JPH1046133A - 増粘剤 - Google Patents

増粘剤

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JPH1046133A
JPH1046133A JP10366597A JP10366597A JPH1046133A JP H1046133 A JPH1046133 A JP H1046133A JP 10366597 A JP10366597 A JP 10366597A JP 10366597 A JP10366597 A JP 10366597A JP H1046133 A JPH1046133 A JP H1046133A
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JP
Japan
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meth
water
weight
polymerization
thickener
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JP10366597A
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English (en)
Inventor
Tokihiro Yokoi
時浩 横井
Naotake Shioji
尚武 塩路
Hiroshi Tsuboi
啓史 坪井
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (メタ)アクリル酸塩系重合体を対象とし、
水に対する溶解性を損なうことなく高分子化する技術を
確立することによって、優れた性能の増粘剤を提供する
こと。 【解決手段】 重合性単量体中の60モル%以上が(メ
タ)アクリル酸である重合反応原料液中に、アルカリ金
属イオンおよびアンモニウムイオンよりなる群から選択
される1種以上を前記原料液中の全酸基に対し60〜1
20モル%存在させると共に、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセリン等の水溶性化合物を、
重合性単量体に対し0.01〜20重量%共存させ、静
置状態で水溶液重合することによって得られる、高分子
量で水不溶分の少ない(メタ)アクリル酸塩系重合体を
有効成分として含有する増粘剤を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高重合度で且つ水
に対する溶解性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体
を有効成分として含み、例えばパップ剤用増粘剤等とし
て優れた性能を発揮する増粘剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸塩を主たるモノマー
単位として含む単独もしくは共重合体の高重合度物は、
従来より増粘剤、粘着剤、凝集剤等として広く実用化さ
れている。
【0003】ところでこれら(メタ)アクリル酸塩系重
合体の製法としては、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重
合法、スラリー重合法、水溶液重合法等が挙げられる
が、これらの中で最も汎用されているのは水溶液重合法
である。即ち水溶液重合法によれば、(メタ)アクリル
酸塩を主体とする重合性単量体の水溶液に周知のラジカ
ル重合開始剤を添加し、必要により適度に加熱すること
によって重合反応を行なうと、高重合度の(メタ)アク
リル酸塩系重合体が含水ゲル状物として得られる。従っ
てこの含水ゲル状物を押出機やカッター等を用いて細粒
化し、次いで乾燥、粉砕を行なうと粉末状にすることが
でき、この粉末は水に添加すると容易に再溶解するの
で、増粘剤等として有効に活用できる。
【0004】この様な(メタ)アクリル酸塩系重合体の
増粘作用は、重合度が高くなるほど向上することが確認
されている。ところが重合度を高めようとすると、重合
の特に後半期あるいは乾燥工程等で重合体に枝分れや架
橋反応が起こり、水に対する溶解性が低下して不溶物が
生成し、増粘剤などの用途に適用したときの性能を悪化
させる。そこで上記枝分れや架橋反応を抑えて水溶性を
高める為の手段として、重合反応の末期に加温状態で保
持して熟成する方法が実施されている。しかしこの方法
は、水溶性の向上にはある程度有効であるが水不溶物の
生成を完全に無くすことができる訳ではなく、しかも加
温熟成に余分の時間がかかるため生産性が低下する。
【0005】また水溶性の低下を防止する他の方法とし
て、 重合反応系に次亜燐酸ナトリウムを共存させる方法
(特公昭54-30426号公報)、 重合反応系にアルコキシカルボン酸を共存させる方法
(特公昭57-31564号公報)、 有機酸または無機酸のアルカリ金属塩もしくはアンモ
ニウム塩とアンモニアの共存下で重合を行なう方法(特
公昭57-36926号公報) 等が提案されている。しかしこれらの方法では、重合反
応速度が低下するため重合の完結に長時間を要するばか
りでなく、水溶性の低下防止効果も不十分となり、満足
のいく増粘効果が得られなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、(メ
タ)アクリル酸塩系重合体を対象とし、水に対する溶解
性を損なうことなく高分子化する技術を確立することに
よって、優れた性能の増粘剤を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の増粘剤は、重合性単量体中の60モル
%以上が(メタ)アクリル酸である重合反応原料液中
に、アルカリ金属イオンおよびアンモニウムイオンより
なる群から選択される1種以上を前記原料液中の全酸基
に対し60〜120モル%存在させると共に、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、単
糖、糖アルコール、オリゴ糖および鹸化度70%以上の
ポリビニルアルコールよりなる群から選択される1分子
中に2個以上の水酸基を有する水溶性化合物の1種以上
を、重合性単量体に対して0.01〜20重量%共存さ
せ、静置状態で水溶液重合することによって得られる
(メタ)アクリル酸塩系重合体を有効成分として含有す
るところに要旨を有するものである。
【0008】尚、本発明における増粘剤の主成分となる
(メタ)アクリル酸塩系重合体としては、水不溶解分が
5重量%以下、好ましくは2重量%以下、より好ましく
は1重量%以下のものが望ましく、且つ分子量は、重量
平均分子量で80万以上、とりわけ100万以上のもの
が好ましく、この様な水不溶解分と分子量の要件に合致
する(メタ)アクリル酸塩系重合体はとりわけ優れた増
粘作用を有しており、たとえばパップ剤用の増粘剤とし
て非常に適したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明にかかる増粘剤
の主成分となる重合体は、(メタ)アクリル酸塩を主た
るモノマー単位として(メタ)アクリル酸塩系重合体を
製造するに際し、重合反応系に適量のアルカリ金属イオ
ン及び/またはアンモニウムイオンを存在させると共
に、1分子中に2個以上の水酸基を有する特定の水溶性
化合物を特定量共存させてラジカル重合を行なうもので
あり、それにより高重合度で且つ優れた水溶性を示し、
増粘剤として非常に優れた性能を発揮する。
【0010】該(メタ)アクリル酸塩系重合体の主たる
モノマー単位は(メタ)アクリル酸(塩)であり、重合
体を構成する全モノマー単位の内60モル%以上が(メ
タ)アクリル酸(塩)からなるもので、必要により含有
させることのできる共重合性単量体としては、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有重合
性単量体成分;ビニルスルホン酸、メタリルスルホン
酸、アリルスルホン酸、3−(メタ)アリロキシ−2−
ヒドロキシプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有重
合性単量体成分等の酸基含有重合性単量体成分;(メ
タ)アクリルアミド、第3級ブチル(メタ)アクリルア
ミド等のアミド系単量体成分;グリセロールモノ(メ
タ)アリルエーテル等のアリルエーテル系単量体成分;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリルア
ルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソ
プレノール)、グリセロールモノ(メタ)アクリレート
等の水酸基含有単量体成分;アクリロニトリル等のニト
リル系単量体成分;(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン等の疎水
性単量体成分等が例示され、これらは必要により2種以
上含むものであってもよい。
【0011】しかしこれら共重合性単量体成分のうち、
疎水性の単量体成分は重合体の水溶性を阻害し増粘効果
に悪影響を及ぼす傾向があるので、好ましくは親水性の
共重合性単量体成分を使用するのがよく、これらの中で
特に好ましいのはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等
のカルボキシル基含有重合性単量体成分である。
【0012】そして、この様な(メタ)アクリル酸塩系
重合体を製造するに当たっては、得られる重合体の水溶
性を高めるための要件として、重合反応原料液中に存在
させる全単量体中の60モル%以上を(メタ)アクリル
酸(塩)とし、必要により共存させることのできる他の
重合性単量体は、全重合性単量体中に占める比率で40
モル%以下に抑えなければならない。
【0013】また重合反応原料液中には、上記した重合
性単量体中に含まれる酸基の一部もしくは全部(好まし
くは全部)を中和するための陽イオンを共存させる必要
があり、その様な陽イオンとして本発明では、アルカリ
金属イオンおよびアンモニウムイオンの1種以上を選択
する。これらのイオンは、 原料液中にアルカリ金属水酸化物やアンモニアあるい
はアルカリ金属やアンモニアの炭酸塩、重炭酸塩等とし
て添加する方法、 モノマー原料として前記(メタ)アクリル酸を含めた
酸基含有ラジカル重合性単量体のアルカリ金属塩もしく
はアンモニウム塩として添加する方法、 これらとを組合せて実施する方法 によって混入させることができ、要は原料液中にアルカ
リ金属イオンもしくはアンモニウムイオンを共存せしめ
得る限りその添加形態は一切制限されない。
【0014】但しアルカリ金属イオンおよび/またはア
ンモニウムイオンの量は、原料液中の全酸基に対して6
0〜120モル%、より好ましくは60〜110モル%
にしなければならず、アルカリ金属イオンおよび/また
はアンモニウムイオンの量が不足する場合は重合反応の
末期に枝分れや架橋反応が起こり易くなって水不溶物が
生成し易くなり、満足のいく増粘効果が得られなくな
る。
【0015】次に、上記(メタ)アクリル酸塩系重合体
を製造するに際し、重合反応原料液中に共存させる水溶
性化合物は、重合速度を低下させることなく、しかも重
合反応末期に枝分れや架橋反応を起こさせることなく水
溶性の非常に優れた高重合度物を生成させるうえで最も
重要な添加剤であり、以下に示す如く1分子中に2個以
上の水酸基を有する化合物が選択される。
【0016】即ち水溶性化合物としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリン、単糖(た
とえばアラビノース、キシロース等のペントース;ガラ
クトース、グルコース、マンノース、フルクトース等の
ヘキソース;6−デオキシグルコース、6−デオキシタ
ロース等のデオキシヘキソース;グルクロン酸、ガラク
ツロン酸等のウロン酸等)、糖アルコール(たとえばエ
リトール、アラビニトール、キシリトール、ソルビトー
ル、ガラクチトール、マンニトール、ボレミトール、オ
クチトール等)、オリゴ糖(たとえばスクロース、マル
トース、セロビオース、ラクトース、アガロビオース等
の二糖;マルトトリオース等の三糖;マルトテトラオー
ス等の四糖等)および鹸化度が70%以上(好ましくは
95%以上)のポリビニルアルコールが挙げられ、これ
らは単独で使用してもよく或は2種以上を併用すること
もできる。これらの中でも特に好ましいのは、主たる重
合性単量体となる(メタ)アクリル酸(塩)に対して優
れた相溶性を示すエチレングリコール、プロピレングリ
コール、グリセリンおよび糖アルコール類である。
【0017】また該水溶性化合物の添加量は、全ての重
合性単量体に対して0.01〜20重量%の範囲に設定
しなければならず、添加量が不足する場合は上記の効果
が有効に発揮されず、また20重量%を超えて多量添加
してもそれ以上の効果は得られないので経済的に無駄で
あるばかりでなく、高沸点有機溶剤として残るため、除
去が困難となる。水溶性化合物のより好ましい添加量は
0.1〜10重量%である。
【0018】上記重合体を製造するに当たっては、上記
の様に(メタ)アクリル酸を主体とする重合性単量体
を、アルカリ金属イオン及び/又はアンモニウムイオン
と特定の水酸基含有水溶性化合物の共存下でラジカル重
合を行なうが、重合法としては静置状態で水溶液重合さ
せる方法を採用する。その理由は、塊状重合法では除熱
(冷却)が困難で反応温度のコントロールが難しいため
工業的には非常に生産性が悪くなり、また懸濁重合法や
乳化重合法では、有機溶剤や乳化剤などを使用するため
それらの除去に余分の負担がかかるのに対し、水溶液重
合ではその様な問題がなく、また静置状態で重合するこ
とにより重合度を十分に高めることができるからであ
る。
【0019】静置状態で行なわれる水溶液重合の条件は
特に制限されないが、通常は窒素雰囲気下で周知のラジ
カル重合開始剤、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カ
リウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩;アゾビス
(2−アミジノプロパン)塩酸塩、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビスシアノ吉草酸などのアゾ化合物;過
酸化物と亜硫酸塩、アミン類に代表される還元剤を組み
合わせてなるレドックス系開始剤などを適量添加し、静
置状態で10〜100℃で1.5〜12時間程度重合す
ることによって、分子量(重量平均分子量)が80万以
上、もしくは100万以上の高重合度で、且つ後述する
方法によって求められる水不溶分が5重量%以下、より
好ましくは1重量%以下の高い水溶性を示す重合体を得
ることができる。また、重合開始温度は40℃以下にす
ることが高重合度重合体を得るうえで好ましい。この場
合、必要により重合反応系に少量の次亜燐酸ナトリウム
を加えて重合することも可能である。得られる重合体は
重合方法に応じて高粘性の水溶液状あるいは含水ゲル状
として得られ、これらはそのままの形態で製品化しても
よいが保存安定性や運搬の便宜等を考慮すると、重合完
了後加熱乾燥してから粉砕し、粉末状もしくはフレーク
状にするのがよい。
【0020】かくして得られる(メタ)アクリル酸塩系
重合体は、前述の如く非常に水溶性の高いものであって
水系溶媒に溶解した時に不溶物を殆ど生じることがな
く、しかも優れた増粘作用を有しているので、増粘剤と
して様々の用途に有効に活用することができ、特にパッ
プ剤用の増粘剤として使用すると、肌触りの良好な粘着
層を形成することができる。
【0021】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではない。なお、下記実施例で採用した分子
量および水不溶解分の測定法は次の通りである。 [分子量(重量平均分子量)測定法] カラム:昭和電工社製「ion park KS-806 」 標準物質:創和科学社製のポリアクリル酸ナトリウム
(分子量:11.5 〜110 万) 溶離液:0.1 モルのりん酸水溶液(pH=7) 検出器:RI 但し不溶物の多いものは測定できなかった。 [水不溶解分]重合体1g(A)を水500ml に攪拌しな
がら溶解し、24時間静置する。この水溶液をフルイ(50m
esh)に注ぎ、更に大量のイオン交換水を注ぐ。残った不
溶解分を150 ℃で3hr乾燥し不溶解分量(B)を測定
し、次式により不溶解分量を求める。 不溶解分量(%)=(B/A)×100
【0022】重合体の製造例1 温度計、窒素ガス吹込管および攪拌機を備えた1リット
ルのセパラブルフラスコに、37重量%アクリル酸ナト
リウム水溶液976g(36重量%対全仕込量)、グリ
セリン0.36g(0.13重量%対仕込単量体)、水
17gを仕込み、氷浴で10±2℃に冷却した後、窒素
ガスを吹込んで水溶液中に溶存している酸素を除去し、
溶存酸素を0.3ppmとした。この水溶液に0.013 重
量%(対仕込単量体)の過硫酸アンモニウムを添加した
後、加水して水溶液量を1000gとし10分間攪拌した後、
攪拌を停止して35℃の恒温槽に浸した。水溶液は20
分後から白濁化し始め、ゲル化した。反応物は重合開始
80分後に最高温度93℃を示した。4時間保持した
後、透明になったゲル状重合体を取出し、細片にして1
90℃で80分間通風乾燥した。乾燥物(ポリアクリル
酸ナトリウム)は乾燥機から容易に剥離できた。得られ
た乾燥粉末の分子量および水不溶解分を測定したとこ
ろ、表1に示す結果を得た。
【0023】重合体の製造例2〜14 上記製造例1において、水溶性化合物の種類、添加量、
アルカリ金属またはアンモニアの添加量等を表1に示す
様に変えた以外は製造例1と同様にしてポリ(メタ)ア
クリル酸ナトリウムの乾燥物を得た。得られた乾燥物の
分子量および水不溶解分、原料配合、重合反応時におけ
る最高到達温度(ピーク温度)および最高温度到達時間
(ピーク到達時間)等を表1、表2に示す。但し表1,
2中の*1〜8の意味は下記の通りである。 *1:モル%(対仕込単量体)、 *2:モル%(対仕込酸基) *3:重量%(対仕込単量体)、 *4:Na;ナトリウム *5:K;カリウム、 *6:AA;アクリル酸 *7:分子量約20,000、 *8:分子量約15,000
【0024】
【表1】
【0025】重合体の比較製造例1および2〜5 前記製造例1において、グリセリンを添加しなかった以
外は製造例1と同様にしてポリアクリル酸ナトリウムの
乾燥粉末を得た。またグリセリンに代えてエタノール、
次亜燐酸ナトリウム、メトキシ酢酸、塩化ナトリウムと
アンモニアを使用した以外は製造例1と同様にして重合
反応を行なった。重合反応時のピーク温度およびピーク
到達時間、得られた乾燥粉末の分子量および水不溶解分
等を表2に一括して示す。
【0026】
【表2】
【0027】表1,2からも明らかである様に、製造例
1〜14で得られた乾燥粉末の分子量は、比較製造例1
(水溶性化合物無添加)に比べて高分子量であるにもか
かわらず、水不溶解分の量は極端に少なく水溶性の非常
に優れたものであることが分かる。しかも、重合反応時
の最高温度到達時間は80〜105分であって比較製造
例1と殆んど変わらず、重合速度の低下は実質的に問題
にならない。また製造例1〜14では、比較製造例1に
比べて乾燥器からの乾燥粉末の取出しが容易であり、粉
立ちも少なかった。また比較製造例2,3では重合反応
時の最高到達時間が非常に遅くなって重合速度が低下す
ると共に分子量も十分に上がらず、比較製造例5では重
合速度の低下はそれほど問題にならないが分子量が十分
に上がらず、しかもこれらの比較製造例では水不溶解分
の低減効果が全く認められない。比較製造例4ではメト
キシ酢酸の添加により重合反応自体が起こらなくなる。
【0028】重合体の製造例15 重合性単量体およびアルカリ金属としてメタクリル酸ナ
トリウムを38重量%(アルカリ金属量として酸基の1
00モル%に相当する)、水溶性化合物としてグリセリ
ンを2.5重量%、開始剤として過硫酸アンモニウムを
0.035 重量%を使用した以外は前記製造例1と同様にし
て重合反応を行ない、ポリメタクリル酸ナトリウムより
なる乾燥粉末を得た。
【0029】比較製造例6 上記製造例15において、グリセリンを添加しなかった
以外は製造例15と全く同様にしてポリメタクリル酸ナ
トリウムよりなる乾燥粉末を得た。
【0030】製造例16 重合性単量体およびアルカリ金属としてアクリル酸ナト
リウム32重量%、他の酸基含有重合性単量体としてマ
レイン酸ジナトリウム4重量%(アクリル酸とマレイン
酸のモル比は93/7、アルカリ金属量は酸基の100
モル%に相当)、水溶性化合物としてグリセリンを1.
3重量%、開始剤として過硫酸アンモニウムを0.026 重
量%使用した以外は製造例1と同様にして、(メタ)ア
クリル酸塩系共重合体よりなる乾燥粉末を得た。
【0031】比較製造例7 上記製造例16おいて、グリセリンを添加しなかった以
外は製造例16と同様にして(メタ)アクリル酸塩系共
重合体よりなる乾燥粉末を得た。
【0032】製造例17 重合性単量体およびアルカリ金属としてアクリル酸ナト
リウム28重量%とアクリル酸14%(アルカリ金属量
は酸基に対して60.5モル%に相当)、水溶性化合物
としてグリセリン4.4重量%、次亜燐酸ナトリウム0.
012 重量%、開始剤として過硫酸アンモニウム0.024 重
量%と重亜硫酸ナトリウム0.048 重量%を使用した以外
は前記製造例1と同様にして重合を行ない、透明なゲル
状重合体を得た。この透明ゲルに水を加えて0.2%水
溶液とし、前記製造例1と同様にして分子量および水不
溶解分等を測定した。
【0033】比較製造例8 前記製造例17において、グリセリンを添加しなかった
以外は、製造例17と同様にしてゲル状重合体を得た。
【0034】比較製造例9 前記製造例17において、重合性単量体およびアルカリ
金属としてアクリル酸ナトリウム14重量%と、アクリ
ル酸28重量%(アルカリ金属量は酸基に対し27.7
モル%に相当)を使用した以外は、前記製造例17と全
く同様にしてゲル状重合体を得た。
【0035】製造例18 重合性単量体及びアルカリ金属としてアクリル酸ナトリ
ウム33重量%とアクリルアミド3重量%(アクリル酸
とアクリルアミドのモル比は89.3/10.7 、アルカリ金属
量は酸基に対し100モル%に相当)、水溶性化合物と
してグリセリン1.3重量%、開始剤として過硫酸アン
モニウム0.024 重量%と重亜硫酸ナトリウム0.048 重量
%を使用した以外は、前記製造例1と同様にして重合を
行ない、透明なゲル状重合体を得た。これを細片にして
乾燥温度80℃で6時間通風乾燥して乾燥粉末を得た。
【0036】比較製造例10 前記製造例18において、グリセリンを添加しなかった
以外は製造例18と同様にしてゲル状重合体を得た。
【0037】上記製造例15〜18、比較製造例6〜1
0で得た各重合体の分子量、水不溶解分、原料配合、重
合反応時の最高到達温度および最高温度到達時間は表3
に一括して示す通りであり、製造例15〜18では、比
較製造例6〜10に比べて水不溶解分が非常に少なく水
溶性に優れた高分子量の重合体を効率良く製造し得るこ
とが分かる。
【0038】
【表3】
【0039】実施例 前記製造例1で得た(メタ)アクリル酸塩系重合体を使
用し、表4の処方に従って下記の手順でパップ剤を製造
した。製造における操作手順は次の通りである。 (A) グリセリン中に製造例1で得た重合体を懸濁させ
る、 (B) 水55gのうち2/3量にカオリン、ゼラチンおよ
びポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエー
トを60℃にて充分混合する、 (C) 残りの水に塩化アルミニウムを溶解させる、 (D) サリチル酸メチル、メントール、カンフルおよびハ
ッカ油を混合する、 (A) に(B) ,(C) ,(D) の順に混合した後、この混合物
を不織布上に厚さが約3mmとなる様に塗布し、塗布面
にポリエチレンフィルムを貼ってパップ剤を得る。
【0040】得られたパップ剤の「外観」および「粘着
性」を試験し、結果を表4に示した。尚「外観」は目視
による塗布面の不溶物の有無により、また「粘着性」は
指を軽く押し当てた時の粘着性(フィンガーテスト)の
良否によって評価した。
【0041】比較例 前記比較製造例1で得たアクリル酸塩系共重合体を使用
し、上記実施例1と同様にしてパップ剤を製造した。
【0042】上記実施例及び比較例で得たパップ剤の外
観および粘着性を調べたところ表4に示す結果が得ら
れ、本発明で得た重合体を用いた場合は塗布面に不溶物
が認められず、優れた粘着性を示すことが確認された。
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、前
述の方法によって得られる(メタ)アクリル酸塩系重合
体は、高重合度でありながら優れた水溶性を有しており
水に溶解した場合にも不溶物を殆んど析出することがな
く、卓越した増粘作用を有している。従ってこの重合体
は、増粘剤として様々の用途で優れた性能を発揮し、特
にパップ剤用の増粘剤として非常に有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性単量体中の60モル%以上が(メ
    タ)アクリル酸である重合反応原料液中に、アルカリ金
    属イオンおよびアンモニウムイオンよりなる群から選択
    される1種以上を前記原料液中の全酸基に対し60〜1
    20モル%存在させると共に、エチレングリコール、プ
    ロピレングリコール、グリセリン、単糖、糖アルコー
    ル、オリゴ糖および鹸化度70%以上のポリビニルアルコ
    ールよりなる群から選択される水溶性化合物の1種以上
    を、重合性単量体に対し0.01〜20重量%共存さ
    せ、静置状態で水溶液重合することによって得られる
    (メタ)アクリル酸塩系重合体を含むことを特徴とする
    増粘剤。
  2. 【請求項2】 前記(メタ)アクリル酸塩系重合体の水
    不溶解物が5重量%以下であり、且つ分子量が80万以
    上である請求項1記載の増粘剤。
  3. 【請求項3】 パップ剤用増粘剤として用いられるもの
    である請求項1または2記載の増粘剤。
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