JPH104960A - 新しい血栓溶解タンパク質 - Google Patents

新しい血栓溶解タンパク質

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JPH104960A
JPH104960A JP9073177A JP7317797A JPH104960A JP H104960 A JPH104960 A JP H104960A JP 9073177 A JP9073177 A JP 9073177A JP 7317797 A JP7317797 A JP 7317797A JP H104960 A JPH104960 A JP H104960A
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arg
dna
fragment
cdna
protein
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JP9073177A
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English (en)
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Glenn R Larsen
ラーセン,グレン・アール
Tim J Ahern
アハーン,ティム・ジェイ
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Original Assignee
Genetics Institute LLC
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    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
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    • C12N9/6459Plasminogen activators t-plasminogen activator (3.4.21.68), i.e. tPA
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子
(t−PA)と比較して、改良された繊維素溶解性を有
する活性血栓溶解タンパク質を提供する。 【解決手段】(a)ヒトt−PAのペプチド配列中、2
45位のアミノ酸がMet又はValであり、(b)少
なくとも1個のN−結合性グリコシル化部位が、コンセ
ンサスN−結合性グリコシル化部位以外のものに修飾さ
れており、そして(c)Gly−(−3)からThr−
91までの領域内で1個以上のアミノ酸が置換してい
る、ヒトt−PAのペプチド配列と実質的に同じペプチ
ド配列を有することを特徴とする、組織プラスミノーゲ
ン活性化因子型活性を有する血栓溶解タンパク質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、組織プラスミノー
ゲン活性化因子(tissue plasminoge
n activator)型活性を有する新規な血栓溶
解タンパク質(thrombolytic prote
ins)(t−PA)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本願発明のDNA分子によって得られる
組換えt−PAタンパク質は、天然ヒトt−PAと比較
して、改良された繊維素溶解性を有するように意図され
た活性血栓溶解剤である。これは、フィブリン(fib
rin)への親和性の増大、t−PAの阻害剤との反応
性の減少、血栓溶解速度の増加、繊維素溶解性の増大、
および/または、生物学的半減期の長期化として示され
る。また、本発明のDNA分子によって得られるタンパ
ク質は、天然ヒトt−PAよりも、均質な形で容易に調
製し得ることも意図されている。薬物動力学的側面の全
体的な向上が、該タンパク質の目的とされている。
【0003】天然ヒトt−PAの構造は、約91アミノ
酸残基のアミノ(N−)末端、二個のいわゆる“クリン
グル(Kringle)”領域、および、セリンプロテ
アーゼ型カルボキシ末端ドメインから構成されるものと
して見ることができる。我々は、N末端が機能的役割、
とりわけ、フィブリン結合およびin vivoでの同
タンパク質の浄化、を行なういくつかのサブドメインを
含むことを見いだした。最近、天然N末端および最初の
クリングル領域を欠く、別の型のt−PAの発見が報告
された(ヨーロッパ公開特許出願第0196920号
(1986年10月8日公開)参照)。同報告によれ
ば、同不完全型t−PAは、天然ヒトt−PAのAla
−160から開始しており繊維素溶解性の活性を有す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以下に詳細に述べるよ
うに、本発明は、天然ヒトt−PAの双方のクリングル
領域を有するが、N末端領域内に修飾を含む、ヒトt−
PAの新しい類似タンパク質を与えるものである。ある
態様においては、修飾はN末端の欠失を含み、第一のク
リングル領域は元の状態であり、また、N末端の欠失は
94アミノ酸よりも大きくてはならない。ほとんどの態
様では、顕著に短い欠失および/または、アミノ酸置換
を含む。天然ヒトt−PAの構造をより多く含むことに
より、本発明のタンパク質が、より徹底的に修飾したt
−PA類似物質よりも、天然ヒトt−PAの望ましい生
物学的活性を選択的に保持し、より低い免疫原性を有す
ることが意図されている。従って、本発明のタンパク質
は、天然ヒトt−PAおよび不完全型Ala−160
t−PAの双方、および他の修飾型t−PAに比較し
て、改善された繊維素溶解性および薬物動力学的側面を
有する。
【0005】天然ヒトt−PAのポリペプチド骨格は、
4個のコンセンサスAsn結合性グリコシル化部位も含
んでいる。これらの部位のうち二つ、すなわち、Asn
117およびAsn448は、黒色腫由来哺乳動物細胞
由来のt−PAにおいては、一般的にグリコシル化され
ている。Asn184はしばしばグリコシル化されてお
り、Asn218は一般的にグリコシル化されていな
い。黒色腫由来哺乳動物細胞由来のt−PA、例えばボ
ウズ細胞(Bowes cells)も、ここでは天然
ヒトt−PAと呼ぶ。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述のよう
に、t−PA型繊維素溶解活性を有する、新しいヒトt
−PA類似タンパク質に関するものである。本発明のタ
ンパク質は、ペプチド配列中の以下の部位に修飾を含む
点で、ヒトt−PAと構造上異なる:(i)天然t−P
Aに存在するAsn結合性グリコシル化部位のうち3か
所まで;(ii)天然t−PAの成熟N末端94アミノ酸
に対応する、該タンパク質のN末端領域内;及び/ある
いは(iii)Arg275およびIle276にかか
る、タンパク質分解切断部位。本発明のタンパク質のこ
れらの特徴は、以下に詳細に述べる。多様な修飾に関わ
らず、表1の一文字記号配列に示したアミノ酸番号を用
いるものとする。
【0007】A.N末端領域の修飾 本発明によれば、該タンパク質は、天然ヒトt−PAと
比較して、Gly−(−3)あるいはSer−1からT
hr−91にわたるペプチド領域内の1−94アミノ酸
の欠失によって特徴づけられる。例えば、一つの態様で
は、天然t−PAのCys−51からAsp−87まで
が欠失している。別の二つの特異的な態様では、Cys
−6からSer−50まで、およびCys−6からIl
e−86までが、それぞれ欠失している。他の態様で
は、該タンパク質のN末端領域では、より変化の少ない
修飾が行われている。例えば、本発明のあるタンパク質
は、下に示す2以上の別々に分離した短い領域の内の、
一つ以上のアミノ酸の欠失あるいは置換を含む: Gly−(−3)からThr−91にわたるN末端領域
内の上記修飾および他の修飾については、以下で詳細に
述べる。
【0008】B.N結合性グリコシル化部位の修飾 本発明のタンパク質誘導物質は、さらにN結合性炭水化
物部分は含まないか、あるいは天然ヒトt−PAと比較
して、部分的にしかグリコシル化されていない。本明細
書で用いられる“部分的グリコシル化”とは、完全にグ
リコシル化された天然ヒトt−PAよりも少ないN結合
性炭水化物部分を含むタンパク質を意味する。上記グリ
コシル化の欠失あるいは部分的にグリコシル化は、天然
t−PA分子に存在する1個以上のコンセンサスN−結
合性グリコシル化認識部位でのアミノ酸置換あるいは欠
失によるものである。我々は、一個以上のN−結合性グ
リコシル化部位で上記修飾を具体的に行なった本発明の
多様なタンパク質は、ある場合にはより高い繊維素溶解
活性とともにt−PA型血栓溶解活性を保持し、天然t
−PAよりも均質な形で容易に生産でき、多くの場合天
然t−PAよりも長いin vivoでの半減期を有す
ることを見い出した。
【0009】N−結合性グリコシル化認識部位は、適当
な細胞性グリコシル化酵素によって特異的に認識される
トリペプチド配列から成ると現在は考えられている。上
記トリペプチド配列は、アスパラギン−X−スレオニ
ン、あるいは、アスパラギン−X−セリンのいずれかで
あり、Xは通常いかなるアミノ酸でもよい。t−PAペ
プチド配列中の上記トリペプチド配列の位置を、表1に
示す。グリコシル化認識部位の3個の位置のうち1個以
上での、多様なアミノ酸置換あるいは欠失は、該修飾配
列での非グリコシル化を引き起こす。例として、ある態
様においてはt−PAのAsn117およびAsn18
4が双方ともThrで置換され、別の態様ではGluで
置換された。少なくとも二箇所のGlu置換の場合に
は、得られた糖タンパク質(Gln117 Gln18
4)は、天然t−PAの場合のように2箇所あるいは3
箇所のN−結合性炭水化物部分を有するのではなく、た
だ一個所の同部分(Asn448)を含むはずである。
上と同等のAsn448モノグリコシル化された類似糖
タンパク質は、117位および184位の他のアミノ酸
との置換および/または、それぞれのグリコシル化認識
部位内の他の位置における1個以上のアミノ酸の欠失あ
るいは置換、例えば、上述の、Ser119およびSe
r186、および/または一個所以上のトリペプチド部
位の“X”部位における置換、あるいはより望ましくは
欠失によって、調製されるであろうことは、当業者には
理解されるであろう。他の態様においては、117,1
84,および448位のAsnがGlnと置換されてい
る。得られた誘導物質は、天然t−PAの場合のような
2個所あるいは3個所のN−結合性炭水化物部分を含む
のではなく、同部分を全く有さないはずである。別の態
様では、潜在的なグリコシル化部位が独立に修飾され、
例として、一つの現在推奨される態様においては117
位のAspが、別の態様では184位のAspが、さら
に別の態様では448位のAspが、例えばGlnと個
々に置換されている。本発明は、上記のような、非グリ
コシル化、モノグリコシル化、ジグリコシル化、および
トリグリコシル化t−PA変異体を含む。
【0010】本発明の多様な態様に見られる、3個所の
コンセンサスN−結合性グリコシル化配列、R1,R2
およびR3の1個所以上での修飾例を、以下に示す: −,−−,および−−−はペプチド結合 *はアミノ酸 UはAsn,ThrあるいはSer以外のいずれかのア
ミノ酸 VはAsn以外のいずれかのアミノ酸、あるいはペプチ
ド結合 WはSer以外のいずれかのアミノ酸、あるいはペプチ
ド結合 XはGly以外のいずれかのアミノ酸、あるいはペプチ
ド結合 YはArg以外のいずれかのアミノ酸、あるいはペプチ
ド結合 ZはThrあるいはSer以外のいずれかのアミノ酸、
あるいはペプチド結合 wtは野性型、すなわち、ミュータジェネシス前
【0011】C.Arg−275/Ile−276切断
部位の修飾 本発明によれば、変異体は、Arg−275の欠失ある
いはArgと他のアミノ酸との置換、望ましくはLys
あるいはHis以外のアミノ酸との置換によって、Ar
g−275とIle−276にかかるタンパク質分解切
断部位が任意に修飾される。Thrは、本発明の多様な
態様において、Arg−275に対する現在特に望まし
い置換アミノ酸である。天然t−PAのArg−275
におけるタンパク質分解切断によって、本分野では知ら
れている、いわゆる「2本鎖」分子が得られる。上記切
断部位での修飾によって特徴づけられる本発明のタンパ
ク質は、切断部位修飾がない対応するタンパク質より
も、均質の形でより容易に産生され、また、おそらくよ
り重要なことであるが、改善された繊維素溶解性および
薬物動力学的特徴を有するでであろう。
【0012】上記のように、本発明は、ヒトt−PAに
関連した一群の新しい血栓溶解タンパク質を与える。こ
の群は、数種のタンパク質を含む。
【0013】ひとつの態様では、該タンパク質は、ヒト
t−PAのペプチド配列と実質的に同じペプチド配列
で、その中でArg−275が欠失しているか、あるい
は他のアミノ酸、望ましくはリジンあるいはヒスチジン
以外のもの、と置換されており、少なくとも一個所のコ
ンセンサスAsn−結合性グリコシル化部位が欠失して
いるか、コンセンサスAsn−結合性グリコシル化配列
以外のものになるように修飾される。本発明の典型的な
タンパク質は、以下の表1に示されている 。ここで用
いる「ヒトt−PAのペプチド配列と実質的に同等なペ
プチド配列を特徴とする」という表現は、ヒトt−PA
のペプチド配列は、あるいは、ヒトt−PAをコードす
るDNA配列あるいは厳しいハイブリッド形成条件下で
同配列にハイブリッドし得るDNA配列によってコード
されるペプチド配列を意味する。上記のように、本発明
のタンパク質は、ここに明示する多様な修飾あるいは修
飾の組み合わせによって特徴づけられるt−PA類似体
を含み、他の変異、例えば、アリル変異あるいは、上記
タンパク質をコードするDNA(発明の修飾以前)がヒ
トt−PAをコードするDNA配列と厳格な条件下でハ
イブリッド形成し得る限り、依然として繊維素溶解活性
を保存するような、アミノ酸のさらなる欠失、置換、あ
るいは挿入をも含む。
【0014】
【表1】 JはArg以外、望ましくはArg,HisあるいはL
ys以外のアミノ酸、R1,R2,R3はペプチド結合、
アミノ酸、ジペプチドあるいはトリペプチドから成る群
から独立に選択され、R1,R2,およびR3のうち少な
くとも一つはコンセンサスN結合性グリコシル化配列以
外のものである;“−”,“−−”,“−−−”はペプ
チド結合を表わす。
【0015】第2の態様においては、該タンパク質は、
Gly−(−3)からThr−91にわたるN末端領域
内での1個以上のアミノ酸が欠失し、また(a)1箇所
以上のAsn−結合性グリコシル化部位が任意に欠失さ
れ、もしくはコンセンサスAsn結合性グリコシル化部
位以外のものになるように修飾され、および/または
(b)Arg−275が任意に欠失されるか他のアミノ
酸、望ましくはリシンあるいはヒスチジン以外に置換さ
れている、ヒトt−PAのペプチド配列と実質的に同等
のペプチド配列によって特徴づけられる。本態様の典型
的なタンパク質を、以下に示す。
【0016】N末端欠失を有するタンパク質の実例 以下のタンパク質は、R1,R2,およびR3はwtトリ
ペプチド配列を示すがN末端(Gly−(−3)からT
hr−91)が次の配列と置換されている、表1に示さ
れたペプチド配列を有するものである: “−”はアミノ酸欠失部位を示す
【0017】本態様は、Gly−(−3)からThr−
91の領域から1から約94アミノ酸が欠失し、1箇所
以上のAsn−結合性グリコシル化部位が欠失している
か、もしくは前述のようにコンセンサスAsn−結合性
グリコシル化配列以外の配列に修飾されている、タンパ
ク質の亜属を含む。またGly−(−3)からThr−
91までの領域から1から約94アミノ酸が欠失し、A
rg−275が欠失しているか他のアミノ酸、望ましく
はリシンあるいはヒスチジン以外のものと置換されてい
る、化合物の亜属も含まれる。本態様に含まれる、さら
に別の亜属は、Gly−(−3)からThr−91の領
域内での1から約94アミノ酸の欠失、1箇所以上のA
sn−結合性グリコシル化部位の欠失あるいは修飾(例
えば7頁の表参照)、およびArg−275の欠失ある
いはArg−275と他のアミノ酸との置換によって特
徴づけられる、上記亜属の典型的なタンパク質は、以下
の表2および表2.5に示される。
【0018】本態様はまた、N末端領域の欠失が、Se
r−1からSer−50までの領域中の、1から約45
アミノ酸の欠失から成るタンパク質の亜属も含む。また
Ser−1からSer−50までの領域中で1から約4
5アミノ酸が欠失し、1箇所以上のグリコシル化領域が
前述のように修飾されている、タンパク質の亜属も含ま
れる。更に別の亜属は、Ser−1からSer−50ま
での領域中での1から約45アミノ酸の欠失を有し、A
rg−275が欠失しているか他のアミノ酸と置換され
ているタンパク質から成る。さらにまた、Ser−1か
らSer−50までの領域内での1から約45アミノ酸
の欠失を有し、(a)1箇所以上のグリコシル化部位、
および(b)Arg−275、の双方が前述のように任
意に修飾されている亜属が含まれている。これらの亜属
の典型的なタンパク質は、表2,表2.5と同様、以下
の表3に示されている。
【0019】
【表2】
【表3】 *はwtN−末端と比較して少なくとも1アミノ酸が異
なるN末端領域を示し、その具体例は以下に示す表2.
5および表3−5と6−Bに示される;“#”はペプチ
ド結合あるいはアルギニン(R)以外のアミノ酸を表
す;“−”はペプチド結合を示す;UはAsn,Th
r,あるいはSer以外のアミノ酸;Wはペプチド結合
あるいは、Ser以外のアミノ酸;Zはペプチド結合あ
るいは、ThrあるいはSer以外のアミノ酸;∧はい
ずれかのアミノ酸;そしてwtは野生型を示す。
【0020】
【表4】
【表5】
【0021】本発明の特異的なタンパク質は、表2の化
合物番号、次にN末端領域の名称、そして275位の明
示からなる、3部分名称によって命名される。例えば、
化合物番号2−11/N−6/Argは、3グリコシル
化部位が欠失し(“2−11”,表2参照)、C−36
からC−43までが欠失し(N末端#N−6)、そして
Arg−275が保持されているタンパク質を表す。
【0022】 表3:Ser−1からSer−50までの領域中に1−45アミノ酸の欠失を有 し、(a)Arg−275と(b)少なくとも1カ所のN−結合性グリコシル化部位の一方あるいは双方が修飾されている、典型的なタンパク質 (一般的配列は表1参照) 具体的なタンパク質は、表2で定義されたものと同様で
あるが、以下のN末端で野生型(wt)配列のGly−
(−3)からThr−91を置換したものである:
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【0023】表3に示される、修飾されたN末端領域を
参照して、1個以上のアミノ酸が欠失されるであろうこ
とは、理解されるべきである。多数のアミノ酸が欠失す
る場合は、それらは互いに隣接しているか、あるいは1
個以上の他のアミノ酸によって分離されている。上記の
ようなN末端領域を有する化合物を示す際に、欠失して
いるアミノ酸の数を“n”として、“Δn”によって欠
失の大きさを示す。例えば、表3に示されるように1ア
ミノ酸が欠失したN末端#24は、“N−24Δ1”と
呼ばれる。2個のアミノ酸、例えばS−1およびY−2
が欠失している場合、N末端は“N−24Δ2”のよう
に呼ぶ。欠失の組み合わせがある場合、例えば、S−
1,Y−2,およびI−5が欠失している場合には、N
末端は”N−24Δ2,N−28Δ1”とする。表2.
5に続く本文中に示したように、特異的な化合物は、表
2の化合物番号、それに続くN末端領域の名称#、例え
ば表2.5のもの、および次に275位の状態の明示か
ら成る3要素の記号によって表される。従って、化合物
2−26/N−24Δ2,N−28Δ1/−は、3箇所
のグリコシル化部位全て;R−275;S−1,Y−
2,およびI−5が欠失しているタンパク質を示す。
【0024】本態様はさらに、Cys−51からThr
−91までの領域から、1から約41アミノ酸が欠失し
ているタンパク質の亜属を含む。本亜属のタンパク質
は、Arg−275が欠失するか、あるいは、別のアミ
ノ酸、望ましくはリシンあるいはヒスチジン以外のアミ
ノ酸との置換などのように任意に修飾されうる。本亜属
のタンパク質は、Arg−275における修飾の代わり
として、あるいは、Arg−275における修飾に加え
て、(a)前述のように、1箇所以上のN−結合性グリ
コシル化部位をなくし、および/または、(b)Gly
−(−3)からSer−50までの領域内での1個以上
のアミノ酸を欠失させるように、修飾し得る。本亜属の
典型的なタンパク質は、表2および表3に示されるもの
と同様であるが、下の表4に示されるようなN末端領域
を含む。
【0025】 表4:Cys−51からThr−91までの領域内の1−41アミノ酸の欠失を有する典型的なタンパク質 (一般的配列は表1参照) 具体的なタンパク質は、表2で定義されたものと同様で
あるが、以下のN末端領域が野生型(wt)配列のGl
y−(−3)からThr−91までと置換されている:
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【0026】上の表4を参照して、いくつかのタンパク
質亜属が明示されることに注目すべきである。例えばC
ys−51からAsp−87までで、1−37アミノ酸
の欠失(独立に、連続的に、あるいは組み合わせて)を
含むタンパク質が示され、同様に、Cys−51からA
sp−87までで1−37アミノ酸の欠失を含み、Gl
y−(−3)からCys−51までの領域内で一個以上
のアミノ酸の欠失を含むタンパク質も示される(N−7
6参照)。N末端N−76からN−111までの中から
選択されたN末端を含む化合物を参照して、一個以上の
アミノ酸が欠失していてもよいことは、理解されるべき
である。例えば、1アミノ酸が欠失しているN−77
は、表4に示されるように、“N−77Δ1”として示
される。6アミノ酸の欠失、例えば、S−52からF−
57の欠失の場合は、N末端は“N−77Δ6”と呼ば
れる、など。特異的タンパク質は、表2および表3に続
いて示されたように表される。3箇所のグリコシル化部
位およびArg−275が欠失している例を以下に示
す:化合物の名称 欠 失 2−26/N−75/− C−51からD−87 2−26/N−74Δ/6/− C−51からC−56 2−27/N−74Δ1,N−76Δ61/− C−51,E−53から N−58
【0027】グリコシル化領域に修飾はないが、多様な
欠失を含む化合物の例を以下に示す:化合物の名称 修飾:欠失 2−0/N−424/Arg P−47からS−50 2−0/N−425/Arg L26およびV−31 2−0/N−426/Arg V−25,L−26,V−31 およびE−32 2−0/N−427/Arg Q−17,L−26および V−31 2−0/N−428/Arg Y−15,Q−16,V−25 ,L−26,V−31および E−32 2−0/N−63Δ2,N−92Δ3/Arg R−40,A−41,Y−67 ,F−68およびS−69 2−0/N−63Δ1,N−93Δ2/Arg R−40,Y−67およびF− 68 2−0/N−63Δ1,N−92Δ1/Arg R−40およびY−67
【0028】上と同じ欠失を有するが、最初のN−結合
性グリコシル化部位でも修飾をうけ、ここではAsn−
117をGlnで置換した化合物の例を下に示す: 2−1/N−424/Arg 2−1/N−425/Arg 2−1/N−426/Arg 2−1/N−427/Arg 2−1/N−428/Arg 2−1/N−63Δ2,N−92Δ3/Arg 2−1/N−63Δ1,N−92Δ2/Arg 2−1/N−63Δ1,N−92Δ1/Arg
【0029】上記と同様の欠失を有するが、3箇所のグ
リコシル化部位全ても修飾され、ここではAsnがGl
nで置換されている化合物の例を以下に示す: 2−7/N−424/Arg 2−7/N−425/Arg 2−7/N−426/Arg 2−7/N−427/Arg 2−7/N−428/Arg 2−7/N−63Δ2,N−92Δ3/Arg 2−7/N−63Δ1,N−92Δ2/Arg 2−7/N−63Δ1,N−92Δ1/Arg
【0030】以上のように、本態様は、Gly−(−
3)からThr−91までの領域内に約20アミノ酸よ
り少ない、1個以上の欠失を含むタンパク質の亜属をさ
らに含む。この亜属のタンパク質は、Arg−275お
よび/または、1箇所以上のAsn−結合性グリコシル
化部位も修飾されていてもよい。本亜属の典型的なタン
パク質は表2から表4に示されたものと同様であるが、
野生型N末端領域のかわりに、以下の表5に示されるよ
うなN末端を含む。本亜属のさらに別の典型的な化合物
も、3要素記号表示によって上に示されている。
【0031】該タンパク質の第3の態様は、Gly−
(−3)からThr−91までの領域内で1−94個の
アミノ酸が、他のアミノ酸と置換されている。ヒトt−
PAのペプチド配列と実質的に同等のペプチド配列によ
って特徴づけられる。この態様は、上述のN末端領域内
の1個以上のアミノ酸の置換、上述のArg−275の
修飾によって特徴づけられる化合物の亜属を含む。ま
た、上述のN末端領域内の1個以上のアミノ酸の置換、
および、上述のような1箇所以上のコンセンサスAsn
−結合性グリコシル化部位の修飾によって特徴づけられ
る化合物の亜属も含む。本態様のさらに別の亜属は、N
末端領域内の1個以上のアミノ酸の置換、および、前述
のような、Arg−275および1箇所以上のN−結合
性グリコシル化部位の双方の修飾によって特徴づけられ
る。本態様の一つの局面において、アミノ酸置換は、G
ly−(−3)からSer−50までの領域内であり、
Arg−275および/または1箇所以上のN−結合性
グリコシル化部位における修飾を有する、あるいは、有
さない。別の局面においては、アミノ酸置換は、Cys
−51からThr−91までの領域内であり、上と同様
に、Arg−275および/または、1箇所以上のN−
結合性グリコシル化部位における修飾を有する、あるい
は有さない。さらに別の局面では、以下に示す領域1箇
所以上の中で、1個から約11個の、望ましくは、1個
から約6個のアミノ酸が置換され、また上と同様に、他
の上述の修飾をうけている、あるいは、うけていない:
【0032】本態様のさらに別の局面では、置換は次の
領域のうち1箇所以上に存在する:R−7からS−2
0,W−21からY−33,N−37からQ−42,お
よび、H−44からS−50。本態様のまた別の局面で
は、N末端領域が、上と同様に、1箇所以上の上で定義
された領域内で、1個から約11個、望ましくは、1個
から約6個のアミノ酸置換によって修飾され、さらに、
1個から93個の、望ましくは1個から約45個の、よ
り望ましくは1個から15個のアミノ酸の欠失によって
修飾される。
【0033】アミノ酸置換の具体例は、以下の表6−A
に示し、典型的なタンパク質は表6−Bに示す。R−4
0,A−41およびQ−42に対する置換では、SがR
−40のために望ましい置換であり、A−41およびQ
−42に対しては、それぞれVおよびLが望ましい置換
である。表6AのR−40,A−41,およびQ−42
について明示された置換を具体化する本発明のタンパク
質は、それ自体、あるいは本態様の他の局面および亜属
でのように、他の置換、および/または、N末端領域に
おける欠失、および/または、R−275および/また
は少なくとも1箇所のグリコシル化部位における修飾と
組み合わせであることが現在望ましい。我々のタンパク
質が欠失でなく、置換によって修飾されている限りで
は、我々のタンパク質は、天然t−PAの立体構造の多
くを保持し、また、天然t−PAの望ましい生物学的活
性の多くを選択的に保持することを意図されている。
【0034】
【表15】
【表16】
【0035】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【0036】アミノ酸置換によって具体化される本発明
のタンパク質は、前述のように3要素記号によって呼ば
れうる。1個以上のwtアミノ酸が置換されているであ
ろうことは、当然理解されるべきである。上述のような
N末端領域を有する化合物の命名の際に、我々は、
“n”を例えば、表6−Aに示されたような(しかし制
限されるものではない)置換アミノ酸と、置換されたア
ミノ酸の数として、“Sn”によって置換数を示す。例
えば、N末端領域#N−122S1が、表6−Bに示さ
れたN末端領域122を表し、N末端領域#N−122
S4は、S−1がGと置換され、続く3個のwtアミノ
酸が別のアミノ酸と置換されているN末端領域を表す。
多数のアミノ酸置換を含む、本態様のタンパク質は、以
下のように、特異的置換を示す一連のN末端領域名によ
って表される:Asn−117がGluと置換され、A
rg−275が、Thrと置換されている、多数のN末
端領域の置換を含む化合物の具体例: 置換: 化合物# wt 置換アミノ酸 2−16/N−159,N−161/Thr S−38 P R−40 S 2−16/N−161,N−163/Thr R−40 S Q−42 L 2−16/N−161,N−172/Thr R−40 S K−49 T 2−16/N−138,N−142/Thr Q−17 L W−21 Y 2−16/N−133,N−138/Thr Q−12 L Q−17 L 2−16/N−128,N−133/Thr R−7 T Q−12 L 2−16/N−131,N−162/Thr K−10 T A−41 V 2−16/N−165,N−170/Thr H−44 S K−49 D 2−16/N−143,N−146/Thr L−22 E V−25 Y 2−16/N−173,N−165/Thr E−32 Q H−44 S 2−16/N−165,N−172/Thr H−44 S K−49 T 2−16/N−148,N−151/Thr R−27 S R−30 S 2−16/N−143,N−153/Thr L−22 E E−32 S 2−16/N−161,N−170/Thr R−40 S K−49 D 2−16/N−153,N−161/Thr E−32 S R−40 S 2−16/N−129,N−131/Thr D−8 N K−10 T 2−16/N−131,N−143/Thr K−10 T L−22 E 2−16/N−128,N−131/Thr R−7 T K−10 T 2−16/N−128,N−161/Thr R−7 T R−40 S 2−16/N−175,N−176/Thr L−66 K Y−67 A 2−16/N−176,N−178/Thr Y−67 A F−68 G 2−16/N−177,N−170/Thr Y−67 G D−70 F 2−16/N−177,N−179/Thr Y−67 G F−68 A 2−16/N−181,N−182/Thr P−54 G K−82 H 2−16/N−202,N−183/Thr R−55 S K−82 Q 2−16/N−185,N−184/Thr E−77 T K−82 N 2−16/N−184,N−186/Thr K−82 N D−87 H 2−16/N−187,N−186/Thr R−55 T D−87 H 2−16/N−188,N−201/Thr L−66 N D−70 S 2−16/N−189,N−190/Thr R−55 H N−58 V 2−16/N−191,N−189/Thr E−53 T R−55 H 2−16/N−193,N−192/Thr K−49 H E−53 Q 2−16/N−161,N−175/Thr R−40 S L−66 K 2−16/N−148,N−194/Thr R−27 S F−68 H 2−16/N−131,N−184/Thr K−10 T F−68 H 2−16/N−174,N−195/Thr D−8 N F−68 I 2−16/N−144,N−195/Thr R−23 G F−68 I 2−16/N−151,N−196/Thr R−30 S F−68 P 2−16/N−161,N−198/Thr R−40 S S−69 I 2−16/N−199,N−200/Thr Q−42 L A−65 E 2−16/N−161,N−197/Thr R−40 S F−68 R
【0037】特別の関心が持たれる一つの亜属は、Gl
y−(−3)からL−66までの1個以上のアミノ酸の
任意の欠失、および/あるいは、任意の置換を有し、1
箇所以上のグリコシル化部位および/あるいはArg−
275における前述のような修飾を含むか、あるいは含
まないY−67からS−69までの1個以上の置換によ
って特徴化される。
【0038】本発明の一つの局面において、該タンパク
質は、哺乳類糖タンパク質に特徴的な、少なくとも一つ
のいわゆる“複合炭水化物”糖部分を含む。以下に詳し
く例示するように、上記のような“複合炭水化物”糖タ
ンパク質は、哺乳動物宿主細胞中で望みのポリペプチド
配列をコードするDNA分子を発現させることによって
産生し得る。適当な哺乳動物宿主細胞および、形質転
換、培養、増幅、スクリーニング、および産物産生と精
製の方法は、本分野で既知である。例えば、ゲシング
(Gething)およびサムブルック(Sambro
ok),Nature 293:620−625(19
81),あるいは、カウフマン(Kaufman)他,
Molecular and Celluler Bi
ology(7):1750−1759(198
5)、あるいは、ハウレー(Howley)他の,米国
特許第4,419,446号参照。
【0039】本発明のさらに別の局面は、各々の炭水化
物部分が、昆虫細胞産生糖タンパク質に特徴的な初期ド
リコール結合性オリゴサッカライトのプロセッシングを
うけた型であって、哺乳類由来t−PAを含む哺乳動物
由来糖タンパク質に特徴的な“複合炭水化物”置換基で
はない、上で定義されたt−PA変異体に関するもので
ある。上記昆虫細胞型グリコシル化は、ここでは簡単の
ために“高マンノース”炭水化物と呼ぶ。本開示の目的
のために、複合体および高マンノース炭水化物は、コル
ンフェルト(Kornfeld)ら、Ann.Rev.
Biochem.54:631−64(1985)に定
義されたものとする。本発明による“高マンノース”変
異体は、少なくとも1箇所の使用されるN−結合性グリ
コシル化部位を含む上述のような変異体ポリペプチド骨
格によって特徴づけられる。上記変異体は、該変異体を
コードするDNA配列の、昆虫宿主細胞内における発現
によって産生しうる。本発明の本局面を実施する際に有
用な、適当な昆虫宿主細胞および、形質転換/形質導
入、昆虫細胞培養、スクリーニングおよび産物産生と精
製の材料と方法は、本分野で既知である。本発明の本局
面の変異体は、炭水化物部分の末端アシル酸あるいはガ
ラクトース置換基、あるいは、哺乳動物由来糖タンパク
質に特有の他のタンパク質修飾を含まないという点で、
上記のように産生された糖タンパク質は天然t−PAと
も、哺乳動物細胞内で組み換え工学技術によって前述の
ように産生されたt−PAとも異なる。
【0040】N−結合性炭水化物部分を全く含まない本
発明のタンパク質も、哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母あ
るいは細菌宿主細胞、そして、現在望ましいとされてい
る真核宿主細胞中で、例えば表1の化合物1−6から1
−11などの、望みの変異体をコードするDNA分子を
発現させることによって産生できる。上に示したよう
に、適当な哺乳動物宿主細胞および昆虫宿主細胞、さら
に適当な酵母宿主細胞および細菌宿主細胞、また、本発
明の本局面を実施する際に有用な形質転換/形質導入、
細胞培養、スクリーニングおよび産物産生と精製の方法
および材料もまた、本分野では知られている。
【0041】さらに、本分野の一般的な技術に通じた者
には明らかなように、本発明はまた、Gly−3あるい
はSer1からThr91までの域内のアミノ酸欠失によ
るのではなく、同領域、特にArg7からSer50まで
の領域内での1個以上のアミノ酸置換、あるいは、欠失
と置換によって特徴づけられる他のt−PA変異体をも
意図する。これらの化合物をコードするcDNAは、例
えば、ここに述べる適当なミュータジェネシスオリゴヌ
クレオチドを用いたミュータジェネシス法とかなり類似
した方法によって、容易に調製し得る。cDNAは、R
1,R2およびR3のコドン1個以上、および/あるい
は、Agr−275において任意にミュータジェナイズ
を行ない、ここに示す方法によって発現ベクターに挿入
し、宿主細胞内で発現させることができる。これらのタ
ンパク質は本発明の他の化合物の有利な薬物動力学的性
質を共有し、また、おそらくここに示されるものと類似
の薬学的調製において、投与の際の不必要な抗原性を避
けられるであろうということが予想される。
【0042】以上から明らかなように、本発明の全ての
変異体は、天然ヒトt−PAと比較して潜在的グリコシ
ル化部位をより少なく有するか、あるいは全く有さず、
および/または、Arg−275の欠失あるいは置換を
含む類似物質をコードするDNA配列を用いて、組み換
え技術によって調製される。上記DNA配列は、t−P
AをコードするDNA配列の、慣習的な部位特異的ミュ
ータジェネシスによって作製することができる。
【0043】t−PAをコードするDNA配列を含むD
NA配列は、クローン化され、解析されている。例え
ば、D.ペニカ(Pennica)他,Nature
(London)301:214(1983)および、
R.カウフマン(Kaufman)他,Mol.Cel
l.Biol.(7):1750(1985)参照。
血栓溶解活性を有するt−PA類似物質をコードする一
つのクローン、ATCC39891は、245位にVa
lでなくMet残基を含む点で、独特である。一般的
に、該DNA配列は、プロセッシングされる、すなわ
ち、宿主に認識され、除去される、リーダー配列をコー
ドし、続いて、Gly.Ala.Arg.Ser.Ty
r.Gln...で始まるタンパク質全長のアミノ酸残
基をコードしている。DNA配列が発現される培地およ
び宿主細胞に依存して、上述のように生成されたタンパ
ク質は、Gly.Ala.Argアミノ末端から始まる
か、あるいはさらにプロセッシングされて最初の3アミ
ノ酸残基がタンパク質分解的に除去される。後者の場
合、成熟タンパク質は、Ser.Tyr.Gln.Le
u...から成るアミノ末端を有する。いずれのアミノ
末端を有するt−PA変異体も、血栓溶解活性を持ち、
本発明に含まれる。本発明による変異体はまた、他の変
異体、例えば、アリル変異や他のアミノ酸置換あるいは
欠失などと同様に、Met245あるいはVal245
のいずれかを有するタンパク質を含み、同タンパク質は
なお、血栓溶解活性を保持している。
【0044】本発明はまた、Asn−218からThr
−220にわたるポリペプチド領域中にさらに修飾を含
む、上述のような化合物も含む。特に、本態様の化合物
は、218位のAsn以外のアミノ酸あるいはペプチド
結合、および/あるいは、219位のPro以外のアミ
ノ酸あるいはペプチド結合、および/あるいは、220
位のSerあるいはThr以外のアミノ酸あるいはペプ
チド結合によって、さらに特徴づけられる。以上のよう
に、本態様の化合物は、黒色腫由来哺乳動物細胞によっ
て産生されたt−PAでは一般的にグリコシル化されて
いないコンセンサスN−結合性グリコシル化部位を欠
く。
【0045】上述のように、本発明の各々の変異体をコ
ードするDNA配列は、ヒトt−PAあるいはその類似
物質あるいはその変異体をコードするDNA配列の慣習
的な部位特異的導入によって作製される。このような変
異導入法は、ゾラー(Zoller)およびスミス(S
mith),Nucleic Acids Res.
:6487−6500(1982);Methods
Enzymol.100:468−500(198
3);およびDNA 3:479−488(1984)
の、一本鎖DNAを用いるM13系、および、ヘテロ二
重鎖DNAを用いる、モリナガらの方法、Bio/te
chnology,636−639(1984年7月)
を含む。上記方法に従って、N末端領域における欠失を
生じさせるため、あるいは、例えば、アスパラギン残基
をスレオニンあるいはグルタミンに換えるために用いる
いくつかの典型的なオリゴヌクレオチドを、表7に示
す。本発明の各々の糖タンパク質をコードするDNA
は、適切に選択されたオリゴヌクレオチドを用いた部位
特異的変異導入により、本技術に熟達した者によって同
様に生成されるであろうことは、当然理解されるべきで
ある。哺乳動物、酵母、細菌、あるいは昆虫宿主細菌系
における慣習的な方法による上記DNAの発現により、
望みの変異体が得られる。哺乳動物発現系およびそれに
よって得られた変異体が、目下のところ望ましい。
【0046】ここに示す哺乳動物細胞発現ベクターは、
本分野に熟達した者にはよく知られた技術によって合成
される。細菌のレプリコン、選択遺伝子、エンハンサ
ー、プロモーターなどのベクターの要素は、天然供給源
から得るか、あるいは既知の方法によって合成する。カ
ウフマン(Kaufman)他,J.Mol.Bio
l.159:51−521(1982);カウフマ
ン,Proc.Natl.Acad.Sci82:6
89−693(1985)参照。
【0047】トランスフォームされた細胞系を含む、確
立された細胞系は、宿主として適切である。正常二倍体
細胞、一次組織のin vitro培養液由来細胞系、
および初代組織片(造血幹細胞などの比較的未分化の細
胞を含む)も、適切である。選択遺伝子が優性に働く限
りは、候補となる細胞は選択遺伝子に関して遺伝子型が
欠失している必要はない。
【0048】宿主細胞は確立されている哺乳動物細胞系
であることが望ましいであろう。双方とも慣習的方法に
よって行なわれる、ベクターDNAの染色体DNAへの
安定な組込み、および、それに続く組込まれたベクター
DNAの増幅のために、CHO(チャイニーズハムスタ
ー卵巣)細胞が現在のところ望ましい。あるいは、ベク
ターDNAがウシパピローマウイルスゲノム(ラスキー
(Lusky)他,Cell36:391−401
(1984))の全体あるいは一部を含み、安定なエピ
ソーム性要素としてC127マウス細胞のような細胞系
内に保持されることも可能である。他の有用な哺乳動物
細胞には、HeLa,サルのCOS−1細胞、マウスL
−929細胞、スイス,Balb−c,あるいは、NI
Hマウス由来の3T3系、BHKあるいはHaKハムス
ター細胞系などが含まれる。
【0049】次に、安定な形質転換体について、標準的
な免疫学的アッセイあるいは酵素アッセイによって、産
物の発現に関してスクリーニングを行なう。タンパク質
変異体をコードするDNAの存在は、サザンブロッティ
ング法などの標準的方法によって検出することができ
る。サルCOS−1細胞などの適当な宿主細胞への発現
ベクターDNA導入後数日間の、上記変異体をコードす
るDNAの一時的な発現は、培地中のタンパク質の活性
あるいは免疫学的アッセイによる選択を行わずに測定す
る。
【0050】細菌における発現の場合には、本分野では
知られているように、変異体をコードするDNAを、細
菌での発現のために異なるコドンを含むようにさらに修
飾し、望ましくは、これも本分野では既知であるが、細
菌での発現、分泌、および成熟タンパク質変異体のプロ
セッシングを可能にする分泌リーダーポリペプチドをコ
ードするヌクレオチド配列に読み枠内で、実効的に連結
する。哺乳動物、昆虫、酵母、あるいは細菌の各宿主細
胞で発現した化合物は、次に、全て既知の方法によっ
て、回収し、精製し、および/あるいは、物理化学的、
生化学的、および/または、臨床的要素に関して解析を
行なう。
【0051】これらの化合物は、ヒトt−PAに対する
モノクローナル抗体に結合することが明らかとなり、従
って、同様な抗体を用いた免疫アフィニティークロマト
グラフィーによって回収および/あるいは精製を行うこ
とが可能である。さらに、本分野で既知のプラスミン色
素産生基質S−2251を用いた間接的アッセイで測定
されるように、これらの化合物はt−PA型酵素活性を
有する。すなわち、本発明の化合物はフィブリンの存在
下でプラスミノーゲンを効果的に活性化し、繊維素溶解
を引き起こす。
【0052】本発明はまた、薬学的に許容される非経口
的キャリアと混和した治療上効果的な量の上記変異体か
ら成る血栓溶解治療のための混合物も含む。同混合物
は、ヒトt−PAについて示されたものと同様に用いる
ことができ、ヒト、あるいは、イヌ、ネコ、および血栓
症性心血管障害にかかりやすいことが知られている他の
哺乳動物などの下等動物に対して有用なはずである。該
混合物は、治療および望ましくは血栓症の予防の双方に
用いられることが意図されている。正確な投与量および
投与方法は、特定の化合物の有効性および薬物動力学的
局面、また、例えば体重、性、食事、投薬時間、薬剤の
組成、反応感受性、特定の症例の重度などの、薬剤の働
きを修飾する多様な要素に依存して、治療医の参加によ
って決定されるであろう。
【0053】以下の例は、本発明の態様を具体的に示す
ために掲げるものである。これらの例は具体例を示すも
のであることは理解されるべきであり、本発明は、添付
される請求の範囲で示されるものを除いては、それによ
って制限されるとは考えられるべきでない。
【0054】昆虫細胞での発現に関する各々の実施例で
は、用いた核多角形病ウイルス(nuclear po
lyhedrosis virus)は、オートグラフ
ァ・カリフォルニカ(Autographa Cali
fornica)のL−1変異体であり、用いた昆虫細
胞系は、スポドプテラ・フルジペルダ(Spodopt
era frugiperda)IPLB−SF21細
胞系(J.L.ヴォーン(Vaughn)他,In V
itro(1977)13,213−217)である。
細胞およびウイルスの操作は、文献に詳述されている
(G.D.ペノック(Pennock)他,前出;D.
W.ミラー(Miller),P.サファー(Safe
r)および、L.K.ミラー(Miller),Gen
eticEngineering,Vol.8,277
−298,編集者J.K.セットロー(Setlow)
およびA.ホランダー(Hollaender),プレ
ナム出版社(Plenum Press),198
6)。RFm13ベクター、mp18およびmp11
は、ニュー・イングランド・バイオラブ社から商業的に
入手可能である。しかしながら、本発明に関連する分野
の通常の技術を有する者は、上述のように、他のウイル
ス、菌系、宿主細胞、プロモーターおよび関連したcD
NAを含むベクターも本発明の各々の態様の実施の際に
用いうることを理解するであろう。用いたDNA操作
は、特にここに述べない限り、マニアティス(Mani
atis)ら,Molecular Cloning:
A Laboratory Manual(Cold
Spring Harbor,NY1982)に従う
ものである。
【0055】
【表24】 * 括弧で示された変異のスクリーニングに用いた(ス
クリーニングオリゴヌクレオチドが示されていない場合
には、同じオリゴヌクレオチドを変異導入とスクリーニ
ングのために用いた)。置換アミノ酸のコドンは下線で
示し、▲は欠失部位を示す。本技術に熟達した者には理
解されるように、1個以上のアミノ酸の欠失あるいは望
みの部位に異なる(すなわち、置換)アミノ酸を挿入す
る目的で、それぞれオリゴヌクレオチド中のコドンの欠
失あるいは望みの置換アミノ酸のコドンとの置換によっ
て、オリゴヌクレオチドを容易に構成することができ
る。別の変異導入オリゴヌクレオチド、換えようとする
元のコドンの置換あるいは欠失を含み、望みの部位にか
かる約20−50ヌクレオチド配列を基に考案すること
ができる。
【0056】プラスミド誘導 多様なアミノ酸をコードするコドンでのcDNAの変異
導入は、ゾラー(Zoller)とスミス(Smit
n)の方法によって、M13プラスミド中のcDNAの
適当な制限断片を用いて行なう。cDNA内の欠失は、
M13ベクター内あるいはプラスミドpSVPA4のヘ
テロ二重鎖ループ・アウトによるcDNAの適当な制限
断片、例えばSacI断片を用いたループ・アウト変異
導入によって行なった。
【0057】プラスミドpSVPA4は哺乳動物細胞中
でt−PAを発現させるために構成された。このプラス
ミドは、まずプラスミドpspLT5(Z.チュー(Z
hu)ら,1984,J.Virology 51:1
70−180)からSV40ラージTポリペプチドをコ
ードするDNAを除去することによって作製された。こ
れは、XhoI完全切断後、部分的BamHI制限エン
ドヌクレアーゼ切断によって行なわれる。pspLT5
内のSV40ラージTコード領域を、プラスミドJ20
5(ATCC No.39568)をSalIとBam
HIで切断して単離した粘着端SalI/BamHI
t−PAコード配列を上記のように調製した親XhoI
/BamHI切断ベクターpspLT5に連結させるこ
とにより、ヒトt−PAコード配列と置換した。結果と
して、t−PAは哺乳動物細胞に導入されるとSV40
後期プロモーターの制御下でベクター内で転写される。
この最終構造をpSVPA4と呼ぶ。
【0058】プラスミドpLDSGはCHO細胞のよう
な哺乳動物細胞中でのt−PA発現のための増幅可能な
ベクターである。pLDSGはアデノウイルス2型主要
後期プロモーター(MLP)を利用するマウスDHFR
cDNA転写単位、サルウイルス40(SV40)エ
ンハンサーおよび複製起点、SV40後期プロモーター
(アデノウイルスMLPと同じ向き)、テトラサイクリ
ン耐性コード遺伝子およびアデノウイルス2型MLPに
関して適当な向きでヒトt−PA(Met−245)を
コードするcDNAを含む。pCVSVL2(ATCC
No.39813)とt−PAコードcDNAからの
pLDSGの調製は、CHO細胞中でのpLDSGとの
共形質転換およびpLDSGの増幅として詳細に示され
ている。カウフマン(Kaufman)他,Mol.a
nd Ell.Bio.(7):1750−1759
(1985)。
【0059】プラスミドpWGSMは、挿入cDNAが
Val−245ヒトt−PAをコードする点を除いて
は、pLDSGと同等である。pWGSMはプラスミド
J205(ATCC No.39568)あるいはpI
VPA/1(ATCC No.39891)由来のcD
NAを用いて作製される。上で述べたように、pWGS
MはVal−245タンパク質を産生し、pLDSGは
Met−245タンパク質を産生するが、本開示を通じ
てpWGSMとpLDSGは互換性を持って用いられ
る。
【0060】pIVPA/1(ATCC No.398
91)はt−PAコードcDNAを含むバキュロウイル
ス性転移ベクター(baculoviral tran
splacement vector)である。pIV
PA/1およびその変異導入した誘導体は、望みのcD
NAをバキュロウイルスのゲノムに挿入し、cDNAを
バキュロウイルスのポリヘドリン(polyhedri
n)プロモーターの転写制御下におくために用いられ
る。
【0061】ヘテロ二重鎖変異導入 t−PA発現プラスミドpSVPA4の特異的領域のヘ
テロ二重鎖DNAによる変異導入は、次の過程を含む: アンピシリン感受性pSVPA4 DNAの調製 1.プラスミドpSVPA4(15μg)をPvuIで
完全に直鎖状にした。同混合液をフェノール/クロロホ
ルムで抽出し、DNAを0.1M NaCl存在下で2
倍量のエタノールで沈殿させた。 2.DNAを、21μlの水、1μl dNTP溶液
(2nM dATP,dGTP,dTTP,dCTPを
含む)、2.5μl 10×ニックトランスレーション
緩衝液(0.5M Tris−Cl・pH7.5,0.
1M Mgso4,10mM DTT,500μg/m
l)および0.5μl(2ユニット)DNAポリメラー
ゼ1−大フラグメント(ニュー・イングランド・バイオ
ラブズ)に再懸濁した。同混合液を室温で30分間イン
キュベートし、続いてフェノール/クロロホルム抽出を
行ない、次に上述のようにエタノール沈殿を行なった。 3.沈殿させたDNAは75μlの水を加えることによ
り0.2μg/μlになるように再懸濁した。
【0062】アンピシリン耐性pSVPA4 DNAの
調製 1.プラスミドpSVPA4(15μg)を、t−PA
コード配列内で2箇所同プラスミドを切断するSacI
で切断し、2種類の制限断片、1.4kbpt−PAコ
ード制限断片と親ベクターを得た。制限切断に続いて、
1μl(28ユニット)の仔ウシ腸アルカリホスファタ
ーゼ(ベーリンガーマンハイム社)を加え、37℃で5
分間インキュベートした。同混合液を0.7%アガロー
スゲルに流すことにより、二本のバンドを分離した。親
ベクター制限断片をゲルから切り出し、4℃でシリカゲ
ルに吸着させて抽出し、続いて37℃で30分間50m
MTris/1mM EDTAに溶出させた。溶出した
DNAは最終濃度0.2μg/μlに調製した。
【0063】ヘテロ二重鎖アニーリング 1.6μl(1.2μg)のアンピシリン感受性pSV
PA4 DNAを6μl(1.2μg)のアンピシリン
耐性pSVPA4 DNAと混合する。 2.等量(12μl)の0.4M NaOHを加える。
室温で10分間インキュベートする。 3.緩やかに、4.5倍量(108μl)の0.1M
Tris−Cl pH7.5/20mM HClを加え
る。 4.50ピコモル(5μl)のリン酸化変異導入用オリ
ゴヌクレオチドを45μlのヘテロ二重鎖混合液に加え
た。 5.同混合液を68℃で2時間インキュベートし、次に
緩やかに室温まで冷却した。
【0064】変異導入 1.各々の変異導入反応液は、ヘテロ二重鎖混合液に以
下の濃度組成の溶液を7μl加えることによって調製し
た:2mM MgCl/0.2mM ATP/60μM
dATP,dTTP,dGTP,dCTP/4mM
DTT/40ユニット/ml大腸菌DNAポリメラーゼ
Iクレノー断片(B.R.L.),2000ユニット/
mlT4DNAリガーゼ(N.E.B.).上記混合液
を室温で2時間インキュベートした。 2.反応液は次にフェノール/クロロホルムで抽出し、
続いてエタノール沈殿を行なった。沈殿したDNAを1
2μlの50mM Tris−Cl/1mMEDTAに
再懸濁した。そのうち4μlをHB101コンピテント
細胞の形質転換に使用した。 3.アンピシリン耐性のコロニーを、5X SSC,
0.1%SDS,5Xデンハルト試薬、および100μ
g/ml変性サケ精子DNA中の1×106cpm/m
lの32P標識スクリーニングオリゴヌクレオチドでスク
リーニングを行なった。 4.オリゴヌクレオチドプローブの計算された融点より
も5°低い温度において、フィルターを5X SSC、
0.1%SDSで洗浄した。 5.DNAをポジティブにハイブリッド形成したクロー
ンから調製し、まず異なる制限酵素による切断およびア
ガロースゲル電気泳動によって分析した。DNAをニト
ロセルロースに転移させ、フィルターを調製し、変異誘
オリゴヌクレオチドが正しいフラグメントに導入された
ことを確認するためにスクリーニングプローブとハイブ
リッド形成させた。 6.次に、DNAを大腸菌に再形質転換し、アンピシリ
ン耐性コロニーをスクリーニングオリゴヌクレオチドと
ハイブリッド形成させるためにスクリーニングを行なっ
た。 7.最終的な変異は、DNA配列決定法(サンガー法)
によって確定した。
【0065】変異を導入したcDNAの調製:M13法 以下に示す制限酵素地図は、ヒトt−PAをコードする
cDNA(上)と、特異的なエンドヌクレアーゼを示す
切断部位(下に示す)とを図示したものである: 開始コドンATG,および、(a)、R1,R2およびR
3をコードするcDNA領域が示されている。こりよう
に、N末端領域における変異導入は、例えば、SacI
断片あるいはBglII/NarI断片を用いて行なうこ
とができる。Arg−275および/あるいはR1およ
び/あるいはR2における変異導入は、例えばSacI
断片あるいはBglII/SacI断片を用いて行なえ
る。R3での変異導入は、EcoRI/XmaIあるい
はEcoRI/ApaI断片を用いて行なうことが可能
である。制限断片の選択は変異導入および/あるいは発
現ベクター構成のため特定のベクターを使用する際の有
利さを基に決定する。
【0066】一般的に、変異を導入されるcDNA制限
断片は、上で示したエンドヌクレアーゼ酵素を用いて、
例えばpWGSM,pIVPA/1あるいはpSVPA
4など、存在する全長cDNAから切り出し、次に、表
7に示されるオリゴヌクレオチド、あるいは、望みの変
異導入のために考案された別のオリゴヌクレオチドを用
いて変異を導入する。
【0067】上記のように調製される、典型的な、変異
を導入したcDNA断片を、以下の表8に示す。
【0068】
【表25】 *は変異導入部位を示す;cDNA断片IからIVは、p
WGSMあるいはpSVPA4をSacIで切断し、S
acI断片をM13ベクターに挿入し、望みのオリゴヌ
クレオチドで変異を導入し、変異を導入したM13/t
−PA DNAをSacIで切断することによって調製
する;もしくは、I−IVは、変異を導入したM13/t
−PAからBglIIとSacIで切り出し、N末端、R
1,R2およびArg−275にかかるペプチドドメイン
をコードする該BglII/SacI断片をBglII/S
acI断片pIVPAに挿入する;cDNA断片Vは後
述の実施例2のように調製する。
【0069】変異導入後、上記断片は、さらに変異導入
を行ない、あるいは行なわず、次にM13ベクターから
切り出し、M13ベクターから変異を導入した断片を切
り出すために用いたものと同じ酵素であらかじめ切断し
たcDNA全長あるいは部分を含む発現ベクターに再連
結する。本方法により、望ましくは変異が導入された全
長cDNAは、制限断片カセットとして1個以上の変異
導入断片を用いて再構成することができる。
【0070】次に示す化合物(9ページの表、および、
表2、表2.5、表3参照)をコードするcDNAは、
以下のように、表8の変異導入断片から調製される:化合物 経 路 D−6 (a)変異導入cDNA断片I(オリゴヌクレオチ D−1 ド#8,10,あるいは12を用いて調製) D−3 をSacI切断pSVPA4に連結、あるい は、変異導入M13/t−PAからBglII /SacI断片として断片Iを切り出し、同 様にBglII/SacI切断pIVPA/1 に挿入。 2−1/N−23/Arg (b)変異導入cDNA断片IIを(オリゴヌクレオ 2−1/N−21/Arg チド#8,10あるいは12,およびオリゴ 2−1/N−22/Arg ヌクレオチド#3)をSacI切断pSVP A4に連結、あるいは変異導入M13/t− PAからBglII/SacI断片として断片 IIを切り出し、BglII/SacI断片pI VPA/1に挿入。 2−2/N−23/Arg (c)変異導入cDNA断片III(オリゴヌクレオ 2−2/N−21/Arg チド#8,10,あるいは12,および、オ 2−2/N−22/Arg リゴヌクレオチド#5)をSacI pSV PA4に連結、あるいは変異導入M13/t −PAからBglII/SacI断片として断 片IIIを切り出し、BglII/SacI断片 pIVPA/1に挿入。 2−3/N−23/Arg (d)経路(a)によって生成した変異導入pIV 2−3/N−21/Arg PA/1あるいはpSVPA4をEcoRI 2−3/N−22/Arg (部分切断)およびXmaI(SmaI)あ るいはApaI(完全切断)で切断して野生 型R3コード領域を除去し、それに変異導入 cDNA断片V(オリゴヌクレオチド#7を 用いて調製)をEcoRI/ApaIあるい はEcoRI/XmaI(SmaI)断片と して連結。 2−4/N−23/Arg (e)経路(c)のように調製した変異導入pIV 2−4/N−21/Arg PAあるいはpSVPAをEcoRI(部分 2−4/N−22/Arg 切断)および、XmaI(SmaI)あるい はApaI(完全切断)で切断して野生型 R3コード領域を除去し、それにcDNA断 片V(オリゴヌクレオチド#7を用いて調製 )をEcoRI/ApaIあるいはEcoR I/XmaI(SmaI)断片として連結。 2−5/N−23/Arg (f)経路(d)によって調製した変異導入pIV 2−5/N−21/Arg PAあるいはpSVPA4をEcoRI(部 2−5/N−22/Arg 分切断)および、XmaI(SmaI)ある いはApaI(完全切断)で切断し、それに 変異導入cDNA断片V(オリゴヌクレオチ ド#7を用いて調製)をEcoRI/Apa IあるいはEcoRI/XmaI(SmaI )断片として連結。 2−6/N−23/Arg (g)変異導入cDNA断片IV(オリゴヌクレオチ 2−6/N−21/Arg ド#8,10,あるいは12,および、オリ 2−6/N−22/Arg ゴヌクレオチド#3および5を用いて調製) をSacI切断pSVPA4に連結、あるい は、変異導入M13/t−PAから断片IVを BglII/SacI断片として切り出し、B glII/SacI切断pIVPA/1に連結 。 2−7/N−23/Arg (h)変異導入cDNA断片IV(オリゴヌクレオチ 2−7/N−21/Arg ド#8,10あるいは12,およびオリゴヌ 2−7/N−22/Arg クレオチド#3および5から調製)を経路( d),(e)あるいは(f)によって調製し たSacI切断pSVPA4に連結、あるい は、BglII/SacI断片として調製した 断片IVを経路(d),(e),あるいは(f )によって作成したBglII/SacI切断 pIVPAに連結。
【0071】プラスミドpIVPAあるいはpSVPA
4は、発現ベクターとしての使用に加え、いかなる変異
導入部位の望みの置換も有する、cDNA構成の際の
“貯蔵所(depot)”としても使用し得る。このよ
うに、N末端領域をコードするcDNA領域に望みの修
飾を含んだ変異導入プラスミド(M13あるいはヘテロ
二重鎖による)、“pIVPA/Δ”あるいは“pSV
PA4/Δ”をNarI(部分)およびXmaI(Sm
aI)(完全)で切断し、R1,R2およびR3にわたる
タンパク質領域を除去する。もしも望むならば、Arg
−275,R1,R2およびR3コード領域のいかなる組
み合わせにおいても変異導入(M13あるいはヘテロ二
重鎖による)を行なった、第2のプラスミドpIVPA
あるいはpSVPA4を次にNarI(完全)およびX
maI(SmaI)(完全)で切断し、続いてNarI
/XmaI(SmaI)断片を同定、単離し、NarI
/XmaI(SmaI)切断pIVPA/Δあるいはp
SVPA4に連結する。例えばNarI/XmaI(S
maI)制限断片カセットの上記のような使用は、pI
VPAあるいはpSVPA4における望みの変異導入c
DNAの構成を可能にする。変異導入cDNAは次に、
例えばBglII/XmaI制限断片カセットとして、望
むならば、哺乳動物での発現のためにBglII/Xma
I切断pWGSMに転移する。
【0072】実施例 実施例1 Gln117欠失変異体の調製
【0073】A.Gln117短縮cDNAの調製 化合物2−1/N−21/Arg,2−1/N−22/
Argおよび2−1/N−23/Argのポリペプチド
配列をコードするcDNA分子をゾラーとスミスのオリ
ゴヌクレオチド特異的変異導入法を用いて調製した。特
に、t−PA遺伝子を含む変異導入ベクターRF M1
3/t−PAは、哺乳動物t−PA発現プラスミドpS
VPA4から構成した。RF M13/t−PAは、ま
ず、pSVPA4を制限エンドヌクレアーゼSacIで
完全に切断して作製した。約1,436塩基対(bp)
のSacI断片は、t−PAポリペプチド配列の大部分
をコードし、アスパラギン117,184,および21
8を含むコンセンサスN−結合性グリコシル化部位をコ
ードするヌクレオチド配列を含んでいる。上記1,43
6bp(以後1.4kbpとする)断片は、調製用アガ
ロースゲル電気泳動によって精製した。
【0074】上で、SacI断片として得たt−PA
cDNAのSacI断片を、あらかじめSacIで切断
した直鎖状二重鎖RF M13mp18DNAベクター
に連結した。連結混合液は細菌JM101形質転換コン
ピテント細胞の形質転換に用いた。形質転換細胞から産
生されたt−PA由来DNAを含むM13プラークを分
析的DNA制限分析および/あるいはプラークハイブリ
ダイゼーションによって同定、単離した。表1に示され
たt−PAをコードするヌクレオチド配列のSacI制
限部位内由来の放射性標識オリゴヌクレオチド(〜17
量体、陽極性のもの)を、t−PA DNAを含むウイ
ルス性プラークの検出するフィルターハイブリダイゼー
ションを行なう際のプローブとして使用した。全てのオ
リゴヌクレオチドは、制作者の指示に従い、アプライド
・バイオシステムズDNA合成機を用いた自動的合成に
よって調製した。
【0075】制限分析あるいはハイブリッド形成分析に
よって検出されたポジティブなプラークのうち数個を、
次に、慣習的なプラーク精製によってさらにクローニン
グを行なった。プラーク精製法によって得られた精製M
13/t−PAバクテリオファージを、JM101細胞
への感染に使用した。これらの感染細胞は細胞質性二重
鎖“RF”M13/t−PAプラスミドDNAを産生す
る。感染細胞はまた、t−PAの1.4Kbp Sac
I断片およびM13 DNAを相補する一本鎖DNAを
含むバクテリオファージを培地中に産生する。一本鎖D
NAは培地から単離したM13/t−PA含有ファージ
から精製した。上記一本鎖M13/t−PA DNA
は、表7のオリゴヌクレオチド#3を用いたゾラーとス
ミスの方法による変異導入反応において、鋳型として用
いた。この変異導入は、DNA配列を“AAC”から
“CAG”に変えることにより結果的に得られるDNA
コード配列の117位のAsnコドンをGlnコドンに
変える。変異導入反応に続いて、上記DNAを細菌株J
M101に形質転換した。変異導入cDNAを同定する
ために、形質転換体プラークを表7の放射性標識オリゴ
ヌクレオチド#4を用いたDNAハイブリダイゼーショ
ンによってスクリーニングを行なった。表7の全ての典
型的なオリゴヌクレオチドは陽極性、すなわち、DNA
の非コード鎖でなく、コード鎖部分を示す。ハイブリダ
イゼーションでの全てのポジティブなプラークは、変異
導入DNAを含むM13ファージでJM101細胞への
連続的な2次感染によってさらに精製した。
【0076】RF M13/t−PAプラスミドDNA
は、変異導入t−PA cDNAを含む精製M13ファ
ージを感染させたJM101細胞から精製した。上記の
ように得たRF M13/t−PAプラスミドは、t−
PA DNAのGln117変異導入SacI制限断片を
含む。この変異導入制限断片は、再度ゾラーとスミスの
方法によって、しかし以下に述べるオリゴヌクレオチド
を用いてさらに変異を導入することが可能である。以下
に述べるオリゴヌクレオチドは、N末端領域をコードす
るcDNA領域内の欠失(“ループ・アウト(loop
out)”)を誘導するために考案された。
【0077】欠失変異導入1: 表7のオリゴヌクレオ
チド#8は、総括して、Cys6からCer50をコード
するcDNA欠失を誘導した。この第2の変異導入反応
に続いて、該DNAをJM101細胞に形質転換する。
変異を導入したcDNAを同定するために、形質転換プ
ラークについて、上述のように、しかし、表7の放射性
標識オリゴヌクレオチド#9を用いてスクリーニングを
行なった。ハイブリッド形成でポジティブなプラーク
は、二度変異を導入したt−PA cDNAを含むM1
3ファージを連続的に二度JM101細胞へ感染させる
ことによってさらに精製することが可能である。この変
異導入制限断片を含む、以下に示すように調製したcD
NAは、Ile−5がCys−51とペプチド結合で共
有結合的に結合している化合物2−1/N−21/Ar
gをコードする。
【0078】欠失変異導入2: 表7のオリゴヌクレオ
チド#10は、総括して、Cys6からIle86までを
コードするcDNA欠失を誘導する。この第2の変異導
入反応後、該DNAをJM101細胞を形質転換する。
変異を導入したcDNAを同定するために、形質転換体
プラークについて、上記のように、しかし、表7の放射
性標識オリゴヌクレオチド#11を用いてスクリーニン
グを行なった。ハイブリッド形成でポジティブとプラー
クは、二度変異導入を行なったt−PA cDNAを含
むM13ファージをJM101細胞に連続的に二度感染
させることにより、さらに精製することが可能である。
上記変異導入断片を含む、以下のように調製したcDN
Aは、Ile5がAsp87とペプチド結合によって共有
結合している化合物2−1/N−22/Argをコード
する。
【0079】欠失変異導入3: 表7のオリゴヌクレオ
チド#12は、総括的に、Cys51からAsp87までを
コードするcDNAの欠失の生成に使用できる。上記第
2の変異導入反応後、該DNAをJM101細胞に形質
転換する。変異を導入したcDNAを同定するために、
表7の放射性標識オリゴヌクレオチド#13を用いて、
上記のように形質転換体プラークのスクリーニングを行
なった。ハイブリッド形成でポジティブなプラークは、
二度変異を導入したt−PA cDNAを含むM13フ
ァージをJM101細胞に連続的に二度感染させること
によってさらに精製することができる。上記変異導入制
限断片を含む、以下のように調製したcDNAは、Se
50がThr88とペプチド結合で共有結合している化合
物2−1/N−23/Argをコードする。
【0080】これらの変異導入制限断片の各々は、実施
例#3Bに示す方法と類似の方法で、SacIカセット
として哺乳動物発現ベクターpSVPA4に連結しなお
すか、あるいは修飾RF M13/t−PA DNA由
来BglII/SacIカセットとして、昆虫細胞発現ベ
クターpIVPA/1(ATCC No.39891)
へ挿入するために調製することが可能である。
【0081】B.高マンノースGln117欠失変異体の
発現に用いるベクターの調製 上述のように調製された修飾および短縮t−PA cD
NAを含む精製RFM13/t−PAは、制限エンドヌ
クレアーゼBglIIおよびSacIで切断可能である。
約1.2kbpのBglII/SacI制限断片を慣習的
な調製用ゲル電気泳動によって精製した。上のように得
られたBglII/SacI断片は、翻訳タンパク質のア
ミノ末端およびカルボキシ末端をコードするDNAの
5’および3’末端部分を欠く変異導入カセットを構成
する。
【0082】昆虫発現ベクターpIVPA/1(ATC
C No.39891)は、ポリヘドリンプロモーター
および、バキュロウイルス隣接DNA配列に実際的に連
鎖する、野性型t−PA cDNA挿入物を含む。pI
VPA/1を、BglIIおよびSacIで切断し、それ
によってN末端領域、R1およびR2にわたるt−PAコ
ード領域を切り出す。変異を導入した、N末端を修飾し
たt−PA cDNA断片を含むBglII/SacIカ
セットは、次に、あらかじめBglIIとSacIでの切
断後に精製したpIVPA/1発現ベクターDNAに各
々連結することもできる。得られたプラスミド、pIV
PA/Δ FBR;Gln117,pIVPA/ΔFBR
/Δ EGF;Gln117;pIVPA EGF,Gl
117は、各々化合物2−1/N−21/Arg,2−
1/N−22/Argおよび2−1/N−23/Arg
を含むはずであり、ポリヘドリンプロモーターと実際的
に連鎖しているはずである。各々の変異導入cDNA挿
入物のヌクレオチド配列は、プラスミドを基質としたス
ーパーコイルシークエンス法によって確認されるであろ
う。例えば、E.Y.チェン(Chen)他,198
5,DNA (2):165−170参照。
【0083】C.変異導入したcDNAの昆虫ウイルス
への導入 変異導入cDNAを含むpIVPAプラスミドの各々
は、スポドプテラ(Spodoptera)細胞中の野
生型AcNPVとともに共形質転換することにより、昆
虫ウイルスに導入することが可能である。1μgの精製
オートグラファ・カリフォルニカ(Autograph
a californica)NPV DNAおよび1
0μgの望みのpIVPA DNAを、リン酸カルシウ
ム形質導入法によって、組織培養皿上で増殖しているス
ポドプテラ細胞に導入する(K.N.ポッター(Pot
ter)、およびL.K.ミラー(Miller),
J.Invertebr.Path,(1980),
431−432)。これらのDNAの細胞への共導
入の結果、pIVPAプラスミド(変異導入cDNAを
含む)とウイルス性DNAとの間で、2つの間の相同的
領域で二重組み換えが起きる;すなわち、組み換え反応
により、子孫ウイルスのポリヘドリン遺伝子領域がpI
VPAプラスミド由来変異導入cDNA挿入物を含む。
【0084】本発明のタンパク質をコードするヌクレオ
チド配列を含むウイルスの単離形質導入を行なった細胞
をおおう培地中に存在する子孫ウイルスを、数種の異な
る希釈によって新鮮な単層細胞上にプラークを作らせ
る。プラークをアッセイし、組み換え体を以下のように
PIB−マイナスの表現型によって選択する:ポリヘド
リン遺伝子を失なったウイルスは、変異が導入されたc
DNAを含むウイルスであると考えられ、PIBを産生
しない。PIB欠損を示すプラークを選択し、切り出
し、新鮮な細胞内で増幅させる。これらの細胞の上清を
次にt−PA型酵素活性についてアッセイする。ポジテ
ィブなアッセイ結果は、糖タンパク質が実際に産生され
ていることを示唆する。
【0085】プラークリフティング法による、別のウイ
ルス精製法は上述の過程と若干異なり、それを以下に述
べる。適当な希釈をした形質導入による子孫ウイルス
を、細胞培養皿上で溶菌させる。細胞単層およびウイル
スプラークのニトロセルロースレプリカを調製する。培
養皿のアガロース上層を、次の段階の結果が得られた後
のウイルス源として保存しておく。
【0086】ニトロセルロースフィルターを、ウイルス
染色体中に存在する遺伝子を代表する放射性活性DNA
をプローブとして調べる。ポジティブなものを外来遺伝
子を含むものと見なす。上記フィルターを、外来性DN
Aで置換されて除去されたウイルス染色体部分を代表す
る放射性活性DNAをプローブとして再度検索する。ポ
ジティブなものが依然としてポリヘドリン遺伝子を有す
ると見なすことができる。
【0087】ハイブリッド形成したプローブを除去す
る。ポリヘドリン遺伝子の状態にかかわらずウイルスプ
ラークを同定するであろう放射性活性DNA断片をプロ
ーブとして、上記フィルターを再度検索する。適当な断
片は、EcoRI断片である。これらを子孫ウイルスで
あると判断できる。外来遺伝子DNAプローブに対して
ポジティブであり、ポリヘドリン遺伝子プローブに対し
てネガティブであり、ウイルスDNAプローブにポジテ
ィブであるこれらのプラークを選択する。これらは、望
みの遺伝子型の強い候補となる。
【0088】D.高マンノース糖タンパク質の産生およ
び解析 感染細胞の細胞外培地中の多様なタンパク質の存在を示
すために抗体を用いた。上述のように調製した組み換え
ウイルスを、標準培地添加剤である10%ウシ胎児血清
のかわりに50%卵巣補給剤(全体積の1%まで)(ス
コット・バイオロジカルズ社)を用いた通常のTC−1
00(ギブコ社)栄養塩溶液で培養した細胞への感染に
用いる。以前の実験により、上記の条件下のほうがより
完全なタンパク質が得られることが示された。感染細胞
上清を、天然ヒトt−PAに対するモノクローナル抗体
が結合しているアフィニティーカラムで分画する。カラ
ムに特異的に保持されるタンパク質を溶出し、t−PA
酵素活性についてアッセイを行なう。同タンパク質の一
定活性ユニット量と、対照となるt−PA調製物をアク
リルアミドゲルで分離する。同ゲルを次に、タンパク質
パターンを示すために、銀試薬で染色する。これによっ
て、昆虫細胞への感染により、ウイルスがt−PA型活
性を有するタンパク質を細胞外に産生するようになるこ
とが示される。
【0089】さらに解析するために、まず、ウイルス
(m.o.i.=1)で感染させたスポドプテラ・フル
ギペルダ(Spodoptera frugiperd
)を48時間インキュベートすることにより、放射性
標識タンパク質を産生する。次に、培養皿をメチオニン
欠損培地で洗浄する。続いて、35S−メチオニンを添加
したメチオニン欠損培地を培養皿に加える。細胞培養液
を4時間インキュベートする。放射性標識糖タンパク質
を含む上清は、昆虫細胞内で同様に産生された野生型
(すなわち、全長で完全にグリコシル化されたもの)t
−PAに対して、また、例えばカウフマン他,Mol.
Cell.Biol.(7):1750(1985)
らの方法で、チュニカマイシン存在下で(非グリコシル
化)産生した哺乳動物t−PAに対して、SDS−PA
GE(7.5%)によって分析し得る。実施例1で産生
された、部分的グリコシル化短縮タンパク質は、完全グ
リコシル化類似体および非グリコシル化全長類似体と比
較して、増大したゲル泳動度を有するはずである。
【0090】実施例2 本発明の別のタンパク質の調製
【0091】A.別のcDNAの調製 実施例1の変異導入法は、元来のt−PA DNA配列
を修飾する、慣習的に調製した別の合成オリゴヌクレオ
チドを用いて、N末端領域で修飾し、および/あるい
は、任意にN−結合性グリコシル化部位および/あるい
はArg−275を修飾し、上述のように適切なコドン
変換を含むタンパク質の産生に用いることができる。例
えば、前述の“変異導入cDNAの調製:M13法”お
よび経路(a)−(h)参照。
【0092】例えば、化合物D−6,D−1およびD−
3をコードするcDNAは、M13/t−PAのSac
I制限断片を用い、各々オリゴヌクレオチド#8,1
0,および12で変異を導入して調製し得るが、オリゴ
ヌクレオチド#3は用いない。Arg−275は、オリ
ゴヌクレオチド14あるいは15を用いてそれぞれ欠失
あるいは、例えばThrによって置換することができ
る。ベクター構成、形質導入および発現は、昆虫細胞に
ついては実施例1のように、あるいは、哺乳動物細胞に
ついては以下に述べる実施例3のように行なえる。
【0093】実施例1のように調製された、M13変異
導入ベクター(RF M13/t−PA)から生成した
一本鎖DNAは、部位特異的な型で、Arg−275お
よび/あるいはグリコシル化部位R1あるいはR2あるい
は双方において、変異導入のための鋳型としても使用可
能である。Asn218を含むコンセンサストリペプチド
をコードする領域も同様に変異が導入される。これらの
部位で多数のタンパク質修飾を調製するために、反復的
な過程が用いられる。例えば、修飾R1部位を含むM1
3ファージの同定、精製の後、該修飾部位を含む一本鎖
を、ファージから精製し、R2部位および/あるいはA
rg−275における二巡目の変異導入を開始するため
の鋳型として使用可能である。この過程は、全ての望み
の修飾が得られるまで繰り返される。このように、化合
物2−2/N−23/Arg,2−2/N−21/Ar
gをコードするcDNAは、実施例1の方法で、変異導
入オリゴヌクレオチド#5をオリゴヌクレオチド#3の
かわりにスクリーニングオリゴヌクレオチド#6をオリ
ゴヌクレオチド#4の代わりに用いて調製することがで
きる。化合物2−6/N−21/Arg,2−6/N−
22/Argおよび2−6/N−23/Argをコード
するcDNAは、実施例1に述べられたようなSacI
断片へ2回変異導入し、オリゴヌクレオチド#5および
#6を用いてさらに変異導入し、スクリーニングを行な
い、調製できる。ベクター構造、形質導入および発明
が、昆虫細胞の場合には実施例1のように、あるいは、
哺乳動物細胞の場合は以下に述べるように行なう。経路
(a)−(h)、前出参照。
【0094】RF M13/t−PA変異導入ベクター
がR3,タンパク質のカルボキシ末端に最も近いt−P
AのN−結合性グリコシル化部位をコードするDNA配
列を含まない。従って、その部位でDNA修飾を作製す
るため、M13/t−PA:R1−XmaIと呼ばれ
る、新しいM13/t−PA変異導入RFベクターを作
製した。該ベクターは、M13ベクターM13mp11
をEcoRIとXmaIで完全に切断することによって
構成する。該R1−XmaI切断M13ベクターを、グ
リコシル化部位R3を含むポリペプチド領域をコードす
る精製したEcoRI/XmaI t−PA制限断片
(約439bp、ここでは0.4kbpに連結した。該
0.4kbp制限断片は、プラスミドpWGSMをEc
oRIとXmaIで切断後精製した。t−PA遺伝子を
コードする哺乳動物発現プラスミドpWGSMは、カウ
フマンら,Mol.Cell.Biol.:1750
−1759(1985)に述べられたプラスミドpLD
SGと、439bp EcoRI/XmaI切断内で同
等である。
【0095】連結混合液を、細菌JM101コンピテン
ト細胞の形質転換に使用した。数個のプラークを選択
し、標準的DNA制限断片分析によって、0.4kbp
t−PA EcoRI/XmaI断片の存在について
分析した。二重鎖RF M13DNAを0.4kbp
t−PA断片を含む細胞から精製した。該DNAをRF
M13/t−PA:M13/t−PI:RI−Xma
I変異導入ベクターと呼んだ。実施例1Aで示されたよ
うに、該ベクターは、コンピテントJM101細胞に形
質転換した場合、一本鎖M13/t−PA:RI−Xm
aIが精製できる。M13/t−PA:RI−XmaI
ファージの作製に用いられる。この一本鎖DNAは、N
−結合性グリコシル化部位を修飾するために、部位特異
的変異導入反応におけるプライマーとして用いられる。
【0096】修飾R3コード配列は、実施例1で調製し
た修飾pIVP/1(短縮形および/あるいは、R1
よび/あるいはR2での修飾)あるいは野生型pIVP
/1プラスミドDNAに存在する野生型R3配列のいず
れかに存在する野生型R3配列との置換に使用できる。
これは、まず、R3修飾M13/t−PA:RI−Xm
aI変異導入プラスミドベクターをSacI/ApaI
で完全に切断し、そのように生成されたR3修飾165
塩基対t−PA制限断片を単離することによって行なう
ことができる。例えば実施例1のような、昆虫発現ベク
ターpIVP/1あるいはpIVP/1の修飾DNA
を、同様にSacIとApaIで完全に切断し、修飾さ
れていないR3部位をコードする165bp野生型t−
PA制限断片を切り出す。165bpを欠く精製した昆
虫発現ベクターの修飾R3165bp断片に連結し、新
しい昆虫発現ベクターを産生する。ベクターの発現によ
り、R3部位が、いかなるあるいは全ての天然t−PA
に存在する別のコンセンサスN−結合性グリコシル化部
位および/あるいはArg−275と同様に修飾された
短縮型タンパク質を産生する。
【0097】修飾cDNAを含むpIVPAプラスミド
は、R1,R2およびR3をコードする領域と同様にN末
端領域内の欠失部分にわたる修飾t−PA cDNAの
BglII/ApaI断片、あるいはR1,R2,R3にわ
たるNarI/XmaI断片の生成に使用できる。これ
らの断片のいずれも、実施例3に示されるようにpSV
PA4あるいはpWGSMのような哺乳動物発現ベクタ
ーに挿入可能である。
【0098】実施例3 哺乳動物内の化合物D−6,D−1,およびD−3の調
【0099】A.cDNAの調製 化合物D6,D1,およびD3のポリペプチド配列は、
それぞれ変異導入オリゴヌクレオチド#8,10,およ
び12,および実施例1のM13法あるいはヘテロ二重
鎖変異導入法(モリナガヘテロ二重鎖変異導入法;双
方、前出)による鋳型としてのt−PA cDNA S
acI断片を用いて調製した。スクリーニングオリゴヌ
クレオチド9,11,13をそれぞれ用いたDNAハイ
ブリダイゼーションによって選択した変異体は、修飾し
たDNA配列が正しいかDNA配列分析によって確認し
た。
【0100】B.修飾t−PAベクターの調製 実施例1A(Δ,Gln117)あるいは3A(Δ)で調
製された各々の修飾cDNAを、まず、ベクターをSa
cIで完全切断することにより、M13変異導入ベクタ
ーRF M13/t−PAから除去した。各々の変異導
入cDNAの約1.4kbp制限断片を、ゲル電気泳動
によって精製し、次に、以下のようにpSVPA4に連
結した。まず、pSVPA4をSacIで切断し、野生
型t−PA 1.4kbp制限断片を除去した。Sac
I切断pSVPA4の残りの部分を次に変異導入cDN
Aの1.4kbp制限断片に連結した。この連結反応に
よって、挿入断片の向きが2種類生成される。各々の場
合の正しい向きは、慣習的な分析的制限酵素分析での酵
素としてEcoRIおよびRvuIIを用いて同定し得
る。この置換により、SacI断片を、RF M13/
t−PA変異導入ベクターとpSVPA4哺乳動物発現
ベクターとの間のカセット断片として用いることが可能
になる。修飾M13 SacI断片(短縮型および任意
にR1および/あるいはR3で修飾)は、望むならば前も
ってあるいは引き続いてR3で修飾したSacI切断p
SVPA4 DNAに挿入する。もしくは、R1,R2
よび/あるいはR3であらかじめ修飾したDNAを、p
IVPAあるいはpSVPAなどのベクターからNar
I/ApaIあるいはNarI/XmaI断片として切
り出すことができる。こうして得られた断片を次に、あ
らかじめNarI(部分)およびApaIあるいはXm
aI(完全)で切断したpSVPA4あるいはpWGS
Mなどのベクターに挿入する。本方法により、N末端領
域欠失および/または置換および/またはグリコシル化
部位変異導入および/またはArg−275変異導入の
いかなる組み合わせも行なわれる。
【0101】C.COS(SV40形質転換アフリカミ
ドリザル腎臓)細胞の形質転換 COS−1細胞(ATCC CRL1650)に、M.
A.ロパタ(Lopata)他,Nucl.Acid
s.Res.12:5707−5717(1984)の
方法によって、実施例3Bで調製したベクター、すなわ
ち修飾したpSVPA4で形質導入を行なった。血清含
有培地を形質導入し24時間後無血清培地と交換し、調
節した培地を、形質導入後48時間後および72時間後
に、色素産生基質S−2251を用いてプラスミノーゲ
ン活性化活性の存在、あるいは、ELISAアッセイに
よってt−PA抗原の存在の双方についてアッセイし
た。
【0102】D.CV1(アフリカミドリザル腎臓)細
胞におけるウイルス増殖 修飾複合炭水化物タンパク質は、CV1細胞(ATCC
CCL70)に、ゲッシング(Gething)とサ
ムブルック(Sambrook)(Nature 29
:620−625,1981)に示されたようにSV
40ウイルスストックで感染させることにより産生され
る。これはまず、修飾pSVPA4を制限エンドヌクレ
アーゼBamHIで完全に切断し、SV40ウイルスD
NAから細菌シャトルベクターpXf3を除去して行な
った。このDNAをCV1細胞に形質導入する前に、ヘ
ルパーウイルスSV40−rINS−pBR322 D
NA(以下に述べる)とともに、BamHIで直鎖状に
したSV40/t−PAを、希釈したDNA濃度(1μ
g/ml)で連結させ、環状にする。この過程を、イン
シュリン含有SV40ベクターSV40−rINS−p
BR322(M.ホロウイッツ(Horowitz)
ら,1982,Eukaryotic Viral V
ectors,47−53,Cold Spring
HarborLaboratory)について繰り返し
た。SV40−rINS−pBR322中の細菌シャト
ルベクターpBR322を、完全EcoRI切断によっ
て除去した。次に、直鎖状インシュリン/SV40ウイ
ルスDNAを、DNA濃度1μg/mlで連結させ、環
状にした。ウイルスストックを生成するために、等モル
量の環状連結pSVPA4およびSV40−rINS
DNAでCV−1細胞の形質導入を行なうことが必要で
ある。SV40−rINSは“後期”SV40タンパク
質を供給するために使用され、pSVPA4はウイルス
DNA産生の必須の“初期”SV40タンパク質を与
え、また本発明のタンパク質もコードしている。結果と
して、ゲッチングとサムブルックが示したこれらのDN
A双方で細胞の形質導入を行なうと、いずれかのウイル
スベクター由来のDNAを含むSV40ウイルスが生成
する。CV1細胞に増幅したウイルスを連続的に感染さ
せると、実施例3Cで示したように感染後72時間でア
ッセイし得るt−PA型活性を有するタンパク質が産生
された。
【0103】実施例4 他のタンパク質の調製 本発明の多様なタンパク質をコードするcDNAは、実
施例1,2および3の方法によって調製された。次に、
BglII/XmaI制限断片カセットを、短縮型タンパ
ク質をコードし、1箇所以上のグリコシル化部位の修飾
を有する、あるいは有さないcDNAを含むpIVPA
あるいはpSVPA4ベクターのいずれかから切り出
す。続いて、切り出したBglII/XmaI断片を、哺
乳動物細胞への導入のために、BglII/XmaI切断
pSVPA4あるいはpWGSMに連結する。哺乳動物
宿主での上記cDNAの発現により、例えば、実施例3
の方法あるいはカウフマンらの方法、前出(CHO宿主
細胞)、あるいはハウレー(Howley)らの方法、
米国特許第4,419,446号(1983)(BPV
発現系)によって、対応する哺乳動物由来短縮タンパク
質が得られる。このように、化合物2−1/N−21/
Arg(ΔFBR,Gln117)および2−1/N−2
2/Arg(ΔFBR/EGF,Gln117)をコード
するcDNAを調製し、上述のようにpSVPA4に挿
入した。化合物2−1/N−23/Arg(ΔEGF,
Gln117)をコードするcDNAは変異導入オリゴヌ
クレオチド#12およびスクリーニングオリゴヌクレオ
チド#13を用いるが、117位にあらかじめ変異を導
入したpSVPA4(上述)を鋳型として上述のヘテロ
二重鎖法によって調製した。同様に、化合物D−1(Δ
FBR)およびD−3(ΔEGF/FBR)をコードす
るcDNAは上述のようにM13変異導入法によって調
製し、SacI断片として、SacI切断pSVPA4
に挿入した。化合物D−6(ΔEGF)をコードするc
DNAは、pSVPA4を鋳型とし、変異導入オリゴヌ
クレオチド#12を用い、オリゴヌクレオチド#13で
スクリーニングを行ない、上述のヘテロ二重鎖法によっ
て調製した。
【0104】哺乳動物細胞中での増幅および発現のため
のタンパク質をコードするcDNAを調製するために、
pSVPA4あるいはpIVPAに含まれるcDNAを
BglII/XmaI断片として切り出し、精製したBg
lII/XmaI切断pWGSMに連結する。それぞれの
場合、得られたpWGSMベクターをCHO細胞に導入
し、カウフマンの方法、前出の方法により増幅する。形
質転換し、増幅したCHO細胞は化合物D−6,D−
1,D−3,2−1/N−23/Arg,2−1/N−
21/Argおよび2−1/N−22/Argをそれぞ
れ産生し、それらはヒトt−PA特異的抗体によって培
地中に検出された。続いて化合物は回収され、イムノア
フィニティークロマトグラフィーによって精製される。
【0105】実施例5 実施例4は、N末端領域内および/またはR−275で
修飾され、R1,R2および/あるいはR3における修飾
を有するか、あるいは有さないタンパク質をコードする
cDNAを用いて繰り返され、望みのタンパク質がCH
O細胞中に産生される。変異導入cDNAは上述のよう
に調製される。このように、化合物2−7/N−23/
Arg,2−7/N−21/Argおよび2−7/N−
22/Argは実施例2で述べられたように、pIVP
A内で調製される。次に、cDNAをBglII/Xma
I断片として切り出し、精製したBglII/XmaI切
断pWGSMに連結し、得られたベクターを実施例4の
ようにCHO細胞に形質転換し増幅させ、化合物2−7
/N−23/Arg,2−7/N−21/Argおよび
2−7/N−22/Argが産生される。
【0106】実施例6 各種改変体の活性 以下の表9に示す改変体を作製して本願発明のt−PA
改変体の活性を測定した。表9に記載の各改変体は以下
のように特定される:すなわち、アミノ酸置換は、改変
すべき天然型アミノ酸の同定(例えば、F1改変体にお
いて、”E9”は位置9におけるグルタミン酸)とそれ
に続く矢印で示される置換アミノ酸(例えば、F1改変
体においては”R”、すなわちアルギニン)で示す。し
たがって、F1改変体は位置9におけるグルタミン酸に
代えてアルギニンを含む。改変体において削除されたア
ミノ酸は”d”の文字とそれに続く位置で示す。したが
って、F9改変体においては、位置40−42のアミノ
酸が削除されている。なお、表9に示したタンパク質ア
ッセイはt−PAに特異的なELIZA法を用いて実施
した。プラスミノーゲン活性化活性は、プラスミノーゲ
ン、プラスミノーゲンに対する基質(S−2251)、
および刺激剤としてのフィブリノーゲン分解ペプチドの
存在下にt−PA改変体をインキュベートすることによ
り測定した。t−PAの活性はS−2251の加水分解
による405nmにおける吸光度の増加率から計算し
た。表9に示すように、各種改変体はプラスミノーゲン
活性を示した。
【表26】
【0107】改変体の半減期およびフィブリノーゲン溶
解性 本願発明の改変体の半減期およびフィブリノーゲン溶解
性を野生型と比較して測定した。改変体は本発明のタン
パク質2−1/N−22/Arg(以下、△FE1Xと
いう);2−7/N−22/Arg(以下、△FE3X
という)およびD−3(以下、△FEという:△FEは
N−グリコシル部位での修飾を全くもたない改変体)で
ある。半減期はコレンら(Collen et al., 1988, Blood
71:216-219)に記載のウサギモデルを用いて測定し
た。結果を表10に示す。表10から明らかなように、
本願発明のタンパク質は野生型に比較してin vit
roでの改良された半減期を有し、これは治療レベルに
おける血栓溶解活性の保持を示す。次に、上記各タンパ
ク質51nM溶液と37℃で4時間インキュベーション
した後のヒト血漿中に残る基底フィブリノーゲンレベル
の%として表したフィブリノーゲン溶解性を表10に併
せて示す。これらの結果は、△FE1Xや△FE3Xタ
ンパク質のような複数の構造修飾を組み合わせた改変体
の方が△FEのような単一の修飾をもつ改変体よりも有
利であることを示唆する。
【0108】 表10:半減期およびフィブリノーゲン溶解性 改変体 半減期* フィブリノーゲン溶解性** 野生型t−PA 4分 〜5% △FE 25分 〜5% △FE1X 42分 32% △FE3X 14分 61%
【0109】改変体の血栓溶解性 野生型t−PA、△FE、△FE1Xおよび△FE3X
の血栓溶解性を比較した。新鮮凍結クエン酸化ヒト血漿
中の各種濃度における全クロット溶解率(%)を37℃
でのインキュベーション時間を関数として測定した。試
験したタンパク質濃度は0.5、1.7、5.1、17
および51nMである。図1はインキュベーション1.
5時間後に測定したタンパク質の用量応答曲線である。
【0110】改変体のフィブリン結合性 本願発明の改変体および野生型t−PAのフィブリン結
合性を図2に示す。この試験ではメラノーマt−PA、
△FE、△FE1Xおよび△FE3Xのフィブリン結合
性を比較した。簡単に述べると、少量のt−PAまたは
改変体と各種濃度のフィブリノーゲンを混合し、フィブ
リノーゲンをフィブリンに変換するためのトロンビンを
加えてアッセイを実施した。次いで混合物を遠心し、フ
ィブリンクロットに結合したt−PAまたは改変体の%
を、上清の抗原濃度から計算する。図2から明らかなよ
うに、野生型t−PAは試験したすべての濃度で△FE
または△FE1Xよりもフィブリンとよく結合した。△
FE3Xは△FEや△FE1Xよりも結合性が高く、最
大フィブリン濃度では野生型t−PAに比較してやや結
合性が低かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のDNA分子を用いて得られるt−P
A改変体の血栓溶解性を示す図である。
【図2】本願発明のDNA分子を用いて得られるtPA
改変体のフィブリン結合性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 882051 (32)優先日 1986年7月3日 (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 アハーン,ティム・ジェイ アメリカ合衆国マサチューセッツ州02139, ケンブリッジ,パイン・ストリート 104

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ヒトt−PAのペプチド配列中、2
    45位のアミノ酸がMet又はValであり、 (b)少なくとも1個のN−結合性グリコシル化部位
    が、コンセンサスN−結合性グリコシル化部位以外のも
    のに修飾されており、そして (c)Gly−(−3)からThr−91までの領域内
    で1個以上のアミノ酸が置換している、 ヒトt−PAのペプチド配列と実質的に同じペプチド配
    列を有することを特徴とする、組織プラスミノーゲン活
    性化因子型活性を有する血栓溶解タンパク質。
  2. 【請求項2】(a)ヒトt−PAのペプチド配列中、2
    45位のアミノ酸がMet又はValであり、 (b)少なくとも1個のN−結合性グリコシル化部位
    が、コンセンサスN−結合性グリコシル化部位以外のも
    のに修飾されており、そして (c)Gly−(−3)からSer−50までの領域内
    で1個以上のアミノ酸が置換している、 ヒトt−PAのペプチド配列と実質的に同じペプチド配
    列を有することを特徴とする、組織プラスミノーゲン活
    性化因子型活性を有する血栓溶解タンパク質。
  3. 【請求項3】(a)ヒトt−PAのペプチド配列中、2
    45位のアミノ酸がMet又はValであり、 (b)少なくとも1個のN−結合性グリコシル化部位
    が、コンセンサスN−結合性グリコシル化部位以外のも
    のに修飾されており、そして (c)Cys−51からThr−91までの領域内で1
    個以上のアミノ酸が置換している、 ヒトt−PAのペプチド配列と実質的に同じペプチド配
    列を有することを特徴とする、組織プラスミノーゲン活
    性化因子型活性を有する血栓溶解タンパク質。
JP9073177A 1986-01-31 1997-03-26 新しい血栓溶解タンパク質 Pending JPH104960A (ja)

Applications Claiming Priority (8)

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US82510486A 1986-01-31 1986-01-31
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