JPH1046747A - 緊張材用定着治具 - Google Patents

緊張材用定着治具

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JPH1046747A
JPH1046747A JP22434496A JP22434496A JPH1046747A JP H1046747 A JPH1046747 A JP H1046747A JP 22434496 A JP22434496 A JP 22434496A JP 22434496 A JP22434496 A JP 22434496A JP H1046747 A JPH1046747 A JP H1046747A
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JP
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tendon
rod
tension
frp
shaped member
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JP22434496A
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Inventor
Tomio Tamura
富雄 田村
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Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】極力軽量で、施工性を極力向上させる。 【解決手段】柱状の本体7を有し、この本体7の一端側
に、挿入穴7aを、FRPテンドン3の端部側を挿入保
持し得る形で形成し、前記本体7の他端側に、該本体7
よりも小径のPC鋼棒9を接続して設け、このPC鋼棒
9に、ロックナット10を、該PC鋼棒9上を移動・位
置決め自在に螺着し、前記PC鋼棒9に、その側方から
着脱自在なストッパ板21を設け、このストッパ板21
に、ロックナット10の外径D1よりも小さく、かつP
C鋼棒9の外径D2よりも大きな嵌入溝21cを、この
嵌入溝21cに対して前記PC鋼棒9が嵌入自在となる
ように形成して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレストレスコンクリ
ート構造物等の構造体内に緊張材を挿通設置し、該緊張
材にテンションを付加させると共に、該緊張材の両端側
を前記構造体に定着させて、前記構造体に圧縮力を付加
させる際に使用する緊張材用定着治具に関する。
【0002】
【従来の技術】プレストレスコンクリート構造物に対す
るポストテンション用やグラウンドアンカー用等の緊張
材として、PC鋼線よりも軽量で施工性に優れたFRP
テンドンが使用されている。そして、緊張材としてFR
Pテンドンを使用する際には、以下に説明するようなテ
ンドングリップがFRPテンドン用の定着治具として用
いられている。以下、図5及び図6を参照しながら従来
の定着治具の一例であるテンドングリップについて説明
する。なお、図5は、従来の定着治具の一例であるテン
ドングリップを示した側面図であり、図6は、図5に示
すテンドングリップの側断面図である。
【0003】即ち、プレストレスコンクリート構造物の
コンクリート部材2には直状な穴をもつ管状のシース5
が貫通配設されており、このシース5には所定のFRP
テンドン3が緊張材として貫通設置されている。該FR
Pテンドン3には所定のテンションが付加されており、
該FRPテンドン3の両端側(図5及び図6では一端側
のみ図示)には、テンドングリップ60、60(図5及
び図6では一方のテンドングリップ60のみ図示)が接
合されている。テンドングリップ60は基本的に円柱状
で金属製の本体61を有しており、該本体61の一端側
には挿入穴61aが設けられ、ここにFRPテンドン3
の先端が挿入されている。そして、挿入穴61aには所
定の膨張材BZにより本体61とFRPテンドン3の間
が充填されており、これによって本体61とFRPテン
ドン3は互いに接合されている。また、本体61の外周
側にはネジが螺刻されており、該本体61にはこのネジ
を介してロックナット62が螺着されている。
【0004】テンドングリップ60は以上のように構成
されているので、テンションが付加されたFRPテンド
ン3は、該FRPテンドン3の両端側に接合された各テ
ンドングリップ60のロックナット62を、コンクリー
ト部材2の表面2aに(座金63等を介して)係止させ
た形で該コンクリート部材2に対して定着されている。
つまり、コンクリート部材2にはテンドングリップ6
0、60を介してプレストレスが付加されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、FRPテン
ドンはPC鋼線等に比べて、その緊張時に生じる長さの
伸長変化の割合が大きい。これは、ジャッキ等(図示せ
ず)によりテンドングリップ60の本体61側をつかん
で引っ張り、FRPテンドン3にテンションを付加する
際に、該FRPテンドン3の伸びにより前記本体61が
引っ張り方向に移動する程度が、前記PC鋼線等の場合
に比べて大きいことを意味する。従って、テンドングリ
ップ60がコンクリート部材2に対して係止する位置、
つまりロックナット62の位置を、該テンドングリップ
60上(従って本体61上)において、前記ジャッキ等
による引っ張り方向に調整し得る範囲(具体的には本体
61に形成されたネジの形成範囲)、即ち図5及び図6
の係止位置調整可能範囲KC1を、PC鋼線等に比べて
極力大きくとることが必要であった。このため、テンド
ングリップ60の本体61は長大化し、テンドングリッ
プ60全体の重量が大きくなるため施工性に問題があっ
た。
【0006】また、ロックナット62は、FRPテンド
ン3等よりも外径の大きな本体61に螺着されているた
め、その外径が長大となり、シース5には挿入されにく
くなっている。従って、ジャッキ等(図示せず)により
FRPテンドン3を引っ張る前から、引っ張りが完了す
るまで、前記ロックナット62は、常にシース5の外部
に配置されている必要が生じ、そのため、ロックナット
62が螺着された本体61は、ジャッキ等(図示せず)
によりFRPテンドン3を引っ張る前から、引っ張りが
完了するまで、シース5の内外を通過した状態(即ち、
前記コンクリート部材2の表面2a付近を通過した状
態)に配置される必要が生じていた。よって、本体61
の長さはL1は、ジャッキ等(図示せず)によりFRP
テンドン3を引っ張る際に、該本体61が移動する移動
量よりも大きく形成されていなければならず、その分、
本体61が長大化し、テンドングリップ60全体の重量
が大きくなっていた。
【0007】そこで本発明は上記事情に鑑み、FRPテ
ンドン等の緊張材を定着するための定着治具において、
極力軽量で、施工性を極力向上させることができる緊張
材用定着治具を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、構造体
(2)内に緊張材(3)を挿通設置し、該緊張材(3)
にテンションを付加させると共に、該緊張材(3)の両
端側を前記構造体(2)に定着させて、前記構造体
(2)に圧縮力を付加させる際に使用する緊張材用定着
治具(6)において、柱状の接続部材(7)を有し、前
記接続部材(7)の一端側に、緊張材挿入保持穴(7
a)を、前記緊張材(3)の端部側を挿入保持し得る形
で形成し、前記接続部材(7)の他端側に、該接続部材
(7)よりも小径の棒状部材(9)を、該接続部材
(7)の長手方向に沿って接続して設け、前記棒状部材
(9)に、係止用ナット(10)を、該棒状部材(9)
上を該棒状部材(9)の軸心方向に移動・位置決め自在
に螺着し、前記棒状部材(9)に、該棒状部材(9)の
側方から該棒状部材(9)に対して着脱自在なストッパ
部材(21)を設け、前記ストッパ部材(21)に、前
記係止用ナット(10)の外径(D1)よりも小さく、
かつ前記棒状部材(9)の外径(D2)よりも大きな嵌
入溝(21c)を、該嵌入溝(21c)に対して前記棒
状部材(9)が嵌入自在となるように形成して構成され
る。
【0009】なお、( )内の番号等は、図面における
対応する要素を示す、便宜的なものであり、従って、本
記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。以
下の作用の欄についても同様である。
【0010】
【作用】上記した構成により本発明を適用して構造体
(2)に圧縮力を付加させるには、まず、緊張材(3)
の端部側を、緊張材挿入保持穴(7a)を介して接続部
材(7)の一端側に接続し、その後、棒状部材(9)を
ジャッキ等により引っ張って該緊張材(3)にテンショ
ンを付加させた状態で、棒状部材(9)の側方からスト
ッパ部材(21)を装着し、また該棒状部材(9)上で
係止用ナット(10)を移動・位置決めして、これらス
トッパ部材(21)及び係止用ナット(10)を介して
緊張材用定着治具(6)を前記構造体(2)に係止さ
せ、これにより前記緊張材(3)の端部側を前記構造体
(2)に定着させるようにする。
【0011】
【実施例】図1は、本発明による緊張材用定着治具の一
例であるテンドングリップを示した側面図、図2は、図
1に示すテンドングリップの側断面図、図3は、図1の
I矢視図、図4は、ジャッキによりFRPテンドンの緊
張作業を行っている様子を示した側面図である。
【0012】プレストレスコンクリート構造部材1は、
図1及び図2に示すように、コンクリート部材2を有し
ており、コンクリート部材2には図の矢印A、B方向に
伸延した直状な穴をもつ管状のシース5が貫通配設され
ている。このシース5には樹脂系複合材料からなるFR
Pテンドン3が緊張材として貫通設置されている。該F
RPテンドン3には所定のテンションが付加されてお
り、該FRPテンドン3の両端側(図1乃至図4では矢
印B側である一端側のみ図示し、矢印A側である他端側
は省略している)には、テンドングリップ6、6(従っ
て、図1乃至図4では矢印A側のテンドングリップ6が
省略されている)が接合されている。なお、これら2つ
のテンドングリップ6、6は同一の構成をなしており、
FRPテンドン3の両端側においては、コンクリート部
材2に対する定着状態(後述)が同様になっているの
で、以下、各テンドングリップ6の構成やFRPテンド
ン3の各端部側における定着状態についての説明は、矢
印B側のテンドングリップ6の構成及びFRPテンドン
3の矢印B側の端部側における定着状態についてのみ行
い、矢印A側のテンドングリップ6の構成及びFRPテ
ンドン3の矢印A側の端部側における定着状態について
は省略する。
【0013】即ち、テンドングリップ6は、図1及び図
2に示すように、矢印A、B方向に伸延した基本的に円
柱状で金属製の本体7を有しており、該本体7の一端側
である矢印A側には挿入穴7aが矢印B方向に向かって
穿設されている。該挿入穴7aには上述したFRPテン
ドン3の矢印B側の先端が矢印B方向に挿入保持されて
おり、挿入穴7aには所定の膨張材BZが、本体7とF
RPテンドン3の間を充填する形で注入されている。つ
まり、膨張材BZにより本体7とFRPテンドン3は互
いに接合されている。また、本体7の他端側である矢印
B側には、該本体7よりも小径のPC鋼棒9が、該本体
7と同心状に、従って本体7の長手方向でもある矢印
A、B方向に伸延した形で接合されている。PC鋼棒9
の外周側にはネジが螺刻されており、該PC鋼棒9には
このネジを介してロックナット10が、矢印A、B方向
に移動・位置決め自在に螺着されている。
【0014】また、FRPテンドン3及び本体7は、図
1及び図2に示すように、前記コンクリート部材2内の
シース5内に位置しているが、PC鋼棒9の矢印B側
は、前記シース5から矢印B方向外部に突出し、従って
前記コンクリート部材2の外部に突出している。そし
て、PC鋼棒9に螺着されたロックナット10は、前記
コンクリート部材2の外部側、即ち矢印B側に配置され
ており、該ロックナット10の矢印A側には、ストッパ
板21が、該ロックナット10に接した形でPC鋼棒9
に設置されて配置されている。このストッパ板21は、
図2及び図3に示すように、中央にPC鋼棒9が貫通で
き、ロックナット10は通過できない大きさの貫通穴2
1aが穿設された板状の部材となっており、またストッ
パ板21には、該貫通穴21aと連続した形で該ストッ
パ板21の側方に開口する形の筋状の切欠き21bが、
前記PC鋼棒9が通過できる大きさで設けられている。
これら貫通穴21aと切欠き21bは、あわせて筋状の
嵌入溝21cとなっており、従って該嵌入溝21cの幅
W1は、図3に示すように、ロックナット10の外径D
1(有効外径)よりも小さく、かつPC鋼棒9の外径D
2よりも大きくなっている。つまり、該嵌入溝21cに
対してPC鋼棒9が、該嵌入溝21cの切欠き21bを
通って貫通穴21aに配置される形で嵌入自在となって
おり、これにより、ストッパ板21はPC鋼棒9に対し
て、該PC鋼棒9の側方から着脱自在になっている。以
上のように、ストッパ板21はPC鋼棒9に対して着脱
自在に設置されている。テンドングリップ6は、以上の
本体7、PC鋼棒9、ロックナット10、ストッパ部材
21により構成されている。
【0015】一方、ロックナット10及びストッパ部材
21は、該ストッパ部材21の矢印A側に配置された座
金20を介してコンクリート部材2の表面2aに係止さ
れており、これによりFRPテンドン3は、その両端側
に接合された各テンドングリップ6を介してコンクリー
ト部材2に定着されている。また、テンションが付加さ
れたFRPテンドン3の両端側に接合された各テンドン
グリップ6には、該テンションによりコンクリート部材
2の内部に向かう方向に力が加わり、従ってロックナッ
ト10及びストッパ部材21が係止されているコンクリ
ート部材2の表面2aには、座金20を介して該表面2
aを押圧する方向の力が作用する。即ち、この押圧力に
よりコンクリート部材2には圧縮力が付加される。な
お、表面2aに接して配置された座金20は、中央にP
C鋼棒9やロックナット10が貫通し得る大きさの貫通
穴20aが穿設された板状の部材となっており、この貫
通穴20aにPC鋼棒9が貫通している。
【0016】プレストレスコンクリート構造部材1及び
テンドングリップ6等は以上のように構成されているの
で、プレストレスコンクリート構造物1のコンクリート
部材2に対してプレストレスを付加するには、図4に示
すように、まずシース5内にFRPテンドン3を設置す
ると共に、FRPテンドン3の両端にテンドングリップ
6、6をそれぞれ接合する。なお、FRPテンドン3の
うち、図1乃至図4には現われていない矢印A側の端部
側は、まず図1及び図2に示した状態(即ち、上述した
テンドングリップ6を、ロックナット10及びストッパ
部材21を介してコンクリート部材2の矢印A側の表面
に係止させた状態)にしておくことにする。また、矢印
B側のテンドングリップ6全体(従って、PC鋼棒9及
びロックナット10を含む。但し、ストッパ板21は未
設置である。)は、図4に示すように、シース5の内部
に完全に挿入されて配置されている。
【0017】次いで、矢印B側のテンドングリップ6の
PC鋼棒9の先端側に、図4に示すように、カップラ等
の適宜な接続具30を介してテンションロッド31を接
続し、コンクリート部材2の表面2a側に、前記座金2
0を介して設置した所定のジャッキ32により、該座金
20の貫通穴20aを貫通してシース5の外部に出てい
る部位のテンションロッド31をつかんで矢印B方向に
引っ張る形で、前記FRPテンドン3にテンションを付
加する。ジャッキ32による引っ張りを更に続けること
により、FRPテンドン3の伸びなどで、テンションロ
ッド31及びテンドングリップ6が矢印B方向に移動す
る。即ち、テンションロッド31及び、これに接続具3
0を介して接続されたPC鋼棒9が、矢印B方向に移動
して座金20の貫通穴20aを矢印B方向に貫通通過し
てシース5の外部に移動し、更にPC鋼棒9に螺着され
たロックナット10が座金20の貫通穴20aを矢印B
方向に貫通通過してシース5の外部に移動する。
【0018】次いで、PC鋼棒9のうち、座金20とロ
ックナット10の間の位置に、前記ストッパ板21を差
し込み設置した後、コンクリート部材2の表面2a、座
金20、ストッパ板21、ロックナット10を密着させ
る形で、該ロックナット10をコンクリート部材2側に
締め付ける。これによって、テンドングリップ6はコン
クリート部材2に係止されたので、前記ジャッキ32、
接続具30、テンションロッド31を撤去する。その結
果、テンションが付加されたFRPテンドン3は、該F
RPテンドン3の両端側に接合された各テンドングリッ
プ6を介してコンクリート部材2に定着され、コンクリ
ート部材2にはテンドングリップ6、6を介してプレス
トレスが付加された。
【0019】ところで、テンドングリップ6がコンクリ
ート部材2に対して係止する位置、つまりロックナット
10の位置は、該テンドングリップ6上(従ってPC鋼
棒9上)において、ジャッキ32等による引っ張り方向
に調整し得る範囲(具体的にはPC鋼棒9に形成された
ネジの形成範囲)、即ち図1及び図2の係止位置調整可
能範囲KC2となっている。本実施例では、FRPテン
ドン3が緊張材として採用されているので、その緊張時
に生じる長さの伸長変化の割合が比較的大きい。これ
は、ジャッキ32等によりテンドングリップ6をつかん
で引っ張り、FRPテンドン3にテンションを付加する
際に、該FRPテンドン3の伸びによりテンドングリッ
プ6のPC鋼棒9等が引っ張り方向に移動する程度が比
較的大きいことを意味する。従って、上述した係止位置
調整可能範囲KC2は必要かつ十分な大きさになるよう
に設定されており、この係止位置調整可能範囲KC2の
大きさに応じてPC鋼棒9の大きさも設定されている。
ところで、PC鋼棒9は、本体7などよりも小径に形成
されているため、該PC鋼棒9の長さが大きく形成され
ていても、その大重量化を極力防止できる。即ち、テン
ドングリップ6は、極力軽量で、施工性を極力向上させ
ることができるものとなっている。
【0020】また、ロックナット10は、本体7よりも
小径のPC鋼棒9に螺着されているため、その外径D1
は従来のロックナット62等に比べて極力小さくなって
いる。即ち、ロックナット10はシース5に容易に挿入
されるようになっている。従って、PC鋼棒9をジャッ
キ32等により引っ張る際には、上述したようにロック
ナット10をシース5の中に挿入した位置において引っ
張りを開始し、該ロックナット10をシース5の外部に
引っ張り出す形で引っ張りを完了させる。そのため、ロ
ックナット10が螺着されたPC鋼棒9は、引っ張り開
始前には完全にシース5の中に挿入された状態にしてお
いてもよく、従来のテンドングリップ60の本体61の
ように、引っ張り開始前から、引っ張りが完了するま
で、シース5等の内外を通過した状態(即ち、前記コン
クリート部材2の表面2a付近を通過した状態)に配置
されなければならないといった必要は生じない。よっ
て、PC鋼棒9の長さL2は、ジャッキ32等により緊
張材を引っ張る際に、該PC鋼棒9が移動する移動量よ
りも大きく形成される必要が無く、PC鋼棒9を極力短
く形成することが可能となる。つまり、その分、テンド
ングリップ6は、極力軽量で、施工性を極力向上させる
ことができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、コンクリ
ート部材2等の構造体内にFRPテンドン3等の緊張材
を挿通設置し、該緊張材にテンションを付加させると共
に、該緊張材の両端側を前記構造体に定着させて、前記
構造体に圧縮力を付加させる際に使用する緊張材用定着
治具において、柱状の本体7等の接続部材を有し、前記
接続部材の一端側に、挿入穴7a等の緊張材挿入保持穴
を、前記緊張材の端部側を挿入保持し得る形で形成し、
前記接続部材の他端側に、該接続部材よりも小径のPC
鋼棒9等の棒状部材を、該接続部材の長手方向に沿って
接続して設け、前記棒状部材に、ロックナット10等の
係止用ナットを、該棒状部材上を該棒状部材の軸心方向
に移動・位置決め自在に螺着し、前記棒状部材に、該棒
状部材の側方から該棒状部材に対して着脱自在なストッ
パ板21等のストッパ部材を設け、前記ストッパ部材
に、前記係止用ナットの外径D1等の外径よりも小さ
く、かつ前記棒状部材の外径D2等の外径よりも大きな
嵌入溝21c等の嵌入溝を、該嵌入溝に対して前記棒状
部材が嵌入自在となるように形成して構成されるので、
前記構造体に圧縮力を付加させるには、まず、緊張材の
端部側を、緊張材挿入保持穴を介して(膨張材BZ等に
より)接続部材の一端側に接続し、その後、棒状部材を
ジャッキ等により引っ張って該緊張材にテンションを付
加させた状態で、棒状部材の側方からストッパ部材を装
着し、また該棒状部材上で係止用ナットを移動・位置決
めして、これらストッパ部材及び係止用ナットを介して
緊張材用定着治具を前記構造体に係止させ、これにより
前記緊張材の端部側を前記構造体に定着させるようにす
る。このように本発明では、緊張材用定着治具が構造体
に対して係止する位置、つまり係止用ナット等の位置
は、該係止用ナットが移動し得る範囲内、つまり棒状部
材の範囲(係止位置調整可能範囲KC2)内で調節自在
である。これにより、例えば緊張材にFRPテンドン等
を採用する場合には、その緊張時に生じる長さの伸長変
化の割合がPC鋼線等に比べて大きくなるため、前記範
囲(係止位置調整可能範囲KC2)をPC鋼線等に比べ
て極力大きく形成することが必要となるが、前記範囲
(係止位置調整可能範囲KC2)は、接続部材の大きさ
に関係無く、棒状部材の長さを大きく形成することによ
り極力大きく形成できる。つまり、接続部材よりも小径
の棒状部材の長さを大きく形成することにより、前記範
囲(係止位置調整可能範囲KC2)を極力大きく形成で
きるので、緊張材用定着治具全体の大重量化を極力防止
できる。即ち、緊張材用定着治具は、極力軽量で、施工
性を極力向上させることができるものである。また、係
止用ナットは、接続部材よりも小径の棒状部材に螺着さ
れているため、その外径を従来のロックナット62等に
比べて極力小さくできる。即ち、係止用ナットはシース
5等にも挿入しやすくなっている。従って、棒状部材を
ジャッキ等により引っ張る際には、係止用ナットをシー
ス5等の中に挿入した位置において引っ張りを開始し、
該係止用ナットをシース5等の外部に引っ張り出す形で
引っ張りを完了させることができる。そのため、係止用
ナットが螺着された棒状部材は、引っ張り開始前には完
全にシース5等の中に挿入された状態にしておいてもよ
く、従来のテンドングリップ60の本体61のように、
引っ張り開始前から、引っ張りが完了するまで、シース
5等の内外を通過した状態(即ち、前記コンクリート部
材2の表面2a付近を通過した状態)に配置されなけれ
ばならないといった必要は生じない。よって、棒状部材
の長さはL2は、ジャッキ等により緊張材を引っ張る際
に、該棒状部材が移動する移動量よりも大きく形成され
る必要が無く、棒状部材を極力短く形成することが可能
となる。つまり、その分、緊張材用定着治具は、極力軽
量で、施工性を極力向上させることができるものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による緊張材用定着治具の一例
であるテンドングリップを示した側面図である。
【図2】図2は、図1に示すテンドングリップの側断面
図である。
【図3】図3は、図1のI矢視図である。
【図4】図4は、ジャッキによりFRPテンドンの緊張
作業を行っている様子を示した側面図である。
【図5】図5は、従来の定着治具の一例であるテンドン
グリップを示した側面図である。
【図6】図6は、図5に示すテンドングリップの側断面
図である。
【符号の説明】
2……構造体(コンクリート部材) 3……緊張材(FRPテンドン) 6……緊張材用定着治具(テンドングリップ) 7……接続部材(本体) 7a……緊張材挿入保持穴(挿入穴) 9……棒状部材(PC鋼棒) 10……係止用ナット(ロックナット) 21……ストッパ部材(ストッパ板) 21c……嵌入溝 D1……外径 D2……外径

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造体内に緊張材を挿通設置し、該緊張材
    にテンションを付加させると共に、該緊張材の両端側を
    前記構造体に定着させて、前記構造体に圧縮力を付加さ
    せる際に使用する緊張材用定着治具において、 柱状の接続部材を有し、 前記接続部材の一端側に、緊張材挿入保持穴を、前記緊
    張材の端部側を挿入保持し得る形で形成し、 前記接続部材の他端側に、該接続部材よりも小径の棒状
    部材を、該接続部材の長手方向に沿って接続して設け、 前記棒状部材に、係止用ナットを、該棒状部材上を該棒
    状部材の軸心方向に移動・位置決め自在に螺着し、 前記棒状部材に、該棒状部材の側方から該棒状部材に対
    して着脱自在なストッパ部材を設け、 前記ストッパ部材に、前記係止用ナットの外径よりも小
    さく、かつ前記棒状部材の外径よりも大きな嵌入溝を、
    該嵌入溝に対して前記棒状部材が嵌入自在となるように
    形成して構成した緊張材用定着治具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104533018A (zh) * 2014-12-24 2015-04-22 南京工业大学 预应力frp筋张拉锚固装置
CN113404302A (zh) * 2021-06-28 2021-09-17 中国建筑第八工程局有限公司 碳纤维预应力杆件的张拉装置及张拉方法

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