JPH1046415A

JPH1046415A - 衣服の縫構造

Info

Publication number: JPH1046415A
Application number: JP8216060A
Authority: JP
Inventors: Yukihiro Hashimoto; 幸博橋本
Original assignee: Mizuno Corp
Current assignee: Mizuno Corp
Priority date: 1996-07-26
Filing date: 1996-07-26
Publication date: 1998-02-17

Abstract

(57)【要約】【目的】激しい運動時における着用や長期間反復して
着用しても、綻びてくることがない縫合せ強度を持ち、
また、飾りステッチとして用いても、デザインに制限が
なく、糸目と糸目がきれいに見える縫目構造を提供す
る。【構成】ツーウェイのストレッチ素材を用いた複数個
のパーツからなる水着、タイツ、レオタード等のフィッ
トネスウェアにおいて、前記パーツの縫合せを５本針の
偏平縫で、また、飾りステッチを５本針の偏平縫で施し
た衣服の縫構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水着、タイツ、レオタ
ード等のツーウェイのストレッチ素材を用いたフィット
ネスウェアの各パーツの縫合せや、飾り縫の改良に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の水着、タイツ、レオタード等のツ
ーウェイのストレッチ素材に用いた偏平縫は、２〜３本
針両（片）面飾り、４本針フラットロック、４本針フラ
ットシーマー等、いずれも針数は４本以下で構成されて
いた。

【０００３】（従来の実施例１）図８は、従来の方法で
縫製した水着の正面図、背面図及びその一部拡大図であ
る。図９は、前記水着を構成するパーツ図である。前記
水着は、図９に示すパーツ（イ）〜（ワ）をそれぞれ縫
合せてできているが、その縫合せは４本針偏平縫であっ
た。図１０は、縫合せ部分Ａ−Ａ’の断面説明図であ
る。この図からわかるように、生地（上）１１と生地
（下）１２を貫通して縫合せている針糸は、１３ｂ、１
３ｃの２本である。図１１には、４本針偏平縫の縫目構
造を示す。

【０００４】（従来の実施例２）図１２は、図８とは別
の従来の方法で縫製した水着の正面図、背面図及びその
一部拡大図である。図１３は、前記水着を構成するパー
ツ図である。前記水着は、図１３に示すパーツ（イ）に
飾りステッチを施した後、パーツ（イ）〜（ニ）を縫合
せて水着として完成させているが、この飾りステッチは
４本針偏平縫で施されていた。図１４は、飾りステッチ
部分Ｂ−Ｂ’線の断面図である。針糸には、１３ａ、１
３ｂ、１３ｃ、１３ｄの４色が使用できる。本飾りステ
ッチに用いる４本針偏平縫構造も、図１１に示すものと
同一構造であった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】図８に示すような従来
の偏平縫による縫合せは、激しい運動時における着用や
長期間反復して着用されると、綻びてくることがあり、
縫合せ強度に問題があった。また、縫合せの強度不足を
補うため、更に追加の縫合せを行うことは、その分の作
業工程に手間がかかるという問題点があった。

【０００６】図１２に示すような飾りステッチに偏平縫
を用いる場合は、針糸の色は４色以下でなければならな
いため、デザインに制限がでるという欠点があった。ま
た、糸目と糸目の間が広いと、色違いの糸を用いてもき
れいに見えないという欠点もあった。

【０００７】

【問題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決するために、ツーウェイのストレッチ素材を用いた
複数個のパーツからなる水着、タイツ、レオタード等の
フィットネスウェアにおいて、前記パーツの縫合せを５
本針の偏平縫で行おうとするものである。また、飾りス
テッチを施すに際しても、５本針の偏平縫で飾りステッ
チを施そうとするものである。さらに、前記偏平縫は、
少なくとも５．１６mmの間に５本縫いが施されるように
しようとするものである。

【０００８】

【実施例】本発明の実施例について説明する。（実施例１）図１は、本発明の方法で縫製した水着の正
面図、背面図及びその一部拡大図である。図２は、前記
水着を構成するパーツ図である。前記水着は、図２に示
すパーツ（イ）〜（ワ）をそれぞれ縫合せてできている
が、その際５本針偏平縫で縫製することを特徴としてい
る。図３は、縫合せ部分Ｃ−Ｃ’の断面説明図である。
この図からわかるように、生地（上）１と生地（下）２
を貫通して縫合せている針糸は、３ｂ、３ｃ、３ｄの３
本である。図４に、５本針偏平縫の縫目構造を示す。

【０００９】図３のように、本発明においては、生地
（上）１と生地（下）２を貫通して縫合せている針糸
が、３ｂ、３ｃ、３ｄの３本である。従って、その縫目
強度は表１に示すように、従来の４本針偏平縫（フラッ
トシーマー）がウェール方向で７．３kg、コース方向で
８．１kgであるのに対し、本発明の５本針偏平縫（スー
パーフラット）はウェール方向で１０．２kg、コース方
向で１２．３kgと、それぞれ約４０％〜５０％も改善さ
れている。それにもかかわらず、縫目自体の厚みは、
１．７０mmに対し１．７６mmとほとんど変わりがない。

【００１０】

【表１】

【００１１】また、前記偏平縫を、従来の４本針偏平縫
と同じく、５．１６mmの間に５本針偏平縫がされるよう
にしておくと、生地の重ね代が４本針偏平縫より余分に
必要になることがなく、また、縫目が４本針偏平縫より
も広がって、体に触れた時違和感を感じることが多くな
るというようなこともない。

【００１２】（実施例２）図５は、図１とは別の水着の
正面図、背面図及びその一部拡大図である。図６は、前
記水着を構成するパーツ図である。前記水着は、図６に
示すパーツ（イ）に飾りステッチを施した後、パーツ
（イ）〜（ニ）を縫合せて水着として完成させている
が、この飾りステッチを５本針偏平縫で施している。図
７は、飾りステッチ部分Ｄ−Ｄ’線の断面図である。針
糸には、３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄ、３ｅの５色が使用で
きる。本飾りステッチに用いる５本針偏平縫構造も、図
４に示すものと同一構造である。

【００１３】本発明の飾りステッチは、５本針偏平縫で
行うから、５色の糸が使用できるので、非常に美しい飾
り縫いとなる。また、前記偏平縫は、従来の４本針偏平
縫と同じく、５．１６mmの間に５本針偏平縫がされるよ
うにしたので、糸目と糸目の間が詰まり、５色の糸が美
しい縫い目を構成することとなる。

【００１４】

【発明の効果】本発明は、縫合せ部分に５本針偏平縫を
用いたので、従来縫合せる生地に貫通する針糸の本数が
２本以下であったのに対し３本となるので、縫合せ強度
が４０％〜５０％も向上した。また、縫合せ強度が向上
したので、強度不足を補うための追加の縫合せの必要が
なく、生産性が向上する。さらに、５．１６mmの間に５
本針偏平縫がされるようにしておくと、生地の重ね代が
従来と同じで済み、体に触れた時違和感を感じることが
多くなるということがない。

【００１５】デザイン的にも飾りステッチとして用いる
と、５色のカラー展開が可能になり、デザインの枠が広
がる。また、５．１６mmの間に５本針偏平縫がされるよ
うにしておくと、糸目と糸目の間が詰まり、５色の糸が
美しい縫い目を構成することとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の方法で縫製した水着の正面図、背面図
及びその一部拡大図である。

【図２】図１の水着を構成するパーツ図である。

【図３】図１の縫合せ部分Ｃ−Ｃ’の断面説明図であ
る。

【図４】５本針偏平縫の縫目構造である。

【図５】本発明の別の水着の正面図、背面図及びその一
部拡大図である。

【図６】図５の水着を構成するパーツ図である。

【図７】図５の飾りステッチ部分Ｄ−Ｄ’の断面説明図
である。

【図８】従来の方法で縫製した水着の正面図、背面図及
びその一部拡大図である。

【図９】図８の水着を構成するパーツ図である。

【図１０】図８の縫合せ部分Ａ−Ａ’の断面説明図であ
る。

【図１１】従来の４本針偏平縫の縫目構造である。

【図１２】従来の別の方法で縫製した水着の正面図、背
面図及びその一部拡大図である。

【図１３】図１２の水着を構成するパーツ図である。

【図１４】図１２の飾りステッチ部分Ｂ−Ｂ’の断面説
明図である。

【符号の説明】

１生地（上）２生地（下）３ａ針糸３ｂ針糸３ｃ針糸３ｄ針糸３ｅ針糸４上かがり糸５下かがり糸１１生地（上）１２生地（下）１３ａ針糸１３ｂ針糸１３ｃ針糸１３ｄ針糸１３ｅ針糸１４上かがり糸１５下かがり糸

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ツーウェイのストレッチ素材を用いた複
数個のパーツからなる水着、タイツ、レオタード等のフ
ィットネスウェアにおいて、前記パーツの縫合せを５本
針の偏平縫で行ったことを特徴とする衣服の縫構造。
【請求項２】ツーウェイのストレッチ素材を用いて縫
製された水着、タイツ、レオタード等のフィットネスウ
ェアにおいて、飾りステッチを施すに際し、５本針の偏
平縫で飾りステッチを施したことを特徴とする衣服の縫
構造。
【請求項３】前記偏平縫は、少なくとも５．１６mmの
間に５本縫が施されている請求項１乃至２のいずれか１
項に記載の衣服の縫構造。