JPH1048878A - 磁性トナー - Google Patents

磁性トナー

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JPH1048878A
JPH1048878A JP21694596A JP21694596A JPH1048878A JP H1048878 A JPH1048878 A JP H1048878A JP 21694596 A JP21694596 A JP 21694596A JP 21694596 A JP21694596 A JP 21694596A JP H1048878 A JPH1048878 A JP H1048878A
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JP
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iron oxide
magnetic
toner
magnetic iron
particles
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JP21694596A
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Yasuhiro Ichikawa
泰弘 市川
Koichi Tomiyama
晃一 冨山
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたる耐久安定性、環境安定性(高温
高湿下特性、放置特性)および現像特性に優れた磁性ト
ナーを提供することにある。 【解決手段】 結着樹脂および磁性酸化鉄を少なくとも
含有する磁性トナーにおいて、該磁性トナーは重量平均
径D4(μm)が、3.5μm乃至6.5μmの範囲内
であり、かつ、個数粒度分布における3.17μm以下
の粒子の存在割合N(個数%)と重量平均径D4(μ
m)との関係が、下記条件 35−D4×5≦N≦180−D4×25 を満足する粒度分布を有しており、該磁性酸化鉄は、ケ
イ素元素の含有率が、鉄原子を基準として0.4重量%
乃至4.0重量%の範囲内であり、該磁性酸化鉄の最表
面におけるFe/Si原子比が0.9乃至4.0の範囲
内であり、該磁性酸化鉄の凝集化度が3.0g/40g
以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録のごとき画像形成方法における静電荷潜像を顕像化す
るための磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報(米国特許第3,666,363号明細書)およ
び特公昭43−24748号公報(米国特許第4,07
1,361号明細書)等に記載されているごとく、多数
の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用
し、種々の方法により感光体上に電気的潜像を形成し、
次いで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要
に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後、熱
や圧力等により定着させ、複写物を得るものである。
【0003】静電潜像をトナーを用いて可視像化する現
像方法も種々知られている。例えば、米国特許第2,8
74,063号明細書に記載されている磁気ブラシ法、
同第2,618,552号明細書に記載されているカス
ケード現像法および同第2,221,776号明細書に
記載されているパウダークラウド法、ファーブラシ現像
法、液体現像法などが知られている。これらの方法はい
ずれも比較的安定に画像の得ちれる優れた方法である
が、反面、キャリアの劣化、トナーとキャリアの混合比
の変動という二成分現像にまつわる共通の問題点を有す
る。
【0004】かかる問題点を解消するため、トナーのみ
よりなる一成分現像剤を用いる現像方法が各種提案され
ている。中でも、磁性を有するトナー粒子よりなる現像
剤を用いる方法に優れたものが多い。
【0005】米国特許第3,909,258号明細書に
は電気的に導電性を有する磁性トナーを用いて現像する
方法が各種提案されている。これは内部に磁性を有する
円筒状の導電性スリーブ上に導電性磁性トナーを支持
し、これを静電像に接触せしめ現像するものである。こ
の際、現像部において記録体表面とスリーブ表面の間に
トナー粒子により導電路が形成され、この導電路を経て
スリーブよリトナーに電荷が導かれ、静電像の画像部と
の間のクーロンカにより、トナー粒子が画像部に付着し
て現像される。
【0006】この導電性磁性トナーを用いる現像方法
は、従来の二成分現像方法にまつわる問題点を回避でき
る優れた現像方法であるが、反面、トナーが導電性であ
るため、現像した画像を記録体から普通紙などの転写材
に静電的に転写することが困難であるという問題を有し
ている。
【0007】静電的に転写をすることが可能である高抵
抗の磁性トナーを用いる現像方法として、トナー粒子の
誘電分極を利用した現像方法がある。しかし、かかる方
法は本質的に現像速度が遅い、現像画像の濃度が十分に
得られていないなどの問題点を有しており、実用が困難
である。
【0008】高抵抗の絶縁性磁性トナーを用いるその他
の現像方法として、トナー粒子相互の摩擦、トナー粒子
とスリーブ等との摩擦によりトナー粒子を摩擦帯電し、
これを静電荷保持部材に接触して現像する方法が知られ
ている。しかしこれらの方法はトナー粒子と摩擦帯電部
材との接触回数が少なく、摩擦帯電が不十分となりやす
く、帯電したトナー粒子はスリーブ表面とのクーロン力
が強まりスリーブ上で凝集しやすい等の問題点を有して
いた。
【0009】そこで、特開昭55‐18656号公報等
において、上述の問題点の対策として新規なジャンピン
グ現像方法が提案された。これは、スリーブ上に磁性ト
ナーを極めて薄く塗布し、これを摩擦帯電し、次いでこ
れを静電像に極めて近接して現像するものである。この
方法は、磁性トナーをスリーブ上に極めて薄く塗布する
ことによりスリーブとトナーの接触する機会を増し、十
分な摩擦帯電効果を可能にしたこと、磁力によって磁性
トナーを支持し、かつ磁石とトナーを相対的に移動させ
ることにより、トナー粒子相互の凝集を解くとともに、
スリーブと摩擦せしめていること、等によって優れた画
像が得られるものである。
【0010】しかし、上記の改良された磁性トナーを用
いる現像方法には、用いる磁性トナーに関わる不確定要
素がある。それは、磁性トナー中には微粉末状の磁性体
が相当量混合分散されており、該磁性体の一部がトナー
粒子の表面に露出しているため、磁性体の種類が、磁性
トナーの流動性および摩擦帯電性に影響し、結果とし
て、磁性トナーの現像特性、耐久性などの磁性トナーに
要求される種々の特性の変動あるいは劣化を引き起こし
やすいというものである。
【0011】より詳細には、従来の磁性体を含有する磁
性トナーを用いたジャンピング現像方法においては、長
期間の繰り返しの現像工程を続けると、磁性トナーを含
有する現像剤の流動性が低下し、十分な摩擦帯電が得ら
れず、帯電が不均一となりやすく、特に低温低湿環境下
においてはカブリが発生しやすくなる。また、磁性トナ
ー粒子を構成している結着樹脂と磁性体との付着性が弱
い場合には、繰り返しの現像工程により、磁性トナー表
面から磁性体が遊離して、画像濃度低下等の弊害を生じ
やすい。
【0012】また、磁性トナー粒子中での磁性体の分散
が不均一である場合には、磁性体を多く含有する粒子が
スリーブ上に蓄積し、画像濃度低下およびスリーブゴー
ストと呼ばれる濃淡のムラの発生が見られる場合もあ
る。
【0013】従来、磁性トナーに含有される磁性酸化鉄
に関する提案は、例えば特開昭62−279352号公
報、特開昭62−278131号公報においては、ケイ
素元素を含有する磁性酸化鉄を含有する磁性トナーが提
案されている。この方法で得られた磁性酸化鉄は、粒径
の制御のためにケイ酸塩を使用するため磁性酸化鉄内部
にケイ素元素が多く存在し、磁性酸化鉄表面におけるケ
イ素元素の存在量が少なく、磁性トナーの流動性が不十
分となりやすい。
【0014】また、特開昭61−34070号公報にお
いては、四三酸化鉄への酸化反応中にヒドロキソケイ酸
塩溶液を添加した四三酸化鉄の製造方法が提案されてい
る。
【0015】この方法による四三酸化鉄は、表面近傍に
Si元素を有するものの、Si元素が四三酸化鉄表面近
傍に層を成して存在し、表面が摩擦のごとき機械的な衝
撃に対して弱いという問題点を有している。
【0016】以上の問題点を解決すべく、特開平5−7
2801号公報において、磁性酸化鉄中にケイ素元素を
含有し、かつ、磁性体表面近傍に、全ケイ素元素含有率
の44〜84%が存在する磁性酸化鉄を含有した磁性ト
ナーが提案された。
【0017】しかしながら、該磁性酸化鉄を含有した磁
性トナーにおいて、流動性や結着樹脂との付着性は、十
分に改良されたものの、磁性酸化鉄表面にケイ素元素が
遍在することにより、環境特性、特に高湿度下における
長期放置において帯電性が劣化する問題点が見いだされ
た。
【0018】更に特開平4−362954号公報には、
ケイ素元素とアルミ元素双方を含む磁性酸化鉄が開示さ
れているが、上述の特許出願同様に環境安定性が不十分
である。
【0019】さらに特開平5−213620号公報に
は、ケイ素成分を含有し、かつ表面にケイ素成分が露出
している磁性酸化鉄が開示されているが、上述の特許出
願同様に環境変動に対する安定性が必ずしも十分でな
く、またトナー中での分散性がとりわけ優れているとは
言えなかった。
【0020】近年、複写機、プリンターのごとき電子写
真技術を用いた画像形成装置の機能が多様化し、得られ
た画質の高精細化、高画質化が求められている。また、
トナー及びトナーを充填したカートリッジの保存環境は
様々であり、放置安定性も厳しい条件が要求されてい
る。更に、トナー中における磁性酸化鉄などの成分の分
散に偏りが無く、長期の使用においてもトナー中の各成
分量の変化の起こりにくい現像剤が求められている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき問題点を解決した磁性トナーを提供するもので
ある。
【0022】即ち、本発明の目的は、画像濃度が高く、
画像再現性に優れた磁性トナーを提供することにある。
【0023】更に本発明の目的は、長時間の使用におい
てもカブリがなく、安定した帯電性能を有する磁性トナ
ーを提供することにある。
【0024】更に本発明の目的は、高湿度下においても
帯電特性に優れ、さらに長期放置安定性に優れた磁性ト
ナーを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は結着樹脂および
磁性酸化鉄を少なくとも含有する磁性トナーにおいて、
該磁性トナーは重量平均径D4(μm)が、3.5μm
乃至6.5μmの範囲内であり、かつ、個数粒度分布に
おける3.17μm以下の粒子の存在割合N(個数%)
と重量平均径D4(μm)との関係が、下記条件 35−D4×5≦N≦180−D4×25 を満足する粒度分布を有しており、該磁性酸化鉄は、ケ
イ素元素の含有率が、鉄原子を基準として0.4重量%
乃至4.0重量%の範囲内であり、該磁性酸化鉄の最表
面におけるFe/Si原子比が0.9乃至4.0の範囲
内であり、該磁性酸化鉄の凝集化度が3.0g/40g
以下であることを特徴とする磁性トナーに関する。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の磁性トナーにより、上述
の目的が達成される理由は以下の様に推察される。
【0027】即ち、本発明の磁性トナーにおいては、重
量平均径D4(μm)が、3.5≦D4≦6.5であり、
かつ、個数粒度分布における3.17μm以下の粒子の
存在割合N(個数%)との関係が、 35−D4×5≦N≦180−D4×25 を満足する粒度分布を有する磁性トナーに、ケイ素元素
を含有する特定の磁性酸化鉄を用いることが一つの特徴
である。
【0028】本発明者らの検討によれば、トナーの粒度
分布のうちで4〜6μmの部分が高精細画像を得る上で
重要である事が判明している。しかしながら3.17μ
m以下の部分は現像ローラーに対する付着力が強く、静
電荷像保持体に現像されにくくなるため画像欠陥を引き
起こしやすく、含有量を多くすることは好ましくない。
したがって、上記式を満足する粒度分布を有することが
必要となる。これによって、帯電性、耐久性がより優れ
たものとなるばかりでなく、本発明の磁性体の分散性と
流動性、環境安定性を生かして、カブリの少ない、画像
の鮮明さとハーフトーンおよびベタ黒部の均一性に優れ
た画像が得られる。
【0029】さらに本発明者らは、磁性酸化鉄の最表面
の組成および構造をコントロールすることで、磁性酸化
鉄を含有した磁性トナーにおいて、流動性が優れ、長期
放置安定性、耐久性、トナー中の磁性体の分散性が優れ
ることを見いだした。
【0030】即ち、本発明者らが上記のトナーの特性と
磁性酸化鉄の物性との関係について鋭意検討を行ったと
ころ、磁性酸化鉄の凝集化度とトナーの挙動についての
関係、特に耐久時における画像品質との関係が見い出さ
れた。
【0031】また、本発明では磁性トナーに用いる磁性
酸化鉄のケイ素元素の含有率が鉄元素を基準として、
0.4〜4.0重量%(より好ましくは0.5〜0.9
重量%)であり、かつ磁性酸化鉄の最表面(XPS測
定)におけるFe/Si原子比が0.9〜4.0である
ことを特徴とする。
【0032】ケイ素元素の含有率が0.4重量%よりも
少なく、Fe/Si原子比が4.0%を超える場合に
は、磁性トナーの流動性が不十分となりやすい。
【0033】ケイ素元素の含有率が4.0重量%よりも
多く、またはFe/Si原子比が0.9未満の場合に
は、特に高温高湿下において、帯電の低下を生じやすく
なる。また、表面に単独で存在するシリカが増えること
から、トナー結着樹脂に対する磁性酸化鉄の分散性が劣
るものとなる。
【0034】磁性酸化鉄の表面のケイ素元素量を調節す
る手段としては、ケイ素含有化合物の添加量割合の他、
酸化反応時のpH、ナトリウム,カリウムなどのアルカ
リ塩除去のための水洗工程等の制御が有効であるが、特
に限定されない。また、本発明の磁性酸化鉄は着色特性
に優れ、十分な画像濃度を得ることに寄与する。
【0035】特に本発明においては該磁性酸化鉄の凝集
化度が3.0g/40g以下であることが重要である。
【0036】磁性酸化鉄表面のケイ素の量をコントロー
ルすることによって上述の性能が達成される一方で、磁
性酸化鉄の凝集化度が3.0g/40gを超える場合に
は、トナー製造時において磁性体粒子の投入方法を改良
しても磁性酸化鉄粒子同士の凝集が生じて、磁性酸化鉄
の結着樹脂に対する分散性が悪化するという問題を生じ
る。このように磁性酸化鉄粒子同士の付着力が大きい場
合には、混練(装置、強度、温度)条件などを調整して
も十分な分散性が得られにくく、トナー粒子間における
磁性酸化鉄含有量の格差を生じ、磁性酸化鉄含有量の多
いトナーが現像スリーブ上に残留しやすくなり、耐久安
定性に問題を生じるトナーとなる。
【0037】即ち、本発明における磁性酸化鉄を使用し
た場合、トナー中における分散性が優れ、トナー粒子間
における磁性体量のバラツキが極めて小さいものとな
る。それゆえにトナー粒子間の磁気特性の差が小さく、
現像スリーブなどの部材に磁気特性の異なるものが偏在
する問題が生じにくい。したがって、長期使用において
も物性の変化や劣化の少ない耐久性に優れたトナーを得
ることができる。
【0038】磁性酸化鉄の凝集化度を調節する手段とし
ては、磁性酸化鉄の粒度分布のシャープ化があげられ
る。そのためには、原材料投入量と酸化条件をコントロ
ールし、粒子成長が均一になるようにすることがあげら
れる。さらに粉砕時においても均一に力のかかるように
装置及び条件を調節することが重要である。
【0039】また、粉砕後にさらに混合機等を用いて、
磁性酸化鉄粒子に通常より大きな力をかけて、粒子の存
在状態を変化させることも好ましい。この理由として
は、生成した一次粒子が凝集した二次粒子をある程度、
均一に生じさせることによって、磁性酸化鉄流動時の磁
性酸化鉄粒子間の摩擦面積が減少しているためであると
推察される。
【0040】本発明者らは、従来性能が不十分であった
磁性酸化鉄にこのような制御を行うことが極めて効果的
であることを見いだした。特に本発明の磁性酸化鉄を用
いることによって、トナー製造時に結着樹脂に対する分
散性が向上し、混練条件を強化することなく、より少な
いエネルギーで製造することが可能となる。この理由
は、このような磁性酸化鉄が樹脂粉体や溶融樹脂に対し
て分散状態が良好であるためであると考えられる。
【0041】該磁性酸化鉄の嵩密度は0.5g/cm3
以上1.3g/cm3以下であることが望ましいが、よ
り好ましくは0.7g/cm3以上1.0g/cm3以下
であることが望ましい。プレミックス時における樹脂粉
体に対する分散性は嵩密度が小さい0.5〜1.0g/
cm3であるものが良好であり、溶融混練時においては
嵩密度が大きい0.7〜1.3g/cm3のものが分散
しやすい傾向が見られる。
【0042】本発明においては、特に該磁性酸化鉄の嵩
密度[A]と凝集化度[B]との関係が 2.2≦3A+B≦4.8 を満たすことが好ましい。『3A+B』の値が2.2に
満たない磁性酸化鉄は、製造が困難であり高コストとな
る一方で、性能上大きな差が見られない。また、『3A
+B』の値が4.8を超える場合には、分散性改良の効
果が若干弱まる傾向が見られる。
【0043】また、磁性酸化鉄の形状としては特に限定
されないが、球形のものがより望ましい。球形のものを
得る方法としては、生成時におけるpH調節など、公知
の方法を用いることができる。
【0044】更に本発明の好ましい磁性酸化鉄として
は、平滑度が0.3〜0.8、好ましくは0.45〜
0.7、より好ましくは0.5〜0.7を満足すること
である。平滑度は、磁性酸化鉄の表面の細孔の量に関係
し、平滑度が0.3未満の場合、磁性酸化鉄の表面の細
孔が多く存在し、水の吸着が促進される。
【0045】更に本発明のより好ましい磁性酸化鉄の一
つとしては、該磁性酸化鉄の比表面積が25.0m2
g以下、好ましくは23.0m2/g以下を満足するこ
とである。25.0m2/gを超える場合、磁性酸化鉄
の水分吸着性が増加し、該磁性酸化鉄を含有したトナー
の吸湿性が増加し、該磁性酸化鉄を含有したトナーの帯
電性がやや劣る傾向が見られる。
【0046】また、比表面積が5.0m2/g以上、よ
り好ましくは13.0m2/g以上を満足するものがさ
らに望ましい。5.0m2/gよりも小さい場合、大き
い粒子の磁性酸化鉄の割合が増加し、該磁性酸化鉄を含
有したトナーの着色力がやや劣る傾向が見られる。
【0047】本発明に係るケイ素元素を有する磁性酸化
鉄は、例えば、下記の方法で製造される。
【0048】第一鉄塩水溶液に所定量のケイ酸化合物を
添加した後に、鉄成分に対してほぼ当量のアルカリを加
え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水
溶液のpHを7以上(好ましくはpH8〜10)に維持
し70℃以上に加温しながら酸素含有ガスを通気するこ
とにより、水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄
粒子の核となる種晶を先ず生成する。
【0049】次に種晶を含むスラリー状の液に、前に加
えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一
鉄を含む溶液を加える。液のpHを6〜10に維持し、
酸素含有ガスを通気して酸化反応をすることにより、前
記種晶を核にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化反
応が進むのにつれて、液のpHは酸性側に移行していく
が、液のpHは6未満にしないほうが好ましい。酸化反
応の終期に液のpHを調製することにより、磁性酸化鉄
粒子の表層および表面にケイ酸化合物を所定量偏在させ
ることが好ましい。
【0050】添加に用いるケイ酸化合物は、市販のケイ
酸ソーダ等のケイ酸塩類、加水分解などで生じるゾル状
ケイ酸塩などのケイ酸が例示される。
【0051】第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン
に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生する硫
酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄なども使用可能で
ある。
【0052】本発明の磁性トナーに用いる磁性酸化鉄
は、結着樹脂100重量部に対して、20重量部〜20
0重量部用いることが望ましい。また、本発明の磁性ト
ナーに用いる磁性酸化鉄は、シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、チタネート、アミノシラン、有機
ケイ素化合物、金属水酸化物などで処理されたものであ
っても良い。
【0053】本発明に使用されるトナーの結着樹脂の種
類としては特に限定されないが、例えば、ポリスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、ス
チレンーブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノー
ル樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイ
ン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キ
シレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、ク
マロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。ま
た、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂であ
る。
【0054】本発明ではトナー中にワックスを含有して
も良く、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロ
クリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャート
ロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワッ
クス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体
などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブ
ロック共重合物、グラフト変性物を含むものなどが好ま
しく用いられる。
【0055】さらに本発明では必要に応じてトナー中に
荷電制御剤を含有しても良く、モノアゾ染料の金属錯
塩、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリ
チル酸またはナフトエ酸の金属錯塩、ニグロシン系化合
物、有機四級アンモニウム塩等を用いることが可能であ
る。
【0056】また、本発明のトナーには、環境安定性、
帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上の為、無機微
粉体または疎水性無機微粉体が混合されていても良い。
例えば、シリカ微粉体あるいは酸化チタン微粉体を単独
あるいは併用して用いることが好ましい。
【0057】シリカ微粉体は、ケイ素ハロゲン化物の蒸
気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒューム
ドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製
造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能である。
また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、
塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合
物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、
シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能
である。
【0058】更に、無機微粉体は疎水化処理されている
ものが好ましい。疎水化処理するには、無機微粉体と反
応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に
処理することによって付与される。その例としては、ケ
イ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式
シリカ微粉体をシランカップリング剤で処理した後、あ
るいはシランカップリング剤で処理すると同時にシリコ
ーンオイルのごとき有機ケイ素化合物で処理する方法が
挙げられる。
【0059】疎水化処理に使用されるシランカップリン
グ剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメ
チルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエト
キシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロ
ルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニ
ルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブ
ロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルト
リクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、
クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリ
ルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリ
オルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチ
ルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロ
キサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン
及び水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げ
られる。
【0060】また有機ケイ素化合物としては、例えば、
シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオ
イルとしては、25℃における粘度が30〜1000セ
ンチストークスのものが用いられ、例えばジメチルシリ
コーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α―
メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニル
シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特
に好ましい。
【0061】シリコーンオイル処理の方法としては、例
えばシランカップリング剤で処理された無機微粉体とシ
リコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用
いて直接混合してもよいし、ベースとなる無機微粉体に
シリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。ある
いは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散
せしめた後、無機微粉体を加え混合し溶剤を除去する方
法でもよい。
【0062】本発明中のトナーは、必要に応じて、上述
以外の添加剤を添加してもよい。
【0063】例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性
付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、
滑剤、研磨剤等の働きをする微粒子などである。具体的
には、テフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリ
デンのごとき滑剤;あるいは酸化セリウム、炭化ケイ
素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤;あるいは酸化
チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特
に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、あるい
は例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモ
ン、酸化スズ等の導電性付与剤、また、逆極性の白色微
粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いるこ
ともできる。
【0064】トナーと混合される樹脂微粒子または無機
微粉体あるいは疎水性無機微粉体などは、トナー100
重量部に対して0.1〜10重量部(より好ましくは
0.1〜5重量部)使用するのが好ましい。
【0065】本発明にかかるトナーを作製するには公知
の方法を用いることができる。例えば、トナー構成材料
を混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダ
ー、エクストルーダーのごとき熱混練機を用いて溶融混
練し、さらに冷却固化後粉砕、分級を行う方法があげら
れる。さらに、重合法によってトナーを製造する手段を
用いることもできる。例えば、懸濁重合法トナーは重合
性単量体及び、本発明における磁性酸化鉄、重合開始剤
(更に必要に応じて、架橋剤、荷電制御剤及びその他の
添加物)を溶解または分散せしめて、単量体組成物とし
た後、この単量体組成物あるいはこの単量体組成物をあ
らかじめ重合したものを分散安定剤を含有する連続相
(例えば水)中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時に
重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子とし
たものである。
【0066】次に、本発明による現像方法の一例を図1
を用いて説明する。
【0067】感光体ドラム1は導電性の支持部2の上に
有機または無機の光導電性を有する感光層3を形成した
ものであって、感光層3をコロナ帯電器や帯電ローラー
等の帯電器4を用いて帯電した後に、レーザーやLED
等の光源5から出た光を結像光学系6を通して感光層3
に画像に応じて選択的に光照射して電位コントラストを
得て、静電潜像を形成する。
【0068】一方、現像装置7において、トナー8を搬
送する現像スリーブ9は、シャフト10の外周に弾性層
11および導電層12等を適宜選んで配設したもので、
非磁性または磁性の金属や樹脂で構成される板状の規制
部材13を現像スリーブ9に圧接してトナー8を所定の
極性に帯電させるとともにトナー層を適量に薄層化し、
導電層2の表面近傍に静電的鏡像力により、トナー8を
スリーブ9に保持させ、スリーブ9を回転させて薄層の
トナー8を搬送するものである。感光体ドラム1とスリ
ーブ9が近接する現像部までトナー8が搬送されると、
感光体ドラム1の電位コントラストおよび現像バイアス
印加手段14により現像電界が形成され、現像電界に応
じて帯電したトナー8が感光体ドラム1に付着し、静電
潜像が顕像化される。ここでは、スリーブと感光体ドラ
ムが接触していても良いし、非接触でも良い。更に、コ
ロナ転写機や転写ローラー等の転写器15を用いて転写
材である記録紙16上にトナーによる像を転写し、熱や
圧力を用いてトナーを記録紙に定着し、所望の画像を記
録紙上に得るものである。転写材としては、フィルム状
シートなども用いられる。
【0069】次に、本発明における測定方法について述
べる。 1)トナー粒度分布測定方法 トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンター
TA―II型あるいはコールターマルチサイザー(コー
ルター社製)等種々の方法で測定可能であるが、本発明
においてはコールターカウンターTA‐II型(コール
ター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するイン
ターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナル
コンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩
化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。
たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエ
ンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法と
しては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤
として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20
mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約
1〜3分間分散処理を行ない前記コールターカウンター
TA−II型によりアパーチャーとして100μmアパ
ーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を
測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、
本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の体積平均
粒径(Dv:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表
値とする)と体積変動係数(Sv)、個数分布から求め
た個数基準の長さ平均粒径(D1)と長さ変動係数
(S1)、及び体積分布から求めた重量基準の粗粉量
(12.7μm以上)、個数分布から求めた個数基準の
微粉量(3.17μm以下)を求めた。
【0070】2)嵩密度測定方法 本発明における磁性酸化鉄の嵩密度は、JIS K51
01の顔料試験法に準じて測定した。
【0071】3)Fe/Si原子比測定方法 本発明において、磁性酸化鉄の最表面におけるFe/S
i原子比は、XPS測定により求める。
【0072】条件:XPS測定装置;VG社製ESCA
LAB,200−X型 X線源;Mg Kα(300W) 分析領域;2×3mm 4)ケイ素元素量測定方法 本発明の磁性酸化鉄中のケイ素元素量は、蛍光X線分析
装置SYSTEM 3080(理学電機工業(株)製)
を使用し、JIS K0119『蛍光X線分析通則』に
従って、測定した。
【0073】5)磁性酸化鉄の凝集化度測定方法 本発明の磁性酸化鉄の凝集化度は以下の方法で測定され
る。
【0074】測定に使用する磁性酸化鉄(試料)は、温
度,湿度が20〜25℃,56〜66%RH環境下に2
4〜36時間放置したものを用いる。以下の操作もこれ
と同じ環境において行う。まず、測定を行う磁性酸化鉄
を16メッシュ(目開き1mm)の篩に通す。
【0075】次に、容量50ccのポリエチレン製の瓶
(最大内径33mm、最大内側高さ70mm)中に上記
試料を40g入れ、振とう機((株)ヤヨイYS−LD
型(ホルダー部のみ上記50ccのポリエチレン瓶に合
わせたもの))を振とう角度50度(−15度〜+65
度)に設定し、毎分180回の速度で、3分間振とうを
行う。ポリエチレン瓶内部の試料を取り出し、9メッシ
ュ(目開き2mm)の篩に通す。篩の上に残った磁性酸
化鉄の量を凝集化度とする。
【0076】6)磁性酸化鉄の平滑度測定方法 磁性酸化鉄の平滑度は次のように求める。
【0077】
【数1】
【0078】BETは、湯浅アイオニクス(株)製、全
自動ガス吸着量測定装置;オートソーブ1を使用し、吸
着ガスに窒素を用い、BET多点法により求める。なお
サンプルの前処理としては、50℃で1時間の脱気を行
う。また、平均粒径の測定及び磁性酸化鉄の表面積の算
出は次のように行う。
【0079】電子顕微鏡(日立製作所H−700H)で
コロジオン膜銅メッシュに処理した磁性酸化鉄の試料を
用いて、加電圧100kVにて、10,000倍で撮影
し、焼き付け倍率3倍として、最終倍率30,000倍
とする。これによって形状観察を行い、各粒子の最大長
(μm)を計測し、ランダムに100個を選び出し、そ
の平均をもって平均粒径とする。
【0080】表面積の算出には、磁性酸化鉄をその平均
粒径を直径とした球形と仮定し、平均粒径から、球の表
面積及び体積を算出し、球の重量を磁性酸化鉄の体積及
び密度から求め、磁性酸化鉄の平均粒径から算出した表
面積の値を求める。
【0081】7)トナー中の磁性酸化鉄量の測定方法 トナー2gを磁性るつぼを用いて900℃にて燃焼さ
せ、Fe23として磁性体含有量を測定する。製造時の
仕込量から計算した理論上含まれる磁性酸化鉄量を10
0%とする。
【0082】
【実施例】以下、本発明を製造例及び実施例によって具
体的に説明する。なお、実施例に記載されている部数ま
たは%は、重量部または重量%を示す。
【0083】[磁性酸化鉄製造例1]硫酸第一鉄水溶液
中に、鉄元素に対してケイ素元素の含有率が1.8%と
なるようにケイ酸ソーダを添加した。さらに、鉄イオン
に対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ水溶液を混合
し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
【0084】水溶液のpHを7〜10(例えば、pH
9)に維持しながら空気を吹き込み、80〜90℃で酸
化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製し
た。
【0085】次いで、このスラリー液に当初のアルカリ
量(ケイ酸ソーダのナトリウム成分および苛性ソーダの
ナトリウム成分)に対し0.9〜1.2当量となるよう
に硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH8〜
10に維持し、空気を通気して酸化反応を行い、酸化反
応終期にpHを調整し、磁性酸化鉄粒子表面にケイ酸成
分を偏在させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法により
洗浄、ろ過、乾燥し、次いで凝集した磁性酸化鉄粒子を
解砕処理した。その後、回転羽根による混合機を用い
て、強く撹件することによって凝集化度の調節を行い、
表1及び2に示す特性を有する磁性酸化鉄粒子を得た。
なお、磁性酸化鉄粒子の平均粒径は0.2lμmであっ
た。
【0086】得られた磁性酸化鉄粒子を走査型電子顕微
鏡(SEM)を用いて観察したところ、一次粒子がほぼ
均一の大きさであることが確認された。また、二次粒子
のでき方においても偏りがほとんど見られなかった。こ
の模式図を図3に示す。
【0087】[磁性酸化鉄製造例2]回転羽根による混
合機を用いた撹拌を「磁性酸化鉄製造例1」に比べて弱
く(通常の装置条件に比べて若干強く)行い、凝集化度
の調節を行った以外は実施例1と同様にして、製造例2
の磁性酸化鉄粒子を得た。
【0088】得られた磁性酸化鉄粒子を走査型電子顕微
鏡(SEM)を用いて観察したところ、一次粒子はほぼ
均一の大きさであったが、二次粒子のでき方に偏りが生
じていた。この模式図を図4に示す。
【0089】[磁性酸化鉄製造例3、4]製造例1の洗
浄、ろ過工程前のスラリー中に硫酸アルミニウムを加
え、pHを7〜8に調節して水酸化アルミニウムとして
磁性酸化鉄の表面処理を行い、製造例3及び4の磁性酸
化鉄を得た。
【0090】[磁性酸化鉄製造例5〜11および比較製
造例1〜4]酸化鉄投入量、ケイ素元素量、酸化成長反
応時のpHを変えた以外は製造例1と同様に行い、製造
例5〜11および比較製造例1〜4の磁性酸化鉄粒子を
得た。比較製造例4の磁性酸化鉄粒子の様子の模式図を
図5に示す。
【0091】実施例1 スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体 (共重合比88:12、Mw=24万、Tg=60℃) 100部 磁性酸化鉄製造例1の磁性酸化鉄 100部 負荷電性制御剤(モノアゾ系鉄錯塩) 2部 低分子量エチレン−プロピレン共重合体 4部 上記混合物を、140℃に加熱された二軸エクストルー
ダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗
粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた
微粉砕粉を固定壁型風力分級器で分級して分級粉を得
た。更に、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した、
多分割分級装置を用いて超微粉及び粗粉を分級除去して
磁性トナー粒子を得た。
【0092】この磁性トナー粒子100部と、ジメチル
ジクロロシラン処理した後、ヘキサメチルジシラザン処
理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎
水性シリカ微粉体(BET300m2/g)1.2部
と、ソープフリー重合により得られたスチレン−アクリ
ル系微粒子(平均粒径0.05μm)0.08部とをヘ
ンシェルミキサーで混合して、重量平均径(D4)5.
7μmの磁性トナー1を調製した。
【0093】上記磁性トナー1をキヤノン製レーザービ
ームプリンターLBP−8II(OPC感光体ドラム使
用)改造機を用いて画像評価を行った。
【0094】転写ローラーの条件としては、転写ローラ
ーの表面のゴム硬度27°、転写電流1μA、転写電圧
+2000V、当接圧50g/cmとした。転写ローラ
ーの導電性弾性層は、導電性カーボンを分散したEPD
Mで形成されており、体積抵抗108Ω・cmを有して
いた。
【0095】また、本実施例では、帯電ローラーにより
一次帯電を行った。帯電ローラーの外径は12mmφで
あり、導電性ゴム層にはEPDM、表面層には厚み10
μmのナイロン系樹脂を用いた。帯電ローラーの硬度は
54.5°(ASKER−C)とした。この帯電ローラ
ーに電圧を印加する電源は、所定の電圧を帯電ローラー
の芯金に供給する。ここでは直流電圧に交流電圧を重畳
した系を用いた。条件としては、一次帯電が−700V
であり、感光ドラムと磁石を内包した現像スリーブ上の
現像剤層を非接触に間隔を設定し、交流バイアス(f=
1,800Hz、Vpp=1,600V)および直流バイ
アス(VDC=−500V)とを現像スリーブに印加しな
がら、VLを−170Vにして、静電荷像により現像し
てトナー像をOPC感光体上に形成した。
【0096】形成されたトナー像を上記転写電位で普通
紙へ転写し、トナー像を有する普通紙を加熱加圧ローラ
ー定着器を用いてトナー像を定着した。
【0097】逐次、トナーを補給しながら常温常湿環境
下(23.5℃,60%RH)、10,000枚まで1
枚/5秒のモードで画出し(耐久)試験を行った。
【0098】マクベス反射濃度計によって測定した画像
濃度、リフレクトメーター(東京電色(株)製)により
測定した転写紙の白色度とをプリント後の転写紙のベタ
白部の白色度との比較から算出したカブリの結果 カブリ(%)=転写紙の白色度(%)−ベタ白プリント
後の転写紙の白色度(%)を表4に示す。
【0099】ドット再現性は、図2に示す80×50μ
mのチェッカー模様を用いて画出し試験を行い、顕微鏡
によって、トナー画像の鮮鋭さ、非画像部へのトナーの
飛び散り、黒色部の欠損の有無を評価した。
【0100】同様にして、高温高湿環境下(32.5
℃,85%RH)及び低温低湿環境下(10℃,15%
RH)において画出し(耐久)試験を行った。結果を表
4に示す。なお、高温高湿環境下においては5000枚
画出し(耐久)試験を行った後、同環境下において7日
間放置し、更に5000枚画出し(耐久)試験を行っ
た。また、カブリに関しては、両面通紙した紙を評価用
とした。
【0101】ベタ黒画像出力時における画像の均一性に
ついての目視による評価結果を表5に示す。また、表5
に画出し(耐久)試験の初期および10,000枚の画
出し後における、トナー中の磁性酸化鉄量の測定結果を
示す。
【0102】実施例2〜10および比較例1〜5 実施例1で用いた磁性酸化鉄を表1,表2に示す製造例
2〜11および比較製造例1〜4の磁性酸化鉄に各々変
えて実施例1と同様にして、表3に示す物性を有する磁
性トナーを製造し、評価を行った。評価結果を表4,5
に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【0107】
【表5】
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、上記の如く細かい磁性
トナー粒子の多い磁性トナーと特定の磁性酸化鉄とを使
用することにより、トナー粒子間における磁性酸化鉄の
存在状態の偏りが大きく改善され、磁性トナーの長期に
わたる耐久安定性、環境安定性(高温高湿下特性、放置
特性)および、現像特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーを用いて画像形成を行うのに好
適な装置の一例を示す概略図である。
【図2】磁性トナーの現像特性を試験するためのチェッ
カー模様の説明図である。
【図3】製造例1の磁性酸化鉄粒子の模式図を示す。
【図4】製造例2の磁性酸化鉄粒子の模式図を示す。
【図5】比較製造例4の磁性酸化鉄粒子の模式図を示
す。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(潜像担持体) 4 帯電ローラー 5 露光装置 7 現像装置 8 トナー 9 現像スリーブ 13 ブレード 14 現像バイアス印加手段 15 転写ローラー 16 転写材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂および磁性酸化鉄を少なくとも
    含有する磁性トナーにおいて、 該磁性トナーは重量平均径D4(μm)が、3.5μm
    乃至6.5μmの範囲内であり、かつ、個数粒度分布に
    おける3.17μm以下の粒子の存在割合N(個数%)
    と重量平均径D4(μm)との関係が、下記条件 35−D4×5≦N≦180−D4×25 を満足する粒度分布を有しており、 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素の含有率が、鉄原子を基準
    として0.4重量%乃至4.0重量%の範囲内であり、
    該磁性酸化鉄の最表面におけるFe/Si原子比が0.
    9乃至4.0の範囲内であり、該磁性酸化鉄の凝集化度
    が3.0g/40g以下であることを特徴とする磁性ト
    ナー。
  2. 【請求項2】 該磁性酸化鉄は、凝集化度が2.0g/
    40g以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁
    性トナー。
  3. 【請求項3】 該磁性酸化鉄は、嵩密度が0.7g/c
    3乃至1.0g/cm3の範囲内であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 【請求項4】 該磁性酸化鉄は、比表面積が5m2/g
    乃至25m2/gの範囲内であることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の磁性トナー。
  5. 【請求項5】 該磁性酸化鉄は、比表面積が13m2
    g乃至23m2/gの範囲内であることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の磁性トナー。
  6. 【請求項6】 該磁性酸化鉄は、平滑度が0.3乃至
    0.8の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかに記載の磁性トナー。
  7. 【請求項7】 該磁性酸化鉄は、嵩密度[A]と凝集化
    度[B]との関係が下記条件 2.2≦3A+B≦4.8 を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに
    記載の磁性トナー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002123037A (ja) * 2000-07-28 2002-04-26 Canon Inc 乾式トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
US7144626B2 (en) * 2004-04-09 2006-12-05 Toda Kogyo Corporation Magnetic iron oxide particles and magnetic toner using the same
JP2009151342A (ja) * 1999-02-22 2009-07-09 Canon Inc トナー、画像形成方法、及び装置ユニット

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