JPH1049799A - 運転制御装置 - Google Patents

運転制御装置

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JPH1049799A
JPH1049799A JP8216589A JP21658996A JPH1049799A JP H1049799 A JPH1049799 A JP H1049799A JP 8216589 A JP8216589 A JP 8216589A JP 21658996 A JP21658996 A JP 21658996A JP H1049799 A JPH1049799 A JP H1049799A
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信一 森田
Masaki Hirota
正樹 廣田
Hidetomo Nojiri
秀智 野尻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑の背景でも、自動的に周囲確認できる運
転制御装置とする。 【解決手段】 カメラ20はコントローラ21に接続さ
れている。メモリ22はカメラからの画像信号を記憶し
ている。コントローラ21にはさらに車両の回転センサ
とキースイッチが接続されている。コントローラは車両
が停止時の画像信号をメモリに記憶する。エンジンが始
動時に、新たに画像信号を入力して、記憶してある停車
時の映像信号と比較する。車両停止時の画像は運転者が
周囲確認したため、障害物のない画像となる。従って比
較結果に変化がない場合は、障害物がないと認定するこ
とができる。変化があった場合は、リレー23により車
両のリタータモータの通電回路を一時遮断させ、周囲確
認を促す。確認されると、解除スイッチ25により始動
を許可する。これにより、複雑な画像処理をせず、障害
物を検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両や、クレー
ンあるいは産業ロボットなど走行し、あるいは所定の動
作を行なう可動部を備える装置の運転制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の運転などに際しての周囲確
認のため、カメラを用いて、取得した車両周囲画像をモ
ニターなどに表示して運転者または装置使用者に情報提
供することが行なわれている。さらに、モニターによる
表示の他、カメラ画像を画像処理して、自動的に周囲確
認を行なう方法も考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
場合は、人間の誤認の影響を考慮しなければならない。
また後者の場合、車両を取り巻く背景が複雑で、周りの
光量も変化し易いので、画像処理に困難を伴なってい
る。そしてまた、可視光画像の場合は昼夜にわたる使用
が困難になるため、赤外線カメラが用いられるが、従
来、赤外線カメラは高価な冷却型赤外線検出器を使用せ
ざるを得なかった。近年冷却型に比較して安価な非冷却
型の赤外線検出器が研究されているが、肉眼での確認あ
るいは画像処理に堪えるものとすればやはり安価にでき
ず、必ずしも実用的とはいえない。また、画像処理その
ものの信頼性確保の難しさが残る。このため、従来の装
置は、 (1) モニター表示は人間の視覚能力に依存する。 (2) 赤外線検出器を使用する運転制御装置が高価で
ある。 (3) 可視光を利用する画像処理の場合は周囲の光量
変化への対応が難しい。 (4) 赤外線検出器を使わない安価な装置は夜間の利
用が難しい。 といった問題が挙げられる。その他、クレーン、産業ロ
ボットなど広範囲にアームなどを伸縮、回動させる産業
機械の運転に際しての周囲確認の場合も同様である。本
発明は、上記のような問題点に鑑み、安価の赤外線検出
器でも使え、複雑な背景でも、周囲確認が確実容易に行
なわれる運転制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、図1に示すように、動力をもって運転される
装置において、周囲の所定方向の赤外線を検出する赤外
線検出手段1と、前記装置が停止中における前記赤外線
検出手段1の検出信号を記憶する記憶手段2と、前記装
置が動作開始時の前記赤外線検出手段1の検出信号を前
記記憶手段2に記憶されている検出信号と比較する比較
手段3と、前記比較手段3の比較結果により障害物の有
無を判断する判断手段4と、前記判断手段4が障害物あ
りと判断した場合は前記動作の開始を拒否する動作拒否
手段5と、前記動作拒否手段5の作動に連動して警報を
行なう警報手段6と、前記動作の開始を可能にする動作
拒否解除手段7とを有するものとした。
【0005】請求項2記載の発明は、図2に示すように
動力をもって運転される装置において、周囲の所定方向
の赤外線を検出する赤外線検出手段1と、前記装置が停
止中における前記赤外線検出手段1の検出信号を記憶す
る記憶手段2と、前記装置が動作開始時の前記赤外線検
出手段1の検出信号を前記記憶手段2に記憶されている
検出信号と比較する比較手段3と、前記所定方向で状況
変化を検出する変化検出手段8と、前記比較手段3の比
較結果および前記状況変化の特性に基づき障害物の有無
を判断する判断手段4’と、前記判断手段4’が障害物
ありと判断した場合は前記動作の開始を拒否する動作拒
否手段5と、前記動作拒否手段5の作動に連動して警報
を行なう警報手段6と、前記動作の開始を可能にする動
作拒否解除手段7とを有するものとした。
【0006】前記変化検出手段は、前記赤外線検出手段
から複数回の検出信号を入力し、入力した検出信号を前
回の検出信号と比較して、状況変化を検出することがで
きる。また、前記変化検出手段は、前記赤外線検出手段
とは別に設けられている焦電センサにより障害物の出入
を検知することもできる。さらに、前記変化検出手段
は、前記焦電センサにより障害物の出入を検知したとき
に、前記赤外線検出手段から検出信号を入力し、前回の
検出信号と比較して、状況変化を検出することもでき
る。
【0007】前記赤外線検出手段は複数設けられ、前記
比較手段は、赤外線検出手段毎に比較を行い、前記判断
手段は、前記比較手段の比較結果から、三角測量による
距離測定を行うことによって障害物の有無を検出するこ
ともできる。前記判断手段は、前記比較手段の比較結果
により、前記検出信号の変化特性を算出し、算出した変
化特性に基づいて障害物の有無を判断することもでき
る。前記動作拒否解除手段は、手動スイッチを介して前
記動作拒否手段および前記警報手段の作動を停止させる
ことによって、前記動作を可能にすることもできる。
【0008】
【作用】まず、装置運転停止時に赤外線検出信号を記憶
する。この検出信号は例えば車両であれば運転者が周囲
確認して車を停止した場所の検出信号であるため、障害
物のない状態が確認された検出信号となる。ある時間経
過後、動作開始、すなわち車両であれば始動あるいは発
進する場合に、新たな赤外線検出信号を取得する。この
検出信号は停止時と同じ場面の検出信号となる。この両
検出信号を比較すると、検出信号に変化があるかが分か
る。この変化は停止している間に、移動してきたものに
よりもたらされるため、判断手段はその変化により障害
物の進入を判断できる。これにより、周囲が複雑な背景
下例えば複雑背景熱雑音がある場合においても、影響を
受けず、障害物となる人、動物などの温体を検出するこ
とができ、その検出の結果に基づき運転者に警報を発
し、動力の動作を一時的に拒否することにより、動作時
に障害物と接触するようなことが事前に回避することが
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態につい
て、実施例により説明する。図3は本発明を車両に適用
した第1の実施例の構成を示すブロック図である。この
構成は以下の各実施例にも兼用される。カメラ20(赤
外線検出手段)は赤外線カメラで、集光レンズと赤外線
検出器からなり、図示しない車両の前部に前方に向けて
取り付けられている。カメラ20の検知方向に関して
は、車両の前方でなくても車両の安全運転に寄与できれ
ばどの方向でも構わない。例えば後方、側方、床下など
運転席から目の届かないところを監視することもでき
る。ここでは、簡単のため前方監視を例として説明す
る。赤外線検出器は赤外線単素子センサでもよいが、本
実施例では赤外線アレイ素子を用い、赤外線アレイ素子
の検出信号がコントローラ21に出力される。
【0010】コントローラ21にはメモリ22(記憶手
段)が備え付けられ、制御によりカメラ20からの画像
信号などのデータを記憶する。コントローラ21には、
車両情報として車両の車輪の回転センサ信号およびエン
ジンオンオフを示すキースイッチ信号が入力されてい
る。リレー23は車両のスタータモータの通電回路に接
続され、コントローラ21はリレー23を制御すること
によりエンジンの始動を拒否することができる。エンジ
ンの始動拒否については、燃料または空気の供給をとめ
てエンジンをオフにさせることもできる。警報器24
(警報手段)は車両の始動が拒否されるときに警報音を
出し、警報を行なう。解除スイッチ25(動作拒否解除
手段)はコントローラ21に解除信号を送り、始動拒否
および警報を解除できるようになっている。
【0011】次に、コントローラ21における作動の流
れを図4のフローチャートに基づき説明する。まず、ス
テップ100で、キースイッチ信号および回転センサ信
号を入力する。、ステップ101において、エンジンが
停止、車輪回転も0で、車が完全に停止していると判断
されると、赤外線アレイ素子に通電し、車両前方の赤外
線画像を取得する。この画像は、t0時の赤外線画像と
し、運転者が安全を確認して車を停止した場所の画像で
あるため、安全な状態が確認された画像となる。ステッ
プ102において、t0の画像信号をメモリ22に記憶
する。なお、t0としては安全な状態が分かれば、車両
停止してから経過した時点でも構わない。
【0012】ある時間経過後、tst時点で運転者がキ
ースイッチをスタータ位置に操作すると、ステップ10
3において、キースイッチオン信号が入力される。ステ
ップ104において、赤外線アレイ素子に通電しカメラ
20を再度撮影させて、車両始動tst時点の画像信号
を入力する。この画像は停車している間に車が移動して
いないので、t0時の画像と同じ場面の赤外線画像とな
る。
【0013】ステップ105においては、入力されたt
st時点の画像信号をメモリに記憶してあるt0時点の
画像信号と差分演算して、車が停止している間に画像の
変化を検出する。その検出の様子は図5に示している。
すなわち、カメラ20によって得られた5階調の画像を
各画素において差分演算をするので、t0時点の(b)
画像に対してtst時点の(a)画像の変化部分が
(c)のように抜き出される。背景の温度分布が複雑な
状況や人より高温物体が視野内に有る状況でも、t0時
とtst時の赤外線画像による変化がない部分は差分後
の画素の信号レベルが低くなる。また、画像を比較する
に際しては、カメラの取り付け位置により自車の一部が
写っている場合には、それに相当する画素を当初から削
除してもよい。
【0014】ステップ106において、差分後の各画素
の信号レベルをあるしきい値Aと比較して、その大小を
判定する。なお、被検出体のサイズが明確である場合
は、複数画素分の信号レベルをまとめてしきい値Aと比
較しても構わない。しきい値Aはカメラの光学系の性
能、被検出体の温度、環境温度、画素の性能、信号を増
幅する際に生ずる雑音、オフセットなどを考慮して設定
する。しきい値比較の結果、差分後の各画素の信号レベ
ルがあるしきい値Aより小さい場合は、t0時とtst
時の画像に変化がないものとして、障害物がなしと判断
し、ステップ108において、リレー23をオンして、
始動を可能にする。なお、ここでは、画像の比較を先に
行なって、差分後の各画素の信号レベルをしきい値Aと
比較して大小判定を行なったが、順番を逆にして、しき
い値Aを赤外線画像取得時に行なって、比較後の画像を
差分しても構わない。
【0015】ステップ106においての比較結果は、差
分後画像の一画素でも、その信号レベルがしきい値Aよ
り大きい場合、何かがt0時とtst時の間に移動して
きてこの結果に至ったと考えられる。すなわち温体の
人、動物などが移動してきてその間の熱的変化を起こさ
せたと考えられる。このときは、ステップ109におい
て、リレー23をオフしてスタータモータへの通電を遮
断する。併わせてステップ110において、警報器24
に警報信号を送り、警報を発生させる。その動作はステ
ップ111において解除スイッチ25が押されるまで保
持される。警報を受けて、運転者は周囲確認をして、障
害物がなくなるのを確かめてから、ステップ111にお
いて、解除スイッチ25を押す。この解除スイッチの入
力があると、ステップ108に進み、リレー23をオン
して始動拒否が解除され始動が許可状態となる。
【0016】本実施例は以上のように構成され、停車し
たとき、障害物などのない車両の前方画像が記憶され、
車両を始動しようとするときに、再び車両の前方画像が
入力され、両画像を比較し、画像に変化があったと判断
されると、始動を拒否するようにしたので、複雑な画像
処理を必要とせず、赤外線検出器に安価なものが使える
とともに、停車時の間に人間や動物などが移動してきた
ことも容易に確認できる。
【0017】なお、本実施例では、車のエンジンをキー
スイッチがオフになって、車が完全に停止時をt0とし
たが、自動ドアやトイレなどに利用される焦電センサを
用いて運転者が車を離れることを検出し、その時点をt
0とすることもできる。またコントローラ21は解除ス
イッチ25の信号を受けてリレーを強制的にオンする代
わりに、カメラ20から再度画像入力をし、図4のステ
ップ104からのフロ−チャ−トを再度実行することで
リレ−をオンすることもできる。
【0018】警報の形としては、警報音のほかに、音
声、光などを用いることもできる。なお、警報に合わせ
て、危険な状態がある場所を同時に表示してもよい。さ
らに、解除スイッチ25はキ−スイッチから離れた位
置、例えば本実施例では、車両前部に配置すると、運転
者に安全確認を義務づけられる。なお、カメラ20が自
己温度を測定する機能を有すると、被検出熱源の温度を
推定できる。この温度により被検出体の温度範囲を限定
することにより、人、動物などの抽出を容易にできる。
また赤外線検出手段が自ら入射赤外線エネルギー総量の
規制を行なってもよい。
【0019】さらに、運転制御装置が発熱体を備え、そ
の発熱体を発熱させることにより自己診断機能を備えさ
せることもできる。これにより装置が正常に機能してい
るか否かが事前に分かり、信頼性がさらに向上する。本
実施例では、エンジン始動時を動作開始の例として説明
したが、このほか車両ではエンジンアイドリング中の停
車状態から走行に移る発進時を動作開始時としてもよ
い。この場合、例えばAT車はニュートラルにする、マ
ニュアル車ではクラッチの接続を切る、あるいはブレー
キを連動させるか、アクセルをきかなくさせるなどによ
り動作拒否することができる。これによって、キースイ
ッチをオフにしない停車状態でも、例えば横断歩道で停
車している時に死角領域に人、動物が入り込むと、車両
発進時の画像照合で発進が阻止される。
【0020】なお、本実施例は車両の運転制御について
説明したが、このほか例えばクレーンや産業ロボットな
ど可動部を備える装置にも適用でき、人などを巻き込む
ような事故の防止に役立てる。この場合は、装置の動作
拒否は電源を切るか、可動ののストッパを働かせること
によって実現できる。それらの停止または可動などの状
態検出は電源スイッチのオンオフ、停止状態検出センサ
などを用いて行なうことができる。本実施例では、1台
のカメラを接続して説明したが、これに限らず複数台を
設けて各死角領域をカバーして広範囲に監視することも
できる。上記ステップ105は、比較手段を構成してい
る。ステップ106は、判断手段を構成している。ステ
ップ109は、動作拒否解除手段を構成している。
【0021】次に、第1の実施例の変形例について説明
する。第1の実施例では、ステップ106において各画
素の差分後の信号レベルをあるしきい値Aと比較するこ
とによって変化があるかの判断を行なうが、しきい値A
を下限とし、上限にしきい値Bを設定して比較すること
により、人、動物などの比較的常温に近い被検出体を高
温の熱源から分離することができるとともに、人、動物
などの障害物の検出率も高められる。しきい値Aまたは
しきい値Bの比較は前記同様に、赤外線画像取得時に行
なって、画像の差分はしきい値比較後とっても構わな
い。
【0022】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第1の実施例では、赤外線画像差分後信号レベル
をしきい値Aと比較して、しきい値Aを越える信号につ
いては変化があったとしているが、本実施例は、図3に
破線で示すようにt0時点からtst時点までの間の状
況の変化を検出する焦電センサ106をコントローラ2
1に接続して、途中の変化の有無の情報を障害物の有無
の判断に取り入れたものである。焦電センサ106は自
動ドアなどにも利用されるもので、カメラ20と同じ方
向に向けて設置され、その検知範囲内に熱的変化の有無
を検出し、その変化回数および時間間隔を記憶する。そ
の他の部分については第1の実施例と同じである。
【0023】次に、コントローラの作動の流れを図6の
フローチャートにしたがって説明する。ステップ100
〜ステップ108までは第1の実施例と同じように行な
われる。ステップ106において、差分画像強度がしき
い値より大きいと判断されると、ステップ120におい
て、焦電センサ106の検出結果が入力される。ステッ
プ121において、判断する。例えば焦電センサにより
検出された熱的変化が2回以上のときは少なくとも視野
内で熱源の出入りがあったということであるから障害物
がある可能性があると判断して、ステップ122へ進
む。ここでは、第1の実施例と同じように、リレー23
をオフして始動を拒否するとともに、ステップ123に
おいて警報器24を警報される。
【0024】一方、焦電センサの検出結果が熱的変化が
一回のときでかつ熱的変化が起きた時間から動力始動ま
での時間間隔が長い場合には、人、動物などの動く障害
物が無いと判断できるため、ステップ108へ進む。し
かし、熱的変化が一回のときでも、熱的変化が起きた時
間から動力始動までの時間間隔が短い場合、例えば人、
動物が完全に停止続けられる限度時間以内の場合は障害
物があると判断して、ステップ122へ進む。
【0025】本実施例は以上のように構成され、途中の
変化の有無と変化の回数も障害物の有無の判断要素に加
えているので、誤検出の可能性が大きく低減される。例
えば車が他の車の後ろに停車する場合、カメラ前方に向
けて取り付けられているので、視野内に前の車が入る可
能性がある。赤外線画像を取得する時間間隔内に前の車
が発進すると、t0時とtst時の赤外線画像の差分結
果に変化が起こり、動力始動が拒否されることになる。
しかし、実際は前方の車が発進しただけであり、障害物
がある状態ではないため、動力始動を拒否する必要がな
いため、一回の変化のみでは始動拒否しないようになっ
ている。
【0026】図7は、本発明の第3の実施例を示す。第
1の実施例では、停車時点t0の画像と車両を始動時点
tstの画像を用いて、両画像の変化部分を検出するこ
とによって停車している間に障害物が移動してきたかを
検出するが、本実施例は、t0時点からtst時点まで
の途中で赤外線画像を取得し、途中の障害物の状況を判
断し、動力始動時の障害物の有無の判断に用いるもので
ある。
【0027】各画像の取り入れるタイミングはコントロ
ーラに内蔵されているタイマーによって決定される。ま
ず、ステップ300で、キースイッチ信号と回転センサ
信号を入力する。ステップ301において、エンジンが
停止、車輪回転も0で、車が完全に停止と判断される
と、赤外線アレイ素子に通電し、t0時の赤外線画像を
入力する。ステップ302においては、画像信号をメモ
リ22に記憶する。キースイッチからエンジンをオンす
る信号が入力されたかの判断ステップ303を経て、オ
ンでない間は、ステップ304において、コントローラ
内のタイマーが作動し、まずt0後のある時間t1時点
の画像を取得する。ステップ305において、このt1
時点の画像とメモリ22内のt0時点の画像の差分をと
って比較する。ステップ306において、差分後の画素
信号レベルがあるしきい値Aより大きいときは、ステッ
プ307で被検出体の特性例えば熱源の座標、サイズな
どを算出して、ステップ308においてメモリ22に記
憶する。このように同様のことをt2…tnまで系列的
に行なう。
【0028】そして、ステップ303において、キース
イッチオン信号ありとされると、ステップ309におい
て、始動時点tstに赤外線画像を取得する。ステップ
310においては、tst時点の画像をメモリに記憶さ
れているt0時点の赤外線画像と比較して差分画像を得
る。ステップ311において、差分画像強度はあるしき
い値Aより大きいか否かを判定する。小さい場合は、障
害物なしと判断され、ステップ313でリレーをオンし
始動を許可する。ステップ311で差分画像強度が大き
いと判断された場合は、熱源の被検出体を検出している
場合であり、変化ありの候補として扱う。ステップ31
4においては、メモリ22からt0時からtst時まで
の各被検出体の画像特性データを入力する。特性変化と
しては被検出体の座標変化の有無、座標変化から移動方
向、移動方向の変化回数などがある。
【0029】図8は、座標比較の様子を示している。す
なわち、画像1と画像2の間で、しきい値Aより大きい
信号の画素があった場合、それらの座標を比較すること
によって、座標に変化があるかが分かる。図8では熱源
が右から左に移動していることを示している。これは、
人、動物などが動いたと考えてよい。
【0030】ステップ315において、入力される画像
データに熱的変化があっても、座標変化が無い場合に
は、人、動物が絶対動かないで静止していることは殆ど
有りえないため、障害物が無いと判断し、ステップ31
3へ進む。また、時間が短い場合は第1の実施例と同様
に障害物が無いと判断する。t0時とtst時の差分後
の画像信号レベルで変化があり、かつ座標変化がある場
合にはt0時からの座標変化の方向と変化の回数を考慮
することにより、移動方向が左右の場合かつ回数が複数
回以上のときは、人、動物と判断し、ステップ316へ
進む。その後は第1の実施例と同様に行われる。このよ
うに、途中の情報を考慮することにより、障害物が人、
動物などの動くものであるかどうかの判別の確率が向上
する。ステップ304〜ステップ308は、変化検出手
段を構成している。なお、本実施例では、t0時点から
tst時点までの途中の赤外線画像はタイマーによって
取得したが、このほか、焦電センサを用い、センサが障
害物の出入を検知したときに赤外線画像入力してもよ
い。
【0031】次に、第4の実施例について説明する。第
3の実施例では、t0時点の赤外線画像を基準として、
各時点の画像と比較するようになっているのに対して、
本実施例は、t0時からtst時までの間を、一定の時
間間隔t1、t2、…、tnで区切って、1つ前の時点
の赤外線画像と比較する。各時間で赤外線画像を遂次取
得し、背景の影響を除外して障害物となる動くものの特
徴を抽出するようにしている。図9は、コンローラにお
ける作動の流れを示すフローチャートである。各画像の
取り入れるタイミングはコントローラに内蔵されている
タイマーによって決定される。
【0032】まず、ステップ400で、キースイッチ信
号と回転センサ信号を入力する。ステップ401におい
て、エンジン停止、車輪回転が0で、車が完全に停止し
ていると判断されると、赤外線アレイ素子に通電し、t
0時の赤外線画像を入力する。ステップ402において
は、画像信号をメモリ22に記憶する。キースイッチか
らエンジンをオンする信号が入力されたかの判断ステッ
プ403を経て、オン信号がない場合、ステップ404
において、コントローラ401内のタイマーが作動し、
まずt0後のある時間t1時点の画像を取得する。ステ
ップ405において、メモリ22に一時記憶する。ステ
ップ406において、このt1時点の画像とメモリ22
内のt0時点の画像の差分をとって比較する。ステップ
407において、差分後の画素信号レベルがあるしきい
値Aより大きいときは、ステップ408において、被検
出体の特性例えば熱源の座標、サイズなどを算出してメ
モリ22に記憶する。これと同様のことをt2…tnま
で系列的に行なう。
【0033】そして、ステップ403において、キース
イッチオン信号が入力されると、ステップ409におい
て、始動時点tstに赤外線画像を取得する。ステップ
410においては、tst時点の画像をメモリに記憶さ
れている前回の赤外線画像と比較して差分画像を得る。
ステップ411において、差分画像強度がしきい値Aよ
り大きいか否かを判断する。差分画像強度がしきい値A
より小さい場合は、ステップ413へ進む。差分画像強
度がしきい値Aより大きい場合は、ステップ412にお
いて画像特性を算出して、ステップ413へ進む。ステ
ップ413においては、メモリから画像特性データを入
力する。ステップ414においては、画像特性データに
より、第3の実施例と同様に熱源の座標変化の有無から
障害物があるかどうかの判断を行なう。障害物が無いと
判断された場合、ステップ415において、リレーをオ
ンして始動を許可する。障害物があると判断された場
合、ステップ416において、リレーをオフして始動を
拒否し、ステップ417において、警報器を警報させ
る。そして周囲確認がされたら解除スイッチを押して始
動を可能にする。
【0034】本実施例は以上のように構成され、各赤外
線画像はその前の時点の画像と比較するので、時間あた
りの温度変化が少ないゆっくりした変化の影響が削除さ
れるが、人、動物などの急な温度変化については任意の
時間間隔で検出できる効果が得られる。例えば、t0時
からtst時までの時間が長いと、日照の影響による非
検出体や前に停車している車のマフラーが冷えてくる場
合などのように熱源の温度が徐々に変化して、視野内の
背景温度がゆっくりと上昇したりまたは下降したりする
ものは検出されず、危険な状態を引き起こす原因の人、
動物などの動く熱源のもののみ検出される。
【0035】図10、図11は第5の実施例のコントロ
ーラにおける作動の流れを示す。ステップ400〜ステ
ップ409までは第3の実施例と同様に行なわれる。キ
ースイッチからエンジン点火の信号が入力されると、ス
テップ409において、始動時点tstの画像信号を入
力する。ステップ510において、このtst時点の画
像信号をメモリに記憶してある停車時点t0の画像信号
と差分をとって比較する。ステップ511においては、
その差分画像の強度がしきい値Aより小さいかの判断が
行なわれる。差分画像の強度がしきい値Aより小さい場
合は、障害物なしと判断して、ステップ513において
リレーをオンして始動を許可する。差分画像の強度がし
きい値Aより大きい場合は、ステップ514において、
tst時点の画像信号を前回入力される画像信号と差分
をとって比較する。ステップ515においては、その差
分画像の強度がしきい値Aより小さいかの判断が行なわ
れる。差分画像の強度がしきい値Aより小さい場合は、
ステップ517へ進む。差分画像の強度がしきい値Aよ
り大きい場合は、ステップ516において画像特性を算
出して、ステップ517へ進む。
【0036】ステップ517においては、メモリから画
像特性データを入力する。ステップ518においては、
画像特性データにより、第3の実施例と同様に熱源の座
標変化の有無から障害物があるかどうかの判断を行な
う。障害物が無いと判断された場合、ステップ513に
おいて、リレーをオンして始動を許可する。障害物があ
ると判断された場合、ステップ519において、リレー
をオフして始動を拒否し、ステップ520において、警
報器を警報させる。そして周囲確認がされたら解除スイ
ッチを押して始動を可能にする。本実施例は以上のよう
に構成され、第4の実施例と同様な効果が得られるとと
もに、停車時点t0と始動時点tstの画像比較が行な
われるため、誤検出がさらに低下する。
【0037】次に、本発明の第6の実施例について説明
する。本実施例は、とくに図示しないがコントローラに
カメラ20を2台接続し、これらが前方に向けて車両の
左右に取り付けられている。以下、図12のフローチャ
ートに基づきコントローラの作動の流れを説明する。ま
ず、ステップ600で、キースイッチ信号と回転センサ
信号を入力し車が完全に停止したと判断されると、ステ
ップ601において、左右のカメラから車両前方の赤外
線画像をそれぞれ取得する。
【0038】ステップ602において、入力した赤外線
画像信号をメモリ22に記憶する。ステップ603にお
いて、キースイッチから車両を始動するtst時点のエ
ンジンオン信号が入力されると、ステップ604におい
て、左右両カメラ20を再度撮影させて、車両始動ts
t時点の画像信号を入力する。
【0039】ステップ605においては、入力されたt
st時点の画像信号をメモリに記憶してあるt0時点の
画像信号と左右別にそれぞれ差分演算して、車が停止し
ている間に画像の変化を検出する。ステップ606にお
いて、各差分画像強度をしきい値Aと比較して、その大
小を判定する。その判定結果、差分後の各画素の信号レ
ベルがあるしきい値Aより小さい場合は、ステップ60
7において、t0時とtst時の画像に変化がないもの
として、障害物なしと判断し、ステップ608におい
て、リレー23をオンして、始動を可能にする。
【0040】ステップ606においての判定結果が、差
分後画像の一画素でも、その信号レベルがしきい値Aよ
り大きい場合、ステップ609で、左、右画像の特性で
ある熱源の座標、大きさなどを算出する。そしてステッ
プ610で、左、右画像の熱源の座標、大きさから三角
測量原理に基づいて、熱源までの距離を測定する。ステ
ップ611において、熱源の距離を所定値と比較して除
去すべき障害物かどうかを判断する。距離が小さくて除
去または回避すべきと判断されると、ステップ612に
おいて、リレー23をオフしてスタータモータへの通電
を遮断する。ステップ613においては、警報器24に
警報信号を送り、警報を発生させる。そうでない場合
は、ステップ608において、リレー23をオンして始
動拒否が解除され始動が許可状態となる。
【0041】本実施例は、以上のように構成され、2つ
のカメラを用いることで熱源までの距離測定ができる。
その測定距離を例えば死角領域と比較して、死角領域内
の熱源だけを危険と判断することもできる。また、一方
のカメラが何か大きな物体で覆われたときでも、両方の
カメラを一度に覆う確率が非常に小さいため、通常の検
出ができ、熱源検出の確率が向上する。なお、本実施例
では、2台のカメラを接続して説明したが、これに限ら
ず、2台のカメラを一組として複数組を設けて、死角領
域をカバーするように配置し、一組でも障害物ありと判
断が出た場合、エンジン始動を拒否することできる。こ
れによって、事故の回避率がさらに向上する。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように、装置運転停止
時に赤外線検出信号を記憶する。この検出信号は例えば
車両であれば運転者が周囲確認して車を停止した場所の
検出信号であるため、障害物のない状態が確認された検
出信号となる。ある時間経過後、始動する場合に、新た
な赤外線検出信号を取得する。この検出信号は停止時と
同じ場面の検出信号となる。この両検出信号を比較する
と、検出信号に変化があるかが分かる。この変化は停止
している間に、移動してきたものによりもたらされるた
め、判断手段はその変化により障害物の進入を判断でき
る。これにより、周囲が複雑な背景下例えば複雑背景熱
雑音がある場合においても、影響を受けず、障害物とな
る人、動物などの温体を検出することができ、その検出
の結果に基づき運転者に警報を発し、動力の始動を一時
的に拒否することにより、始動時に障害物と接触するよ
うなことが事前に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1の対応図である。
【図2】本発明の請求項2の対応図である。
【図3】本発明の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施例のフローチャートである。
【図5】画像変化の検出様子を示す図である。
【図6】第2の実施例を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施例を示すフローチャートである。
【図8】差分画像から障害物の移動の検出様子を示す図
である。
【図9】第4の実施例を示すフローチャートである。
【図10】第5の実施例を示すフローチャートである。
【図11】第5の実施例を示すフローチャートである。
【図12】第6の実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 赤外線検出手段 2 記憶手段 3 比較手段 4、4’ 判断手段 5 動作拒否手段 6 警報手段 7 動作拒否解除手段 20 カメラ 21 コントローラ 22 メモリ 23 リレー 24 警報器 25 解除スイッチ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力をもって運転される装置において、
    周囲の所定方向の赤外線を検出する赤外線検出手段と、
    前記装置が停止中における前記赤外線検出手段の検出信
    号を記憶する記憶手段と、前記装置が動作開始時の前記
    赤外線検出手段の検出信号を前記記憶手段に記憶されて
    いる検出信号と比較する比較手段と、前記比較手段の比
    較結果により障害物の有無を判断する判断手段と、前記
    判断手段が障害物ありと判断した場合は前記動作の開始
    を拒否する動作拒否手段と、前記動作拒否手段の作動に
    連動して警報を行なう警報手段と、前記動作の開始を可
    能にする動作拒否解除手段とを有することを特徴とする
    運転制御装置。
  2. 【請求項2】 動力をもって運転される装置において、
    周囲の所定方向の赤外線を検出する赤外線検出手段と、
    前記装置が停止中における前記赤外線検出手段の検出信
    号を記憶する記憶手段と、前記装置が動作開始時の前記
    赤外線検出手段の検出信号を前記記憶手段に記憶されて
    いる検出信号と比較する比較手段と、前記所定方向で状
    況変化を検出する変化検出手段と、前記比較手段の比較
    結果および前記状況変化の特性に基づき障害物の有無を
    判断する判断手段と、前記判断手段が障害物ありと判断
    した場合は前記動作の開始を拒否する動作拒否手段と、
    前記動作拒否手段の作動に連動して警報を行なう警報手
    段と、前記動作の開始を可能にする動作拒否解除手段と
    を有することを特徴とする運転制御装置。
  3. 【請求項3】 前記変化検出手段は、前記赤外線検出手
    段から複数回の検出信号を入力し、入力した検出信号を
    前回の検出信号と比較して、状況変化を検出することを
    特徴とする請求項2記載の運転制御装置。
  4. 【請求項4】 前記変化検出手段は、前記赤外線検出手
    段とは別に設けられている焦電センサにより障害物の出
    入を検知するものであることを特徴とする請求項2記載
    の運転制御装置。
  5. 【請求項5】 前記変化検出手段は、前記焦電センサに
    より障害物の出入を検知したときに、前記赤外線検出手
    段から検出信号を入力し、前回の検出信号と比較して、
    状況変化を検出することを特徴とする請求項2または4
    記載の運転制御装置。
  6. 【請求項6】 前記赤外線検出手段は複数設けられ、前
    記比較手段は、赤外線検出手段毎に比較を行い、前記判
    断手段は、前記比較手段の比較結果から、三角測量によ
    る距離測定を行うことによって障害物の有無を検出する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の
    運転制御装置。
  7. 【請求項7】 前記判断手段は、前記比較手段の比較結
    果により、前記検出信号の変化特性を算出し、算出した
    変化特性に基づいて障害物の有無を判断することを特徴
    とする請求項1または2記載の運転制御装置。
  8. 【請求項8】 前記動作拒否解除手段は、手動スイッチ
    を介して前記動作拒否手段および前記警報手段の作動を
    停止させることによって、前記動作を可能にすることを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載
    の運転制御装置。
  9. 【請求項9】 前記判断手段が障害物なしと判断するま
    で、前記赤外線検出手段が赤外線検出を繰り返すことを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載
    の運転制御装置。
  10. 【請求項10】 前記装置が車両であって、前記動作開
    始時がエンジンの始動時であることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の運転制
    御装置。
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