JPH104998A - 光学活性2級アルコールの製造法 - Google Patents
光学活性2級アルコールの製造法Info
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- JPH104998A JPH104998A JP16581396A JP16581396A JPH104998A JP H104998 A JPH104998 A JP H104998A JP 16581396 A JP16581396 A JP 16581396A JP 16581396 A JP16581396 A JP 16581396A JP H104998 A JPH104998 A JP H104998A
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Abstract
方法にて光学分割する光学活性2級アルコールの製造法
を見いだす。 【解決手段】 一般式(1): CH3CH(OH)-(CH2)mR (式
中、mは 2〜8 の整数、Rは水素原子または炭素数4以
下のアルキルオキシ基である。)で表されるラセミ体の
2級アルコールをCandida antarcica 菌由来リパーゼの
存在下にプロピオン酸ビニルと反応させ、R体を選択的
にプロピオン酸エステルとする不斉エステル交換反応に
より光学分割を行う事を特徴とする光学活性2級アルコ
ールの製造法。 【効果】 リパーゼの活性が高く、使用量が少なく、反
応液量が必要最低限となり、極めて経済的で生産性の高
い方法で光学活性な2級アルコールを製造できた。
Description
ルを簡便で経済的な方法にて光学分割する光学活性2級
アルコールの製造法である。本発明の光学活性2級アル
コールは、医農薬の原料もしくは液晶等の機能材料の原
料として有用な物質である。
れており公知技術である。Klibanovらにより有機溶媒中
でリパーゼ(豚膵臓由来)を用いる不斉エステル交換反
応が見いだされ(A.M. Klibanov et al. J. Am. Chem.
Soc. 1985, 106,7072-7076)、2級アルコールの光学分
割に利用されるようになった。例えば、有機溶媒を添加
せず、反応させるエステル(トリグリセリド)と2級ア
ルコールとの溶液にリパーゼ(Pseudomomas菌由来)を加
えて不斉エステル交換反応により2級アルコールを光学
分割する方法が開示されている (特開昭62-166898 号;
以後、この方法をA法と略す)。
あることから逆反応を押さえるためにトリグリセリドを
理論量の数倍用いる必要があり、必ずしも経済的な方法
ではなかった。また、特開昭62-166898 号の実施例の条
件によれば反応時間として36日を要しており、生産性に
関して問題であり更なる改良が望まれていた。因みに、
平衡反応での逆反応が無視できない条件 (反応させるエ
ステルを過剰に用いない条件)にて光学分割を行った場
合の問題点については、反応速度論に関する解析がなさ
れており、光学純度の高い製品が得られないと言われて
いる(Charles J. Sih et al. J. Am. Chem. Soc. 1987,
-109, 2812-2817) 。
衡反応であることが問題であることから反応させるエス
テルの種類としてビニルエステルを用いる方法が開発さ
れている(B. Mainllard et al. Tetrahedron Lett., 19
87, 28, 953 および GunterE. Jeromin et al. Tetrahe
dron Lett., 1991, 32, 7021)。このビニルエステルを
用いる反応では、不斉エステル交換で生成する物質が、
アセトアルデヒドであることから求核性が小さく逆反応
が起きないため不可逆反応となり平衡反応でなくなって
いる。
ett., 1991, 32, 7021(以後、この方法をB法と略す)
の条件によれば反応させるエステル量は、2級アルコー
ルに対して1倍モルであり、この量は理論量の2倍であ
ることからA法と比較した場合は、エステルの使用量が
かなり削減されている。しかし、この反応では豚膵臓由
来のリパーゼを2級アルコール 1モルに対して100g使用
しており、リパーゼ使用量の削減が望まれていた。
活性なリパーゼを選択すればよいと考えられるが、一般
に、リパーゼは、起源菌の種類によって反応性や基質特
異性(例えば、エナンチオ選択性)が異なることが知ら
れている(中村薫ら 有機化学協会誌 53巻 668, 199
5) 。従って、活性が高くてもエナンチオ選択性が小さ
いリパーゼでは、本発明の目的である2級アルコールの
光学分割を達成できない。2級アルコールの光学分割に
おいて、高活性でしかも高いエナンチオ選択性を示すリ
パーゼは、知られていなかった。
ーゼにより不斉エステル交換で光学分割する方法におい
て、より経済的に生産性の高い方法で実施するために
は、反応させるエステル量を削減する必要があり、これ
に関しては、ビニルエステルを使用するB法により、か
なり改善されている。ところが、このビニルエステル
は、不斉エステル交換以外の反応として重合が起きるこ
とが知られており、本発明者らの知見でも反応時間が長
くなると重合によりビニルエステルが減少する事が確認
された。
を理論量の2倍用いている。しかし、ビニルエステルを
過剰に用いることは、液量が多くなり生産性が下がるば
かりではなく、反応率を監視しなければ反応が進みすぎ
てしまい生成するエステルの光学純度は低下してしま
う。また、B法では、2級アルコールに対して豚肝臓由
来のリパーゼを100g/mol使用して、重合反応が少ない反
応時間で不斉エステル交換反応を完結させている。
不斉エステル交換反応を完結させれば、ビニルエステル
の使用量を削減できるはずである。しかし、リパーゼの
必要量が多い事は、次に示す2つの問題がある。 (1). リパーゼを回収する際に回収率は同じであっても
相対量としては、大きくなり不経済となる。 (2). リパーゼを回収再利用するに伴い活性低下した分
を新たに補給して同じ活性に保つ必要があるが、この場
合リパーゼの総重量は、使用回数に伴って増加する。と
ころが、生産性を上げるためにビニルエステル量を削減
した場合、反応液量が少なく、リパーゼを分散するに十
分な液量が得られなくなる。
み、本発明者らはリパーゼによる不斉エステル交換反応
により2級アルコールを光学分割する方法について鋭意
検討を重ねた。その結果、驚くべき事に、反応させるエ
ステルとしてプロピオン酸ビニルを用た場合に、Candid
a antarcica 菌由来のリパーゼは、リパーゼのグラム当
たりの反応活性が極めて高く、更にエナンチオ選択性に
関しても優れていることを見いだした。更に、少量のヒ
ドロキノンを添加することで不斉エステル交換反応を阻
害することなく重合反応を押さえることができることを
見いだし、経済的で生産性の高い2級アルコールの光学
分割方法を完成するに至った。
されるラセミ体の2級アルコールをCandida antarcica
菌由来リパーゼの存在下にプロピオン酸ビニルと反応さ
せ、R体を選択的にプロピオン酸エステルとする不斉エ
ステル交換反応により光学分割を行う事を特徴とする光
学活性2級アルコールの製造法である。 一般式(1) : CH3CH(OH)-(CH2)mR (式中、mは 2〜8 の整数、Rは水素原子または炭素数
4以下のアルキルオキシ基である。)
tarcica 菌由来のリパーゼである。このリパーゼとして
は、アクリル樹脂に固定化された固定化酵素としてノボ
ノルディスク社より市販されているもの(以下、このリ
パーゼを「固定化リパーゼ」と記す)が好適である。こ
の固定化リパーゼは、2級アルコールの光学分割能を有
する事で知られている豚膵臓リパーゼ、Pseudomomas 菌
リパーゼに比べて反応活性が極めて高く、少量であって
も高い反応速度が得られる。従って、ラセミアルコール
と必要量のプロピオン酸ビニルからなる溶液でも分散攪
拌することができ、リパーゼを分散させるために溶媒を
添加する必要がなくなった。よって、液量が少なく極め
て生産性の高い反応条件が設定可能となった。
有するプロピオン酸ビニルとラセミアルコールとからな
る混合液に、固定化リパーゼを加えて攪拌することによ
り容易に行うことができる。固定化リパーゼの量は、反
応速度と正比例関係にあることから反応時間の設定によ
り適宜選択される。因みに、25℃において20時間で反応
を完結させる条件としては、1.0g/モルが目安であり、
固定化リパーゼの使用量に対応して反応完結時間が決定
される。
パーゼの使用量は、2級アルコール対して 0.1〜10g/モ
ルの範囲が好ましい。ここで、反応完結とは、ラセミア
ルコール中のR体アルコールのほぼ全量が反応した時点
であり、ラセミアルコール基準で約50%の反応率を意味
する。また、プロピオン酸ビニルの使用量が、理論量よ
りも少ない場合(ラセミアルコールの1/2 以下の場合)
には、プロピオン酸ビニルのほぼ全量が消費された時点
を意味する。なお、固定化リパーゼの使用量の単位であ
る (g/モル) とは、ラセミアルコール 1モル当たりに使
用する固定化リパーゼの重量である。
反応中の重合を防止するためにヒドロキノンを添加して
使用するのが好適である。ヒドロキノンの添加量は、反
応時間の設定により 1〜1,000ppmの範囲で適宜選択され
る。例えば、反応時間が20時間以内では 1〜10ppm の添
加でも重合を十分に防止できる。しかし、 100時間以上
の反応時間の場合には、1,000ppmの添加が望ましい。ま
た、ヒドロキノンは 1,000ppm 以上添加することも可能
であるが、重合を防止する能力としては、差がないので
無意味である。
ラセミアルコールに対して 0.5倍モル(R体アルコール
に対して1倍モル)である。しかし、R体アルコールの
ほぼ全量を反応させる場合は、反応末期での反応速度の
低下を防止するためには 0.6倍モル程度まで使用する事
が望ましい。因みに、 0.6倍モル以上使用しても反応速
度は、向上しない。一方、生成するR体のプロピオネー
トを高い光学純度で得る場合には、反応率が低い反応時
間で反応を停止させる方法が一般的である。このような
場合には、プロピオン酸ビニルを 0.3倍モル程度用いる
ことにより、自動的に約30%の反応率(R体基準では、
60%の反応率)で反応を停止させることが可能であり、
反応率を常に監視することなく実施可能である。
純度により 0〜70℃の範囲で適宜選択する。これは、70
℃までは反応温度の上昇に伴い反応速度が増加するが、
逆にエナンチオ選択性が多少低下するためであり、例え
ば、70℃で反応を行った場合には、短時間で反応を完結
させることができるが、生成するR体のプロピオン酸エ
ステルの光学純度は、低温で反応した場合に比べて多少
低下する。通常、十分な反応速度でエナンチオ選択性の
良好な範囲として、20〜40℃で不斉エステル交換反応を
行うことが好適である。
ンチオマーを分離する方法について説明する。不斉エス
テル交換反応が終了した時点で濾過により固定化リパー
ゼを分離し、この濾液を蒸留することによりS体アルコ
ールとR体のプロピオン酸エステルが得られる。このR
体のプロピオン酸エステルは、通常のアルカリ加水分解
を行うことによりR体アルコールにすることができる。
ゼの活性が高いため使用量が少なくて済み、リパーゼを
分散するための溶媒を添加する必要がなくなった。ま
た、プロピオン酸ビニルの重合による損失がないことか
ら使用するプロピオン酸ビニルの量は、ほぼ理論量で十
分となり、経済性が向上した。更に、プロピオン酸ビニ
ルの使用量により不斉エステル交換反応の反応率を制御
することが可能となった。これらの結果、反応液量が必
要最低限となり、極めて経済的で生産性の高い方法で光
学活性な2級アルコールを製造できるようになった。
更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。 実施例1: 光学活性sec-ヘキサノールの製造 (1) 不斉エステル交換反応。 ラセミ体のsec-ヘキサノール 1,022g(10mol)に、プロピ
オン酸ビニル 601g(6mol) およびヒドロキノン 0.006g
を加え、最後にリパーゼ(Novozym 435: ノボノルディス
ク社製)10g を加えて、25℃で攪拌して20時間不斉エス
テル交換反応を行った。
時点で、濾過によりリパーゼを除去し、濾液を 100mmHg
で蒸留して、沸点=85℃にてS体のsec-ヘキサノール 4
08g(収率=80%、純度=99.7%、光学純度=99.5%e
e)、沸点=106 ℃にてR体のsec-ヘキシルプロピオネ
ート 593g(収率=75%、純度=99.8%、光学純度=97.5
%ee) をそれぞれ得た(今後、この不斉エステル交換で
生成する原料アルコールに対応するプロピオン酸エステ
ルを単にプロピオネートと略し、各エナンチオマーに対
しては、それぞれR体、S体を付けて表す)。
て、S体sec-ヘキサノール/R体プロピオネート=35%
/65%からなる留分を 211g 回収した。更に、上記のR
体sec-ヘキシルプロピオネート 593g を、アルカリ加水
分解してR体sec-ヘキサノール 337g(収率=88%、純度
=99.7%、光学純度=97.3%ee)を得た。なお、生成物
の同定は、NMRスペクトルによる構造解析により市販
品と同一であることにより確認した。また、光学活性体
であることは旋光度を測定する事により確認した。光学
活性アルコールの光学純度の測定は、ピリジン/無水酢
酸によりアセテートに変換後、光学活性体分析用ガスク
ロマトグラフ(CP Cyclodex β236M) で分析して、その
ピーク面積比より求めた。
斉エステル交換反応を追跡する事により、リパーゼの活
性とエナンチオ選択性を測定することができる。以下
に、その方法を説明する。反応追跡は、反応液の一部
(約 0.2ml(ミリリットル)) を取り、無水酢酸/ピリジンを各
1ml加えて、未反応の2-ヘキサノールをアセテートに変
換して、この溶液を光学活性体分析用ガスクロマトグラ
フ(CP Cyclodex β236M) で分析した。この分析によ
り、不斉エステル交換されたR体はプロピオネートとし
て、また未反応のアルコールはアセテートとして各エナ
ンチオマーの組成が測定できた。結果を表1に示した。
トすると直線関係となり、反応速度は各エナンチオマー
の濃度に対して1次であることが判った。 一次反応式 : ln(C/Co)=−kt C:時間tにおける濃度、Co: 初期濃度、k:反応速度定
数、t:反応時間そして、傾きより R体の反応速度定
数=0.30 hr-1 S体の反応速度定数=0.0006 hr-1 が求まり、R体/S体の反応速度差で表されるエナンチ
オ選択性(E値)は、E=494 であった。この経時変化
の測定結果と1次反応速度式に従ったプロットの結果を
図1および図2に示した。
反応速度の影響。 ラセミ体のsec-ヘキサノール 10.2g(0.1mol)とプロピオ
ン酸ビニル(ヒドロキノンを1,000ppm含有)3g(0.03mo
l) の混合液にNovozym 435 を 0.1g 加えて25℃におい
て不斉エステル交換反応を行った。実施例1と同様にし
て反応の経時変化を測定した結果、R体の反応速度定数
=0.31hr-1であった。
sec-ヘキサノールに対して26%(R体基準で52%)であ
り、プロピオネートの光学純度は、99.5%eeであった。
そして、24時間反応後の反応率は、29%であり、プロピ
オネートの光学純度は、99.3%eeであった。一般に、生
成するプロピオネートを極めて高い光学純度で得る場合
には、反応率を随時監視して光学純度が下がる前に反応
を停止する必要がある。しかし、本発明の方法では、プ
ロピオン酸ビニルの量で反応率を制御することが可能で
あり、反応率を随時監視する必要がなく実施可能であっ
た。
剰の場合。 実施例2のプロピオン酸ビニルの量を10g(0.1mol)(ラセ
ミ体のsec-ヘキサノールに対して 1倍モルであり、理論
量の 2倍モル)用いた以外は、実施例2と全く同様に不
斉エステル交換反応を行い、実施例1と同様にして反応
の経時変化を測定した。R体の反応速度定数は、0.3 hr
-1であり、実施例1と変化なく、プロピオン酸ビニルを
過剰に用いても反応速度の上昇は見られなかった。従っ
て、R体アルコールのほぼ全量を反応させるに必要なプ
ロピオン酸ビニル量は、実施例1で使用した様に、ラセ
ミアルコール基準の 0.6倍モル(R体アルコール基準で
1.2倍モル)で十分であり、これ以上の使用量は無意味
であった。
度の関係。 ラセミ体のsec-ヘキサノール 10.2g(0.1mol)とプロピオ
ン酸ビニル(ヒドロキノンを1,000ppm含有)6g(0.06mo
l) の混合液に Novozym 435を表2に示す量を添加し
て、25℃において不斉エステル交換反応を行った。実施
例1と同様にして反応の経時変化を測定し、反応速度を
測定した。結果を表2に示した。表2から反応速度は、
Novozyme 435の使用量にほぼ正比例の関係にあり、Novo
zyme 435の使用量により任意の反応完結時間が設定可能
であることが分かる。
応。 実施例3におけるヒドロキノン 1,000ppm 含有のプロピ
オン酸ビニルの代わりにヒドロキノンを含まないプロピ
オン酸ビニルを 6g 用いて、実施例3と同様にして不斉
エステル交換反応を行い、同様に反応の経時変化を測定
した。20時間後の反応率=18%であり、この時点での反
応速度定数は、0.023 hr-1であった。しかし、 120時間
反応させた時点での反応率は、27%と実施例3に比べて
反応率が低いものであった。また、この時点でのプロピ
オン酸ビニルの存在量をガスクロマトグラフで分析した
ところ、初期添加の11%しか含まれておらず、不斉エス
テル交換以外に消費されていることが判った。更に、こ
の反応液をヘキサンに加えたところポリ酢酸ビニルが析
出した。従って、プロピオン酸ビニルは、重合により減
少していたことが判った。
ナンチオ選択性の違い。 ラセミ体のsec-ヘキサノール 10.2g(0.1mol)とプロピオ
ン酸ビニル(ヒドロキノンを1,000ppm含有)6g(0.06mo
l) の混合液に Novozym 435を 0.1g 加えて、表3に示
す反応温度にて不斉エステル交換反応を行った。そし
て、実施例1と同様にして反応の経時変化を測定し、反
応速度とエナンチオ選択性を求めた。各温度における結
果を表3に示した。70℃までは、反応温度が高いほど反
応速度が速くなるが、R体/S体の反応速度差で表され
るエナンチオ選択性は低下した。70℃で4時間反応させ
た時に、反応率=50%であり、光学純度は、S体=97%
ee、R体=94%eeとなった。これに対して、10℃で35時
間反応させた時の反応率は、50%と同じであるが、光学
純度は、S体=98.7%ee、R体=98.5%eeであった。
4に示す各ラセミアルコールを用いた以外は、実施例1
と同様にプロピオン酸ビニル及び Novozym 435を使用し
て不斉エステル交換反応を行った。実施例1と同様に経
時変化を測定して反応速度定数およびエナンチオ選択性
を求めた。得られた結果を表4にまとめて示した。ま
た、反応終了後、Novozym 435 を濾別し、濾液を蒸留す
ることにより対応するS体アルコールおよびR体プロピ
オネートを得た。但し、実施例6および実施例11は、反
応スケールを実施例1の1/100(0.1molスケール)で行
い、経時変化の測定のみを行った。各実施例における結
果を表4、5にまとめて示した。また、実施例12におけ
る(+)-R-7-エトキシ−2-ヘプタノールのNMRスペクト
ルを表6に示した。
応時間での各成分の組成比を示した経時変化のグラフで
ある。
変化を一次反応式に従ってプロットしたグラフであり、
直線関係にあることから反応が一次反応であることを示
している。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(1) で表されるラセミ体の2
級アルコールをCandida antarcica 菌由来リパーゼの存
在下にプロピオン酸ビニルと反応させ、R体を選択的に
プロピオン酸エステルとする不斉エステル交換反応によ
り光学分割を行う事を特徴とする光学活性2級アルコー
ルの製造法。 一般式(1) : CH3CH(OH)-(CH2)mR (式中、mは 2〜8 の整数、Rは水素原子または炭素数
4以下のアルキルオキシ基である。) - 【請求項2】 該リパーゼが、多孔性アクリル樹脂に固
定化された固定化酵素である請求項1記載の光学活性2
級アルコールの製造法。 - 【請求項3】 該リパーゼの使用量が、該一般式(1) の
ラセミ体の2級アルコール 1モルに対して 0.1〜10g/mo
l である請求項1記載の光学活性2級アルコールの製造
法。 - 【請求項4】 該プロピオン酸ビニルの使用量が、該一
般式(1) のラセミ体の2級アルコールに対して 0.3〜0.
6 倍モル(反応するエナンチオマーの 0.6〜1.2 倍モ
ル)である請求項1記載の光学活性2級アルコールの製
造法。 - 【請求項5】 該プロピオン酸ビニルが、ヒドロキノン
を 1〜1,000ppm含むものである請求項1記載の光学活性
2級アルコールの製造法。 - 【請求項6】 該不斉エステル交換反応の反応温度が、
20〜40℃である請求項1記載の光学活性2級アルコール
の製造法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP16581396A JP3874035B2 (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | 光学活性2級アルコールの製造法 |
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JPH104998A true JPH104998A (ja) | 1998-01-13 |
JP3874035B2 JP3874035B2 (ja) | 2007-01-31 |
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ID=15819493
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16581396A Expired - Fee Related JP3874035B2 (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | 光学活性2級アルコールの製造法 |
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JP (1) | JP3874035B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0893422A1 (en) * | 1997-07-18 | 1999-01-27 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Optically active alcohol and process for the production thereof |
EP0908522A1 (en) * | 1997-09-25 | 1999-04-14 | Chisso Corporation | A method for producing an optically active 2-alkanol |
JP2005520570A (ja) * | 2002-03-22 | 2005-07-14 | ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド | プロピレングリコールアルキル(又はアリール)エーテル及びエーテルアセテートの酵素分割 |
EP2270178A2 (en) | 2004-02-04 | 2011-01-05 | API Corporation | Method for producing alcohol and carboxylic acid having optical activity |
-
1996
- 1996-06-26 JP JP16581396A patent/JP3874035B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3874035B2 (ja) | 2007-01-31 |
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