JPH1046069A - 水性インクジェットインク組成物 - Google Patents

水性インクジェットインク組成物

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JPH1046069A
JPH1046069A JP9128187A JP12818797A JPH1046069A JP H1046069 A JPH1046069 A JP H1046069A JP 9128187 A JP9128187 A JP 9128187A JP 12818797 A JP12818797 A JP 12818797A JP H1046069 A JPH1046069 A JP H1046069A
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    • C09D11/322Pigment inks

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機顔料分散体を含む水性インクジェットイ
ンクの提供。 【解決手段】 このインクジェットインク組成物は、水
性連続相;顔料、分散剤及び非水性担体からなる非連
続、非水性相;及び少なくとも1つの乳化剤からなる。
この組成物は水及びハイライター汚れに対する優れた抵
抗性を示し、そして印刷要素のにじみを劇的に改善す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は水性インクジェットインクに関
し、より詳しくは有機顔料分散体を含有する水性インク
ジェットインクに関する。
【0002】インクジェット印刷は電子信号例えばコン
ピューターにより発生するそれに感応して情報を記録す
るための非接触方法である。電子信号はインクジェット
印刷ヘッドにインクの液滴を作らせそしてそれを紙又は
透明フィルムのような印刷媒体の上に付着させる。イン
クジェットプリンターはそれが比較的低価格であるこ
と、信頼性、印刷品質及び比較的静かな作動の理由か
ら、特に事務用プリンター市場において広く受け入れら
れている。
【0003】インクジェットプリンターがインクの液滴
を作りそして付着させる機構により熱型及び非熱型に特
徴付けることができる。熱インクジェットプリンターに
おいては、印刷ヘッド中の一つ又はそれより多くの要素
が熱せられ、これによりインクが膨張しそして泡を生じ
る。泡が適当な大きさに達すると、インク液滴は印刷ヘ
ッドから射出される。この理由から、熱インクジェット
プリンターは「バブルジェット」プリンターとも称す
る。非熱型インクジェットプリンターはインク液滴を作
り/射出する手段として加熱を使用しないものである。
非熱型プリンターの例はインク液滴の射出に印刷ヘッド
中の圧電素子を使用する型である。加熱サイクルが反復
されることから、すべてのインクジェットインクが熱イ
ンクジェットプリンターに適するわけではない。
【0004】染料及び顔料の両方がインクジェットイン
クの着色剤として使用される。染料は一般的には顔料に
比較して優れた色彩特性を表すが、その使用に際しての
不利益のため最近は好まれなくなっている。例えば、水
性インキに使用する染料は通常水溶性であり、そして乾
燥後もそのままである。その上、染料を基材とするイン
クは耐光性が乏しい傾向があり、オフィス照明条件下に
おいてさえ褪色することがありうる。従って、顔料がイ
ンクジェット印刷法で特に選択される着色剤になってき
ている。
【0005】水性顔料添加インクにはそれら自身の困難
な問題がある。顔料は水溶性でないから、それらはイン
クの水性担体中に沈降と凝集を防ぐ仕方で分散させるこ
とが必要である。この理由から、顔料添加インクジェッ
トインクの場合、顔料及びポリマーの固体分散物を構成
し、次いで水性インク媒体に分散させるのが普通であ
る。水溶性又は水分散性着色剤の使用は、顔料又は染料
のいずれの場合も問題がある。使用する染料又は顔料が
水溶性であるため、インクが濡れた場合又はフェルトペ
ン(felt tip pen)もしくはハイライターと接触した場
合汚れ(smear)になる傾向がある。水溶性染料及び顔
料分散物はにじみ(bleed)として知られる状態を呈す
ることもあり、すなわちこれは二つの隣接する(又は重
層する)インク液滴の間に起こる色の相互の拡散であ
る。隣接する液滴が異なる色相の場合、その現象は色に
じみとして知られ、これはインクジェット印刷では極め
て好ましくないことである。インクジェット技術におい
ては近年にじみの抑制に多大の注意が払われ、多くの手
段が採られた。例えば隣接する液滴を付着させる間にイ
ンクが乾燥するための十分な時間経過を与えることによ
ってにじみ抑制を実現することができる。ヒーター又は
ドライヤーを使用してインクの乾燥を速めて達成するこ
ともできる。最後に、互いに「混和しない」インクを試
みそして作り出してインク自身を改変することにより達
成することができる。米国特許第5,226,957号及び第5,3
42,440号は水性インク媒体中に水不溶性染料と水不溶性
有機溶媒とを乳化させてなるマイクロエマルジョンイン
クジェットインクを開示しており、印刷要素のにじみが
抑えられると説明している。
【0006】これらの最近の進歩にもかかわらず、なお
上述のにじみの問題のないそして他の既知の方法より利
用性の大きい改良された水性インクジェットインク及び
改良された多色印刷要素を作る方法が求められている。
【0007】
【発明の概要】本発明は (a) 水性連続相; (b) 顔料、分散剤及び非水性担体からなる非連続、非
水性相;及び (c) 少なくとも1つの乳化剤からなるインクジェット
インク組成物を提供する。このインクは安定であり、低
い粘度を持ち、優れた印刷品質を示し、乾燥後に優れた
にじみ抵抗性を与え、そして良好なデキャップ又はクラ
スト形成時間(crusting time)を与える。他のインク
と組み合わせて使用すると、本発明のインクはにじみの
減少した印刷画像を与える。このインク組成物は種々の
インクジェットプリンター例えば連続、圧電、ドロップ
オンデマンド及び熱又はバブルジェットドロップオンデ
マンドに使用することができ、特に熱インクジェットプ
リンターでの使用に適している。これらのインクはエア
ブラシ印刷装置においても有用であろう。
【0008】
【発明の詳述】本発明は一般にインクジェットプリンタ
ー、そして特に熱インクジェットプリンターにおける使
用に適するインクジェットインク組成物を提供する。こ
のインクジェット組成物は水性連続相、及び顔料、分散
剤(通常構成されたポリマ−分散剤)、非水性担体媒質
からなる非水性、非連続相、及び少なくとも1つの乳化
剤からなる顔料を基材とするインクを包含する。これら
のインクは貯蔵時及びプリンター中で長期間安定であ
る。所望により水溶性又は水不溶性染料のいずれかをイ
ンクの色性能を高めるために添加してよい。染料が水不
溶性染料であり、これを有機顔料分散物に添加するのが
好ましい。インクは特定のインクジェットプリンターの
光安定性、汚れ抵抗性、粘度、表面張力、高い光学密度
及びクラスト抵抗性の均衡を得るための必要条件に適合
させることができる。
【0009】水性連続相 水性連続相又は担体媒質は水又は水と少なくとも1つの
水溶性有機溶媒との混合物である。適当な混合物の選択
は特定の適用ための必要条件、例えば所望の表面張力と
粘度、選ばれる着色剤、インクの乾燥時間、及びインク
が印刷される基体の種類の如何による。選択してよい代
表的な水溶性有機溶媒は米国特許 5,085,698に開示され
ており、この開示は参照により本明細書に組み入れる。
水及び多価アルコール例えばジエチレングリコールの混
合物が水性連続相又は担体媒質として好ましい。水及び
水溶性溶媒の混合物を使用する場合、水性担体媒質は約
30%〜約95%の水を含有し、残り(すなわち70〜
5%)は水溶性溶媒である。好ましい組成物は水性担体
媒質の全重量に基づいて約60%〜約95%の水であ
る。インクの水性連続相又は担体媒質の量は、有機顔料
を選択した場合インクの全重量に対して約40〜99.
8%、好ましくは70〜99.8%であり、そして無機
顔料を選択した場合は約25〜99.8%、好ましくは
50〜99.8%である。
【0010】非水性非連続相 非水性非連続相は顔料、分散剤及び非水性担体からな
る。
【0011】顔料 有用な顔料は広範囲の種々な有機及び無機顔料の単独又
は組合せで構成される。顔料粒子はインクジェット印刷
装置、特に通常10〜50ミクロンの直径の射出ノズル
を通過するインクの自由な流れを可能にする十分に小さ
いサイズである。粒子サイズは顔料分散物の安定性にも
影響し、インクの貯蔵期間を通じて最重要である。微小
粒子のブラウン運動は粒子の沈降防止を助ける。最大の
色強度を得るためにも小さい粒子を使用するのが好まし
い。有用な顔料の粒子サイズの範囲は約0.005〜1
5ミクロンである。好ましくは、顔料粒子サイズは0.
005〜5ミクロン、そしてもっとも好ましくは0.0
1〜0.3ミクロンでなければならない。選択された顔
料は乾燥又は湿潤形態で使用することができる。例え
ば、顔料は通常水性媒質中で製造され、生成する顔料は
水湿潤プレスケーキとして得られる。プレスケーキ形態
においては、顔料は乾燥形態における程度まで凝集しな
い。従って、水湿潤プレスケーキ形態の顔料は乾燥顔料
からインクを製造する方法におけるほど解凝集を必要と
しない。本発明の実施に使用することができる代表的な
市販の乾燥及びプレスケーキ顔料は米国特許第5,085,69
8号に開示されており、この開示は参照により本明細書
に組み入れる。金属及び金属酸化物の微細粒子も本発明
の実施に使用することができる。例えば、金属及び金属
酸化物は磁性インクジェットインクの製造に適してい
る。微細粒子サイズの酸化物例えばシリカ、アルミナ、
チタニアなども選択することができる。その外、微細金
属粒子例えば銅、鉄、鋼、アルミニウム及び合金を適当
な適用に選択することができる。有機顔料の場合、イン
クは重量で約30%まで含有してよいが、大部分の熱イ
ンクジェット印刷に適用する場合は一般に全インク組成
物の重量に対して約1〜15%、好ましくは約1〜8%
の範囲であろう。無機顔料を使用する場合、インクは有
機顔料を使用する匹敵するインクより高い重量百分率で
顔料を含む傾向があり、約50%の高含量であることも
できるが、これは無機顔料が一般に有機顔料より高い比
重を持つからである。
【0012】分散剤 非水性担体又は非水溶性溶媒中に顔料を分散させるため
に使用する分散剤はランダム線状、ブロック又はグラフ
トポリマーであることができる。ブロックポリマー分散
剤は米国特許4,032,698に記述されたような機能化され
た連鎖移動剤を使用する慣用的な遊離基重合法による
か、又は米国特許4,656,226に記述されたグループ移動
重合のようなリビング重合法により作ることができ、前
記開示は参照により本明細書に組み入れる。この分散剤
はインクの全重量に基づいて0.1〜10%、好ましく
は0.5〜3%の量を存在させることができる。
【0013】非水性担体 非水性担体は水不溶性有機溶媒例えばエステル、ケト
ン、エーテル、芳香族化合物、炭化水素及びアルコール
である。非水性担体はインク全重量に対して0.5〜5
0%、好ましくは5〜30%の量を存在させることがで
きる。C8〜C22のアルカン、アルケン及びアルキン
が好ましい炭化水素溶媒であり、直鎖、枝分れ鎖又は環
状であってよい。例にはヘプタン、オクタン、ドデカン
及びイソカンが含まれる。適当な芳香族溶媒はトルエ
ン、キシレン、ナフタレン、アントラセン、ナフタレン
スルホネート、置換されたナフタレンスルホネート、フ
ェナントラセン及びメシチレンを含む。置換された芳香
族溶媒、例えばクレゾール、ベンジルアルコール、アニ
ソール、ジメトキシベンゼン、メチルアニソール及びレ
ゾルシノールも使用することができる。適当なケトン溶
媒は直鎖、枝分れ鎖、又は環状ケトン、例えばヘプタノ
ン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンを含
む。適当なエーテル溶媒は脂肪族、芳香族、又はアラル
キルエーテル、例えばプロピレングリコールフェニルエ
ーテル、ジプロピレングリコールフェニルエーテル、エ
チレングリコールフェニルエーテル、及びジエチレング
リコールフェニルエーテルを含む。脂肪族、芳香族、又
はアラルキルエステル、例えば酢酸ブチル、酢酸ヘキシ
ル、アジピン酸ジメチルエステル、C4、C5及びC6
二塩基酸の混合物のジメチルエステル、オクタン酸メチ
ル、及び安息香酸メチルも非水性担体として使用するこ
とができる。直鎖、枝分れ鎖、又は環状アルコール、例
えばオクタノール、シクロヘキサノール及びジメチルシ
クロヘキサノールも有利に使用することができる。
【0014】乳化剤 乳化剤は水性インク媒体中の非水性顔料分散物を安定化
するのに役立つポリマー又はモノマー化合物である。乳
化剤はアニオン性、カチオン性又は非イオン性であるこ
とができる。乳化安定剤はインクの全重量に対して0.
01〜10%、好ましくは0.5〜4%量を存在させる
ことができる。ポリマー乳化剤はランダム線状ポリマ
ー、ブロックポリマー、又はグラフトポリマーでよく、
そして当業者によく知られた方法で製造することができ
る。アニオン性インクに好ましいいくつかのブロックポ
リマー乳化剤はメタクリル酸のブロックポリマー例えば
ベンジルメタクリレート//メタクリル酸BZMA//MA
A13//10であり、そしてカチオン性インクに好まし
いブロックポリマー乳化剤はアミノメタクリレートのブ
ロックポリマー例えばベンジルメタクリレート//ジメチ
ルアミノエチルメタクリレートBZMA//DMAEMA
10//20である。水性顔料分散物における使用に適す
るとしてこの技術分野で知られているポリマー、例えば
米国特許 5,085,698に開示されたそれも乳化安定剤とし
て使用することができる。この乳化剤はモノマー化合物
例えばキシレンスルホン酸ナトリウム;アミンオキシド
例えばN,N−ジメチル−N−ドデシルアミンオキシド
(NDAO)、N,N−ジメチル−N−テトラデシルア
ミンオキシド(NTAO)、N,N−ジメチル−N−ヘ
キサデシルアミンオキシド(NHAO)、N,N−ジメ
チル−N−オクタデシルアミンオキシド(NOAO)、
N,N−ジメチル−N−(Z−9−オクタデセニル)−
N−アミンオキシド(OOAO);アルキンベース型界
面活性剤例えば Air Products and Chemicals, Inc.か
ら入手できるアセチレンポリエチレンオキシド界面活性
剤 Surfynols(R);及びその他の慣用的な界面活性剤例
えば Matrick等, 米国特許 5,180,425に開示されたそれ
であってもよく、前記開示は参照により本明細書に組み
入れる。
【0015】その他の成分 このインク組成物はその他の成分を含有することもでき
る。殺生物剤を微生物の増殖を抑えるためにインク組成
物に使用してよく、この技術分野で周知の通りである。
その上、EDTAのような金属イオン封鎖剤を重金属不
純物の有害な影響を除くため含有させることもできる。
他の既知の添加剤、例えば湿潤剤、粘度調整剤及び他の
アクリル又は非アクリルポリマーをこの技術分野で知ら
れているようにインク組成物の種々の特性を改良するた
めに添加することもできる。染料はインクの色性能を高
めるために添加することができる。それらは水性(水溶
性)又は非水性(水不溶性)染料のいずれでもよい。好
ましくは染料は非水性であり、そしてこれを有機顔料分
散物に添加する。染料はインクの全重量に対して0〜1
0重量%、好ましくは0.01〜4重量%、より好まし
くは0.05〜2重量%の量を存在させることができ
る。溶媒顔料分散物に添加することができる適当な非水
性又は有機溶媒可溶性染料には Solvent Black (SB) 3,
SB 5, SB 46, Solvent Blue 36, Solvent Blue 59, So
lvent Red (SR) 1, SR 24, SR 68, Solvent Yellow (S
Y) 13, SY 14, SY 33及び SY 93が含まれる。建染染料
の例には Vat Black 9, Vat Black 25, Vat Blue 1, Va
t Blue 6, Vat Red 10及び Vat Yellow 4が含まれる。
建染染料のさらに別の例は ICI Americas, Wilmington,
Delaware から入手できる Waxoline(R)染料群を含む。
これら染料には Waxoline(R) Orange EPFW 35117; Waxo
line(R)Red O 31833; Waxoline(R) Black 5BP 35115及
び Waxoline(R) Black OBP 35109がある。水不溶性媒染
染料の例には Mordant Black 1, Mordant Black 9, BAS
F Corp.,Chemical Division (Holland, Mich.) から入
手できる Neazopon(R) Black X52, Mordant Blue 1, Mo
rdant Red 7, Mordant Red 9および Mordant Yellow 26
が含まれる。水相に添加することができるいくつかの水
性又は水溶性染料が Matrick,米国特許 5,205,861に開
示されており、この開示は参照により本明細書に組み入
れる。
【0016】製造方法 これらのインクの製造に含まれる工程は、(1)非水性分
散物の製造、及び(2)乳化剤を使用する非水性分散物の
水性相への反転である。非水性分散物は顔料と分散剤と
を非水性溶媒中で混合することにより製造することがで
きる。混合は好ましくは非水性溶媒中で顔料粒子の均一
な分散物を生成するため、例えば水平ミニミル、ボール
ミル、2本ロールミル及び3本ロールミルのようなロー
ルミル、摩砕機を使用するか、又は液体ジェット相互作
用チェンバー中の多数のノズルを少なくとも5000p
siの液体圧力で通過させることにより、高剪断条件下
で実行するのが好ましい。その後乳化剤を分散物に添加
し、乳化された分散物を水性連続相中に反転する。
【0017】インクの特性 射出速度、液滴の分離長さ、液滴サイズ及び流れ安定性
はインクの表面張力及び粘度により大きく影響を受け
る。インクジェット印刷装置による使用に適する顔料添
加インクジェットインクは20℃で約20ダイン/cm〜
約70ダイン/cm、より好ましくは30ダイン/cm〜約
70ダイン/cmの表面張力を持たねばならない。許容さ
れる粘度は20cPより大きくなく、好ましくは20℃
で約1.0cP〜約10.0cPの範囲である。インクは
広い範囲の射出条件、すなわち熱インクジェット印刷装
置の駆動電圧及びパルス幅、ドロップオンデマンド装置
又は連続装置の圧電素子の駆動振動数、及びノズルの形
及び大きさに適合する物理的特性を持つ。このインクは
長期間優れた貯蔵安定性を持ち、インクジェット装置中
で詰まることはない。画像記録材料例えば紙、繊維、フ
ィルムなどへのインクの固定は迅速且つ確実になされ
る。印刷されたインク画像は明瞭な色調、高い密度、優
れた耐水性及び対光性を持つ。さらにインクはそれが接
触するインクジェット印刷装置の部品を腐食することが
なく、そして本質的に無臭で無毒である。
【0018】
【実施例】ポリマー製造1 5リットルフラスコに機械式攪拌機、温度計、N2導入
孔、乾燥管出口、及び添加用漏斗を装着した。テトラヒ
ドロフランTHF、1104gmとメシチレン、4.7gm
をフラスコに充填した。次いで触媒のm−クロロ安息香
酸テトラブチルアンモニウムのアセトニトリル中1.0
M溶液の2.1mlを添加した。開始剤の1−メトキシ−
1−トリメチルシロキシ−2−メチルプロペン、26.
0gm(0.149M)を注入した。フィードI[グリシ
ジルメタクリレートGMA 254.8gm(1.79
M)]を開始し、45分間添加した。フィードII[メチ
ルメタクリレートMMA 448.1gm(4.48M)及
びブチルメタクリレートBMA 636.2gm(4.48
M)]を75分に開始し、30分間添加した。195分
に、水45.2gm、p−ニトロベンゾエートNBAの2
70.0gm(1.62M)、ベンジルトリメチルアンモニ
ウムヒドロキシドの40%溶液、34.0gm、及びプロ
ピレングリコールメチルエーテルアセテート、450.
0gmを上記溶液に添加した。溶液を蒸留し、309.8g
mの溶媒を除いた。次いで溶液を還流状態に合計430
分間保った。その後酢酸ブチル(900.0gm)をポリ
マー溶液に添加した。このポリマーはGMA//MMA/
BMA12//30/30の組成を持ち、エポキシ基はニ
トロ安息香酸と反応した。Mn=11,000の分子量
を持ち,固体含量42.2%であった。
【0019】ポリマーの製造2 12リットルフラスコに機械式攪拌機、温度計、N2
入孔、乾燥管出口、及び添加用漏斗を装着した。テトラ
ヒドロフランTHF、3750gmとp−キシレン、7.
4gmをフラスコに充填した。次いで触媒のm−クロロ安
息香酸テトラブチルアンモニウムのアセトニトリル中
1.0M溶液の3.0mlを添加した。開始剤の1,1−ビ
ス(トリメチルシロキシ)−2−メチルプロペン、29
1.1gm(1.25M)を注入した。フィードI[m−ク
ロロ安息香酸テトラブチルアンモニウムのアセトニトリ
ル中1.0M溶液の3.0ml]を開始し、180分間添加
した。フィードII[トリメチルシリルメタクリレート,
1975gm(12.5M)]を0.0分に開始し、35分
間添加した。フィードIIの完了(モノマーの99%以上
が反応した)後100分にフィードIII[ベンジルメタ
クリレート、2860gm(16.3M)]を開始し、3
0分間添加した。400分に、720gmのメタノールを
上記溶液に添加し、蒸留を開始した。蒸留の第一段階の
間に1764.0gmの物質が除かれた。次いでさらにメ
タノール304.0gmを添加し、2255.0gmの物質が
さらに溜去された。固体含量49.7%であった。ポリ
マーはBZMA//MAA13//10の組成を持ってい
た。Mn=3,200の分子量であった。
【0020】ポリマーの製造3 12リットルフラスコに機械式攪拌機、温度計、N2
入孔、乾燥管出口、及び添加用漏斗を装着した。テトラ
ヒドロフランTHF、2644gmとメシチレン、5.2g
mをフラスコに充填した。次いで触媒のm−クロロ安息
香酸テトラブチルアンモニウムのアセトニトリル中1.
0M溶液の2.5mlを添加した。開始剤の1−メトキシ
−1−トリメチルシロキシ−2−メチルプロペン、12
5.0gm(0.718M)を注入した。フィードI[ジメ
チルアミノエチルメタクリレートDMAEMA 225
8.0gm(14.4M)及びエトキシトリエチレングリコ
ールメタクリレートETEGMA 884.0gm(3.5
9M)]を開始し、40分間添加した。フィードII[ベ
ンジルメタクリレートBZMA 1265gm(7.18
M)]を100分に開始し、40分間添加した。250
分に、120gmのメタノールを上記溶液に添加し、蒸留
を開始した。合計で913.0gmの溶媒が除かれた。ポ
リマーは固体含量49.7%であり、BZMA//DMA
EMA/ETEGMA10//20/5の組成を持ち、そ
してMn=6,200の分子量であった。
【0021】顔料分散物1:下表の成分を混合して顔料
分散物チップを作った。 成 分 量(gm) 製造1のポリマー(固形体42.2%) 355.5 シアン顔料 150.0 (Cookson Pigments Inc. Newark, NJから入手した BT617-D) ジエチレングリコール(DEG) 30.0 顔料は通常型の2本ロールミルを使用して分散させ、顔
料45%、ポリマー45%及びDEG10%を含有する
チップを得た。チップ100gmを酢酸ブチル350gmと
混合して溶解し、10%顔料分散物溶液を作った。
【0022】顔料分散物2:下表の成分を混合して顔料
分散物チップを作った。 成 分 量(gm) 製造1のポリマー(固形体42.2%) 355.5 シアン顔料 150.0 (Cookson Pigments Inc. Newark, NJから入手した BT617-D) ジエチレングリコール(DEG) 30.0 顔料は通常型の2本ロールミルを使用して分散させ、顔
料45%、ポリマー45%及びDEG10%を含有する
チップを得た。チップ100gmをDBE二塩基エステル
(C4、C5及びC6二酸の混合物のジメチルエステ
ル)の350gmと混合して溶解し、10%顔料分散物溶
液を作った。
【0023】顔料分散物3:下表の成分を混合して顔料
分散物チップを作った。 成 分 量(gm) 製造1のポリマー(固形体42.2%) 355.5 マゼンタ顔料(Ciba Geigyから入手した RT-343-D) 150.0 ジエチレングリコール(DEG) 30.0 顔料は通常型の2本ロールミルを使用して分散させ、顔
料45%、ポリマー45%及びDEG10%を含有する
チップを得た。チップ100gmをDBE(二塩基エステ
ル)の350gmと混合して溶解し、10%顔料分散物溶
液を作った。
【0024】顔料分散物4:下表の成分を混合して顔料
分散物チップを作った。 成 分 量(gm) 製造1のポリマー(固形体42.2%) 355.5 黒色顔料 150.0 (Degussa Inc. Allendale, NJから入手したSpecial Black 6) ジエチレングリコール(DEG) 30.0 顔料は通常型の2本ロールミルを使用して分散させ、顔
料45%、ポリマー45%及びDEG10%を含有する
チップを得た。チップ100gmを Dow Chemical Corpor
ation, Midland, Michiganから入手した1−フェノキシ
ー2−プロパノール、Dowanol(R) PPH の350gmと混
合して溶解し、10%顔料分散物溶液を作った。
【0025】インク実施例1 40gmの顔料分散物1を13.2gmのポリマー製造物2
と予備混合し、次いで下表の成分を添加してインクを製
造した。 成 分 量(gm) 水 123.8 45%KOH 3.04 ジエチレングリコール 10.0 Liponics EG-1(Lipo Chemical Co., Paterson, NJ) 10.0 混合物は通常型ホモジェナイザーを使用して均質化し、
連続水性相及び非連続非水性顔料分散相からなるアニオ
ン性シアンインクを作った。このインクは2%の顔料と
16%の非水溶性溶媒(酢酸ブチル)を含有していた。
【0026】インク実施例2 インク実施例1と同じ処方を使用し、但し顔料分散物2
を使用してインクを製造した。これにより連続水性相及
び非連続非水性顔料分散相からなるアニオン性シアンイ
ンクを得た。このインクは2%の顔料と16%の非水溶
性溶媒(ジメチルエステル)を含有していた。
【0027】インク実施例3 インク実施例1と同じ処方を使用し、但し顔料分散物3
を使用してインクを製造した。これにより連続水性相及
び非連続非水性顔料分散相からなるアニオン性マゼンタ
インクを得た。このインクは2%の顔料と16%の非水
溶性溶媒(ジメチルエステル)を含有していた。
【0028】インク実施例4 インク実施例1と同じ処方を使用し、但し顔料分散物4
を使用してインクを製造した。これにより連続水性相及
び非連続非水性顔料分散相からなるアニオン性黒色イン
クを得た。このインクは2%の顔料と16%の非水溶性
溶媒(1−フェノキシー2−プロパノール)を含有して
いた。
【0029】インク実施例5 40gmの顔料分散物2を9.49gmのポリマー製造物
3と予備混合し、次いで下表の成分を添加してインクを
製造した。 成 分 量(gm) 水 129.84 85%リン酸 0.67 ジエチレングリコール 10.0 Liponics EG-1(Lipo Chemical Co., Paterson, NJ) 10.0 混合物は通常型ホモジェナイザーを使用して均質化し、
連続水性相及び非連続非水性顔料分散相からなるカチオ
ン性シアンインクを作った。このインクは2%の顔料と
16%の非水溶性溶媒(混合メチルエステル)を含有し
ていた。
【0030】インク実施例6 インク実施例5と同じ処方を使用し、但し顔料分散物3
を使用してインクを製造した。これにより連続水性相及
び非連続非水性顔料分散相からなるカチオン性マゼンタ
インクを得た。このインクは2%の顔料と16%の非水
溶性溶媒(ジメチルエステル)を含有していた。
【0031】対照インク1 下表の成分を混合して顔料分散物チップを作った。 成 分 量(gm) 製造2のポリマー(固形体49.7%) 301.8 黄色顔料 150.0 (Sun Chemical Corp., Cincinnati, OHから入手した Sunbrite Y13) ジエチレングリコール(DEG) 30.0 顔料は通常型の2本ロールミルを使用して分散させ、顔
料45%、ポリマー45%及びDEG10%を含有する
チップを得た。下表の成分を混合して10%顔料分散物
溶液を作った。 成 分 量(gm) 顔料分散物チップ 100 45%KOH 17.0 水 333.0 下表の成分を混合してインクを作った。 成 分 量(gm) 上記の顔料分散物 30.0 Liponics EG-1(Lipo Chemical Co., Paterson, NJ) 5.0 2−ピロリドン 9.0 水 56.0 これにより3%の黄色顔料を含有するアニオン性の水性
対照インクが得られた。
【0032】対照インク2 黄色顔料の代わりにシアン顔料(Cookson Pigmentsから
入手した BT617-D)を使用したことを除いて、対照イン
ク1と同じ処方を使用した。
【0033】対照インク3 黄色顔料の代わりにマゼンタ顔料(Ciba Geigyから入手
した RT-343-D)を使用したことを除いて、対照インク
1と同じ処方を使用した。
【0034】対照インク4 黄色顔料の代わりに黒色顔料(Degussaから入手した FW
18)を使用したことを除いて、対照インク1と同じ処方
を使用した。
【0035】対照インク5 下表の成分を混合して顔料分散物チップを作った。 成 分 量(gm) 製造3のポリマー(固形体69.5%) 215.8 シアン顔料 150.0 (Cookson Pigments Inc. Newark, NJから入手した BT617-D) ジエチレングリコール(DEG) 30.0 顔料は通常型の2本ロールミルを使用して分散させ、顔
料45%、ポリマー45%及びDEG10%を含有する
チップを得た。下表の成分を混合して10%顔料分散物
溶液を作った。 成 分 量(gm) 顔料分散物チップ 100 85%リン酸 15.2 水 334.8 下表の成分を混合してインクを作った。 成 分 量(gm) 上記の顔料分散物 30.0 テトラエチレングリコール 10.0 2−ピロリドン 6.0 Multranol(R) 4012 (Bayer Chemical) 2.5 水 51.5 これにより3%のシアン顔料を含有するアニオン性の水
性対照インクが得られた。
【0036】対照インク6 シアン顔料の代わりに黄色顔料(Sun Chemicalから入手
した Sunbrite(R) Y13)を使用したことを除いて、対照
インク5と同じ処方を使用した。
【0037】インクの品質 上記インクのすべてを Hewlett Packard Desk Jetイン
クジェットプリンターを使用して標準の事務用ボンド紙
に印刷し、そして耐水性及びハイライターによる汚れ抵
抗性を試験した。結果を表1に報告する。
【表1】インク 耐水性 汚れ抵抗性 実施例1 優秀 優秀 実施例2 優秀 優秀 実施例3 優秀 優秀 実施例4 優秀 優秀 実施例5 優秀 優秀 実施例6 優秀 優秀 対照2 極めて不十分 不十分 対照3 極めて不十分 不十分 対照5 極めて不十分 不十分
【0038】インクは、印刷後1分に水を印刷部分に流
してインクのすじが形成されない場合、耐水性を優秀と
評価した。極めて不十分な耐水性とは、印刷後1分に水
を印刷部分に流して多数のインクのすじが形成される場
合を意味する。印刷部分に残留したのとほとんど同量の
インクが水流中に存在する。印刷後1分にハイライター
を印刷部分に流してインクのすじ形成が認められない場
合、汚れ抵抗性に優秀の評価を与えた。不十分な汚れ抵
抗性とは、印刷後1分にハイライターを印刷部分に流し
て多数のインクのすじが形成されることを意味する。
【0039】表1の結果は本発明のインクが水及びハイ
ライター汚れに対して優れた抵抗性を有することを示し
ている。これはアニオン性及びカチオン性インクの両方
にとって真実である。対照は同様の顔料を使用して、ア
ニオン性又はカチオン性のいずれも水及びハイライター
汚れに対して不十分な抵抗性を示した。上記インクをに
じみに関しても試験した。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】インクセット 対にじみ成績 インク3とインク5 優秀 インク3と対照4 優秀 インク5と対照6 優秀 対照3と対照4 不十分 対照5と対照6 不十分
【0041】表2の結果はインクセットが少なくとも1
つの本発明のインクからなる場合、優れた対にじみ成績
が得られることを示している。これはインク3と対照イ
ンク4に対して、対照インク3と対照インク4のにじみ
を比較することにより、おそらくもっとも明瞭に観察さ
れるであろう。各々の場合、インクは共にアニオン性で
ある。しかしながら、アニオン性インクの1つが本発明
のインクである場合、にじみは劇的に改善された。イン
ク5と対照インク6に対して、対照インク5と対照イン
ク6のにじみを比較すると、カチオン性インクについて
も同じ観察がなされる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 水性連続相; (b) 顔料、分散剤及び非水性担体からなる非連続、非
    水性相;及び (c) 少なくとも1つのポリマー乳化剤からなるインク
    ジェットインク組成物。
  2. 【請求項2】 水性連続相が水及び多価アルコールの混
    合物からなる請求項1に記載のインク組成物。
  3. 【請求項3】 水性連続相が重量で60%〜95%の水
    を含有する請求項2に記載のインク組成物。
  4. 【請求項4】 水性連続相がインク組成物の重量で25
    %〜99.8%を構成する請求項1に記載のインク組成
    物。
  5. 【請求項5】 顔料がインク組成物の重量で1%から3
    0%までを構成する請求項1に記載のインク組成物。
  6. 【請求項6】 分散剤がランダム線状ポリマー、ブロッ
    クポリマー、及びグラフトポリマーからなる群より選ば
    れる請 求項1に記載のインク組成物。
  7. 【請求項7】 分散剤がインク組成物の重量で0.1%
    〜10%を構成する請求項1に記載のインク組成物。
  8. 【請求項8】 非水性担体がエステル、ケトン、エーテ
    ル、芳香族化合物、炭化水素及びアルコールからなる群
    より選ばれる水不溶性有機溶媒からなる請求項1に記載
    のインク組成物。
  9. 【請求項9】 少なくとも1つのポリマー乳化剤がラン
    ダム線状ポリマー、ブロックポリマー、及びグラフトポ
    リマーからなる群より選ばれる請求項1に記載のインク
    組成物。
  10. 【請求項10】 少なくとも1つのポリマー乳化剤がイ
    ンク組成物の重量で0.01%〜10%を構成する請求
    項1に記載のインク組成物。
  11. 【請求項11】 その上さらに、殺生物剤、金属イオン
    封鎖剤、湿潤剤、粘度調整剤、追加のポリマー及び染料
    からなる群より選ばれる少なくとも1つの添加物を含有
    する請求項1に記載のインク組成物。
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