JPH0656912A - (メタ)アクリル酸塩系重合体の製法および該重合体からなるパップ剤用増粘剤 - Google Patents

(メタ)アクリル酸塩系重合体の製法および該重合体からなるパップ剤用増粘剤

Info

Publication number
JPH0656912A
JPH0656912A JP21423892A JP21423892A JPH0656912A JP H0656912 A JPH0656912 A JP H0656912A JP 21423892 A JP21423892 A JP 21423892A JP 21423892 A JP21423892 A JP 21423892A JP H0656912 A JPH0656912 A JP H0656912A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
water
polymer
polymerization
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21423892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2671724B2 (ja
Inventor
Tokihiro Yokoi
時浩 横井
Naotake Shioji
尚武 塩路
Hiroshi Tsuboi
啓史 坪井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP4214238A priority Critical patent/JP2671724B2/ja
Publication of JPH0656912A publication Critical patent/JPH0656912A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2671724B2 publication Critical patent/JP2671724B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子量で且つ水溶性に優れた(メタ)アク
リル酸塩系重合体を効率良く製造することのできる方法
を開発すること。 【構成】 (メタ)アクリル酸を主たる重合性単量体と
して含む重合反応原料液中に適量のアルカリ金属イオン
及び/又はアンモニウムイオンを存在させると共に、エ
チレングリコール、グリセリン、プロピレングリコー
ル、糖類、鹸化度の特定されたポリビニルアルコール等
の水溶性化合物を適量共存させて水溶液静置重合を行な
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水に対する溶解性に優
れた高重合度の(メタ)アクリル酸塩系重合体を生産性
良く製造することのできる方法に関し、この高重合度重
合体は増粘剤、粘着剤、凝集剤等として有用である。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸塩を主たるモノマー
単位として含む単独もしくは共重合体の高重合度物は、
従来より増粘剤、粘着剤、凝集剤等として広く実用化さ
れている。
【0003】ところでこれら(メタ)アクリル酸塩系重
合体の製法としては、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重
合法、スラリー重合法、水溶液重合法等が挙げられる
が、これらの中で最も汎用されているのは水溶液重合法
である。即ち水溶液重合法によれば、(メタ)アクリル
酸塩を主体とする重合性単量体の水溶液に周知のラジカ
ル重合開始剤を添加し、必要により適度に加熱すること
によって重合反応を行なうと、高重合度の(メタ)アク
リル酸塩系重合体が含水ゲル状物として得られる。従っ
てこの含水ゲル状物を押出機やカッター等を用いて細粒
化し、次いで乾燥、粉砕を行なうと粉末状にすることが
できる。そしてこの粉末は水に添加すると容易に再溶解
するので、増粘剤や粘着剤、凝集剤等として利用するこ
とができ、又この粉末は高い吸水能を有しているので吸
水剤としても有効に活用できる。
【0004】この様な(メタ)アクリル酸塩系重合体の
増粘作用、凝集作用、吸水能力等は、重合度が高くなる
ほど向上することが確認されている。ところが重合度を
高めようとすると、重合の特に後半期あるいは乾燥工程
等で重合体に枝分れや架橋反応が起こり、水に対する溶
解性が低下して不溶物が生成し、上記の様な用途に適用
したときの性能を悪化させる。そこで上記枝分れや架橋
反応を抑えて水溶性を高める為の手段として、重合反応
の末期に加温状態で保持して熟成する方法が実施されて
いる。しかしこの方法は、水溶性の向上にはある程度有
効であるが水不溶物の生成を完全に無くすことができる
訳ではなく、しかも加温熟成に余分の時間がかかるため
生産性が低下する。
【0005】また水溶性の低下を防止する他の方法とし
て、重合反応系に次亜燐酸ナトリウムを共存させる方
法(特公昭54-30426号公報)、重合反応系にアルコキ
シカルボン酸を共存させる方法(特公昭57-31564号公
報)、有機酸または無機酸のアルカリ金属塩もしくは
アンモニウム塩とアンモニアの共存下で重合を行なう方
法(特公昭57-36926号公報)等が提案されている。しか
しこれらの方法では、重合反応速度が低下するため重合
の完結に長時間を要するばかりでなく、重合度が大きく
なると、期待される様な水溶性の低下防止効果が得られ
なくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、水に
対する溶解性に優れた高重合度の(メタ)アクリル酸塩
系重合体を生産性良く製造することのできる方法、及び
この方法によりパップ剤用として優れた性能を示す増粘
剤を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の構成は、重合性単量体中の60モル%以
上が(メタ)アクリル酸である重合反応原料液中に、ア
ルカリ金属イオンおよびアンモニウムイオンよりなる群
から選択される1種以上を前記原料液中の全酸基に対し
て60〜120 モル%存在させると共に、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、単糖、糖アル
コール、オリゴ糖および鹸化度70%以上のポリビニルア
ルコールよりなる群から選択される1分子中に2個以上
の水酸基を有する水溶性化合物の1種以上を重合性単量
体に対して0.01〜20重量%共存させて水溶液静置熱重合
するところに要旨を有するものである。
【0008】尚、本発明において水溶性に優れた高分子
量(メタ)アクリル酸塩系重合体とは、水不溶解分が5
重量%以下、より好ましくは1重量%以下のものをい
う。また本発明を実施するに当たっては、重合体の水不
溶解物が5重量%以下であり、且つ分子量が80万以上
となる様に重合条件をコントロールするのがよく、この
様にして得られる(メタ)アクリル酸塩系重合体は、パ
ップ剤用の増粘剤として非常に適したものである。
【0009】
【作用】上記の様に本発明では、(メタ)アクリル酸塩
を主たるモノマー単位とする(メタ)アクリル酸塩系重
合体を製造するに際し、重合反応系に適量のアルカリ金
属イオン及び/またはアンモニウムイオンを存在させる
と共に、1分子中に2個以上の水酸基を有する特定の水
溶性化合物を特定量共存させてラジカル重合を行なうも
のであり、それにより高重合度で且つ水溶性の非常に良
好な(メタ)アクリル酸塩系重合体を短い重合所要時間
で効率良く製造することができる。
【0010】本発明によって得られる(メタ)アクリル
酸塩系重合体の主たるモノマー単位は(メタ)アクリル
酸(塩)であり、重合体を構成する全モノマー単位の内
60モル%以上が(メタ)アクリル酸(塩)からなるも
のであり、必要により含有させることのできる共重合性
単量体としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等
のカルボキシル基含有重合性単量体成分;ビニルスルホ
ン酸、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、3−
(メタ)アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン
酸等のスルホン酸基含有重合性単量体成分等の酸基含有
重合性単量体成分;(メタ)アクリルアミド、第3級ブ
チル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体成分;
グリセロールモノ(メタ)アリルエーテル等のアリルエ
ーテル系単量体成分;2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、アリルアルコール、3−メチル−3−ブテ
ン−1−オール(イソプレノール)、グリセロールモノ
(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体成分;アク
リロニトリル等のニトリル系単量体成分;(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、酢酸ビニ
ル、スチレン等の疎水性単量体成分等が例示され、これ
らは必要により2種以上含むものであってもよい。しか
しこれらの共重合性単量体成分のうち、疎水性の単量体
成分は重合体の水溶性を阻害する傾向があるので、好ま
しくは親水性の共重合性単量体成分を使用するのがよ
く、これらの中で特に好ましいのはマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有重合性単量体成
分である。
【0011】そして本発明の製法を実施するに当たって
は、得られる重合体の水溶性を高めるための要件とし
て、重合反応原料液中に存在させる全単量体中の60モル
%以上を(メタ)アクリル酸(塩)とし、必要により共
存させることのできる他の重合性単量体は、全ての重合
性単量体中に占める比率で40モル%以下に抑えられる。
【0012】また重合反応原料液中には、上記した重合
性単量体中に含まれる酸基の一部もしくは全部を中和す
るための陽イオンを共存させる必要があり、その様な陽
イオンとして本発明ではアルカリ金属イオンおよびアン
モニウムイオンの1種以上を選択する。これらのイオン
は、原料液中にアルカリ金属水酸化物やアンモニアあ
るいはアルカリ金属やアンモニアの炭酸塩、重炭酸塩等
として添加する方法、モノマー原料として前記(メ
タ)アクリル酸を含めた酸基含有ラジカル重合性単量体
のアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩として添加す
る方法、これらとを組合せて実施する方法によっ
て混入させることができ、要は原料液中にアルカリ金属
イオンもしくはアンモニウムイオンを共存せしめ得る限
りその添加形態は一切制限されない。
【0013】但しアルカリ金属イオンおよび/またはア
ンモニウムイオンの量は、原料液中の全酸基に対して60
〜120 モル%、より好ましくは60〜110 モル%にしなけ
ればならず、アルカリ金属イオンおよび/またはアンモ
ニウムイオンの量が不足する場合は重合反応の末期に枝
分れや架橋反応が起こり易くなって水不溶物が生成し易
くなり、本発明の目的が果たせなくなる。
【0014】次に本発明を実施するに際し重合反応原料
液中に共存させる水溶性化合物は、重合速度を低下させ
ることなく、しかも重合反応末期に枝分れや架橋反応を
起こさせることなく水溶性の非常に優れた高重合度物を
生成させるうえで最も重要な添加剤であり、以下に示す
如く1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物が選択
される。
【0015】即ち水溶性化合物としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリン、単糖(た
とえばアラビノース、キシロース等のペントース;ガラ
クトース、グルコース、マンノース、フルクトース等の
ヘキソース;6−デオキシグルコース、6−デオキシタ
ロース等のデオキシヘキソース;グルクロン酸、ガラク
ツロン酸等のウロン酸等)、糖アルコール(たとえばエ
リトール、アラビニトール、キシリトール、ソルビトー
ル、ガラクチトール、マンニトール、ボレミトール、オ
クチトール等)、オリゴ糖(たとえばスクロース、マル
トース、セロビオース、ラクトース、アガロビオース等
の二糖;マルトトリオース等の三糖;マルトテトラオー
ス等の四糖等)および鹸化度が70%以上(好ましくは95
%以上)のポリビニルアルコールが挙げられ、これらは
単独で使用してもよく或は2種以上を併用することもで
きる。これらの中でも特に好ましいのは、主たる重合性
単量体となる(メタ)アクリル酸(塩)に対して優れた
相溶性を示すエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリンおよび糖アルコール類である。
【0016】また該水溶性化合物の添加量は全ての重合
性単量体に対して0.01〜20重量%の範囲に設定しなけれ
ばならず、添加量が不足する場合は上記の効果が有効に
発揮されず、また20重量%を超えて多量添加してもそれ
以上の効果は得られないので経済的に無駄であるばかり
でなく、高沸点有機溶剤として残るため、除去が困難と
なる。水溶性化合物のより好ましい添加量は0.1 〜10重
量%である。
【0017】本発明では、上記の様に(メタ)アクリル
酸を主体とする重合性単量体を、アルカリ金属イオン及
び/又はアンモニウムイオンと特定の水酸基含有水溶性
化合物の共存下でラジカル重合させるものであるが、重
合法としては水溶液静置重合法を採用する。その理由
は、塊状重合法では除熱(冷却)が困難で反応温度のコ
ントロールが難しいため工業的には非常に生産性が悪く
なる。また懸濁重合法や乳化重合法では有機溶剤や乳化
剤などを使用するため、その除去に余分の負担がかかる
のに対し、水溶液重合ではそのような問題がなく、また
静置重合することにより重合度を十分に高めることがで
きるからである。
【0018】水溶液静置重合条件は特に制限されない
が、通常は窒素雰囲気下で周知のラジカル重合開始剤、
例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナ
トリウムなどの過硫酸塩;アゾビス(2−アミジノプロ
パン)塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
シアノ吉草酸などのアゾ化合物;過酸化物と亜硫酸塩、
アミン類に代表される還元剤を組み合わせてなるレドッ
クス系開始剤などを適量添加し、10〜100℃で1.
5〜12時間程度静置重合することによって、分子量
(重量平均分子量)が80万以上、より好ましくは10
0万以上の高重合度重合体を得ることができる。また、
重合開始温度を40℃以下にすることが高重合度重合体
を得るうえで好ましい。この場合必要により重合反応系
に少量の次亜燐酸ナトリウムを加えて重合することも可
能である。得られる重合体は重合方法に応じて高粘性の
水溶液状あるいは含水ゲル状として得られ、これらはそ
のままの形態で製品化してもよいが保存安定性や運搬の
便宜等を考慮すると乾燥・粉砕して粉末状もしくはフレ
ーク状にするのがよい。
【0019】かくして得られる本発明の(メタ)アクリ
ル酸塩系重合体、前述の如く非常に水溶性に優れたもの
であって水系溶媒に溶解した時に不溶物を殆ど生じるこ
とがなく、しかも増粘作用および粘着性に優れたもので
あるから、特にパップ剤用の増粘剤として非常に有用で
あり、肌触りの良好な粘着層を形成することができる。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、高
重合度でありながら優れた水溶性を有しており水に溶解
した場合にも不溶物を殆んど析出することがなく、増粘
剤、吸水剤、凝集剤、粘着剤等として優れた性能を発揮
する。従ってこの重合体は、パップ剤用の増粘剤として
非常に有用である。
【0021】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではない。なお、下記実施例で採用した分子
量および水不溶解分の測定法は次の通りである。 [分子量(重量平均分子量)測定法] カラム:昭和電工社製「ion park KS-806 」 標準物質:創和科学社製のポリアクリル酸ナトリウム (分子量:11.5 〜110 万) 溶離液:0.1 モルのりん酸水溶液(pH=7) 検出器:RI 但し不溶物の多いものは測定できなかった。 [水不溶解分]重合体1g(A)を水500ml に攪拌しな
がら溶解し、24時間静置する。この水溶液をフルイ(50m
esh)に注ぎ、更に大量のイオン交換水を注ぐ。残った不
溶解分を150 ℃で3hr乾燥し不溶解分量(B)を測定
し、次式により不溶解分量を求める。 不溶解分量(%)=(B/A)×100
【0022】実施例1 温度計、窒素ガス吹込管および攪拌機を備えた1リット
ルのセパラブルフラスコに、37重量%アクリル酸ナトリ
ウム水溶液973g(36重量%対全仕込量)、グリセリン0.
36g (0.13重量%対仕込単量体)、水17g を仕込み、氷
浴で10±2℃に冷却した後、窒素ガスを吹込んで水溶液
中に溶存している酸素を除去し、溶存酸素を0.3ppmとし
た。この水溶液に0.013 重量%(対仕込単量体)の過硫
酸アンモニウムを添加した後、加水して水溶液量を1000
g とし10分間攪拌した後、攪拌を停止して35℃の恒温槽
に浸した。水溶液は20分後から白濁化し始め、ゲル化し
た。反応物は重合開始80分後に最高温度93℃を示した。
4時間保持した後、透明になったゲル状重合体を取出
し、細片にして190 ℃で80分間通風乾燥した。乾燥物
(ポリアクリル酸ナトリウム)は乾燥機から容易に剥離
できた。得られた乾燥粉末の分子量および水不溶解分を
測定したところ、表1に示す結果を得た。
【0023】実施例2〜14 上記実施例において、水溶性化合物の種類、添加量、ア
ルカリ金属またはアンモニアの添加量等を表1に示す様
に変えた以外は実施例1と同様にしてポリ(メタ)アク
リル酸ナトリウムの乾燥物を得た。得られた乾燥物の分
子量および水不溶解分、原料配合、重合反応時における
最高到達温度(ピーク温度)および最高温度到達時間
(ピーク到達時間)等を表1、表2に示す。但し表1,
2中の*1〜8の意味は下記の通りである。 *1:モル%(対仕込単量体) *2:モル%(対仕込酸基) *3:重量%(対仕込単量体) *4:Na;ナトリウム *5:K;カリウム *6:AA;アクリル酸 *7:分子量約20000 *8:分子量約15000
【0024】
【表1】
【0025】比較例1および2〜5 前記実施例1において、グリセリンを添加しなかった以
外は実施例1と同様にしてポリアクリル酸ナトリウムの
乾燥粉末を得た。またグリセリンに代えてエタノール、
次亜燐酸ナトリウム、メトキシ酢酸、塩化ナトリウムと
アンモニアを使用した以外は実施例1と同様にして重合
反応を行なった。重合反応時のピーク温度およびピーク
到達時間、得られた乾燥粉末の分子量および水不溶解分
等を表2に一括して示す。
【0026】
【表2】
【0027】表1,2からも明らかである様に、実施例
1〜14で得られた乾燥粉末の分子量は、比較例1(水溶
性化合物無添加)に比べて高分子量であるにもかかわら
ず、水不溶解分の量は極端に少なく水溶性の非常に優れ
たものであることが分かる。しかも重合反応時の最高温
度到達時間は80〜105 分であって比較例1と殆んど変わ
らず、重合速度の低下は実質的に問題にならない。また
実施例1〜14では、比較例1に比べて乾燥器からの乾燥
粉末の取出しが容易であり、粉立ちも少なかった。また
比較例2,3では重合反応時の最高到達時間が非常に遅
くなって重合速度が低下すると共に分子量も十分に上が
らず、比較例5では重合速度の低下はそれほど問題にな
らないが分子量が十分に上からず、しかもこれらの比較
例では水不溶解分の低減効果が全く認められない。比較
例4ではメトキシ酢酸の添加により重合反応自体が起こ
らなくなる。
【0028】実施例15 重合性単量体およびアルカリ金属としてメタクリル酸ナ
トリウムを38重量%(アルカリ金属量として酸基の100
モル%に相当する)、水溶性化合物としてグリセリンを
2.5 重量%、開始剤として過硫酸アンモニウムを0.035
重量%を使用した以外は前記実施例1と同様にして重合
反応を行ない、ポリメタクリル酸ナトリウムよりなる乾
燥粉末を得た。
【0029】比較例5 上記実施例15において、グリセリンを添加しなかった以
外は実施例15と全く同様にしてポリメタクリル酸ナトリ
ウムよりなる乾燥粉末を得た。
【0030】実施例16 重合性単量体およびアルカリ金属としてアクリル酸ナト
リウム32重量%、他の酸基含有重合性単量体としてマレ
イン酸ジナトリウム4重量%(アクリル酸とマレイン酸
のモル比は93/7、アルカリ金属量は酸基の100 モル%に
相当)、水溶性化合物としてグリセリンを1.3 重量%、
開始剤として過硫酸アンモニウムを0.026 重量%使用し
た以外は実施例1と同様にして、(メタ)アクリル酸塩
系共重合体よりなる乾燥粉末を得た。
【0031】比較例6 実施例16において、グリセリンを添加しなかった以外は
実施例16と同様にして(メタ)アクリル酸塩系共重合体
よりなる乾燥粉末を得た。
【0032】実施例17 重合性単量体およびアルカリ金属としてアクリル酸ナト
リウム28重量%とアクリル酸14%(アルカリ金属量は酸
基に対して60.5モル%に相当)、水溶性化合物としてグ
リセリン4.4 重量%、次亜燐酸ナトリウム0.012 重量
%、開始剤として過硫酸アンモニウム0.024 重量%と重
亜硫酸ナトリウム0.048 重量%を使用した以外は実施例
1と同様にして重合を行ない、透明なゲル状重合体を得
た。この透明ゲルに水を加えて0.2 %水溶液とし実施例
1と同様にして分子量および水不溶解分等を測定した。
【0033】比較例7 実施例17において、グリセリンを添加しなかった以外
は、実施例17と同様にしてゲル状重合体を得た。
【0034】比較例8 実施例17において、重合性単量体およびアルカリ金属と
してアクリル酸ナトリウム14重量%と、アクリル酸28重
量%(アルカリ金属量は酸基に対し27.7モル%に相当)
を使用した以外は実施例17と全く同様にしてゲル状重合
体を得た。
【0035】実施例18 重合性単量体及びアルカリ金属としてアクリル酸ナトリ
ウム33重量%とアクリルアミド3重量%(アクリル酸と
アクリルアミドのモル比は89.3/10.7 、アルカリ金属量
は酸基に対し100 モル%に相当)、水溶性化合物として
グリセリン1.3重量%、開始剤として過硫酸アンモニウ
ム0.024 重量%と重亜硫酸ナトリウム0.048 重量%を使
用した以外は実施例1と同様にして重合を行ない、透明
なゲル状重合体を得た。これを細片にして乾燥温度80℃
で6時間通風乾燥して乾燥粉末を得た。
【0036】比較例9 実施例18において、グリセリンを添加しなかった以外は
実施例18と同様にしてゲル状重合体を得た。
【0037】上記実施例15〜18、比較例5〜9で得た各
重合体の分子量、水不溶解分、原料配合、重合反応時の
最高到達温度および最高温度到達時間は表3に一括して
示す通りであり、実施例15〜18では比較例5〜9に比べ
て水不溶解分が非常に少なく水溶性に優れた高分子量の
重合体を効率良く製造し得ることが分かる。
【0038】
【表3】
【0039】実施例19 前記実施例1で得た(メタ)アクリル酸塩系重合体を使
用し、表4の処方に従って下記の手順でパップ剤を製造
した。製造における操作手順は次の通りである。(A) グ
リセリン中に実施例1で得た重合体を懸濁させる、(B)
水55g のうち2/3 量にカオリン、ゼラチンおよびポリオ
キシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートを60℃に
て充分混合する、(C) 残りの水に塩化アルミニウムを溶
解させる、(D) サリチル酸メチル、メントール、カンフ
ルおよびハッカ油を混合する、(A) に(B) (C) (D) の順
に混合した後、この混合物を不織布上に厚さが約3mmと
なる様に塗布し、塗布面にポリエチレンフィルムを貼っ
てパップ剤を得る。
【0040】得られたパップ剤の「外観」および「粘着
性」を試験し、結果を表4に示した。尚「外観」は目視
による塗布面の不溶物の有無により、また「粘着性」は
指を軽く押しあてた時の粘着性(フィンガーテスト)の
良否によって評価した。
【0041】比較例10 前記比較例1で得たアクリル酸塩系共重合体を使用し、
上記実施例19と同様にしてパップ剤を製造した。上記実
施例19及び比較例10で得たパップ剤の外観および粘着性
を調べたところ表4に示す結果が得られ、本発明で得た
重合体を用いた場合は塗布面に不溶物が認められず、優
れた粘着性を示すことが確認された。
【0042】
【表4】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性単量体中の60モル%以上が(メ
    タ)アクリル酸である重合反応原料液中に、アルカリ金
    属イオンおよびアンモニウムイオンよりなる群から選択
    される1種以上を前記原料液中の全酸基に対して60〜12
    0 モル%存在させると共に、エチレングリコール、プロ
    ピレングリコール、グリセリン、単糖、糖アルコール、
    オリゴ糖および鹸化度70%以上のポリビニルアルコール
    よりなる群から選択される1分子中に2個以上の水酸基
    を有する水溶性化合物の1種以上を、重合性単量体に対
    して0.01〜20重量%共存させて水溶液静置熱重合するこ
    とを特徴とする水溶性に優れた(メタ)アクリル酸塩系
    重合体の製法。
  2. 【請求項2】 水不溶解物が5重量%以下で、且つ分子
    量が80万以上である(メタ)アクリル酸塩系重合体を
    得る請求項1に記載の製法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載された製法によ
    って得た(メタ)アクリル酸塩系重合体からなるパップ
    剤用増粘剤。
JP4214238A 1992-08-11 1992-08-11 (メタ)アクリル酸塩系重合体の製法 Expired - Fee Related JP2671724B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4214238A JP2671724B2 (ja) 1992-08-11 1992-08-11 (メタ)アクリル酸塩系重合体の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4214238A JP2671724B2 (ja) 1992-08-11 1992-08-11 (メタ)アクリル酸塩系重合体の製法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10366597A Division JPH1046133A (ja) 1997-04-21 1997-04-21 増粘剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0656912A true JPH0656912A (ja) 1994-03-01
JP2671724B2 JP2671724B2 (ja) 1997-10-29

Family

ID=16652476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4214238A Expired - Fee Related JP2671724B2 (ja) 1992-08-11 1992-08-11 (メタ)アクリル酸塩系重合体の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2671724B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003048217A1 (en) * 2001-12-06 2003-06-12 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process for production of water-soluble (meth)acrylic polymers, water-soluble (meth)acrylic polymers, and use thereof
JP2004010831A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Nippon Shokubai Co Ltd (メタ)アクリル酸(塩)系重合体及びその用途
JP2006143836A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Asahi Kasei Chemicals Corp 吸水性樹脂製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55108407A (en) * 1979-02-14 1980-08-20 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd Production of crosslinked product of polyacrylic acid alkali metal salt
JPS5693703A (en) * 1979-12-19 1981-07-29 Roehm Gmbh Manufacture of waterrsoluble polymer solid product

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55108407A (en) * 1979-02-14 1980-08-20 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd Production of crosslinked product of polyacrylic acid alkali metal salt
JPS5693703A (en) * 1979-12-19 1981-07-29 Roehm Gmbh Manufacture of waterrsoluble polymer solid product

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003048217A1 (en) * 2001-12-06 2003-06-12 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process for production of water-soluble (meth)acrylic polymers, water-soluble (meth)acrylic polymers, and use thereof
US7230061B2 (en) 2001-12-06 2007-06-12 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process for production of water-soluble (meth)acrylic polymers, water-soluble (meth)acrylic polymers, and use thereof
JP2004010831A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Nippon Shokubai Co Ltd (メタ)アクリル酸(塩)系重合体及びその用途
JP2006143836A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Asahi Kasei Chemicals Corp 吸水性樹脂製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2671724B2 (ja) 1997-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5280095A (en) Fine particulate crosslinked type N-vinylamide resin and microgel, process for preparing same, and use thereof
Chen et al. Synthesis and characterization of thermo-and pH-sensitive kappa-carrageenan-g-poly (methacrylic acid)/poly (N, N-diethylacrylamide) semi-IPN hydrogel
Chen et al. Chemoenzymic Synthesis and Characterization of Poly (. alpha.-methyl galactoside 6-acrylate) Hydrogels
GB1589975A (en) Water absorbent polymers
JPS62143935A (ja) ポリマ−の表面処理方法
JPS6136763B2 (ja)
JPH0224361A (ja) 吸収性製品及びその製造方法
EP1081161A1 (en) Process for producing vinyl acetate resin emulsion and water-based adhesive
CA2916602C (en) Hydrophilic thickener and cosmetic composition
US4647636A (en) Process for preparing highly water-absorbent resin
JPS5835605B2 (ja) ポリアクリル酸アルカリ金属塩架橋体の製造方法
JPH03195713A (ja) 高吸水性ポリマーの製造法
JP2671724B2 (ja) (メタ)アクリル酸塩系重合体の製法
CN105860104B (zh) 一种温敏性自修复水凝胶及其制备方法与应用
JPH1046133A (ja) 増粘剤
Zhang et al. Film formation and mechanical properties of the alkoxysilane-functionalized poly (styrene-co-butyl acrylate) latex prepared by miniemulsion copolymerization
KR19990028785A (ko) 카르복실기 함유 중합체 조성물
US5041475A (en) Method for production of inclusion water for hardening gypsum, method for production of shaped article of gypsum, and shaped article of gypsum
US4988390A (en) Method for production of inclusion water for hardening gypsum, method for production of shaped article of gypsum, and shaped article of gypsum
KR101622803B1 (ko) 비-히드로카르빌 소수성 개질된 폴리카르복실 중합체
EP0005363A1 (en) Process for the preparation of carboxyl-containing polymers in an anionic form in the dry state; interpolymers thus obtained
JPS62273217A (ja) 水溶性アクリル系共重合体の製造方法
JP4675471B2 (ja) N−ビニルカルボン酸アミド系共重合体の製造方法および得られたn−ビニルカルボン酸アミド系共重合体の用途
JPH0678395B2 (ja) 水溶性アクリル系共重合体の製造方法
JPS5843408B2 (ja) エマルジヨンソセイブツノセイホウ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970610

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees