JP3791371B2 - 楽音信号生成装置および楽音信号生成システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザの動作に応じて楽音信号を生成する楽音信号生成装置および楽音信号生成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、操作子を操作する等の演奏者の動作を検出し、該検出結果に応じて電子的に楽音を発生する電子楽器が用いられている。このような電子楽器には、ピアノやバイオリン等のアコースティック楽器を模倣したタイプのものに限らず、アコースティック楽器とは異なる新たなタイプのものも開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したような従来の電子楽器では、演奏操作子の数や配置の仕方といった演奏操作子に関連する構成は固定であるため、発音する音色変更等の制御変更は可能であるが、所望の楽音を発生するために必要となる基本的な演奏内容を大きく変更することはできなかった。例えば、電子的な楽曲演奏を行う場合には、音高、発音タイミング、音量といったパラメータが必要となるが、初心者にとっては3つのパラメータを意識しながら演奏を行うのは困難である場合がある。すなわち、熟練者にとっては容易な演奏操作、つまり所望のタイミングに、所望の操作子を、所望の強さで操作するといった演奏操作は、初心者にとっては複雑であり、実際に行うには困難である。したがって、初心者の演奏練習においては、タイミング、強さ、どの操作子を操作するといった3つの操作内容のうち、2つもしくは1つの操作を省くようにすれば初心者でも効果的な練習が行えるようになるが、演奏操作子に関連する構成が固定であるため、上記のようなある操作を省くといった操作内容の大幅な変更はできなかった。もちろん、予め上記の操作内容を省略できるような操作子構成を有する電子楽器を提供等すれば、初心者がその電子楽器を用いて効果的な演奏練習を行うことができるが、その演奏者の習熟度レベルが向上した場合には、その電子楽器での演奏が簡単であるため退屈してしまうこともある。
【0004】
また、楽曲毎にその楽曲を演奏しやすい操作子構成を採用するといったように操作子構成を容易に変更することができれば、初心者にとっては、短時間でその楽曲演奏に慣れ親しむことができ、楽曲演奏をより身近に感じることができる。一方、上記のように操作子の構成を容易に変更することができれば、中級者や上級者にとっても同じ楽曲の演奏を、様々な演奏操作内容で実現することができるので、演奏者に新たな娯楽性を提供することができる。
【0005】
このように操作子の構成等を容易に変更することができれば、種々のメリットが得られるが、従来の電子楽器では操作子の構成は固定であり、操作子の構成を変更したい場合には、異なる電子楽器を購入等しなくてはならなかった。
【0006】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、楽音発生のための操作内容等のフレキシブルな変更が可能な楽音信号生成装置および楽音信号生成システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る楽音信号生成装置は、ユーザの動作を検出し検出信号を出力するセンサと、前記センサから出力される検出信号に基づいて楽音信号生成を行う楽音信号生成手段とを有する楽音信号生成装置において、他の機器を着脱自在に装着することが可能な装着部と、前記装着部に装着可能な前記他の機器に対応付けて、楽音信号を生成するための制御態様を示す制御態様情報が予め記憶されているとともに、本装置を一意に識別するための識別情報と本装置の優先度を示す優先度情報とが予め記憶されている記憶手段と、前記装着部に装着されている前記他の機器が、前記センサ、前記楽音信号生成手段、前記装着部および前記記憶手段と同様の構成を有する他の楽音信号生成装置である場合に、該他の楽音信号生成装置の記憶手段に記憶されている優先度情報および識別情報と該他の楽音信号生成装置のセンサから出力される検出信号とが入力される入力手段と、を具備し、前記楽音信号生成手段は、前記入力手段へ入力された優先度情報と本装置の記憶手段に記憶されている優先度情報とを比較し、本装置の優先度が高い場合には、前記入力手段へ入力された識別情報で識別される機器に対応付けて本装置の記憶手段に記憶されている制御態様情報と、本装置のセンサから出力された検出信号と前記入力手段へ入力された検出信号に基づいて楽音信号生成を行うことを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、上記楽音信号生成装置と同様の構成を有し、より優先度の低い他の楽音信号生成装置が装着部に装着された場合に、自装置のセンサから出力された検出信号の他に、当該他の楽音信号生成装置のセンサから出力された検出信号に基づいて楽音信号生成が為される。この際、装着された他の楽音信号生成装置を識別し、識別結果に対応した制御態様にしたがって楽音信号を生成することができる。したがって、操作系の構造等の異なる他の楽音信号生成装置が適宜接続された場合にも、当該他の楽音信号生成装置に対するユーザの操作に応じた検出信号を取り込んで、あたかも単一の装置のように楽音信号を生成することができる。したがって、装着する他の楽音信号生成装置を取り替えるといった容易な作業で操作系の構造等をフレキシブルに変更することが可能となる。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る楽音信号生成システムは、第1の楽音信号生成装置と第2の楽音信号生成装置とを有し、前記第1の楽音信号生成装置と前記第2の楽音信号生成装置の各々が、ユーザの動作を検出し検出信号を出力するセンサと、前記センサから出力される検出信号に基づいて楽音信号生成を行う楽音信号生成手段と、を有する楽音信号信号生成システムにおいて、前記第1の楽音信号生成装置と前記第2の楽音信号生成装置の各々は、他の機器を着脱自在に装着することが可能な装着部を有し、該装着部によって互いに接続されているとともに、前記装着部に装着可能な前記他の機器に対応付けて、楽音信号を生成するための制御態様を示す制御態様情報が予め記憶されているとともに、自装置を一意に識別するための識別情報と自装置の優先度を示す優先度情報とが予め記憶されている記憶手段と、前記装着部に装着されている前記他の機器が、前記センサ、前記楽音信号生成手段、前記装着部および前記記憶手段と同様の構成を有する他の楽音信号生成装置である場合に、該他の楽音信号生成装置の記憶手段に記憶されている優先度情報および識別情報と該他の楽音信号生成装置のセンサから出力される検出信号とが入力される入力手段と、を具備し、前記第1の楽音信号生成装置と前記第2の楽音信号生成装置の各々が有する楽音信号生成手段は、自装置の入力手段へ入力された優先度情報と自装置の記憶手段に記憶されている優先度情報とを比較し、自装置の優先度が高い場合には、自装置の入力手段へ入力された識別情報で識別される機器に対応付けて自装置の記憶手段に記憶されている制御態様情報と、自装置のセンサから出力された検出信号と自装置の入力手段へ入力された検出信号に基づいて楽音信号生成を行う一方、自装置の優先度が低い場合には、自装置のセンサから出力された検出信号に基づいて楽音信号生成を行うことに替えて、自装置の記憶手段に記憶されている識別情報と該検出信号とを、自装置の装着部に装着されている他の機器へ出力することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
A.実施形態の構成
まず、図1は本発明の一実施形態に係る電子楽器を組み合わせて構成される組み合わせ電子楽器の外観を示す。同図に示すように、この組み合わせ電子楽器100は、外観形状がほぼ円盤状の円盤状電子楽器(楽音信号生成装置)110と、外観形状が長尺の円柱状の円柱状電子楽器(楽音信号生成装置)120とを備え、これらの円盤状電子楽器110および円柱状電子楽器120を組み合わせた電子楽器である。
【0011】
図2に示すように、組み合わせ電子楽器100を構成する円盤状電子楽器110および円柱状電子楽器120は、互いの電子楽器を装着するための機械的な装着部111,121(例えば嵌め込み構造や、ネジ止め等による装着構造であってもよい)を有しており、お互いの装着部111,121で両者を結合することにより、図1に示すような外観形状を有する1つの組み合わせ楽器が構成されるようになっている。ここで、円盤状電子楽器110と円柱状電子楽器120とを装着部111,121で装着した場合に、後述する両者の接続インターフェース間のデータ通信が可能となるように両者の接続端同士が接触するようになっている。
【0012】
円盤状電子楽器110は、円盤状の筐体部114と、筐体部114の表面部に配置される3つの扇形の操作部112a,112b,112cとを有している。この円盤状電子楽器110および組み合わせ電子楽器100では、演奏者がこれらの操作部112a,112b,112cを適宜選択して叩くことにより所望の楽音を発生させることができるようになっている。
【0013】
また、円柱状電子楽器120は、円柱状の筐体部124と、筐体部124の長手方向(図中矢印方向)に沿って移動可能になされたスライダー123とを有している。筐体部124の表面には、その長手方向に沿って伸びる案内溝122が形成されており、この案内溝122にスライダー123が摺動可能に嵌合されている。この円柱状電子楽器120および組み合わせ電子楽器100では、演奏者がこのスライダー123を移動させることにより発生させる楽音を制御することができるようになっている。
【0014】
以上のように円盤状電子楽器110および円柱状電子楽器120を組み合わせた組み合わせ電子楽器100は、操作部112a,112b,112cやスライダー123を適宜操作することにより、所望の楽音を発生させることができる電子楽器である。以下、図3を参照しながら、組み合わせ電子楽器100を構成する円盤状電子楽器110および円柱状電子楽器120の電気的構成について説明する。
【0015】
同図に示すように、円盤状電子楽器110は、3つのセンサ200a,200b,200cと、信号処理部201と、制御部202と、音源203と、スピーカシステム204と、接続インターフェース(I/F)205とを備えている。
【0016】
センサ200a,200b,200cの各々は、操作部112a,112b,112c(図1および図2参照)に対応して設けられるセンサである。センサ200a,200b,200cは、対応する操作部112a,112b,112cの変形を検出し、その検出信号Sa,Sb,Scを信号処理部201に出力する。ここで、センサ200a,200b,200cとしては、機械的な物理量(変位、応力等)を検出することが可能なセンサ、例えば圧電センサ等が用いられる。圧電センサを用いた場合には、センサ200a,200b,200cは対応する操作部112a,112b,112cの変位量に応じた電圧を発生し、該電圧を検出信号として出力する。上述したように操作部112a,112b,112cは、楽曲等の演奏時には演奏者によって叩かれる部位である。したがって、各センサ200a,200b,200cは演奏者による演奏動作(強弱等を含む)を検出し、その検出信号を信号処理部201に出力しているのである。
【0017】
信号処理部201は、センサ200a,200b,200cから供給される検出信号Sa,Sb,Scに対して所定のバンドパスフィルタに通す等の信号処理を施し、検出信号Sa,Sb,Scを制御部202によって実行される楽音信号生成のための制御処理に用いることができる信号にして制御部202に出力する。
【0018】
制御部202は、CPU(Central Processing Unit)220、ROM(Read Only Memory)221、RAM(Random Access Memory)222およびEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)223等から構成されている。
【0019】
ROM221には、種々の制御プログラムが格納されており、CPU220がこれらのプログラムを実行することにより、楽器全体の制御に加え、上記の検出信号Sa,Sb,Sc等に基づいた楽音信号生成のための制御処理を行うことができるようになっている。また、ROM221には、当該円盤状電子楽器110を識別するための識別情報と、当該円盤状電子楽器110の優先度を示す優先度情報とが格納されており、これらの情報が後述する楽音信号を生成するための制御処理や実行装置決定処理等において用いられる。RAM222は、楽音信号生成のための制御処理や実行装置決定処理等を実行する際のCPU220のワーキングエリアとして使用される。
【0020】
EEPROM223には、楽曲の演奏を行うための楽音のノートオンおよびノートオフタイミング、音高、ベロシティーおよび音色等の情報が示された楽曲データ(例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データが格納されるとともに、上記楽音信号生成のための制御処理において用いられる制御態様テーブルが格納されている。ここで、図4にEEPROM223に格納される制御態様テーブルの内容を示す。同図に示すように、制御態様テーブルには、「接続相手情報」と「制御態様情報」とが対応付けて格納されている。「接続相手情報」には、当該円盤状電子楽器110の装着部111(図2参照)に接続可能な機器を示す情報が格納され、「制御態様情報」には対応する「接続相手情報」に示される機器が当該円盤状電子楽器110に接続された場合に、どのような楽音信号生成のための制御を行うべきかを記述した情報が格納されている。より具体的には、どのセンサのどのような検出結果に応じて、どのような音高や音色の楽音をどのような音量で発生させるか等を規定する制御情報が格納されている。図示の例では、制御部202は、接続相手が「なし」、すなわち他の機器が接続されていない場合には制御態様Aに記述された内容にしたがって楽音信号生成のための制御処理を行い、電子楽器Aが接続されている場合には制御態様Bにしたがって楽音信号生成のための制御処理を行うことになる。
【0021】
本実施形態では、EEPROM223の記憶内容は、当該円盤状電子楽器110に設けられた図示せぬ操作ボタン群等をユーザが操作することにより、適宜書き換えることができるようになっている。すなわち、上記のような制御態様テーブルの設定内容を変更したり、新たな楽曲データを記憶させたり、ある楽曲データを消去したりすることができるようになっている。なお、本実施形態では、楽曲データや上記制御態様テーブルを格納する記憶手段として、EEPROMを採用しているが、書換可能な記憶手段であればよく、例えばハードディスクなどを代用することもできる。
【0022】
図3に戻り、制御部202は、上述したROM221に格納されたプログラムに従い、ROM221に格納される優先度情報を用いて、接続相手もしくは当該円盤状電子楽器110のいずれが主導装置となって楽音発生のための処理を行うかを決める実行装置決定処理を行う。また、EEPROM223に格納された制御態様テーブルや楽曲データを用いて楽音信号生成のための制御処理を行う。これらの実行装置決定処理および楽音信号生成のための制御処理についての詳細は後述する。
【0023】
音源203は、上記制御部202による楽音信号生成のための制御処理によって決定された楽音信号生成のためのパラメータにしたがって楽音信号を生成し、生成した楽音信号をスピーカシステム204に出力する。ここで、制御部202から供給される楽音信号生成のためのパラメータは、発音タイミング、音色、音高、音量等を示すパラメータであり、音源203はこれらのパラメータに示される情報にしたがって楽音信号を生成する。スピーカシステム204は、音源203から供給される楽音信号に対してD/A(Digital to Analog)変換等を施した後、当該楽音信号に対応する楽音をスピーカから発生させる。
【0024】
接続インターフェース(入力手段)205は、当該円盤状電子楽器110の装着部111(図2参照)に接続されている他の電子機器(図1および図2では、円柱状電子楽器120)との間でデータの授受を行うためのインターフェースである。このような接続インターフェース205としては、当該組み合わせ電子楽器100においてのみ用いられる専用のインターフェースを用いるようにしてもよいが、本実施形態ではパーソナルコンピュータ等の他の電子機器との間でのデータ授受を可能とするために汎用のインターフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus))を用いている。汎用インターフェースを採用することで、パーソナルコンピュータ等から当該円盤状電子楽器110に楽曲データを取り込んでEEPROM223に格納したりすることができる。また、パーソナルコンピュータ等から上述した制御態様テーブルの設定内容の書き換えを行うことができるようにしてもよい。
【0025】
次に、円柱状電子楽器120は、センサ300と、信号処理部301と、制御部302と、音源303と、スピーカシステム304と、接続インターフェース(I/F)305とを備えている。
【0026】
センサ300は、案内溝122に沿って移動可能になされたスライダー123(図1および図2参照)の位置を検出するセンサである。スライダー123の位置を検出することができれば公知の種々のセンサを利用することができるが、例えば案内溝122に沿って多数の発光部および受光部を対向配置するとともに、発光部と受光部間に位置するシャッター部材をスライダー123に設ける光センサを用いることができる。このような光センサを用いた場合、スライダー123の位置に応じて、対向配置される発光部と受光部との間がシャッター部材によって遮られるので、受光を遮られた受光部の位置にスライダー123があると検出することができる。センサ300は、このように検出したスライダー123の位置を示す検出信号Sを信号処理部301に出力する。上述したようにスライダー123は、楽曲等の演奏時には演奏者によって移動させられる部位である。したがって、センサ300は演奏者による演奏動作を検出し、その検出信号Sを信号処理部301に出力しているのである。
【0027】
信号処理部301は、センサ300から供給される検出信号Sに対して所定の信号処理を施し、検出信号Sを制御部302によって実行される楽音信号生成のための制御処理に用いることができる信号にして制御部302に出力する。
【0028】
制御部302は、CPU320、ROM321、RAM322およびEEPROM323等から構成されており、当該円柱状電子楽器120の全体を制御するとともに、上記円盤状電子楽器110における制御部202と同様、実行装置決定処理や楽音信号生成のための制御処理等を行う。ここで、ROM321に格納される当該円柱状電子楽器120を識別するための識別情報や優先度情報やEEPROM323に格納される制御態様テーブルの内容等は異なるものの、他の部分については上記円盤状電子楽器110の制御部202と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0029】
音源303は、上記制御部302による楽音信号生成のための制御処理によって決定された楽音信号生成のためのパラメータにしたがって楽音信号を生成し、生成した楽音信号をスピーカシステム304に出力する。スピーカシステム304は、音源203から供給される楽音信号に対してD/A変換等を施した後、当該楽音信号に対応する楽音をスピーカから発生させる。
【0030】
接続インターフェース305は、当該円柱状電子楽器120の装着部112(図2参照)に接続されている他の電子機器(図1および図2では、円盤状電子楽器110)との間でデータの授受を行うためのインターフェースであり、本実施形態では上記円盤状電子楽器110と同様、汎用のインターフェースが用いられる。
【0031】
以上のような構成を有する円盤状電子楽器110および円柱状電子楽器120を組み合わせた組み合わせ電子楽器100を用い、演奏者が操作部112a,112b,112cを叩いたり、スライダー123を移動させたりすることにより電子的に楽音を発生させることができる。
【0032】
B.実施形態の動作
次に、上記構成の円盤状電子楽器110および円柱状電子楽器120を組み合わせた組み合わせ電子楽器100の動作について説明する。ここで、円盤状電子楽器110および円柱状電子楽器120の両者の制御部202および制御部302によって実行される処理は同一であるため、以下においては円盤状電子楽器110を主体として実行される制御処理動作について説明する。
【0033】
B−1.メインルーチン
図5に示すように、当該円盤状電子楽器110に電源が投入されると、初期化処理が行われる(ステップS1)。ここで、初期化処理とは各種フラグ等の初期化処理である。次に、装着部111に接続された装置と自装置のいずれが楽音発生のための処理を主導的に行うかを決定するための実行装置決定処理が行われる(ステップS2)。このように実行装置決定処理が行われると、楽音信号生成のための制御処理が行われる(ステップS3)。次に、その他の様々な処理(例えば、図示せぬ操作スイッチ等に応じた制御処理や図示せぬ表示部への表示制御処理等)が行われるが(ステップS4)、本発明とは関連性がないため、その他の処理についての説明は割愛する。ここで、ステップS2〜ステップS4の処理は、この円盤状電子楽器110に電源が投入されている間、繰り返し実行される。
【0034】
以上説明したのが、制御部202により実行されるメインルーチンであり、以下、実行装置決定処理および楽音信号生成のための制御処理について図6および図7を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
B−2.実行装置決定処理
まず、実行装置決定処理について図6を参照しながら説明する。実行装置決定処理において、制御部202は円盤状電子楽器110の装着部111に他の機器が装着されたか否かを判別する(ステップSa1)。ここで、他の機器が装着されたか否かは、装着部111近傍に他の機器の装着の有無を検出するセンサ等を設け、該センサの検出結果によって判別するようにすればよい。そして、他の機器が装着されていないと判別した場合には、制御部202は組み合わせフラグをオフに設定し(ステップSa2)、当該実行装置決定処理を終了する。なお、組み合わせフラグがオンである場合には、接続された他の機器と協働して楽音発生を行うモードであること示し、組み合わせフラグがオフである場合には単独の電子楽器として楽音発生を行うモードであることを示す。
【0036】
一方、他の機器が接続されたと判別された場合には制御部202は、組み合わせフラグをオンに設定し(ステップSa3)、接続された他の機器との間で接続インターフェース205を介したデータ通信を可能とするために接続確立処理を行う(ステップSa4)。接続された他の機器(以下、円柱状電子楽器120とする)との間でデータ通信のための接続を確立すると、制御部202はROM221に格納されている優先度情報を円柱状電子楽器120に送信するとともに、他の機器である円柱状電子楽器120から送信される優先度情報を受信するといった優先度情報の交換処理を行う(ステップSa5)。
【0037】
上記のように互いの優先度情報を交換すると、制御部202は自身の優先度情報(ROM221に格納されている優先度情報)と、接続されている機器である円柱状電子楽器120から受信した優先度情報(ROM321に格納されている優先度情報)とを比較し、どちらの優先度情報がより高い優先度を示すものであるかを判別する(ステップSa6)。ここで、自身の優先度が高いと判別した場合には(ステップSa6の判別「YES」)、制御部202は接続されている円柱状電子楽器120から送信される識別情報を取得する(ステップSa7)。一方、接続されている円柱状電子楽器120から供給された優先度情報の方が高い優先度を示している場合には、ROM221に格納されている自装置(円盤状電子楽器110)を識別するための識別情報を円柱状電子楽器120に送信する(ステップSa10)。この実行装置決定処理は、接続相手である円柱状電子楽器120においても同時に実行されているため、自身の優先度が高い場合には、優先度の低い接続相手の装置から識別情報が送信されることになる。したがって、上記ステップSa7では、接続相手の装置を識別するための識別情報を取得することができるのである。
【0038】
また、自身の優先度が高い場合に制御部202は、上記のように接続相手の識別情報を取得すると共に、RAM222に用意されるレジスタの実行装置フラグをオンに設定する(ステップSa8)。ここで、実行装置フラグがオンであることは、自装置が楽音発生のための処理を主導的に行う装置であることを意味し、当該フラグがオフであることは楽音発生のための処理を補助的に行う装置であることを意味する。そして、制御部202は、EEPROM223に格納された制御態様テーブルを参照し、上記のように取得した接続相手の装置の識別情報に基づいて、楽音信号生成のための制御処理の制御態様を設定し(ステップSa9)、実行装置決定処理を終了する。図4に示すような制御態様テーブルが格納されている場合に取得した識別情報が電子楽器Bを示しているときには、制御部202は楽音信号生成のための制御処理の態様を制御態様Cに記述されたものに設定する。
【0039】
一方、自装置の優先度が接続相手の装置の優先度よりも低い場合(ステップSa6の判別「NO」)、制御部202は上述したようにROM221に格納されている識別情報を接続相手の装置に送信するとともに(ステップSa10)、実行装置フラグをオフに設定し(ステップSa11)、実行装置決定処理を終了する。
【0040】
B−3.楽音信号生成のための制御処理
次に、図7を参照しながら楽音信号生成のための制御処理について説明する。同図に示すように、楽音信号生成のための制御処理において、制御部202は組み合わせフラグがオンであるか否かを判別する(ステップSb1)。ここで、組み合わせフラグがオフである場合(ステップSb1の判別「NO」)、すなわち他の機器が接続されていない場合には、当該円盤状電子楽器110を単独の電子楽器として動作させるためにEEPROM223の制御態様テーブルを参照し、他の機器が接続されていない場合の制御態様に設定する(ステップSb2)。
【0041】
そして、当該円盤状電子楽器110のセンサ200a,200b,200cから供給される検出信号Sa,Sb,Scのみを取得する(ステップSb3)。すなわち、円盤状電子楽器110の操作部112a,112b,112cが演奏者によってどのように叩かれたか等の演奏者の演奏動作を示す検出信号を取得する。制御部202は、取得した自装置に対する演奏動作を表す検出信号Sa,Sb,Scに基づいて楽音信号を生成するための音高、音色等の種々のパラメータを決定する(ステップSb4)。制御部202はこのようにして決定したパラメータを音源203に出力し、これにより当該パラメータに応じた楽音信号が生成される。この結果、スピーカシステム204から当該円盤状電子楽器110の操作部112a,112b,112cのみに対して行われる叩く等の演奏動作に応じた楽音が発生する。
【0042】
一方、ステップSb1の判別において、組み合わせフラグがオンであると判別された場合には、実行装置フラグがオンであるか否かを判別する(ステップSb5)。すなわち、他の機器が接続されている場合には、自装置もしくは他の機器のいずれが主導的に楽音発生のための処理を行うかを判別するのである。ここで、実行装置フラグがオフの場合(ステップSb5の判別「NO」)、当該円盤状電子楽器110は楽音発生のための処理を補助的に行う装置であるので、制御部202はセンサ200a,200b,200cから供給される検出信号Sa,Sb,Scを接続されている他の機器である円柱状電子楽器120に送信する(ステップSb8)。
【0043】
一方、実行装置フラグがオンの場合、当該円盤状電子楽器110が楽音発生のための処理を主導的に行う装置であるので、制御部202は自装置のセンサ200a,200b,200cから供給される検出信号Sa,Sb,Scを取得するとともに、接続されている円柱状電子楽器120から送信される検出信号Sを取得する(ステップSb6)。そして、これらの取得した検出信号Sa,Sb,Scおよび検出信号Sに基づいて、設定されている制御態様(図6のステップSa9参照)に従い、音高、音色等の各種パラメータを決定する(ステップSb7)。制御部202はこのようにして決定したパラメータを音源203に出力し、これにより当該パラメータに応じた楽音信号が生成される。この結果、スピーカシステム204から当該円盤状電子楽器110の操作部112a,112b,112cに対して行われる叩く等の演奏動作に加え、接続されている円柱状電子楽器120のスライダー123の位置をも考慮して決定された楽音が発生する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る円盤状電子楽器110および円柱状電子楽器120を組み合わせた組み合わせ電子楽器100では、自装置の優先度が接続されている機器よりも高い場合には、自装置のセンサの検出結果、すなわち自装置に対する演奏動作に加え、接続されている機器のセンサの検出結果、すなわち接続されている機器に対する演奏動作をも反映した楽音発生のための処理を行うことができる。したがって、演奏者は単に円盤状電子楽器110と円柱状電子楽器120とを組み合わせることにより、特別な設定操作等を行うことなく、各々の電子楽器の演奏のための操作構成(操作部112a,112b,112cやスライダー123)を利用した演奏を行うことができるのである。
【0045】
また、本実施形態では、上記制御態様テーブルを参照し、接続している相手に応じた制御態様にしたがって楽音発生のための処理が行われることになる。すなわち、円盤状電子楽器110や円柱状電子楽器120は、その各々を単独で電子楽器として使用した場合と、両者を組み合わせて使用する場合と、さらには他の電子楽器と組み合わせて使用する場合とで、どのような演奏操作でどのような楽音発生を行うかといった制御態様を異ならせることができるのである。したがって、接続している相手楽器の操作構成(スライダー等)等に応じて好適な制御態様を制御態様テーブルに設定しておけば、接続相手に応じて自動的に好適な楽音発生処理がなされることになる。
【0046】
また、上記の円盤状電子楽器110および円柱状電子楽器120といったタイプの操作系の構成を備えた電子楽器に限らず、多種多様の操作系を有する電子楽器を用意し、これらを任意に組み合わせて電子楽器を構成すれば、その組み合わせ電子楽器があたかも単一の電子楽器のように扱えるようになり、かつそれらの組み合わせ方に応じた楽音発生制御が行われるのである。このように任意に接続する電子楽器(操作系の構成)を変更できるようにし、その相手に応じて好適な制御態様にしたがった楽音発生制御を行えるようにすることで、例えば演奏技術の習熟度に応じて好適な電子楽器を提供することができるといった効果を奏する。
【0047】
上記のような効果を奏する理由について、設定する制御態様の内容を具体的に例示して詳細に説明する。例えば、上記のように円盤状電子楽器110と円柱状電子楽器120とが組み合わせて構成された場合に用いられる制御態様を次のように設定しておく。
【0048】
a.発生楽音の音量を示すパラメータを決定するために、円柱状電子楽器120におけるスライダー123の位置、すなわちセンサ300の検出信号Sを用いる。例えば、スライダー123が円盤状電子楽器110側にあるほど音量が大きく、円盤状電子楽器110から遠い位置になるほど音量が小さくなるような設定とする。
b.楽音の発生タイミングを決定するために、センサ200a,200b,200cの検出信号Sa,Sb,Scを用いる。より具体的には、円盤状電子楽器110における各操作部112a,112b,112cのいずれかが叩かれたタイミングで楽音発生を行うようにするといったようにセンサ200a,200b,200cからの検出信号Sa,Sb,Scを用いるように設定する。
c.発生楽音の音高を示すパラメータを決定するために、EEPROM223に格納されている楽曲データを用いる。すなわち、音高を示すパラメータは、演奏者の演奏動作によって決定するのではなく、楽曲データにしたがって決定する。
【0049】
以上のような制御態様を設定すると、演奏者は円柱状電子楽器120のスライダー123の位置を調節することで楽音の発生音量を制御でき、操作部112a,112b,112cのいずれかを叩くことで、楽曲データにしたがった音高の楽音が発生することになる。すなわち、演奏者は音高を指定するための操作を行うことなく、楽曲に忠実な音高の楽音が発生することになる。したがって、演奏者の演奏操作の負担が減少し、初心者であっても比較的容易に、かつより正確な楽曲演奏を行うことができるようになる。
【0050】
上記のような制御態様を設定しておけば、容易かつより正確な楽曲演奏を行うことができ、楽曲演奏に慣れ親しむ段階の演奏者(初心者等)には好適であるが、ある程度習熟度が向上すると、簡単な演奏内容で楽曲演奏が実現できると物足りなさを感じてしまうこともある。このような場合には、円柱状電子楽器120に代えて、図8に示すように、複数の演奏操作ボタン群80が設けられた円柱状電子楽器120’を円盤状電子楽器110に装着するようにすればよい。このように単にスライダー123をスライドさせるといった単純な操作が行える円柱状電子楽器120よりも演奏のために操作する内容(演奏操作ボタン群80の選択押下操作等)が多い、すなわち複雑な操作が行える円柱状電子楽器120’を接続した場合には、上記のように音高を楽曲データにしたがって決定するのではなく、演奏操作ボタン群80の操作内容に応じて音高を決定するような制御態様を用いるようにすればよい。このようにすれば、円盤状電子楽器110に円柱状電子楽器120’を円盤状電子楽器110に接続すると、演奏者自身が演奏操作ボタン群80を適宜選択押下操作して発生させる楽音の音高を決定することができる組み合わせ電子楽器となる。すなわち、スライダー123をスライドさせるといった単純な操作しかできない円柱状電子楽器120と比較して、正確な演奏を行うためにより複雑な演奏操作を要求される電子楽器が構成されることになる。したがって、ある程度の習熟度に達した演奏者にとっては手応えのある演奏を行えるようになる。
【0051】
上記のように習熟度の向上等に起因し、電子楽器をどのように組み合わせて演奏したいかといった演奏者の要望も変更することもあり得るが、本実施形態によれば、新たな電子楽器を購入等することなく、各電子楽器の組み合わせを変更する、すなわちパーツの交換をすることで新たな要望に応じた組み合わせ電子楽器を構成することができる。
【0052】
また、このように任意に接続する電子楽器(操作系の構成)を変更できるようにし、その接続相手に応じて好適な制御態様にしたがった楽音発生制御を行えるようにすることで、習熟度の異なる演奏者でアンサンブルを行う場合にも、各々の演奏者が習熟度に応じて電子楽器の組み合わせを選択することができる。したがって、習熟度の低い演奏者が極端にひどい楽曲演奏を行うといったことが抑制される一方で、習熟度の高い演奏者にとって演奏が簡単すぎるために退屈になってしまうこと等を抑制することができる。この結果、習熟レベルの差に関わらず、全ての演奏者が楽しめるアンサンブルを実現することも可能である。
【0053】
また、本実施形態のように、様々な演奏のための操作構成を有する電子楽器を適宜組み合わせ、該組み合わせに応じて好適な楽音発生のための制御態様を設定することができるようにすれば、ある楽曲の演奏には電子楽器Aと電子楽器Bとを組み合わせた組み合わせ電子楽器で演奏し、別の楽曲の演奏には電子楽器Aと電子楽器Cとを組み合わせた組み合わせ電子楽器で演奏するといったことも可能である。習熟度の高い演奏者であっても、その演奏手法によってある操作系の構成の電子楽器では苦手な楽曲等が存在することもあるが、本実施形態では、自身の演奏スタイルに合致するように複数の電子楽器を組み合わせれば、演奏手法に関わらず多種の楽曲演奏を容易に行うことができるようになる。
【0054】
例えば、上述した円盤状電子楽器110は、筐体部114の表面に扇形の操作部112a,112b,112cを配置した構成となっていたが、演奏者の演奏手法の癖や身体的な事情等により、各操作部112a,112b,112cの配置を変更したいと思う場合もあり得る。そこで、図9に例示するように、操作部の数は同一であっても、他の位置に操作部91a,91b,91cを配置した電子楽器110’を製造メーカ等がユーザに提供することで、ユーザは各々の事情に合致した構成の電子楽器を適宜選択して用いることができる。また、上記実施形態で説明した円盤状電子楽器110の筐体部114は円盤状であったが、他の形状のもの、例えば図10に示すように三角柱状の筐体部114’を有する電子楽器等110”を製造メーカがユーザに提供するようにしてもよい。このように操作構成の配置のみならず、全体としてデザイン(配色や形状)の異なる他種類の電子楽器を製造メーカがユーザに提供すれば、ユーザは各々の趣向に応じたデザインの電子楽器を選択して組み合わせることができる。
【0055】
もちろん、上記のように種々のデザインの電子楽器をユーザに提供するだけではなく、左利きの演奏者に好適なタイプの電子楽器や右利きの演奏者に好適なタイプの電子楽器等を提供することで、楽器全体を交換することなく、例えば上記実施形態の、組み合わせ電子楽器100における円柱状電子楽器120のみを、左利きの演奏者に適した電子楽器に組み替えることにより、左利きの演奏者に好適な操作系を有する電子楽器を提供することもできる。
【0056】
C.変形例
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0057】
(変形例1)
上述した実施形態においては、円盤状電子楽器110および円柱状電子楽器120が音源203やスピーカシステム204(音源303やスピーカシステム304)等の楽音発生のための構成要素を有しており、各々単独の電子楽器としても機能するようになっていたが、組み合わせ電子楽器を構成するいずれかが単独の装置として電子楽器の機能を有しないものであってもよい。例えば、図11に示すように、上記実施形態における円柱状電子楽器120に代えて、音源303やスピーカシステム304等を有しない、すなわち楽音発生機能を有しないセンサユニット(動作検出ユニット)400を、円盤状電子楽器110の装着部111に装着して組み合わせ電子楽器を構成するようにしてもよい。
【0058】
このように一方のセンサユニット400が楽音発生機能を有していない場合には、上述した実行装置決定処理(図6参照)を行う必要はないが、円盤状電子楽器110が楽音発生機能を有する円柱状電子楽器120と、楽音発生機能を有しないセンサユニット400の両者に対応することができるようにするため、センサユニット400の制御部402も、上記実施形態における円盤状電子楽器110や円柱状電子楽器120と同様の実行装置決定処理を行うように構成しておく。ここで、制御部402のROMに格納しておく優先度情報を最も低い優先度を表す情報としておけば、当該センサユニット400が楽音発生のための処理を主導的に行う装置として決定されることがない。すなわち、センサユニット400は常に楽音発生のための処理を補助的に行う装置となり、自身を識別するための識別情報を主導的に楽音発生のための制御を行う接続相手の機器に出力し、これにより接続相手の機器において制御態様が設定される。この後、演奏者によって演奏操作がなされた場合、センサユニット400は補助的に楽音発生のための処理を行う装置としての処理、すなわちセンサ300の検出信号を接続相手の機器に出力送信する処理(図7のステップSb8参照)を実行する。これにより、接続相手の機器のスピーカから、演奏者がセンサユニット400に対して行った演奏動作を反映した楽音が発生することになる。
【0059】
(変形例2)
また、上述した実施形態においては、円盤状電子楽器110と円柱状電子楽器120といった2つの電子楽器を組み合わせて組み合わせ電子楽器100を構成する場合を例に挙げて説明したが、電子楽器を組み合わせる数は2つに限らず、3つ以上の電子楽器を組み合わせて組み合わせ電子楽器を構成するようにしてもよい。この場合、ある1つの電子楽器に他の機器を接続するための装着部(および接続インターフェース)を2つ以上設けるようにするとともに、図12に示すように、EEPROM等に格納する制御態様テーブルの「接続相手情報」に複数の機器を示す情報を格納できるようにする。図示の例では、接続相手が「電子楽器A」と「電子楽器B」の2つである場合には、制御態様Dに記述された内容にしたがって楽音信号生成のための制御処理を行い、「電子楽器A」と「電子楽器C」の2つである場合には制御態様Eにしたがって楽音信号生成のための制御処理を行う。
【0060】
このように3つ以上の電子楽器を組み合わせて組み合わせ電子楽器を構成した場合の一例を図13に示す。同図に示すように、この組み合わせ電子楽器130は、複数の装着部111が設けられた円盤状電子楽器510(接続インターフェースの数が装着部111の数に対応して複数ある以外の電気的構成は円盤状電子楽器110と同様)に、多数の操作パットユニット520が装着されている。
【0061】
操作パットユニット520は、本体筐体部521と、操作パット522と、本体筐体部521を円盤状電子楽器510の装着部111に装着するためのケーブルコネクタ523とを有している。ここで、本体筐体部521の内部には、操作パット522が叩かれたか否かを検出する圧電センサ等が内蔵されており、当該圧電センサに加え、上記実施形態における信号処理部201や制御部202と同様の構成要素が内蔵されている。なお、円盤状電子楽器510が音源203やスピーカシステム204といった楽音発生のための機能を有する必要はなく、上記変形例で説明したように楽音発生機能を搭載しないものであってもよい。
【0062】
このような組み合わせ電子楽器130を用いれば、演奏者は円盤状電子楽器510に設けられた操作部112a,112b,112cに加え、各円盤状電子楽器510に設けられた操作パット522を操作して楽音発生を制御することができる。したがって、複数の演奏者が各々1つの円盤状電子楽器510に対する演奏操作を担当して楽曲演奏を行うといったことも可能である。このように複数で演奏する場合にも、演奏者の人数に応じて円盤状電子楽器510に接続する操作パットユニット520の数を決定し、人数が増えた場合には用意されている装着部111の数の範囲内で操作パットユニット520を新たに追加接続するといったことも可能である。
【0063】
また、操作パットユニット520を薄型の床置きが可能な形状とすることで、複数の演奏者による演奏するといった使用方法以外にも、各操作パットユニット520に設けられた操作パット522を足で踏むことにより楽音発生を制御するといった新たな操作構成を有する電子楽器として使用することも可能である。さらに、各操作パットユニット520を壁等に掛けて設置し、ある程度の距離を離れた位置からユーザがボール等を壁掛けされた操作パットユニット520に対して投ずるといった遊びに使用することもできる。
【0064】
(変形例3)
また、上述した実施形態では、円盤状電子楽器110や円柱状電子楽器120は、接続された相手の機器がどのような機器であるかの識別を、接続相手の機器から送信される識別情報を用いて行うようにしていたが、他の方法によって接続された相手の機器を識別するようにしてもよい。例えば、電子楽器等の機器の装着部近傍にその機器特有の位置に突起部等を設けるとともに、相手側の装置のメモリー等に突起部の位置と識別情報とを対応付けたテーブルを格納しておく。そして、上記突起部を有する機器が装着された相手側の機器において、当該突起部の位置を検出して上記テーブルを参照することにより、装着された相手を識別することができる。
【0065】
(変形例4)
また、上述した実施形態では、円盤状電子楽器110と円柱状電子楽器120とを装着部111,121で装着した場合に、両者の接続端同士が接触することにより、両者間でのデータ通信を行うことができるようになっていたが、このように接続端同士を接触させて通信を行う手法に限らず、無線通信を用いて組み合わせた電子楽器間でデータ通信を行うようにしてもよい。
【0066】
(変形例5)
また、上述した実施形態では、実行装置決定処理(図6参照)や楽音信号生成のための制御処理を実現するプログラムがROM等に格納されている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、上記のような制御処理をCPU等からなるコンピュータに実行させるプログラムの格納された例えばCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc-Read Only Memory)等のパッケージメディアでなる記録媒体としてユーザに提供するようにしてもよい。また、上記プログラムをインターネット等の電気通信回線を介してユーザに提供するようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、楽音発生のための操作内容等のフレキシブルな変更が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る円盤状電子楽器および円柱状電子楽器を組み合わせて構成した組み合わせ電子楽器の外観を示す図である。
【図2】 前記円盤状電子楽器および前記円柱状電子楽器の組み合わせ構造を説明するための図である。
【図3】 前記組み合わせ電子楽器の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】 前記組み合わせ電子楽器の構成要素である制御部に格納される制御態様テーブルの内容を説明するための図である。
【図5】 前記制御部によって実行されるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 前記制御部によって実行される実行装置決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】 前記制御部によって実行される楽音信号生成のための制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】 前記組み合わせ電子楽器の変形例を示す図である。
【図9】 前記組み合わせ電子楽器の変形例の外観を示す図である。
【図10】 前記組み合わせ電子楽器の変形例の外観を示す図である。
【図11】 前記組み合わせ電子楽器の変形例の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】 前記組み合わせ電子楽器の変形例の制御部に格納される制御態様テーブルの内容を説明するための図である。
【図13】 前記組み合わせ電子楽器の変形例の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
100……組み合わせ電子楽器、110,110’,110”……円盤状電子楽器、111……装着部、112a,112b,112c……操作部、114……筐体部、120,120’……円柱状電子楽器、121……装着部、122……案内溝、123……スライダー、124……筐体部、130……組み合わせ電子楽器、200a,200b,200c……センサ、201……信号処理部、202……制御部、203……音源、204……スピーカシステム、205……接続インターフェース、220……CPU、221……ROM、222……RAM、300……センサ、301……信号処理部、302……制御部、303……音源、304……スピーカシステム、305……接続インターフェース、400……センサユニット、402……制御部、510……円盤状電子楽器、520……操作パットユニット
Claims (3)
- ユーザの動作を検出し検出信号を出力するセンサと、前記センサから出力される検出信号に基づいて楽音信号生成を行う楽音信号生成手段とを有する楽音信号生成装置において、
他の機器を着脱自在に装着することが可能な装着部と、
前記装着部に装着可能な前記他の機器に対応付けて、楽音信号を生成するための制御態様を示す制御態様情報が予め記憶されているとともに、本装置を一意に識別するための識別情報と本装置の優先度を示す優先度情報とが予め記憶されている記憶手段と、
前記装着部に装着されている前記他の機器が、前記センサ、前記楽音信号生成手段、前記装着部および前記記憶手段と同様の構成を有する他の楽音信号生成装置である場合に、該他の楽音信号生成装置の記憶手段に記憶されている優先度情報および識別情報と該他の楽音信号生成装置のセンサから出力される検出信号とが入力される入力手段と、
を具備し、
前記楽音信号生成手段は、
前記入力手段へ入力された優先度情報と本装置の記憶手段に記憶されている優先度情報とを比較し、本装置の優先度が高い場合には、前記入力手段へ入力された識別情報で識別される機器に対応付けて本装置の記憶手段に記憶されている制御態様情報と、本装置のセンサから出力された検出信号と前記入力手段へ入力された検出信号に基づいて楽音信号生成を行う
ことを特徴とする楽音信号生成装置。 - 前記楽音信号生成手段は、
本装置の優先度が低い場合には、本装置のセンサから出力された検出信号に基づいて楽音信号生成を行うことに替えて、本装置の記憶手段に記憶されている識別情報と該検出信号とを、前記装着部に装着されている他の機器へ出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の楽音信号生成装置。 - 第1の楽音信号生成装置と第2の楽音信号生成装置とを有し、前記第1の楽音信号生成装置と前記第2の楽音信号生成装置の各々が、ユーザの動作を検出し検出信号を出力するセンサと、前記センサから出力される検出信号に基づいて楽音信号生成を行う楽音信号生成手段と、を有する楽音信号信号生成システムにおいて、
前記第1の楽音信号生成装置と前記第2の楽音信号生成装置の各々は、
他の機器を着脱自在に装着することが可能な装着部を有し、該装着部によって互いに接続されているとともに、
前記装着部に装着可能な前記他の機器に対応付けて、楽音信号を生成するための制御態様を示す制御態様情報が予め記憶されているとともに、自装置を一意に識別するための識別情報と自装置の優先度を示す優先度情報とが予め記憶されている記憶手段と、
前記装着部に装着されている前記他の機器が、前記センサ、前記楽音信号生成手段、前記装着部および前記記憶手段と同様の構成を有する他の楽音信号生成装置である場合に、該他の楽音信号生成装置の記憶手段に記憶されている優先度情報および識別情報と該他の楽音信号生成装置のセンサから出力される検出信号とが入力される入力手段と、
を具備し、
前記第1の楽音信号生成装置と前記第2の楽音信号生成装置の各々が有する楽音信号生成手段は、自装置の入力手段へ入力された優先度情報と自装置の記憶手段に記憶されている優先度情報とを比較し、
自装置の優先度が高い場合には、自装置の入力手段へ入力された識別情報で識別される機器に対応付けて自装置の記憶手段に記憶されている制御態様情報と、自装置のセンサから出力された検出信号と自装置の入力手段へ入力された検出信号に基づいて楽音信号生成を行う一方、
自装置の優先度が低い場合には、自装置のセンサから出力された検出信号に基づいて楽音信号生成を行うことに替えて、自装置の記憶手段に記憶されている識別情報と該検出信号とを、自装置の装着部に装着されている他の機器へ出力する
ことを特徴とする楽音信号生成システム。
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