JPH1046338A - 膜コーティング用治具 - Google Patents

膜コーティング用治具

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JPH1046338A
JPH1046338A JP20447496A JP20447496A JPH1046338A JP H1046338 A JPH1046338 A JP H1046338A JP 20447496 A JP20447496 A JP 20447496A JP 20447496 A JP20447496 A JP 20447496A JP H1046338 A JPH1046338 A JP H1046338A
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JP
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work
shim
film coating
jig
cover
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JP20447496A
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English (en)
Inventor
Koji Nishida
幸司 西田
Kenji Shimoda
健二 下田
Masazumi Onishi
昌澄 大西
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】洗浄から膜コーティングにいたるまでワークを
まとめて取り扱うことができ、ワークの汚れの防止に有
利であり、更に膜コーティング処理の際にワークカバー
が邪魔になることを防止できる膜コーティング用治具を
提供すること。 【解決手段】この治具は互いに対向するワークホルダ4
0及びワークカバーで構成されており、互いに分離可能
に連結され、連結時に複数個のワークWをまとめて挟装
状態に収容する収容室45を形成する。ワークカバー4
2は、ワークWのコーティング面W11を外方に露出さ
せる開口窓47をもつ。ワークホルダ40は、ワークホ
ルダ40からワークカバー42を分離した状態でワーク
Wをワーク保持手段15に保持可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シム等のワークを
複数個まとめて膜コーティング処理する際に使用できる
膜コーティング用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】ワークとしてのシムを例にとって従来技
術について説明する。シムとは、機械部分の組み付け部
に挟み、隙間や組み付け硬さを調整する部品をいう。シ
ムのコーティング面を膜コーティング処理するにあたっ
ては、専用の洗浄治具に複数個のシムを収容した状態
で、複数個のシムをまとめて洗浄処理し、図11(A)
に例示するように、その洗浄した複数個のシムWを手作
業またはロボットにより直接掴み、各シムWのうちコー
ティング面W11に背向する背向面W10をワーク保持
手段100の磁石101に個別に吸着して保持し、その
状態で、各シムWのコーティング面W11に膜コーティ
ング処理をまとめて施す技術が知られている。
【0003】更に、専用の洗浄治具に複数個のシムを収
容した状態で、複数個のシムを洗浄処理し、洗浄した各
シムWを手作業またはロボットにより直接掴み、図11
(B)に例示するように、各シムWの外周部をワーク保
持手段200のピン201に個別に手作業またはロボッ
トにより係止して保持し、その状態で、各シムWのコー
ティング面W11に膜コーティング処理をまとめて施す
技術が知られている。更に図11(C)に例示するよう
に、平行に並設した4本の棒体301〜304を備えた
治具300に複数個のシムWを挟装状態に保持し、その
状態で、洗浄液で各シムWを洗浄処理する技術が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図11(A)(B)に
示す各技術では、専用の洗浄治具からシムWを取出して
磁石101に吸着させたりピン201に係止させたりす
る際に、各シムWを手作業またはロボットにより直接掴
むため、シムWが汚れるおそれがある。また洗浄治具
は、洗浄処理の際に複数個のシムWを収容するものの、
膜コーティング処理の際にはシムWを収容するために用
いるものではない。
【0005】また図11(C)に示す技術では、棒体3
01〜304は互いに分離不能であるため、膜コーティ
ング処理をシムWのコーティング面W11に施す際に、
コーティング面W11の外周部付近の一部を棒体301
〜304が覆うため、棒体301〜304が膜コーティ
ング処理の邪魔となる。本発明は上記した技術を更に技
術的に進めたものであり、洗浄処理から膜コーティング
処理にいたるまでシム等のワークをまとめて取り扱うこ
とができ、ワークの汚れの防止に有利であり、更に膜コ
ーティング処理の際にワークカバーが邪魔になることを
防止するのに有利な膜コーティング用治具を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る膜コーテ
ィング用治具は、コーティング源に対向するワーク保持
手段に取着され、複数個のワークのコーティング面にま
とめて膜コーティング処理する際に使用される膜コーテ
ィング用治具であって、互いに分離可能に連結されると
共に連結時に複数個のワークをまとめて挟装状態に収容
する収容室を形成する互いに対向するワークホルダ及び
ワークカバーで構成され、ワークカバーは、ワークのコ
ーティング面を外方に露出させる開口窓をもち、ワーク
ホルダは、ワークホルダからワークカバーを分離した状
態でワークをワーク保持手段に保持可能であることを特
徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る膜コーティング用治
具は、複数個のワークをまとめて挟装すると共に互いに
分離可能な互いに対向するワークホルダ及びワークカバ
ーで構成されている。ワークホルダ及びワークカバー
は、互いに対面するように連結され、これにより一体化
される。
【0008】ワークカバーは、ワークのコーティング面
の大部分を外方に露出させる開口窓をもつ。開口窓から
洗浄液が進入できる。従ってワークカバーは開口窓をも
つ格子構造を採用できる。本発明では、ワークホルダに
ワークカバーを連結した状態で複数個のワークをまとめ
て収容できるため、複数個のワークをまとめて持ち運び
できる。
【0009】本発明に係るワークホルダは、ワークホル
ダからワークカバーを分離した状態でワークをワーク保
持手段に保持可能である。そのため、膜コーティング処
理の際にはワークホルダからワークカバーを分離でき
る。そのため膜コーティング処理の際に、ワークカバー
が邪魔になることを防止できる。本発明で用いるワーク
としてはシムを採用できる。シムの材質は適宜選択でき
るが、一般的には金属を採用できる。本発明で用いる膜
コーティング処理としては、公知のコーティング法を採
用でき、例えばイオンプレーティング法、スパッタリン
グ法、蒸着法、場合によってはスプレー法等を採用で
き、膜厚は特に制限されないが、薄膜状にできる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。まず膜コーティング処理を行う場合のコーティン
グ装置1について説明する。即ち、図1に示すように、
コーティング源として機能する蒸発源10が複数個設置
されている。蒸発源10に対向するようにワーク保持手
段15が設置されている。ワーク保持手段15は、基台
16と、基台16にこれの軸芯の回りに装備された縦軸
形の複数個の回転軸体17とを備えている。回転軸体1
7は、その軸芯を中心として矢印RS方向に自転可能に
かつ、基台16の軸芯を中心として矢印RL方向に公転
可能とされている。
【0011】図2から理解できるように、各回転軸体1
7の外周部には、複数個の縦長状の取付具18(図1で
は図略している)が回転軸体17の外周部にその周方向
に所定の間隔を隔てて設けられている。各取付具18に
は、複数個の磁石体18aが縦方向に所定のピッチP1
で列設されている。磁石体18aは取付具18の外面1
8sから回転軸体17の半径方向に所定量突出してい
る。
【0012】図2から理解できるように、磁石体18a
は、筒体18cと、筒体18cの中央孔に配置された磁
石18fとで構成されている。磁石18fは例えばフェ
ライト系、希土類系等の公知の磁石材料で形成できる。
さて本実施例に係る膜コーティング用治具4について説
明する。この膜コーティング用治具4は、複数個のワー
クとしてのシムWをまとめて洗浄すると共にシムWのコ
ーティング面W11にまとめて膜コーティング処理する
際に使用されるものである。
【0013】図2から理解できるように、膜コーティン
グ用治具4は、互いに対面可能な金属製(例えばステン
レス鋼)のワークホルダ40と、金属製(例えばステン
レス鋼)のワークカバー42とで構成されている。ワー
クホルダ40とワークカバー42とで収容室45が形成
される。収容室45には、複数個のシムWをワークホル
ダ40とワークカバー42とで挟装した状態で直列状態
で収容できる。なお、シムWが収容室45に収容された
状態では、シムWの肉厚によっては、シムWはその肉厚
方向及び径方向に若干変位することが許容されている。
【0014】図2から理解できるように、ワークホルダ
40は、横断面でコの字形状をなす板体で構成されてい
る。従ってワークホルダ40は、背面板40rと、背面
板40rの両側から延設された互いに対向する一対の側
板40sとで構成されている。背面板40rには、背面
板40rの長さ方向に沿って複数個の通孔40kが背面
板40rを厚み方向に貫通して列設されている。
【0015】各通孔40kは円形状をなす。通孔40k
の内径は、磁石体18aの筒体18cの外径よりもやや
大きめであり、かつシムWの外径よりも小さめにされて
いる。従って図5及び図6に示すように、ワークホルダ
40の各通孔40kに磁石体18aが挿通可能とされて
いると共に、通孔40kからシムWが脱落せぬようにさ
れている。
【0016】図3(A)(B)はワークホルダ40を示
す。図3には、ワークホルダ40に形成されている通孔
40kのピッチは、P2として示されている。通孔40
kのピッチP2は、前記した磁石体18aのピッチP1
と対応している。更に図3に示すように、ワークホルダ
40の下端部40fには、シム位置決め機能をもつ位置
決め突起60、更には係止孔63が形成されている。位
置決め突起60は、シムWの外周部が当たってシムWの
落下を防止するストッパ機能を奏すると共に、ワークホ
ルダ40の長手方向つまり矢印Y方向において直列に並
設されたシムWの位置決め機能を奏する。またワークホ
ルダ40の下端部40fには、嵌合突起65がワークホ
ルダ40の長手方向にのばして突設されている。
【0017】更に図3に示すように、ワークホルダ40
の上端部40eにはシム出入口45pが形成されてい
る。シム出入口45pは、収容室45に連通すると共に
シムWが挿入される開口として機能する。図4(A)
(B)はワークカバー42を示す。図4から理解できる
ように、ワークカバー42は長尺状をなしており、ほぼ
平行に並設された2本の長支柱42aと、長支柱42a
に所定の間隔を隔てて梯子状に架設された複数本の横支
柱42cとで実質的に格子構造に構成されている。
【0018】図4に示すように、ワークカバー42に
は、複数個の開口窓47が直列状態に複数個形成されて
いる。開口窓47は、シムWのコーティング面W11の
大部分を外方に露出させるものである。開口窓47は、
本実施例では四角形状をなし、実質的に高さLa×幅L
cの大きさとされている。高さLaはシムWの直径より
もかなり大きい。幅LcはシムWの直径よりも微小量小
さい程度である。従って開口窓47からのシムWの脱落
は防止される。
【0019】ワークカバー42の上端部42eには、ワ
ークホルダ40の上端部40eと係止可能な一対の連結
突起42mが互いに対向するように突設されている。図
4に示すように、ワークカバー42の下端部42fに
は、係止機能をもつ係止具8が保持されている。係止具
8の詳細を図7に示す。図7に示すように、係止具8
は、ワークカバー42に溶接で固定される片部81を備
えた枠体82と、一端部83hが枠体82に固定された
板バネ83と、板バネ83の他端部83iに固定され可
動体84と、可動体84の先端に設けられた係止爪85
と、可動体84に設けられた操作ボタン86とを備えて
いる。
【0020】操作ボタン86を手作業やロボットで矢印
M1方向に押圧操作すれば、板バネ83の一端部83h
を支点として板バネ83のバネ力に抗して可動体84が
矢印K1方向に係止爪85と共に揺動し、係止爪85に
よる係止力が解除される。一方、操作ボタン86の押圧
操作が解除されれば、板バネ83のバネ力で可動体84
が矢印K2方向に係止爪85と共に揺動し、係止爪85
による係止作用が得られる。
【0021】次にワークとしてのシムWについて説明を
加える。即ち、シムWは、前述したように、機械部分の
組み付け部に挟み、隙間や組み付け硬さを調整する部品
であり、本実施例では円板状つまりコイン状をなしてい
る。シムWは厚み調整機能をもつことが多い。そのた
め、各シムWは直径は基本的には一様であるものの、そ
れぞれの肉厚は厚み調整機能のため多少異なることが多
い。本実施例に係るシムWは鉄系材料(例えば浸炭焼入
材料)で形成されている。
【0022】さて使用の際には次のように行う。即ち、
ワークホルダ40にワークカバー42を連結し、両者を
一体化し、膜コーティング用治具4を構成する。この場
合には膜コーティング用治具4の下端側では、係止具8
の係止爪85の係止作用により、ワークホルダ40とワ
ークカバー42とを連結して一体化する。膜コーティン
グ用治具4の上端側では、ワークホルダ40の上端部4
0eと連結突起42mとを係止する。
【0023】この状態で、図8(A)から理解できるよ
うに、膜コーティング用治具4を傾斜させた状態でシム
投入場所Paに設置する。すると、超仕上加工機で超仕
上処理されたシムWは、次々と、膜コーティング用治具
4のシム出入口45pから膜コーティング用治具4の収
容室45内に直列状態に順に投入される。その後、図8
(B)から理解できるように、複数個のシムWが投入さ
れた膜コーティング用治具4を複数個まとめて、洗浄ト
レー9に取り付ける。洗浄トレー9は、四角状の枠体9
0と、枠体90の上部に設けられた支持部92とを備え
ている。
【0024】このように複数個の膜コーティング用治具
4をまとめて洗浄トレー9に装着した状態で、洗浄処理
を行なう。本実施例に係る洗浄処理では、炭化水素系の
洗浄液に洗浄トレー9が浸漬した状態で超音波洗浄を行
ない、これによりシムWに付着していた加工油や汚れを
除去する。前述したようにワークホルダ40には通孔4
0kが形成されており、ワークカバー42にはシムWの
コーティング面W11の大部分を露出させる開口窓47
が形成されているため、開口窓47や通孔40kから洗
浄液が収容室45に進入でき、高い洗浄効果が得られ
る。
【0025】洗浄処理が終了した後に、図8(C)から
理解できるように、ワークホルダ40とワークカバー4
2とが連結され複数個のシムWを収容した膜コーティン
グ用治具4を、洗浄トレー9から取り外す。そして図8
(D)から理解できるように、シムWを収容した複数個
の膜コーティング用治具4を各回転軸体17に取付け
る。
【0026】このとき本実施例によれば、図9(A)か
ら理解できるように、ワークホルダ40の下端部40f
の嵌合突起65を回転軸体17の下部の嵌合孔17rに
嵌める。更に回転軸体17の上部のストッパ17mをも
つ係止突起17kに、ワークホルダ40の上端部40e
の切欠40xを嵌めて係止する。これによりワークホル
ダ40は、回転軸体17に脱着可能に保持される。
【0027】上記したようにワークホルダ40が回転軸
体17に保持された状態では、膜コーティング用治具4
の収容室45に収容されたシムWのうち、最も下端のシ
ムWの外周部は、重力により位置決め突起60に当接す
るので、収容室45内の各シムWはワークホルダ40の
長手方向つまり矢印Y方向において位置決めされる。更
に本実施例では前述したように、磁石体18aのピッチ
P1とワークホルダ40の通孔40kのピッチP2とは
相応するように設定されているため、回転軸体17の各
磁石体18aが通孔40kにそれぞれ個別に挿通され
る。
【0028】従って、膜コーティング用治具4の収容室
45内の各シムWが磁石体18aに磁気でそれぞれ個別
に吸着される。従って本実施例によれば、複数個のシム
Wをまとめて磁石体18aに固定するのに有利であり、
作業性が良い。図5は、各シムWの背向面W10が磁石
体18aに磁気で吸着された状態を示す。その後、回転
軸体17に固定された膜コーティング用治具4におい
て、係止具8の操作ボタン86を押圧操作して、係止具
8の係止爪85による係止作用を解除し、これによりワ
ークホルダ40からワークカバー42を分離させる。な
お図8(E)は、ワークホルダ40から分離したワーク
カバー42を示す。
【0029】上記のようにワークホルダ40からワーク
カバー42を分離すると、図10や図6から理解できる
ように、各シムWの背向面W10は磁石体18aに吸着
されたままとなり、かつ、シムWのうち背向面W10と
反対側のコーティング面W11は、外方に露出する。上
記のようにワークカバー42をワークホルダ40から分
離してシムWのコーティング面W11を露出した状態
で、回転軸体17の自転及び公転の双方を行うつつ、蒸
発源10から蒸発した物質をシムWのコーティング面W
11に積層し、以て膜を成膜する。成膜の際には図10
図6から理解できるようにワークカバー42がワークホ
ルダ40から分離されているため、成膜の際にワークカ
バー42が邪魔になることを未然に防止でき、シムWの
コーティング面W11に良好に成膜できる。
【0030】本実施例では、膜コーティング処理として
イオンプレーティング処理を行った。従ってこの処理の
際には、シムWは高真空雰囲気に保持される。本実施例
では、シムWのコーティング面W11の耐摩耗性の向上
等を考慮して、成膜する物質としては窒化チタン(Ti
N)を用いたが、これに限定されるものではなく、他の
セラミックス膜あるいは金属膜でも良い。
【0031】上記のように膜コーティング処理が終了し
た後に、回転軸体17の自転及び公転の双方を停止させ
る。更に、係止具8の係止爪85による係止機能を利用
して、回転軸体17に固定されているワークホルダ40
にワークカバー42を再び連結して、両者を一体化す
る。
【0032】その後、磁石体18aとシムWとの吸着力
に打ち勝つ外力で、シムWを収容した状態の膜コーティ
ング用治具4を、つまり、ワークホルダ40とワークカ
バー42と共にシムWを、回転軸体17から外す。図8
(F)は、ワークホルダ40とワークカバー42とが連
結した膜コーティング用治具4を回転軸体17から外し
た状態を示す。このように外せば、複数個のシムWは、
膜コーティング用治具4の収容室45に収容されたまま
の状態で、まとめて磁石体18aから離脱される。
【0033】その後、コーティング処理されたシムW
を、膜コーティング用治具4から取出す。取出すに際し
ては、図8(G)に示すように、シム出入口45pが下
方となるように膜コーティング用治具4を傾斜させる等
して、膜コーティング用治具4のシム出入口45pから
シムWを取り出しても良いし、或いは、係止具8の係止
爪85による係止機能を解除して、ワークホルダ40と
ワークカバー42とを分離してシムWを取り出すことに
してもよい。
【0034】ところで、イオンプレーティング処理によ
れば、コーティング膜とワーク母材との密着性が非常に
優れていると、一般的には評価されている。その理由
は、前処理としてのイオンボンバード工程においてワー
ク母材に非常に高い電圧をかけ、イオンを高エネルギで
衝突させるため、ワーク母材に酸化膜が生成していた
り、母材に吸着分子膜が生成していたとしても、この酸
化膜や吸着分子膜等を除去できる膜除去効果が得られる
ためと考えられている。
【0035】しかしながら上記したイオンボンバード工
程においてシムWやワークホルダ40等が汚れている
と、マイクロアークとも呼ばれる異常放電が発生し易
い。この異常放電は、シムWの傷つき、溶着等の不具合
を誘発し、更には本来得られるはずの上記した膜除去効
果が低減されるため、シムWに成膜したコーティング膜
の密着力も低下するおそれがある。従って、シムWやワ
ークホルダ40等の汚れは、好ましくない。
【0036】この点本実施例に係る膜コーティング用治
具4を用いれば、前述した記載から理解できるように、
洗浄処理から膜コーティング処理に至るまで、複数個の
シムWを膜コーティング用治具4にまとめて収容したま
ま、一括して移動できる。更にワーク保持手段15の回
転軸体17にシムWを取付ける時にも、膜コーティング
用治具4に収容したまま各シムWをまとめて取付け得
る。故に、効率が良い。更に、コーティング処理を開始
するにあたり、シムWを収容した膜コーティング用治具
4のまま、ワーク保持手段15の回転軸体17にシムW
を取付け得るので、作業者の指先やロボット等がシムW
のコーティング面W11に直接触れる機会が無くなる
か、大幅に低減し得る。そのため洗浄処理後にシムWの
コーティング面W11が汚染されることを低減または回
避できる。
【0037】また洗浄処理ではシムWを膜コーティング
用治具4に収容したまま洗浄できるため、シムWと共に
膜コーティング用治具4、特にワークホルダ40の汚れ
を除去するのにも有利である。換言すれば、コーティン
グ処理の際に使用されるワークホルダ40は、シムWと
共に洗浄処理を受ける。そのため、このようにシムWの
汚れが洗浄されるばかりか、ワークホルダ40に付着し
ているコーティング滓や汚れを除去するのにも有利であ
る。従って、上記したイオンボンバード処理において、
シムWやワークホルダ40の汚れに起因する異常放電を
防止するのに有利であり、コーティング膜の密着強度の
確保、コーティング膜の安定化に貢献できる。なお、ワ
ークとしてはシムを採用しているが、シムに限定される
ものではなく、膜コーティング処理を施す他の部材に適
用することもできる。
【0038】(付記)上記した記載から次の技術的思想
も把握できる。 ○互いに分離可能に連結されると共に連結時に複数個の
ワークをまとめて挟装状態に収容する収容室を形成する
互いに対向するワークホルダ及びワークカバーで構成さ
れた膜コーティング用治具を用い、ワークホルダとワー
クカバーとを連結して構成された膜コーティング用治具
の収容室に複数個のワークを収容し、収容した状態で、
ワークを膜コーティング用治具と共に洗浄する洗浄工程
と、複数個のワークを収容した膜コーティング用治具を
ワークと共にワーク保持手段に取付ける取付工程と、ワ
ークをワーク保持手段に取付けたまま、ワーク保持手段
に取付けられているワークホルダからワークカバーを分
離させ、ワークのコーティング面を外方に露出させるワ
ークカバー分離工程と、露出したワークのコーティング
面にまとめて膜コーティング処理を行い、コーティング
面に成膜する膜コーティング工程とを順に実施すること
を特徴とする膜コーティング方法。 ○互いに分離可能に連結されると共に連結時に複数個の
ワークをまとめて挟装状態に収容する収容室を形成する
互いに対向するワークホルダ及びワークカバーで構成さ
れた膜コーティング用治具を用い、ワークホルダとワー
クカバーとを連結して構成された膜コーティング用治具
の収容室に複数個のワークを収容し、収容した状態で、
膜コーティング用治具をワーク保持手段に取付けること
により複数個のワークをまとめてワーク保持手段に取付
ける取付工程と、ワークをワーク保持手段に取付けたま
ま、ワーク保持手段に取付けられているワークホルダか
らワークカバーを分離させ、各ワークのコーティング面
を外方に露出させるワークカバー分離工程と、露出した
各ワークのコーティング面にまとめて膜コーティング処
理を行い、ワークのコーティング面に成膜する膜コーテ
ィング工程と、成膜後に、ワーク保持手段に取付けられ
ているワークホルダにワークカバーを再び連結して、ワ
ークホルダとワークカバーとでワークを挟装状態に収容
する再連結工程と、ワークを挟装状態に収容した状態の
膜コーティング用治具をワーク保持手段から外すことに
より、複数個のワークをワーク保持手段からまとめて外
すワーク外し工程とを順に実施することを特徴とする膜
コーティング方法。
【0039】上記各方法においても、本明細書に記載し
た実施例効果及び発明の効果に相当する効果が得られ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る膜コーティング用治具を用
いれば、洗浄処理からコーティング処理に至るまで、複
数個のワークを膜コーティング用治具にまとめて収容し
たまま、一括して移動できる。更にワーク保持手段にワ
ークを取付ける時にも、膜コーティング用治具のままワ
ークを取付け得る。故に、効率が良い。
【0041】更に、膜コーティング処理を開始するにあ
たり、ワークを収容した膜コーティング用治具のまま、
ワーク保持手段にワークを取付け得るので、作業者の指
先やロボット等がワークに直接触れる機会が無くなるか
大幅に低減し得る。そのため洗浄後にワークのコーティ
ング面が汚染されることを低減または回避できる。また
洗浄処理ではワークを膜コーティング用治具に収容した
まま洗浄できるため、ワークと共に膜コーティング用治
具の汚れを除去するのにも有利である。故に、汚れに起
因するコーティング膜の密着性低下を抑制するのに有利
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】膜コーティング装置を概略して示す斜視図であ
る。
【図2】回転軸体からワークホルダ、ワークカバーを外
した状態を模式的に示す分解斜視図である。
【図3】(A)はワークホルダの断面図であり、(B)
はワークホルダの正面図である。
【図4】(A)はワークカバーの側面図であり、(B)
はワークカバーの正面図である。
【図5】シムを収容すると共にワークカバーを連結した
状態のワークホルダを回転軸体の磁石体に取付けた状態
を示す横断面図である。
【図6】ワークカバーを分離したワークホルダをシムと
共に回転軸体の磁石体に取付けた状態を示す横断面図で
ある。
【図7】連結具の断面図である。
【図8】工程図を示す図である。
【図9】(A)は膜コーティング用治具が取付けられた
磁石体及び膜コーティング用治具が取付けられていない
磁石体を備えた回転軸体を示す構成図であり、(B)は
膜コーティング用治具を示す構成図である。
【図10】ワークホルダを分離すると共に、シムを収容
した状態のワークホルダを回転軸体の磁石体に取付けた
状態の半分を示す横断面図である。
【図11】従来技術に係る構成図である。
【符号の説明】
図中、10は蒸発源、15はワーク保持手段、17は回
転軸体、18aは磁石体、4は膜コーティング用治具、
40はワークホルダ、40kは通孔、42はワークカバ
ー、45は収容室、47は開口窓を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コーティング源に対向するワーク保持手段
    に取着され、複数個のワークのコーティング面にまとめ
    て膜コーティング処理する際に使用される膜コーティン
    グ用治具であって、 互いに分離可能に連結されると共に連結時に複数個のワ
    ークをまとめて挟装状態に収容する収容室を形成する互
    いに対向するワークホルダ及びワークカバーで構成さ
    れ、 前記ワークカバーは、前記ワークのコーティング面を外
    方に露出させる開口窓をもち、 前記ワークホルダは、前記ワークホルダから前記ワーク
    カバーを分離した状態で前記ワークを前記ワーク保持手
    段に保持可能であることを特徴とする膜コーティング用
    治具。
JP20447496A 1996-08-02 1996-08-02 膜コーティング用治具 Pending JPH1046338A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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