JPH1049151A - 楽曲編集装置 - Google Patents

楽曲編集装置

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JPH1049151A
JPH1049151A JP8199395A JP19939596A JPH1049151A JP H1049151 A JPH1049151 A JP H1049151A JP 8199395 A JP8199395 A JP 8199395A JP 19939596 A JP19939596 A JP 19939596A JP H1049151 A JPH1049151 A JP H1049151A
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Toshifumi Uehara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動演奏される楽曲を1または複数のパート
を含むグループ毎にリアルタイムで編集することができ
る楽曲編集装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 グループ(G1〜G3)分けされた複数
の演奏パートを含む楽音データを読み出すための読み出
し手段と、各グループに対応して設けられ、各々が編集
信号を受信できる複数の受信手段(GA1〜GA3)
と、複数の受信手段で受信された編集信号に基づいて、
どのグループが指定されたかを認識するグループ指定手
段と、読み出し手段により読み出される楽音データのう
ち、グループ指定手段により指定されたグループの中の
少なくとも1つの演奏パートの楽音データを、編集信号
に応じてリアルタイムで編集する編集手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は楽曲編集装置に関
し、特に自動演奏により演奏される楽曲を編集すること
ができる楽曲編集装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動演奏装置は、例えばフロッピディス
クに記憶されている楽音データ(演奏データ)を読み出
し、当該楽音データに応じた楽音信号を生成し、自動演
奏を行う。楽曲編集装置は、自動演奏装置により演奏さ
れる楽曲を編集する。楽曲の編集は、楽曲のテンポを変
えたり、楽曲の音量を変えることである。操作者は、楽
曲編集装置に備えられたスイッチを操作することによ
り、楽曲全体の音量やテンポを変えることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自動演奏装置は、オー
ケストラを模倣した演奏を行うことができる。すなわ
ち、ピアノやバイオリン等の複数の演奏パート(以下、
パートと呼ぶ)を含む楽曲を演奏することができる。オ
ーケストラを指揮する指揮者は、ピアノやバイオリン等
の各パートの演奏方法を任意に修正するための指示をす
ることができる。
【0004】自動演奏装置により演奏される楽曲につい
ても、指揮者のような感覚で編集を行いたいとの要求が
ある。しかし、楽曲編集装置は、操作者がスイッチを操
作することにより、楽曲全体の音量やテンポを変えるこ
とができるだけであり、各パートについて各々音量を修
正することができない。
【0005】また、指揮者のように自分の好みに合わせ
て、楽曲をリアルタイムで編集したい場合には、楽団員
を集めて指揮をしなければならない。しかし、楽団員を
その場に集めることは困難または煩雑である。
【0006】本発明の目的は、自動演奏される楽曲を1
または複数のパートを含むグループ毎にリアルタイムで
編集することができる楽曲編集装置を提供することであ
る。
【0007】本発明の他の目的は、楽団員がいなくても
指揮者の気分で楽曲を編集することができる楽曲編集装
置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の楽曲編集装置
は、グループ分けされた複数の演奏パートを含む楽音デ
ータを読み出すための読み出し手段と、各グループに対
応して設けられ、各々が編集信号を受信できる複数の受
信手段と、前記複数の受信手段で受信された編集信号に
基づいて、どのグループが指定されたかを認識するグル
ープ指定手段と、前記読み出し手段により読み出される
楽音データのうち、前記グループ指定手段により指定さ
れたグループの中の少なくとも1つの演奏パートの楽音
データを、前記編集信号に応じてリアルタイムで編集す
る編集手段とを有する。
【0009】楽音データは複数の演奏パートを含む。楽
音データを演奏パート単位で分け、複数のグループを設
定する。1つのグループは、1または複数の演奏パート
を有する。複数の受信手段は、それぞれ複数のグループ
に対応して設けられ、各々が編集信号を受信することが
できる。当該複数の受信手段で受信された編集信号に基
づいて、どのグループが指定されたかを認識することが
できる。さらに、当該編集信号に応じて、指定されたグ
ループの中の少なくとも1つの演奏パートの楽音データ
をリアルタイムで編集することができる。所望のグルー
プのみをリアルタイムで編集することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施例による楽
曲編集装置の外観図である。
【0011】指揮者1は、頭にヘッドバンド2を装着
し、手に指揮棒3を持つ。ヘッドバンド2は、指揮者1
の目線方向に赤外線を放射する。指揮棒3は、指揮棒3
の動きに応じた信号および指揮棒3に備えられたスイッ
チの状態に応じた信号を電波として送出する。
【0012】図2(A)は、ヘッドバンド2の構成を示
す図である。ヘッドバンド2は、正面方向に赤外線を放
射するための赤外線発信機11を有する。
【0013】図2(B)は、指揮棒3の構成を示す図で
ある。指揮棒3は、指揮棒3の電源である電池12と、
指揮棒3の加速度および動きの方向を検知するジャイロ
センサ14と、操作用スイッチ15と、ジャイロセンサ
14のセンサ信号およびスイッチ15のスイッチ状態を
電波として送信するための送信機13を有する。
【0014】図1に戻り、3つのグループ装置G1,G
2,G3は、それぞれが楽器群(楽団員)に相当し、1
または複数のパートを有する。例えば、グループ装置G
1は弦楽器のグループであり、グループ装置G2は管楽
器のグループであり、グループ装置G3はその他のグル
ープである。
【0015】グループ装置Gは、3つに限定されず、3
以上でも3以下でもよい。以下、グループ装置が3つの
場合を例に説明する。
【0016】グループ装置G1,G2,G3の各位置
は、各楽器群(楽団員)の位置に相当する。指揮者1か
ら見て、グループ装置G1は左に位置し、グループ装置
G2は中央に位置し、グループ装置G3は右に位置す
る。各グループ装置の位置で対応するパートの楽音が発
音されるので、指揮者1は臨場感を味わうことができ
る。
【0017】グループ装置G1は、自己のグループに含
まれるパート(例えば楽器種類)を表示するための表示
パネルGC1と、自己のグループに含まれるパートの楽
音を発音するためのスピーカGD1と、赤外線および電
波を受信するための受信機GA1と、自己のグループの
演奏状態または指揮者1の指示状態を表示するための表
示ランプGB1を有する。
【0018】表示パネルGC1は、例えば「弦楽器」と
表示したり、弦楽器の画像を表示したりする。例えば、
ブラウン管を表示パネルGC1として用いれば、画像を
表示することができる。
【0019】スピーカGD1は、自己のグループに含ま
れるパートの楽音を発音する。例えば、グループ装置G
1が弦楽器のグループであれば、スピーカGD1は弦楽
器のパートの楽音を発音する。
【0020】グループ装置G1は、スピーカGD1の
他、音源を有する。音源は、複数の発音チャンネルを有
し、例えばフロッピディスクから読み出された楽音デー
タを基に楽音信号を生成する。グループに含まれるパー
トは、当該発音チャンネルに割り当てられる。スピーカ
GD1は、当該楽音信号を基に発音を行う。
【0021】受信機GA1は、ヘッドバンド2から発せ
られる赤外線を受信するための受信機と、指揮棒3から
発せられる電波を受信するための受信機を含む。
【0022】表示ランプGB1は、例えばLEDであ
り、レッドランプとグリーンランプとイエロランプを有
する。レッドランプは、あるフレーズの先頭であること
を示し、自己のグループが演奏(発音)開始準備状態で
あることを示す。グリーンランプは、自己のグループの
中で発音中のパートがあることを示す。イエロランプ
は、ヘッドバンド2が発する赤外線を受信機GA1が受
信したことを示す。指揮者1が所定のグループ装置Gの
方向を向くと、当該グループ装置Gはイエロランプを点
灯する。
【0023】グループ装置G2とG3は、グループ装置
G1に対し、グループを構成するパートのみが異なり、
構成は同じである。グループ装置G2は、表示パネルG
C2とスピーカGD2と受信機GA2と表示ランプGB
2を有する。グループ装置G3は、表示パネルGC3と
スピーカGD3と受信機GA3と表示ランプGB3を有
する。
【0024】グループ装置Gが発音開始準備状態になる
と、そのグループ装置GのレッドランプGBが点灯す
る。指揮者1は、レッドランプGBが点灯したことを確
認し、その後所望のタイミングで指揮棒3を振ることに
より、当該グループ装置Gの演奏開始を指示することが
できる。グループ装置Gが演奏を開始すると、そのグル
ープ装置のグリーンランプGBが点灯する。
【0025】つまり、グループ装置Gは、指揮者1によ
り演奏開始が指示されるまでは待機状態であり(レッド
ランプ点灯)、指揮棒3が振られることにより演奏開始
が指示されると演奏状態になる(グリーンランプ点
灯)。
【0026】グループ装置Gが演奏中において、指揮者
1が、所望のグループ装置Gの方向を向くと、イエロラ
ンプが点灯し、そのグループ装置が指定される。その
後、指揮者1が、指揮棒3を振ることにより、そのグル
ープ装置Gの演奏の音量やテンポを所望のものに修正す
ることができる。
【0027】例えば、指揮棒3を周期的に所定の速度で
振ると、その速度に応じたテンポに演奏を修正すること
ができる。また、指揮棒を上方または下方に振ることに
より、音量を上げたり下げたりすることができる。
【0028】指揮棒3には、リセットスイッチが設けら
れている。リセットスイッチを押すと、これまでの指揮
情報がリセットされる。すなわち、音量およびテンポは
標準値に設定され、読み出された楽音データがそのまま
発音される。
【0029】図3は、音量やテンポの修正を行いたいグ
ループを指定する方法を示す図である。発音中の楽音を
編集する場合を考える。指揮者1が装着するヘッドバン
ド2からは赤外線IRが放射される。指揮者1は、グリ
ーンランプが点灯しているグループ装置Gの方向を向く
ことにより、そのグループ装置Gを指定することができ
る。当該グループ装置の受信機GAは赤外線IRを受信
することにより、イエロランプGBを点灯する。その
後、指揮棒3を振ることにより、音量やテンポを変える
ことができる。
【0030】図4(A)は、本実施例による楽曲編集装
置の第1の構成例を示す図である。頭部信号発信機を含
むヘッドバンド2は、指揮者の頭部に装着され、赤外線
IRを発信する。指揮棒信号発信機を含む指揮棒3は、
指揮者の手に握られ電波WVを発信する。
【0031】グループ装置G1,G2,G3は、バス2
6に接続される。指揮棒3が発信する電波WVは四方に
広がるので、全てのグループ装置G1,G2,G3が電
波WVを受信する。ヘッドバンド2が発信する赤外線I
Rは方向性を持つので、3つのグループ装置G1,G
2,G3のうちの指定されたもののみが赤外線IRを受
信する。
【0032】図4(B)は、グループ装置G1の構成を
示す図である。グループ装置G1,G2,G3は、同じ
構成であり、代表して、グループ装置G1の構成を示
す。
【0033】グループ装置G1は、赤外線IRを受信す
るための頭部信号受信機31と、電波WVを受信するた
めの指揮棒信号受信機32と、赤色と緑色と黄色のラン
プを点灯するための表示装置33と、楽音信号を生成す
るための音源34と、アナログの楽音信号を生成するた
めのサウンドシステム35と、楽音信号を発音するため
のスピーカ36を有する。
【0034】頭部信号受信機31は、ヘッドバンド2が
発する赤外線IRを受信すると、その旨の信号をバス2
6へ出力する。指揮棒受信機32は、指揮棒3が発する
電波WVを受信すると、その電波WVに応じた信号をバ
ス26へ出力する。
【0035】表示装置33は、バス26から表示信号を
受け取り、当該表示信号に応じて赤色、緑色または黄色
のランプを点灯する。
【0036】音源34は、バス26から楽音パラメータ
を受け取り、当該楽音パラメータに応じた楽音信号を生
成する。音源34は、対応するグループに含まれるパー
トの全ての楽音信号を生成する。1つのパートに1つの
発音チャンネルを割り当ててもよい。ただし、パートと
発音チャンネルの数は必ずしも同じでなくてよい。
【0037】サウンドシステム35は、D/A変換器お
よびアンプを有し、デジタル形式の楽音信号をアナログ
形式の楽音信号に変換し、当該アナログ形式の楽音信号
を増幅する。スピーカ36は、アナログ形式の楽音信号
の発音を行う。
【0038】バス26には、グループ装置G1,G2,
G3の他、ROM21、RAM22、CPU23、操作
子24、および楽音データ読み出し機器25が接続され
る。
【0039】ROM21は、コンピュータプログラムお
よび各種パラメータを記憶する。RAM22は、レジス
タおよびバッファを含むCPU23のワーキングエリア
である。CPU23は、ROM21に記憶されているコ
ンピュータプログラムに応じて、処理を行い、またバス
26を介してその他の装置の制御を行う。
【0040】楽音データ読み出し機器25は、例えばフ
ロッピディスク、ハードディスク、またはCD−ROM
に記憶されている楽音データを読み出す。CPU23
は、当該楽音データを基に楽音パラメータを生成し、グ
ループ装置G1、G2またはG3に供給する。例えば、
弦楽器のパートについての楽音パラメータはグループ装
置G1に供給し、管楽器のパートについての楽音パラメ
ータはグループ装置G2に供給する。
【0041】操作子24は、楽曲編集装置の設定を行う
ための操作子である。指揮者は、操作子24を操作する
ことにより、楽曲全体の演奏開始を指示したり、グルー
プ装置G1,G2,G3のそれぞれに含まれるパートを
設定または修正することができる。
【0042】なお、実施例では、グループ装置それぞれ
が音源34、サウンドシステム35、スピーカ36を別
個に有していたが、このような構成に限らず、別の形態
でもよい。例えば、複数のグループで音源、サウンドシ
ステム、スピーカを共有してもよいし、音源をグループ
毎に設け、サウンドシステムとスピーカを共有してもよ
い。
【0043】図5は、CPUが処理するメインルーチン
の処理を示すフローチャートである。
【0044】ステップSA1では、レジスタやバッファ
等を初期化し、楽曲編集装置の初期設定を行う。
【0045】ステップSA2では、自動演奏の各種設定
を行う。例えば、楽曲を構成するパートのグループ分け
を行う。例えば、グループ1には、弦楽器を指定した
り、または第1および第2バイオリンを指定することが
できる。指揮者がスタートスイッチを押すと、以下の処
理へ進み、自動演奏を行う。
【0046】ステップSA3では、楽音データの読み出
しを行う。楽音データは、例えばフロッピディスクから
順次読み出される。
【0047】ステップSA4では、新規楽音の発音を指
示するグループがあるか否かをチェックする。すなわ
ち、読み出した楽音データが、あるグループにおいて演
奏の単位であるフレーズの先頭であるか否かをチェック
する。フレーズの先頭であるときには、ステップSA1
2へ進む。
【0048】ステップSA12では、当該グループに対
応するレッドランプを点灯し、指揮者に当該グループが
演奏開始の待機状態にあることを知らせる。
【0049】ステップSA13では、指揮棒を振ること
により発生する検出信号を受信したか否かをチェックす
る。指揮者は、指揮棒を振ることにより、待機状態にあ
るグループの演奏開始を指示することができる。
【0050】当該検出信号を受信しないときには、演奏
開始を指示されていないので、ステップSA4、SA1
2、SA13の処理をループし、待機状態を維持する。
当該検出信号を受信すると、ステップSA7へ進み、読
み出した楽音データに応じた楽音信号の発音処理を行
う。その後、ステップSA3へ戻り、次の楽音データの
読み出しを行う。
【0051】ステップSA4において、読み出した楽音
データがフレーズの頭でなくフレーズの途中であると判
断されると、ステップSA5へ進む。
【0052】ステップSA5では、発音中のグループが
あるか否かをチェックする。グループの中の1部のパー
トのみが発音中である場合も発音中であると判断され
る。発音中のグループがあるときにはステップSA8へ
進み、発音中のグループがないときにはステップSA8
をバイパスしてステップSA6へ進む。
【0053】ステップSA8では、該グループに対応す
るグリーンランプを点灯し、指揮者に該グループが発音
中であることを知らせる。その後、ステップSA6へ進
む。
【0054】ステップSA6では、グループの指定があ
るか否かをチェックする。グループの指定は、指揮者が
所望のグループ装置の方向に向くことにより行う。当該
グループ装置には、指揮者の頭部に設けられたヘッドバ
ンドから発信される赤外線が照射される。グループ装置
は赤外線を受信することにより、自己が指定されたこと
を認識する。
【0055】グループ指定がないときには、ステップS
A7へ進み、読み出した楽音データそのものを基に楽音
信号を生成し、発音処理を行う。グループ指定がなけれ
ば、指揮者からの指示がないことを意味するので、楽音
データを加工することなく発音処理を行う。
【0056】グループ指定があるときには、ステップS
A14へ進む。ステップSA14では、該グループに対
応するイエロランプを点灯し、指揮者にグループ指定が
行われたことを知らせる。
【0057】ステップSA9では、指揮棒を操作するこ
とにより検出される検出信号があるか否かをチェックす
る。例えば、指揮棒を振ったり、指揮棒に設けられてい
るスイッチを操作すると、指揮棒は電波を発信する。グ
ループ装置は、当該電波を受信することにより検出信号
を認識する。
【0058】検出信号がないときには、指揮棒が操作さ
れていないことを意味するので、読み出した楽音データ
そのものを基に楽音信号を生成し、発音処理を行う。指
揮棒が操作されなければ、指揮者からの指示がないこと
を意味するので、楽音データを加工することなく発音処
理を行う。
【0059】検出信号があるときには、指揮棒が操作さ
れたことを意味するので、ステップSA10へ進む。ス
テップSA10では、検出信号の種類を判別する。検出
信号の種類は、例えば指揮棒を振ることにより生成され
る信号や指揮棒に設けられたスイッチを操作することに
より生成される信号等である。この処理の詳細は、後に
図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0060】ステップSA11では、指定されたグルー
プに上記の検出信号に応じた効果を付与する。効果の付
与は、例えば音量の設定やテンポの設定である。この処
理の詳細は、後に図7を参照しながら説明する。
【0061】その後、ステップSA7へ進み、効果を付
与した楽音データを基に楽音信号を生成し、発音処理を
行う。指揮者は、指揮したいグループ装置の方向を向い
て、指揮棒を操作することにより、当該グループに対し
て所望の効果を付与した楽音を発音させることができ
る。
【0062】図6は、図5のステップSA10における
信号種類判別処理の詳細を示すフローチャートである。
【0063】ステップSB1では、指揮棒が発した信号
の解析を行う。ステップSB2では、当該信号が指揮棒
を周期的かつ連続的に振ったことにより生成される信号
であるか否かをチェックする。
【0064】周期的かつ連続的な信号であれば、ステッ
プSB5へ進む。ステップSB5では、当該周期をリズ
ムに換算し、テンポ信号を生成する。その後、ステップ
SB7において、当該テンポ信号に応じたテンポを指定
グループに設定するため、当該テンポ信号を効果付与処
理部に出力し、図5のフローチャートの処理へ戻る。効
果付与処理部は、例えばCPU23の処理によって楽音
に効果を付与する処理ブロックであり、図7に示すフロ
ーチャートの処理を行う。図7のフローチャートは、後
に説明する。
【0065】周期的かつ連続的な信号でないときには、
ステップSB3へ進む。ステップSB3では、当該信号
が指揮棒を単発的かつ上方または下方へ振ったことによ
り生成される信号であるか否かをチェックする。そのよ
うな信号であるときには、ステップSB6へ進む。
【0066】ステップSB6では、指揮棒の振りの速度
(信号の強さ)と指揮棒の振りの上下方向を基に音量の
加減量に換算し、音量信号を生成する。その後、ステッ
プSB7において、当該音量信号に応じた音量を指定グ
ループに設定するため、当該音量信号を効果付与処理部
に出力し、図5のフローチャートの処理へ戻る。効果付
与処理部において、音量を設定する処理については後に
図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0067】当該信号が周期的な振りでもなく単発的な
振りでもないときには、ステップSB4へ進む。ステッ
プSB4では、当該信号がリセット信号であるか否かを
チェックする。リセット信号は、指揮棒に設けられてい
るリセットスイッチを押すことにより生成される。
【0068】当該信号がリセット信号であるときには、
ステップSB7へ進み、今まで指示した効果を全て解除
するため、当該リセット信号を効果付与処理部に出力
し、図5のフローチャートの処理へ戻る。効果付与処理
部において、リセットを行う処理については後に図7の
フローチャートを参照しながら説明する。
【0069】ステップSB4においてリセット信号でな
いと判断されたときには、指揮棒が無意味に操作された
ことを意味するので、何も信号を出力せずに、図5のフ
ローチャートの処理へ戻る。
【0070】図7は、図5のステップSA11において
指定グループに効果を付与する処理の詳細を示すフロー
チャートである。
【0071】ステップSC2では、テンポ信号の入力が
あるか否かをチェックする。テンポ信号は、指揮者が周
期的に指揮棒を振ることにより入力される。
【0072】テンポ信号の入力があるときには、ステッ
プSC6へ進む。ステップSC6では、当該テンポ信号
に従って対象グループのテンポの増減を設定する。指揮
者が指揮棒を速く振ればテンポが速くなり、指揮棒を遅
く振ればテンポが遅くなる。その後、図5のフローチャ
ートの処理へ戻る。
【0073】フレーズの終わりにおいてテンポを遅くす
るように指示すれば、フレーズの終わりを自由に引き延
ばすことができる。
【0074】なお、対象グループが演奏するフレーズが
短い場合には、対象グループのみテンポを変えてもよい
が、フレーズが長い場合に対象グループのみテンポを変
えると、時間の経過と共に対象グループとその他のグル
ープとのタイミングのずれが大きくなってしまい好まし
くない。テンポの増減を設定する場合には、対象グルー
プのみではなく、全てのグループについてテンポを増減
するようにしてもよい。
【0075】また、指定されたグループだけではなく、
それに付随するグループまたはパートについてもテンポ
を増減してもよい。
【0076】ステップSC2においてテンポ信号の入力
がないときには、ステップSC3へ進む。ステップSC
3では、音量信号の入力があるか否かをチェックする。
音量信号は、指揮者が指揮棒を単発的に上方または下方
に振ることにより入力される。
【0077】音量信号の入力があるときには、ステップ
SC5へ進む。ステップSC5では、当該音量信号に従
って対象グループの音量の増減を設定する。指揮者が指
揮棒を上方に振れば音量が大きくなり、指揮棒を下方に
振れば音量が小さくなる。音量は、指揮者が指定したグ
ループのみが変化する。その後、図5のフローチャート
の処理へ戻る。
【0078】ステップSC3においてテンポ信号の入力
も音量信号の入力もないと判断されたときには、ステッ
プSC8へ進む。ステップSC8では、リセット信号の
入力があるか否かをチェックする。リセット信号は、指
揮者が指揮棒に設けられたリセット信号を押すことによ
り入力される。
【0079】リセット信号の入力があるときには、ステ
ップSC4へ進む。ステップSC4では、対象グループ
の楽音発音を標準値に設定する。すなわち、テンポおよ
び音量等の効果を何も付与しない状態に戻す。例えば、
以前の指揮者の操作により音量が大きめに設定されてい
る場合には、指揮者がリセットボタンを押すことによ
り、音量を標準の値に戻すことができる。スピーカから
は、読み出した楽音データそのものに基づき生成された
楽音が発音される。その後、図5のフローチャートの処
理へ戻る。
【0080】ステップSC8においてテンポ信号、音量
信号、リセット信号のいずれの入力もないと判断された
ときには、無意味な信号が入力されたことを意味するの
で、何の処理もせずに図5のフローチャートへ戻る。
【0081】以上のように、指揮者が指揮棒を操作する
ことにより、指定したグループのテンポまたは音量等の
修正を指示することができる。また、リセットボタンを
押すことにより、当該修正を解除することができる。
【0082】なお、指揮棒を操作することにより制御す
るパラメータはテンポや音量に限定されない。例えば、
リバーブ等の効果を制御するようにしてもよい。
【0083】以上は、指揮者が指揮棒を操作することに
より、楽音の編集を行う場合を説明したが、指揮棒を用
いる場合に限定されない。指揮棒以外の操作子を用い
て、楽音の編集を行うこともできる。次に、指揮棒に代
わる操作子の例を示す。
【0084】図8は、本発明の他の実施例による操作子
の外観図である。エルボセンサ51Rは、角速度センサ
b1とb2を有し、指揮者1の右肘に装着され、指揮者
1の右肘の動作を検出する。角速度センサb1は、前腕
部の角速度を検出し、角速度センサb2は上腕部の角速
度を検出する。
【0085】エルボセンサ51Lは、角速度センサb3
とb4を有し、指揮者1の左肘に装着され、指揮者1の
左肘の動作を検出する。角速度センサb3は前腕部の角
速度を検出し、角速度センサb4は上腕部の角速度を検
出する。
【0086】グリップ型操作子52Rは、指揮者1の右
手により把持され、各指により押圧される圧力センサS
R1〜SR8を有する。
【0087】ウエストベルトBLは、指揮者1のウエス
トに装着され、操作子信号発信機MCを有する。発信機
MCは、ケーブルcを介して、エルボセンサ51Rと5
1Lおよびグリップ型操作子52Rに接続され、各セン
サ値に応じた電波を発信する。
【0088】上記の操作子の他、3軸ジャイロセンサを
用いて、背中の曲げ角度または頭部や腰の動きを検出す
るためのセンサ等が設けられる。指揮者1の体の各所に
操作子を取り付けることにより(いわゆるミブリ)、指
揮者1の細かな姿勢を電波として、グループ装置に向け
て発信することができる。グループ装置は当該電波を受
信し、グループを指定したり、楽曲の編集を行う。次
に、指揮者の動きとそれに対応する編集の例を説明す
る。
【0089】指揮者は、体の向きを変えることによりグ
ループを指定することができる。グループ装置は、指揮
者の姿勢の経過を基に楽曲の編集を行う。例えば、指揮
者が腕を反復動作すると、テンポが指定される。腕の反
復動作の周期がテンポの速さに相当する。
【0090】指揮者の体に多数のセンサを装着すること
により、指揮者の細かな姿勢を検出することができる。
指揮者は、多種類の姿勢をとることにより、1度の動作
で多数の楽音パラメータを制御することができる。
【0091】例えば、指揮者が前のめりで視線を前に落
とし、小さな動きをしたときには、絶対的に音量を小さ
くし、高い音は相対的に大きくし、音の長さを短くしア
クセントを強くする。
【0092】また、指揮者が背筋を立て、大きく腕を動
かしたときに、音量を大きくし、テンポを速くし、管楽
器の音を割れるような音にする。さらに、低音の出だし
をやや早めにしてもよい。
【0093】以上のように、指揮者がヘッドバンド、指
揮棒、その他の操作子を操作することにより、グループ
を指定し、所望の編集を行うことができる。グループ
は、1または複数のパート(発音チャンネル)を有す
る。楽曲に含まれるパートをグループ分けすることによ
り、所望のグループのみをリアルタイムで編集すること
ができる。
【0094】また、グループ装置が楽団員に相当するの
で、実際に楽団員がその場にいなくても、指揮者の気分
を味わうことができる。
【0095】使用者は、指揮者の感覚で指揮棒または体
を動かすことにより、楽曲を編集することができるの
で、自分の好みに合わせた微妙な編集が可能である。
【0096】なお、指揮棒やヘッドバンド等は、電波や
赤外線によりグループ装置に信号を伝える場合を説明し
たが、ケーブルで両者を接続して電気信号により信号を
伝えてもよい。
【0097】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
グループを指定し、グループ単位で楽音データをリアル
タイムで編集することができる。また、編集信号に応じ
て楽音データを編集することができるので、自分の好み
に合わせた微妙な編集が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例による楽曲編集装置の外観図
である。
【図2】 図2(A)はヘッドバンドの構成を示す図で
あり、図2(B)は指揮棒の構成を示す図である。
【図3】 音量やテンポの修正を行いたいグループを指
定する方法を示す図である。
【図4】 図4(A)は本実施例による楽曲編集装置の
第1の構成例を示す図であり、図4(B)はグループ装
置の構成を示す図である。
【図5】 CPUが処理するメインルーチンの処理を示
すフローチャートである。
【図6】 図5のステップSA10における信号種類判
別処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】 図5のステップSA11において指定グルー
プに効果を付与する処理の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図8】 本発明の他の実施例による操作子の外観図で
ある。
【符号の説明】
1 指揮者、 2 ヘッドバンド、 3 指揮棒、
G グループ装置、 GA 受信機、 GB
表示ランプ、 GC 表示パネル、 GDスピー
カ、 11 赤外線発信機、 12 電池、 1
3 送信機、14 ジャイロセンサ、 15 操作用
スイッチ、 21 ROM、22 RAM、 23
CPU、 24 操作子、 25 楽音データ読
み出し機器、 26 バス、 31 頭部信号受信
機、 32 指揮棒信号受信機、 33 表示装
置、 34 音源、 35 サウンドシステム、
36 スピーカ、 51 エルボセンサ、 52
グリップ型操作子、 BL ウエストベルト、
MC 発信機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グループ分けされた複数の演奏パートを
    含む楽音データを読み出すための読み出し手段と、 各グループに対応して設けられ、各々が編集信号を受信
    できる複数の受信手段と、 前記複数の受信手段で受信された編集信号に基づいて、
    どのグループが指定されたかを認識するグループ指定手
    段と、 前記読み出し手段により読み出される楽音データのう
    ち、前記グループ指定手段により指定されたグループの
    中の少なくとも1つの演奏パートの楽音データを、前記
    編集信号に応じてリアルタイムで編集する編集手段とを
    有する楽曲編集装置。
  2. 【請求項2】 前記編集手段は、対象の楽音データが発
    音中のデータであるときには、前記編集信号に応じて該
    楽音データに効果を付与し、対象の楽音データが発音前
    のデータであるときには、前記編集信号に応じて該楽音
    データの発音開始を指示する請求項1記載の楽曲編集装
    置。
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