JPH104780A - 砂漠環境地域土壌の緑化方法及び緑化用人工土壌構造体 - Google Patents

砂漠環境地域土壌の緑化方法及び緑化用人工土壌構造体

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JPH104780A
JPH104780A JP8185384A JP18538496A JPH104780A JP H104780 A JPH104780 A JP H104780A JP 8185384 A JP8185384 A JP 8185384A JP 18538496 A JP18538496 A JP 18538496A JP H104780 A JPH104780 A JP H104780A
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JP
Japan
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water
soil
layer
air
repellent
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Pending
Application number
JP8185384A
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English (en)
Inventor
Kinya Ogawa
欽也 小川
Kenichi Taguchi
謙一 田口
Takumi Shirataki
巧 白滝
Kiyoshige Nishibayashi
清茂 西林
Takayuki Ueno
孝之 上野
Hirokazu Tsuji
博和 辻
Hideo Sugimoto
英夫 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Obayashi Corp
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な装置や設備を使用することなく効率よ
く砂漠環境地域の土壌を緑化すること。 【解決手段】 地中に温海水を導入し、この温海水中に
空気を吹き込んで湿り空気を発生させ、この湿り空気中
の水分を地中で凝縮結露させて出来た水分により植物を
育成することを特徴とする砂漠環境地域土壌の緑化方法
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は砂漠環境地域の土壌
の緑化に関するものである。さらに詳しくは、海水を利
用した砂漠環境地域の土壌の緑化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、砂漠環境土壌の緑化に関しては種
々の方法が提案されている。例えば、地下水の汲み上げ
による方法や、各種装置による海水の淡水化、温海水の
蒸気を利用する塩水灌漑法、あるいは温海水蒸気を特殊
な膜を通す透過気化法等が提案されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、地下水
の汲み上げ法は塩分が吹き出す塩害が生じること、海水
の淡水化法は装置費やランニングコストが高く又装置の
大型化が困難であること、塩水灌漑法は生成する水の量
が少ないこと、透過気化法では透過膜が高価である等の
実用上の問題点があった。
【0004】本発明者等は、上記問題点に鑑みて、より
有利な砂漠環境土壌の緑化のためのシステムを鋭意研究
した結果、地中に温海水を導入し、この温海水中に空気
を吹き込んで湿り空気を発生させ、この湿り空気中の水
分を地中で凝縮結露させて出来た水分により植物を育成
すること、及び、地表面に設置した撥水性土壌により地
表面からの水分の蒸散量を抑制することにより、従来法
に比較して高価な装置や設備を使用することなく、海水
と太陽光エネルギーを利用して効率よく砂漠環境土壌を
緑化することができることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、地
中に温海水を導入し、この温海水中に空気を吹き込んで
湿り空気を発生させ、この湿り空気中の水分を地中で凝
縮結露させて出来た水分により植物を育成することを特
徴とする砂漠環境地域土壌の緑化方法を提供するもので
ある。
【0006】また、本発明は、植物を育成する土壌層の
最下部に撥水処理した土壌を敷設することを特徴とする
上記記載の砂漠環境地域土壌の緑化方法を提供するもの
である。
【0007】さらに、本発明は、地表面に撥水剤を散布
して得られる撥水性土壌層又は撥水剤により撥水処理し
た土壌を地表面に敷設して得られる撥水性土壌層によ
り、地表からの水分の蒸散量を抑制して砂漠環境地域土
壌の緑化を行うことを特徴とする砂漠環境地域土壌の緑
化方法を提供するものである。
【0008】また、本発明は、上記撥水剤がシリコーン
系エマルジョンであることを特徴とする上記記載の砂漠
環境地域土壌の緑化方法を提供するものである。
【0009】さらに、本発明は、空気導入管を有する温
海水層と、温海水層の上に設置した空気層と、空気層の
上に設置した撥水処理した土壌層と、撥水処理した土壌
層の上に設置した植物育成層とを有する砂漠環境地域の
緑化用人工土壌構造体を提供するものである。
【0010】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の第一の発明の要点は、温海水中に空気を吹き込み
飽和水蒸気圧に近い水分を含有する湿り空気を発生さ
せ、この湿り空気を湿り空気の温度より低温の地中に導
入して結露させる点にある。
【0011】本発明者等は、従来提案されている温海水
を利用した塩水灌漑法を検討した結果、自然蒸発だけで
は得られる水分が少なく植物の生育に十分な水分を確保
することは困難であるが、温海水中に適量の空気を送り
込み飽和に近い湿り空気を生成させこの湿り空気中の水
分を地中で凝縮結露させることにより砂漠環境下でも植
物を生育させることが出来ることを新たに見出し本発明
を完成させるに至った。
【0012】本発明の第二の発明の要点は、地表面を、
例えば、シリコーン系エマルジョン等の撥水剤を散布し
て、撥水性土壌にすることにより地表面からの水分の蒸
発を抑制する点にある。
【0013】従来、地表面からの蒸発を抑制するため、
種々のマルチング材が提案されてきたが、本発明者等
は、シリコーン系エマルジョン等の撥水剤を散布すると
言う極めて簡単な方法により蒸発抑制が可能であるとい
うことを見出し本発明を完成させるに至った。
【0014】本発明に第三の発明の要点は、第一の発明
を実施するための人工土壌構造体であって、土壌中に、
空気導入管を有する温海水層を設置し、その上に、順
に、空気層、撥水処理した土壌層、植物育成層とを有す
る砂漠環境地域の緑化用人工土壌構造体を人工的に作成
する点にある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の砂漠環境地域土壌
の緑化方法の発明の実施の形態について具体的に説明す
る。
【0016】図1に本発明の緑化用人工土壌構造体の一
例を示す。この緑化用土壌構造体を利用することにより
砂漠環境地域の土壌地中に湿り空気を導入することが出
来る。図1において、空気導入管は、例えば、多孔質な
材料を用いることにより、温海水中に常時空気を送り出
し、その結果、湿り空気を、空気層、撥水処理した土壌
層を通して、植物育成層まで導入することが可能であ
る。
【0017】図1に示した緑化用人工土壌構造体におい
ては、空気層と撥水処理した土壌層との間には多孔板及
び金網を設置して両層の境界を設けている。また、撥水
処理した土壌層と植物育成層である珪砂との間には不織
布を設けて両層の境界を設けている。
【0018】砂漠環境地域の土壌地中に湿り空気を導入
する方法は、図1の様な人工土壌構造体を利用する方法
の他、地中に海水路を敷設しこの中に温海水と空気を導
入する方法、地中に多孔質空気管を敷設しこの中に地上
で製造した温湿り空気を導入する方法等を用いてもよ
い。
【0019】温海水層に使用する海水の温度は、20〜
80℃、好ましくは50〜70℃がよい。温海水の製造
は、太陽光エネルギーを利用するのがよく市販の太陽熱
温水器を使用することが出来る。
【0020】空気導入管に導入する空気の量は空搭基準
の流速として1〜5mm/Secとするのがよい。これ
以下だと地中で結露する水分量が十分でなく、またこれ
以上であると圧力損失が大きくなり動力コストが高くな
るため不経済である。
【0021】海水や空気を導入する為に使用するポン
プ、ブロワーの動力電源も太陽光エネルギーを利用した
太陽電池システムを使用することが出来る。
【0022】海水層の上部に空気層を設けてあるのは、
植物を育成する為の土壌層を海水と接触しないようにす
るためである。
【0023】さらに、海水の飛沫同伴による塩害を防止
する為に植物育成層である土壌層の最下部に撥水処理し
た土壌を適当な厚さで敷設することが好ましい。
【0024】なお、温海水と空気の導入は温度差を大き
くとる為、外気温度が低下する夜間に行うか、又は、高
温海水と冷温海水を交互に定期的に入れ替えるのが好ま
しい。又、本発明の緑化方法はハウス栽培のように屋内
においても実施することが出来る。
【0025】また、本発明の第二の発明において、地表
面からの蒸発を抑制する為に散布する撥水処理剤として
は、市販のシリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤を使用
することが出来る。なお、本発明においては、予めこれ
らの撥水剤で撥水処理した土壌を地表面に敷設してもよ
い。
【0026】
【実施例】本発明を実施例をあげて説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】[実施例1]図1に示す人工土壌構造体を
作成し55℃の温海水を導入循環させた。温海水中に設
置した多孔質空気導入管により20l/minの流量で
温度20℃、相対湿度60%の空気を導入した。海水層
の上部に充填した7号硅砂の温度は30℃であった。6
時間空気を導入後硅砂層の中で凝縮結露して生成した水
分量を測定したところ620grであった。
【0028】[実施例2及び比較例1]図1と同様の人
工土壌構造体を2体作成した。但し、充填する硅砂の含
水率は6%とした。1体は7号硅砂層表面にシリコーン
系撥水エマルジョン(信越化学工業製 ポロンMK)を
散布後乾燥して撥水層を形成させた。海水と空気は導入
しないでこれらの人工土壌構造体を30℃、相対湿度4
0%の恒温、恒湿の部屋に置き20日間放置した。放置
後硅砂の平均含水率を測定したところ、撥水層を形成さ
せた人工土壌構造体(実施例2)は4.2%、撥水層の
ない人工土壌構造体(比較例1)場合は2.0%であっ
た。
【0029】[実施例3及び比較例2][実施例2]と
同様に撥水砂層を有する人工土壌構造体と、撥水砂層を
有しない構造体各一体づつを作成した。但し、充填する
7号硅砂には肥料を混合して栽培ベッドとした。このベ
ッドにコマツナの種を10cm幅で4列、一列2cm間
隔で64粒播種した。単位面積当たり10mm相当の水
を散水し構造体をガラス製温室内に置いた。撥水砂層を
有する人工土壌構造体の方に[実施例1]と同様の条件
で毎日55℃の塩水と空気を6時間導入した後、30℃
の塩水を18時間循環させた。撥水砂層を有しない方の
人工土壌構造体には、塩水と空気は導入しないで放置し
た。撥水砂層を有しない人工土壌構造体(比較例2)
は、発芽はしたものの14日後に全て枯死した。撥水砂
層を作り、塩水と空気を導入した本発明の人工土壌構造
体(実施例3)は順調に生育し50日後の収穫量は42
0grであった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、高価な装置や設備を使
用することなく、海水と太陽光エネルギーを利用して効
率よく砂漠環境地域の土壌を緑化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の砂漠環境地域の緑化用人工土壌構造体
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 謙一 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 白滝 巧 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 シンエツ化成株式会社内 (72)発明者 西林 清茂 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 (72)発明者 上野 孝之 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 (72)発明者 辻 博和 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 (72)発明者 杉本 英夫 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に温海水を導入し、この温海水中に
    空気を吹き込んで湿り空気を発生させ、この湿り空気中
    の水分を地中で凝縮結露させて出来た水分により植物を
    育成することを特徴とする砂漠環境地域土壌の緑化方
    法。
  2. 【請求項2】 植物を育成する土壌層の最下部に撥水処
    理した土壌を敷設することを特徴とする請求項1記載の
    砂漠環境地域土壌の緑化方法。
  3. 【請求項3】 地表面に撥水剤を散布して得られる撥水
    性土壌層又は撥水剤により撥水処理した土壌を地表面に
    敷設して得られる撥水性土壌層により、地表からの水分
    の蒸散量を抑制して砂漠環境地域土壌の緑化を行うこと
    を特徴とする砂漠環境地域土壌の緑化方法。
  4. 【請求項4】 前記撥水剤がシリコーン系エマルジョン
    であることを特徴とする請求項3記載の砂漠環境地域土
    壌の緑化方法。
  5. 【請求項5】 空気導入管を有する温海水層と、温海水
    層の上に設置した空気層と、空気層の上に設置した撥水
    処理した土壌層と、撥水処理した土壌層の上に設置した
    植物育成層とを有する砂漠環境地域の緑化用人工土壌構
    造体。
JP8185384A 1996-06-26 1996-06-26 砂漠環境地域土壌の緑化方法及び緑化用人工土壌構造体 Pending JPH104780A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008167729A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Michiko Tsutsumi 床付農畜産物生産ハウス、可動式畑及び生産過程分離集約方式の農畜産物の生産方法
CN103299814A (zh) * 2013-06-26 2013-09-18 江苏江南园林建筑工程有限公司 改良盐渍土壤的土壤结构
CN107237314A (zh) * 2017-07-10 2017-10-10 大连久鼎祥瑞特种工程技术研究院有限公司 改变沙漠土壤结构及生态环境的化学方法
JP2018084041A (ja) * 2016-11-21 2018-05-31 鹿島建設株式会社 地盤改良方法

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