化し、比活性を2,000Ci/ミリモルとし、ヨウ 素化したCRFをHPLCによって精製した)および高濃度の未標識のラット/ ヒト(r/h)CRFと共にインキュベーションした。ヨウ素化したCRFおよ び未標識のr/hCRFを両方とも希釈し、20mM HEPES、0.1%B SA、10スクロース、2mM EGTA中で最終容積200μl中で最終pH 7.5とし、MgSO4を最終濃度10mMまで含むようにした。反応を、1% BSA、10mM HEPES、pH7.5であらかじめ湿潤化したGF/C( Whatman)フィルターを通して濾過することによって停止した。フィルターを、 1mlの0.1%BSA、50mMトリス、pH7.5で4回洗浄した。CRF −R:125I−(Nle21,Tyr32)−ヒツジCRF複合体の存在を示すフィル ターに結合した放射能を、γ−シンチレーションカウンターによって測定した。 未標識のヒト/ラットCRF(r/hCRF)による125I−(Nle21,T yr32)−ヒツジCRFの置換についての分析結果を、図1に示す。この結果は 、天然のr/hCRFがhctCRFRでトランスフェクションした細胞から用 量依存的に標識したヒツジCRFを置換することができるが、rGnRHRでト ランスフェクションした細胞から置換できないことを示している。これは、hc tCRFRクローンが、生理学的に関連したCRF−レセプター(すなわち、C RF−RA1)の薬理学的特異性を示すレセプターをコードすることを示してい る。 例4 細胞内cAMP濃度のCRF−Rが介在した刺激の分析法 CRF−Rの多重シグナル経路への結合の可能性を測定するため、CRF−R 発現COSM6細胞中でのcAMP形成を刺激するCRF−Rの能力を検討した 。 cAMP濃度の変化がCAMPホスホジエステラーゼの変更によって影響を受け ないことを確実にするため、ホスホジエステラーゼ阻害剤3−イソブチル−1− メチルキサンチン(IBMX)を培地に加えた。150mmの皿でctCRFR またはrGnRHRを用いてトランスフェクションした後COSM6細胞を24 時間トリプシン化し、24穴プレート(Costar)で再培養し、10%FCS、D MEMで更に24時間レセプターを発現させた。 刺激の当日には、0.1mM IBMXまたは培地で30分間予備インキュベ ーションする前に、少なくとも2時間培地を0.1%FCS、DMEMに変更し た。試験リガンド(すなわち、r/hCRF、サウバジン、サケカルシトニン、 バソアクティブ・インテスティナル・ペプチド(VIP)、成長ホルモン放出因 子(GRF)を0.1%BSA、0.1%FCS、DMEMに加え、刺激を37 ℃、7.5%CO2で30分間行った。培地を除去し、細胞を1mlk氷冷した 95%EtOH−0.1M HClで−20℃で一晩抽出した。サイクリックA MP(cAMP)濃度を、製造業者のプロトコールにしたがってRIAキット( Biomedical Technologies,Stoughton,マサチューセッツ)によって3個のウェ ルから2回ずつ測定した。 結果を、図2A、2Bおよび2Cに示す。図2Aおよび2Bは、クローニング したhctCRFRでトランスフェクションしたCOSM6細胞はCRFに応答 し、細胞内cAMPは基礎cAMP濃度に較べて約10〜20倍増加していた。 数種類の無関係なペプチドは、レセプターでトランスフェクションした細胞中の サイクリックAMP濃度に影響はない。図2Cは、CRF拮抗薬、αヘリックス (9〜41)CRF、は、r/hCRFによってサイクリックAMPの誘導を遮 断することを示している。 例5 ラットCRF−RをコードするcDNAの単離 成熟したSpraque-Dawleyラットの全脳のポリ(A)+−RNAを用いて、cD NAライブラリーの合成を行った。二本鎖cDNAをEcoRI−Notlアダ プター(Pharmacia/LKB)に連結し、2キロ塩基対(kb)を上回るcDNAを 、λZAPIIベクター(Stratagene,La Jolla,カリフォルニア)に連結した 。 ライブラリーを一回増幅し、約7×105のクローンを、標準的方法を用いてC RF−R1(例えば、CRF−RA1)の1.2kbのPStIフラグメントで ハイブリダイゼーションすることによってスクリーニングした。同定した陽性ク ローンの一つを配列決定したところ、完全な長さのCRF−RcDNAを含んで いることが判った。陽性クローンは、標識したラット脳CRF−R(rbCRF −RA)であり、約2500塩基対(bp)のインサートを、415アミノ酸C RF−Rタンパク質をコードする1245bpのオープン・リーディング・フレ ームと共に含む。cDNAおよび「rbCRF−RA」に相当するアミノ酸配列 は、それぞれSEQ ID NO:5および6に記載する。 例6 マウスCRF−RBをコードするゲノムDNAの単離 マウスファージのゲノムライブラリー(Stratagene製、La Jolla,カリフォル ニア)の約7×106のクローンを、標準的方法を用いて、ラットCRF−RA (SEQ ID NO:5を参照されたい)のヌクレオチド204〜1402を 含んでなるプローブでハイブリダイゼーションすることによってスクリーニング した。したがって、ハイブリダイゼーションは、5×SSPE、5×デンハート 溶液、および0.5%SDS中で、60℃で16時間行った。フィルターを2× SSC、0.1%SDSで室温で2回洗浄した後、2×SSC、0.1%SDS で60℃で2回洗浄した。 同定した陽性クローンの一つを配列決定したところ、CRF−RBのトランス メンブランドメイン3〜4日ら誘導される部分CRF−RB配列をコードするオ ープン・リーディング・フレームを含むことが判った。陽性クローンは、標識し たマウスCRF−RB(mCRF−RB)であり、約450ヌクレオチドのイン トロンによって中断されている2個のエキソンを含む。2個のエキソンは組み合 って、新規なCRF−RBタンパク質の70アミノ酸部分をコードする210塩 基対(bp)のオープンリーディングフレームを生成する。cDNAおよび「m CRF−RB」に相当するアミノ酸配列は、それぞれ、SEQ ID NO:7 および8に記載されている。 本発明を好ましい態様に関して詳細に記載してきたが、改質および変更は、記 載され、請求されている精神および範囲内にあることが理解されるであろう。 配列の要約 配列ID No.1は、本発明のヒトから誘導されるCRFレセプターをコー ドするcDNAの核酸配列(および推定のアミノ酸配列)である。 配列ID No.2は、配列ID No.1に記載のヒトから誘導されるCR Fレセプターの推定アミノ酸配列である。 配列ID No.3は、本発明のヒトから誘導されるCRFレセプターの29 アミノ酸インサート部分をコードするスプライス変種cDNAインサートの核酸 配列(および推定アミノ酸配列)である。このスプライス変種cDNAインサー トは、配列ID No.1のヌクレオチド516〜517の間に配置されている (これによりCRF−RA2を生成する)。 配列ID No.4は配列ID No.3に記載のヒトから誘導されるCRF レセプタースプライス変種インサートの推定アミノ酸配列である。スプライス変 種アミノ酸インサートは、SEQ ID NO:2のアミノ酸145〜146の 間に配置されている。 配列ID No.5は、本発明のラットから誘導されるCRFレセプターのc DNAコード領域の核酸配列(および推定アミノ酸配列)である(すなわち、r CRF−RA)。 配列ID No.6は、配列ID No.5に記載のラットから誘導されるC RFレセプターの推定アミノ酸配列である。 配列ID No.7は、本発明のマウスから誘導されるCRFレセプターをコ ードする部分ゲノムクローンの2個のエキソン(介在するイントロン配列より小 さい)の核酸配列(および推定アミノ酸配列)である(すなわち、mCRF−R B)。 配列ID No.8は、配列ID No.7に記載のヒトから誘導されるCR Fレセプターの推定アミノ酸配列である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI G01N 33/566 8310−2J G01N 33/566 //(C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,JP,US (72)発明者 チェン,ルオピング アメリカ合衆国 92130 カリフォルニア 州サン ディエゴ,カミニト カーメル ランディング 3623 (72)発明者 ルイス,カシー エイ. アメリカ合衆国 92103 カリフォルニア 州サン ディエゴ,モンテシト ウエイ 1760 (72)発明者 ベイル,ウィリー ダブリュ.,ジュニア アメリカ合衆国 92037 カリフォルニア 州ラ ジョラ,バルデツ 1643 (72)発明者 ドナルドソン,シンシア ジェイ. アメリカ合衆国 92110 カリフォルニア 州サン ディエゴ,リンウッド ストリー ト 1767

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 単離された哺乳動物のGタンパク質にカップリングした副腎皮質刺激ホ ルモン放出因子(CRF)レセプタータンパク質、またはそのフラグメント。 2. CRFに対して十分な結合親和性があり、10ナノモル以下のCRFの 濃度が、前記レセプタータンパク質の結合部位の50%以上を占める、請求の範 囲第1項に記載のタンパク質。 3. SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID N O:6、SEQ ID NO:8に記載したのと実質的に同じアミノ酸配列、ま たは承認番号75474でATCCに寄託されたクローンhctCRFRのCR F−Rコード部分によってコードされるのと実質的に同じアミノ酸配列を有する 、請求の範囲第1項に記載のタンパク質。 4. 請求の範囲第1項に記載のタンパク質をコードする単離された核酸。 5. 請求の範囲第3項に記載のタンパク質をコードする単離された核酸。 6. SEQ ID NO:1のヌクレオチド82−1329、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、または承認番 号75474でATCCに寄託されたクローンhctCRFRのCRF−Rをコ ードする部分、または同じアミノ酸配列をコードするが、アミノ酸の幾つかにつ いて異なるコドンを用いるその変種、またはそのスプライス変種のヌクレオチド 配列、 と実質的に同じ隣接ヌクレオチド配列を有する、請求の範囲第4項に記載の単離 された核酸。 7. (a)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ I D NO:6、SEQ ID NO:8に記載のアミノ酸配列をコードするDN A、または (b)軽度緊縮条件下で(a)のDNAにハイブリダイゼーションするD NAであって、このDNAが生物学的活性を有するCRF−RをコードするDN A、または (c)前記(a)または(b)のいずれかに関して縮重したDNAであっ て、 このDNAが生物学的活性を有するCRF−RをコードするDNA、 から選択される、請求の範囲第1のタンパク質をコードする、単離され、精製さ れた核酸またはその機能性フラグメント。 8. SEQ ID NO:1、3、5または7に記載したのと実質的に同じ 隣接ヌクレオチド配列を有する、請求の範囲第4項に記載の単離された核酸。 9. CRFレセプターの組換え生成法において、 好適な宿主細胞で請求の範囲第4項に記載の核酸を発現させることからなる、 方法。 10. ハイブリダイゼーションプローブとして有用な単離された核酸フラグ メントにおいて、前記フラグメントが請求の範囲第4項に記載の少なくとも14 の隣接ヌクレオチドを含み、フラグメントが検出可能な置換基で標識されている 上記フラグメント。 11. 容易に検出される置換基が、放射能標識した分子、蛍光分子、酵素ま たはリガンドから選択される、請求の範囲第10項に記載の単離された核酸フラ グメント。 12. CRFレセプターをコードするクローンを同定する方法において、 低緊縮ハイブリダイゼーション条件下で請求の範囲第10項に記載の核 酸フラグメントでゲノムまたはcDNAライブラリーをスクリーニンク化、 実質的な程度のハイブリダイゼーションを示すクローンをこのフラグメ ントと同定する、 ことからなる、方法。 13. CRFレセプターに結合する化合物を測定する目的で化合物の集合を スクリーニングする方法において、結合アッセイにおいて請求の範囲第1項に記 載のレセプターを用いることからなる、方法。 14. 請求の範囲第1項に記載のレセプタータンパク質、またはそのレセプ タータンパク質の機能的に改質された形態について、試験化合物が作動薬または 拮抗薬として作用することができるかどうかを評価するバイオアッセイにおいて 、 (a)CRFレセプタータンパク質またはその機能的に改質した形態を 発現するDNAを含む細胞を培養し、 この培養をCRFレセプタータンパク質のシグナル形質導入活性を調節する能力 を探索して測定する少なくとも1個の化合物の存在下にて行った後、 (b)細胞内cAMPの濃度の増減についてこの細胞を観察することか らなる、バイオアッセイ。 15. 化合物が請求の範囲第1項に記載のレセプタータンパク質についての 作動薬またはそのレセプタータンパク質の機能的に改質された形態であるかどう かを評価するバイオアッセイにおいて、 (a)レセプタータンパク質またはこのレセプタータンパク質の機能的 に改質された形態を発現するDNA、および リポータータンパク質をコードするDNAであって、CRF−Rに関 与した転写要素に機能結合しているDNA を含む細胞を培養し、 この培養を前記レセプタータンパク質のシグナル形質導入活性を誘導する能力を 探索して測定する少なくとも1個の化合物の存在下にて行った後、 (b)前記リポータータンパク質の発現についてこの細胞を観察するこ とからなる、バイオアッセイ。 16. 化合物が請求の範囲第1項に記載のレセプタータンパク質、またはこ のレセプタータンパク質の機能的に改質した形態について拮抗薬であるかどうか を評価するバイオアッセイにおいて、 (a)前記レセプタータンパク質またはこのレセプタータンパク質の機 能的に改質した形態を発現するDNA、および リポータータンパク質をコードするDNAであって、CRF−R に関与した転写要素に機能結合しているDNA を含む細胞を培養し、 この培養を、 前記レセプタータンパク質のシグナル形質導入活性を抑制する能力を探索して 測定する少なくとも1個の化合物の増加濃度、および 前記レセプタータンパク質または前記レセプタータンパク質の機能的に改質さ れた形態に対して少なくとも1種類の作動薬の固定濃度 の存在下にて行った後、 (b)前記化合物の濃度の関数として前記リポータータンパク質の発現 の水準を前記細胞中で観察することによって、転写の活性化を抑制する前記の化 合物の能力を示すことからなる、バイオアッセイ。 17. 請求の範囲第1項に記載のタンパク質に対して生じた抗体。 18. 前記抗体がモノクローン性抗体である、請求の範囲第17項に記載の 抗体。 19. CRFレセプターによって介在されるシグナル形質導入活性を調節す る方法において、前記方法が 前記レセプターを請求の範囲第15項に記載の作動薬の有効な調節量と接触さ せる、 ことからなる、方法。 20. CRFレセプターによって介在されるシグナル形質導入活性を調節す る方法において、 前記レセプターを、請求の範囲第16項に記載の前記拮抗薬の有効な調節量と 接触させる、 ことからなる、方法。 21. CRFレセプターによって介在されるシグナル形質導入活性を調節す る方法において、前記レセプターを、請求の範囲第17項に記載の有効な調節量 と接触させる ことからなる、方法。
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