JP2671724B2 - (メタ)アクリル酸塩系重合体の製法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸塩系重合体の製法

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JP2671724B2 JP4214238A JP21423892A JP2671724B2 JP 2671724 B2 JP2671724 B2 JP 2671724B2 JP 4214238 A JP4214238 A JP 4214238A JP 21423892 A JP21423892 A JP 21423892A JP 2671724 B2 JP2671724 B2 JP 2671724B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水に対する溶解性
に優れた高重合度の(メタ)アクリル酸塩系重合体を効
率よく製造することのできる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸塩を主たるモノマー
単位として含む単独もしくは共重合体の高重合度物は、
従来より増粘剤、粘着剤、凝集剤等として広く実用化さ
れている。
【0003】ところでこれら(メタ)アクリル酸塩系重
合体の製法としては、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重
合法、スラリー重合法、水溶液重合法等が挙げられる
が、これらの中で最も汎用されているのは水溶液重合法
である。即ち水溶液重合法によれば、(メタ)アクリル
酸塩を主体とする重合性単量体の水溶液に周知のラジカ
ル重合開始剤を添加し、必要により適度に加熱すること
によって重合反応を行なうと、高重合度の(メタ)アク
リル酸塩系重合体が含水ゲル状物として得られる。この
含水ゲル状物を押出機やカッター等を用いて細粒化し、
次いで乾燥、粉砕を行なうと粉末状にすることができ
る。そしてこの粉末は水に添加すると容易に再溶解する
ので、増粘剤や粘着剤、凝集剤等として利用することが
でき、又この粉末は高い吸水能を有しているので吸水剤
としても有効に活用できる。
【0004】この様な(メタ)アクリル酸塩系重合体の
増粘作用、凝集作用、吸水能力等は、重合度が高くなる
ほど向上することが確認されている。ところが重合度を
高めようとすると、重合の特に後半期あるいは乾燥工程
等で重合体に枝分れや架橋反応が起こり、水に対する溶
解性が低下して不溶物が生成し、上記の様な用途に適用
したときの性能を悪化させる。そこで上記枝分れや架橋
反応を抑えて水溶性を高める為の手段として、重合反応
の末期に加温状態で保持して熟成する方法が実施されて
いる。しかしこの方法は、水溶性の向上にはある程度有
効であるが水不溶物の生成を完全に無くすことができる
訳ではなく、しかも加温熟成に余分の時間がかかるため
生産性が低下する。
【0005】また水溶性の低下を防止する他の方法とし
て、 重合反応系に次亜燐酸ナトリウムを共存させる方法
(特公昭54-30426号公報)、 重合反応系にアルコキシカルボン酸を共存させる方法
(特公昭57-31564号公報)、 有機酸または無機酸のアルカリ金属塩もしくはアンモ
ニウム塩とアンモニアの共存下で重合を行なう方法(特
公昭57-36926号公報) 等が提案されている。しかしこれらの方法では、重合反
応速度が低下するため重合の完結に長時間を要するばか
りでなく、重合度が大きくなると、期待される様な水溶
性の低下防止効果が得られなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、水に
対する溶解性に優れた高重合度の(メタ)アクリル酸塩
系重合体を効率良く製造することのできる方法を提供し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の構成は、重合性単量体中の60モル%
以上が(メタ)アクリル酸である重合反応原料液中に、
アルカリ金属イオンおよびアンモニウムイオンよりなる
群から選択される1種以上を前記原料液中の全酸基に対
して100〜120モル%存在させると共に、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、単
糖、糖アルコール、オリゴ糖および鹸化度70%以上の
ポリビニルアルコールよりなる群から選択される水溶性
化合物の1種以上を、重合性単量体に対し0.01〜2
0重量%共存させ静置状態で水溶液重合するところに要
旨を有するものである。
【0008】尚、本発明において水溶性に優れた高分子
量(メタ)アクリル酸塩系重合体とは、水不溶解分が5
重量%以下、より好ましくは1重量%以下のものをい
い、従って本発明を実施するに当たっては、重合体の水
不溶解物が5重量%以下、より好ましくは1重量%以下
となる様に、また得られる重合体の分子量が、重量平均
分子量で80万以上、より好ましくは100万以上とな
る様に他の重合条件を条件をコントロールするのがよ
く、この様にして得られる(メタ)アクリル酸塩系重合
体は、そのまま、或は一旦加熱乾燥し粉末状もしくはフ
レーク状などとし、増粘剤、粘着剤、凝集剤などとして
広く利用することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明では、(メタ)
アクリル酸塩を主たるモノマー単位とする(メタ)アク
リル酸塩系重合体を製造するに際し、重合反応系に適量
のアルカリ金属イオン及び/またはアンモニウムイオン
を存在させると共に、1分子中に2個以上の水酸基を有
する特定の水溶性化合物を特定量共存させてラジカル重
合を行なうものであり、それにより高重合度で且つ水溶
性の非常に良好な(メタ)アクリル酸塩系重合体を短い
重合時間で効率良く製造することができる。
【0010】本発明によって得られる(メタ)アクリル
酸塩系重合体の主たるモノマー単位は(メタ)アクリル
酸(塩)であり、重合体を構成する全モノマー単位の6
0モル%以上が(メタ)アクリル酸(塩)からなるもの
で、必要により含有させることのできる共重合性単量体
としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカル
ボキシル基含有重合性単量体成分;ビニルスルホン酸、
メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、3−(メタ)
アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等のス
ルホン酸基含有重合性単量体成分等の酸基含有重合性単
量体成分;(メタ)アクリルアミド、第3級ブチル(メ
タ)アクリルアミド等のアミド系単量体成分;グリセロ
ールモノ(メタ)アリルエーテル等のアリルエーテル系
単量体成分;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、アリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−
オール(イソプレノール)、グリセロールモノ(メタ)
アクリレート等の水酸基含有単量体成分;アクリロニト
リル等のニトリル系単量体成分;(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレ
ン等の疎水性単量体成分等が例示され、これらは必要に
より2種以上含むものであってもよい。しかしこれらの
共重合性単量体成分のうち、疎水性の単量体成分は重合
体の水溶性を阻害する傾向があるので、好ましくは親水
性の共重合性単量体成分を使用するのがよく、これらの
中で特に好ましいのはマレイン酸、フマル酸、イタコン
酸等のカルボキシル基含有重合性単量体成分である。
【0011】そして本発明の製法を実施するに当たって
は、得られる重合体の水溶性を高めるための要件とし
て、重合反応原料液中に存在させる全単量体中の60モ
ル%以上を(メタ)アクリル酸(塩)とし、必要により
共存させることのできる他の重合性単量体は、全重合性
単量体中に占める比率で40モル%以下に抑えられる。
【0012】また重合反応原料液中には、上記した重合
性単量体中に含まれる酸基の全てを中和するのに十分な
量の陽イオンを共存させなければならず、その様な陽イ
オンとして、本発明ではアルカリ金属イオンおよびアン
モニウムイオンの1種以上を選択する。これらのイオン
は、 原料液中にアルカリ金属水酸化物やアンモニアあるい
はアルカリ金属やアンモニアの炭酸塩、重炭酸塩等とし
て添加する方法、 モノマー原料として前記(メタ)アクリル酸を含めた
酸基含有ラジカル重合性単量体のアルカリ金属塩やアン
モニウム塩として添加する方法、 これらとを組合せて実施する方法 等によって混入させることができ、要は原料液中にアル
カリ金属イオンもしくはアンモニウムイオンを共存せし
め得る限りその添加形態は一切制限されない。
【0013】但しアルカリ金属イオンおよび/またはア
ンモニウムイオンの量は、原料液中の全酸基を中和する
ため、全酸基に対し100〜120モル%、より好まし
くは100〜110モル%にしなければならず、アルカ
リ金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンの量が
不足する場合は、重合反応の末期に枝分れや架橋反応が
起こり易くなって水不溶物が生成し易くなり、本発明の
目的が果たせなくなる。
【0014】次に、本発明を実施する際に重合反応原料
液中に共存させる水溶性化合物は、重合速度を低下させ
ることなく、しかも重合反応末期に枝分れや架橋反応を
起こさせることなく水溶性の非常に優れた高重合度物を
生成させるうえで最も重要な添加剤であり、以下に示す
如く1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物が選択
される。
【0015】即ち水溶性化合物としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリン、単糖(た
とえばアラビノース、キシロース等のペントース;ガラ
クトース、グルコース、マンノース、フルクトース等の
ヘキソース;6−デオキシグルコース、6−デオキシタ
ロース等のデオキシヘキソース;グルクロン酸、ガラク
ツロン酸等のウロン酸等)、糖アルコール(たとえばエ
リトール、アラビニトール、キシリトール、ソルビトー
ル、ガラクチトール、マンニトール、ボレミトール、オ
クチトール等)、オリゴ糖(たとえばスクロース、マル
トース、セロビオース、ラクトース、アガロビオース等
の二糖;マルトトリオース等の三糖;マルトテトラオー
ス等の四糖等)および鹸化度が70%以上(好ましくは
95%以上)のポリビニルアルコールが挙げられ、これ
らは単独で使用してもよく或は2種以上を併用すること
もできる。これらの中でも特に好ましいのは、主たる重
合性単量体となる(メタ)アクリル酸(塩)に対して優
れた相溶性を示すエチレングリコール、プロピレングリ
コール、グリセリンおよび糖アルコール類である。
【0016】また該水溶性化合物の添加量は、全ての重
合性単量体に対し0.01〜20重量%の範囲に設定し
なければならず、添加量が不足する場合は上記の効果が
有効に発揮されず、また20重量%を超えて多量添加し
てもそれ以上の効果は得られず、経済的に無駄であるば
かりでなく、高沸点有機溶剤として残るため、除去が困
難となる。水溶性化合物のより好ましい添加量は0.1
〜10重量%である。
【0017】本発明では、上記の様に(メタ)アクリル
酸を主体とする重合性単量体を、アルカリ金属イオン及
び/又はアンモニウムイオンと、先に挙げた特定の水酸
基含有水溶性化合物の共存下でラジカル重合させるもの
であるが、重合法としては水溶液重合法を採用し、静置
状態で重合を行なう必要がある。
【0018】その理由は、塊状重合法では除熱(冷却)
が困難で反応温度のコントロールが難しく、工業的生産
性が非常に悪くなる。また懸濁重合法や乳化重合法で
は、有機溶剤や乳化剤などを使用しなければならないた
め、その除去に余分の負担がかかるからである。これに
対し水溶液重合ではその様な問題がなく、また静置状態
で重合することにより、重合度を十分に高めることがで
きる。
【0019】静置状態で行なわれる水溶液重合の条件は
特に制限されないが、通常は窒素雰囲気下で周知のラジ
カル重合開始剤、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カ
リウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩;アゾビス
(2−アミジノプロパン)塩酸塩、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビスシアノ吉草酸などのアゾ化合物;過
酸化物と亜硫酸塩、アミン類に代表される還元剤を組み
合わせてなるレドックス系開始剤などを適量添加し、1
0〜100℃で1.5〜12時間程度静置重合すること
によって、分子量(重量平均分子量)が80万以上、よ
り好ましくは100万以上の高重合度で、且つ後述する
方法によって求められる水不溶分が5重量%以下、より
好ましくは1重量%以下の、高い水溶性の重合体を得る
ことができる。また、重合開始温度は40℃以下にする
ことが高重合度重合体を得るうえで好ましい。この場合
必要により重合反応系に少量の次亜燐酸ナトリウムを加
えて重合することも可能である。得られる重合体は重合
方法に応じて高粘性の水溶液状あるいは含水ゲル状とし
て得られ、これらはそのままの形態で製品化してもよい
が保存安定性や運搬の便宜等を考慮すると乾燥・粉砕し
て粉末状もしくはフレーク状にするのがよい。
【0020】かくして得られる本発明の(メタ)アクリ
ル酸塩系重合体は、前述の如く非常に水溶性に優れたも
のであって水系溶媒に溶解した時に不溶物を殆ど生じる
ことがなく、しかも高分子量で増粘作用および粘着性に
優れたものであるから、特にパップ剤用の増粘剤などと
して非常に有用であり、肌触りの良好な粘着層を形成す
ることができる。
【0021】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではない。なお、下記実施例で採用した分子
量および水不溶解分の測定法は次の通りである。 [分子量(重量平均分子量)測定法] カラム:昭和電工社製「ion park KS-806 」 標準物質:創和科学社製のポリアクリル酸ナトリウム (分子量:11.5〜110万) 溶離液:0.1モルのりん酸水溶液(pH=7) 検出器:RI 但し不溶物の多いものは測定できなかった。 [水不溶解分] 重合体1g(A)を水500ml に攪拌しながら溶解し、24
時間静置する。この水溶液をフルイ(50mesh)に注ぎ、更
に大量のイオン交換水を注ぐ。残った不溶解分を150 ℃
で3hr乾燥し不溶解分量(B)を測定し、次式により不
溶解分量を求める。 不溶解分量(%)=(B/A)×100
【0022】実施例1 温度計、窒素ガス吹込管および攪拌機を備えた1リット
ルのセパラブルフラスコに、37重量%アクリル酸ナト
リウム水溶液973g(36重量%対全仕込量)、グリ
セリン0.36g(0.13重量%対仕込単量体)、水
17gを仕込み、氷浴で10±2℃に冷却した後、窒素
ガスを吹込んで水溶液中に溶存している酸素を除去し、
溶存酸素を0.3ppmとした。この水溶液に0.01
3重量%(対仕込単量体)の過硫酸アンモニウムを添加
した後、加水して水溶液量を1000gとし10分間攪拌し
た後、攪拌を停止して35℃の恒温槽に浸した。水溶液
は20分後から白濁化し始め、ゲル化した。反応物は重
合開始から80分後に最高温度93℃を示した。4時間
保持した後、透明になったゲル状重合体を取出し、細片
にして190℃で80分間通風乾燥した。乾燥物(ポリ
アクリル酸ナトリウム)は乾燥機から容易に剥離でき
た。得られた乾燥粉末の分子量および水不溶解分を測定
したところ、表1に示す結果を得た。
【0023】実施例2〜14 上記実施例において、水溶性化合物の種類、添加量、ア
ルカリ金属またはアンモニアの添加量等を表1に示す様
に代えた以外は実施例1と同様にしてポリ(メタ)アク
リル酸ナトリウムの乾燥物を得た。得られた乾燥物の分
子量および水不溶解分、原料配合、重合反応時における
最高到達温度(ピーク温度)および最高温度到達時間
(ピーク到達時間)等を表1、表2に示す。但し表1,
2中の*1〜8の意味は下記の通りである。 *1:モル%(対仕込単量体)、*2:モル%(対仕込酸基) *3:重量%(対仕込単量体)、*4:Na;ナトリウム *5:K;カリウム、 *6:AA;アクリル酸 *7:分子量約20,000、 *8:分子量約15,000
【0024】
【表1】
【0025】比較例1および2〜5 前記実施例1において、グリセリンを添加しなかった以
外は実施例1と同様にしてポリアクリル酸ナトリウムの
乾燥粉末を得た。またグリセリンに代えてエタノール、
次亜燐酸ナトリウム、メトキシ酢酸、塩化ナトリウムと
アンモニアを使用した以外は実施例1と同様にして重合
反応を行なった。重合反応時のピーク温度およびピーク
到達時間、得られた乾燥粉末の分子量および水不溶解分
等を表2に一括して示す。
【0026】
【表2】
【0027】表1,2からも明らかである様に、実施例
1〜14で得られた乾燥粉末の分子量は、比較例1(水
溶性化合物無添加)に比べて高分子量であるにもかかわ
らず、水不溶解分の量は極端に少なく水溶性の非常に優
れたものであることが分かる。しかも、重合反応時の最
高温度到達時間は80〜105分であって比較例1と殆
んど変わらず、重合速度の低下は実質的に問題にならな
い。また実施例1〜14では、比較例1に比べて乾燥器
からの乾燥粉末の取出しが容易であり、粉立ちも少なか
った。また比較例2,3では重合反応時の最高到達時間
が非常に遅くなって重合速度が低下すると共に分子量も
十分に上がらず、比較例5では重合速度の低下はそれほ
ど問題にならないが分子量が十分に上がらず、しかもこ
れらの比較例では水不溶解分の低減効果が全く認められ
ない。比較例4ではメトキシ酢酸の添加により重合反応
自体が起こらなくなる。
【0028】実施例15 重合性単量体およびアルカリ金属としてメタクリル酸ナ
トリウムを38重量%(アルカリ金属量として酸基の1
00モル%に相当する)、水溶性化合物としてグリセリ
ンを2.5重量%、開始剤として過硫酸アンモニウムを
0.035 重量%を使用した以外は前記実施例1と同様にし
て重合反応を行ない、ポリメタクリル酸ナトリウムより
なる乾燥粉末を得た。
【0029】比較例6 上記実施例15において、グリセリンを添加しなかった
以外は実施例15と全く同様にしてポリメタクリル酸ナ
トリウムよりなる乾燥粉末を得た。
【0030】実施例16 重合性単量体およびアルカリ金属としてアクリル酸ナト
リウム32重量%、他の酸基含有重合性単量体としてマ
レイン酸ジナトリウム4重量%(アクリル酸とマレイン
酸のモル比は93/7、アルカリ金属量は酸基の100
モル%に相当)、水溶性化合物としてグリセリンを1.
3重量%、開始剤として過硫酸アンモニウムを0.026 重
量%使用した以外は実施例1と同様にして、(メタ)ア
クリル酸塩系共重合体よりなる乾燥粉末を得た。
【0031】比較例7 実施例16において、グリセリンを添加しなかった以外
は実施例16と同様にして(メタ)アクリル酸塩系共重
合体よりなる乾燥粉末を得た。
【0032】比較例8 重合性単量体およびアルカリ金属としてアクリル酸ナト
リウム28重量%とアクリル酸14%(アルカリ金属量
は酸基に対して60.5モル%に相当)、次亜燐酸ナト
リウム0.012 重量%、開始剤として過硫酸アンモニウム
0.024 重量%と重亜硫酸ナトリウム0.048 重量%を使用
した以外は実施例1と同様にして重合を行ない、ゲル状
重合体を得た。このゲルに水を加えて0.2%水溶液と
し実施例1と同様にして分子量および水不溶解分等を測
定した。
【0033】比較例9 比較例7において、重合性単量体およびアルカリ金属と
してアクリル酸ナトリウム14重量%と、アクリル酸2
8重量%(アルカリ金属量は酸基に対し27.7モル%
に相当)を使用し、グリセリン4.4gを用いた以外は
比較例7と全く同様にしてゲル状重合体を得た。
【0034】実施例17 重合性単量体及びアルカリ金属としてアクリル酸ナトリ
ウム33重量%とアクリルアミド3重量%(アクリル酸
とアクリルアミドのモル比は89.3/10.7 、アルカリ金属
量は酸基に対し100モル%に相当)、水溶性化合物と
してグリセリン1.3重量%、開始剤として過硫酸アン
モニウム0.024 重量%と重亜硫酸ナトリウム0.048 重量
%を使用した以外は実施例1と同様にして重合を行な
い、透明なゲル状重合体を得た。これを細片にして乾燥
温度80℃で6時間通風乾燥して乾燥粉末を得た。
【0035】比較例10 実施例17において、グリセリンを添加しなかった以外
は実施例17と同様にしてゲル状重合体を得た。
【0036】上記実施例15〜17、比較例6〜10で
得た各重合体の分子量、水不溶解分、原料配合、重合反
応時の最高到達温度および最高温度到達時間は表3に一
括して示す通りであり、実施例15〜17では比較例6
〜10に比べて水不溶解分が非常に少なく水溶性に優れ
た高分子量の重合体を効率良く製造し得ることが分か
る。
【0037】
【表3】
【0038】[性能試験例] 前記実施例1で得た(メタ)アクリル酸塩系重合体を使
用し、表4の処方に従って下記の手順でパップ剤を製造
した。製造における操作手順は次の通りである。 (A) グリセリン中に実施例1で得た重合体を懸濁させ
る、 (B) 水55g のうち2/3量にカオリン、ゼラチンおよ
びポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエー
トを60℃にて充分混合する、 (C) 残りの水に塩化アルミニウムを溶解させる、 (D) サリチル酸メチル、メントール、カンフルおよびハ
ッカ油を混合する、 (A) に(B) ,(C) ,(D) を順番に加えて混合した後、こ
の混合物を不織布上に厚さが約3mmとなる様に塗布し、
塗布面にポリエチレンフィルムを貼ってパップ剤を得
る。
【0039】得られたパップ剤の「外観」および「粘着
性」を試験し、結果を表4に示した。尚「外観」は目視
による塗布面の不溶物の有無により、また「粘着性」は
指を軽く押し当てた時の粘着性(フィンガーテスト)の
良否によって評価した。
【0040】[比較性能試験例] 前記比較例1で得たアクリル酸塩系共重合体を使用し、
上記性能試験例と同様にしてパップ剤を製造した。
【0041】上記性能試験例および比較性能試験例で得
たパップ剤の外観および粘着性は表4に示す通りであ
り、本発明で得た重合体を用いたものでは塗布面に不溶
物が認められず、優れた粘着性を示すことが確認され
た。
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、こ
の製法を採用すれば、高重合度でありながら優れた水溶
性を有し水に溶解した場合にも不溶物を殆んど析出する
ことのない、増粘剤、粘着剤、凝集剤等として極めて有
用な高分子量の(メタ)アクリル酸塩系重合体を容易に
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−108407(JP,A) 特開 昭56−93703(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性単量体中の60モル%以上が(メ
    タ)アクリル酸である重合反応原料液中に、アルカリ金
    属イオンおよびアンモニウムイオンよりなる群から選択
    される1種以上を前記原料液中の全酸基に対して100
    〜120モル%存在させると共に、エチレングリコー
    ル、プロピレングリコール、グリセリン、単糖、糖アル
    コール、オリゴ糖および鹸化度70%以上のポリビニル
    アルコールよりなる群から選択される水溶性化合物の1
    種以上を、重合性単量体に対して0.01〜20重量%
    共存させ、静置状態で水溶液重合することを特徴とする
    水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系重合体の製法。
  2. 【請求項2】 上記水溶液重合の後に加熱乾燥する請求
    項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 水不溶解物が5重量%以下で、且つ分子
    量が80万以上の(メタ)アクリル酸塩系重合体を得る
    請求項1または2記載の製法
JP4214238A 1992-08-11 1992-08-11 (メタ)アクリル酸塩系重合体の製法 Expired - Fee Related JP2671724B2 (ja)

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