JPH0576388A - パントラクトンの酵素ラセミ分割方法 - Google Patents
パントラクトンの酵素ラセミ分割方法Info
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- JPH0576388A JPH0576388A JP4230991A JP4230991A JPH0576388A JP H0576388 A JPH0576388 A JP H0576388A JP 4230991 A JP4230991 A JP 4230991A JP 4230991 A JP4230991 A JP 4230991A JP H0576388 A JPH0576388 A JP H0576388A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P17/00—Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
- C12P17/02—Oxygen as only ring hetero atoms
- C12P17/04—Oxygen as only ring hetero atoms containing a five-membered hetero ring, e.g. griseofulvin, vitamin C
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P41/00—Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture
- C12P41/003—Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture by ester formation, lactone formation or the inverse reactions
- C12P41/004—Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture by ester formation, lactone formation or the inverse reactions by esterification of alcohol- or thiol groups in the enantiomers or the inverse reaction
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 高い光学純度を有する(R)−(−)−パントラ
クトンの製造方法を提供する。 【構成】 式I (式R1はC1〜C18ハロアルキル基、(ここでハロ
ゲンは塩素、臭素、沃素または弗素)またはフェニル基
であり、該フェニル基は塩素、臭素、沃素、弗素、シア
ニド、ニトロ、カルボキシルまたは1〜4個の炭素原子
を有するアルコキシ基によって置換されていてもよく、
またR2は水素またはメチル基である)で示されるビニ
ルエステルをシュードモナスまたはブタ膵臓からのリパ
ーゼの存在下に式II で示されるラセミ体パントラクトンと反応させ、次いで
残存する光学活性(R)−(−)−パントラクトンを形成さ
れたパントラクトエステルから分離することにより成る
ラセミ体パントラクトンの酵素ラセミ分割方法。
クトンの製造方法を提供する。 【構成】 式I (式R1はC1〜C18ハロアルキル基、(ここでハロ
ゲンは塩素、臭素、沃素または弗素)またはフェニル基
であり、該フェニル基は塩素、臭素、沃素、弗素、シア
ニド、ニトロ、カルボキシルまたは1〜4個の炭素原子
を有するアルコキシ基によって置換されていてもよく、
またR2は水素またはメチル基である)で示されるビニ
ルエステルをシュードモナスまたはブタ膵臓からのリパ
ーゼの存在下に式II で示されるラセミ体パントラクトンと反応させ、次いで
残存する光学活性(R)−(−)−パントラクトンを形成さ
れたパントラクトエステルから分離することにより成る
ラセミ体パントラクトンの酵素ラセミ分割方法。
Description
【0001】
【従来の技術】(R)−(−)−パントラクトン((R)−
(−)−β,β−ジメチル−α−ヒドロキシ−γ−ブチロ
ラクトン)は、ビタミンB群に属し、また補酵素Aの構
成分である(R)−(+)−パントテン酸の合成中間体であ
る。
(−)−β,β−ジメチル−α−ヒドロキシ−γ−ブチロ
ラクトン)は、ビタミンB群に属し、また補酵素Aの構
成分である(R)−(+)−パントテン酸の合成中間体であ
る。
【0002】(R)−(−)−パントラクトンはラセミ体パ
ントラクトンの分割によって様々な方法で製造できる。
知られている多くの方法は光学活性助剤を用いたラセミ
体パントラクトンのラセミ分割に基づいている(ドイツ
特許第2,404,305号、米国特許第2,319,54
5号およびドイツ特許第1,568,755号)。さら
に、選択された酵素を用いてラセミ体O−アセチルパン
トラクトンを立体選択的に分割することによる酵素ラセ
ミ分割も知られている(Glaenzer et al.,EnzymeMicrob.
Technol., 10, 689〜690, 1988)。
ントラクトンの分割によって様々な方法で製造できる。
知られている多くの方法は光学活性助剤を用いたラセミ
体パントラクトンのラセミ分割に基づいている(ドイツ
特許第2,404,305号、米国特許第2,319,54
5号およびドイツ特許第1,568,755号)。さら
に、選択された酵素を用いてラセミ体O−アセチルパン
トラクトンを立体選択的に分割することによる酵素ラセ
ミ分割も知られている(Glaenzer et al.,EnzymeMicrob.
Technol., 10, 689〜690, 1988)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Glaenz
er et al. はさらに、シュードモナス(Pseudomonas)に
属す種からのリパーゼ(天野製薬、日本国 名古屋)お
よびブタ膵臓からのリパーゼ(Sigma Chem. Co. II型)
はラセミ体O−アセチルパントラクトンの酢酸およびパ
ントラクトンへの加水分解を触媒し得ないということも
見出している。
er et al. はさらに、シュードモナス(Pseudomonas)に
属す種からのリパーゼ(天野製薬、日本国 名古屋)お
よびブタ膵臓からのリパーゼ(Sigma Chem. Co. II型)
はラセミ体O−アセチルパントラクトンの酢酸およびパ
ントラクトンへの加水分解を触媒し得ないということも
見出している。
【0004】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、今般、
シュードモナスからのおよびブタ膵臓からのリパーゼ(S
erva, Heidelberg, ドイツ連邦共和国)によるラセミ体
パントラクトンの逆反応、すなわちエナンチオ選択的エ
ステル化(O−アシル化)は、酵素触媒作用の下にビニ
ルエステルまたはメチルビニルエステルをラセミ体パン
トラクトンと反応させることにより触媒され得ることが
見出された。この反応において、一方のエナンチオマー
が優先的に相当するエステルに転化される。
シュードモナスからのおよびブタ膵臓からのリパーゼ(S
erva, Heidelberg, ドイツ連邦共和国)によるラセミ体
パントラクトンの逆反応、すなわちエナンチオ選択的エ
ステル化(O−アシル化)は、酵素触媒作用の下にビニ
ルエステルまたはメチルビニルエステルをラセミ体パン
トラクトンと反応させることにより触媒され得ることが
見出された。この反応において、一方のエナンチオマー
が優先的に相当するエステルに転化される。
【0005】すなわち、本発明は、式I
【化3】 (式中、R1は1〜18個の炭素原子を有する直鎖状ま
たは分枝鎖状アルキル基、1〜18個の炭素原子を有す
る直鎖状または分枝鎖状ハロアルキル基(ここでハロゲ
ンは塩素、臭素、沃素または弗素である)またはフェニ
ル基であり、該フェニル基は塩素、臭素、沃素、弗素、
シアニド、ニトロ、カルボキシルまたは1〜4個の炭素
原子を有するアルコキシ基によって置換されていてもよ
く、またR2は水素またはメチル基である)で示される
ビニルエステルをシュードモナスまたはブタ膵臓からの
リパーゼの存在下に式II
たは分枝鎖状アルキル基、1〜18個の炭素原子を有す
る直鎖状または分枝鎖状ハロアルキル基(ここでハロゲ
ンは塩素、臭素、沃素または弗素である)またはフェニ
ル基であり、該フェニル基は塩素、臭素、沃素、弗素、
シアニド、ニトロ、カルボキシルまたは1〜4個の炭素
原子を有するアルコキシ基によって置換されていてもよ
く、またR2は水素またはメチル基である)で示される
ビニルエステルをシュードモナスまたはブタ膵臓からの
リパーゼの存在下に式II
【化4】 で示されるラセミ体パントラクトンと反応させ、次いで
残存する光学活性(R)−(−)−パントラクトンを形成さ
れたパントラクトンエステルから分離することより成る
ラセミ体パントラクトンの酵素ラセミ分割方法に関す
る。
残存する光学活性(R)−(−)−パントラクトンを形成さ
れたパントラクトンエステルから分離することより成る
ラセミ体パントラクトンの酵素ラセミ分割方法に関す
る。
【0006】本発明を以下、特にその好ましい態様とし
て詳述する。
て詳述する。
【0007】本発明によるラセミ体パントラクトンのラ
セミ分割は式Iのビニルエステルとシュードモナスまた
はブタ膵臓からのリパーゼの存在下に行われる。この反
応には、式Iのビニルエステル、好ましくはビニルアセ
テートまたはビニルクロロアセテートをまず反応容器に
導入しそしてこれにリパーゼとラセミ体パントラクトン
の双方を添加することができる。リパーゼは固定された
形で使用することもでき、これにはあらゆる慣用の固定
化方法および担体を用いることができる。さらに、固定
および遊離酵素をカラムプロセスで用いることもでき
る。酵素の使用量は、バッチのサイズ、達成すべき反応
時間、および(遊離または固定)酵素の性質に応じて所
望どおりに選択される。ラセミ体パントラクトン:リパ
ーゼ比は広い範囲にわたって変えることができる。例え
ば30,000U/g(U=μmolゴマ油/分)を含むシ
ュードモナスリパーゼについては、ラセミ体:リパーゼ
比(容量:重量)は50:1〜1:100の範囲、好ま
しくは10:1〜2:1の範囲で変えることができる。
パントラクトン:他のリパーゼ比についての相当する範
囲はリパーゼの比活性から算出できる。至適量を簡単な
予備的実験で測定することは当業者にとって困難なこと
ではない。
セミ分割は式Iのビニルエステルとシュードモナスまた
はブタ膵臓からのリパーゼの存在下に行われる。この反
応には、式Iのビニルエステル、好ましくはビニルアセ
テートまたはビニルクロロアセテートをまず反応容器に
導入しそしてこれにリパーゼとラセミ体パントラクトン
の双方を添加することができる。リパーゼは固定された
形で使用することもでき、これにはあらゆる慣用の固定
化方法および担体を用いることができる。さらに、固定
および遊離酵素をカラムプロセスで用いることもでき
る。酵素の使用量は、バッチのサイズ、達成すべき反応
時間、および(遊離または固定)酵素の性質に応じて所
望どおりに選択される。ラセミ体パントラクトン:リパ
ーゼ比は広い範囲にわたって変えることができる。例え
ば30,000U/g(U=μmolゴマ油/分)を含むシ
ュードモナスリパーゼについては、ラセミ体:リパーゼ
比(容量:重量)は50:1〜1:100の範囲、好ま
しくは10:1〜2:1の範囲で変えることができる。
パントラクトン:他のリパーゼ比についての相当する範
囲はリパーゼの比活性から算出できる。至適量を簡単な
予備的実験で測定することは当業者にとって困難なこと
ではない。
【0008】ラセミ体パントラクトンは、式Iのビニル
エステルの使用容量に基づき0.01〜2:1、好まし
くは0.1〜1.5:1の重量で用いられる。場合によっ
ては、最初にビニルエステルを一方のエナンチオマーに
基づき化学量論量だけ反応容器に導入することもでき
る。さらに、所望により、他の非極性溶媒、例えばter
t.−ブチルメチルエーテル、ヘキサン、イソオクタン、
ジエチルエーテルまたはジプロピルエーテルを反応溶液
に添加することもできる。
エステルの使用容量に基づき0.01〜2:1、好まし
くは0.1〜1.5:1の重量で用いられる。場合によっ
ては、最初にビニルエステルを一方のエナンチオマーに
基づき化学量論量だけ反応容器に導入することもでき
る。さらに、所望により、他の非極性溶媒、例えばter
t.−ブチルメチルエーテル、ヘキサン、イソオクタン、
ジエチルエーテルまたはジプロピルエーテルを反応溶液
に添加することもできる。
【0009】反応温度は10℃〜80℃の範囲、好まし
くは20℃〜50℃である。反応中に溶液を撹拌するの
が有利である。反応時間は酵素の使用量に応じて数時間
ないし4週間の範囲で変化する。反応時間はしばしば3
時間〜14日間である。
くは20℃〜50℃である。反応中に溶液を撹拌するの
が有利である。反応時間は酵素の使用量に応じて数時間
ないし4週間の範囲で変化する。反応時間はしばしば3
時間〜14日間である。
【0010】式Iのビニルエステルは、商業的に入手し
得ない場合には、簡単に製造することができる。式Iの
ビニルエステルは、例えば、ビニルアセテートと相当す
るカルボン酸との間で金属により触媒されるエステル交
換を行わせることにより得ることができる(Geckeler et
al., Chemische Berichte, 107, 1271〜1274, 1974)。
ラセミ体パントラクトンは商業的に入手できる(Sigma C
hemie GmbH. ドイツ連邦共和国)。シュードモナスから
のリパーゼは、例えばリパーゼP、リパーゼFPまたは
リパーゼPS(天野製薬、名古屋、日本)などとして商
業的に得ることができる。ブタ膵臓リパーゼも商業的に
入手できる(Sigma Chem. Co. II型)。
得ない場合には、簡単に製造することができる。式Iの
ビニルエステルは、例えば、ビニルアセテートと相当す
るカルボン酸との間で金属により触媒されるエステル交
換を行わせることにより得ることができる(Geckeler et
al., Chemische Berichte, 107, 1271〜1274, 1974)。
ラセミ体パントラクトンは商業的に入手できる(Sigma C
hemie GmbH. ドイツ連邦共和国)。シュードモナスから
のリパーゼは、例えばリパーゼP、リパーゼFPまたは
リパーゼPS(天野製薬、名古屋、日本)などとして商
業的に得ることができる。ブタ膵臓リパーゼも商業的に
入手できる(Sigma Chem. Co. II型)。
【0011】(R)−(−)−パントラクトン、相当するパ
ントラクトンエステル、使用する式Iのビニルエステル
に応じて(S)−O−アシルパントラクトンまたは(S)−
O−ハロアシルパントラクトン、およびアセトアルデヒ
ドまたはアセトンが本発明方法における反応生成物とし
て形成される。これらの生成物は既知の方法で分離でき
る。理想的な場合には、(R)−(−)−パントラクトンは
蒸留により単離することができる。蒸留による分離が可
能でない場合は、分離はクロマトグラフィー、抽出また
は結晶化により行われる。酵素的に形成される(S)−パ
ントラクトンエステルと未反応(R)−(−)−パントラク
トンの沸点差を、ビニルエステルに代えて相当するハロ
アルキルビニルエステル、例えばクロロアセチルビニル
エステルを用いることにより大きくすることもできる。
ントラクトンエステル、使用する式Iのビニルエステル
に応じて(S)−O−アシルパントラクトンまたは(S)−
O−ハロアシルパントラクトン、およびアセトアルデヒ
ドまたはアセトンが本発明方法における反応生成物とし
て形成される。これらの生成物は既知の方法で分離でき
る。理想的な場合には、(R)−(−)−パントラクトンは
蒸留により単離することができる。蒸留による分離が可
能でない場合は、分離はクロマトグラフィー、抽出また
は結晶化により行われる。酵素的に形成される(S)−パ
ントラクトンエステルと未反応(R)−(−)−パントラク
トンの沸点差を、ビニルエステルに代えて相当するハロ
アルキルビニルエステル、例えばクロロアセチルビニル
エステルを用いることにより大きくすることもできる。
【0012】パントラクトンの他方のエナンチオマーも
純粋な形で製造しようとする場合は、パントラクトンを
まず単離した後既知の方法で酸とアルコールとに分け
る。
純粋な形で製造しようとする場合は、パントラクトンを
まず単離した後既知の方法で酸とアルコールとに分け
る。
【0013】反応に用いられるリパーゼは濾過、遠心分
離または関連方法により再び容易に回収することができ
る。
離または関連方法により再び容易に回収することができ
る。
【0014】光学的収率は既知の方法で、結晶化により
(ドイツ特許第2,404,305号)または反応時間ま
たは転化率を変えることにより(Sih et al., J. Am. Ch
em.Soc., 104, 7294〜7299, 1982)向上させることがで
きる。
(ドイツ特許第2,404,305号)または反応時間ま
たは転化率を変えることにより(Sih et al., J. Am. Ch
em.Soc., 104, 7294〜7299, 1982)向上させることがで
きる。
【0015】以下に実施例を挙げて本発明をさらに例説
する。
する。
【0016】
【実施例】1) 20gの(R,S)−パントラクトンを2
00mlのビニルアセテートに溶解し、そして10gのシ
ュードモナスからのリパーゼPの添加後、その混合物を
室温で10日間撹拌する。反応は薄層クロマトグラフィ
ーによりモニターする。反応が終了したら(転化率50
%)、酵素は濾去し、また得られた状態で反復使用する
ことができる。残る溶液を真空濃縮乾固する。
00mlのビニルアセテートに溶解し、そして10gのシ
ュードモナスからのリパーゼPの添加後、その混合物を
室温で10日間撹拌する。反応は薄層クロマトグラフィ
ーによりモニターする。反応が終了したら(転化率50
%)、酵素は濾去し、また得られた状態で反復使用する
ことができる。残る溶液を真空濃縮乾固する。
【0017】(R)−(−)−パントラクトンと(S)−(+)
−O−アセチルパントラクトンをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(移動相は容量比5:1のヘキサンおよ
び酢酸エチル)により分離する。(R)−(−)−パントラ
クトンおよび(S)−(+)−O−アセチルパントラクトン
を含む画分をそれぞれ合一し、それら溶液を真空濃縮乾
固する。
−O−アセチルパントラクトンをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(移動相は容量比5:1のヘキサンおよ
び酢酸エチル)により分離する。(R)−(−)−パントラ
クトンおよび(S)−(+)−O−アセチルパントラクトン
を含む画分をそれぞれ合一し、それら溶液を真空濃縮乾
固する。
【0018】収量:11.4gの(S)−(+)−O−アセ
チルパントラクトン 〔α〕20 D=+12.4(c=1,CHCl3) ee=85%(シフト試薬トリス−〔3−(ヘプタフル
オロプロピル−ヒドロキシメチレン)−(+)−カンフォ
ラト〕−ユーロピウム(III)を加えて1H−NMRにより
測定)、 8gの(R)−(−)−パントラクトン 〔α〕20 D=−42.5(c=1,H2O中) ee=85%(前記の如く測定)。
チルパントラクトン 〔α〕20 D=+12.4(c=1,CHCl3) ee=85%(シフト試薬トリス−〔3−(ヘプタフル
オロプロピル−ヒドロキシメチレン)−(+)−カンフォ
ラト〕−ユーロピウム(III)を加えて1H−NMRにより
測定)、 8gの(R)−(−)−パントラクトン 〔α〕20 D=−42.5(c=1,H2O中) ee=85%(前記の如く測定)。
【0019】2) 出発時の量が異なるほかは実施例1と
同様にして反応を行う。0.2gの(R,S)−パントラ
クトンを5mlのビニルアセテートに溶解し、そして0.
2gのシュードモナスからのリパーゼPを添加後、その
混合物を室温で10日間撹拌する。
同様にして反応を行う。0.2gの(R,S)−パントラ
クトンを5mlのビニルアセテートに溶解し、そして0.
2gのシュードモナスからのリパーゼPを添加後、その
混合物を室温で10日間撹拌する。
【0020】反応の進行はガスクロマトグラフィーによ
り測定される転化率を介してモニターされる。
り測定される転化率を介してモニターされる。
【0021】ガスクロマトグラフィーによる転化率の測
定:ガラスカラム(2m)にか焼ケイソウ土(例えばRe
oplex on RChromosorb、Johns-Manvilleの商標)を充填
する。そのカラムを100℃に加熱しそして試料を適用
後、最初はこの温度に0.5分間保ってからそれを10
℃/分の速度で135℃の最終温度まで加熱する。検出
は炎イオン化検出器(FID)を用いて行われる。
定:ガラスカラム(2m)にか焼ケイソウ土(例えばRe
oplex on RChromosorb、Johns-Manvilleの商標)を充填
する。そのカラムを100℃に加熱しそして試料を適用
後、最初はこの温度に0.5分間保ってからそれを10
℃/分の速度で135℃の最終温度まで加熱する。検出
は炎イオン化検出器(FID)を用いて行われる。
【0022】保持時間は次のとおりである。 −パントラクトン:2.7分 −パントラクトンアセテート:3.1分
【0023】以下の時間経過後のガスクロマトグラフィ
ー転化率(面積%): −48時間:29.80 −72時間:37.70 −96時間:42.44 −168時間:49.90 −216時間:53.53
ー転化率(面積%): −48時間:29.80 −72時間:37.70 −96時間:42.44 −168時間:49.90 −216時間:53.53
【0024】3) 実施例1に記載の実験過程に従って、
商業的に入手し得るブタ膵臓からのリパーゼを用いて反
応を行うこともできる。
商業的に入手し得るブタ膵臓からのリパーゼを用いて反
応を行うこともできる。
【0025】出発時の量が異なるほかは実施例1と同様
にして反応を行う。0.2gの(R,S)−パントラクトン
を5mlのビニルアセテートに溶解し、そして0.2gの
ブタ膵臓からのリパーゼを添加後、その混合物を室温で
9日間撹拌する。
にして反応を行う。0.2gの(R,S)−パントラクトン
を5mlのビニルアセテートに溶解し、そして0.2gの
ブタ膵臓からのリパーゼを添加後、その混合物を室温で
9日間撹拌する。
【0026】転化率および収量を測定する方法も同様に
実施例1および2のものと同じくした。
実施例1および2のものと同じくした。
【0027】反応はガスクロマトグラフィーによりモニ
ターした。
ターした。
【0028】転化率はガスクロマトグラフィーにより測
定した。
定した。
【0029】以下の時間経過後のガスクロマトグラフィ
ー転化率(面積%): −48時間:3.52 −72時間:5.34 −96時間:7.59 −168時間:7.82 −216時間:11.51 収量:30mgの(S)−(+)−O−アセチルパントラクト
ン 165mgの(R)−(−)−パントラクトン
ー転化率(面積%): −48時間:3.52 −72時間:5.34 −96時間:7.59 −168時間:7.82 −216時間:11.51 収量:30mgの(S)−(+)−O−アセチルパントラクト
ン 165mgの(R)−(−)−パントラクトン
【0030】〔実施例4および5〕実施例1と同様にし
て様々な温度で反応を行う。結果を表2にまとめて示
す。
て様々な温度で反応を行う。結果を表2にまとめて示
す。
【0031】〔実施例6〜9〕実施例1と同様にして様
々な溶媒を添加して反応を行う。結果を表2にまとめて
示す。
々な溶媒を添加して反応を行う。結果を表2にまとめて
示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
Claims (7)
- 【請求項1】 式I 【化1】 (式中、R1は1〜18個の炭素原子を有する直鎖状ま
たは分枝鎖状アルキル基、1〜18個の炭素原子を有す
る直鎖状または分枝鎖状ハロアルキル基(ここでハロゲ
ンは塩素、臭素、沃素または弗素である)またはフェニ
ル基であり、該フェニル基は塩素、臭素、沃素、弗素、
シアニド、ニトロ、カルボキシルまたは1〜4個の炭素
原子を有するアルコキシ基によって置換されていてもよ
く、またR2は水素またはメチル基である)で示される
ビニルエステルをシュードモナスまたはブタ膵臓からの
リパーゼの存在下に式II 【化2】 で示されるラセミ体パントラクトンと反応させ、次いで
残存する光学活性(R)−(−)−パントラクトンを形成さ
れたパントラクトンエステルから分離することより成る
ラセミ体パントラクトンの酵素ラセミ分割方法。 - 【請求項2】 ビニルエステルとしてビニルアセテート
またはビニルクロロアセテートを用いる請求項1記載の
方法。 - 【請求項3】 ラセミ体パントラクトン:ビニルエステ
ル重量比が0.01〜1.5:1である請求項1または2
記載の方法。 - 【請求項4】 ラセミ体パントラクトン:ビニルエステ
ル重量比が0.1〜1.5:1である請求項3記載の方
法。 - 【請求項5】 方法が10℃〜80℃の温度で行われる
請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 方法が20℃〜50℃の温度で行われる
請求項5記載の方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の如く得
られる(R)−(−)−パントラクトンの(R)−(+)−パン
トテン酸製造への使用。
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